JPH09298089A - 正孔輸送材料及び有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

正孔輸送材料及び有機エレクトロルミネッセンス素子

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JPH09298089A
JPH09298089A JP8111352A JP11135296A JPH09298089A JP H09298089 A JPH09298089 A JP H09298089A JP 8111352 A JP8111352 A JP 8111352A JP 11135296 A JP11135296 A JP 11135296A JP H09298089 A JPH09298089 A JP H09298089A
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JP
Japan
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organic
hole transport
transport layer
formula
positive hole
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Application number
JP8111352A
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English (en)
Inventor
Shinko Kamikawa
真弘 上川
Tadao Nakaya
忠雄 仲矢
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機系の正孔輸送材料の耐熱性が低いため、
この正孔輸送材料で有機正孔輸送層が形成された有機E
L素子では十分な寿命特性が得られない。 【解決手段】 下記式(1)で示されるポリイミドから
なることを特徴とする正孔輸送材料。 【化1】 式(1)中、Xはベンゼン環を有する基であり、R1
びR2 は芳香族基である。この正孔輸送材料で有機EL
素子1の有機正孔輸送層13を構成する。これによっ
て、有機EL素子1の発光による発熱に対する有機正孔
輸送層13の耐性を確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正孔輸送材料及び
有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
【0002】
【従来の技術】直流電場印加によるアントラセン結晶の
発光が観測されて以来、様々な観点から有機エレクトロ
ルミネッセンス(electoroluminescence:以下、ELと
記す)の研究が行われてきた。その後、蛍光性金属キレ
ート錯体分子と、正孔輸送性ジアミン系分子の薄膜とを
積層させた構造を利用して、低電圧直流駆動による高輝
度発光が実現された。
【0003】上記のような有機材料のELを利用した有
機EL素子は、陰極と透明材料からなる陽極との間に、
有機正孔輸送層及び有機発光層を陽極側から順に積層さ
せた構成になっている。また、有機発光層と陰極との間
に、有機電子輸送層を設けた構成もある。そして、発光
効率の向上を図るために、上記有機発光層に、不純物の
ドーピングによってキャリア捕獲層を設ける場合もあ
る。
【0004】上記陽極は、例えば透明なガラス基板上に
スパッタリング法等で成膜したITO(Indium Tin Oxi
de) 膜で構成されている。また、上記有機正孔輸送層
は、銅フタロシアニンや下記式(8)あるいは上記式
(9)に示される正孔輸送性ジアミン誘導体のような正
孔輸送材料からなる膜で構成されている。
【化3】
【0005】また、上記有機発光層はトリス(8-キノリ
ノール)アルミニウムのような蛍光性金属キレート錯体
分子で構成され、上記有機電子輸送層は例えば下記式
(10)に示されるオキサジアゾール誘導体からなる膜
で構成され、上記陰極はマグネシウム(Mg),アルミ
ニウム(Al)またはマグネシウム(Mg)と銀(A
g)との合金等からなる。
【化4】
【0006】そして、上記有機EL素子では、上記陽極
と陰極とから電子及び正孔を注入すると、当該電子及び
正孔が有機正孔輸送層または有機電子輸送層を介して有
機発光層に輸送され、当該有機発光層において上記電子
と正孔とが再結合して励起子が生成される。そして、当
該励起子が失活する際にELが放出されて発光する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記有機EL
素子には、以下のような課題があった。すなわち、EL
は発熱をともなう現象であり、上記有機EL素子では発
光時の発熱によってその温度が100℃近くにまで上昇
することがある。ところが、上記有機EL素子を構成す
る有機正孔輸送層はジアミン誘導体のような低分子の正
孔輸送材料で構成されており、その融点は150℃前後
で転移点はさらにこれより低い温度でしかない。このた
め、上記有機正孔輸送層では、有機EL素子の発光にと
もなう発熱によって、当該有機正孔輸送層を構成する正
孔輸送材料の分子構造が相転移し易い。
【0008】そして、上記のような相転移が発生した場
合には、有機正孔輸送層の膜質が変化して正孔輸送能力
が低下し、上記有機EL素子の発光特性が劣化する。一
例として、室温雰囲気の大気中においては、上記有機E
L素子はわずか数時間の連続発光で上記発熱による発光
特性の劣化が確認される。以上のように、上記正孔輸送
材料の耐熱性の低さに起因する有機EL素子の寿命特性
の悪さが、当該有機EL素子の実用化を妨げる一因にな
っていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の正孔輸
送材料は、下記式(11)で示されるポリイミドからな
ることを上記課題を解決するための手段としている。
【化5】
【0010】上記式(11)中におけるXはベンゼン環
を有する基であり、例えば下記式(12)または式(1
3)に示される基や、これらの式に示した基において例
えばそのベンゼン環の水素をアルキル基に置換したも
の、または上記各式に示した基においてそのフッ素をア
ルキル基や水素に置換したもの等である。
【化6】
【0011】また、上記式(11)中におけるR1 は芳
香族基であり、例えば下記式(14)または式(15)
に示される基や、これらの式に示した基において例えば
ベンゼン環の水素をアルキル基に置換してなるもの等で
ある。
【化7】
【0012】さらに、上記式(11)中におけるR
2 は、芳香族基であり、例えば下記式(16)または式
(17)に示される基や、これらの基においてそのベン
ゼン環やナフタレン環の水素を例えばアルキル基に置換
してなるもの等である。
【化8】
【0013】尚、上述のような式(11)に示したポリ
イミドでは、式(11)中X,R1,R2 の組合せが特
に制限されることはなく、例えば、上記の各式(12)
〜式(17)に示したX,R1 及びR2 の全ての組合せ
が採用可能である。
【0014】上記正孔輸送材料を製造するには、先ず、
下記式(18)で示されるような上記基R1 及び基R2
を有する第2級ジアミンと、下記式(19)で示される
p-フルオロニトロベンゼンに代表されるようなハロゲン
化p-ニトロベンゼンとを1:2(mol比)の割合で反
応させる。そして、上記式(18)に示した第2級ジア
ミンの窒素(N)に結合している水素(H)を上記ハロ
ゲン化p-ニトロベンゼンのニトロフェニル基に置換し、
下記式(20)に示す第3級ジアミンを第1の化合物と
して合成する。
【化9】
【0015】ここでは、上記式(18)に示した第2級
ジアミンと上記ハロゲン化p-ニトロベンゼンとを、適宜
選択された触媒と共に例えばジメチルスルホキシド(D
MSO)のような溶媒に溶解させ、この溶液を加熱条件
下で攪拌することによって上記合成を進める。この際、
上記合成が十分に促進されるような温度範囲に上記加熱
条件を設定し、上記式(20)に示した第1の化合物が
合成されるまで十分な時間を掛けて攪拌を行う。その
後、例えば上記溶液に水を加え、生じた沈澱を当該式
(20)に示す第1の化合物の結晶として得る。
【0016】次に、上記式(20)に示した第1の化合
物のニトロ基(−NO2 )をアミノ基(−NH2 )に還
元して下記式(21)に示す第2の化合物を得る。
【化10】
【0017】ここでは、上記式(20)に示す第1の化
合物の結晶を氷酢酸に溶解させる。その後、この氷酢酸
溶液中に金属と酸とを加えて加熱条件下で攪拌すること
によって、上記還元を進める。この際、上記還元が十分
に促進されるような温度範囲に上記加熱条件を設定し、
上記式(21)に示した第2の化合物が得られるまで十
分な時間を掛けて攪拌を行う。また、ここで行うニトロ
基の還元は、上述の方法に限定されず適宜選択された最
適方法で行うようにする。
【0018】次に、上記式(21)に示した第2の化合
物と下記式(22)で示される上記基Xを有するジカル
ボン酸無水物とを、1:1(mol比)の割合で反応さ
せ、上記式(22)に示したジカルボン酸無水物を環開
させて上記式(21)に示した第2の化合物と脱水縮合
反応させる。これによって、下記式(23)に示すポリ
アミド酸を合成する。
【化11】
【0019】ここでは、例えば上記式(21)に示した
第2の化合物と上記式(22)で示したジカルボン酸無
水物とを例えばジメチルアセトアミド(DMAc)のよ
うな溶媒に溶解させる。その後、この溶液を冷却条件下
で攪拌することで上記脱水縮合反応を進める。この際、
この脱水縮合反応が十分に促進されるような温度範囲に
上記冷却条件を設定し、上記式(23)に示したポリア
ミド酸に十分な重合度が得られるまで攪拌を行う。これ
によって、最終的に得られる正孔輸送材料の耐熱性を高
めるようにする。
【0020】すなわち、ここで製造する正孔輸送材料は
主に有機EL素子の有機正孔輸送層の形成に用いられる
ことから、当該正孔輸送材料が有機EL素子の発光にと
もなう発熱よりも十分に高い融点を有するものになるよ
うに上記ポリアミド酸の重合度を高めておくことが好ま
しい。
【0021】また、上記のようにして合成した式(2
3)に示したポリアミド酸を、以下のようにして精製し
ても良い。まず、ポリアミド酸が合成された溶液を多量
のメタノール中に投じて沈澱物を得る。次いで、当該沈
澱物を乾燥させた後、少量の溶媒に溶かし、再度メタノ
ール中に投じて沈澱させる。このように式(23)に示
したポリアミド酸を精製することによって、結晶構造を
有する未反応物を除去し、次に得られる正孔輸送材料の
均一な膜質を確保する。
【0022】次に、上記式(23)に示したポリアミド
酸を、DMAcのような溶媒に溶解させ、この溶液を真
空雰囲気下で加熱処理することによって、上記式(2
3)に示されたポリアミド酸のアミド結合をイミド化し
て上記式(11)に示すポリイミドからなる正孔輸送材
料を得る。そして、このようにして製造された正孔輸送
材料は、重合度が十分に高いポリイミドからなるものに
なる。
【0023】上記のようにして得られた式(11)に示
した正孔輸送材料は、窒素(N)に芳香族基のみが結合
した第3級ジアミンを有することで正孔輸送能力が確保
されると共に、主骨格がポリイミドで構成されているこ
とで耐熱性が確保される。そして、特に、式(11)中
における基Xとして、式(13)に示される基に代表さ
れるようなベンゼン環とフッ素とを有する基を用いた正
孔輸送材料では、分子構造中にフッ素が配置されること
によってその透明性が確保される。
【0024】また、本発明の有機EL素子は、陰極と透
明材料からなる陽極との間に、有機正孔輸送層及び有機
発光層を陽極側から順に積層してなる有機EL素子にお
いて、上記有機正孔輸送層が上述の正孔輸送材料からな
ることを特徴としている。上記の有機正孔輸送層の膜厚
は、当該有機正孔輸送層の正孔輸送能力と耐熱性とが確
保される範囲で設定される。
【0025】また、上記有機EL素子を製造するに際し
ては、例えば、湿式成膜法によって上記正孔輸送材料か
らなる有機正孔輸送層が形成される。すなわち、上記陽
極が形成された透明基板上に、上記正孔輸送材料の製造
工程で中間物質として得られる式(23)に示したポリ
アミド酸をスピンコート法やディップ法によって塗布
し、これを真空雰囲気下で加熱処理することによって上
記有機正孔輸送層を構成する正孔輸送材料膜が形成され
る。
【0026】上記の正孔輸送材料からなる有機正孔輸送
層を有する有機EL素子では、正孔輸送能力と耐熱性と
が確保された正孔輸送材料で当該有機正孔輸送層が形成
されることから、発光による発熱に起因して当該有機正
孔輸送層が変質することが防止され、その正孔輸送能力
の持続性が確保される。また、耐熱性を有する正孔輸送
材料を用いたことで、有機正孔輸送層の必要膜厚の下限
がより薄くなる。また、上記正孔輸送材料で当該有機正
孔輸送層を構成することによって、有機正孔輸送層の形
成に上述のスピンコート法やディップ法のようなより簡
便な成膜方法が採用される。
【0027】
【実施例】以下、本発明の正孔輸送材料の実施例を実施
例1及び実施例2で説明し、これに続けて有機EL素子
の実施例を実施例3及び実施例4で説明する。ただし、
本発明は実施例により限定を受けるものではない。
【0028】(第1実施例)先ず、以下のようにして、
正孔輸送材料を製造した。下記式(24)に示すよう
に、合成材料としてN,N'- ジフェニルベンジジン5.1
5gとp-フルオロニトロベンゼン4.34gとを100
mlのDMSOに溶解させ、さらにこのDMSO溶液に
触媒としてフッ化セシウム(CsF)4.67gを加え
る。そして、このDMSO溶液を100℃で12時間攪
拌して第3級ジアミンからなる第1の化合物を合成し
た。
【化12】
【0029】その後、上記DMSO溶液に水を加え、上
記式(24)の反応で合成された第1の化合物の結晶を
沈澱させた。
【0030】次に、下記式(25)に示すように、上記
第1の化合物の結晶1gを氷酢酸200mlに溶解さ
せ、塩化第1スズ5.05g及び濃塩酸5.77mlを
加えて100℃で100分間攪拌し、第1の化合物のニ
トロ基をアミノ基に還元して第2の化合物とした。
【化13】
【0031】その後、上記式(25)の還元で生成され
た第2の化合物からなる沈澱をろ過して乾燥させた。
【0032】次に、下記式(26)に示すように、ビフ
タル酸無水物1.63gと上記乾燥させた第2の化合物
3.00gとをDMAcに溶解させて4℃で6時間攪拌
し、これによってポリアミド酸を合成した。
【化14】
【0033】その後、このDMAc溶液を多量のメタノ
ール中に投じてポリアミド酸を沈澱させ、さらに乾燥さ
せた。次いで、乾燥させたポリアミド酸を再び少量のD
MAcに溶解させ、さらにこのDMAc溶液をメタノー
ル中に投じて上記ポリアミド酸を再沈澱させた。これに
よって上記式(26)に示す反応で合成したポリアミド
酸の精製を行った。
【0034】次に、上記ポリアミド酸のDMAc溶液を
スピンコート法を用いて基板上に塗布した。その後、下
記式(27)に示すように、真空雰囲気下で300℃に
加熱することで上記ポリアミド酸をイミド化し、これに
よってポリイミドからなる膜状の正孔輸送材料を得た。
【化15】
【0035】上記ポリイミドからなる正孔輸送材料につ
いて、Rigaku THERMOFLEX TAS 300TG8110D 装置を用い
てTG−DTA(熱重量−示差熱分析)測定を行った結
果、その融点は約415℃であった。また、式(26)
に示した反応で合成したポリアミド酸の精製を行って未
反応物を除去した結果、上記スピンコートによって形成
された当該正孔輸送材料からなる膜は、表面が滑らかで
かつ均一な膜質を有するものになった。
【0036】(第2実施例)先ず、以下のようにして、
正孔輸送材料を製造した。下記式(28)に示すよう
に、合成材料としてN,N'- ジ -β- ナフチル -p-フェニ
レンジアミン10.00gと、p-フルオロニトロベンゼ
ン7.83gとを100mlのDMSOに溶解させ、さ
らにこのDMSO溶液に触媒としてフッ化セシウム8.
43gを加える。そして、このDMSO溶液を100℃
で12時間攪拌して第3級ジアミンからなる第1の化合
物を合成した。
【化16】
【0037】その後、上記DMSO溶液に水を加え、上
記式(28)の反応で合成された第1の化合物の結晶を
沈澱させた。
【0038】次に、下記式(29)に示すように、上記
第1の化合物の結晶1gを氷酢酸200mlに溶解さ
せ、塩化第1スズ5.05g及び濃塩酸5.77mlを
加えて100℃で100分攪拌した。これによって、上
記第1の化合物のニトロ基をアミノ基に還元して第2の
化合物とした。
【化17】
【0039】その後、上記式(29)の還元で生成され
た第2の化合物からなる沈澱をろ過して乾燥させた。
【0040】次に、下記式(30)に示すように、ビフ
タル酸無水物1.70gと上記第2の化合物3.00g
とをDMAcに溶解させて4℃で6時間攪拌し、これに
よってポリアミド酸を合成した。
【化18】
【0041】その後、上記第1実施例と同様にポリアミ
ド酸の精製を行い、スピンコート法によって上記ポリア
ミド酸のDMAc溶液を基板上に塗布した。
【0042】次に、式(31)に示すように、真空雰囲
気下で300℃に加熱することでポリアミド酸をイミド
化し、これによってポリイミドからなる膜状の正孔輸送
材料を得た。
【化19】
【0043】上記ポリイミドからなる正孔輸送材料につ
いても上記第1実施例と同様にTG−DTA測定を行っ
た結果、融点が約440℃であった。また、実施例1と
同様にポリアミド酸の精製を行ったことから、上記スピ
ンコートによって形成された当該正孔輸送材料からなる
膜は、表面が滑らかでかつ均一な膜質を有するものにな
った。
【0044】図1〜図4は上記正孔輸送材料を用いた有
機EL素子を説明するための図であり、図1は実施例3
の有機EL素子の断面図であり、図3は第4実施例の有
機EL素子の断面図である。これらの図1及び図3に示
した各有機EL素子が従来の技術で述べた有機EL素子
と異なるところは有機正孔輸送層にあり、その他の構成
については概略同一としている。以下、有機EL素子の
実施例を説明する。
【0045】(第3実施例)図1に示す有機EL素子1
は、透明な基板11上に陽極12,有機正孔輸送層1
3,有機発光層14及び陰極16を積層した構成であ
り、有機正孔輸送層13が上記実施例1で式(27)に
示した反応で合成した正孔輸送材料からなるものであ
る。この有機正孔輸送層13は、30nmの膜厚を有し
ている。
【0046】上記有機EL素子1は、以下のようにして
製造した。先ず、基板11上に、スパッタ成膜法によっ
てITO膜を成膜した後、ITO膜をパターニングして
陽極12を形成した。次に、陽極12が形成されたガラ
ス基板11の表面をアセトンやイソプロピルアルコール
(IPA)で洗浄した後、スピンコート法によって、上
記正孔輸送材料であるポリイミドの前駆体、すなわちポ
リアミド酸のDMAc溶液を上記基板11上に塗布し
た。この際、DMAc溶液のポリアミド酸濃度を3重量
%、基板回転数を5000r/minに設定した。この
ポリアミド酸は、上記実施例1で式(26)に示した反
応で合成しその後精製して得たものである。次に、上記
基板上に塗布した上記DMAc溶液を真空雰囲気中で3
00℃に加熱し、上記ポリアミド酸をイミド化したポリ
イミドからなる正孔輸送材料膜を成膜した。
【0047】次に、上記正孔輸送材料膜をパターニング
して有機正孔輸送層13を形成した。次いで、有機正孔
輸送層13上に開口部を有するマスク(図示せず)上か
らの真空蒸着法によって、この有機正孔輸送層13上に
トリス(8−キノリノール)アルミニウム膜を50nm
の膜厚で成膜し、この膜からなる有機発光層14を形成
した。その後、この有機発光層14上に開口部を有する
マスク(図示せず)上からの真空蒸着法によって、この
有機発光層14上にMg膜を100nmの膜厚で成膜
し、このMg膜からなる陰極16を形成した。
【0048】上記のようにして形成された有機EL素子
の電圧と輝度との関係を測定した。その結果を、図2の
電圧−輝度曲線で示す。このグラフに示すように、上記
有機EL素子は、電圧14V印加時に、輝度約351c
d/m2 の明るさを示した。この際、電流密度は699
mA/cm2 であった。また、この有機EL素子を10
0cd/m2 で発光させたところ、100時間経過後も
安定した発光状態が継続され、素子の劣化は起こらなか
った。
【0049】また、上記第3実施例の他の例として、有
機正孔輸送層13が上記第2実施例で式(31)に示し
た反応で合成した正孔輸送材料からなる場合を説明す
る。上記有機正孔輸送層13を有する有機EL素子1の
製造は、上記実施例3の有機EL素子の製造工程におい
て、有機正孔材料層13を構成する正孔輸送材料膜の形
成に上記式(30)に示した反応で合成しその後精製し
て得たポリアミド酸を用いた以外は、当該第3実施例の
有機EL素子の製造と同様に行った。
【0050】このようにして形成された有機EL素子1
に関しても電圧と輝度との関係を測定した。その結果、
電圧−輝度曲線は上記図2で示した電圧−輝度曲線とほ
ぼ一致したものになった。そして、この有機EL素子
は、電圧14V印加時に、輝度約344cd/m2 の明
るさを示した。また、この有機EL素子を100cd/
2 で発光させたところ、100時間経過後も安定した
発光状態が持続され、素子の劣化は起こらなかった。
【0051】そして、上記図1に示した有機EL素子1
において、有機正孔輸送層13を構成する正孔輸送材料
として、上記式(11)〜式(17)を用いて説明した
その他の正孔輸送材料を用いた場合にも、上記図2とほ
ぼ同様の電圧−輝度曲線が得られると共に、100cd
/m2 の発光を100時間以上継続することができた。
【0052】(第4実施例)図3に示す有機EL素子3
は、透明な基板11上に陽極12,有機正孔輸送層1
3,有機発光層14,有機電子輸送層15及び陰極16
を積層した構成であり、有機正孔輸送層13が上記実施
例1で式(27)に示した反応で合成した正孔輸送材料
からなるものである。そして、この有機正孔輸送層13
は、30nmの膜厚を有している。
【0053】上記有機正孔輸送層13を有する有機EL
素子3の製造は、上記実施例3の有機EL素子(1)の
製造と同様にして有機発光層14の形成までを行った
後、この有機発光層14上に開口部を有するマスク(図
示せず)を用いた真空蒸着法によって、当該有機発光層
14上にオキサジアゾール誘導体膜を30nmの膜厚で
成膜し、この誘導体膜からなる有機電子輸送層15を形
成した。その後、上記第3実施例と同様にして陰極16
を形成した。
【0054】上記のようにして形成された有機EL素子
の電圧と輝度との関係を測定した。その結果を、図4の
電圧−輝度曲線で示す。このグラフに示すように、上記
有機EL素子は、電圧15V印加時に、輝度約324c
d/m2 の明るさを示した。この際、電流密度は786
mA/cm2 であった。また、この有機EL素子を10
0cd/m2 で発光させたところ、100時間経過後も
安定した発光状態が持続され、素子の劣化は起こらなか
った。
【0055】また、上記第4実施例の他の例として、有
機正孔輸送層13が上記第2実施例で式(31)に示し
た反応で合成した正孔輸送材料からなる場合を説明す
る。上記有機正孔輸送層13を有する有機EL素子3の
製造は、上記実施例4の有機EL素子の製造工程におい
て有機正孔材料層13を構成する正孔輸送材料膜の形成
に上記式(30)に示した反応で合成しその後精製して
得たポリアミド酸を用いた以外は、当該第4実施例の有
機EL素子の製造と同様に行った。
【0056】このようにして形成された有機EL素子3
に関しても電圧と輝度との関係を測定した結果、その電
圧−輝度曲線は上記図4で示した電圧−輝度曲線とほぼ
一致したものになった。そして、この有機EL素子は、
電圧15V印加時に、輝度約320cd/m2 の明るさ
を示した。また、この有機EL素子を100cd/m 2
で発光させたところ、100時間経過後も安定した発光
状態が持続され、素子の劣化は起こらなかった。
【0057】そして、上記図3に示した有機EL素子3
において、有機正孔輸送層13を構成する正孔輸送材料
として、上記式(11)〜式(17)を用いて説明した
その他の正孔輸送材料を用いた場合にも、上記図4とほ
ぼ同様の電圧−輝度曲線が得られると共に、100cd
/m2 の発光を100時間以上継続することができた。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の正孔輸送
材料によれば、その正孔輸送能力を維持して耐熱性を確
保することができる。そして、本発明の有機EL素子に
よれば、上記正孔輸送材料で有機正孔輸送層を形成する
ことで、発光時の発熱による当該有機正孔輸送層の相転
移を防止して寿命特性の向上を図ることができる。ま
た、有機EL素子の製造に際して有機正孔輸送層の形成
にスピンコート法やディップ法のようなより簡便な成膜
方法を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第3実施例の有機EL素子の断面構成図であ
る。
【図2】第3実施例の有機EL素子の電圧−輝度曲線で
ある。
【図3】第4実施例の有機EL素子の断面構成図であ
る。
【図4】第4実施例の有機EL素子の電圧−輝度曲線で
ある。
【符号の説明】
1,3 有機EL素子 11 基板 12 陽極 13 有機正孔輸送
層 14 有機発光層 15 有機電子輸送
層 16 陰極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で示されるポリイミドから
    なることを特徴とする正孔輸送材料。 【化1】 (ただし、式(1)中、Xはベンゼン環を有する基であ
    り、R1 及びR2 は芳香族基である。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の正孔輸送材料において、 前記式(1)中、Xは下記式(2)または式(3)に示
    される基であり、R1は下記式(4)または式(5)に
    示される基であり、R2 は下記式(6)または(7)に
    示される基であることを特徴とする正孔輸送材料。 【化2】
  3. 【請求項3】 陰極と透明材料からなる陽極との間に、
    有機正孔輸送層及び有機発光層を当該陽極側から順に積
    層してなる有機エレクトロルミネッセンス素子におい
    て、 前記有機正孔輸送層は、請求項1または請求項2に記載
    の正孔輸送材料からなることを特徴とする有機エレクト
    ロルミネッセンス素子。
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