JPH09299092A - 新規タンパク質およびそのdna - Google Patents

新規タンパク質およびそのdna

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JPH09299092A
JPH09299092A JP8347877A JP34787796A JPH09299092A JP H09299092 A JPH09299092 A JP H09299092A JP 8347877 A JP8347877 A JP 8347877A JP 34787796 A JP34787796 A JP 34787796A JP H09299092 A JPH09299092 A JP H09299092A
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JP
Japan
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protein
seq
salt
amino acid
acid sequence
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JP8347877A
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English (en)
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Kazuhiro Oogi
和宏 大儀
Yuugo Hanehata
祐吾 羽畑
Haruo Onda
治夫 音田
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】造血系に関与する新規タンパク質、そのDNA
および抗体の提供。 【解決手段】特定のアミノ酸配列を有するp26タンパ
ク質,その部分ペプチドまたはそれらの塩、それらをコ
ードするDNA、組換えベクター、形質転換体、p26
蛋白質の製造法、該p26タンパク質等または該DNA
を含有する医薬、p26タンパク質に対する抗体、脱リ
ン酸化酵素阻害剤のスクリーニング方法/スクリーニン
グ用キット、該スクリーニング方法で得られる化合物ま
たはその塩、プロテインキナーゼ阻害剤のスクリーニン
グ方法。 【効果】p26タンパク質は、プロテインキナーゼ促進
または阻害活性や脱リン酸化酵素阻害活性を有する化合
物またはその塩をスクリーニングするための試薬として
有用である。また、再生不良性貧血、急性骨髄性白血
病、T細胞白血病などの造血系に関与する疾病の予防・
治療剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、造血に関与する細
胞や血球系の細胞が産生する、情報伝達を担う新規p2
6タンパク質およびそれをコードするDNAに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、分子生物学の発達とともに、従来
の薬理学のタ−ゲットとなり得なかった、細胞外刺激に
対する細胞内情報伝達系、細胞周期の制御に関わる種々
のタンパク質の存在およびそれらのタンパク質の分子間
相互作用が明らかとなってきた。それに伴って、シグナ
ル伝達系や、細胞周期制御タンパク質に特異的に作用す
る薬剤の研究が進みつつある。免疫抑制作用を持つFK
506(落合武徳、メディカル・イミュノロジー(Medic
al Immunol.) 14, 631-636(1987))は、発見当時どのよ
うな作用機序で免疫抑制作用を発揮するのか全く分から
なかったが、研究が進むにつれ、FK506はTリンパ
球内に存在するFK506結合タンパク質(FKBP)
に結合した後、Ca2+/カルモジュリン依存性フォスフ
ァターゼ、カルシニューリンと結合し、その活性を抑制
することがわかってきた。そのために、Tリンパ球の活
性化に関わる細胞内情報伝達系のうちCa2+を介する系
が遮断され、インターロイキン2などの免疫反応に必要
なサイトカインの産生が抑制されることによって、免疫
抑制作用が惹起されることが明らかになった〔Fruman,
D.A. et al., ファセブ・ジャーナル(FASEB J.)8, 39
1-400(1994)〕。さらに、細胞内情報伝達に関与する個
々の分子の同定も急激な速度で進みつつある。特に、受
容体型チロシンキナ−ゼ刺激から発ガン遺伝子Rasに
まで至る一連のカスケ−ドの解明は、Grb2/Ashの発見が
引き金となって解明され〔Matsuoka, K, et al. プロシ
ージングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・サイ
エンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proceedings of
the Natinal Academy of Sciences of the United Stat
es of America) 89, 9015-9019 (1992)〕、細胞外刺激
から転写因子に至るまでシグナル伝達系の中でも最もよ
く解明された部類に属するものといえるようになった。
また、αβγヘテロ三量体GTP結合タンパク質に共役
しているGタンパク質共役型レセプターからMAPキナ
ーゼに至る経路についても明らかになってきた。しかし
ながら、このような例はシグナル伝達系の中でもほんの
一部分にすぎず、現在のところ未だ解明されていないシ
グナル伝達系の数がどのくらいあるのかは全く見当もつ
かない。
【0003】造血幹細胞、血球系の細胞においても、種
々のペプチドホルモン、サイトカイン、細胞増殖因子、
細胞接着因子からの刺激によって、細胞の増殖・分化が
きめ細かに制御されている。しかしながら、これらの刺
激により惹起される複雑な情報伝達のネットワ−クがめ
ぐらされているにも関わらず、それらを形成する情報伝
達分子の有機的な統合はほとんどなされていないのが現
状である。造血幹細胞は、その表面抗原であるCD34
を指標に骨髄、末梢血などからも濃縮することができる
が、その含量は微量である。そこで、最近では、造血幹
細胞に特異的に発現している遺伝子をクローニングする
ために、マウスなどの胎児肝細胞から造血幹細胞を表面
抗原によって濃縮し、シグナル伝達因子に保存されてい
る領域をプローブとして用い新規遺伝子を同定すること
が行われている。このような方法によって、造血幹細胞
に特異的に発現している新規受容体型チロシンキナーゼ
FLK2がクローニングされている 〔Matthew, W. et
al. セル(Cell)65, 1143-1152 (1991)〕。一方、プロ
テインキナーゼCは、リン脂質、リン脂質代謝産物によ
って活性化され、情報伝達に関与する制御因子をはじ
め、各種核タンパク質、細胞骨格タンパク質などのセリ
ン、スレオニン残基をリン酸化し、細胞の増殖、分化を
制御していることがわかっている。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】造血系に関与する細
胞および血球系の細胞において、情報伝達を担っている
タンパク質を単離・精製すれば、造血作用を制御する新
しい医薬の開発が可能となる。造血系に関与する細胞お
よび血球系の細胞において情報伝達を担っているタンパ
ク質を見い出し、遺伝子組み換え技術により、これを大
量に産生する方法の開発が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ラット脳由
来cDNAライブラリー、ヒト胸腺由来cDNAライブ
ラリーおよびマウス脳由来cDNAライブラリーから、
それぞれ新規な塩基配列を有するcDNAをクローニン
グすることに成功し、それらにコードされるタンパク質
をp26と命名した。そして、p26タンパク質の生体
内意義を解明するために、さらに研究を重ねた結果、こ
のp26タンパク質は、1)in vivo では胎児肝臓、末
梢血において最も多く発現しており、しかも胎児肝臓の
造血器官としての役割が骨髄、脾臓に移っていく胎児1
7日以降発現が急激に減少していくこと、2)培養細胞
では、造血幹細胞から分化したT細胞白血病の培養細胞
に多く発現していること、3)プロテイン・キナーゼC
によってリン酸化される細胞質タンパク質であること等
から、造血幹細胞において、あるいは造血幹細胞からT
細胞への分化・増殖に関して、重要な役割を担っている
シグナル伝達因子であることがわかった。したがって、
このp26タンパク質を制御する薬剤の開発は、今まで
のものと全く異なる作用機序を持つ、再生不良性貧血、
急性骨髄性白血病、T細胞白血病などの造血系の疾患に
対する治療薬となる。本発明者らは、これらの知見に基
づいて、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。
【0006】すなわち、本発明は、(1)配列番号:
1、配列番号:2または配列番号:3で表わされるアミ
ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を
含有するタンパク質またはその塩、(2)配列番号:
1、配列番号:2または配列番号:3で表わされるアミ
ノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列が、配列番号:
1で表わされるアミノ酸配列の第55〜77番目および
第137〜149番目のアミノ酸配列を有するアミノ酸
配列である第(1)項記載のタンパク質、(3)配列番
号:1、配列番号:2または配列番号:3で表わされる
アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列が、配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列の第4〜20番目、第
22〜27番目、第29〜39番目、第41〜52番
目、第54〜79番目、第85〜91番目、第93〜9
9番目、第101〜114番目、第116〜154番
目、第157〜163番目および第166〜181番目
のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列である第(1)項
記載のタンパク質、(4)第(1)項記載のタンパク質
の部分ペプチドまたはその塩、(5)第(1)項記載の
タンパク質、第(4)項記載の部分ペプチドをコードす
る塩基配列を有するDNAを含有するDNA、(6)配
列番号:4、配列番号:5または配列番号:6で表され
る塩基配列を有する第(5)項記載のDNA、(7)第
(5)項記載のDNAを含有する組換えベクター、
(8)第(7)項記載の組換えベクターを保持する形質
転換体、(9)第(8)項記載の形質転換体を培養し、
第(1)項記載のタンパク質またはその塩を生成、蓄積
せしめ、これを採取することを特徴とする第(1)項記
載のタンパク質またはその塩の製造方法、(10)第
(1)項記載のタンパク質、第(4)項記載の部分ペプ
チドまたはそれらの塩を含有してなる医薬、(11)第
(5)項記載のDNAを含有してなる医薬、(12)再
生不良性貧血、急性骨髄性白血病もしくはT細胞白血病
の治療・予防剤または免疫調節剤である第(10)項ま
たは第(11)項記載の医薬、
【0007】(13)第(1)項記載のタンパク質、第
(4)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩に対する
抗体、(14)第(1)項記載のタンパク質、第(4)
項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩を用いることを
特徴とする脱リン酸化酵素阻害活性を有する化合物また
はその塩のスクリーニング方法、(15)第(1)項記
載のタンパク質、第(4)項記載の部分ペプチドまたは
それらの塩を含有する脱リン酸化酵素阻害活性を有する
化合物またはその塩のスクリーニング用キット、(1
6)第(14)項記載のスクリーニング方法または第
(15)項記載のスクリーニング用キットを用いて得ら
れる脱リン酸化酵素阻害活性を有する化合物またはその
塩、(17)リン酸化された第(1)項記載のタンパク
質、第(4)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩の
脱リン酸化酵素による脱リン酸化を阻害する活性を有す
る化合物またはその塩を含有してなる医薬、および(1
8)第(1)項記載のタンパク質、第(4)項記載の部
分ペプチドまたはそれらの塩を用いることを特徴とする
プロテインキナーゼ阻害活性を有する化合物またはその
塩のスクリーニング方法を提供する。
【0008】さらに、本発明は、(19)第(1)項記
載のタンパク質、第(4)項記載の部分ペプチドまたは
それらの塩を含有するプロテインキナーゼ阻害活性を有
する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(20)第(14)項記載のスクリーニング方法または
第(15)項記載のスクリーニング用キットを用いて得
られるプロテインキナーゼ阻害活性を有する化合物また
はその塩、(21)プロテインキナーゼによる第(1)
項記載のタンパク質、第(4)項記載の部分ペプチドま
たはそれらの塩のリン酸化を阻害する活性を有する化合
物またはその塩を含有してなる医薬、(22)第(1)
項記載のタンパク質、第(4)項記載の部分ペプチドま
たはそれらの塩を用いることを特徴とするプロテインキ
ナーゼ促進活性を有する化合物またはその塩のスクリー
ニング方法、(23)第(1)項記載のタンパク質、第
(4)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有す
るプロテインキナーゼ促進活性を有する化合物またはそ
の塩のスクリーニング用キット、(24)第(22)項
記載のスクリーニング方法または第(23)項記載のス
クリーニング用キットを用いて得られるプロテインキナ
ーゼ促進活性を有する化合物またはその塩、(25)プ
ロテインキナーゼによる第(1)項記載のタンパク質、
第(4)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩のリン
酸化を促進する活性を有する化合物またはその塩を含有
してなる医薬、(26)造血に関与する細胞または血球
系の細胞における情報伝達物質である第(1)項記載の
タンパク質、(27)細胞内リン酸化酵素によってリン
酸化されるタンパク質である第(1)項記載のタンパク
質、(28)αβγヘテロ三量体GTP結合タンパク質
のαサブユニット(Gαタンパク質)に結合し、Gαタ
ンパク質のGTPからGDPへの水解活性を促進するタ
ンパク質である第(1)項記載のタンパク質、および
(29)Gタンパク質共役型レセプターの脱感作に関与
する情報伝達制御タンパク質である第(1)項記載のタ
ンパク質を提供する。
【0009】本発明のp26タンパク質は、配列番号:
1、配列番号:2または配列番号:3で表わされるアミ
ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を
含有するタンパク質であり、さらに好ましくは、配列番
号:1、配列番号:2または配列番号:3で表わされる
アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、
配列番号:1、配列番号:2または配列番号:3で表わ
されるアミノ酸配列を含有するタンパク質と実質的に同
質の活性を有するタンパク質である。本発明のp26タ
ンパク質はヒトや哺乳動物(例えば、モルモット、ラッ
ト、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、
サルなど)の造血に関与する細胞(例えば、PA−6,
ST−2など)もしくは血球系の細胞(例えば、ME
L,M1,CTLL−2,HT−2,WEHI−3,H
L−60,JOSK−1,K562,ML−1,MOL
T−3,MOLT−4,MOLT−10,CCRF−C
EM,TALL−1,Jurkat,CCRT−HSB
−2,KE−37,SKW−3,HUT−78,HUT
−102,H9,U937,THP−1,HEL,JK
−1,CMK,KU−812,MEG−01など)また
はそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳お
よび脳の各部位(例、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海
馬、視床、視床下部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、
下垂体、胃、下垂体、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状
腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管、血
管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、腸管、前立
腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮などに由来するタンパク質
であってもよく、また合成タンパク質であってもよい。
配列番号:1、配列番号:2または配列番号:3で表わ
されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列と
は、例えば、配列番号:1、配列番号:2または配列番
号:3で表わされるアミノ酸配列と約40%以上、好ま
しくは約70%以上、より好ましくは約80%以上、さ
らに好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%
以上の相同性を有するアミノ酸配列などを示す。
【0010】配列番号:1、配列番号:2または配列番
号:3で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミ
ノ酸配列の具体例としては、例えば、配列番号:1で表
わされるアミノ酸配列の第55〜77番目および第13
7〜149番目のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列な
どが挙げられる。より好ましい具体例としては、例え
ば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第54〜
79番目および第131〜149番目のアミノ酸配列を
有するアミノ酸配列などが、さらに好ましくは、例え
ば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第4〜2
0番目、第22〜27番目、第29〜39番目、第41
〜52番目、第54〜79番目、第85〜91番目、第
93〜99番目、第101〜114番目、第116〜1
54番目、第157〜163番目および第166〜18
1番目のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列などが挙げ
られる。実質的に同質の活性としては、例えば、リン酸
化酵素によるリン酸化を受ける作用、前記した造血系に
関与する細胞もしくは血球系の細胞における情報伝達作
用、αβγヘテロ三量体GTP結合タンパク質のαサブ
ユニット(Gαタンパク質)に結合しGαタンパク質の
GTPからGDPへの水解活性を促進する作用、Gタン
パク質共役型レセプターの脱感作などが挙げられる。実
質的に同質とは、それらの活性が性質的に同質であるこ
とを示す。したがって、リン酸化酵素によるリン酸化を
受ける作用、前記した造血系に関与する細胞もしくは血
球系の細胞における情報伝達作用、Gαタンパク質のG
TPからGDPへの水解活性を促進する作用、Gタンパ
ク質共役型レセプターの脱感作などの活性が同等(例、
約0.5〜2倍)であることが好ましいが、これらの活
性の程度やタンパク質の分子量などの量的要素は異なっ
ていてもよい。
【0011】また、本発明のp26タンパク質として
は、配列番号:1、配列番号:2または配列番号:3
で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(例え
ば2個以上20個程度、好ましくは2〜9個程度、さら
に好ましくは数個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配
列、配列番号:1、配列番号:2または配列番号:3
で表わされるアミノ酸配列に1または2個以上(例えば
2個以上20個程度、好ましくは2〜9個程度、さらに
好ましくは数個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、
配列番号:1、配列番号:2または配列番号:3で表
わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(例えば2
個以上20個程度、好ましくは2〜9個程度、さらに好
ましくは数個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換された
アミノ酸配列を含有するタンパク質などであってもよ
い。上記のようにアミノ酸配列が欠失または置換されて
いる場合、その欠失または置換の位置としては、特に限
定されないが、例えば、配列番号:1で表わされるアミ
ノ酸配列の第55〜77番目または第137〜149番
目のアミノ酸配列以外の位置、好ましくは、配列番号:
1で表わされるアミノ酸配列の第54〜79番目または
第131〜149番目のアミノ酸配列以外の位置、さら
に好ましくは、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列
の第4〜20番目、第22〜27番目、第29〜39番
目、第41〜52番目、第54〜79番目、第85〜9
1番目、第93〜99番目、第101〜114番目、第
116〜154番目、第157〜163番目または第1
66〜181番目のアミノ酸配列以外の位置などが挙げ
られる。なお、この配列番号:1で表わされるアミノ酸
配列の第4〜20番目、第22〜27番目、第29〜3
9番目、第41〜52番目、第54〜79番目、第85
〜91番目、第93〜99番目、第101〜114番
目、第116〜154番目、第157〜163番目およ
び第166〜181番目のアミノ酸配列は、配列番号:
1で表わされるアミノ酸配列、配列番号:2で表わされ
るアミノ酸配列および配列番号:3で表わされるアミノ
酸配列に共通する部分アミノ酸配列である。
【0012】さらに、本発明のp26タンパク質には、
N末端のメチオニン残基が保護基(例えば、ホルミル
基、アセチル基などのC1-6アシル基など)で保護され
ているもの、グルタミン酸残基のN端側が生体内で切断
されピログルタミン化したもの、分子内のアミノ酸の側
鎖が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基な
どのC1-6アシル基など)で保護されているもの、ある
いは糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質などの複合タ
ンパク質なども含まれる。本明細書におけるタンパク質
は、ペプチド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ
末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)である。配
列番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパ
ク質をはじめとする、本発明のタンパク質は、C末端が
通常カルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレ
ート(−COO-)であるが、C末端がアミド(−CON
2)またはエステル(−COOR)であってもよい。
ここでエステルにおけるRとしては、例えば、メチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチ
ルなどのC1-6アルキル基、例えば、シクロペンチル、
シクロヘキシルなどのC3-8シクロアルキル基、例え
ば、フェニル、α−ナフチルなどのC6-12アリール基、
例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C1-2
アルキル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフ
チル−C1-2アルキル基などのC7-14アラルキル基のほ
か、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオキシ
メチルエステルなどが用いられる。本発明のタンパク質
がC末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレー
ト)を有している場合、カルボキシル基がアミド化また
はエステル化されているものも本発明のタンパク質に含
まれる。この場合のエステルとしては、例えば上記した
C末端のエステルなどが用いられる。
【0013】本発明のp26タンパク質のより好ましい
具体例としては、配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列を含有するラット脳由来のp26タンパク質、配列番
号:2で表わされるアミノ酸配列を含有するヒト胸腺由
来のp26タンパク質、配列番号:3で表わされるアミ
ノ酸配列を含有するマウス脳由来のp26タンパク質な
どが挙げられる。本発明のp26タンパク質の塩として
は、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好まし
い。この様な塩としては、例えば無機酸(例えば、塩
酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機
酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マ
レイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚
酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸)との塩などが用いられる。本発明のp26タンパク
質またはその塩は、前述したヒトや温血動物の細胞また
は組織から自体公知のタンパク質の精製方法によって製
造することもできるし、後述するp26タンパク質をコ
ードするDNAを含有する形質転換体を培養することに
よっても製造することができる。また、後述のペプチド
合成法に準じて製造することもできる。ヒトや哺乳動物
の組織または細胞から製造する場合、ヒトや哺乳動物の
組織または細胞をホモジナイズした後、酸などで抽出を
行い、該抽出液を逆相クロマトグラフィー、イオン交換
クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを組み合
わせることにより精製単離することができる。本発明の
p26タンパク質の活性、すなわちリン酸化酵素による
リン酸化を受ける作用、前記した造血系に関与する細胞
もしくは血球系の細胞における情報伝達作用、αβγヘ
テロ三量体GTP結合タンパク質のαサブユニット(G
αタンパク質)に結合しGαタンパク質のGTPからG
DPへの水解活性を促進する作用、Gタンパク質共役型
レセプターの脱感作などは、自体公知の方法に準じて測
定することができる。例えば、リン酸化酵素によるリン
酸化の測定は、後述するプロテアーゼ阻害活性を有する
化合物またはその塩のスクリーニング方法で説明されて
いる、〔32P〕の放射活性を測定することによって行な
うことができる。
【0014】本発明のタンパク質、その塩またはそのア
ミド体の合成には、通常市販のタンパク質合成用樹脂を
用いることができる。そのような樹脂としては、例え
ば、クロロメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズ
ヒドリルアミン樹脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジル
オキシベンジルアルコール樹脂、4−メチルベンズヒド
リルアミン樹脂、PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチ
ルフェニルアセトアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミ
ド樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−ヒドロキシ
メチル)フェノキシ樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェ
ニル−Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げる
ことができる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と
側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、目的とするタ
ンパク質の配列通りに、自体公知の各種縮合方法に従
い、樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂からタンパ
ク質を切り出すと同時に各種保護基を除去し、さらに高
希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実施
し、目的のタンパク質またはそれらのアミド体を取得す
る。上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、タンパク
質合成に使用できる各種活性化試薬を用いることができ
るが、特に、カルボジイミド類がよい。カルボジイミド
類としては、DCC、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミ
ド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロリル)カルボ
ジイミドなどが用いられる。これらによる活性化にはラ
セミ化抑制添加剤(例えば、HOBt, HOOBt)とともに保護
アミノ酸を直接樹脂に添加するかまたは、対称酸無水物
またはHOBtエステルあるいはHOOBtエステルとしてあら
かじめ保護アミノ酸の活性化を行ったのちに樹脂に添加
することができる。保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮
合に用いられる溶媒としては、タンパク質縮合反応に使
用しうることが知られている溶媒から適宜選択されう
る。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−
ジメチルアセトアミド,N−メチルピロリドンなどの酸
アミド類、塩化メチレン,クロロホルムなどのハロゲン
化炭化水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコー
ル類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピ
リジンなどの3級アミン類、ジオキサン,テトラヒドロ
フランなどのエーテル類、アセトニトリル,プロピオニ
トリルなどのニトリル類、酢酸メチル,酢酸エチルなど
のエステル類あるいはこれらの適宜の混合物などが用い
られる。反応温度はタンパク質結合形成反応に使用され
得ることが知られている範囲から適宜選択され、通常約
−20℃〜50℃の範囲から適宜選択される。活性化さ
れたアミノ酸誘導体は通常1.5〜4倍過剰で用いられ
る。ニンヒドリン反応を用いたテストの結果、縮合が不
十分な場合には保護基の脱離を行うことなく縮合反応を
繰り返すことにより十分な縮合を行うことができる。反
応を繰り返しても十分な縮合が得られないときには、無
水酢酸またはアセチルイミダゾールを用いて未反応アミ
ノ酸をアセチル化することができる。
【0015】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、ターシャリーペンチルオキシカルボニ
ル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベン
ジルオキシカルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキ
シカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホ
ルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニル
ホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられる。カルボキ
シル基は、例えば、アルキルエステル化(例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ターシャリーブチル、
シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シ
クロオクチル、2−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状
もしくは環状アルキルエステル化)、アラルキルエステ
ル化(例えば、ベンジルエステル、4−ニトロベンジル
エステル、4−メトキシベンジルエステル、4−クロロ
ベンジルエステル、ベンズヒドリルエステル化)、フェ
ナシルエステル化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジ
ド化、ターシャリーブトキシカルボニルヒドラジド化、
トリチルヒドラジド化などによって保護することができ
る。セリンの水酸基は、例えば、エステル化またはエー
テル化によって保護することができる。このエステル化
に適する基としては、例えば、アセチル基などの低級ア
ルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジ
ルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭
酸から誘導される基などが用いられる。また、エーテル
化に適する基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒ
ドロピラニル基、t-ブチル基などである。チロシンのフ
ェノール性水酸基の保護基としては、例えば、Bzl、Cl2
-Bzl、2−ニトロベンジル、Br-Z、ターシャリーブチル
などが用いられる。ヒスチジンのイミダゾールの保護基
としては、例えば、Tos、4-メトキシ-2,3,6-トリメチ
ルベンゼンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメチル、B
um、Boc、Trt、Fmocなどが用いられる。
【0016】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェノ
ール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノー
ル、HONB、N-ヒドロキシコハク酸イミド、N-ヒドロキシ
フタルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられ
る。原料のアミノ基の活性化されたものとしては、例え
ば、対応するリン酸アミドが用いられる。保護基の除去
(脱離)方法としては、例えば、Pd黒あるいはPd-
炭素などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元
や、また、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフ
ルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこ
れらの混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチ
ルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジン
などによる塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウム
による還元なども用いられる。上記酸処理による脱離反
応は、一般に約−20℃〜40℃の温度で行なわれる
が、酸処理においてはアニソール、フェノール、チオア
ニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジメチル
スルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-エタンジチオ
ールなどのようなカチオン捕捉剤の添加が有効である。
また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用いられ
る2,4-ジニトロフェニル基はチオフェノール処理により
除去され、トリプトファンのインドール保護基として用
いられるホルミル基は上記の1,2-エタンジチオール、1,
4-ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護
以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニアなどに
よるアルカリ処理によっても除去される。
【0017】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。タンパク質のアミド体を得る別の
方法としては、例えば、まず、カルボキシ末端アミノ酸
のα−カルボキシル基をアミド化して保護した後、アミ
ノ基側にペプチド(タンパク質)鎖を所望の鎖長まで延
ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護
基のみを除いたタンパク質とC末端のカルボキシル基の
保護基のみを除去したタンパク質とを製造し、この両タ
ンパク質を上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮
合反応の詳細については上記と同様である。縮合により
得られた保護タンパク質を精製した後、上記方法により
すべての保護基を除去し、所望の粗タンパク質を得るこ
とができる。この粗タンパク質は既知の各種精製手段を
駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望の
タンパク質のアミド体を得ることができる。タンパク質
のエステル体を得るには、例えば、カルボキシ末端アミ
ノ酸のα−カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合
しアミノ酸エステルとした後、タンパク質のアミド体と
同様にして、所望のタンパク質のエステル体を得ること
ができる。
【0018】本発明のp26タンパク質の部分ペプチド
としては、前記した本発明のタンパク質の部分ペプチド
であればいずれのペプチドであってもよいが、例えば、
配列番号:1、配列番号:2または配列番号:3で表わ
されるアミノ酸配列の第55〜77番目または(およ
び)第137〜149番目のアミノ酸配列を有するペプ
チドなどが用いられる。より好ましくは、配列番号:
1、配列番号:2または配列番号:3で表わされるアミ
ノ酸配列の第54番目〜第79番目のアミノ酸配列また
は(および)第131番目〜149番目のアミノ酸配列
(好ましくは、第116番目〜第154番目のアミノ酸
配列)を有するペプチドなどが用いられ、さらに好まし
くは、例えば、配列番号:1、配列番号:2または配列
番号:3で表わされるアミノ酸配列の第4〜20番目、
第22〜27番目、第29〜39番目、第41〜52番
目、第54〜79番目、第85〜91番目、第93〜9
9番目、第101〜114番目、第116〜154番
目、第157〜163番目または(および)第166〜
181番目のアミノ酸配列を有するペプチドなどが用い
られる。また、本発明の部分ペプチドはC末端が通常カ
ルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレート
(−COO-)であるが、前記した本発明のタンパク質の
ごとく、C末端がアミド(−CONH2)またはエステ
ル(−COOR)であってもよい。本発明のp26タン
パク質の部分ペプチドの塩としては、前記した本発明の
p26タンパク質の塩などが用いられる。
【0019】本発明のp26タンパク質の部分ペプチド
またはその塩は、自体公知のペプチドの合成法に従っ
て、あるいは本発明のp26タンパク質を適当なペプチ
ダーゼで切断することによって製造することができる。
ペプチドの合成法としては、例えば固相合成法、液相合
成法のいずれによっても良い。すなわち、本発明のタン
パク質を構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残
余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する場合は保
護基を脱離することにより目的のペプチドを製造するこ
とができる。公知の縮合方法や保護基の脱離としてはた
とえば、以下の〜に記載された方法が挙げられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptide),
Academic Press, New York (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合成
広川書店 また、反応後は通常の精製法、たとえば、溶媒抽出・蒸
留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィ
ー・再結晶などを組み合わせて本発明のタンパク質を精
製単離することができる。上記方法で得られるタンパク
質が遊離体である場合は、公知の方法によって適当な塩
に変換することができるし、逆に塩で得られた場合は、
公知の方法によって遊離体に変換することができる。
【0020】本発明のp26タンパク質またはその部分
ペプチドをコードするDNAとしては、前述した本発明
のp26タンパク質またはその部分ペプチドをコードす
る塩基配列を含有するものであればいかなるものであっ
てもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラ
リー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細
胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのい
ずれでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バ
クテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミ
ドなどいずれであってもよい。また、前記した細胞・組
織よりmRNA画分を調製したものを用いて直接Revers
e Transcriptase Polymerase Chain Reaction(以下、
RT-PCR法と略称する。)によって増幅することも
できる。具体的には、本発明の配列番号:1で表わされ
るアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNA
としては、例えば、配列番号:4で表わされる塩基配列
またはそれとハイストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズする塩基配列を有し、配列番号:1で表わされる
アミノ酸配列を有するタンパク質と同質の活性、例え
ば、リン酸化酵素によるリン酸化を受ける作用、前記し
た造血系に関与する細胞もしくは血球系の細胞における
情報伝達作用、αβγヘテロ三量体GTP結合タンパク
質のαサブユニット(Gαタンパク質)に結合しGαタ
ンパク質のGTPからGDPへの水解活性を促進する作
用、Gタンパク質共役型レセプターの脱感作などの活性
を有するタンパク質をコードする塩基配列を含有するD
NAであれば何れのものでもよい。ハイブリダイズする
塩基配列としては、例えば、配列番号:4で表わされる
塩基配列と約70〜80%以上、好ましくは約90%以
上、さらに好ましくは約95%以上の相同性を有する塩
基配列などが用いられる。本発明の配列番号:2で表わ
されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするD
NAとしては、例えば、配列番号:5で表わされる塩基
配列またはそれとハイストリンジェントな条件下でハイ
ブリダイズする塩基配列を有し、配列番号:2で表わさ
れるアミノ酸配列を有するタンパク質と同質の活性、例
えば、リン酸化酵素によるリン酸化を受ける作用、前記
した造血系に関与する細胞もしくは血球系の細胞におけ
る情報伝達作用、αβγヘテロ三量体GTP結合タンパ
ク質のαサブユニット(Gαタンパク質)に結合しGα
タンパク質のGTPからGDPへの水解活性を促進する
作用、Gタンパク質共役型レセプターの脱感作などの活
性を有するタンパク質をコードする塩基配列を含有する
DNAであれば何れのものでもよい。ハイブリダイズす
る塩基配列としては、例えば、配列番号:5で表わされ
る塩基配列と約70〜80%以上、好ましくは約90%
以上、さらに好ましくは約95%以上の相同性を有する
塩基配列などが用いられる。
【0021】本発明の配列番号:3で表わされるアミノ
酸配列を有するタンパク質をコードするDNAとして
は、例えば、配列番号:6で表わされる塩基配列または
それとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
する塩基配列を有し、配列番号:3で表わされるアミノ
酸配列を有するタンパク質と同質の活性、例えば、リン
酸化酵素によるリン酸化を受ける作用、前記した造血系
に関与する細胞もしくは血球系の細胞における情報伝達
作用、αβγヘテロ三量体GTP結合タンパク質のαサ
ブユニット(Gαタンパク質)に結合しGαタンパク質
のGTPからGDPへの水解活性を促進する作用、Gタ
ンパク質共役型レセプターの脱感作などの活性を有する
タンパク質をコードする塩基配列を含有するDNAであ
れば何れのものでもよい。ハイブリダイズする塩基配列
としては、例えば、配列番号:6で表わされる塩基配列
と約70〜80%以上、好ましくは約90%以上、さら
に好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列な
どが用いられる。ハイブリダイゼーションは、自体公知
の方法あるいはそれに準じる方法に従って行なうことが
できるが、例えば、Molecular Cloning 2nd(ed.;J.
Sambrooket al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 198
9)に記載の方法などに従って行なうことができる。ハ
イストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリウム濃
度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20mM
で、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜65℃
の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19mMで温
度が約65℃の場合が最も好ましい。より具体的には、
配列番号:1のアミノ酸配列を含有するラット脳由来の
p26タンパク質をコードするDNAとしては、配列番
号:4で表わされる塩基配列を有するDNAなどが用い
られる。配列番号:2のアミノ酸配列を含有するヒト胸
腺由来のp26タンパク質をコードするDNAとして
は、配列番号:5で表わされる塩基配列を有するDNA
などが用いられる。配列番号:3のアミノ酸配列を含有
するマウス脳由来のp26タンパク質をコードするDN
Aとしては、配列番号:6で表わされる塩基配列を有す
るDNAなどが用いられる。
【0022】配列番号:1、配列番号:2または配列番
号:3で表わされるアミノ酸配列の第55〜77番目ま
たは(および)第137〜149番目のアミノ酸配列を
有する部分ペプチドをコードするDNAとしては、例え
ば、配列番号:4、配列番号:5または配列番号:6で
表わされる塩基配列の第163〜231番目または(お
よび)第409〜447番目の塩基配列を有するDNA
などが用いられる。配列番号:1、配列番号:2または
配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第54〜79
番目または(および)第131〜149番目のアミノ酸
配列を有する部分ペプチドをコードするDNAとして
は、例えば、配列番号:4、配列番号:5または配列番
号:6で表わされる塩基配列の第160〜237番目ま
たは(および)第391〜447番目の塩基配列を有す
るDNAなどが用いられる。配列番号:1、配列番号:
2または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第4
〜20番目、第22〜27番目、第29〜39番目、第
41〜52番目、第54〜79番目、第85〜91番
目、第93〜99番目、第101〜114番目、第11
6〜154番目、第157〜163番目または(およ
び)第166〜181番目のアミノ酸配列を有する部分
ペプチドをコードするDNAとしては、例えば、配列番
号:4、配列番号:5または配列番号:6で表わされる
塩基配列の第10〜60番目、第64〜81番目、第8
5〜117番目、第121〜156番目、第160〜2
37番目、第253〜273番目、第277〜297番
目、第301〜342番目、第346〜462番目、第
469〜489番目または(および)第496〜543
番目の塩基配列を有するDNAなどが用いられる。
【0023】本発明のp26タンパク質またはその部分
ペプチドをコードするDNAのクローニングの手段とし
ては、p26タンパク質をコードするDNAの部分塩基
配列を有する合成DNAプライマーを用いて、PCR法
によって前記DNAライブラリー等から目的とするDN
Aを増幅するか、または適当なベクターに組み込んだD
NAをp26タンパク質の一部あるいは全領域を有する
DNA断片もしくは合成DNAを用いて標識したものと
のハイブリダイゼーションによって選別することができ
る。ハイブリダイゼーションは、例えば、Molecular Cl
oning 2nd(ed.;J. Sambrook et al., Cold Spring H
arbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行
なうことができる。また、市販のライブラリーを使用す
る場合、添付の使用説明書に記載の方法に従ってハイブ
リダイゼーションを行なうことができる。また、DNA
の塩基配列の変換は、公知のキット、例えば、MutanTM
−G(宝酒造(株)、以下、TMは登録商標を意味す
る)、MutanTM−K(宝酒造(株))などを用いて、Gap
ped duplex法やKunkel法などの自体公知の方法あるいは
それに準じる方法に従って行なうことができる。クロー
ン化されたp26タンパク質またはその部分ペプチド
(以下、p26タンパク質等と略記する場合がある)を
コードするDNAは、目的によりそのまま、または所望
により制限酵素で消化したり、リンカーを付加したりし
て使用することができる。該DNAはその5'末端側に
翻訳開始コドンとしてのATGを有し、また3'末端側
には翻訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTA
Gを有していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳
終止コドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付
加することもできる。p26タンパク質等をコードする
DNAの発現ベクターは、例えば、(イ)本発明のp2
6タンパク質等をコードするDNAから目的とするDN
A断片を切り出し、(ロ)該DNA断片を適当な発現ベ
クター中のプロモーターの下流に連結することにより製
造することができる。
【0024】ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミ
ド(例、pBR322,pBR325,pUC12,p
UC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、p
A1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RS
V、pcDNAI/Neoなどが用いられる。本発明で
用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用い
る宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなる
ものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場
合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、L
TRプロモーター、CMVプロモーター、HSV-TK
プロモーターなどが挙げられる。これらのうち、CMV
プロモーター、SRαプロモーターなどを用いるのが好
ましい。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、trp
プロモーター、lacプロモーター、recAプロモー
ター、λPLプロモーター、lppプロモーターなど
が、宿主がバチルス属菌である場合は、SPO1プロモ
ーター、SPO2プロモーター、penPプロモーター
など、宿主が酵母である場合は、PHO5プロモータ
ー、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADH
プロモーターなどが好ましい。宿主が昆虫細胞である場
合は、ポリヘドリンプロモーター、P10プロモーター
などが好ましい。
【0025】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
rと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neoと略称する場合がある、G418耐性)
等が挙げられる。特に、CHO(dhfr-)細胞を用
いてdhfr遺伝子を選択マーカーとして使用する場
合、チミジンを含まない培地によっても選択できる。ま
た、必要に応じて、宿主に合ったシグナル配列を、p2
6タンパク質等のN端末側に付加する。宿主がエシェリ
ヒア属菌である場合は、phoAシグナル配列、omp
A・シグナル配列などが、宿主がバチルス属菌である場
合は、α−アミラーゼ・シグナル配列、サブチリシン・
シグナル配列などが、宿主が酵母である場合は、MFα
・シグナル配列、SUC2・シグナル配列など、宿主が
動物細胞である場合には、例えばインシュリン・シグナ
ル配列、α−インターフェロン・シグナル配列、抗体分
子・シグナル配列などがそれぞれ利用できる。このよう
にして構築されたp26タンパク質等をコードするDN
Aを含有するベクターを細胞に導入することによって形
質転換体を製造することができる。
【0026】宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫、動物細胞などが用いら
れる。エシェリヒア属菌の具体例としては、例えば、エ
シェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH1
〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミ
ー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proceedings of the Natinal Academy of Sciences o
f the United States of America),60巻,160頁
(1968年)〕,JM103〔ヌクイレック・アシッ
ズ・リサーチ,(Nucleic Acids Research),9巻,3
09頁(1981年)〕,JA221〔ジャーナル・オ
ブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal o
f Molecular Biology)〕,120
巻,517頁(1978年)〕,HB101〔ジャーナ
ル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,41巻,45
9頁(1969年)〕,C600〔ジェネティックス
(Genetics),39巻,440頁(1954
年)〕などが用いられる。バチルス属菌としては、例え
ば、バチルス・サチルス(Bacillus subtilis)MI1
14〔ジーン,24巻,255頁(1983年)〕,2
07−21〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー
(Journal of Biochemistry),95巻,87頁(19
84年)〕などが用いられる。酵母としては、例えば、
サッカロマイセス セレビシエ(Saccharomyces cerevi
siae)AH22,AH22R-,NA87−11A,DK
D−5D,20B−12などや、シゾサッカロマイセス
ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)NCYC19
13,NCYC2036などが用いられる。昆虫細胞と
しては、例えば、ウイルスがAcNPVの場合は、ヨト
ウガの幼虫由来株化細胞(Spodoptera frugiperda cel
l;Sf細胞)、Trichoplusia niの中腸由来のMG1細
胞、Trichoplusia niの卵由来のHigh FiveTM細胞、Mame
strabrassicae由来の細胞またはEstigmena acrea由来の
細胞などが用いられる。ウイルスがBmNPVの場合
は、蚕由来株化細胞(Bombyx mori N;BmN細胞)な
どが用いられる。該Sf細胞としては、例えば、Sf9
細胞(ATCC CRL1711)、Sf21細胞〔以上、Vaughn,
J.L.ら、イン・ヴィトロ(in Vitro),13巻,213
−217頁(1977年)〕などが用いられる。昆虫と
しては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田
ら、ネイチャー(Nature),315巻,592頁(19
85年)〕。
【0027】動物細胞としては、例えば、サル細胞CO
S−7、Vero細胞、チャイニーズハムスター細胞C
HO(以下、CHO細胞と略記)、dhfr遺伝子欠損
チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(d
hfr-)細胞と略記)、L細胞、ミエローマ細胞、ヒ
トFL細胞、293細胞、C127細胞、マウス細胞、
BALB3T3細胞、Sp-2/O細胞などが用いられ
る。これらの中でも、CHO細胞、CHO(dhf
-)細胞、293細胞などが好ましい。エシェリヒア
属菌を形質転換するには、例えば、プロシージングズ・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンジ
イズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proceedings of the N
atinal Academy of Sciences of the United States of
America),69巻,2110頁(1972年)やジー
ン(Gene),17巻,107頁(1982年)などに記
載の方法に従って行なうことができる。バチルス属菌を
形質転換するには、例えば、モレキュラー・アンド・ジ
ェネラル・ジェネティックス(Molecular & General G
enetics),168巻,111頁(1979年)などに
記載の方法に従って行なうことができる。酵母を形質転
換するには、例えば、メソッズ・イン・エンザイモロジ
ー(Methods in Enzymology),194巻、182−18
7頁(1991年)などに記載の方法に従って行なうこ
とができる。昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、
例えば、バイオ/テクノロジー(Bio/Technology),6
巻,47−55頁(1988年)などに記載の方法に従
って行なうことができる。動物細胞を形質転換するに
は、例えば、細胞工学別冊8 新 細胞工学実験プロトコ
ール,263−267頁(1995年)(秀潤社発行)
に記載の方法に従って行なうことができる。
【0028】発現ベクターの細胞への導入方法として
は、例えば、リポフェクション法〔Felgner, P.L. et a
l. プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proceedings of the NatinalAcademy of Sciences of
the United States of America),84巻,7413
頁(1987年)〕、リン酸カルシウム法〔Graham, F.
L. and van der Eb, A.J.ヴィロロジー(Virology),
52巻,456−467頁(1973年)〕、電気穿孔
法〔Nuemann, E. et al. エンボ・ジャーナル(EMBO
J.),1巻,841−845頁(1982年)〕等が挙
げられる。このようにして、本発明のタンパク質等をコ
ードするDNAを含有する発現ベクターで形質転換され
た形質転換体が得られる。なお、動物細胞を用いて、本
発明のタンパク質等を安定に発現させる方法としては、
上記の動物細胞に導入された発現ベクターが染色体に組
み込まれた細胞をクローン選択によって選択する方法が
ある。具体的には、上記の選択マーカーを指標にして形
質転換体を選択する。さらに、このように選択マーカー
を用いて得られた動物細胞に対して、繰り返しクローン
選択を行なうことにより本発明のタンパク質等の高発現
能を有する安定な動物細胞株を得ることができる。ま
た、dhfr遺伝子を選択マーカーとして用いた場合、
MTX濃度を徐々に上げて培養し、耐性株を選択するこ
とにより、dhfr遺伝子とともに、本発明のタンパク
質等をコードするDNAを細胞内で増幅させて、さらに
高発現の動物細胞株を得ることもできる。上記の形質転
換体を本発明のタンパク質等をコードするDNAが発現
可能な条件下で培養し、本発明のタンパク質等を生成、
蓄積せしめることによって、本発明のタンパク質等を製
造することができる。
【0029】宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌で
ある形質転換体を培養する際、培養に使用される培地と
しては液体培地が適当であり、その中には該形質転換体
の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せ
しめられる。炭素源としては、例えば、グルコース、デ
キストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源として
は、例えば、アンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチ
ープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆
粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、無機
物としては、例えば、塩化カルシウム、リン酸二水素ナ
トリウム、塩化マグネシウムなどが用いられる。また、
酵母エキス、ビタミン類、生長促進因子などを添加して
もよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。エシェリヒ
ア属菌を培養する際の培地としては、例えば、グルコー
ス、カザミノ酸を含むM9培地〔ミラー(Miller),ジ
ャーナル・オブ・エクスペリメンツ・イン・モレキュラ
ー・ジェネティックス(Journal of Experiments in Mo
lecular Genetics),431−433頁,Cold Spring
Harbor Laboratory, New York (1972年)〕が好ま
しい。ここに必要によりプロモーターを効率よく働かせ
るために、例えば、3β−インドリル アクリル酸のよ
うな薬剤を加えることができる。宿主がエシェリヒア属
菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約3〜24時間
行ない、必要により、通気や撹拌を加えることもでき
る。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約30〜4
0℃で約6〜24時間行ない、必要により通気や撹拌を
加えることもできる。
【0030】宿主が酵母である形質転換体を培養する
際、培地としては、例えば、バークホールダー(Burkho
lder)最小培地〔Bostian, K. L. ら、「プロシージン
グズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイ
エンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proceedings of
the Natinal Academy of Sciences of the United Sta
tes of America),77巻,4505頁(1980
年)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培地〔Bitte
r, G. A. ら、「プロシージングズ・オブ・ザ・ナショ
ナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・
ユーエスエー(Proceedings of the Natinal Academy o
f Sciences of the United States of America),81
巻,5330頁(1984年)〕が挙げられる。培地の
pHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は通常約
20℃〜35℃で約24〜72時間行ない、必要に応じ
て通気や撹拌を加える。宿主が昆虫細胞である形質転換
体を培養する際、培地としては、Grace's Insect Mediu
m〔Grace, T.C.C.,ネイチャー(Nature),195巻,
788頁(1962年)〕に非動化した10%ウシ血清
等の添加物を適宜加えたものなどが用いられる。培地の
pHは約6.2〜6.4に調整するのが好ましい。培養
は通常約27℃で約3〜5日間行ない、必要に応じて通
気や撹拌を加える。宿主が動物細胞である形質転換体を
培養する際、培地としては、例えば、約5〜20%の胎
児牛血清を含むMEM培地〔サイエンス(Seience),
122巻,501頁(1952年)〕,DMEM培地
〔ヴィロロジー(Virology),8巻,396頁(195
9年)〕,RPMI 1640培地〔ジャーナル・オブ
・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(Th
e Jounal of the American Medical Association)19
9巻,519頁(1967年)〕,199培地〔プロシ
ージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バイ
オロジカル・メディスン(Proceeding of the Society
for the Biological Medicine),73巻,1頁(19
50年)〕などが用いられる。pHは約6〜8であるの
が好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜7
2時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。特
に、CHO(dhfr-)細胞およびdhfr遺伝子を
選択マーカーとして用いる場合、チミジンをほとんど含
まない透析ウシ胎児血清を含むDMEM培地を用いるの
が好ましい。
【0031】上記培養物からp26タンパク質等を分離
精製するには、例えば、下記の方法により行なうことが
できる。p26タンパク質等を培養菌体あるいは細胞か
ら抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体ある
いは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音
波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌
体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により
p26タンパク質等の粗抽出液を得る方法などが適宜用
い得る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどのたん
ぱく変性剤や、トリトンX−100TMなどの界面活性剤
が含まれていてもよい。培養液中にp26タンパク質等
が分泌される場合には、培養終了後、それ自体公知の方
法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、上清を集め
る。このようにして得られた培養上清、あるいは抽出液
中に含まれるp26タンパク質等の精製は、自体公知の
分離・精製法を適切に組み合わせて行なうことができ
る。これらの公知の分離、精製法としては、塩析や溶媒
沈澱法などの溶解度を利用する方法、透析法、限外ろ過
法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する方
法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利
用する方法、アフィニティークロマトグラフィーなどの
特異的新和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグ
ラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点電気
泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用いられ
る。
【0032】かくして得られるp26タンパク質等が遊
離体で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれ
に準じる方法によって塩に変換することができ、逆に塩
で得られた場合には自体公知の方法あるいはそれに準じ
る方法により、遊離体または他の塩に変換することがで
きる。なお、組換え体が産生するp26タンパク質等
を、精製前または精製後に適当な蛋白修飾酵素を作用さ
せることにより、任意に修飾を加えたり、ポリペプチド
を部分的に除去することもできる。蛋白修飾酵素として
は、例えば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニル
エンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダ
ーゼなどが用いられる。かくして生成するp26タンパ
ク質等の存在は、特異抗体を用いたエンザイムイムノア
ッセイなどにより測定することができる。
【0033】本発明のp26タンパク質、その部分ペプ
チドまたはその塩に対する抗体は、p26タンパク質、
その部分ペプチドまたはそれらの塩を認識し得る抗体で
あれば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の何
れであってもよい。本発明のp26タンパク質、その部
分ペプチドまたはそれらの塩(以下、単にp26タンパ
ク質と略記する場合がある)に対する抗体は、p26タ
ンパク質を抗原として用い、自体公知の抗体または抗血
清の製造法に従って製造することができる。 〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクロナール抗体産生細胞の作製 p26タンパク質は、温血動物に対して投与により抗体
産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とと
もに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるた
め、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントア
ジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に
1回ずつ、計2〜10回程度行われる。用いられる温血
動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモッ
ト、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリが挙げら
れるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。モ
ノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原を免
疫された温血動物、例えば、マウスから抗体価の認めら
れた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリ
ンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄
腫細胞と融合させることにより、モノクローナル抗体産
生ハイブリドーマを調製することができる。抗血清中の
抗体価の測定は、例えば後記の標識化p26タンパク質
と抗血清とを反応させたのち、抗体に結合した標識剤の
活性を測定することによりなされる。融合操作は既知の
方法、例えば、ケーラーとミルスタインの方法〔ネイチ
ャー(Nature)、256、495 (1975)〕に従い実施すること
ができる。融合促進剤としては、例えば、ポリエチレン
グリコール(PEG)やセンダイウィルスなどが用いら
れるが、好ましくはPEGが用いられる。骨髄腫細胞と
しては、例えば、NS−1、P3U1、SP2/0、A
P−1などがあげられるが、P3U1が好ましく用いら
れる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫
細胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であ
り、PEG(好ましくはPEG1000〜PEG600
0)が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40
℃、好ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベ
ートすることにより効率よく細胞融合を実施できる。
【0034】抗p26タンパク質抗体産生ハイブリドー
マのスクリーニングには種々の方法が使用できるが、例
えば、p26タンパク質抗原を直接あるいは担体ととも
に吸着させた固相(例、マイクロプレート)にハイブリ
ドーマ培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素などで
標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられる
細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用
いられる)またはプロテインAを加え、固相に結合した
抗p26タンパク質抗体を検出する方法、抗免疫グロブ
リン抗体またはプロテインAを吸着させた固相にハイブ
リドーマ培養上清を添加し、放射性物質や酵素などで標
識したp26タンパク質を加え、固相に結合した抗p2
6タンパク質モノクローナル抗体を検出する方法などが
用いられる。抗p26タンパク質モノクローナル抗体の
選別は、自体公知あるいはそれに準じる方法に従って行
なうことができる。通常HAT(ヒポキサンチン、アミ
ノプテリン、チミジン)を添加した動物細胞用培地で行
なわれる。選別および育種用培地としては、ハイブリド
ーマが生育できるものならばどのような培地を用いても
良い。例えば、1〜20%、好ましくは10〜20%の
牛胎児血清を含むRPMI 1640培地、1〜10%
の牛胎児血清を含むGIT培地(和光純薬工業(株))
あるいはハイブリドーマ培養用無血清培地(SFM−1
01、日水製薬(株))などを用いることができる。培
養温度は、通常20〜40℃、好ましくは約37℃であ
る。培養時間は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間
〜2週間である。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なう
ことができる。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上
記の抗血清中の抗p26タンパク質抗体価の測定と同様
にして測定できる。
【0035】(b)モノクロナール抗体の精製 抗p26タンパク質モノクローナル抗体の分離精製は、
通常のポリクローナル抗体の分離精製と同様に免疫グロ
ブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコール沈殿法、
等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体(例、DEA
E)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合
固相あるいはプロテインAあるいはプロテインGなどの
活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合を解離させて
抗体を得る特異的精製法〕に従って行なうことができ
る。 〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のp26タンパク
質に対するポリクローナル抗体は、それ自体公知あるい
はそれに準じる方法にしたがって製造することができ
る。例えば、免疫抗原(p26タンパク質抗原)とキャ
リアー蛋白質との複合体をつくり、上記のモノクローナ
ル抗体の製造法と同様に温血動物に免疫を行ない、該免
疫動物からp26タンパク質に対する抗体含有物を採取
して、抗体の分離精製を行なうことにより製造すること
ができる。温血動物を免疫するために用いられる免疫抗
原とキャリアー蛋白質との複合体に関し、キャリアー蛋
白質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比は、
キャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して抗体
が効率良くできれば、どの様なものをどの様な比率で架
橋させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミンやウシ
サイログロブリン、ヘモシアニン等を重量比でハプテン
1に対し、約0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合
でカプルさせる方法が用いられる。また、ハプテンとキ
ャリアーのカプリングには、種々の縮合剤を用いること
ができるが、グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マ
レイミド活性エステル、チオール基、ジチオビリジル基
を含有する活性エステル試薬等が用いられる。縮合生成
物は、温血動物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ
自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に
際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュ
バントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよ
い。投与は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜1
0回程度行なわれる。ポリクローナル抗体は、上記の方
法で免疫された温血動物の血液、腹水など、好ましくは
血液から採取される。抗血清中の抗p26タンパク質抗
体価の測定は、上記ハイブリドーマ培養上清の抗体価の
測定と同様にして測定できる。抗体の分離精製は、上記
のモノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリ
ンの分離精製法に従って行なうことができる。
【0036】本発明のp26タンパク質は、Gタンパク
質共役型レセプター(7回膜貫通型レセプター)に共役
しているαβγヘテロ三量体GTP結合タンパク質のα
サブユニット(Gαタンパク質)に結合し、Gαタンパ
ク質のGTPからGDPへの水解活性を促進することに
よって、Gタンパク質共役型レセプターにリガンドが結
合することによって惹起される情報伝達を負に制御して
いる、いわゆる脱感作に関与する情報伝達制御タンパク
質である。また、このp26タンパク質とGαタンパク
質の結合にはp26タンパク質のリン酸化が関与してお
り、p26タンパク質がリン酸化されることによって、
p26タンパク質とGαタンパク質との結合が解離し、
Gαタンパク質に結合しているGTPのGDPへの水解
活性が抑制されることによって脱感作が解除される。現
在、Gタンパク質共役型レセプターの脱感作に関与して
いるタンパク質としては、Gタンパク質共役型レセプタ
ーキナーゼ、アレスチン(arrestin)の2種類が知られ
ており、これらのアンタゴニストはGタンパク質共役型
レセプターの脱感作に関与する疾患の治療薬となると考
えられている。これらのことから、本発明のp26タン
パク質のGαタンパク質への結合阻害剤、本発明のp2
6タンパク質のリン酸化促進剤および本発明のp26タ
ンパク質の脱リン酸化阻害剤は、Gタンパク質共役型レ
セプターの脱感作に関与する疾患、例えば、心不全の場
合に投与されるβ−アドレナリンレセプター遮断薬の長
期投与による効果の低下やモルヒネの長期投与による感
受性の低下などの改善剤となると考えられる。したがっ
て、本発明のp26タンパク質は、本発明のp26タン
パク質のGαタンパク質への結合阻害剤、本発明のp2
6タンパク質のリン酸化促進剤および本発明のp26タ
ンパク質の脱リン酸化阻害剤をスクリーニングするため
の試薬として有用である。また、プロテインキナーゼに
よる本発明のp26タンパク質のリン酸化を阻害する化
合物は抗ガン剤などの医薬となる。したがって、本発明
のp26タンパク質は、プロテインキナーゼ阻害剤をス
クリーニングするための試薬としても有用である。
【0037】さらに、本発明のp26タンパク質は、
1)in vivo では胎児肝臓、末梢血において最も多く発
現しており、しかも胎児肝臓の造血器官としての役割
が、骨髄、脾臓に移っていく胎児17日以降発現が急激
に減少していくこと、2)培養細胞では、造血幹細胞か
ら分化したT細胞白血病の培養細胞に多く発現している
こと、3)プロテイン・キナーゼCによってリン酸化さ
れる細胞質タンパク質であること等から、造血幹細胞に
おいて、あるいは造血幹細胞からT細胞への分化に関し
て、重要な役割を担っている情報伝達物質であることが
わかる。したがって、本発明のp26タンパク質は、造
血系に関与する種々の疾病の治療・予防剤として有用で
ある。また、本発明のp26タンパク質は、造血系に関
与する種々の疾病に対する医薬候補化合物をスクリーニ
ングするための試薬としても有用である。以下に、本発
明のp26タンパク質またはその塩、本発明のp26タ
ンパク質をコードするDNA、および本発明のp26タ
ンパク質またはその塩に対する抗体の用途をより詳細に
説明する。
【0038】(1)脱リン酸化酵素阻害活性を有する化
合物またはその塩のスクリーニング 上記したとおり、本発明のp26タンパク質またはその
塩は、プロテインキナーゼ(例えば、プロテインキナー
ゼCなど)によってリン酸化を受ける。したがって、リ
ン酸化された本発明のタンパク質と脱リン酸化酵素を用
いることによって、脱リン酸化酵素の活性を阻害する化
合物またはその塩をスクリーニングすることができる。
このように、本発明のp26タンパク質は、脱リン酸化
酵素阻害活性を有する化合物またはその塩のスクリーニ
ングのための試薬として有用である。すなわち、本発明
は、 (i)リン酸化された本発明のp26タンパク質、その
部分ペプチドまたはそれらの塩を用いることを特徴とす
るプロテインキナーゼ阻害活性を有する化合物またはそ
の塩(以下、脱リン酸化酵素阻害剤と略記する場合があ
る)のスクリーニング方法を提供し、より具体的には、
例えば、 (ii)(a)リン酸化された本発明のp26タンパク
質、その部分ペプチドまたはそれらの塩と脱リン酸化酵
素とを接触させた場合と(b)リン酸化された本発明の
p26タンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの塩
と脱リン酸化酵素および試験化合物とを接触させた場合
との比較を行なうことを特徴とする脱リン酸化酵素阻害
剤のスクリーニング方法を提供する。具体的には、上記
スクリーニング方法においては、例えば、(a)と
(b)の場合における、脱リン酸化酵素による、リン酸
化されたp26タンパク質、その部分ペプチドもしくは
それらの塩の脱リン酸化の程度を測定して、比較するこ
とを特徴とするものである。
【0039】本発明のスクリーニング方法の具体的な説
明を以下にする。脱リン酸化酵素としては、リン酸化さ
れた本発明のp26タンパク質、その部分ペプチドまた
はそれらの塩を脱リン酸化し得るものであれば何れのも
のでもよい。例えば、プロテインホスファターゼ1(P
P−1)、プロテインホスファターゼ2A(PP2−
A)などが用いられる。試験化合物としては、例えば、
ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合
物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽
出液などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であ
ってもよいし、公知の化合物であってもよい。上記のス
クリーニング方法を実施するには、リン酸化された本発
明のp26タンパク質、その部分ペプチドまたはその塩
(以下、リン酸化された本発明のp26タンパク質等と
略記する場合がある)を、スクリーニングに適したバッ
ファーに懸濁することにより、リン酸化された本発明の
p26タンパク質等の標品を調製する。バッファーに
は、pH約4〜10(望ましくは、pH約6〜8)のト
リス−塩酸バッファーなどの、リン酸化された本発明の
p26タンパク質等と脱リン酸化酵素との反応を阻害し
ないバッファーであればいずれでもよい。脱リン酸化酵
素による、リン酸化された本発明のp26タンパク質等
の脱リン酸化の程度の測定は、〔32P〕で標識されたp
26タンパク質と目的とするプロテインホスファターゼ
とを上記バッファーに懸濁し、一定時間後に〔32P〕標
識されたp26タンパク質の放射活性の減少を測定する
ことによって行なうことができる。例えば、上記(b)
の場合におけるリン酸化された本発明のp26タンパク
質等の脱リン酸化の程度を上記(a)の場合に比べて、
約20%以上、好ましくは50%以上阻害する試験化合
物を脱リン酸化酵素阻害剤として選択することができ
る。
【0040】本発明のスクリーニング用キットは、本発
明のp26タンパク質、その部分ペプチドまたはその塩
を含有するものである。本発明のスクリーニング用キッ
トの例としては、次のものが挙げられる。 〔スクリーニング用試薬〕 測定用緩衝液 pH7.5のトリス−塩酸バッファー(20mM Tri
s−HCl(pH7.5)、0.1mM CaCl2、5m
M MgCl2、0.31mg/ml L-α-フォスファチ
ジル-L-セリン、0.06mg/ml 1,2−ジオレイ
ン、0.03% Triton−X) p26タンパク質標品 〔32P〕で標識された本発明のp26タンパク質、その
部分ペプチドまたはそれらの塩 脱リン酸化酵素標品 プロテインホスファターゼ1 10mg/ml 検出 〔32P〕の放射活性の測定 〔測定法〕〔32P〕で標識された本発明のp26タンパ
ク質等を含有する測定用緩衝液および〔32P〕で標識さ
れた本発明のp26タンパク質等と試験化合物とを含有
する測定用緩衝液に、それぞれプロテインホスファター
ゼ1(10mg/ml)を添加し、30℃で2時間反応
させる。この反応液をSDSポリアクリルアミド電気泳
動(非還元)にかけ、ゲルを乾燥した後、〔32P〕の放
射活性を測定し、リン酸化の程度を測定する。
【0041】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、上記した試験化合物、例えば、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などから選ばれ
た化合物であり、脱リン酸化酵素の活性を阻害して、リ
ン酸化された本発明のp26タンパク質等の脱リン酸化
を阻害する化合物である。該化合物の塩としては、とり
わけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様
な塩としては、前記したp26タンパク質の塩と同様の
ものが用いられる。本発明のスクリーニング方法または
スクリーニング用キットを用いて得られる脱リン酸化酵
素阻害活性を有する化合物またはその塩(脱リン酸化酵
素阻害剤)は、例えば、Gタンパク質共役型レセプター
の脱感作に関与する疾患(例、心不全の場合に投与され
るβ−アドレナリンレセプター遮断薬の長期投与による
効果の低下、モルヒネの長期投与による感受性の低下な
ど)に対する安全で低毒性な治療・予防剤などの医薬と
して有用である。さらには、免疫調節剤(例、免疫抑制
剤)、末期の白血病の予防・治療剤などの医薬としても
有用である。本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる脱リン酸化酵素阻害
剤を上述の医薬として使用する場合、常套手段に従って
実施することができる。例えば、必要に応じて糖衣を施
した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセ
ル剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外
の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液
剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、
該化合物またはその塩を生理学的に認められる担体、香
味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤など
とともに一般に認められた製薬実施に要求される単位用
量形態で混和することによって製造することができる。
これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当
な容量が得られるようにするものである。
【0042】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩
化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例えば、エタノール)、ポリ
アルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチ
レングリコール)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポ
リソルベート80(TM)、HCO−50)などと併用
してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油
などが用いられ、溶解補助剤として、例えば、安息香酸
ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。
また、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウ
ム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウ
ム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清
アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤
(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸
化防止剤などと配合してもよい。調整された注射液は、
通常、適当なアンプルに充填される。
【0043】このようにして得られる製剤は、安全で低
毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血動物(例え
ば、ラット、マウス、モルモット、トリ、ウサギ、ヒツ
ジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対し
て投与することができる。該タンパク質、その部分ペプ
チドまたはDNAの投与量は、症状などにより差異はあ
るが、経口投与の場合、一般的に成人(60kgとし
て)においては、一日につき約0.1mg〜100m
g、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約
1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、
その1回投与量は投与対象、対象組織、症状、投与方法
などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常
成人(体重60kgとして)においては、一日につき約
0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20m
g程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈
注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合
も、60kg当たりに換算した量を投与することができ
る。
【0044】(2)プロテインキナーゼ阻害活性を有す
る化合物またはその塩のスクリーニング 本発明のp26タンパク質またはその塩は、プロテイン
キナーゼ(例えば、カゼインキナーゼII、プロテインキ
ナーゼCなど)によってリン酸化を受ける。したがっ
て、本発明のタンパク質と各種プロテインキナーゼを用
いることによって、プロテインキナーゼのリン酸化活性
を阻害する化合物またはその塩をスクリーニングするこ
とができる。このように、本発明のp26タンパク質
は、プロテインキナーゼ阻害活性を有する化合物または
その塩のスクリーニングのための試薬として有用であ
る。すなわち、本発明は、 (i)本発明のp26タンパク質、その部分ペプチドま
たはそれらの塩を用いることを特徴とするプロテインキ
ナーゼ阻害活性を有する化合物またはその塩(以下、プ
ロテインキナーゼ阻害剤と略記する場合がある)のスク
リーニング方法を提供し、より具体的には、例えば、 (ii)(a)本発明のp26タンパク質、その部分ペプ
チドまたはそれらの塩とプロテインキナーゼとを接触さ
せた場合と(b)本発明のp26タンパク質、その部分
ペプチドまたはそれらの塩とプロテインキナーゼおよび
試験化合物とを接触させた場合との比較を行なうことを
特徴とするプロテインキナーゼ阻害剤のスクリーニング
方法を提供する。具体的には、上記スクリーニング方法
においては、例えば、(a)と(b)の場合における、
プロテインキナーゼによる該p26タンパク質、その部
分ペプチドもしくはそれらの塩のリン酸化の程度を測定
して、比較することを特徴とするものである。
【0045】本発明のスクリーニング方法の具体的な説
明を以下にする。プロテインキナーゼとしては、本発明
のp26タンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの
塩をリン酸化し得るものであれば何れのものでもよい
が、例えば、カゼインキナーゼII、プロテインキナーゼ
C、cAMP依存性プロテインキナーゼなどが用いられ
る。試験化合物としては、例えば、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などが用いら
れ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公
知の化合物であってもよい。上記のスクリーニング方法
を実施するには、本発明のp26タンパク質、その部分
ペプチドまたはその塩(以下、本発明のp26タンパク
質等と略記する場合がある)を、スクリーニングに適し
たバッファーに懸濁することにより本発明のp26タン
パク質等の標品を調製する。バッファーには、pH約4
〜10(望ましくは、pH約6〜8)のトリス−塩酸バ
ッファーなどの、本発明のp26タンパク質等とプロテ
インキナーゼとの反応を阻害しないバッファーであれば
いずれでもよい。プロテインキナーゼによる本発明のp
26タンパク質等のリン酸化の程度の測定は、〔γ-32
P〕ATPと目的とするプロテインキナーゼとを上記バ
ッファーに懸濁し、一定時間後にp26タンパク質に取
り込まれた〔32P〕の放射活性を測定することによって
行なうことができる。そして、この系に試験化合物を加
えた時と加えない時のp26タンパク質のリン酸化の程
度によって、プロテインキナーゼ阻害剤を選択する。例
えば、上記(ii)の場合における本発明のp26タンパ
ク質等のリン酸化の程度を、上記(i)の場合に比べ
て、約20%以上、好ましくは50%以上阻害する試験
化合物をプロテインキナーゼ阻害剤として選択すること
ができる。
【0046】本発明のスクリーニング用キットは、本発
明のp26タンパク質、その部分ペプチドまたはその塩
を含有するものである。本発明のスクリーニング用キッ
トの例としては、次のものが挙げられる。 〔スクリーニング用試薬〕 測定用緩衝液 pH7.5のトリス−塩酸バッファー(20mM Tri
s−HCl(pH7.5)、0.1mM CaCl2、5m
M MgCl2、0.31mg/ml L-α-フォスファチ
ジル-L-セリン、0.06mg/ml 1,2−ジオレイ
ン、0.03%Triton−X) p26タンパク質標品 本発明のp26タンパク質、その本発明の部分ペプチド
またはそれらの塩 プロテインキナーゼ標品 カゼインキナーゼII 10mg/ml 基質 100nM ATP、6.66pmol 〔γ-32P〕AT
P 検出 〔32P〕の放射活性の測定 〔測定法〕本発明のp26タンパク質等を含有する測定
用緩衝液および 本発明のp26タンパク質等と試験化
合物とを含有する測定用緩衝液に、それぞれ100nM
ATP、6.66pmol 〔γ-32P〕ATPおよびカ
ゼインキナーゼII(10mg/ml)を添加し、30℃
で2時間反応させる。この反応液をSDSポリアクリル
アミド電気泳動(非還元)にかけ、ゲルを乾燥した後、
32P〕の放射活性を測定し、リン酸化の程度を測定す
る。
【0047】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、上記した試験化合物、例えば、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などから選ばれ
た化合物であり、プロテインキナーゼの活性を阻害して
本発明のp26タンパク質等のリン酸化を阻害する化合
物である。該化合物の塩としては、とりわけ生理学的に
許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、
前記したp26タンパク質の塩と同様のものが用いられ
る。本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング
用キットを用いて得られるプロテインキナーゼ阻害活性
を有する化合物またはその塩(プロテインキナーゼ阻害
剤)は、例えば、安全で低毒性な抗ガン剤などの医薬と
して有用である。本発明のスクリーニング方法またはス
クリーニング用キットを用いて得られるプロテインキナ
ーゼ阻害剤を上述の医薬として使用する場合、上記した
脱リン酸化酵素阻害剤と同様に実施することができる。
【0048】(3)プロテインキナーゼ促進活性を有す
る化合物またはその塩のスクリーニング 本発明のp26タンパク質またはその塩は、プロテイン
キナーゼ(例えば、カゼインキナーゼII、プロテインキ
ナーゼCなど)によってリン酸化を受ける。したがっ
て、本発明のタンパク質と各種プロテインキナーゼを用
いることによって、プロテインキナーゼのリン酸化活性
を促進する化合物またはその塩をスクリーニングするこ
とができる。このように、本発明のp26タンパク質
は、プロテインキナーゼ促進活性を有する化合物または
その塩のスクリーニングのための試薬として有用であ
る。すなわち、本発明は、 (i)本発明のp26タンパク質、その部分ペプチドま
たはそれらの塩を用いることを特徴とするプロテインキ
ナーゼ促進活性を有する化合物またはその塩(以下、プ
ロテインキナーゼ促進剤と略記する場合がある)のスク
リーニング方法を提供し、より具体的には、例えば、 (ii)(a)本発明のp26タンパク質、その部分ペプ
チドまたはそれらの塩とプロテインキナーゼとを接触さ
せた場合と(b)本発明のp26タンパク質、その部分
ペプチドまたはそれらの塩とプロテインキナーゼおよび
試験化合物とを接触させた場合との比較を行なうことを
特徴とするプロテインキナーゼ促進剤のスクリーニング
方法を提供する。具体的には、上記スクリーニング方法
においては、例えば、(a)と(b)の場合における、
プロテインキナーゼによる該p26タンパク質、その部
分ペプチドもしくはそれらの塩のリン酸化の程度を測定
して、比較することを特徴とするものである。
【0049】本発明のプロテインキナーゼ促進剤のスク
リーニング方法は、前記したプロテインキナーゼ阻害剤
のスクリーニング方法に準じて実施することができる。
プロテインキナーゼとしては、本発明のp26タンパク
質、その部分ペプチドまたはそれらの塩をリン酸化し得
るものであれば何れのものでもよいが、例えば、カゼイ
ンキナーゼII、プロテインキナーゼC、cAMP依存性
プロテインキナーゼなどが用いられる。試験化合物とし
ては、例えば、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合
物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出
液、動物組織抽出液などが用いられ、これら化合物は新
規な化合物であってもよいし、公知の化合物であっても
よい。上記のスクリーニング方法を実施するには、本発
明のp26タンパク質、その部分ペプチドまたはその塩
(以下、本発明のp26タンパク質等と略記する場合が
ある)を、スクリーニングに適したバッファーに懸濁す
ることにより本発明のp26タンパク質等の標品を調製
する。バッファーには、pH約4〜10(望ましくは、
pH約6〜8)のトリス−塩酸バッファーなどの、本発
明のp26タンパク質等とプロテインキナーゼとの反応
を阻害しないバッファーであればいずれでもよい。プロ
テインキナーゼによる本発明のp26タンパク質等のリ
ン酸化の程度の測定は、〔γ-32P〕ATPと目的とす
るプロテインキナーゼとを上記バッファーに懸濁し、一
定時間後にp26タンパク質に取り込まれた〔32P〕の
放射活性を測定することによって行なうことができる。
そして、この系に試験化合物を加えた時と加えない時の
p26タンパク質のリン酸化の程度によって、プロテイ
ンキナーゼ促進剤を選択する。例えば、上記(b)の場
合における本発明のp26タンパク質等のリン酸化の程
度を、上記(a)の場合に比べて、約20%以上、好ま
しくは50%以上促進する試験化合物をプロテインキナ
ーゼ促進剤として選択することができる。
【0050】本発明のスクリーニング用キットは、本発
明のp26タンパク質、その部分ペプチドまたはその塩
を含有するものである。本発明のスクリーニング用キッ
トの例としては、次のものが挙げられる。 〔スクリーニング用試薬〕 測定用緩衝液 pH7.5のトリス−塩酸バッファー(20mM Tri
s−HCl(pH7.5)、0.1mM CaCl2、5m
M MgCl2、0.31mg/ml L-α-フォスファチ
ジル-L-セリン、0.06mg/ml 1,2−ジオレイ
ン、0.03%Triton−X) p26タンパク質標品 本発明のp26タンパク質、その本発明の部分ペプチド
またはそれらの塩 プロテインキナーゼ標品 カゼインキナーゼII 10mg/ml 基質 100nM ATP、6.66pmol 〔γ-32P〕AT
P 検出 〔32P〕の放射活性の測定 〔測定法〕本発明のp26タンパク質等を含有する測定
用緩衝液および 本発明のp26タンパク質等と試験化
合物とを含有する測定用緩衝液に、それぞれ100nM
ATP、6.66pmol 〔γ-32P〕ATPおよびカ
ゼインキナーゼII(10mg/ml)を添加し、30℃
で2時間反応させる。この反応液をSDSポリアクリル
アミド電気泳動(非還元)にかけ、ゲルを乾燥した後、
32P〕の放射活性を測定し、リン酸化の程度を測定す
る。
【0051】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、上記した試験化合物、例えば、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などから選ばれ
た化合物であり、プロテインキナーゼの活性を促進して
本発明のp26タンパク質等のリン酸化を促進する化合
物である。該化合物の塩としては、とりわけ生理学的に
許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、
前記したp26タンパク質の塩と同様のものが用いられ
る。本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング
用キットを用いて得られるプロテインキナーゼ促進活性
を有する化合物またはその塩(プロテインキナーゼ促進
剤)は、例えば、Gタンパク質共役型レセプターの脱感
作に関与する疾患(例、心不全の場合に投与されるβ−
アドレナリンレセプター遮断薬の長期投与による効果の
低下、モルヒネの長期投与による感受性の低下など)に
対する安全で低毒性な治療・予防剤などの医薬として有
用である。本発明のスクリーニング方法またはスクリー
ニング用キットを用いて得られるプロテインキナーゼ促
進剤を上述の医薬として使用する場合、上記した脱リン
酸化酵素阻害剤と同様に実施することができる。
【0052】(4)造血系に関与する疾病の治療・予防
剤 本発明のp26タンパク質は、造血幹細胞において、あ
るいは造血幹細胞からT細胞への分化に関して、重要な
役割を担っている情報伝達物質であるため、本発明のp
26タンパク質またはそれをコードするDNAに異常が
あったり、欠損している場合、あるいは発現量が減少も
しくは増加している場合、造血系に関与する種々の疾病
(例えば、再生不良性貧血、急性骨髄性白血病、T細胞
白血病など)が発症すると考えられている。したがっ
て、本発明のp26タンパク質およびそれをコードする
DNAは、例えば、再生不良性貧血、急性骨髄性白血
病、T細胞白血病などの造血系に関与する疾病の治療・
予防剤などの医薬として使用することができる。例え
ば、生体内においてp26タンパク質が減少あるいは欠
損しているために、造血に関与する細胞、造血幹細胞に
由来する細胞、血液系に関与する細胞などにおける情報
伝達が十分に、あるいは正常に発揮されない患者がいる
場合に、(イ)本発明のp26タンパク質をコードする
DNAを該患者に投与し、生体内で該p26タンパク質
発現させることによって、または(ロ)造血幹細胞など
に本発明のp26タンパク質をコードするDNAを挿入
し、該p26タンパク質を発現させた後に、該細胞を患
者に移植することなどによって、該患者におけるp26
タンパク質の役割を十分に、あるいは正常に発揮させる
ことができる。さらには、本発明のp26タンパク質お
よびそれをコードするDNAは、例えば、免疫調節剤
(例、免疫抑制剤など)などの医薬として使用すること
もできる。
【0053】本発明のp26タンパク質をコードするD
NAを上記の治療・予防剤として使用する場合は、該D
NAを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウ
イルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイ
ルスベクターなどの適当なベクターに挿入した後、常套
手段に従って実施することができる。例えば、必要に応
じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マ
イクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水もし
くはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、
または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用でき
る。例えば、本発明のDNAを生理学的に認められる担
体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合
剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求される
単位用量形態で混和することによって製造することがで
きる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲
の適当な容量が得られるようにするものである。錠剤、
カプセル剤などに混和することができる添加剤として
は、例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガント、
アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのよう
な賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸など
のような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤
滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、
ペパーミント、アカモノ油またはチェリーのような香味
剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセルである場
合には、前記タイプの材料にさらに油脂のような液状担
体を含有することができる。注射のための無菌組成物は
注射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子
油などのような天然産出植物油などを溶解または懸濁さ
せるなどの通常の製剤実施に従って処方することができ
る。注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブ
ドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソ
ルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)
などが用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコー
ル(例えば、エタノール)、ポリアルコール(例えば、
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非
イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート80(T
M)、HCO−50)などと併用してもよい。油性液と
しては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶解
補助剤として、例えば、安息香酸ベンジル、ベンジルア
ルコールなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例え
ば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化
剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインな
ど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチ
レングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアル
コール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合して
もよい。調整された注射液は、通常、適当なアンプルに
充填される。
【0054】このようにして得られる製剤は、安全で低
毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血動物(例え
ば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツ
ジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対し
て投与することができる。該DNAの投与量は、症状な
どにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に成人
(60kgとして)においては、一日につき約0.1m
g〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より
好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与
する場合は、その1回投与量は投与対象、対象組織、症
状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤
の形では通常成人(60kgとして)においては、一日
につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1
〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程
度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動
物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与するこ
とができる。
【0055】(5)p26タンパク質、その部分ペプチ
ドまたはそれらの塩の定量 本発明のp26タンパク質、その部分ペプチドまたはそ
れらの塩に対する抗体は、p26タンパク質、その部分
ペプチドまたはそれらの塩(以下、単にp26タンパク
質と略記する場合がある)を特異的に認識することがで
きるので、被検液中のp26タンパク質の定量、特にサ
ンドイッチ免疫測定法による定量などに使用することが
できる。すなわち、本発明は、(i)本発明のp26タ
ンパク質に対する抗体と、被検液および標識化p26タ
ンパク質とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識
化p26タンパク質の割合を測定することを特徴とする
被検液中のp26タンパク質の定量法、および(ii)被
検液と担体上に不溶化した抗体および標識化された抗体
とを同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体
上の標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中
のp26タンパク質の定量法を提供する。上記(ii)の
定量法においては、一方の抗体がp26タンパク質のN
端部を認識する抗体で、他方の抗体がp26タンパク質
のC端部に反応する抗体であることが望ましい。
【0056】また、本発明のp26タンパク質に対する
モノクローナル抗体(以下、抗p26タンパク質抗体と
称する場合がある)を用いてp26タンパク質の定量を
行なえるほか、組織染色等による検出を行なうこともで
きる。これらの目的には、抗体分子そのものを用いても
よく、また、抗体分子のF(ab')2 、Fab'、あるい
はFab画分を用いてもよい。本発明の抗体を用いるp
26タンパク質の定量法は、 特に制限されるべきもの
ではなく、被測定液中の抗原量(例えば、p26タンパ
ク質量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合
体の量を化学的または物理的手段により検出し、これを
既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線よ
り算出する測定法であれば、いずれの測定法を用いても
よい。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリ
ック法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、感
度、特異性の点で、後述するサンドイッチ法を用いるの
が特に好ましい。標識物質を用いる測定法に用いられる
標識剤としては、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発
光物質などが用いられる。放射性同位元素としては、例
えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14C〕など
が、上記酵素としては、安定で比活性の大きなものが好
ましく、例えば、β−ガラクトシダーゼ、β−グルコシ
ダーゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオキシダー
ゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが、蛍光物質としては、例
えば、フルオレスカミン、フルオレッセンイソチオシア
ネートなどが、発光物質としては、例えば、ルミノー
ル、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなど
がそれぞれ用いられる。さらに、抗体あるいは抗原と標
識剤との結合にビオチン−アビジン系を用いることもで
きる。
【0057】抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また通常蛋白質あるいは酵素等
を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用いる
方法でもよい。担体としては、例えば、アガロース,デ
キストラン,セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチ
レン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、あ
るいはガラス等が挙げられる。サンドイッチ法において
は不溶化した抗p26タンパク質抗体に被検液を反応さ
せ(1次反応)、さらに標識化抗p26タンパク質抗体
を反応させ(2次反応)たのち、不溶化担体上の標識剤
の活性を測定することにより被検液中のp26タンパク
質量を定量することができる。1次反応と2次反応は逆
の順序に行っても、また、同時に行なってもよいし時間
をずらして行なってもよい。標識化剤および不溶化の方
法は前記のそれらに準じることができる。また、サンド
イッチ法による免疫測定法において、固相用抗体あるい
は標識用抗体に用いられる抗体は必ずしも1種類である
必要はなく、測定感度を向上させる等の目的で2種類以
上の抗体の混合物を用いてもよい。本発明のサンドイッ
チ法によるp26タンパク質の測定法においては、1次
反応と2次反応に用いられる抗p26タンパク質抗体は
p26タンパク質の結合する部位が相異なる抗体が好ま
しく用いられる。すなわち、1次反応および2次反応に
用いられる抗体は、例えば、2次反応で用いられる抗体
が、p26タンパク質のC端部を認識する場合、1次反
応で用いられる抗体は、好ましくはC端部以外、例えば
N端部を認識する抗体が用いられる。
【0058】本発明のp26タンパク質抗体をサンドイ
ッチ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメ
トリック法あるいはネフロメトリーなどに用いることが
できる。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗
体に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原
と(F)と抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し
(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被
検液中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として
可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコー
ル、前記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、お
よび、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるい
は、第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相
化抗体を用いる固相化法とが用いられる。イムノメトリ
ック法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の
標識化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離
するか、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗
体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化
抗体を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。
次に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量
を定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるい
は溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の
量を測定する。被検液中の抗原量僅かであり、少量の沈
降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用する
レーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0059】これら個々の免疫学的測定法を本発明の定
量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えてp2
6タンパク質の測定系を構築すればよい。これらの一般
的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参照
することができる。例えば、入江 寛編「ラジオイムノ
アッセイ〕(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編
「続ラジオイムノアッセイ〕(講談社、昭和54年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭
和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第
2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年
発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」Vol. 70(Immunochem
ical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunochem
ical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochem
ical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochem
ical Techniques(Part D:Selected Immunoassays))、
同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E:Mono
clonal Antibodies and General Immunoassay Method
s))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part
I:Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodie
s))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参照する
ことができる。以上のようにして、本発明のp26タン
パク質抗体を用いることによって、本発明のp26タン
パク質を感度良く定量することができる。さらに、本発
明の抗体は、体液や組織などの被検体中に存在する本発
明のp26タンパク質を検出するために使用することが
できる。また、本発明のp26タンパク質を精製するた
めに使用する抗体カラムの作製、精製時の各分画中の本
発明のp26タンパク質の検出、被検細胞内における本
発明のp26タンパク質の挙動の分析などのために使用
することができる。
【0060】(6)造血系に関与する疾病に対する医薬
候補化合物のスクリーニング 本発明のp26タンパク質は、造血に関与する細胞、血
液系における細胞などにおいて、情報伝達物質としての
役割を有しているため、本発明のp26タンパク質の機
能を促進または阻害する化合物またはその塩は、造血系
に関与する疾病(例えば、再生不良性貧血、急性骨髄性
白血病、T細胞白血病など)の治療・予防剤などの医薬
として使用できる。さらに、免疫調節剤(例えば、免疫
抑制剤)などの医薬としても使用することもできる。し
たがって、本発明のp26タンパク質は、造血系に関与
する疾病の治療・予防剤または免疫調節剤などの医薬候
補化合物のスクリーニングのための試薬として有用であ
る。
【0061】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commision on Biochemical Nomenclature による略号あ
るいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、
その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があ
り得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとす
る。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
【0062】 Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基
【0063】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2Bzl :2,6−ジクロロベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブチルオキシカルボニル DNP :ジニトロフェノール Trt :トリチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0064】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕ラット由来p26タンパク質のアミノ
酸配列を示す。 〔配列番号:2〕ヒト由来p26タンパク質のアミノ酸
配列を示す。 〔配列番号:3〕マウス由来p26タンパク質のアミノ
酸配列を示す。 〔配列番号:4〕ラット由来p26タンパク質をコード
するDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:5〕ヒト由来p26タンパク質をコードす
るDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:6〕マウス由来p26タンパク質をコード
するDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:7〕ラットp26タンパク質をコードする
DNAのクローニングに使用した合成プライマーの塩基
配列を示す。 〔配列番号:8〕ラットp26タンパク質をコードする
DNAのクローニングに使用した合成プライマーの塩基
配列を示す。 〔配列番号:9〕ラットp26タンパク質をコードする
DNAのクローニングに使用した合成プライマーの塩基
配列を示す。 〔配列番号:10〕ラットp26タンパク質をコードす
るDNAのクローニングに使用した合成プライマーの塩
基配列を示す。
【0065】〔配列番号:11〕ラットp26タンパク
質をコードするDNAのクローニングに使用した合成An
choredプライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:12〕β−ガラクトシダーゼ−ラットp2
6融合タンパク質の発現プラスミドの構築を行なうため
に、プラスミドpTS822を鋳型にして開始コドンの
メチオニンを除いた翻訳領域のみを含むように設計した
合成プライマーを示す。 〔配列番号:13〕β−ガラクトシダーゼ−ラットp2
6融合タンパク質の発現プラスミドの構築を行なうため
に、プラスミドpTS822を鋳型にして開始コドンの
メチオニンを除いた翻訳領域のみを含むように設計した
合成プライマーを示す。 〔配列番号:14〕ラットp26タンパク質の発現プラ
スミドの構築を行なうために、プラスミドpTS822
を鋳型にして翻訳領域のN末端部分のみを含むように設
計した合成プライマーを示す。 〔配列番号:15〕ラットp26タンパク質の発現プラ
スミドの構築を行なうために、プラスミドpTS822
を鋳型にして翻訳領域のN末端部分のみを含むように設
計した合成プライマーを示す。 〔配列番号:16〕pTS825を作製するために、実
施例1で得られたpTS823に挿入した合成DNAを
示す。 〔配列番号:17〕pTS825を作製するために、実
施例1で得られたpTS823に挿入した合成DNAを
示す。
【0066】後述の実施例1で得られた形質転換体エシ
ェリヒア コリ(Escherichia coli) XL1−Blue M
RF'/pTS834は、平成8年3月6日から通商産
業省工業技術院生命工学工業技術研究所(NIBH)に
寄託番号FERM BP−5448として寄託されてい
る。後述の実施例2で得られた形質転換体エシェリヒア
コリ(Escherichia coli) XL1−Blue MRF'/p
TS855は、平成8年3月6日から通商産業省工業技
術院生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託番号F
ERM BP−5449として寄託されている。後述の
実施例7で得られた形質転換体エシェリヒア コリ(Es
cherichia coli) DH10B/pTS842は、平成8
年3月6日から通商産業省工業技術院生命工学工業技術
研究所(NIBH)に寄託番号FERM BP−545
0として寄託されている。
【0067】
【実施例】以下に、参考例および実施例を挙げて本発明
をさらに具体的に説明するが、本発明はそれに限定され
るものではない。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作法
はモレキュラー・クローニング(Molecular cloning)
に記載されている方法に従った。
【0068】
【実施例1】ラットp26タンパク質をコードするcD
NAのクローニング ラット脳由来cDNAライブラリー(クローンテック
社)のλファージを大腸菌Y1090r-株に感染させ
た後、軟寒天プレート上に約3×104プラークづつま
き、42℃で一晩インキュベートしてプラークを形成さ
せた。プラークをニトロセルロースフィルター(シュラ
イヒャー・アンド・シュエル社)上に移した後、変性溶
液〔0.5N 水酸化ナトリウム, 1.5M 塩化ナトリウム〕、
中和溶液〔0.5M トリス-塩酸(pH.7.0), 1.5M 塩化ナト
リウム〕、3×SSC〔20×SSC=3M塩化ナトリウム, 0.
3M クエン酸ナトリウム〕で順次処理し、風乾後80℃
で3時間焼き付けを行ない、ファージDNAをニトロセ
ルロースフィルター上に固定した。一方、プローブとし
て、2本の合成オリゴヌクレオチド(配列番号:7、配
列番号:8)をcDNAライブラリーのスクリーニング
に用いた。プローブの標識は、まず、これらの部分的に
相補的な配列を持つ2本のオリゴヌクレオチドを70℃
で10分変性した後、70℃から室温まで徐々に温度を
下げて2本のオリゴヌクレオチドのアニーリングを行な
った。次に、〔α-32P〕dCTP(デュポン/NEN 6000C
i/mmol)、Klenow fragment(宝酒造)を用いて、1本
鎖部分の相補鎖を合成していくプライマーエクステンシ
ョン法によって標識を行ない、最終的に81merのオリ
ゴヌクレオチドプローブを得た。ハイブリダイゼーショ
ンは、標識プローブを含むハイブリダイゼーション用緩
衝液〔2×SSPE〔20×SSPE=3.6M塩化ナトリウム, 0.2M
リン酸ナトリウム(pH7.7),20mM EDTA〕、10×Denhard
t's 液、150μg/ml 熱変性サケ精子DNA、667μg/m
l 酵母RNA〕中、50℃でハイブリダイゼーションを
行なった。フィルターは最終的に2×SSC, 0.1% S
DS液中48℃で洗浄後、オートラジオグラムをとっ
て、プローブとハイブリダイゼーションするプラークを
検索した。
【0069】この方法で得られたファージクローンから
ファージDNAを抽出した後、制限酵素EcoRIで消化し
てcDNA断片を切り出し、pUC118プラスミドの
EcoRI部位に挿入してpTS819を得た。挿入されて
いるcDNA断片の塩基配列を〔α-32P〕dCTPを用
いて通常の方法で決定したところ、このcDNA断片
は、poly(A)+鎖を含む545bpから成ることがわかっ
た。しかしながら、このクロ−ンは5'領域がかけたク
ローンであると考えられたので、新たにここで得られた
cDNAの Bgl II-Eco47III の374bp断片をプロ
−ブにして、再びラット脳由来cDNAライブラリーの
スクリーニングを行なった。プローブの標識は、前述の
cDNA断片を〔α-32P〕dCTPとランダムプライマ
ーラベリングキット(アマシャム社)を用いて標識し
た。ハイブリダイゼーションは、標識プローブを含むハ
イブリダイゼーション用緩衝液〔5×SSPE、5×Denhard
t's 液、0.1% SDS、100μg/ml 熱変性サケ精子DN
A〕中、65℃でハイブリダイゼーションを行なった。
フィルターは、最終的に0.2×SSC, 0.1% SDS液
中、65℃で洗浄後、オートラジオグラムをとってプロ
ーブとハイブリダイゼーションするプラークを検索し
た。その結果、56クローンのポジティブクローンが得
られた。このうち4つのクローンについて、ファージク
ローンからファージDNAを抽出した後、pUC119
プラスミドのHincII部位に挿入して、〔α-32P〕dCT
Pを用いて通常の方法で塩基配列を決定した(pTS8
20〜pTS823)。ここで得られたcDNA断片を
つなぎ合わせてpoly(A)+鎖を含む842bpが確定し
た。
【0070】次に、さらに5'末端側の塩基配列を得る
ために、5'RACE(Rapid Amplification of cDNA E
nd)を行なった。ラット脳からグアニジンチオシアネー
ト法によってtotal RNAを分画後、このtotal RNA
をオリゴ(dT)スパンカラム(ファルマシア社)にか
けてpoly(A)+ RNAを調製した。このpoly(A)+RNA 1μg
をラットp26タンパク質cDNAに相補的なプライマ
ー1(配列番号:9)を用いて、一本鎖cDNAを合成
後、ターミナルデオキシリボヌクレオチジルトランスフ
ェラーゼ(TdT)(ギブコ社)を用いて、合成した一
本鎖cDNAの5'末端にpoly(A)を付加した。次に、制
限酵素部位に続くpoly(T)を持つアンカープライマー
(配列番号:11)と前記プライマー1(配列番号:
9)より少し5'上流側に位置するプライマー2(配列
番号:10)を用いてPCRを行なった。前出の5'R
ACEで得られた842bpからなるcDNA断片をつ
なぎ合わせて、poly(A)+鎖を含む全長875bpのcD
NA断片をpUC119のHincII-SmaI部位に組み込ん
だpTS834を得た。このプラスミドに含まれるcD
NA断片の塩基配列を決定したところ、配列番号:4で
表わされる塩基配列を有することが明らかになった〔図
1〕。このcDNAには、配列番号:1で表わされる1
81個のアミノ酸からなるラットp26タンパク質がコ
ードされており、このラットp26タンパク質は既知の
タンパク質のアミノ酸とほとんど相同性がないことがわ
かった〔図1〕。得られたpTS834を大腸菌(Esch
erichia coli)XL1−Blue MRF'に導入して、形質
転換体:大腸菌(Escherichia coli)XL1−Blue M
RF'/pTS834を得た。
【0071】
【実施例2】ヒトp26タンパク質をコードするcDN
Aのクローニング ヒト胸腺由来cDNAライブラリー(クロンテック社)
のλファージを大腸菌Y1090r-株に感染させた
後、軟寒天プレート120枚にまき、42℃で一晩イン
キュベートして約1.9×106のプラークを形成させ
た。プラークをニトロセルロースフィルター上に移した
後、変性溶液〔0.5N 水酸化ナトリウム, 1.5M 塩化ナト
リウム〕、中和溶液〔0.5M トリス-塩酸(pH7.0), 1.5
M 塩化ナトリウム〕、3×SSCで順次処理し、風乾後
80℃で3時間焼き付けを行ない、ファージDNAをニ
トロセルロースフィルター上に固定した。一方、プロー
ブとしてラットp26タンパク質をコードするcDNA
(pTS834)の NotI-Aor51HI 732bp断片をc
DNAライブラリーのスクリーニングに用いた。プロー
ブの標識は、前述のcDNA断片を〔α-32P〕dCTP
とランダムプライマーラベリングキット(アマシャム
社)を用いて標識した。ハイブリダイゼーションは、標
識プローブを含むハイブリダイゼーション用緩衝液〔0.
5M リン酸ナトリウム(pH7.4), 7% SDS, 1% BSA, 1mM
EDTA〕中、60℃でハイブリダイゼーションを行なっ
た。フィルターは、最終的に2×SSC, 0.1% SDS 液
中65℃で洗浄後、オートラジオグラムをとってプロー
ブとハイブリダイゼーションするプラークを検索した。
その結果、38クローンがポジティブであることがわか
った。
【0072】この中でもっとも長いインサートを持って
いると考えられるNo.6のファージクローンよりファ
ージDNAを抽出した後、制限酵素AluI、EcoRIで消化
してcDNA断片を切り出し、pGEM9Zf(-)プラ
スミド(プロメガ社)のSacI-EcoRI部位に挿入してpT
S855を得た。挿入されているcDNA断片の塩基配
列を〔α-32P〕dCTPを用いて通常の方法で決定した
ところ、このcDNA断片は、poly(A)+鎖を含む配列番
号:5で表わされる889個の塩基配列を有することが
わかった〔図2〕。このcDNA断片には、配列番号:
2で表わされる181個のアミノ酸からなるヒトp26
タンパク質がコードされており〔図2〕、ラットp26
タンパク質(配列番号:1)との相同性はアミノ酸レベ
ルで93%と非常によく保存されていることが分かった
〔図4〕。また、そのアミノ酸配列よりラット、ヒトお
よびマウスのp26タンパク質には、カゼイン・キナー
ゼII、プロテイン・キナーゼCのリン酸化される可能性
がある部位を複数箇所持つことがわかった〔図4〕。得
られたpTS855を大腸菌(Escherichia coli)XL
1−BlueMRF'に導入して、形質転換体:大腸菌(Esc
herichia coli)XL1−BlueMRF'/pTS855を
得た。一方、マウスのp26タンパク質をコードするc
DNAのクローニングも同様に行なった。該cDNA
は、配列番号:6で表わされる塩基配列を有しており、
該cDNAは配列番号:3で表わされる181個のアミ
ノ酸をコードしていることが分かった〔図3〕。
【0073】
【実施例3】ラット脳各部位のノザンハイブリダイゼー
ション 8周令(♀)Sprague Dawleyラット(日本Charles Rive
r)の脳の各部位、すなわちolfactory bulb(嗅球)、a
mygdala(扁桃核)、basal gangria(大脳基底核)、hi
ppocampus(海馬)、thalamus(視床)、hypothalamus
(視床下部)、cerebral cortex(大脳皮質)、medulla
(延髄)、cerebellum(小脳)、spinal cord(脊
髄)、pituitary(下垂体)からグアニジンチオシアネ
ート法によって全RNAを分画後、この全RNAをオリ
ゴ(dT)スパンカラム(ファルマシア社)にかけて、poly
(A)+RNAを調製した。このpoly(A)+RNA 5μgを1.5%
ホルマリン変性アガロースゲル電気泳動にかけた後、ナ
イロンメンブレンフィルター(日本ポール社, バイオダ
インA)にキャピラリーブロッティングにより16時間
ブロッティングした。このナイロンメンブレンフィルタ
ーを紫外線処理によりブロッティングしたRNAを固定
した後、ハイブリダイゼーション用緩衝液〔50%ホルム
アミド、5×SSPE、5×Denhardt's液、0.1% SDS、100μ
g/ml 熱変性サケ精子DNA〕中 42℃でプレハイブ
リダイゼーションを行なった。一方、プローブとしてラ
ットp26をコ−ドするcDNA(pTS834)のEc
oRI-NcoI512bpのcDNA断片を〔α-32P〕dCT
Pとランダムプライマーラベリングキット(アマシャム
社)を用いて標識した。ハイブリダイゼーションは、標
識プローブを含むハイブリダイゼーション用緩衝液〔50
% ホルムアミド、5×SSPE、5×Denhardt's液、0.1% SD
S、100μg/ml 熱変性サケ精子DNA〕中,42℃で1
6時間ハイブリダイゼーションを行なった。フィルター
は、最終的に0.1×SSC, 0.1% SDS液中、50℃で洗浄
後、オートラジオグラムをとってプローブとハイブリダ
イゼイションするバンドを検出した。その結果、脳内で
は、ラットp26mRNAの大きさは約1.1Kbで、
その発現量は海馬、大脳皮質に最も発現が多く、次い
で、嗅球、扁桃核、大脳基底核に発現が見られた。視
床、視床下部、脊髄では発現が弱かった〔図5〕。
【0074】
【実施例4】ヒト各組織のノザンハイブリダイゼーショ
ン ヒト各組織のpoly(A)+RNA(クローンテック社)2μg
を1.5% ホルマリン変性アガロースゲル電気泳動にか
けた後、ナイロンメンブレンフィルター(日本ポール
社, バイオダインB)にキャピラリーブロッティングに
より16時間ブロッティグした。このナイロンメンブレ
ンフィルターを紫外線処理によりブロッティングしたR
NAを固定した後、ハイブリダイゼーション用緩衝液
〔50% ホルムアミド、5×SSPE、5×Denhardt's液、0.1%
SDS、100μg/ml 熱変性サケ精子DNA〕中、42℃
でプレハイブリダイゼーションを行なった。一方、プロ
ーブとしてヒトp26タンパク質をコ−ドするcDNA
(pTS855)のBpu1 102I 688bpのcDNA断
片を〔α-32P〕dCTPとランダムプライマーラベリン
グキット(アマシャム社)を用いて標識した。ハイブリ
ダイゼーションは、標識プローブを含むハイブリダイゼ
ーション用緩衝液〔50% ホルムアミド、5×SSPE、5×De
nhardt's液、0.1% SDS、100μg/ml 熱変性サケ精子D
NA〕中、42℃で16時間ハイブリダイゼーションを
行なった。フィルターは、最終的に0.1×SSC, 0.1% SDS
液中、50℃で洗浄後、オートラジオグラムをとってプ
ローブとハイブリダイゼーションするバンドを検出し
た。その結果、約1.0Kbのヒトp26タンパク質を
コ−ドするmRNAは、ほとんどの組織で発現が見ら
れ、末梢血、胎児肝臓で最も多く発現が見られた〔図
6〕。
【0075】
【実施例5】ヒトゲノムDNAのサザンハイブリダイゼ
ーション ヒトゲノムDNA 8μgを各種制限酵素(EcoRI、Hind
III、BamHI、PstI、Bgl II)で切断した後、アガロース
ゲル電気泳動にかけた後、ナイロンメンブレンフィルタ
ー(日本ポール社, バイオダインB)にキャピラリーブ
ロッティングにより16時間ブロッティグした。このナ
イロンメンブレンフィルターを紫外線処理によりブロッ
ティングしたDNAを固定した後、ハイブリダイゼーシ
ョン用緩衝液〔0.5M リン酸ナトリウム(pH7.4), 7% S
DS, 1% BSA, 1mM EDTA〕中、65℃でプレハイブリダイ
ゼーションを行なった。一方、プローブとして、ヒトp
26タンパク質をコ−ドするcDNA(pTS855)
のBanII-Bpu1102I 167bpのcDNA断片を〔α-32
P〕dCTPとランダムプライマーラベリングキット
(アマシャム社)を用いて標識した。ハイブリダイゼー
ションは、標識プローブを含むハイブリダイゼーション
用緩衝液〔0.5M リン酸ナトリウム(pH7.4), 7% SDS,
1% BSA, 1mM EDTA〕中、65℃で16時間ハイブリダイ
ゼーションを行なった。フィルターは、最終的に0.1×S
SC,0.1% SDS液中、50℃で洗浄後、オートラジオグラ
ムをとってプローブとハイブリダイゼーションするバン
ドを検出した。その結果、EcoRI、HindIII、BamHI、Pst
I、Bgl IIで切断したレーンで、それぞれ一本ずつのバ
ンドが見られることから、ヒトp26遺伝子は、ハプロ
イドセル当たり1コピー存在することが明らかとなった
〔図7〕。
【0076】
【実施例6】ヒトp26遺伝子の染色体番号の決定 ヒト各種染色体を含む雑種細胞から得たDNAをBamHI
で切断し、アガロースゲル電気泳動で分離したものをあ
らかじめブロッティングして、固定してあるメンブレン
フィルターをハイブリダイゼーション用緩衝液〔0.5M
リン酸ナトリウム(pH7.4), 7% SDS, 1%BSA, 1mM EDT
A〕中、65℃でプレハイブリダイゼーションを行なっ
た。一方、プローブとしてヒトp26タンパク質をコー
ドするcDNA(pTS855)のBanII-Bpu1102I 1
67bpのcDNA断片を〔α-32P〕dCTPとランダ
ムプライマーラベリングキット(アマシャム社)を用い
て標識した。標識プローブを含むハイブリダイゼーショ
ン用緩衝液〔0.5M リン酸ナトリウム(pH7.4), 7% SD
S, 1% BSA, 1mM EDTA〕中、65℃で16時間ハイブリ
ダイゼーションを行なった。フィルターは、最終的に0.
1×SSC, 0.1% SDS 液中、50℃で洗浄後、オートラジ
オグラムをとってプローブとハイブリダイゼーションす
るバンドを検出した。その結果、男性ヒトゲノムDN
A,女性ヒトゲノムDNA,ヒト10番染色体を含む s
omatic-hybrid cell からとったDNAのレーンのみに
それぞれ一本ずつハイブリダイゼーションするバンドが
見られたことより、ヒトp26遺伝子は、10番染色体
上に存在することが明らかとなった〔図8〕。
【0077】
【実施例7】ラットp26タンパク質の大腸菌中での発
現プラスミドの構築 ラットp26タンパク質を大腸菌中で大量に発現させる
ために、まずラットp26タンパク質をβ−ガラクトシ
ダーゼとの融合タンパク質の形で発現させ、ラットp2
6タンパク質の部分のみを切り出すことを考えた。実施
例1で得たラットp26cDNA断片を含むプラスミド
pTS822を鋳型にして開始コドンのメチオニンを除
いた翻訳領域のみを含むように設計した2本のプライマ
−を用いてPCRを行なった。この際に用いたプライマ
ーのうち順方向のプライマーは、Sal I部位に続いて、
血液凝固因子Xの認識部位であるIle-Glu-Gly-Argの4
アミノ酸に相当する塩基配列を持ち、ラットp26の2
番目のアミノ酸:フェニルアラニンから10番目のアミ
ノ酸:アルギニンに相当する塩基配列を持っている50
merであり(配列番号:12)、逆方向のプライマーは
173番目のアルギニンから終始コドンTAAまでの塩基
配列のうち177番目のアルギニンのコドンAGA→CGT、
181番目のスレオニンのコドンACA→ACCとなるようにコ
ドンを改変し、また終始コドンTAA の次にもう一つの終
始コドンTGAを導入し、末端にHindIII部位を持つように
した46merである(配列番号:13)。PCRで得ら
れたDNA断片をSal I, HindIIIで二重消化した後、p
UC119のSalI-HindIII部位に導入し(pTS83
2)、PCRによって得られたDNA断片の塩基配列を
〔α-32P〕dCTPを用いて通常の方法で確認を行なっ
た。次に、この断片をlacプロモーターを持つβ−ガラ
クトシダーゼ融合タンパク発現ベクターpUR290の
Sal I-Hind III部位に導入し、β−ガラクトシダーゼ−
ラットp26タンパク質融合タンパク質の発現プラスミ
ドpTS833を得た〔図9〕。
【0078】次に、ラットp26タンパク質を大腸菌中
で直接発現させるための発現ベクターの構築を行なっ
た。実施例1で得た新規cDNA断片を含むプラスミド
pTS822を鋳型にして翻訳領域のN末端部分のみを
含むように設計した2本のプライマー用いてPCRを行
なった。この際に用いたプライマーのうち順方向のプラ
イマーはXbaI、NdeI部位(開始コドンのメチオニンに相
当する)に続いて10番目のアミノ酸:セリンにまで相
当する塩基配列を大腸菌の至適コドンに変更した43me
rであり(配列番号:14)、逆方向のプライマーは7
3番目のアラニンから82番目のアスパラギン酸に相当
する塩基配列を持つ27merである(配列番号:1
5)。ここで得られたDNA断片をXbaI, NheIで二重消
化した後、先にβ−ガラクトシダーゼ との融合タンパ
ク質を発現させる際に構築したpTS832のXbaI, Nh
eIに挿入して(pTS841)、PCRによって得られ
たDNA部分の塩基配列を〔α-32P〕dCTPを用いて
通常の方法で確認を行なった。次に、pTS841をNd
eI, HindIIIで二重消化した断片をT7プロモーターを
持つ発現ベクターpRSETBのNdeI-HindIII部位に導
入し、ラットp26タンパク質発現プラスミドpTS8
42〔図10〕を得た。
【0079】
【実施例8】ラットp26タンパク質の動物細胞中での
発現ベクターの構築 ラットp26タンパク質を動物細胞中で一過性で発現さ
せるための発現ベクターを構築した。まず、実施例1で
得たラットp26cDNA断片を含むpTS823のNo
tI部位から上流領域を制限酵素XbaI、 NotIで二重消化
し、この部分に翻訳開始コドンのATGの直前にXbaI、Hin
dIII、SfiIの制限酵素部位がくるようにした合成DNA
(配列番号:16および17)を導入し、pTS825
を得た。このpTS825を制限酵素HindIII、Aor51HI
で二重消化し、得られた780bp断片をpcDNAの
HindIII、EcoRI部位に導入し、動物細胞中の一過性発現
ベクターpTS829を得た。
【0080】
【実施例9】β-ガラクトシダ−ゼ-ラットp26融合タ
ンパク質を発現している大腸菌からの組換え体ラットp
26タンパク質の精製およびそのタンパク質を用いた抗
ラットp26タンパク質抗体の作製 実施例7で得たβ−ガラクトシダーゼ−ラットp26融
合タンパク発現プラスミドpTS833を用いて形質転
換した大腸菌(Escherichia coli)JM109株を50
μg/mlのビクシリン(明治製菓)を含むLB培地中で
37℃で培養し、O.D.600≒0.6となったところで、イソ
プロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPT
G)1mM(最終濃度)を加えて発現を誘導し、さらに
6時間培養を続けた後、菌体を集菌した。この菌体をリ
ゾチ−ム、超音波で破砕した後、超遠心をかけて可溶画
分を得た。この可溶画分を抗β−ガラクトシダーゼ モ
ノクローナル抗体カラム(プロメガ社)にかけ、β−ガ
ラクトシダーゼ−ラットp26融合タンパク質を精製し
た。次に、精製したβ-ガラクトシダーゼ−ラットp2
6融合タンパク質を活性型血液凝固因子X(ニューイン
グランドバイオラブ社)で処理して、ラットp26タン
パク質を切り出した。切り出されたラットp26タンパ
ク質は、順次、陽イオン交換カラム(S-sepharose FF ;
ファルマシア)、疎水性カラム(Phenyl-superose ;
ファルマシア社)、ハイドロキシアパタイトカラム(三
井東圧化学)、陽イオン交換カラム(MONO S ; ファル
マシア社)を用いて、SDS-PAGE/クマシーブリリアント
ブルー染色でほぼ単一にまで精製した〔図11〕。
【0081】ここで得られた組み換え体ラットp26タ
ンパク質をニュージーランドホワイトラビット(北山ラ
ベス社)に免疫して、抗ラットp26タンパク質血清を
作製した。免疫は一回目は50μgの組み換え体ラット
p26タンパク質をフロイント完全アジュバント(ディ
フコ社)と混合して、2回目から5回目までは50μg
の組み換え体ラットp26タンパク質をフロイント不完
全アジュバント(ディフコ社)と混合して、皮下注射を
行うことにより計5回行なった。得られた抗血清を用い
てβ−ガラクトシダーゼ−ラットp26融合タンパク
質、融合タンパク質から活性型血液凝固因子X(ニュー
イングランドバイオラブ社)で切り出した後、精製を行
なったラットp26タンパク質および大腸菌中で直接発
現系で発現させたラットp26タンパク質に対してウエ
スタンブロッティングを行なったところ、得られた抗血
清はこれらのタンパク質を特異的に認識することがわか
った〔図12〕。ウエスタンブロッティングは、まずサ
ンプルバッファーに懸濁した試料をSDS-PAGEに
かけ、セミドライブロットシステム(バイオメトラ社)
によりPVDFメンブレン(Trans-Blot Transfer Memb
rane,バイオラド社)に転写した。このメンブレンを5%
BSAでブロッキングを行ない、200倍稀釈した抗血清
で処理した後、金コロイド染色(アマシャム社)により
発色を行なった。β-ガラクトシダーゼ−ラットp26
融合タンパク質から精製したラットp26タンパク質と
大腸菌中で直接発現系で発現させたラットp26タンパ
ク質の分子量に差が見られるのは、大腸菌中の直接発現
系で発現させたラットp26タンパク質の開始コドンメ
チオニンの付加によるものと考えられる。
【0082】
【実施例10】直接発現系で大腸菌中で発現させた組換
え体ラットp26タンパク質の精製およびそのタンパク
質を用いた抗ラットp26タンパク質抗体の作製 実施例7で得たラットp26タンパク質発現プラスミド
pTS842を用いて形質転換した大腸菌(Escherichi
a coli)BL21(DE3)/pLysS株を1.0M ソ
ルビトール(和光純薬)、2.5mM ベタイン(和光純
薬)、50μg/mlのビクシリン(明治製菓)、25μg/
mlをクロラムフェニコール(和光純薬)含むLB培地中
で20℃で培養し、O.D.600≒0.6となったところで、IP
TG 0.4mM(最終濃度)を加えて発現を誘導した。発現誘
導後、さらに4時間培養を続けた後、菌体を集菌し、50
mM MES(pH6.0), 10mM EDTA, 1mM APMSFを含むバッフ
ァーに懸濁した。この懸濁液を凍結融解、超音波破砕を
行なって菌体を破砕した後、超遠心を行なって可溶画分
を調製した。ここで得られた可溶画分を順次、陽イオン
交換カラム(SP-sepharose FF;ファルマシア)、疎水
性カラム(Phenyl-Sepharose HP ; ファルマシア)、フ
ルオロアパタイトカラム(ペンタックス社)) 、陽イ
オン交換カラム(MONO S;ファルマシア)用いて、組み
換え体ラットp26タンパク質をSDS-PAGE/クマシーブ
リリアントブルー染色でほぼ単一にまで精製した〔図1
3〕。精製した組み換え体ラットp26タンパク質のN
末端のアミノ酸配列、および組換え体ラットp26タン
パク質を種々のエンドペプチダーゼ(例、臭化シアンな
ど)で切断して得られたフラグメントペプチドのアミノ
酸配列を質量分析法とエドマン分解配列分析法を組み合
わせて決定したところ、DNAから予想されるアミノ酸
配列と全く同一であった。
【0083】ここで得られた組み換え体ラットp26タ
ンパク質をニュージーランドホワイトラビット(北山ラ
ベス)に免疫して、抗ラットp26タンパク質血清を作
製した。免疫は一回目は200μgの組み換え体ラット
p26タンパク質をフロイント完全アジュバントと混合
して、2回目から5回目までは100μgの組み換え体
ラットp26タンパク質をフロイント不完全アジュバン
トと混合して、皮下注射を行うことにより計5回行っ
た。この抗血清を抗原カラム(組み換え体ラットp26
タンパク質を結合させた CNBr-Sepharose CL-4B(ファ
ルマシア社))を用いて精製し、抗原特異的な抗ラット
p26タンパク質抗体を精製した。この精製抗体と免疫
前にうさぎから採取した血清を用いて、実施例5で得た
pTS829およびpcDNAをトランスフェクション
したCOS-7細胞に対してウエスタンブロッティング
を行なった。その結果、pTS829をトランスフェク
ションしたCOS-7細胞に対して、精製した抗ラット
p26タンパク質抗体を用いたときのみ、約26kDa
のところに特異的なバンドが得られ、この抗体は特異的
にラットp26タンパク質を認識することがわかった
〔図14〕。そこで、この抗体を用いて8周令 Sprague
Dawley ラット(日本チャールズリバー社)の組織にお
けるp26タンパク質の分布を見るためにウエスタンブ
ロッティングを行なったところ、おもに海馬、胸腺、脾
臓でp26タンパク質の発現が確認された〔図15〕。
ウエスタンブロッティングは、まずサンプルバッファー
に懸濁した試料をSDS-PAGEにかけ、セミドライブロット
システム(バイオメトラ社)によりニトロセルロースメ
ンブレン(シュライヒャー・アンド・シュエル社)に転
写した。このメンブレンを5% BSAでブロッキングを行な
い、200倍稀釈した抗血清で処理した後、ECL ウエス
タンブロッティングシステム(アマシャム社)により検
出を行なった。
【0084】
【実施例11】p26タンパク質を発現しているヒト培
養細胞の探索 p26タンパク質の機能を調べる上で必要なヒト培養細
胞の探索を実施例10で得た抗p26抗体を用いてウエ
スタンブッロッティングを行なって調べた。実施例10
と同様の方法で種々の血球系、グリア系の細胞について
ウエスタンブッロッティングを行なった結果、血球系の
細胞のうちHL-60、THP-1での発現は少なく、ヒ
トT細胞白血病細胞(MOLT-4, Jurkat, CCRF-HSB-2, H
9)に顕著なp26タンパク質の発現が観察された〔図
16〕。次に、この抗体を用いてヒトT細胞白血病細胞
Jurkatからヒトp26タンパク質を免疫沈降することを
試みた。RPMI 1640 培地+10% FBS培地(ハイクロン
社)でコンフルエント(約2.4×106cell/ml)にまで培
養したヒトT細胞白血病細胞Jurkatを前日に、70%コ
ンフルエントになるように同じ培地で継代した。次の
日、細胞をメチオニンを含まないRPMI1640培地で洗った
後、メチオニンを含まないRPMI1640培地+10% 透析FBS
(ハイクロン社)に培地交換した後、6-wellプレ−ト
にまき、〔35S〕−メチオニン(アマシャム社,10mCi/m
l)を最終濃度100μCi/mlとなるように加え、CO2 in
cubatorで3時間培養した。メタボリックラベルされた
細胞をPBSで洗浄した後、TSEバッファー〔50mM
トリス-塩酸(pH8.0)、0.1% Softes-12(ライオン
社)、1mM EDTA、150mM 塩化ナトリウム〕に溶解した。
これを遠心して得られた上清に実施例10で得た抗p2
6精製抗体を結合させたProtein A-Sepharose CL-4B、
もしくは免疫前の抗体を結合させたProtein A- Sepharo
se CL-4B加え、4℃、2時間反応させた。そして、それ
ぞれの抗体を結合させたProtein A-Sepharose CL-4Bを
TSEバッファーで洗浄した後、サンプルバッファーに
懸濁し、SDS-PAGEにかけた。泳動後、ゲルを乾
燥させ、BAS2000(富士フィルム)を用いてオートラジ
オグラムをとった。その結果、抗ラットp26精製抗体
を結合させたProtein A-Sepharose CL-4Bのレーンのみ
約26kDaのところに特異的にバンドが得られ、この
抗体は特異的にヒトp26タンパク質を免疫沈降できる
ことがわかった〔図17〕。
【0085】
【実施例12】p26タンパク質の細胞内局在 ヒトT細胞白血病細胞Jurkat4×107細胞を0.25M
しょ糖(和光純薬)を含む低濃度バッファー〔10mM MES
(pH6.0), 1mM EDTA〕でホモジナイズし、段階的な遠心
を行なって、細胞内小器官を5段階分画した各画分を実
施例10と同様の方法でウエスタンブロットを行なった
ところ、p26タンパク質は細胞質に局在することが確
認された〔図18〕。
【0086】
【実施例13】p26タンパク質の in vitro りん酸化 リン酸化されると推定されるアミノ酸部位を持つp26
タンパク質が細胞内で実際にリン酸化されているかどう
か調べるために、ヒトT細胞白血病細胞Jurkat細胞を〔
32P〕-オルトリン酸でメタボリックラベルし、抗ラット
p26タンパク質抗体を用いて免疫沈降を行なった。RP
MI 1640培地+10% FBS培地(ハイクロン社)でコンフル
エント(約2.4×106cell/ml)にまで培養したヒトT細
胞白血病細胞Jurkatを前日に、7.0%コンフルエント
になるように同じ培地で継代する。次の日、細胞をリン
酸を含まないRPMI1640培地で洗った後、リン酸を含まな
いRPMI1640培地+10% 透析FBS(ハイクロン社)に培地
交換した後、6-wellプレ−トにまき、〔32P〕-オルソ
リン酸(デュポン/NEN, 150mCi/ml)を最終濃度1mCi/m
lとなるように加え、CO2インキュベーターで4時間培養
した。Phorbol 12-Myristate 13-Acetate(TPA)
(和光純薬)を加えて細胞を刺激する場合は、〔32P〕-
オルソリン酸を加えて2時間培養後に、最終濃度10n
g/mlとなるようにTPAを加え、さらに2時間培養を
続けた。メタボリックラベルされた細胞をPBSで洗浄し
た後、TSEバッファー〔50mM トリス-塩酸(pH8.0)、0.
1% Softes-12(ライオン)、1mM EDTA、150mM 塩化ナト
リウム〕に溶解した。これを遠心して得られた上清に実
施例10で得た抗ラットp26精製抗体を結合させたpr
oteinA-Sepharose CL-4Bを加え、4℃、2時間反応させ
た。そして、抗ラットp26精製抗体を結合させたProt
ein A-Sepharose CL-4BをTSEバッファーで洗浄した後、
サンプルバッファ−に懸濁し、SDS-PAGEにかけた。泳動
後、ゲルを乾燥させ、BAS2000(富士フィルム)を用い
てオートラジオグラムをとった。その結果、ヒトT細胞
白血病細胞Jurkatでは、p26タンパク質は、無刺激の
状態でもリン酸化されていることが判明した。また、T
PA刺激によって、さらにリン酸化が進むことから、p
26タンパク質はプロテインキナーゼCによってリン酸
化されていることが分かった〔図19〕。
【0087】
【実施例14】ラットp26タンパク質発現の肝臓にお
ける加齢変化 ラットp26タンパク質発現の肝臓における加齢変化を
見るために、ノザンブロッティングとウエスタンブロッ
ティングを行なって、p26タンパク質をコードするm
RNAの変化と、p26タンパク質の両方の変化を見
た。まず、Sprague Dawleyラット(日本チャールズリバ
ー社)の17.5日胎児、新生児、生後2周令、8周令
の肝臓からグアニジンチオシアネート法によって、全R
NAを分画後、この全RNAをオリゴ(dT)スパンカラ
ム(ファルマシア社)にかけてpoly(A)+RNAを調製し
た。このpoly(A)+RNA2μgを 1.5% ホルマリン変性ア
ガロ−スゲル電気泳動にかけた後、ナイロンメンブレン
フィルター(日本ポール社、バイオダインB)にキャピ
ラリーブロッティングにより16時間ブロッティングし
た。このナイロンメンブレンフィルターを紫外線処理に
よりブロッティングしたRNAを固定した後、ハイブリ
ダイゼーション用緩衝液〔50% ホルムアミド、5×SSP
E、5×Denhardt's液、0.1% SDS、100μg/ml 熱変性サ
ケ精子DNA〕中、42℃でプレハイブリダイゼーショ
ンを行なった。プローブとして、ラットp26をコード
するcDNA(pTS834)の SacII-Aor51HI 77
5bpのcDNA断片を〔α-32P〕dCTPとランダム
プライマ-ラベリングキット(アマシャム社)を用いて
標識した。ハイブリダイゼーションは、標識プローブを
含むハイブリダイゼーション用緩衝液〔50% ホルムアミ
ド、5×SSPE、5×Denhardt's液、0.1% SDS、100μg/ml
熱変性サケ精子DNA〕中、42℃で16時間ハイブ
リダイゼーションを行なった。フィルターは、最終的に
0.1×SSC, 0.1% SDS液中、60℃で洗浄後、オートラジ
オグラムをとってプローブとハイブリダイゼーションす
るバンドを検出した。その結果、p26タンパク質をコ
ードするmRNAは、17.5日胎児で最も多く発現し
ており、発生とともに発現量は徐々に減少し、生後2周
令、8周令ではごくわずかに発現が見られるだけであっ
た〔図20〕。次に、同じラットの肝臓を経時的に摘出
し、クマシーブリリアントブルー染色および実施例10
に記載した方法と同様の方法で抗ラットp26タンパク
質抗体を用いてウエスタンブロットを行ない、タンパク
量の変化を見た。その結果、p26タンパク質の量は加
齢とともに減少してきており、8周令の肝臓ではほとん
ど発現は認められなかった〔図21〕。これは、ノザン
ブロット解析によるp26タンパク質をコードするmR
NAの発現パターンとも相関し、肝臓が造血器官として
機能している胎児期にp26タンパク質が多く発現して
いることが示された。
【0088】
【実施例15】ラットp26タンパク質のカゼインキナ
ーゼIIによるin vitroリン酸化 リン酸化されると推定されるアミノ酸部位を持つp26
タンパク質がカゼインキナーゼIIによってリン酸化され
ているかどうか確認するために、in vitroでカゼインキ
ナーゼIIによるリン酸化を調べた。実施例10で得た組
換えラットp26タンパク質238pmolに100n
M ATP、6.66pmol〔γ-32P〕ATP(Dupon
t/NEN,3000Ci/mmol,10mCi/ml)、組換えカゼインキナ
ーゼII1000units(New England Biolabs(英国))
を加え、20mM Tris(pH7.5)、50mM
KCl、10mM MgCl2液中で、それぞれ0.1,
2.5,10,30,60,120分間、30℃で反応
させた。反応は、サンプル緩衝液に懸濁することによっ
て停止させ、この反応液をSDS−PAGEにかけた。
泳動後、クマシーブリリアントブルー染色して各レーン
にほぼ等量のp26タンパク質がのっていることを確認
した後、ゲルを乾燥させ、オートラジオグラムをとって
p26タンパク質のリン酸化を確認した。その結果、
〔図22〕に示したとおり、反応時間が経過するごとに
オートラジオグラムのバンドが濃くなっていることか
ら、ラットp26タンパク質はin vitroでカゼインキナ
ーゼIIの基質となることがわかった。
【0089】
【発明の効果】本発明のp26タンパク質は、プロテイ
ンキナーゼを促進もしくは阻害する活性や脱リン酸化酵
素を阻害する活性を有する化合物またはその塩をスクリ
ーニングするための試薬として有用である。また、本発
明のp26タンパク質およびそれをコードするDNA
は、例えば、再生不良性貧血、急性骨髄性白血病、T細
胞白血病などの造血系に関与する疾病の予防・治療剤と
して有用である。さらに、本発明のp26タンパク質に
対する抗体は、p26タンパク質を特異的に認識するこ
とができるので、被検液中のp26タンパク質の定量な
どに使用することができる。
【0090】
【配列表】
【配列番号:1】 配列の長さ:181 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Phe Thr Arg Ala Val Ser Arg Leu Ser Arg Lys Arg Pro Pro Ser 1 5 10 15 Asp Ile His Asp Gly Asp Gly Ser Ser Ser Ser Gly His Gln Ser Leu 20 25 30 Lys Ser Thr Ala Lys Trp Ala Ser Ser Leu Glu Asn Leu Leu Glu Asp 35 40 45 Pro Glu Gly Val Lys Arg Phe Arg Glu Phe Leu Lys Lys Glu Phe Ser 50 55 60 Glu Glu Asn Val Leu Phe Trp Leu Ala Cys Glu Asp Phe Lys Lys Thr 65 70 75 80 Glu Asp Lys Lys Gln Met Gln Glu Lys Ala Lys Lys Ile Tyr Met Thr 85 90 95 Phe Leu Ser Asn Lys Ala Ser Ser Gln Val Asn Val Glu Gly Gln Ser 100 105 110 Arg Leu Thr Glu Lys Ile Leu Glu Glu Pro His Pro Leu Met Phe Gln 115 120 125 Lys Leu Gln Asp Gln Ile Phe Asn Leu Met Lys Tyr Asp Ser Tyr Ser 130 135 140 Arg Phe Leu Lys Ser Asp Leu Phe Leu Lys His Arg Arg Thr Glu Glu 145 150 155 160 Glu Glu Glu Asp Pro Pro Asp Ala Gln Thr Ala Ala Lys Arg Ala Ser 165 170 175 Arg Ile Tyr Asn Thr 180
【0091】
【配列番号:2】 配列の長さ:181 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Phe Asn Arg Ala Val Ser Arg Leu Ser Arg Lys Arg Pro Pro Ser 1 5 10 15 Asp Ile His Asp Ser Asp Gly Ser Ser Ser Ser Ser His Gln Ser Leu 20 25 30 Lys Ser Thr Ala Lys Trp Ala Ala Ser Leu Glu Asn Leu Leu Glu Asp 35 40 45 Pro Glu Gly Val Lys Arg Phe Arg Glu Phe Leu Lys Lys Glu Phe Ser 50 55 60 Glu Glu Asn Val Leu Phe Trp Leu Ala Cys Glu Asp Phe Lys Lys Met 65 70 75 80 Gln Asp Lys Thr Gln Met Gln Glu Lys Ala Lys Glu Ile Tyr Met Thr 85 90 95 Phe Leu Ser Ser Lys Ala Ser Ser Gln Val Asn Val Glu Gly Gln Ser 100 105 110 Arg Leu Asn Glu Lys Ile Leu Glu Glu Pro His Pro Leu Met Phe Gln 115 120 125 Lys Leu Gln Asp Gln Ile Phe Asn Leu Met Lys Tyr Asp Ser Tyr Ser 130 135 140 Arg Phe Leu Lys Ser Asp Leu Phe Leu Lys His Lys Arg Thr Glu Glu 145 150 155 160 Glu Glu Glu Asp Leu Pro Asp Ala Gln Thr Ala Ala Lys Arg Ala Ser 165 170 175 Arg Ile Tyr Asn Thr 180
【0092】
【配列番号:3】 配列の長さ:181 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Phe Thr Arg Ala Val Ser Arg Leu Ser Arg Lys Arg Pro Pro Ser 1 5 10 15 Asp Ile His Asp Gly Asp Gly Ser Ser Ser Ser Gly His Gln Ser Leu 20 25 30 Lys Ser Thr Ala Lys Trp Ala Ser Ser Leu Glu Asn Leu Leu Glu Asp 35 40 45 Pro Glu Gly Val Gln Arg Phe Arg Glu Phe Leu Lys Lys Glu Phe Ser 50 55 60 Glu Glu Asn Val Leu Phe Trp Leu Ala Cys Glu Asp Phe Lys Lys Thr 65 70 75 80 Glu Asp Arg Lys Gln Met Gln Glu Lys Ala Lys Lys Ile Tyr Met Thr 85 90 95 Phe Leu Ser Asn Lys Ala Ser Ser Gln Val Asn Val Glu Gly Gln Ser 100 105 110 Arg Leu Thr Glu Lys Ile Leu Glu Glu Pro His Pro Leu Met Phe Gln 115 120 125 Lys Leu Gln Asp Gln Ile Phe Asn Leu Met Lys Tyr Asp Ser Tyr Ser 130 135 140 Arg Phe Leu Lys Ser Asp Leu Phe Leu Lys Pro Arg Arg Thr Glu Glu 145 150 155 160 Glu Glu Glu Glu Pro Pro Asp Ala Gln Thr Ala Ala Lys Arg Ala Ser 165 170 175 Arg Ile Tyr Asn Thr 180
【0093】
【配列番号:4】 配列の長さ:543 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 ATGTTCACCC GCGCCGTGAG CCGACTGAGC AGGAAGCGGC CGCCGTCTGA TATCCACGAC 60 GGCGATGGGA GCTCAAGCAG CGGCCACCAG AGCCTCAAGA GCACAGCCAA GTGGGCGTCC 120 TCCCTGGAGA ATCTTCTGGA AGATCCAGAG GGCGTGAAGA GATTCAGGGA ATTTCTGAAA 180 AAGGAATTCA GTGAGGAAAA CGTCTTGTTT TGGCTAGCGT GTGAAGATTT CAAGAAAACG 240 GAGGACAAGA AGCAGATGCA GGAAAAGGCC AAGAAGATCT ACATGACCTT CCTGTCCAAT 300 AAGGCCTCTT CACAAGTCAA TGTGGAGGGG CAGTCTCGGC TCACTGAAAA GATTCTGGAA 360 GAACCACACC CTCTGATGTT CCAAAAGCTC CAGGACCAGA TCTTCAATCT CATGAAGTAT 420 GACAGCTACA GCCGCTTCTT GAAGTCTGAC TTGTTTCTGA AGCACCGGCG GACTGAGGAA 480 GAGGAAGAGG ATCCTCCGGA CGCTCAAACT GCAGCTAAGC GAGCTTCCAG AATCTACAAC 540 ACA 543
【0094】
【配列番号:5】 配列の長さ:543 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 ATGTTCAACC GCGCCGTGAG CCGGCTGAGC AGGAAGCGGC CGCCGTCAGA CATCCACGAC 60 AGCGATGGCA GTTCCAGCAG CAGCCACCAG AGCCTCAAGA GCACAGCCAA ATGGGCGGCA 120 TCCCTGGAGA ATCTGCTGGA AGACCCAGAA GGCGTGAAAA GATTTAGGGA ATTTTTAAAA 180 AAGGAATTCA GTGAAGAAAA TGTTTTGTTT TGGCTAGCAT GTGAAGATTT TAAGAAAATG 240 CAAGATAAGA CGCAGATGCA GGAAAAGGCA AAGGAGATCT ACATGACCTT TCTGTCCAGC 300 AAGGCCTCAT CACAGGTCAA CGTGGAGGGG CAGTCTCGGC TCAACGAGAA GATCCTGGAA 360 GAACCGCACC CTCTGATGTT CCAGAAACTC CAGGACCAGA TCTTTAATCT CATGAAGTAC 420 GACAGCTACA GCCGCTTCTT AAAGTCTGAC TTGTTTTTAA AACACAAGCG AACCGAGGAA 480 GAGGAAGAAG ATTTGCCTGA TGCTCAAACT GCAGCTAAAA GAGCTTCCAG AATTTATAAC 540 ACA 543
【0095】
【配列番号:6】 配列の長さ:543 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 ATGTTCACCC GCGCCGTGAG CCGACTGAGC AGGAAGCGGC CGCCGTCTGA TATCCATGAC 60 GGAGATGGGA GCTCAAGCAG CGGCCACCAG AGCCTTAAGA GCACAGCCAA GTGGGCATCC 120 TCCCTGGAGA ATCTTCTGGA AGACCCAGAA GGGGTGCAGA GATTCAGGGA GTTTCTGAAG 180 AAGGAATTCA GCGAAGAGAA TGTCTTGTTT TGGCTAGCGT GTGAAGATTT CAAGAAAACG 240 GAGGACAGGA AGCAGATGCA GGAAAAGGCC AAGGAGATCT ACATGACCTT CCTGTCCAAT 300 AAGGCCTCTT CACAAGTCAA CGTGGAGGGG CAGTCTCGGC TCACTGAAAA GATTCTGGAA 360 GAGCCACACC CTCTGATGTT CCAAAAGCTC CAGGACCAGA TCTTCAATCT CATGAAGTAT 420 GACAGCTACA GCCGCTTCTT GAAGTCTGAC TTGTTTCTGA AACCCAAGCG AACTGAGGAA 480 GAGGAAGAAG AGCCCCCGGA TGCTCAGACC GCAGCTAAGC GAGCCTCCAG AATTTACAAC 540 ACA 543
【0096】
【配列番号:7】 配列の長さ:51 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CACTCGGACG GCATCTTCAC TGACAGCTAC AGCCGCTACC GGAAGCAAAT G 51
【0097】
【配列番号:8】 配列の長さ:51 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TAGGACAGCC GCCAAGTATT TCTTAACAGC CATTTGCTTC CGGTAGCGGC T 51
【0098】
【配列番号:9】 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 AGATTCTCCA GGGAGGACGC CCAC 24
【0099】
【配列番号:10】 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CTGTGCTCTT GAGGCTCTGG TGGC 24
【0100】
【配列番号:11】 配列の長さ:37 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CTGACTCGAG GTCGACAAGC TTTTTTTTTT TTTTTTT 37
【0101】
【配列番号:12】 配列の長さ:50 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 ATCCGTCGAC CATCGAAGGT CGTTTCACCC GCGCTGTGAG CCGACTGAGC 50
【0102】
【配列番号:13】 配列の長さ:46 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GCGAGCTTCC CGTATCTACA ACACCTAATG ATC
ATAAGCT TGGGAC 46
【0103】
【配列番号:14】 配列の長さ:43 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CTGGTCTAGA CATATGTTTA CCCGCGCTGT GAG
CCGTCTG AGC 43
【0104】
【配列番号:15】 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GCGTGTGAAG ATTTCAAGAA AACGGAGGAC 30
【0105】
【配列番号:16】 配列の長さ:63 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CTAGAAAGCT TACGGCCAAG TCGGCCATGT TCA
CCCGCGC CGTGAGCCGA CTGAGCAGGA 60 AGC
63
【0106】
【配列番号:17】 配列の長さ:63 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GGCCGCTTCC TGCTCAGTCG GCTCACGGCG CGG
GTGAACA TGGCCGACTT GGCCGTAAGC 60 TTT
63
【0107】
【図面の簡単な説明】
【図1】ラットp26タンパク質をコードするDNAの
塩基配列とそれにコードされるラットp26タンパク質
のアミノ酸配列を示す。
【図2】ヒトp26タンパク質をコードするDNAの塩
基配列とそれにコードされるヒトp26タンパク質のア
ミノ酸配列を示す。
【図3】マウスp26タンパク質をコードするDNAの
塩基配列とそれにコードされるヒトp26タンパク質の
アミノ酸配列を示す。
【図4】ヒトp26タンパク質(HUMAN p26)、ラット
p26タンパク質(RAT p26)およびマウスp26タン
パク質(MOUSE p26)のアミノ酸配列の比較表を示す。
影になっている所は相同なアミノ酸であることを示す。
【図5】ラットp26タンパク質をコードするmRNA
のラット脳の各部位における発現量をノザンハイブリダ
イゼーションで調べた結果を示す。Olfactory bulbは嗅
球を、Amygdalaは扁桃核を、Basal gangriaは大脳基底
核を、Hippocampusは海馬を、Thalamusは視床を、Hypot
halamusは視床下部を、Cerebral cortexは大脳皮質を、
Medullaは延髄を、Cerebellumは小脳を、Spinal cordは
脊髄を、Pituitaryは下垂体を示す。左側の数字(k
b)はRNA分子量マーカーの大きさを示す。G3PD
Hは内部マーカーとしてとったグリセルアルデヒド3−
リン酸デヒドロゲナーゼのハイブリダイゼーションのパ
ターンを示す。
【図6】ヒトp26タンパク質をコードするmRNAの
ヒトの各組織における発現量をノザンハイブリダイゼー
ションで調べた結果を示す。Heartは心臓を、Brainは脳
を、Placentaは胎盤を、Lungは肺を、Liverは肝臓を、S
keltal Muscleは骨格筋を、Kindneyは腎臓を、Pancreas
は膵臓を、Spleenは脾臓を、Thymusは胸腺を、Prostate
は前立腺を、Testisは精巣を、Ovaryは卵巣、Small Int
estineは小腸を、Colonは大腸を、Peripheral Bloodは
末梢血を、Fetal Heartは胎児心臓を、Fetal Brainは胎
児脳を、Fetal Lungは胎児肺を、Fetal Liverは胎児肝
臓を、Fetal Kindneyは胎児腎臓を示す。左側の数字
(kb)はRNA分子量マーカーの大きさを示す。
【図7】ヒトゲノムDNAとヒトp26タンパク質をコ
ードするcDNA断片を用いてサザンハイブリダイゼー
ションを行なった結果を示す。各レーンは、ヒトゲノム
DNAを切断した制限酵素の種類を示す。左側の数字
(kbp)はDNA分子量マーカーの大きさを示す。
【図8】ヒトp26タンパク質をコードするcDNA断
片を用いて、ヒトの各種染色体を有する雑種細胞から得
たDNAに対してサザンハイブリダイゼーションを行な
い、ヒトp26遺伝子が存在する染色体番号を決定した
結果を示す。Malehuman genomic DNAは女性ヒトゲノム
DNAを、Male human genomic DNAは男性ヒトゲノムD
NAを、Mouse genomic DNAマウスゲノムDNAを、Ham
ster genomic DNAはハムスターゲノムDNAを、chromo
some1は1番染色体を、chromosome2は2番染色体を、
chromosome3は3番染色体を、chromosome4は4番染色
体を、chromosome5は5番染色体を、chromosome6は6
番染色体を、chromosome7は7番染色体を、chromosome
8は8番染色体を、chromosome9は9番染色体を、chro
mosome10は10番染色体を、chromosome11は11番
染色体を、chromosome12は12番染色体を、chromoso
me13は13番染色体を、chromosome14は14番染色
体を、chromosome15は15番染色体を、chromosome1
6は16番染色体を、chromosome17は17番染色体
を、chromosome18は18番染色体を、chromosome19
は19番染色体を、chromosome20は20番染色体を、
chromosome21は21番染色体を、chromosome22は2
2番染色体を、chromosomeXはX染色体を、chromosome
YはY染色体を示す。左側の数字(kb)は分子量マー
カーの大きさを示す。
【図9】β−ガラクトシダーゼ−ラットp26融合タン
パク質の発現プラスミドpTS833の構築図を示す。
lacZはβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を、Rat p
26はラットp26タンパク質DNAを、lac promoter
はlacプロモーターを、Amprはアンピシリン耐性遺伝
子を示す。
【図10】ラットp26タンパク質の発現プラスミドp
TS842の構築図を示す。Rat p26はラットp
26タンパク質DNAを、T7 promoterはT7プロモー
ターを、Amprはアンピシリン耐性遺伝子を示す。
【図11】実施例9で得られたラットp26タンパク質
の各精製段階におけるSDS−PAGE/クマシーブリ
リアントブルー染色の結果を示す。横軸は各精製段階に
おけるタンパク質画分を、縦軸はタンパク質の分子量マ
ーカーの大きさをKDaで示す。矢印はラットp26タ
ンパク質のバンドを示す。
【図12】実施例9で得られた抗ラットp26タンパク
質血清を用いて、大腸菌で発現させた種々のラットp2
6タンパク質に対してウエスタンブロティングを行なっ
た結果を示す。CBBR stainはクマシーブリリアント
ブルー染色の結果を、Immunoblotはウエスタンブロティ
ングの結果を示す。左側の数字(KDa)はタンパク質
の分子量マーカーの大きさを示す。
【図13】実施例10で得られたラットp26タンパク
質の各精製段階におけるSDS−PAGE/クマシーブ
リリアントブルー染色の結果を示す。横軸は各精製段階
におけるタンパク質画分を、縦軸はタンパク質の分子量
マーカーの大きさを示す。矢印はラットp26タンパク
質のバンドを示す。
【図14】実施例10で得られた抗ラットp26タンパ
ク質抗体が、ウエスタンブロッティングにおいて、CO
S−7細胞に発現したラットp26タンパク質を特異的
に認識することを示す。COS−7/pcDNAIはp
cDNAIをトランスフェクトしたCOS−7細胞を、
COS−7/pTS829はpTS829をトランスフ
ェクトしたCOS−7細胞を示す。Pre-immuneは免疫沈
降前の試料を、immuneは免疫沈降後の試料を示す。左側
の数字(KDa)はタンパク質の分子量マーカーを示
す。
【図15】実施例10で得られた抗ラットp26タンパ
ク質抗体を用いて、ラットの各組織におけるp26タン
パク質の分布を調べた結果を示す。brainは脳を、hippo
campusは海馬を、thymusは胸腺を、spleenは脾臓を、li
verは肝臓を、testisは精巣を示す。左側の数字(KD
a)はタンパク質の分子量マーカーを示す。
【図16】実施例10で得られた抗ラットp26タンパ
ク質抗体を用いて、ヒトの各種細胞におけるp26タン
パク質の分布を調べた結果を示す。横軸は細胞の種類
を、縦軸はタンパク質の分子量を示す。MOLT-4、Jurka
t、CCRF-HSB-2、H9、HL-60、THP-1、MEG-01、U251、KNS
42はそれぞれヒト細胞株を示す。
【図17】実施例10で得られた抗ラットp26タンパ
ク質抗体を用いて、〔35S〕メチオニンでラベルしたヒ
トT細胞白血病細胞Jurkatからp26タンパク質を免疫
沈降させた結果を示す。Pre-immuneは免疫沈降前の試料
を、immuneは免疫沈降後の試料を示す。左側の数字(K
Da)はタンパク質の分子量マーカーの大きさを示す。
【図18】実施例10で得られた抗ラットp26タンパ
ク質抗体を用いて、p26タンパク質の細胞内における
局在性を調べた結果を示す。レーン1はヒトT細胞白血
病細胞の全タンパク質(whole cell)を、レーン2はヒ
トT細胞白血病細胞のホモジネート画分(homogenate)
を、レーン3はヒトT細胞白血病細胞のホモジネート画
分を900gで遠心した沈降画分(900g pellet(nucl
i))、レーン4はヒトT細胞白血病細胞のホモジネート
画分を5000gで遠心した沈降画分(5000g pellet(m
itochondria))、レーン5はヒトT細胞白血病細胞のホ
モジネート画分を8000gで遠心した沈降画分(8000
g pellet(lysosome))、レーン6はヒトT細胞白血病細
胞のホモジネート画分を10000gで遠心した沈降画
分(10000g pellet(Microsome))、レーン7はヒトT細
胞白血病細胞のホモジネート画分を10000gで遠心
した上清画分(10000g SUP(cytosol))を示す。
【図19】ヒトT細胞白血病細胞JurkatをTPA(Phor
bol 12-Myristate 13-Acetate)で刺激した時の、p2
6タンパク質のリン酸化を調べた結果を示す。Control
はTPA処理していない場合を、TPA-treatmentはTP
A処理した場合を示す。左側の数字(KDa)はタンパ
ク質の分子量マーカーの大きさを示す。
【図20】ラットp26タンパク質をコードするmRN
Aの肝臓における発現量の加齢変化をノーザンブロッテ
ィングで調べた結果を示す。17.5day embryoは17.5
日胎児を、New bornは新生児を、2-weekは生後2周令
を、8-weekは生後8周令を示す。左側の数字(Kb)は
RNA分子量マーカーの大きさを示す。G3PDHは内
部マーカーとしてとったグリセルアルデヒド3−リン酸
デヒドロゲナーゼのハイブリダイゼーションのパターン
を示す。
【図21】ラットp26タンパク質の肝臓における発現
量の加齢変化をウエスタンブロッティングで調べた結果
を示す。17.5day embryoは17.5日胎児を、New born
は新生児を、2-weekは生後2周令を、8-weekは生後8周
令を示す。Coomassie Stainはクマシーブリリアントブ
ルー染色の結果を、Western Blottingはウエスタンブロ
ッティングの結果を示す。左側の数字(KDa)はタン
パク質の分子量マーカーの大きさを示す。
【図22】in vitroでのカゼインキナーゼIIによるp2
6タンパク質のリン酸化を調べた結果を示す。Aは〔32
P〕でリン酸化されたp26タンパク質のオートラジオ
グラムをとった結果を示し、上の数字は反応時間を示
し、Aの左側の数字(KDa)はタンパク質の分子量マ
ーカーの大きさを示す。BはAと同じゲルをクマシーブ
リリアントブルーで染色した結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07H 21/04 C12P 21/02 C C07K 14/52 ZNA A61K 37/02 ABB 16/24 ACC C12N 1/21 ADV C12P 21/02 AED //(C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号:1、配列番号:2または配列番
    号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的
    に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその
    塩。
  2. 【請求項2】配列番号:1、配列番号:2または配列番
    号:3で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミ
    ノ酸配列が、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の
    第55〜77番目および第137〜149番目のアミノ
    酸配列を有するアミノ酸配列である請求項1記載のタン
    パク質。
  3. 【請求項3】配列番号:1、配列番号:2または配列番
    号:3で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミ
    ノ酸配列が、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の
    第4〜20番目、第22〜27番目、第29〜39番
    目、第41〜52番目、第54〜79番目、第85〜9
    1番目、第93〜99番目、第101〜114番目、第
    116〜154番目、第157〜163番目および第1
    66〜181番目のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列
    である請求項1記載のタンパク質。
  4. 【請求項4】請求項1記載のタンパク質の部分ペプチド
    またはその塩。
  5. 【請求項5】請求項1記載のタンパク質または請求項4
    記載の部分ペプチドをコードする塩基配列を有するDN
    Aを含有するDNA。
  6. 【請求項6】配列番号:4、配列番号:5または配列番
    号:6で表される塩基配列を有する請求項5記載のDN
    A。
  7. 【請求項7】請求項5記載のDNAを含有する組換えベ
    クター。
  8. 【請求項8】請求項7記載の組換えベクターを保持する
    形質転換体。
  9. 【請求項9】請求項8記載の形質転換体を培養し、請求
    項1記載のタンパク質またはその塩を生成、蓄積せし
    め、これを採取することを特徴とする請求項1記載のタ
    ンパク質またはその塩の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項1記載のタンパク質、請求項4記
    載の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有してなる医
    薬。
  11. 【請求項11】請求項5記載のDNAを含有してなる医
    薬。
  12. 【請求項12】再生不良性貧血、急性骨髄性白血病もし
    くはT細胞白血病の治療・予防剤または免疫調節剤であ
    る請求項10または11記載の医薬。
  13. 【請求項13】請求項1記載のタンパク質、請求項4記
    載の部分ペプチドまたはそれらの塩に対する抗体。
  14. 【請求項14】請求項1記載のタンパク質、請求項4記
    載の部分ペプチドまたはそれらの塩を用いることを特徴
    とする脱リン酸化酵素阻害活性を有する化合物またはそ
    の塩のスクリーニング方法。
  15. 【請求項15】請求項1記載のタンパク質、請求項4記
    載の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有する脱リン酸
    化酵素阻害活性を有する化合物またはその塩のスクリー
    ニング用キット。
  16. 【請求項16】請求項14記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項15記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られる脱リン酸化酵素阻害活性を有する化合物または
    その塩。
  17. 【請求項17】リン酸化された請求項1記載のタンパク
    質、請求項4記載の部分ペプチドまたはそれらの塩の脱
    リン酸化酵素による脱リン酸化を阻害する活性を有する
    化合物またはその塩を含有してなる医薬。
  18. 【請求項18】請求項1記載のタンパク質、請求項4記
    載の部分ペプチドまたはそれらの塩を用いることを特徴
    とするプロテインキナーゼ阻害活性を有する化合物また
    はその塩のスクリーニング方法。
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