JPH09298070A - モジュール型二次電池及びモジュール型二次電池ユニット - Google Patents

モジュール型二次電池及びモジュール型二次電池ユニット

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JPH09298070A
JPH09298070A JP10991296A JP10991296A JPH09298070A JP H09298070 A JPH09298070 A JP H09298070A JP 10991296 A JP10991296 A JP 10991296A JP 10991296 A JP10991296 A JP 10991296A JP H09298070 A JPH09298070 A JP H09298070A
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secondary battery
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heat
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JP10991296A
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Kenji Watanabe
健次 渡辺
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Tokyo Electric Power Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】モジュール型二次電池の温度変化に応じて放熱
量が定まる冷却装置を用いてモジュール型二次電池の出
力変更及び放電時間変更を可能にする。 【解決手段】複数本のNaS電池5…5を断熱容器3内
に収容してモジュールを構成したモジュール型NaS電
池1。モジュール型NaS電池1の温度変化に応じた放
熱量を有し、その加熱部が断熱容器3の底部の集熱底板
10内に埋設された可変コンダクタンス型ヒートパイプ
15を備え、その可変コンダクタンス型ヒートパイプ1
5によりモジュール型NaS電池1全体を放熱冷却す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナトリウム−硫黄
電池(以下、NaS電池という)等の二次電池単体を複
数本一体収容したモジュールとして用いるモジュール型
二次電池及びそのモジュール型二次電池をケーシング内
に複数個収容するモジュール型二次電池ユニットであっ
て、モジュール型二次電池の温度調整を行なうために当
該モジュール型二次電池を冷却する冷却装置を備えたモ
ジュール型二次電池及びモジュール型二次電池ユニット
に関する。
【0002】
【従来の技術】電気エネルギーとしての電力は、環境に
優しいクリーンなエネルギーであるため年々需要が増加
している。このような需要の増加に伴って建設される大
規模な電源は、需要地から離れた地点に建設されるた
め、電力輸送にかかるコストを低減することが、効率的
な電力供給システムを実現する上で極めて重要になって
いる。
【0003】一方、電力の需要は産業用に比較して業務
用と家庭用を合わせた民生用の増加が著しく、昼間と夜
間の電力需要に大幅な差が生じており、電力供給システ
ムは、上述した電力需要の著しい差にも係わらず昼間の
最大消費電力に応じて設計されるため、供給システム全
体の効率が悪化し、経済性も悪かった。
【0004】したがって、電力需要(負荷)を平準化し
且つ輸送コスト低減を可能にするために、電力貯蔵シス
テムが提案されている。この電力貯蔵システムは、電力
供給に余裕のある夜間に電力を貯蔵し、貯蔵された電力
を昼間の電力需要が高い際に用いて負荷の平準化、輸送
コストの低減を図るものであり、近年、注目を集めてい
る。
【0005】このような電力貯蔵システムとして、電気
エネルギーの貯蔵(充電)と放出(放電)を行なう二次
電池を有するシステムがある。
【0006】二次電池は、ナトリウム−硫黄電池(Na
S電池)、亜鉛−塩素電池、亜鉛−臭素電池、レドック
スフロー形電池、鉛蓄電池等各種存在し、異なる性能、
特徴を有している(図23参照)。また、二次電池とし
てリチウムを正極活物質あるいは負極活物質に用いたリ
チウム電池も近年盛んに普及されている。特にリチウム
を負極活物質とした溶融塩二次電池の性能、特徴等を図
24に示す。
【0007】上述した二次電池においては、反応損失や
電気抵抗損失等の損失が発生すると、この損失が熱とな
って電池本体の温度を上昇させる。電池温度の上昇は、
電池反応の速度を速めて損失低減に繋がる場合も多い
が、反面、電池温度上昇は電池寿命(充放電回数の寿
命、使用耐年数の寿命)低下の原因となる。
【0008】この電池温度上昇に伴う電池寿命の低下
は、各二次電池の作動温度の違い(図23及び図24参
照)に係わらず表れる。例えば、常温作動の鉛蓄電池の
電池温度と寿命回数(充放電回数)との関係を図25に
示し、当該電池温度と寿命(使用耐年数)との関係を図
26に示す。図25及び図26によれば、電池温度が上
昇するにつれて、電池の充放電回数及び使用耐年数が低
下していくことが分かる。
【0009】したがって、二次電池の寿命を維持するに
は、二次電池の電池温度を適正温度に維持する必要があ
る。このため、二次電池では電池温度の温度管理を行な
っており、この温度管理には、電池最高温度を抑制・管
理するとともに、放電開始前の電池温度を一定温度に制
御・管理する方式が知られている。
【0010】上述した二次電池の温度管理方式を、Na
S電池を例にとって以下に説明する。
【0011】最初にNaS電池の構造について説明す
る。図27は、NaS電池(単電池)の構造を示す図で
ある。図27によれば、単電池は円筒構造をしており、
中心からナトリウム極(負極)100、硫黄極(正極)
101、ベータアルミナ管(電解質)102の順に構成
されている。また、ベータアルミナ管102内部には、
安全管103という金属容器が収納されている。
【0012】NaS電池は、放電時及び充電時において
以下に示す一連の動作を行なう。すなわち、放電時にお
いては、ナトリウム極100のナトリウムが外部回路に
電子を放出してナトリウムイオンとなり、そのナトリウ
ムイオンがベータアルミナ管102を通って硫黄極10
2側へ移動し、その硫黄極102の硫黄及び外部回路か
ら送られてきた電子と反応して多硫化ナトリウムとな
る。また、充電時においては、多硫化ナトリウムがナト
リウムイオン、硫黄及び電子に分かれ、その内のナトリ
ウムイオンは、ベータアルミナ管102を通ってナトリ
ウム極100側へ移動し、外部電源から供給される電子
を受け取ってナトリウムに戻る。
【0013】上述した放電・充電動作を行なうNaS電
池は高温作動型電池(図23に示すように300℃〜3
50℃)であるため、単電池を集合化して断熱容器に収
納し、モジュールとして使用している。図28は、その
モジュール構造を示す図である。
【0014】図28によれば、モジュール構造のNaS
電池(NaSモジュール電池)110は、真空容器壁か
ら成る蓋付箱型容器(蓋の部分を真空断熱容器(上)1
11、容器本体を真空断熱容器(下)112という)を
有し、真空断熱容器(下)112内部に電池格納容器1
13を備えている。この電池格納容器113は、真空断
熱容器(下)112の底部のアルミニウム製集熱底板1
14上に設置され、その内部には、複数の単電池115
が立設状態で収容されている。複数の単電池115は、
充填固定化した砂(充填砂)116により固定されてい
る。
【0015】真空断熱容器(下)112の側壁及び底壁
には、それぞれ側面ヒータ117及び底面ヒータ118
が設けられ、この側面ヒータ117及び底面ヒータ11
8によりモジュール内部の温度コントロールを行なうよ
うになっている。なお、信号線、ヒータ導線等を含む導
線群は、真空断熱容器(下)側壁の貫通孔119を通じ
て主極120として外部に取り出されるようになってい
る。
【0016】続いて、上述したNaSモジュール電池の
温度管理方式について説明する。
【0017】NaSモジュール電池からの発熱は、抵抗
損発熱とエントロピ損発熱によって決まり、充電/放電
時の通電電流値によって変化する。そして、発熱量は、
放電時には抵抗損発熱にエントロピ損発熱が加算される
ため高くなるが、充電時にはエントロピ損発熱が減算さ
れるため少ない。
【0018】また、電池の作動温度は、低温になる程、
抵抗損が増加して発熱量が増加し、効率が悪化する(電
池反応が劣化する)。一方、高温では、抵抗損が減少す
る反面、経年劣化による経時的な内部抵抗が大きくなる
傾向にあり、電池寿命が低下する(前掲図26参照)。
このため、通常のNaSモジュール電池では、適正な作
動温域が存在し、その作動温域は、上述したように30
0℃〜350℃程度である。
【0019】すなわち、NaSモジュール電池の温度管
理では、当該NaSモジュール電池の放電開始前の温度
を300℃に設定し、放電時に上昇するNaSモジュー
ル電池の最高温度を350℃以下に設定することが重要
である。
【0020】このように、NaSモジュール電池の温域
を300℃〜350℃に管理するためには、NaSモジ
ュール電池内部から発生した熱を放熱(冷却)する必要
がある。従来、NaSモジュール電池の冷却は、信頼性
の高い自然放冷を採用しており、[電池からの発熱量]
=[電池自体の蓄熱(電池の温度上昇)]+[断熱容器
表面からの放熱量(冷却量)]となる。
【0021】以上述べた自然放冷方式によるNaSモジ
ュール電池の電池温度の推移を図29に示し、この図2
9を参照しながら、実際のNaSモジュール電池110
における電池最高温度及び放電開始前温度の管理・制御
方法について、以下に説明する。
【0022】(1)電池最高温度の管理 NaSモジュール電池110が放電を開始すると、放電
開始前温度Tsa(例えば300℃)のNaS電池の温度
は、電池の放電出力に応じて除々に上昇していく(時間
t1 〜t2 )。
【0023】しかしながら、NaSモジュール電池11
0の最高温度Tmaが所定の管理値(Tmax :例えば35
0℃)以下になるように、予め真空断熱容器(上)11
1及び真空断熱容器(下)112からの放熱量を調節し
ている。具体的な調節方法としては、真空断熱容器
(上)111及び真空断熱容器(下)112を設計する
上で、その容器の真空容器壁の真空度の調節、及び真空
容器壁の厚さの調節により適切な放熱性能を得ている。
したがって、放電終了時(時間t2 )においては、Na
Sモジュール電池110の温度Tmaは、「Tma<Tmax
」となっている。なお、通常は、電池からの放熱量と
電池自体への蓄熱量が略一致するように、真空断熱容器
の放熱性能を調節している。
【0024】(2)放熱開始前温度の管理 放電終了後(終了時、NaS電池温度Tma)以降は、真
空断熱容器(上)111及び真空断熱容器(下)112
の真空容器壁からの自然放熱により電池温度は除々に低
下し、NaSモジュール電池の充電開始(時間t3 )か
ら充電終了時(時間t4 )においても、NaSモジュー
ル電池110の温度は除々に低下していく(充電時には
僅かな発熱があるため、温度降下率が若干悪化する)。
【0025】そして、NaSモジュール電池110の温
度が放電開始前温度(管理値Tsa)近辺まで降温し、管
理値Tsaを所定温度越えて降温した時点(時間t5 )で
真空容器内部に設けられた側面ヒータ117及び底面ヒ
ータ118を駆動させてNaSモジュール電池110の
温度が管理値Tsaになるように微調節する。したがっ
て、次の放電開始時(t6 )の温度Tsa' とTsaとの差
Δtは、Δt=0℃となる。
【0026】以上述べたように、NaSモジュール電池
の温度管理方式によれば、真空断熱容器の真空容器壁の
真空度、厚さ等を予め調節して適切な自然放熱量を設定
し、その自然放熱量及びヒータによりNaS電池の温度
を管理する方式である。
【0027】上述したモジュール構造のNaS電池を複
数段(最大10段程度)積み上げて1つのユニットとし
て用いることもできる。図30(a)は、NaSモジュ
ール電池130を3段積み上げたモジュール電池ユニッ
ト131を概略的に示す正面図(モジュールの短手方向
側の側面を正面とする)であり、(b)は、そのモジュ
ール電池ユニット131を概略的に示す側面図である。
【0028】図30(a)及び(b)によれば、モジュ
ール電池ユニット131は、冷却空気がケーシング13
2内を自然循環するタイプ(自然循環タイプ図30
(a)参照)及びブロワ等により冷却空気を強制的にケ
ーシング132内に循環させるタイプ(強制循環タイ
プ)の2種類ある。例えば自然循環方式によりユニット
131のケーシング131内に送られた冷却空気は、各
モジュール132間の隙間を通路として流れる。
【0029】一方、電池格納容器113内の各単電池1
15からは、真空断熱容器(上)111及び真空断熱容
器(下)112を介して熱流が放出されるが(図27中
一点鎖線参照)、これら放熱された熱流は、モジュール
130間を流れる冷却空気により冷却される。
【0030】このようにしてモジュール電池130から
放出された熱流を冷却した後、冷却空気は、ケーシング
132外部へ流出するようになっている。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たNaSモジュール電池の温度管理方式では、以下に示
す課題がある。
【0032】(1)NaSモジュール電池運転出力及び
放電時間の変更が困難なこと。上述した温度管理方式で
は、NaSモジュール電池からの放熱量と電池自体への
蓄熱量の和が当該電池からの発熱量と略一致するように
予め真空断熱容器の放熱性能を調節している。つまり、
電池からの発熱量が大きく変化しないこと(一定の放熱
量であること)を前提にして予め設定された放熱量に基
づく温度管理方式である。したがって、発熱量の変化を
伴うようなNaS電池出力(出力容量)及び放電時間の
変更は、前掲図29の放電時の温度上昇カーブ(時間t
1 〜t2)を変えることになる。例えば、図29に仮想
線で示すように、NaS電池出力容量を増加させると、
放電時の温度上昇カーブは急激に上昇し(C1 )、モジ
ュール電池温度は放電開始直後すぐに電池最高温度を越
えてしまうことになる。また、図29から分かるよう
に、放電時の温度上昇カーブは、放電時間(t1 〜t2
)で電池最高温度に達するという比例カーブであるた
め、放電時間を増加させると(t2 をt2'に変更)、温
度上昇カーブはその分だけ延長することになり(破線C
2 )、同じくモジュール電池温度は電池最高温度を越え
てしまうことになる。また、モジュール電池温度降温時
の温度降下カーブは比例カーブであるため、放電時間の
増加に伴って待機時間、充電時間等が必要以上に増加す
ると、上昇時と同様に温度降下カーブの急激な降下及び
温度降下カーブの延長を招き、モジュール電池温度が放
電開始前温度よりも大幅に減少する恐れが生じる。すな
わち、従来の温度管理方式では、NaSモジュール電池
の運転出力及び放電時間を変更させると、モジュール電
池の電池最高温度と放電開始前温度(管理値)を維持す
ることが非常に困難になるため、当該運転出力及び放電
時間を変更することができず、NaSモジュール電池の
実用性向上を阻害している。
【0033】(2)真空断熱容器の真空度管理が必要な
こと。
【0034】予め調節した所定量の放熱量を確保するた
めに、断熱容器の真空度を維持・確保する必要が生じ、
メンテナンスフリーの観点から問題であった。
【0035】(3)ヒータに対する投入電力の増加に起
因してエネルギー効率が低下すること。電力貯蔵用のN
aSモジュール電池は10年以上の使用を考えている
が、前掲図25に示したように、充放電効率の経年劣化
により電池発熱量が増加するため、真空断熱容器の真空
度調節等を行なって放熱性能を増加させ、電池最高温度
の低減を図ることが必要になる。このため、放電終了後
の電池温度降下率が大きくなり、放電開始前温度維持の
ためのヒータに対する投入電力が増加して、NaSモジ
ュール電池のエネルギー効率が低下した。
【0036】(4)真空の断熱容器が必要なこと。現状
の真空断熱容器では、図31の矢印で示す熱流の流れか
ら分かるように、側壁面と上下壁面から放熱があり、更
に蓋構造の合わせ部からの放熱がある。上述したよう
に、NaSモジュール電池は高温動作であることから、
電池内部の温度が極度に低下することを防止するため
に、断熱壁を真空にする構造を用いて総放熱量の低減を
図っている。しかしながら、この真空の断熱容器は封じ
切りで長期間に亘って所定の真空度を維持する必要があ
るため、高度な容器の製造技術が必要になり、コスト高
を招いた。
【0037】(5)NaSモジュール電池内の水平方向
の温度分布が大きいこと。単電池群からの放熱(熱流)
は、上下壁面からよりも容器の水平方向に沿って側壁面
を介して外部に放出されるため、NaSモジュール電池
内部の水平方向に沿って図31に示すような温度分布が
発生してしまった。
【0038】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、モジュール構造の二次電池(モジュール型二
次電池)の温度変化に応じて放熱量(冷却量)が定まる
冷却装置を用いることにより、モジュール型二次電池の
出力変更及び放電時間変更を可能にすることを第1の目
的とする。
【0039】また、本発明は、モジュール型二次電池の
断熱容器を非真空とすることにより、低コスト、真空度
の管理等の必要の無いメンテナンスフリーのモジュール
型二次電池を提供することをその第2の目的とする。
【0040】また、本発明は、モジュール型二次電池を
構成する断熱容器の側壁面を介して放熱させるのではな
く、容器の底部(下壁面)を介して放熱させることによ
り、モジュール型二次電池内の水平方向の温度分布を略
一定にすることをその第3の目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明では請求項1乃至3に記載したように、
複数本の二次電池単体(例えばナトリウム−硫黄電池)
を容器内に収容してモジュールを構成したモジュール型
二次電池において、前記モジュール型二次電池の温度変
化に応じた放熱量を有し、当該モジュール型二次電池全
体を放熱冷却する冷却装置(例えば、内部に熱作動媒体
及び不凝縮ガスが封入された可変コンダクタンス型ヒー
トパイプ)を備えている。
【0042】請求項4乃至6に記載した発明によれば、
前記ヒートパイプは、前記熱作動媒体が封入され外部か
ら加熱される加熱部と、この加熱部による熱作動媒体の
加熱により発生する蒸気に基づいて凝縮作用を行なう凝
縮部と、この凝縮部に連通された前記不凝縮ガス封入用
のガス溜まり部とを備え、前記ガス溜まり部に封入され
た不凝縮ガスは、前記凝縮部内の所定位置まで滞留して
いる。そして、当該ヒートパイプは、前記加熱部が前記
容器の底部に配設され、前記凝縮部を含むパイプが前記
加熱部に対して略直交するように曲げられて前記容器の
少なくとも1つの側面に略平行に配設されたL字型構造
である。
【0043】請求項7乃至8に記載した発明によれば、
前記凝縮部の軸方向に沿った全域に亘って放熱フィンを
設け、前記放熱フィンは前記凝縮部の軸方向に沿った所
定部位から前記加熱部側の端部に向けてテーパー状に形
成されている。また、請求項9に記載した発明によれ
ば、前記放熱フィンに対して前記凝縮部の軸方向に垂直
にスリットが設けられ、このスリットにより当該放熱フ
ィンの面積は前記軸方向に沿って分割されている。
【0044】請求項10乃至11に記載した発明によれ
ば、前記容器の少なくとも一つの壁面を常圧のガスを内
含した非真空の断熱壁面としてあり、前記少なくとも1
つの壁面は前記凝縮部に隣接する側面である。また請求
項12に記載したように、前記容器の上面を省略し、当
該上面部分を断熱材及び仕切蓋で構成している。
【0045】請求項13に記載した発明によれば、前記
ガス溜まり部に封入され前記凝縮部内に滞留される不凝
縮ガスの封入圧力を調整して、前記不凝縮ガスと前記熱
作動媒体の蒸気との境界面を所定位置に設定することに
より、前記ヒートパイプの作動開始温度を前記モジュー
ル型二次電池の作動温度範囲内の所定温度に設定してい
る。
【0046】請求項14に記載した発明によれば、前記
放熱量は、前記加熱部の温度が前記作動開始温度未満に
おいては、前記ヒートパイプの不感帯域に基づく量とな
り、前記加熱部の温度が前記作動開始温度以上に上昇し
た場合においては、当該温度上昇に伴う前記境界面の凝
縮部内での上昇に応じて増加していくように設定されて
いる。
【0047】請求項15に記載した発明によれば、前記
放熱量は、前記加熱部の温度が最大温度から降下した場
合、その温度が前記作動開始温度以上であれば、当該温
度降下に伴う前記境界面の凝縮部内での降下に応じて減
少していくように設定され、前記加熱部の温度が前記作
動開始温度以下に降下した場合においては、前記ヒート
パイプの不感帯域に基づく量となるように設定されてい
る。
【0048】請求項16に記載した発明によれば、前記
モジュール型二次電池の温度は、当該二次電池の温度が
放電開始前温度から前記作動開始温度に到達するまで
は、前記放熱量が前記ヒートパイプの不感帯域に基づく
量であるため直線的に上昇し、前記二次電池の温度が前
記作動開始温度を越える範囲では、前記放熱量が前記境
界面の凝縮部内での上昇に応じて増加していくため緩や
かな放物線を描いて上昇するように設定されている。
【0049】請求項17に記載した発明によれば、前記
モジュール型二次電池の温度は、当該二次電池の温度が
最高温度から前記作動開始温度に到達するまでは、前記
放熱量が前記境界面の凝縮部内での降下に応じて減少し
ていくため急速に降下し、前記二次電池の温度が前記作
動開始温度を越える範囲では、前記放熱量が前記ヒート
パイプの不感帯域に基づく量であるため緩やかな放物線
を描いて降下するように設定されている。
【0050】請求項18に記載した発明によれば、上述
した各請求項に記載されたモジュール型二次電池をケー
シング内に複数個収容してユニットを構成している。
【0051】請求項19に記載した発明によれば、前記
モジュール型二次電池を前記ケーシング内に最密状に収
容し、隣接するモジュール型二次電池間及び前記ケーシ
ングと各モジュール型二次電池との間に断熱材を埋設し
ている。
【0052】請求項20に記載した発明によれば、請求
項5又は6に記載のモジュール型二次電池をケーシング
内に複数個収容してユニットを構成するとともに、当該
ケーシング内のモジュール型二次電池の容器を上面及び
底面が六角形で表される六角柱状容器で形成し、前記複
数のヒートパイプは、その放熱部が当該六角柱状容器の
側面に略平行となるように配設されている。
【0053】請求項21に記載した発明によれば、前記
ヒートパイプの放熱部が隣接するモジュール型二次電池
の六角柱状容器の側面は、隣接するモジュール型二次電
池の六角柱状容器間における互いに接する側面以外の側
面であり、当該六角柱状容器で形成された各モジュール
型二次電池を最密状に配設している。
【0054】請求項22に記載した発明によれば、請求
項6に記載のモジュール型二次電池をケーシング内に複
数個収容してユニットを構成し、当該六角柱状容器で形
成されたモジュール型二次電池を複数個ずつ、各二次電
池の中央に空間ができるように互いに隣接させて配設す
るとともに、前記複数のヒートパイプの放熱部が隣接す
るモジュール型二次電池の六角柱状容器の側面は、他の
モジュール型二次電池の六角柱状容器に接する側面以外
の側面及び前記空間に接する側面である。
【0055】本発明によれば、例えば、モジュール構造
の二次電池の温度が上昇した場合に、その上昇に応じて
冷却装置(可変コンダクタンス型ヒートパイプ)の放熱
量が増加し、その結果、当該二次電池の温度の上昇率が
低下するようになっている。すなわち、モジュール型二
次電池の放電開始後の温度上昇カーブは、温度が上昇す
るにつれて緩やかなカーブとなるため、当該二次電池の
出力容量や放電時間を増加させても、二次電池温度が電
池最高温度に到達することがなくなり、二次電池の最高
温度の管理が非常に容易になる。
【0056】また、モジュール型二次電池の充電開始後
の温度降下カーブは、温度が降下するにつれて緩やかな
カーブとなるため、当該二次電池の出力容量や放電時間
を増加させても、二次電池温度が放電開始温度を越えて
低下することがなくなり、ヒータ等を用いて特別な温度
制御をすることなく放電開始前温度の管理を行なうこと
ができる。
【0057】さらに、上記冷却装置(可変コンダクタン
ス型ヒートパイプ)を用いて冷却(放熱)を行なってい
るため、モジュール型二次電池の容器の容器壁を常圧の
ガスを内含した非真空の断熱壁面とすることができる。
【0058】また、上記冷却装置(可変コンダクタンス
型ヒートパイプ)の加熱部を断熱容器の底部に配設した
ため、当該ヒートパイプを介してモジュール型二次電池
から放出される熱は、単電池から鉛直下方向へ移動した
熱のみである。すなわち、本発明の冷却装置を用いて
も、単電池群の水平方向に発生する不均一な温度分布の
原因とはならず、一様な電池冷却にとって有効な冷却方
式となる。
【0059】さらに、上述したモジュール型電池ユニッ
トをケーシング内に複数個収容して大容量のモジュール
型二次電池ユニットを構成した場合でも、各モジュール
型二次電池の温度管理制御は、上述した冷却装置により
非常に容易に行なわれる。
【0060】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るモジュール型
二次電池及びモジュール型二次電池ユニットについて、
特にモジュール型二次電池としてNaSモジュール電池
を用いた実施形態について添付図面を参照して説明す
る。
【0061】図1は本発明に係るNaSモジュール電池
1及びそのNaSモジュール電池1に設けられた冷却装
置2を概略的に示す平面図であり、図2は、当該NaS
モジュール電池1及び冷却装置2を概略的に示す側面図
である。なお、図2は、例えば3段に積み上げられたN
aSモジュール電池ユニットにおいて、その中段に位置
するモジュール電池を示している。
【0062】NaSモジュール電池1は、図1及び図2
に示すように、平面(上面)が長方形で表される角柱状
の断熱容器3と、この断熱容器3の内部に収容された金
属製の電池格納容器4と、この電池格納容器4内に収容
された複数本のNaS電池単体(単電池)5…5と、電
池格納容器4を含む断熱容器3内部を仕切る仕切蓋6と
を有している。
【0063】断熱容器3は、従来のような真空容器壁で
はなく、繊維質断熱材を内装しアルゴンガス等の熱伝導
率の低い大気圧ガスを充填した容器壁から成り、その底
部には、例えばアルミニウムやスチール、鉄等で製造さ
れた集熱底板10が設置されている。電池格納容器は、
その集熱底板10上に設置されており、複数の単電池5
…5は、電池格納容器4内部に立状に収容されている。
また、複数の単電池5…5は、充填固定化した砂(充填
砂)により固定されている。なお、断熱容器3の容器壁
の一部には、モジュール電池1を最初に使用する際の温
度設定用の図示しないヒータが設けられている。
【0064】また、仕切蓋6は、断熱容器3の容器壁と
同じく、繊維質断熱材を内装しアルゴンガス等の大気圧
ガスを充填して形成されている。そして、この仕切蓋6
は、断熱容器3の側壁の最上部に対して所定長さだけ低
い位置に、当該側壁に対して密接状態で設けられてい
る。その仕切蓋6と側壁最上部との隙間には、断熱材か
ら形成される断熱仕切層11が充填されている。この仕
切蓋6と断熱仕切層11とで断熱容器3の上蓋部12を
形成している。
【0065】さらに、NaSモジュール電池1には、本
実施形態の冷却装置2であるL字型の可変コンダクタン
ス型ヒートパイプ(variable conductance heat pipe)
15が例えば2本設けられている。
【0066】可変コンダクタンス型ヒートパイプ15
は、そのパイプ15の凝縮部(放熱部)が断熱容器3の
側壁面に平行になるように配置されている。そして、当
該パイプ15の加熱部が凝縮部に対して略直角に曲げら
れて断熱容器3の集熱底板10内部に埋設され、全体で
L字型を構成している。この集熱底板10の内部に埋設
される加熱部のパイプ長は、所定の長さ(本実施形態の
場合、底板10の長さの約半分の長さ)となっている。
また、放熱部を構成するパイプの軸方向に沿って放熱フ
ィン16が取り付けられている(図2では省略してお
り、後で示す図3で詳細に説明する)。
【0067】本実施形態の可変コンダクタンス型ヒート
パイプ15の構造を図3に示す。図3によれば、ヒート
パイプ15は、ガス溜まり部15Aと、放熱部15B
と、断熱部15Cと、加熱部15Dとから構成されてい
る。ガス溜まり部15Aを構成するパイプは、放熱部1
5B等を構成するパイプより長径であり、所要量の不凝
縮ガスが溜められるように設計されている(溜められた
ガスをガス溜まり20という)。ガス溜まり部15Aを
構成するパイプの周囲は断熱材21で被覆されている。
【0068】放熱部15Bを構成するパイプ内には、ガ
ス溜まり20に基づく不凝縮ガスが滞留している。そし
て、そのパイプ内には、その軸方向に沿って放熱フィン
16が取り付けられている。この放熱フィン16の軸方
向に沿った所定位置sから断熱部側及び加熱部側に至る
部分は、図3に示すようにテーパー状に形成されてい
る。また、放熱フィン16には、軸方向に垂直にスリッ
ト23が入れられ、放熱フィン面積は当該軸方向に沿っ
て分割されている。
【0069】加熱部15Dを構成するパイプは、上述し
たように底板10の内部に埋設されている。また、加熱
部15D及び断熱部15Cを構成するパイプ(底板10
に沿ったパイプ)には熱作動媒体Mが封入されている。
この作動媒体Mは、沸騰する液状のものであれば、いず
れの媒体でも使用できる。特に、本実施形態では、熱媒
体油(例えば、ダウケミカル社で製造されるダウサーム
A(ダウケミカル社の登録商標))を用いている。この
ダウサームAは、図4に示す動作温度範囲を有し、蒸気
圧は200℃〜350℃の範囲で187mmHg〜4.
5kg/cm2にあり、減圧もしくは加圧すれば、上記
温度範囲で沸騰、凝縮を繰り返すため、ヒートパイプの
作動媒体として使用に適している。
【0070】一方、ヒートパイプ15の内壁には、例え
ば金属性の網等で形成されたウイック材25が設けられ
ている。このウイック材25は、凝縮された作動媒体M
を毛細管圧力により加熱部15D側へ運搬するセルフポ
ンプ動作を行なうようになっている。また、ヒートパイ
プ15のガス溜まり部15A、放熱部15B、及び断熱
部15Cを構成するパイプには、当該パイプの軸方向に
沿って熱伝導棒26が配設されている。この熱伝導棒2
6のガス溜まり部15A内先端部分にはフィン27が取
り付けられている。
【0071】上述した可変コンダクタンス型ヒートパイ
プ15の機能を図3を参照して説明する。
【0072】加熱部15Dの温度がT1 (NaSモジュ
ール電池の温度作動特性範囲(300℃〜350℃)内
に含まれる値、例えば約300℃に設定されている)に
達するまではヒートパイプ15内に封入された作動媒体
Mが沸騰しないように、不凝縮ガスをその封入圧力を調
節して予めヒートパイプ15に封入しているため、加熱
部15Dが加熱されても、その温度がT1 に達するまで
はヒートパイプ15の機能(沸騰/凝縮の連続的発生)
は生じることがない(「加熱部の温度T1A<<T1 」の
領域をヒートパイプの不感帯域(つまり、作動範囲外領
域)という)。したがって、加熱部15Dの温度がT1
に達するまでの温度範囲では、一般の管と同様に、図3
中の熱量Q1 に相当する極めて低い熱貫流量で放熱する
ようになっている。言い換えれば、この不感帯域では、
熱貫流量の変化に比べて温度変化(上昇)が高くなって
いる。なお、この段階では、作動媒体Mの蒸気と不凝縮
ガスの想定境界面(以下、不凝縮ガス境界面という)が
図3中「a」の位置(放熱部15Bの全長域)にある。
【0073】加熱部15Dの加熱が進み、その温度がT
1 以上に昇温すると、作動媒体Mが沸騰を開始し、ヒー
トパイプ15の内圧が上昇して不凝縮ガスが圧縮され
る。この結果、不凝縮ガス境界面が上昇し始める。
【0074】加熱部15Dの温度がTA に達し、不凝縮
ガス境界面の上昇に伴って作動媒体の蒸気が放熱部15
Bに達すると、放熱フィン16を介して凝縮作用が始ま
り、ヒートパイプ15の熱貫流機能が生じる。但し、こ
の状態では、まだ、放熱部15Bの全域から凝縮作用が
起こっているわけではないので、熱貫流量は、依然とし
て少量である(図3中の温度TA に対応するQA 参
照)。
【0075】加熱部15Dの温度のさらなる上昇に伴っ
て、不凝縮ガス境界面がさらに上昇すると、放熱部15
Bの広い範囲に亘って有効な凝縮作用が起こり、熱貫流
量が急激に増加していく。そして、加熱部15Dの温度
がT2 (例えば約330℃)以上に達し、不凝縮ガス境
界面が「b」の位置に達すると、一般のヒートパイプの
熱貫流量Q2 が得られる(図3参照)。このとき、T1
〜T2 の温度差は例えば約5℃〜30℃であり、熱貫流
量の比は、例えば「Q2 /Q1 >>10」となってい
る。なお、降温時には、上述した作用と正反対の作用を
行なうようになっている。
【0076】以上述べたように、本実施形態の可変コン
ダクタンス型ヒートパイプ15は、加熱部15Dの温度
変化に応じて放熱部15Bに滞留する非凝縮ガスの境界
面を移動させることにより、実際に放熱部15Bとして
働く長さを変えて、ヒートパイプ15自体の熱貫流量を
大幅に変化させることができる。
【0077】ところで、放熱部15Bに達した蒸気がガ
ス溜まり20の中で凝縮を起こしてしまうと、ガス溜ま
り20の温度が低下し、そのガス溜まり20の温度と作
動熱媒体Mの温度との間に差が生じる。この温度差が大
きくなると、不凝縮ガス境界面の位置が不安定となって
加熱部15Dの温度と熱貫流量が一元的に定まらなくな
る。
【0078】そこで、本実施形態のヒートパイプ15で
は、ガス溜まり部15Aを構成するパイプの周囲を断熱
材21で被覆し、且つヒートパイプ15のガス溜まり部
15A、放熱部15B、及び断熱部15Cのパイプ内に
熱伝導棒26を挿入して当該ガス溜まり部15Aと作動
媒体Mを熱的に結合させているため、ガス溜まり20の
温度を高く維持して、上述した不凝縮ガス境界面位置の
不安定性に基づく加熱部Dの温度と熱貫流量のバラツキ
を防止している。
【0079】また、本実施形態のヒートパイプ15で
は、初期の不凝縮ガスの境界面(加熱部15Dの温度T
1 に対応する)の位置を安定させることが必要なため、
温度T1 付近での不必要な作動媒体の凝縮量(すなわ
ち、熱貫流量)を低く抑えることが重要であるととも
に、放熱部15Bの放熱量を大きくすることも重要であ
る。
【0080】したがって、本実施形態のヒートパイプ1
5によれば、放熱フィン面積を大きくしながら当該フィ
ン22にパイプの軸方向に垂直にスリット23を入れて
放熱フィン面積を当該軸方向に沿って分割している。つ
まり、作動媒体Mは、その放熱部15Bのパイプにおけ
る上昇位置に応じて放熱するフィンが定められているた
め、放熱部15B内の作動媒体Mの上昇位置(すなわ
ち、不凝縮ガスの境界面の上昇位置)が「a」点前後の
場合においては、作動媒体は、一番加熱部15D側のフ
ィンのみを介して凝縮されるため、作動媒体の凝縮量
(熱貫流量)は低く抑えられる。
【0081】また、同様の趣旨で、放熱フィン16を加
熱部15D側へ向けてテーパー状にしているため、
「a」点における放熱フィン16の面積は、全体の放熱
フィン16の面積に比べて最も小さくなっている。した
がって、ガス溜まり部15A側の放熱フィン16の面積
を必要最大限に大きくしながら、温度T1 付近での不必
要な作動媒体Mの凝縮量を低く抑えることができる。
【0082】ところで、NaSモジュール電池1の上面
及び底面は断熱仕切層を介して上段側モジュール電池及
び下段側モジュール電池(図2の一点鎖線参照)と接し
ているため、当該上面及び底面からの熱移動は無視でき
る。
【0083】したがって、NaSモジュール電池1から
の放熱は、次の2つの経路で外気へ放出されることにな
る。
【0084】・第1の経路・・・断熱容器3の側壁面を
介して外気へ放出される経路(図2中の経路a)。 ・第2の経路・・・単電池5…5から鉛直下方向へ移動
し、集熱底板10からヒートパイプ15を介して外気へ
放出される経路(図2中の経路b)。
【0085】本実施形態では、上述した機能を有する可
変コンダクタンス型ヒートパイプ15を用いてNaSモ
ジュール電池1の総熱量の大半を放熱して、NaSモジ
ュール電池1の温度管理を行なうようになっている。
【0086】ここで、可変コンダクタンス型ヒートパイ
プ15を用いた冷却方式によるNaSモジュール電池1
の電池温度の推移を図5に示し、この図5を参照しなが
ら本実施形態のNaSモジュール電池1における電池最
高温度及び放電開始前温度の管理・制御方法について、
以下に説明する。
【0087】所定の放電開始前温度(例えばTs =28
0℃<T1 (300℃))に設定されたNaSモジュー
ル電池1が放電を開始すると、モジュール電池1の温度
は、当該温度がT1 に到達するまでは、図3に示すよう
にヒートパイプ15は不感帯域にあって放熱量が低いた
め、急激(比例的)に温度上昇する(図5;時間t10〜
t11)。
【0088】モジュール電池温度がT1 を越えて上昇す
ると、図3に示すように、ヒートパイプ15の凝縮作用
が増加して温度上昇率(傾き)が緩やかになっていき、
その上昇カーブは放物線を描く(図5;時間t11〜t1
2)。そして、放電終了時(図5;時間t12)、モジュ
ール電池温度は最高温度(Tm =T2 =約330℃)に
達する。
【0089】放電終了後にはモジュール電池1からの発
熱は無く、高い放熱性能によりモジュール電池温度は急
速(比例的)に降温するが(図5;時間t12〜t13及び
図3におけるT2 →TA での熱貫流量の減少率参照)、
モジュール電池温度の低下と共に放熱性能が低下して、
温度降下率(傾き)が次第に緩やかになり、その降下カ
ーブは放物線を描きながら当該モジュール電池温度がT
1 に達する(図5;時間t13〜t14及び図3におけるT
A →T1 での熱貫流量の減少率参照)。
【0090】モジュール電池温度がT1 を越えて降温す
ると、図3に示すように、ヒートパイプ15は不感帯域
に入るため放熱性能が低下し、さらに、緩やかな降温カ
ーブとなる。つまり、モジュール電池温度がT1 を越え
て降温してからは、モジュール電池1が充電を開始し
(図5;時間t15)、充電終了後(図5;終了時間t1
6)、次の放電開始(図5;時間t17)まで時間が推移
しても(t14〜t15〜t16〜t17)、モジュール電池温
度は非常に緩やかに降温していくため、ヒータ等を用い
て特別な温度制御をしなくても、モジュール電池温度は
放電開始前温度Tsに到達することがない。なお、次の
放電開始時の放電開始前温度Ts'は、先の放電開始前温
度Ts と必ずしも一致しないが(Ts −Ts'=Δtであ
り、このΔtが「0」にならない)、それぞれの放電試
験共に加熱中の温度T1 で調整されるため、全く影響が
無い。
【0091】以上述べたように、本実施形態によれば、
モジュール電池温度の上昇に応じてヒートパイプの放熱
量が増加するため、電池最高温度Tm 近辺の温度上昇カ
ーブを非常に緩やかに設定することができ、しかも、放
電開始前温度Ts に至るまでのモジュール温度降下カー
ブをも非常に緩やかに設定することができる。
【0092】したがって、NaSモジュール電池出力容
量を増加させても、図5の仮想線(CA )で示すよう
に、放電時の温度上昇カーブはほとんど変わらず、モジ
ュール電池最高温度の管理が非常に容易になる。同様
に、NaSモジュール電池の放電時間を増加させても
(放電終了時間t12→tB )、図5の仮想線(CB )で
示すように、放電時の温度上昇カーブ及び時間tB にお
けるモジュール電池最高温度はほとんど変わらず、当該
モジュール電池最高温度の管理が非常に容易になる。
【0093】すなわち、本実施形態の冷却方式を用いれ
ば、NaSモジュール電池運転出力及び放電時間を増加
させることが可能になり、当該NaSモジュール電池の
実用性を大幅に高めることができる。
【0094】また、本実施形態によれば、図5に示すよ
うに、モジュール電池温度がT1 を越えて降温してから
は、モジュール電池温度は非常に緩やかに降温していく
ため、モジュール電池温度は、自動的に放電開始前温度
Ts 付近に到達してその値が維持される。すなわち、本
実施形態のヒートパイプを用いることにより、ヒータ等
を用いて特別な温度制御をすることなく放電開始前温度
の管理を行なうことができる。なお、上述したように、
放電開始前温度Ts 及びTs'にバラツキ(Δt)が生じ
るが、モジュール電池温度が高温になるほど放熱量が増
加するため、そのバラツキがモジュール電池最高温度に
与える影響はない。
【0095】さらに、本実施形態では、自然対流を利用
した放熱フィンによる可動部の無い放熱方式によりモジ
ュール電池の温度制御を行なっているため、非常に信頼
性が高い。
【0096】さらにまた、本実施形態によれば、NaS
モジュール電池の断熱容器を、アルゴンガス等の熱伝導
率の低い大気圧ガスを充填した容器壁により構成し、さ
らに、蓋と断熱容器との合わせ部の無い仕切蓋構造で構
成したため、断熱容器の壁面を介して放熱される量は、
モジュール電池上面,底面及び合わせ部からの放熱が無
いため、従来の断熱容器を用いたモジュール電池と比べ
て放熱面積比相当の約1/2以下に減少する。したがっ
て、断熱容器として、高い断熱性を有する真空断熱容器
を用いる必要が無くなる。この結果、NaSモジュール
電池のコストを低減することができる。また、従来必要
であった真空断熱壁の真空度維持・確保に掛るコスト、
人材、及び器材を不要にすることができる。なお、断熱
容器の上蓋部の形状を大幅に簡素化しても熱損失が急増
することはなく、熱効率は確保できる。
【0097】そして、本実施形態のヒートパイプを用い
た冷却方式によれば、集熱底板及びヒートパイプを介し
て放出される熱量は、各単電池から鉛直下方向へ移動し
た熱量のみである。すなわち、本実施形態の放熱方式
は、単電池群の水平方向に発生する温度分布の原因とは
ならず、一様な電池冷却にとって有効な冷却方式を提供
できる。
【0098】一方、本実施形態の冷却装置を備えたNa
Sモジュール電池として、3段に積み上げられたNaS
モジュール電池ユニットにおける中段に位置するモジュ
ール電池を例にとって説明したが、このような本実施形
態の冷却装置を備えたNaSモジュール電池を3次元マ
トリクス状に配設したNaSモジュール電池ユニットを
構成することもできる。
【0099】図6は、ケーシング30内に、本実施形態
における冷却装置(可変コンダクタンス型ヒートパイプ
31)を備えたNaSモジュール電池32を、x方向
(横方向)に3個、y方向(縦方向)に2個、z方向
(高さ方向)に5個、3次元マトリクス状(3×2×
5)に配設したNaSモジュール電池ユニット33の一
例を概略的に示す正面図、図7はそのNaSモジュール
電池ユニット33の側面図である。なお、ヒートパイプ
31の放熱フィン34は、一つのNaS電池モジュール
のみ示し、後は省略している。
【0100】図6によれば、各NaS電池モジュール3
2のヒートパイプ31の外側には、当該ヒートパイプ3
1からの放熱を所定の方向へ案内する防熱板35が設け
られている。そして、各NaSモジュール電池32の間
及びケーシング30と各NaSモジュール電池32との
間には、断熱材36が埋設されており、各NaSモジュ
ール電池32が有するヒートパイプ31以外からの放熱
を極力抑える構造になっているため、電池エネルギー効
率を向上させることができる。
【0101】また、上述したように、各NaSモジュー
ル電池32の冷却(放熱)は、全てヒートパイプ31を
介して行なわれるため、各NaSモジュール電池32
を、点検、補修等で取扱いの許す限りにおいて密接し
て、すなわち最密状に配設することができる。これは、
従来において各NaSモジュール電池32の冷却空気用
の通路を確保するために必要であった隣接するNaSモ
ジュール電池間に隙間を設ける必要が無くなったためで
ある。したがって、NaS電池モジュール32を多数収
容しながらNaSモジュール電池ユニット33全体のコ
ンパクト化が図れる。
【0102】さらに、本実施形態では、NaSモジュー
ル電池を断熱容器3(の容器壁(側容器部))と上蓋部
12(仕切蓋6、断熱材11)を用いて構成したが(図
8(a)及び(b)参照)、本発明はこれに限定される
ものではなく、例えば、図9(a)及び(b)に示すよ
うに、ヒートパイプ15が設けられる側の側壁面(断熱
容器壁)3Aと当該側壁面3Aに対向する側壁面(断熱
容器壁)3Bだけを残し、それ以外の断熱容器壁を削除
する構成としてもよい(なお、断熱容器壁が削除された
部分は、電池格納容器4の壁面のみが存在する)。
【0103】このモジュール電池構成は、図6〜図7で
示した各モジュール電池間に断熱材が介在しているユニ
ット構造の場合に特に有効である。すなわち、ユニット
構造では、隣接するモジュール電池間は断熱材により断
熱状態が確保できるため、ヒートパイプ15が設けられ
る側の側壁面及びその側壁面に対向する側壁面以外の側
壁面(容器壁)は、移動等の操作性を除けば不要である
ため、図9に示したように、この容器壁を削除すること
ができ、NaSモジュール電池のコンパクト性の向上、
及びコスト低減を図ることができる。
【0104】さらに、図10(a)及び(b)によれ
ば、容器壁をヒートパイプ15が設けられた側壁面(断
熱容器壁)3Aのみとし、その他の断熱容器壁を保護用
の鋼製壁40とすることにより、内部に収容される単電
池5…5の本数を多くしながらコンパクト性を維持し、
コスト低減を図ることができる。
【0105】ところで、本実施形態では、ヒートパイプ
15を断熱容器3の一側面側に設けたが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、断熱容器3の各側壁面の内
の複数(例えば対向する側壁面)側にそれぞれ設けても
よい。すなわち、図11(a)及び(b)に示すよう
に、一対のヒートパイプ15a及び15bは、そのパイ
プ15a及び15bの凝縮部が断熱容器3の対向する側
壁面3a及び3bにそれぞれ平行になるように配置され
ている。そして、当該パイプ15a及び15bの加熱部
が凝縮部に対して略直角に曲げられて断熱容器3の集熱
底板10内部に埋設され、全体でL字型を構成してい
る。この集熱底板10の内部に埋設されるヒートパイプ
15a及び15bの加熱部のパイプ長は、例えば底板1
0の長さの約1/3の長さにすると放熱効率が良い。
【0106】このように断熱容器3の対向する側壁面3
a及び3bに、それぞれヒートパイプ15a及び15b
を設けたため、上述した実施形態のヒートパイプと比べ
て放熱効率を向上させることができる。
【0107】さらに、図12に示すように、断熱容器3
の全ての側壁面3a〜3d側にヒートパイプ15a〜1
5dをそれぞれ設けてもよく、さらに放熱効率を向上さ
せることができる。
【0108】そして、本実施形態では、NaSモジュー
ル電池を、平面が長方形で表される角柱状の断熱容器を
用いて構成したが、本発明では、ヒートパイプを用いた
冷却装置でNaSモジュール電池を冷却する構成である
ため、モジュール電池(の断熱容器)の形状には、ほと
んど限定されない。すなわち、NaSモジュール電池
を、その上面や底面が六角形で表される六角柱等の多角
柱状にしてもよく、またその上面や底面が円形で表され
る円柱状にしてもよい。
【0109】図13は、上面及び底面が六角形で表され
る六角柱状の断熱容器45を用い複数のNaSモジュー
ル電池46を三次元マトリクス状(4×2×4)に配設
した電池モジュールユニット47を表す概略平面図であ
り、図14は、上記電池モジュールユニット47の概略
正面図、図15は、上記電池モジュールユニット47の
概略側面図である。
【0110】図13〜図15に示すように、各モジュー
ル46(の断熱容器45)には、ケーシング48に面し
た(他のモジュールに接しない)隣接する2つの側面4
5a、45bにヒートパイプ50がそれぞれ設けられて
いる。また、各パイプ50の放熱フィン51は、断熱容
器45の側面45a及び45bに平行に設置されてい
る。
【0111】また、電池モジュール46(の断熱容器4
5)の形状が、平面及び底面が六角形で表される六角柱
状であるため、図13〜図15に示すように、各電池モ
ジュール46を、断熱材47を介してケーシング48内
に隙間無く(いわゆる最密状に)配設できる。
【0112】したがって、従来の電池モジュールユニッ
トと比べて、モジュールの配設効率が良くなり、ユニッ
ト全体の電力貯蔵効率が向上する。
【0113】また、ヒートパイプ50に設けられる放熱
フィン51を、断熱容器45の側面45a及び45bに
平行に設置することができるため、当該放熱フィン51
の外方への突出が抑制され、放熱フィン51の設置スペ
ースを減少させることができる。
【0114】さらに、電池モジュール46の形状を平面
が六角形で表される六角柱状とした場合、図16に示す
ように、当該モジュール46Aを6個ずつペアで、中央
に空間ができるように互いに隣接させて配設することも
可能である。このように配設すれば、ヒートパイプ50
Aが設置可能な各モジュール46Aの側面は、ケーシン
グ48側の3つの側面及び中央の隙間側の側面と都合4
つとなり、前掲図13のモジュール配設構造と比べて、
ヒートパイプ50Aの設置可能側面数が増加し、さらに
放熱効率を向上させることができる。
【0115】一方、上述した実施形態及びその変形例で
は、二次電池としてNaS電池を用いた例を示したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図17
〜図21に示すように、NaS電池以外の二次電池を用
いてもよい。
【0116】図17は、亜鉛・塩素電池の概略構成を示
す図であり、図17を用いて亜鉛・塩素電池の動作原理
を説明する。
【0117】図17(a)(充電時)によれば、電極群
55の塩化亜鉛が亜鉛イオン、塩素ガス、及び電子に分
かれる。分かれた内の塩素ガスは、ガス液ポンプ56を
介して水和物槽57に送られ、塩素水和物として蓄積さ
れる。一方、分かれた内の亜鉛イオンは、電解液槽58
を通って液ポンプ59により電極群55へ送られ、外部
電源から供給される電子を受け取って亜鉛に戻る。
【0118】また、図17(b)(放電時)によれば、
電極群55の亜鉛が外部回路に電子を放出して亜鉛イオ
ンとなり、その亜鉛イオンが電解液槽58を介して正極
側へ移動する。一方、水和物槽57から発生した塩素ガ
スは、液ポンプ59を介して正極側へ移動する。正極側
へ移動した亜鉛イオンは、外部回路から供給された電子
及び塩素ガスと反応して塩化亜鉛になる。
【0119】また、図18は、亜鉛・臭素電池の概略構
成を示す図であり、図18を用いて亜鉛・臭素電池の動
作原理を説明する。
【0120】図18(充電時)によれば、正極60の臭
素亜鉛(ZnBr2 )が、亜鉛イオン(Zn2+)、臭素
(Br2 )、電子(2e- )に分かれる。分かれた内の
臭素(Br2 )は正極液貯蔵槽61に送られ、蓄積され
る。一方、分かれた内の亜鉛イオン(Zn2+)は、負極
液貯蔵槽62からポンプ63を介して送られた電解液槽
を通って負極64側へ移動し、外部電源から供給される
電子(2e- )を受け取って亜鉛(Zn)に戻る。
【0121】また、図18(放電時)によれば、負極6
2の亜鉛(Zn)が外部回路に電子(2e- )を放出し
て亜鉛イオン(Zn2+)となり、その亜鉛イオン(Zn
2+)が電解液槽を介して正極60側へ移動する。一方、
正極液貯蔵槽61から発生した臭素(Br2 )は、ポン
プ65を介して正極60側へ移動する。正極60側へ移
動した亜鉛イオン(Zn2+)は、外部回路から供給され
た電子(2e- )及び臭素(Br2 )と反応して臭化亜
鉛になる。
【0122】さらに図19は、レドックス・フロー形電
池の概略構成を示す図であり、図19を用いてレドック
ス・フロー形電池の動作原理を説明する。
【0123】Cr2+/Cr3+タンク70に蓄えられたC
2+イオンの塩化物の塩酸溶液(負極液)が、ポンプ7
1で中央の流通形電界槽72に送られ、炭素布でできた
負極73中を浸透しながら外部回路74(インバータ7
5、変電設備76)へ電子を放出して(放電)、Cr3+
に酸化される。他方、Fe3+/Fe2+タンク77に蓄え
られたFe3+イオンの塩化物の塩酸溶液(正極液)がポ
ンプ78で流通形電界槽72の正極79(炭素布)へ送
られる。外部回路74(インバータ75、変電設備7
6)から電子を受取り(充電)、Fe3+はFe2+に還元
される。
【0124】このレドックス・フロー形電池の原理を用
いて製造されたレドックス・フロー形電池システムを図
20に示す。図20によれば、負極液タンク80に蓄え
られた負極液がポンプ81で1kWスタック82の負極
に送られ、外部回路(電源、負荷)へ電子を放出(放
電)する。また、正極液タンク83に蓄えられた正極液
がポンプ84で1kWスタック82の正極に送られ、外
部回路(電源、負荷)から電子を受取る(充電する)。
なお、ポンプ85、ボルタンメトリー用電池86クロー
メトリー用電池87、回路電圧測定用電池88は、負極
液タンク80及び正極液タンク83における充放電状態
をモニタリングする構成要素である。
【0125】さらにまた、図21は、鉛蓄電池の概略構
成を示す図であり、図21を用いて鉛蓄電池の動作原理
を説明する。
【0126】この鉛蓄電池は、排気栓90が取り付けら
れた電槽91内にセパレータ92で分離された正極板9
3(正極活物質に二酸化鉛(PbO2 )、負極板94
(負極活物質に鉛(Pb))を備えている。また、電槽
91内には、電解液95(希硫酸H2 SO4 )が蓄積さ
れている。正極板93には正極端子96が、負極板94
には負極端子97が取り付けられている。
【0127】この鉛蓄電池の基本的な反応式を以下に示
す。
【0128】
【数1】
【0129】つまり、正極活物質(PbO2 )も負極活
物質(Pb)も放電によってPbSO4 になり、充電に
よってほとんど喪との状態に戻る。したがって、多数回
の重放電を繰り返すことができる。
【0130】以上の二次電池(特性等は図23参照)に
おいても、動作温度等に基づいて不凝縮ガスの封入圧力
等を制御することにより、本実施形態のヒートパイプに
よる冷却装置を適用することができる。
【0131】ところで、本実施形態では、ヒートパイプ
の放熱部に設けられる放熱フィンを、その軸方向に沿っ
た所定位置sから断熱部側及び加熱部側に至るまでをテ
ーパー状に形成したが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。すなわち、上述した実施形態と同様に温度T
1 付近での不必要な作動媒体Mの凝縮量を低く抑えなが
ら全体の放熱量を増加させるために、例えば、図22に
示すように、放熱フィン98の軸方向に沿った全領域を
ガス溜まり部15A側からテーパー状に形成してもよ
い。
【0132】ところで、上述した各実施形態では、冷却
装置としてヒートパイプを用いた例を示したが、本発明
はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明
は、従来、一定の放熱量の単純な冷却システムを採用し
ていたものを、電池温度に応じて放熱量が変化する冷却
システムを採用したことにその特徴がある。したがっ
て、そのような冷却対象の温度変化に応じて放熱量が変
化する冷却装置であれば、例えばバイメタル等、どのよ
うな冷却装置を用いてもよい。
【0133】
【発明の効果】以上に述べたように本発明に係るモジュ
ール型二次電池及びモジュール型二次電池ユニットによ
れば、モジュール型二次電池の温度変化に応じて放熱量
(冷却量)を変化させる冷却装置を用いたため、二次電
池の出力容量や放電時間を増加させても、二次電池温度
が電池最高温度に到達すること及び二次電池温度が放電
開始温度を越えて低下することが無くなる。したがっ
て、真空容器やヒータ等、維持、管理が大変であり余分
な電気エネルギーを用いるような温度管理構成要素を用
いることなく、二次電池の最高温度及び放電開始前温度
の管理が非常に容易になる。この結果、エネルギー効率
を高く維持しながらモジュール型二次電池の出力変更及
び放電時間変更を可能にするため、モジュール型二次電
池の実用性を大幅に向上させることができる。
【0134】また、上述した冷却装置(例えば可変コン
ダクタンス型ヒートパイプ)を用いて放熱を行なってい
るため、モジュール型二次電池の容器の容器壁面を常圧
のガスを内含した非真空の断熱壁面とすることができ
る。すなわち、従来必要であった真空容器を用いること
無くモジュール型二次電池の温度管理を非常に容易に行
うことができるため、真空容器自体のコスト及びその真
空容器の維持、管理に必要なコスト等を削減することが
でき、大変安価なモジュール型二次電池を提供すること
ができる。
【0135】さらに、上述した冷却装置(例えば可変コ
ンダクタンス型ヒートパイプ)の加熱部を断熱容器の底
部に配設したため、当該ヒートパイプを介してモジュー
ル型二次電池から放出される熱は、単電池から鉛直下方
向へ移動した熱のみであり、単電池群の水平方向に発生
する温度分布の原因とはならない。したがって、従来発
生していた水平方向の温度不均一分布を是正し、各電池
において均一化した温度分布を得ることができる。
【0136】さらにまた、上述した冷却装置を備えたモ
ジュール型二次電池を複数個ケーシング内に収容してモ
ジュール型二次電池ユニットを構成することができるた
め、実用性やコストパフォーマンスに優れたモジュール
型二次電池ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わるNaSモジュール電
池及びその冷却装置を概略的に示す平面図。
【図2】図1のNaSモジュール電池及びその冷却装置
を概略的に示す側面図。
【図3】冷却装置の可変コンダクタンス型ヒートパイプ
の構造及び機能を概略的に示す図。
【図4】可変コンダクタンス型ヒートパイプ等に用いら
れる作動流体(媒体)の温度特性を示す図。
【図5】NaSモジュール電池の電池温度の推移を示す
グラフ。
【図6】モジュール電池ユニットの一例を概略的に示す
正面図。
【図7】モジュール電池ユニットの一例を概略的に示す
側面図。
【図8】(a)は、本実施形態の可変コンダクタンス型
ヒートパイプを備えたNaSモジュール電池を概略的に
示す正面図、(b)は、可変コンダクタンス型ヒートパ
イプを備えたNaSモジュール電池を概略的に示す側面
図。
【図9】(a)は、可変コンダクタンス型ヒートパイプ
を備えたNaSモジュール電池の変形例を概略的に示す
正面図、(b)は、可変コンダクタンス型ヒートパイプ
を備えたNaSモジュール電池の変形例を概略的に示す
側面図。
【図10】(a)は、可変コンダクタンス型ヒートパイ
プを備えたNaSモジュール電池の変形例を概略的に示
す正面図、(b)は、可変コンダクタンス型ヒートパイ
プを備えたNaSモジュール電池の変形例を概略的に示
す側面図。
【図11】(a)本発明の実施形態の変形例に係わるN
aSモジュール電池及びその冷却装置を概略的に示す平
面図、(b)本発明の実施形態の変形例に係わるNaS
モジュール電池及びその冷却装置を概略的に示す側面
図。
【図12】本発明の実施形態の変形例に係わるNaSモ
ジュール電池及びその冷却装置を概略的に示す平面図。
【図13】NaS電池モジュールユニットの変形例を示
す概略平面図。
【図14】図13のNaS電池モジュールユニット変形
例を示す概略正面図。
【図15】図13及び図14のNaS電池モジュールユ
ニットを示す概略側面図。
【図16】NaS電池モジュールユニットのその他の変
形例を示す概略平面図。
【図17】亜鉛・塩素電池の概略構成及び動作原理を示
す図。
【図18】亜鉛・臭素電池の概略構成及び動作原理を示
す図。
【図19】レドックス・フロー形電池の概略構成及び動
作原理を示す図。
【図20】レドックス・フロー形電池システムの一例を
概略的に示す図。
【図21】鉛蓄電池の概略構成を示す図。
【図22】ヒートパイプの放熱フィンの変形例を示す図
【図23】各種二次電池の性能及び特徴を示す図。
【図24】リチウムを負極活物質とした溶融塩二次電池
の性能及び特徴を示す図。
【図25】常温作動の鉛蓄電池の電池温度と寿命回数
(充放電回数)との関係を示すグラフ。
【図26】鉛蓄電池の電池温度と寿命(使用耐年数)と
の関係を示すグラフ。
【図27】(a)はNaS電池単体の構造を概略的に示
す示す図、(b)は、(a)におけるA部拡大図。
【図28】従来のモジュール構造のNaS電池を概略的
に示す斜視図。
【図29】従来のNaSモジュール電池の電池温度の推
移を示すグラフ。
【図30】(a)は、従来のNaSモジュール電池ユニ
ットを概略的に示す正面図、(b)は、NaSモジュー
ル電池ユニットを概略的に示す側面図。
【図31】NaSモジュール電池における熱流の流れを
示す図。
【符号の説明】
1,32,46,46A NaSモジュール電池 2 冷却装置 3,45 断熱容器 4 電池格納容器 5…5 単電池 6 仕切蓋 10 集熱底板 11,36 断熱材 12 上蓋部 15,15a〜15d,31,50,50A 可変コン
ダクタンス型ヒートパイプ 15A ガス溜まり部 15B 放熱部 15C 断熱部 15D 加熱部 16,16a〜16d,34,51,51A,98 放
熱フィン 30,48,48A ケーシング 33,47 NaSモジュール電池ユニット

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本の二次電池単体を容器内に収容し
    てモジュールを構成したモジュール型二次電池におい
    て、 前記モジュール型二次電池の温度変化に応じた放熱量を
    有し、当該モジュール型二次電池全体を放熱冷却する冷
    却装置を備えたことを特徴とするモジュール型二次電
    池。
  2. 【請求項2】 前記二次電池はナトリウム−硫黄電池で
    ある請求項1記載のモジュール型二次電池。
  3. 【請求項3】 前記冷却装置は、内部に熱作動媒体及び
    不凝縮ガスが封入された可変コンダクタンス型ヒートパ
    イプを有した請求項1又は2記載のモジュール型二次電
    池。
  4. 【請求項4】 前記ヒートパイプは、前記熱作動媒体が
    封入され外部から加熱される加熱部と、この加熱部によ
    る熱作動媒体の加熱により発生する蒸気に基づいて凝縮
    作用を行なう凝縮部と、この凝縮部に連通された前記不
    凝縮ガス封入用のガス溜まり部とを備え、 前記ガス溜まり部に封入された不凝縮ガスを前記凝縮部
    内の所定位置まで滞留せしめた請求項3記載のモジュー
    ル型二次電池。
  5. 【請求項5】 前記ヒートパイプは、その加熱部が前記
    容器の底部に配設され、その凝縮部を含むパイプ部が前
    記加熱部に対して略直交するように曲げられて前記容器
    の側面に略平行に配設されたL字型構造である請求項4
    記載のモジュール型二次電池。
  6. 【請求項6】 前記冷却装置は前記ヒートパイプを複数
    本有し、当該各ヒートパイプは、その加熱部が前記容器
    の底部に配設され、その凝縮部を含むパイプ部が前記加
    熱部に対して略直交するように曲げられて前記容器の少
    なくとも1つの側面に略平行にそれぞれ配設された請求
    項5記載のモジュール型二次電池。
  7. 【請求項7】 前記凝縮部の軸方向に沿った全域に亘っ
    て放熱フィンを設けた請求項5または6記載のモジュー
    ル型二次電池。
  8. 【請求項8】 前記放熱フィンは前記凝縮部の軸方向に
    沿った所定部位から前記加熱部側の端部に向けてテーパ
    ー状に形成された請求項7記載のモジュール型二次電
    池。
  9. 【請求項9】 前記放熱フィンの面積を前記軸方向に沿
    って分割するために、当該放熱フィンに対して前記凝縮
    部の軸方向に沿って垂直にスリットを設けた請求項8記
    載のモジュール型二次電池。
  10. 【請求項10】 前記容器の少なくとも一つの壁面を常
    圧のガスを内含した非真空の断熱壁面とした請求項5〜
    9記載の内の何れか1項記載のモジュール型二次電池。
  11. 【請求項11】 前記少なくとも1つの壁面は前記凝縮
    部に隣接する側面である請求項10記載のモジュール型
    二次電池。
  12. 【請求項12】 前記容器の上面を省略し、当該上面部
    分を断熱材及び仕切蓋で構成した請求項11記載のモジ
    ュール型二次電池。
  13. 【請求項13】 前記ガス溜まり部に封入され前記凝縮
    部内に滞留される不凝縮ガスの封入圧力を調整して、前
    記不凝縮ガスと前記熱作動媒体の蒸気との境界面を所定
    位置に設定することにより、前記ヒートパイプの作動開
    始温度を前記モジュール型二次電池の作動温度範囲内の
    所定温度に設定した請求項12記載のモジュール型二次
    電池。
  14. 【請求項14】 前記放熱量は、前記加熱部の温度が前
    記作動開始温度未満においては、前記ヒートパイプの不
    感帯域に基づく量となり、前記加熱部の温度が前記作動
    開始温度以上に上昇した場合においては、当該温度上昇
    に伴う前記境界面の凝縮部内での上昇に応じて増加して
    いくように設定された請求項13記載のモジュール型二
    次電池。
  15. 【請求項15】 前記放熱量は、前記加熱部の温度が最
    大温度から降下した場合、その温度が前記作動開始温度
    以上であれば、当該温度降下に伴う前記境界面の凝縮部
    内での降下に応じて減少していくように設定され、前記
    加熱部の温度が前記作動開始温度以下に降下した場合に
    おいては、前記ヒートパイプの不感帯域に基づく量とな
    るように設定された請求項14記載のモジュール型二次
    電池。
  16. 【請求項16】 前記モジュール型二次電池の温度は、
    当該二次電池の温度が試験開始前温度から前記作動開始
    温度に到達するまでは、前記放熱量が前記ヒートパイプ
    の不感帯域に基づく量であるため直線的に上昇し、前記
    二次電池の温度が前記作動開始温度を越える範囲では、
    前記放熱量が前記境界面の凝縮部内での上昇に応じて増
    加していくため緩やかな放物線を描いて上昇するように
    設定された請求項15記載のモジュール型二次電池。
  17. 【請求項17】 前記モジュール型二次電池の温度は、
    当該二次電池の温度が最高温度から前記作動開始温度に
    到達するまでは、前記放熱量が前記境界面の凝縮部内で
    の降下に応じて減少していくため急速に降下し、前記二
    次電池の温度が前記作動開始温度を越える範囲では、前
    記放熱量が前記ヒートパイプの不感帯域に基づく量であ
    るため緩やかな放物線を描いて降下するように設定され
    た請求項16記載のモジュール型二次電池。
  18. 【請求項18】 請求項1乃至17の内の何れか1項に
    記載のモジュール型二次電池をケーシング内に複数個収
    容してユニットを構成したことを特徴とするモジュール
    型二次電池ユニット。
  19. 【請求項19】 前記モジュール型二次電池を前記ケー
    シング内に最密状に収容し、隣接するモジュール型二次
    電池間及び前記ケーシングと各モジュール型二次電池と
    の間に断熱材を埋設した請求項18記載のモジュール型
    二次電池ユニット。
  20. 【請求項20】 請求項5又は6に記載のモジュール型
    二次電池をケーシング内に複数個収容してユニットを構
    成するとともに、当該ケーシング内のモジュール型二次
    電池の容器を上面及び底面が六角形で表される六角柱状
    容器で形成し、前記複数のヒートパイプは、その放熱部
    が当該六角柱状容器の側面に略平行となるように配設さ
    れたことを特徴とするモジュール型二次電池ユニット。
  21. 【請求項21】 前記ヒートパイプの放熱部が隣接する
    モジュール型二次電池の六角柱状容器の側面は、隣接す
    るモジュール型二次電池の六角柱状容器間における互い
    に接する側面以外の側面であり、 当該六角柱状容器で形成された各モジュール型二次電池
    を最密状に配設した請求項20記載のモジュール型二次
    電池ユニット。
  22. 【請求項22】 請求項6に記載のモジュール型二次電
    池をケーシング内に複数個収容してユニットを構成し、
    当該六角柱状容器で形成されたモジュール型二次電池を
    複数個ずつ、各二次電池の中央に空間ができるように互
    いに隣接させて配設するとともに、 前記複数のヒートパイプの放熱部が隣接するモジュール
    型二次電池の六角柱状容器の側面は、他のモジュール型
    二次電池の六角柱状容器に接する側面以外の側面及び前
    記空間に接する側面であることを特徴とするモジュール
    型二次電池ユニット。
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