JPH09296125A - 赤色顔料、その製造方法及びそれを用いた化粧料 - Google Patents

赤色顔料、その製造方法及びそれを用いた化粧料

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JPH09296125A
JPH09296125A JP8109429A JP10942996A JPH09296125A JP H09296125 A JPH09296125 A JP H09296125A JP 8109429 A JP8109429 A JP 8109429A JP 10942996 A JP10942996 A JP 10942996A JP H09296125 A JPH09296125 A JP H09296125A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫根の色素を鮮やかな赤色を呈する状態で安
定的に固定化させた赤色顔料、このものを効率よく製造
する方法及び該赤色顔料を含有するメイクアップ化粧料
を提供する。 【解決手段】 ポリ(アルキルメタクリレート)樹脂粉
末やN,N‐ジアルキルアミノエチルメタクリレート変
性絹フィブロイン粉末に紫根の色素を固着させて成る赤
色顔料、固着促進剤の存在下、ポリ(アルキルメタクリ
レート)樹脂粉末やN,N‐ジアルキルアミノエチルメ
タクリレート変性絹フィブロイン粉末を、紫根の色素を
含む水性溶媒と接触させることにより、前記赤色顔料を
製造する方法、及び化粧料の基本組成100重量部に対
し、この赤色顔料0.1〜30重量部を配合して成るメ
イクアップ化粧料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な赤色顔料、
その製造方法及びその赤色顔料を含有する化粧料に関す
るものである。さらに詳しくいえば、本発明は、紫根の
色素を特定の担体に強固に固着させた赤色顔料、それを
製造する方法及びその赤色顔料を含有するメイクアップ
化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、薬草ムラサキ(Lithospe
rmum offinnale)の根部、すなわち紫根
にはナフトキノン系色素であるシコニンやそのエステル
体が含まれていることが知られている。この紫根の色素
は、pHによって酸性領域の赤色からアルカリ性領域の
青色まで、色調が容易に変化する性質を有することか
ら、鮮やかな赤色を呈する状態で紫根の色素を安定的に
固定化することは、これまで容易ではなかった。
【0003】この紫根の色素を安定的に固定化させる方
法としては、通常ミョウバンなどのアルミニウム塩を媒
染剤として用いる方法が行われているが、この方法にお
いては、固定化され発色する色調は紫色ないし青紫色で
あって、赤色を呈する状態で安定的に固定化することが
できない。
【0004】本発明者らは、先に、紫根の色素を赤色の
状態で固定化させる方法として、マイカやタルクなどの
層状結晶構造を有する微粒状無機物に、紫根の色素を含
浸させる方法(特開平4−77562号公報)、あるい
はポリエチレン系樹脂粒子、塩化ビニル系樹脂粒子又は
シリコーン系樹脂粒子に、紫根の色素を含浸させる方法
(特開平4−77563号公報)を提案した。しかしな
がら、これらの方法においては、得られる赤色顔料は乾
燥状態あるいは水溶液中では安定しているものの、有機
溶媒中では紫根の色素が溶出するという欠点があり、紫
根の色素を赤色の状態で完全に固定化させる方法として
は必ずしも満足しうるものではなかった。
【0005】他方、紫根の色素を絹の微粉末などの有機
物質に、ミョウバンなどのアルミニウム塩を媒染剤とし
て用いて、紫根の色素を紫ないし青紫の色調に発色さ
せ、固定化させ、メイクアップ化粧料に用いることも知
られているが(特開平5−59885号公報)、赤色の
色調のメイクアップ化粧料ではない。
【0006】ところで、ポリメタクリル酸エステル樹
脂、特にポリメタクリル酸メチルやポリメタクリル酸エ
チルなどは、コンタクトレンズ、歯科材料、食品容器な
どにも使用されている安全性の高い高分子材料であっ
て、その粉末は、タルクや酸化チタンなどと同様、化粧
料の白色体質顔料として使用されているが、これが有色
顔料の担体となることはこれまで知られていない。
【0007】また、N,N‐ジアルキルアミノエチルメ
タクリレート変性絹フィブロイン粉末を合成染料で染着
して着色顔料として用いることは知られているが(特開
昭62−415号公報)、合成染料は紫根の色素に比べ
て極めて安定したものであり、容易に染着して安定的に
固定化することができるのに対し、紫根の色素のような
不安定なものでは、同じようにしてN,N‐ジアルキル
アミノエチルメタクリレート変性絹フィブロイン粉末に
より、色調を安定な状態で固定化することはできない。
このように、紫根の色素を鮮やかな赤色を呈する状態で
安定的に固定化させて成る赤色顔料は、これまで見出さ
れていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、紫根の色素を鮮やかな赤色を呈する状態
で安定的に固定化させて成る赤色顔料とし、このものを
化粧料成分として用いるようにすることを目的としてな
されたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、紫根の色
素を鮮やかな赤色を呈する状態で安定的に固定化させる
ことについて鋭意研究を重ねた結果、固着促進剤の存在
下に、特定の担体物質を紫根の色素を含む水性溶媒と接
触させることにより、紫根の色素は鮮やかな深赤色を呈
する状態で、該担体物質に容易にかつ強固に固着するこ
とを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至
った。
【0010】すなわち、本発明は、ポリ(アルキルメタ
クリレート)樹脂粉末及びN,N‐ジアルキルアミノエ
チルメタクリレート変性絹フィブロイン粉末の中から選
ばれた担体物質に紫根の色素を強固に固着させて成る赤
色顔料及び化粧料の基本組成100重量部に対し、この
赤色顔料0.1〜30重量部を配合したことを特徴とす
るメイクアップ化粧料を提供するものである。
【0011】また、本発明に従えば、前記赤色顔料は、
ポリ(アルキルメタクリレート)樹脂粉末及びN,N‐
ジアルキルアミノエチルメタクリレート変性絹フィブロ
イン粉末の中から選ばれた担体物質を、無機酸、有機酸
及びこれらのナトリウム塩、カリウム塩又はカルシウム
塩の中から選ばれた固着促進剤の存在下で、紫根の色素
を含む水性溶媒と接触させることにより、製造すること
ができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明においては、紫根の色素を
固着させる担体物質として、ポリ(アルキルメタクリレ
ート)樹脂粉末及びN,N‐ジアルキルアミノエチルメ
タクリレート変性絹フィブロイン粉末の中から選ばれた
ものが用いられる。ここで、ポリ(アルキルメタクリレ
ート)樹脂粉末としては、例えばポリメタクリル酸メチ
ル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸プロピ
ル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸イソブ
チルなどの樹脂粉末が挙げられるが、得られる顔料を化
粧料の赤色顔料として用いる場合には、特にポリメタク
リル酸メチル粉末及びポリメタクリル酸エチル粉末が好
適である。またN,N‐ジアルキルアミノエチルメタク
リレート変性絹フィブロイン粉末は、例えば公知の方法
(特開昭57−191315号公報、特開昭62−41
5号公報記載の方法)に従い、絹繊維粉末又は再生絹フ
ィブロイン粉末、あるいは多孔質絹フィブロイン粉末を
N,N‐ジアルキルアミノエチルメタクリレートで処理
して変性したものであって、具体的にはN,N‐ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート、N,N‐ジエチルアミ
ノエチルメタクリレート、N,N‐ジプロピルアミノエ
チルメタクリレート、N,N‐ジイソプロピルアミノエ
チルメタクリレート、N,N‐ジブチルアミノエチルメ
タクリレート、N,N‐ジイソブチルアミノエチルメタ
クリレートなどで変性した絹フィブロイン粉末が挙げら
れる。特に、得られる顔料を化粧料の赤色顔料として用
いる場合には、N,N‐ジメチルアミノエチルメタクリ
レート変性絹フィブロイン粉末及びN,N‐ジエチルア
ミノエチルメタクリレート変性絹フィブロイン粉末が好
適である。
【0013】本発明においては、前記粉末状担体物質は
1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても
よく、また、その平均粒子径は、通常0.1〜100μ
m、好ましくは0.1〜30μmの範囲で選ばれる。
【0014】一方、本発明において用いられる紫根の色
素は、天然のムラサキの根から抽出した色素抽出物であ
ってもよいし、バイオテクノロジーによる細胞培養や網
状根培養によって得られたシコニンあるいはシコニン系
色素組成物であってもよく、あるいは化学合成により得
られたシコニン誘導体であってもよい。
【0015】天然の紫根には、一般式
【化1】 (式中のRは水素原子又は有機基である)で表されるナ
フトキノン系色素のシコニン系化合物が含まれている。
前記一般式(I)において、Rが水素原子の場合、該化
合物はシコニンであるが、通常Rが有機基のエステル体
として存在する。また、欧州産ムラサキ科植物Alca
nna tinctoriaの根には、前記シコニンの
光学対掌体アルカンニンが含まれているが、本発明にお
いてはこのものも用いることができる。
【0016】本発明において用いられる紫根の色素を、
紫根から抽出する場合、通常ムラサキの根を乾燥させた
のち、細かく砕き、これに適当な抽出溶媒を加えて、2
〜5日間程度放置し、ついで遠心分離やろ過などの手段
を用いて固形分を除去し、得られた抽出液から溶媒を留
去させることによって、色素抽出物(濃縮物)を得る方
法が用いられる。
【0017】この際、使用する抽出溶媒としては、例え
ばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアル
コール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジメチル
エーテル、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、
n‐ヘキサン、シクロヘキサン、n‐ヘプタン、石油エ
ーテル、ジオキサン、アセトン、メチルイソブチルケト
ン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクレン、パークレ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの通常の有機溶
剤を挙げることができ、これらの溶剤は1種用いてもよ
いし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0018】このようにして得られた色素抽出物の収量
は、天然産のムラサキの根を用いる場合、その乾燥重量
に対して、通常3〜5重量%程度である。また、該色素
抽出物には、通常シコニン、イソブチルシコニン、イソ
バレリルシコニン、α‐メチル‐n‐ブチルシコニン、
β,β‐ジメチルアクリルシコニン、アセチルシコニ
ン、テラクリルシコニン、β‐ヒドロキシイソバレリル
シコニンなどのシコニン系化合物から成る色素、さらに
水溶性の脂肪酸及び吉草酸などの夾雑物が含まれてお
り、この夾雑物による臭気が紫根の特異臭となってい
る。この夾雑物は前記抽出処理において、抽出温度が高
く、かつ処理時間が長くなると増加するので、抽出処理
は室温で2日ないし3日間前後が適当である。また、紫
根の特異臭を特に嫌う場合には、前記のようにして得ら
れた色素抽出物をさらに精製して用いることが好まし
い。
【0019】該色素抽出物から、水溶性の夾雑物を取り
除き、シコニンなどの色素成分のみを分割して取り出す
ための精製方法としては、例えば色素抽出物を水に難溶
又は不溶な有機溶媒に溶解し、これを水洗する方法、あ
るいは、シリカゲルクロマトグラフィーで処理する方法
などを用いることができる。
【0020】前記シリカゲルクロマトグラフィーなどに
よる精製を行う際に用いられる有機溶媒あるいは溶離液
としては、比較的極性が低く、しかもシコニン系化合物
の中には熱に不安定なものがあることから、濃縮時の減
圧沸点が50℃/10〜30mmHgを越えない有機溶
媒が好ましい。このような溶媒としては、例えばn‐ヘ
キサン、シクロヘキサン、n‐ヘプタン、石油エーテル
などの炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四
塩化炭素、トリクレン、パークレンなどの塩素化炭化水
素類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化
水素類などが挙げられ、これらの溶媒は1種用いてもよ
いし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0021】また、ムラサキの細胞培養によって得られ
たシコニンは、ムラサキの切り口から生成したカルス
(無定型の細胞集塊)の酵素処理により得られるプロト
プラスト(原形質体)からシコニンの生産性が高い株を
選択し、これを第一段の細胞増殖培地と第二段のシコニ
ン生産培地から成る2段培養生産プロセスによって生産
される。このような細胞培養によるシコニンはすでに商
業生産されている。また、この場合、培養細胞エキスに
含まれているアセチルシコニン、イソブチルシコニン、
β‐ヒドロキシイソバレリルシコニン、イソバレリルシ
コニン、α‐メチル‐n‐ブチルシコニンなどの色素成
分を前記した抽出溶媒で抽出して用いることもできる。
さらに、合成シコニン及びシコニン誘導体は、ジヒドロ
ナフタレン又は2‐ホルミル‐1,4,5,8‐テトラ
メトキシナフタレンを原料として製造される。
【0022】本発明の赤色顔料は、前記の粉末状担体物
質に前記紫根の色素を強固に固着させたものであり、そ
の製造方法については特に制限はなく、種々の方法を用
いることができるが、本発明方法に従えば、固着促進剤
の存在下で、前記粉末状担体物質を紫根の色素を含む水
性溶媒と接触させることにより、所望の赤色顔料を効率
よく製造することができる。
【0023】本発明方法においては、固着促進剤とし
て、無機酸、有機酸及びこれらのナトリウム塩、カリウ
ム塩、カルシウム塩の中から選ばれたものが用いられ
る。ここで、無機酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝
酸、ホウ酸などが挙げられ、有機酸としては、例えば酢
酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、
酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸などが挙
げられる。また、無機酸の塩としては、例えば塩化ナト
リウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナト
リウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、硝酸ナトリ
ウム、硝酸カリウムなどが挙げられ、有機酸の塩として
は、例えば酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシ
ウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウ
ム、プロピオン酸カルシウム、酪酸カリウム、酪酸カル
シウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸カルシウ
ム、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸カリウム、シュウ酸
カルシウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、リン
ゴ酸ナトリウム、クエン酸カルシウムなどが挙げられ
る。これらの固着促進剤は単独で用いてもよいし、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。前記無機酸や有機酸
の塩として、アルミニウム塩、マグネシウム塩又は鉄塩
を用いると紫根の色素を鮮やかな赤色を呈する状態で固
着させることができない。
【0024】本発明方法においては、前記固着促進剤の
存在下で、ポリ(アルキルメタクリレート)樹脂粉末や
N,N‐ジアルキルアミノエチルメタクリレート変性絹
フィブロイン粉末の担体物質を、紫根の色素を含む水性
溶媒と接触させることにより、該担体物質に紫根の色素
を固着させる。この固着処理における水性溶媒として
は、水と水溶性有機溶剤との混合溶媒が好適である。こ
の水溶性有機溶剤としては、例えばメチルアルコール、
エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピル
アルコールなどのアルコールが好ましく、これらは1種
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0025】該粉末状担体物質に紫根の色素を固着させ
る具体的な方法としては、(1)水溶性有機溶剤に紫根
の色素を溶解し、これに適量の水を加えて調製した紫根
の色素を含む水性溶媒に、粉末状担体物質を加えて分散
させたのち、固着促進剤を添加して処理する方法、ある
いは(2)固着促進剤を含有する水溶液に、水溶性有機
溶剤を適量加えたのち、かき混ぜながら粉末状担体物質
を添加して分散させ、次いで、紫根の色素を水溶性有機
溶剤に溶解したものを添加して処理する方法などを用い
ることができる。
【0026】この固着処理において、水溶性有機溶剤を
存在させることにより、粉末状担体物質の分散性を向上
させることができる。また、ムラサキの根から抽出した
紫根の色素抽出物を用いる場合、抽出溶媒として前記水
溶性有機溶剤を用いれば、抽出液を濃縮することなく、
そのまま使用することができる。また、水と水溶性有機
溶剤との使用割合は、水1容量部に対し、水溶性有機溶
剤が0.1〜0.6容量部が適当である。これよりも水
溶性有機溶媒の量が多くなると、担体物質であるポリ
(アルキルメタクリレート)樹脂が溶解するので好まし
くない。
【0027】次に、紫根の色素の使用量は、粉末状担体
物質に対して3重量%以上が好ましく、特に10重量%
以上が好適である。なお、色素の使用量が3重量%未満
であっても、固着処理を繰り返すことによって、深赤色
の顔料を得ることができる。さらに、固着促進剤の使用
量は、粉末状担体物質に対して、5重量%以上になるよ
うに選ぶのが有利である。また、前記(1)の処理方法
を採用する場合、固着促進剤はそのまま徐々に添加して
もよいし、水溶液の形で添加してもよい。固着処理は室
温で行ってもよいが、40〜55℃程度の温度で30分
ないし2時間程度行うのが有利である。
【0028】このようにして、ポリ(アルキルメタクリ
レート)樹脂粉末やN,N‐ジアルキルアミノエチルメ
タクリレート変性絹フィブロイン粉末の担体物質に、紫
根の色素が鮮やかな赤色を呈する状態で強固に固着され
る。固着処理後、色素が固着した担体物質を、ろ過や遠
心分離などの公知の手段により取り出し、乾燥したの
ち、必要ならば粉砕(解砕)処理することにより、所望
の微粉末状の深赤色を呈する堅牢度に優れた赤色顔料が
得られる。
【0029】紫根の色素成分であるシコニン系化合物は
抗炎、抗菌、皮膚損傷治癒などの薬理作用を有すること
が知られており、したがって、担体物質に紫根の色素を
固着させた本発明の赤色顔料は、化粧料の着色剤として
極めて好適である。
【0030】本発明のメイクアップ化粧料は、前記赤色
顔料を着色剤として配合したものであり、その配合量
は、化粧料の基本組成100重量部に対し、0.1〜3
0重量部の範囲で選ばれる。この量が0.1重量部未満
では着色度が不十分であるし、30重量部を超えると化
粧料の他の性能がそこなわれるおそれが生じる。また、
赤色顔料の最適な配合量は、化粧料の種類に応じて、前
記範囲で選ばれる。
【0031】本発明のメイクアップ化粧料における基本
組成としては、特に制限はなく、従来各種メイクアップ
化粧料、例えばアイシャドウ、ほほ紅、ファンデーショ
ン、口紅、美爪料などに慣用されている基本組成を挙げ
ることができる。また、本発明のメイクアップ化粧料に
は、必要に応じ、無機顔料や有機顔料などの他の着色剤
を適宜配合してもよい。本発明のメイクアップ化粧料の
調製方法については特に制限はなく、従来メイクアップ
化粧料の調製に慣用されている方法を用いることができ
る。
【0032】
【発明の効果】本発明の赤色顔料は、特定の粉末状担体
物質に、紫根の色素を鮮やかな赤色を呈する状態で強固
に固着させたものであって、有機溶剤が存在するにもか
かわらず色素が溶出や担体物質粉末の溶解を生じないの
で、化粧料などの着色剤として好適に用いられる。ま
た、本発明のメイクアップ化粧料は前記赤色顔料を含有
するものであって、鮮やかな色調をもち、かつ肌への付
着性と触感及び耐水性(耐汗性)に優れるとともに、使
用感が良好である。さらに、該顔料に含まれる紫根の色
素が抗炎、抗菌、皮膚損傷治癒などの薬理作用を有する
など、優れた特徴を有し、例えばアイシャドウ、ほほ
紅、ファンデーション、口紅、美爪料などとして好適に
用いられる。
【0033】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によって限定されるもの
ではない。なお、得られた顔料の物性は次のようにして
求めた。 (1)外観 目視観察による。 (2)色相H、明度V、彩度C 積分球を用いた分光光度計[日本分光工業(株)製、分
光高度計「Ubest50」]によって、波長380〜
780nmの反射スペクトル測定し、C光源(青空を含
む昼光)を標準光源とし、国際照明委員会(CIE)の
定めた2度視野に基づく表色系に従ってマンセル座標を
求める色彩計算プログラム[日本分光工業(株)製、T
SV−433型色彩計算プログラム]を用いて測定し
た。なお、Rは赤の色相領域、Bは青の色相領域、Yは
黄の色相領域を表わす。 (3)色素溶出性試験 調製された顔料0.5gを試験管に採り、エタノールと
水との容量比1:5の混合物10mlを加え、室温で3
0分間振とうしたのち、放置し、上澄液の着色状態を目
視により観察して、色素の溶出性を確認した。
【0034】調製例 乾燥した局方「紫根」(ムラサキの根、産地:中国、剤
形:生)1kgを細かく砕いて、ステンレス製の20リ
ットル蓋付き円筒容器に取り、これに抽出溶媒としてエ
チルアルコール(純度99.5%)5リットルを加え、
室温で3日間放置したのち、ろ過して濃い赤紫色のエタ
ノール抽出溶液4.2リットルを得た。次いで、この抽
出溶液中のエチルアルコールを減圧下で留去し、濃縮す
ることにより、シラップ状の濃い赤紫色を呈する紫根の
粗製色素抽出物(濃縮物)46.0gを得た。使用した
乾燥紫根に対して、紫根の粗製色素抽出物(濃縮物)の
収量は、4.6重量%であった。次いで、この粗製色素
抽出物20gを、45mmφ×750mmのガラス製ク
ロマト管にシリカゲル(メルク社製、Kieselge
l 60、70〜230mesh)200gを湿式充て
んしたカラムに入れ、クロロホルム溶剤として展開し
た。抽出液が赤色を呈している画分を合わせ、減圧下に
濃縮し、暗紅色シラップ状の精製色素抽出物6.9gを
得た。
【0035】[赤色顔料の製造] 実施例1 精製水700mlに、調製例で得た紫根の精製色素抽出
物2.5gをエチルアルコール300mlに溶解して加
え染浴を調製し、次いでかき混ぜながら、これに担体物
質としての平均粒径8μmのポリメタクリル酸メチル
(PMMA)粉末[東色ピグメント(株)商品名:Pl
astic Powder A]25gを投入し分散さ
せ、染浴の温度を45℃に昇温し、かき混ぜを続けなが
ら固着促進剤としてのシュウ酸8gを精製水100ml
に溶解した溶液を30分間かけて滴下し、さらに45〜
50℃で1時間かき混ぜた。その後、赤色化したポリメ
タクリル酸メチル粉末をろ別し、50〜55℃で乾燥
し、乳鉢で粉砕して深赤色の外観を有する微粉末状の顔
料23gを得た。このようにして得られた赤色顔料の分
光反射スペクトルを図1に示す。また、このスペクトル
から求められた色相Hは2.0R、明度Vは4.8、彩
度Cは8.4であった。さらに、色素溶出性試験の結
果、得られた顔料から色素の溶出はなく、良好であっ
た。
【0036】実施例2 実施例1におけるポリメタクリル酸メチル(PMMA)
粉末25gの代わりに、ポリメタクリル酸エチル(PE
MA)粉末25gを用い、またシュウ酸8gの代わりに
95%硫酸2gを用いた以外は、全く実施例1と同様に
して、微粉末状の顔料22gを得た。このようにして得
られた赤色顔料の分光反射スペクトルを図2に示す。ま
た、このスペクトルから求められた色相Hは2.4R、
明度Vは4.6、彩度Cは7.6であった。さらに、色
素溶出性試験の結果、得られた顔料から色素の溶出はな
く、良好であった。
【0037】実施例3〜11 表1及び表2に示す種類と量の担体物質、紫根の色素、
有機溶媒(アルコール)及び固着促進剤を用い、実施例
1と同様に実施して、それぞれ赤色顔料を得た。それぞ
れ得られた赤色顔料の分光反射スペクトルを測定し、そ
の分光反射スペクトルから求められた色相H、明度V、
彩度Cの測定結果、及び得られた顔料の色素溶出性試験
結果を表1及び表2に示す。なお、表1及び表2中に記
載した、PMMAはポリメタクリル酸メチル粉末を示
し、PEMAはポリメタクリル酸エチル粉末を示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】実施例12 実施例1におけるポリメタクリル酸メチル(PMMA)
粉末25gの代わりに、N,N‐ジメチルアミノエチル
メタクリレート変性絹フィブロイン(DMAシルク)粉
末[カネボウシルクエレガンス(株)製]25gを用い
た以外は、全く実施例1と同様にして、微粉末状の赤色
顔料を得た。得られた赤色顔料の分光反射スペクトルを
図3に示す。またこのスペクトルから求められた色相H
は0.9R、明度Vは4.5、彩度Cは6.2であっ
た。さらに、色素溶出性試験の結果、得られた顔料から
色素の溶出はなく、良好であった。
【0041】実施例13〜15 表3に示す種類と量の担体物質、紫根の色素、有機溶媒
(アルコール)及び固着促進剤を用い、実施例12と同
様に実施して、それぞれ赤色顔料を得た。それぞれ得ら
れた赤色顔料の分光反射スペクトルを測定し、その分光
反射スペクトルから求められた色相H、明度V、彩度C
の測定結果、及び得られた顔料の色素溶出性試験結果を
表3に示す。なお、表3中に記載したDMAシルクは
N,N‐ジメチルアミノエチルメタクリレート変性絹フ
ィブロイン粉末を示し、DEAシルクはN,N‐ジエチ
ルアミノエチルメタクリレート変性絹フィブロイン粉末
を示す。
【0042】
【表3】
【0043】 [化粧料の製造] 実施例16 口紅の製造 (A)成分 実施例1の赤色顔料 7重量部 ヒマシ油 45重量部 (B)成分 キャンデリラロウ 9重量部 固形パラフィン 8重量部 ミツロウ 5重量部 カルナウバロウ 5重量部 ラノリン 11重量部 イソプロピルミリステート 10重量部 前記(A)成分を三本ローラーで混練りし、これを
(B)成分の溶解混合物中に添加して再度三本ローラー
で混練りしたのち 、再溶融して金型に流し込み、冷却
して口紅を得た。本発明の赤色顔料は分散性も良好で、
得られた口紅の色調、付着性、伸び、触感は極めて良好
であった。
【0044】 実施例17 口紅の製造 (A)成分 実施例15の赤色顔料 7重量部 ヒマシ油 45重量部 (B)成分 キャンデリラロウ 9重量部 固形パラフィン 8重量部 ミツロウ 5重量部 カルナウバロウ 5重量部 ラノリン 11重量部 イソプロピルミリステート 10重量部 前記(A)成分を三本ローラーで混練りし、これを
(B)成分の溶解混合物中に添加して再度三本ローラー
で混練りしたのち、再溶融して金型に流し込み、冷却し
て口紅を得た。本発明の赤色顔料は分散性も良好で、得
られた口紅の色調、付着性、伸び、触感は極めて良好で
あった。
【0045】 実施例18 ほほ紅の製造 (A)成分 実施例12の赤色顔料 3重量部 タルク 80重量部 カオリン 9重量部 ミリスチン酸亜鉛 5重量部 (B)成分 流動パラフィン 3重量部 前記(A)成分をブレンダーでよくかき混ぜて混合し、
そこに(B)成分を噴霧し、さらにブレンダーでかき混
ぜて混合し、粉砕機で処理したのち、金型に打型してほ
ほ紅を得た。得られたほほ紅の色調、付着性、伸び、触
感及び耐水性(耐汗性)は極めて良好であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた赤色顔料の分光反射スペ
クトル図。
【図2】 実施例2で得られた赤色顔料の分光反射スペ
クトル図。
【図3】 実施例12で得られた赤色顔料の分光反射ス
ペクトル図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09B 67/20 C09B 67/20 A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ(アルキルメタクリレート)樹脂粉
    末及びN,N‐ジアルキルアミノエチルメタクリレート
    変性絹フィブロイン粉末の中から選ばれた担体物質に紫
    根の色素を強固に固着させて成る赤色顔料。
  2. 【請求項2】 ポリ(アルキルメタクリレート)樹脂粉
    末及びN,N‐ジアルキルアミノエチルメタクリレート
    変性絹フィブロイン粉末の中から選ばれた担体物質を、
    無機酸、有機酸及びこれらのナトリウム塩、カリウム塩
    又はカルシウム塩の中から選ばれた固着促進剤の存在下
    で、紫根の色素を含む水性溶媒と接触させることを特徴
    とする赤色顔料の製造方法。
  3. 【請求項3】 水性溶媒が水とアルコールとの混合溶媒
    である請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 化粧料の基本組成100重量部に対し、
    請求項1記載の赤色顔料0.1〜30重量部を配合した
    ことを特徴とするメイクアップ化粧料。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001003654A1 (fr) * 1999-07-12 2001-01-18 Japan As Represented By Director General Of National Institute Of Sericultural And Entomological Science Ministry Of Agriculture, Forestry And Fisheries Cosmetique comprenant une poudre ultrafine de soie cristalline
FR2822678A1 (fr) * 2001-03-29 2002-10-04 Council Scient Ind Res Matieres colorantes vegetales et aromes vegetaux inoffensifs, non polluants, protecteurs et leurs utilisations pour des applications cosmetiques
FR2822677A1 (fr) * 2001-03-30 2002-10-04 Council Scient Ind Res Procede d'extraction de matieres colorantes vegetales
JP2007197430A (ja) * 2005-12-28 2007-08-09 Howa Kk 紫根エキスの抽出方法及び皮膚外用剤

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