JPH09297313A - 液晶配向処理方法 - Google Patents

液晶配向処理方法

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JPH09297313A
JPH09297313A JP5017597A JP5017597A JPH09297313A JP H09297313 A JPH09297313 A JP H09297313A JP 5017597 A JP5017597 A JP 5017597A JP 5017597 A JP5017597 A JP 5017597A JP H09297313 A JPH09297313 A JP H09297313A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶の配向安定性、信頼性の高いポリイミド
膜をラビング処理することなく、簡便で生産性に優れ、
かつ工業的に有用な方法で配向処理する方法を提供する
ことにある。 【解決手段】 基板上に形成された高分子薄膜上に、偏
光した紫外線又は電子線を基板面に対して一定方向に照
射し、該基板を使用してラビング処理なしに液晶を配向
させる配向処理方法において、該高分子薄膜が、還元粘
度が0.05〜3.0dl/g(温度30℃のN−メチ
ル−2−ピロリドン中、濃度0.5g/dl)のポリイ
ミド前駆体を脱水閉環して得られる一般式[I] 【化1】 (式中、R1は脂環式構造を有する4価の有機基を表
し、R2は2価の有機基を表す)の繰り返し単位で表さ
れるポリイミド樹脂を含有してなることを特徴とする液
晶配向処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶の配向処理方法に
関するものであり、更に詳しくはラビング処理なしで、
ポリイミド膜表面に偏光照射を行うことにより液晶分子
を配向させる方法に於いて、より実用的観点から幅広い
ポリイミド系樹脂を使用した配向処理方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、液晶の電気光学的変化
を利用した表示素子であり、装置的に小型軽量であり、
消費電力が小さい等の特性が注目され、近年、各種ディ
スプレイ用の表示装置として目覚ましい発展を遂げてい
る。中でも正の誘電異方性を有するネマティック液晶を
用い、相対向する一対の電極基板のそれぞれの界面で液
晶分子を基板に対し平行に配列させ、かつ、液晶分子の
配向方向が互いに直交するように両基板を組み合わせ
た、ツイステッドネマティック型(TN型)の電界効果
型液晶表示素子は、その代表的なものである。
【0003】このようなTN型の液晶表示素子において
は、液晶分子の長軸方向を基板表面に均一に平行に配向
させること、更に液晶分子を基板に対して一定の傾斜配
向角(以下、チルト角という)をもって配向させること
が重要である。この様に液晶分子を配向させる代表的な
方法としては、従来より二つの方法が知られている。第
一の方法は、酸化珪素等の無機物を基板に対して斜めか
ら蒸着することにより基板上に無機膜を形成し、蒸着方
向に液晶分子を配向させる方法である。この方法では、
一定のチルト角を有する安定した配向は得られるものの
工業的には効率的ではない。第二の方法は、基板表面に
有機被膜をもうけ、その表面を綿、ナイロン、ポリエス
テル等の布で一定方向にラビングし、ラビング方向に液
晶分子を配向させる方法である。この方法は、比較的容
易に安定した配向が得られるため、工業的には専らこの
方法が採用されている。有機膜としては、ポリビニルア
ルコール、ポリオキシエチレン、ポリアミド、ポリイミ
ド等が挙げられるが、化学的安定性、熱的安定性等の点
からポリイミドが最も一般的に使用されている。この様
な液晶配向膜に使用されているポリイミドの代表的な例
としては、特開昭61−47932に開示されるものが
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ポリイミドをラビング
する液晶配向処理方法は、簡便で生産性に優れた工業的
に有用な方法である。しかし、液晶表示素子の高性能
化、高精細化への要求は益々高まり、それに対応した新
しい表示方式が開発にされるに伴い、ラビング法の様々
な問題が指摘されるようになった。例えば、TN型液晶
表示のツイスト角を高くしたSTN(スーパーツイステ
ッドネマティック)方式、個々の電極にスイイチング素
子を形成したAM(アクティヴマトリクス)方式、強誘
電液晶、反強誘電液晶を用いたFLC(フェロエレクト
リック)、AFLC(アンチフェロエレクトリック)方
式などがそれである。STN方式では、コントラストが
高いためラビングによって生じた配向膜表面の傷が表示
欠陥となってしまい、AM方式ではラビングによる機械
的な力や静電気がスイッチング素子を破壊する結果にな
ったりラビングによる発塵が表示欠陥になったり、FL
C、AFLC方式では単純なラビング処理だけではスメ
クティック液晶の均一配向と高速応答を両立させること
が難しいなど、ラビング法の様々な問題が明らかになっ
てきている。
【0005】これらの問題を解決する目的で、ラビング
なしで液晶を配向させるいわゆる”ラビングレス”配向
法が検討され、様々な方法が提案されている。例えば、
配向膜表面にフォトクロミック分子を導入し、光によっ
て配向膜表面の分子を配向させる方法(特開平4−28
44号公報)、LB膜(ラングミュアブロジェット膜)
を用いて配向膜を構成する分子鎖を配向させる方法(小
林ら、ジャパニーズジャーナル オブ アプライド フ
ィジックス、27巻、475ページ(1988年)(S.
Kobayashi et al.,Jpn.J.Appl.Phys.,27,475(1988))
)、あらかじめ配向処理された基板上に配向膜を圧着し
て配向を移し取る方法(特開平6−43458号公報)
などが検討されているが、工業的な生産性を考慮した場
合に、ラビング法の代替となり得るものとは言えない。
【0006】これに対して、配向膜表面に周期的な凹凸
を人為的に形成し、この凹凸に沿って液晶分子を配向さ
せる様々な方法も提案されている.その最も単純な方法
は、予め周期的な凹凸を有するレプリカを作成し、その
上に熱可塑性の膜を加熱圧着し、膜上に凹凸を移し取る
方法である(特開平4−172320号公報、特開平4
−296820号公報、特開平4−311926号公報
など)。この方法では確かに表面に周期的な凹凸を有す
る膜を効率的に作成することは可能であるが、ラビング
法で用いられているポリイミド膜ほどの実用上の信頼性
を得ることは出来なかった。これに対して、信頼性の高
いポリイミド膜に高エネルギ−の光、例えば電子線(特
開平4−97130号公報)、α線(特開平2−198
36号公報)、X線(特開平2−2515号公報)、エ
キシマレーザー(特開平5−53513号公報)などを
照射し、膜表面に周期的な凹凸を形成する方法が提案さ
れている。しかし、これらの高エネルギーの光源を用い
ることは、大型の基板全面に均一に配向処理を連続的に
行なうという工業的な生産性を考慮した場合、効率的な
配向処理方法とは言い難いものであった。
【0007】一方、信頼性の高いポリイミド膜表面に周
期的な凹凸を形成する効率的な方法として、フォトリソ
グラフィー法がある。ポリイミドはその高い絶縁性と優
れた電気特性故に半導体用の絶縁膜として用いられ、近
年ではポリイミド自身に光硬化性をもつ、いわゆる感光
性ポリイミドの開発がなされ、この光硬化性ポリイミド
を用いてフォトリソグラフィー法により周期的な凹凸を
形成しようとする試みである。この方法によって、確か
にポリイミド膜表面に凹凸を形成することはできるもの
の、元来光硬化性のポリイミドは絶縁膜として開発され
たものであった。それゆえに、液晶を配向させるための
特性は不十分なものとなり、更にバッファー層をコーテ
ィングするなどの必要性を生じ(特開平4−24522
4号公報)、結果的にプロセスが複雑となり、工業的な
生産性を考慮するとラビング法の代替となり得るだけの
効率的な配向処理方法とはなり得なかった。
【0008】最近見いだされた新たな配向処理方法とし
て、偏光した紫外線等を高分子膜表面に照射し、ラビン
グ処理をすることなく液晶分子を配向させる方法が提案
されている。その例として以下のような報告がある。ギ
ボンズら、ネーチャー、351巻、49ページ(199
1年)(W.M.Gibbons et al., Nature, 351, 49(199
1))、川西ら、モレキュラー クリスタル アンド リ
キット クイスタル、218巻、153ページ(199
2年)(Y.Kawanishi et al., Mol. Cryst. Liq. Crys
t., 218, 153(1992))、シャトら、ジャパニーズ ジャ
ーナル オブ アプライド フィジックス、31巻、2
155ページ(1992年)(M.Shadt at al., Jpn.
J. Appl. Phys. 31, 2155(1992))、飯村ら、ジャパニ
ーズ ジャーナル オブ アプライド フィジックス、
32巻、L93ページ(1993年)(Y.Iimura et a
l., Jpn. J. Appl. Phys. 32,L93 (1993)) これらの方法は、従来のラビング処理を必要とせず、偏
光した光照射により一定方向に液晶を配向させることが
特徴である。この方法によれば、ラビング法による膜表
面の傷や静電気等の問題がなく、また工業的な生産を考
慮した際の製造プロセスとしてより簡便であることが利
点である。
【0009】即ち、ここに提案されている偏光した光照
射を使用する液晶配向方法は、未だ基礎的な研究段階で
はあるが、今後ラビング処理を用いない新たな液晶配向
処理方法として注目される方法と見られる。これまでの
報告で使用されている高分子材料は、偏光した光に対す
る光化学的感度を得る必要性から、主にポリビニルシン
ナメート、アゾ系色素を分散したポリイミド等の特定の
高分子材料が用いられており、これらの高分子膜表面に
偏光した光を照射することで一定の方向に液晶分子を配
向させうることが述べられている。
【0010】しかしながら、今後この偏光照射を用いた
液晶配向を実際に応用する場合には、単に液晶配向の機
能だけではなく、より高度な液晶表示を達成する上で液
晶配向膜としての種々の機能が同時に必要とされる。こ
の事は液晶配向膜として使用される高分子材料が、単に
特定の材料に限定されず、より幅広い化学構造の選択が
重要となってくる。
【0011】また液晶分子の配向安定性、信頼性の観点
から、従来から使用されてきているポリイミドを使用す
ることが好ましいと考えられる。即ち、本発明の目的
は、偏光照射による液晶配向を実際の液晶表示素子に応
用する場合、より均一で高い信頼性をもったポリイミド
樹脂を用い、且つ幅広い構造選択幅をもつポリイミド材
料系を使用した配向処理方法の提供にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意努力検討した結果本発明を完成させる
に至った。即ち、本発明は、基板上に形成された高分子
薄膜上に、偏光した紫外線又は電子線を基板面に対して
一定方向に照射し、該基板を使用してラビング処理なし
に液晶を配向させる配向処理方法において、該高分子薄
膜が、還元粘度が0.05〜3.0dl/g(温度30
℃のN−メチル−2−ピロリドン中、濃度0.5g/d
l)のポリイミド前駆体を脱水閉環させて得られる一般
式[I]
【0013】
【化4】
【0014】(式中、R1は脂環式構造を有する4価の
有機基を表し、R2は2価の有機基を表す。)で表され
る繰り返し単位を含有するポリイミド樹脂であることを
特徴とする液晶配向処理方法に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の液晶配向処理方法は、透
明電極の付いたガラス或はプラスティックフィルム等の
電極付基板上に、一般式[I]で表されるポリイミド膜
を形成し、次いで膜面に偏光した紫外線を照射すること
によりラビング処理することなしに液晶配向処理基板と
して使用するものである。
【0016】本発明の液晶配向処理方法に使用されるポ
リイミド樹脂としては、一般式[I]に示される繰り返
し単位を含有することが必須である。この様なポリイミ
ド樹脂を用いることにより、偏光紫外線照射より液晶分
子を偏光方向に対して一定の方向に、且つ均一安定に配
向させることが可能となる。本発明の液晶配向処理方法
に使用される一般式[I]で表されるポリイミド樹脂に
於て、使用されるテトラカルボン酸成分としては、その
構造中に脂環式構造を有するテトラカルボン酸成分を含
有することが必須である。好ましくは一般式[I]に於
て、R1が下記構造式から選ばれた構造を含有するポリ
イミド樹脂である。
【0017】
【化5】
【0018】(式中、R3、R4、R5、R6は水素または
炭素数1から4の有機基であり、R7は水素またはフッ
素または炭素数1から2の有機基であり、R8は水素ま
たはフッ素または炭素数1から4の有機基を表す。) 上記構造を有するテトラカルボン酸成分の具体例として
は、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、
1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、
2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン
酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン
酸、3,4−ジカルボキシ−1−シクロヘキシルコハク
酸、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒ
ドロ−1−ナフタレンコハク酸などの脂環式テトラカル
ボン酸及びこれらの2無水物並びにこれらのジカルボン
酸ジ酸ハロゲン化物などが挙げられる。
【0019】特に、一般式[I]において、R1が下記
構造を含有するポリイミド樹脂、テトラカルボン酸成分
として、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン
酸およびこの2無水物並びにこのカルボン酸ジ酸ハロゲ
ン化物が液晶配向性の点で好ましい。
【0020】
【化6】
【0021】さらに、これらのテトラカルボン酸及びそ
の誘導体の1種又は2種以上を混合して使用することも
できる。また、得られるポリイミド樹脂が紫外線を照射
し本発明の効果を発現しうる範囲であれば他のテトラカ
ルボン酸2無水物を併用することもできる。その具体例
を挙げると、ピロメリット酸、2,3,6,7−ナフタ
レンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテ
トラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカ
ルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボ
ン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン
酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エ−テル、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラ
ン、2,3,4,5,−ピリジンテトラカルボン酸、
2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジ
ンなどの芳香族テトラカルボン酸及びこれらの2無水物
並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物、1,
2,3,4−ブタンテトラカルボン酸などの脂肪族テト
ラカルボン酸及びこれらの2無水物並びにこれらのジカ
ルボン酸ジ酸ハロゲン化物などが挙げられる。
【0022】また、これらのテトラカルボン酸及びその
誘導体の1種又は2種以上を混合して使用することもで
きる。更に本発明の一般式[1]におけるジアミン成分
2の具体例としては、一般にポリイミド合成に使用さ
れる1級ジアミンであって、特に限定されるものではな
い。敢えてその具体例を挙げれば、p−フェニレンジア
ミン、m−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトル
エン、2,6−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノ
ビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノ
ビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミ
ノビフェニル、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジ
フェニルエ−テル、2,2’−ジアミノジフェニルプロ
パン、ビス(3,5−ジエチル4−アミノフェニル)メ
タン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンゾフ
ェノン、ジアミノナフタレン、1,4−ビス(4−アミ
ノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフ
ェニル)ベンゼン、9,10−ビス(4−アミノフェニ
ル)アントラセン、1,3−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス[4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス
(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,
2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘ
キサフルオロプロパン等の芳香族ジアミン、ビス(4−
アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3
−メチルシクロヘキシル)メタン等の脂環式ジアミン及
びテトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等
の脂肪族ジアミン、更には、
【0023】
【化7】
【0024】(mは1〜10の整数)などのジアミノシ
ロキサンが挙げられる。また、チルト角を高める目的
で、4,4’−ジアミノ−3−ドデシルジフェニルエ−
テル、1−ドデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン等
に代表される長鎖アルキル基を有するジアミンを使用す
ることができる。これらのジアミン成分の1種類または
2種類以上を混合して使用することもできる。また更に
は、特開昭62−297819、に開示されている、ポ
リイミド前駆体と長鎖アルキル基を有するモノアミンよ
りなる組成物、特公平6−25834号公報、特公平6
−25835号公報等に開示されている長鎖アルキル基
を含有するジイミド組成物を使用することもできる。
【0025】本発明のポリイミド樹脂は、上記脂環式構
造を有するテトラカルボン酸成分を含有することが必須
であるが、その製造方法は特に限定されるものではな
い。一般にはテトラカルボン酸及びその誘導体とジアミ
ンをモル比0.50〜2.0好ましくは0.9〜1.1
0の範囲で有機溶剤中で反応重合させて還元粘度が0.
05〜3.0dl/g(温度30℃のN−メチル−2−
ピロリドン中、濃度0.5g/dl)のポリイミド樹脂
前駆体を得、次いで脱水閉環させてポリイミド樹脂とす
る方法を採用することができる。
【0026】この場合、テトラカルボン酸及びその誘導
体とジアミンの反応重合温度は−20〜150℃の任意
の温度を採用することが出来るが、特に−5〜100℃
の範囲が好ましい。更に、ポリイミド樹脂前駆体の重合
法としては通常は溶液法が好適である。溶液重合法に使
用される溶剤の具体例としては、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル
−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、ジメチ
ルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチ
ルスルホン、ヘキサメチルホスホルアミド、及びブチル
ラクトン等を挙げることが出来る。これらは単独でも、
また混合して使用しても良い。更に、ポリイミド樹脂前
駆体を溶解しない溶剤であっても、その溶剤を均一溶液
が得られる範囲内で上記溶剤に加えて使用しても良い。
【0027】更に、ポリイミド樹脂前駆体をポリイミド
樹脂に転化するには、加熱により脱水閉環する方法が採
用される。この加熱脱水閉環温度は、150〜450
℃、好ましくは170〜350℃の任意の温度を選択す
ることができる。この脱水閉環に要する時間は、反応温
度にもよるが30秒〜10時間、好ましくは5分〜5時
間が適当である。
【0028】上記のようにして得られた本発明のポリイ
ミド又はポリイミド前駆体溶液を、スピンコート、転写
印刷法などの方法を用いて基板上に塗布し、これを上記
の条件で加熱焼成してポリイミド膜を形成する。この際
のポリイミド膜の厚みとしては、特に限定されるもので
はないが、通常の液晶配向膜として使用される上で、1
0nm〜300nmが適当である。
【0029】次いで、該ポリイミド膜表面に、基板に対
して一定の方向から偏光板を介して偏光された紫外線を
照射する。使用する紫外線の波長としては一般には10
0nm〜400nmの範囲の紫外線を使用することがで
きるが、特に好ましくは使用するポリイミドの種類によ
りフィルター等を介して適宜波長を選択することが好ま
しい。
【0030】また紫外線の照射時間は、一般には数秒か
ら数時間の範囲であるが、使用するポリイミドにより適
宜選択することが可能である。この様にして偏光した紫
外線を照射した二枚の基板を作成したのち、膜面を互い
に対向させ液晶を狭持することにより液晶分子を配向さ
せることができる。
【0031】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説
明するが本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ) フェニ
ル]プロパン41.0g( 0.1モル)と1,2,3,
4,−シクロブタンテトラカルボン酸2無水物19.2
g(0.98モル)をN−メチルピロリドン(以下NM
Pと省略する)343.5g中、室温で10時間反応さ
せポリイミド前駆体(ポリアミック酸)溶液を調製し
た。得られたポリイミド前駆体の還元粘度は、0.98
dl/g(濃度0.5g/dl、NMP中30℃)であっ
た。
【0032】この溶液をNMPにより総固形分3重量%
に希釈後、ガラス基板に3000rpmでスピンコート
し、ついで80℃で5分、250℃で1時間加熱処理す
ることにより厚さ100nmのポリイミド樹脂膜を形成
した。このようにして得たポリイミド樹脂膜を塗布した
ガラス基板を2枚用意し、それぞれのポリイミド樹脂膜
に、偏光板を介して、出力500Wの高圧水銀灯からの
紫外光を60分間照射した。
【0033】偏光紫外線を照射した基板2枚を、ポリイ
ミド面が内側を向き、照射した偏光紫外線の方向が互い
に平行になるようにし、50μmのスペーサーを挟んで
張り合わせてセルを作成し、真空下で液晶(メルク社製
ZLI−2293)を注入した。このセルを偏光顕微鏡
のクロスニコル下で回転させたところ、明瞭な明暗を生
じ、かつ欠陥も観られず、液晶が均一に配向しているこ
とが確認された。
【0034】実施例2 1,5−ジアミノナフタレン15.8g(0.1モル)
と1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸2無
水物19.2g(0.98モル)をNMP343.5g
中、室温で10時間反応させポリイミド前駆体(ポリア
ミック酸)溶液を調製した。得られたポリイミド前駆体
溶液の還元粘度は、0.85dl/g(濃度0.5g/
dl、NMP中30℃)であった。
【0035】この溶液をNMPにより総固形分5重量%
に希釈後、ガラス基板に3500rpmでスピンコート
し、接いで80℃で5分、250℃で1時間加熱処理す
ることにより厚さ100nmのポリイミド樹脂膜を形成
した。実施例1の方法と同様に、偏光紫外線を照射した
後セルを作成した。このセルを偏光顕微鏡のクロスニコ
ル下で回転させたところ、明瞭な明暗を生じ、かつ欠陥
も見られず、液晶が均一に配向していることが確認され
た。
【0036】実施例3 2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]プロパン41.0g(0.1モル)と3,4−ジカ
ルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタ
レンコハク酸2無水物29.4g(0.98モル)をN
MP343.5g中、室温で10時間反応させポリイミ
ド前駆体(ポリアミック酸)溶液を調製した。得られた
ポリイミド前駆体溶液の還元粘度は、0.80dl/g
(濃度0.5g/dl、NMP中30℃)であった。
【0037】この溶液をNMPにより総固形分 6重量%
に希釈後、ガラス基板に3500rpmでスピンコ−ト
し、接いで80℃で5分、250℃で1時間加熱処理す
ることにより厚さ100nmのポリイミド樹脂膜を形成
した。実施例1の方法と同様に、偏光紫外線を照射した
後セルを作成した。このセルを偏光顕微鏡のクロスニコ
ル下で回転させたところ、明瞭な明暗を生じ、かつ欠陥
も見られず、液晶が均一に配向していることが確認され
た。
【0038】比較例1 2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]プロパン41.0g(0.1モル)とピロメリット
酸2無水物21.2g(0.97モル)をNMP34
3.5g中、室温で10時間反応させポリイミド前駆体
(ポリアミック酸)溶液を調製した。得られたポリイミ
ド前駆体の還元粘度は、1.10dl/g(濃度 0.
5g/dl、NMP中30℃)であった。
【0039】この溶液をNMPにより総固形分 3重量
%に希釈後、ガラス基板に4500rpmでスピンコ−
トし、ついで80℃で5分、250℃で1時間加熱処理
することにより厚さ100nmのポリイミド樹脂膜を形
成した。実施例1の方法と同様に、偏光紫外線を照射し
た後セルを作成した。このセルを偏光顕微鏡のクロスニ
コル下で回転させたところ、若干の明暗は生じるもの
の、多数の欠陥が観察され、液晶は均一に配向しなかっ
た。
【0040】
【発明の効果】本発明のポリイミド樹脂を用い、膜面に
偏光した紫外線を一定方向に照射することにより、従来
の液晶配向処理方法であるラビング処理を行うことなし
に、液晶分子を均一に且つ安定に配向させることができ
る。また併せて偏光照射を用いた液晶配向方法に於い
て、より幅広い構造系を選択することが可能となり、液
晶配向膜としてより多くの機能を併せ持った実用的な液
晶配向処理方法を提供することが可能となる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された高分子薄膜上に、偏
    光した紫外線又は電子線を基板面に対して一定方向に照
    射し、該基板を使用してラビング処理なしに液晶を配向
    させる配向処理方法において、該高分子薄膜が、還元粘
    度が0.05〜3.0dl/g(温度30℃のN−メチ
    ル−2−ピロリドン中、濃度0.5g/dl)のポリイ
    ミド前駆体を脱水閉環して得られる一般式[I] 【化1】 (式中、R1は脂環式構造を有する4価の有機基を表
    し、R2は2価の有機基を表す。)で表される繰り返し
    単位を含有するポリイミド樹脂であることを特徴とする
    液晶配向処理方法。
  2. 【請求項2】 一般式[I]に於て、R1が下記構造 【化2】 (式中、R3、R4、R5、R6は水素または炭素数1から
    4の有機基であり、R7は水素またはフッ素または炭素
    数1から2の有機基であり、R8は水素またはフッ素ま
    たは炭素数1から4の有機基を表す。)から選ばれた構
    造を含有するポリイミドである請求項[1]記載の液晶
    配向処理方法。
  3. 【請求項3】 一般式[I]において、R1が下記構造 【化3】 を含有するポリイミドである請求項[I]記載の液晶配
    向処理方法。
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