JPH09300024A - 鋼と超硬合金の接合した複合工具材及びその製造方法 - Google Patents
鋼と超硬合金の接合した複合工具材及びその製造方法Info
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Abstract
合では、超硬合金とろー材や金属成分との融合性が悪
く、接合強度が出にくく、また、鋼と超硬合金の熱膨張
差に基づく残留応力の発生の問題があった。 【解決手段】 直接または中間層を介して焼結接合され
た金属結合相量の多い超硬合金よりなる溶接可能層1b
と、金属結合相量の少ない超硬合金よりなる耐摩耗層1
aとからなる加工部1をもって、鋼に一体に接合した複
合工具材を成形外枠3を用いた通電焼結法により製造す
る方法において、該成形外枠の加圧軸方向の肉厚が耐摩
耗層原料粉末1a1側から溶接可能層原料粉末1b1側
へ連続またはステップ状に増加するよう構成し、通電中
に加工部原料粉末4の加圧軸方向に温度傾斜を形成しな
がら該加工部原料粉末を焼結しつつ、鋼2に焼結接合し
た超硬合金複合工具材である。
Description
からなる複合工具材に関し、特に、打ち抜き加工や温熱
間鍛造加工に利用する高強度で、信頼性の高い複合工具
材と、その製造方法を提供しようとするものである。
ようなものになっている。打ち抜き工具や回転、鍛造工
具では、優れた耐摩耗性とともに、繰り返し負荷応力、
衝撃荷重、熱衝撃に耐える材料が望まれている。しか
し、このような相反する特性(硬さと靭性)を1つの材
料で満たすことは困難であり、このため、材料の複合化
という観点からの材料開発が進められてきた。超硬合金
は一般の焼き入れ鋼に比べ靭性は劣るが、その硬さは焼
き入れ鋼の硬さをはるかに凌ぎ、優れた耐摩耗性を発揮
する。一方、焼き入れ鋼は硬さの点で超硬合金に及ばな
いが、その靭性(強度)は超硬合金のそれをはるかに上
回る。上記のような工具用途には、被加工物と接する加
工部では高硬度の耐摩耗性の優れた特性が要求される
が、それを支える部分では耐摩耗性よりむしろ、繰り返
し負荷応力や衝撃に耐えられる強度的に優れた特性が要
求される。このような要求を満たすため、この支える部
分を焼き入れ鋼で作り、加工部には超硬合金を直接また
は間接に接合した工具が製造されている。
板を用いた接合が広く用いられ、このほか溶接法や中間
材を用いた焼結接合法、直接接合法がある。機械的な接
合法としてかしめ法があるが、繰り返し荷重や衝撃のか
かる使用用途には不向きである。ろー材を用いた拡散接
合法では、銀ろー、銅ろー、Niろーなどが用いられて
いる。特公平7−12566号には、拡散接合法におい
て、接合後、拡散素材が単相で接合界面に存在しないよ
うにすることによって接合強度を向上させる方法が提案
されている。溶接による接合方法として高エネルギービ
ームを用いた方法が、例えば特公平2−28428号,
特公平4−52180号に提案されている。この方法で
は接合材の間に金属の薄板やフィラーを挿入し、加圧し
ながらレーザービームなどにより接合部近傍の超硬合金
側を加熱し、その熱を挿入材側に伝え、溶融、鋼と接合
する。また、特開昭53−1609号には、鋼と超硬合
金の間に金属成分80%を含むWC粉末を中間層として
配置し、この中間層を焼結しながら両材料を焼結接合す
る方法が提案されている。さらに、特開昭52−509
07号にはCo15%含有する超硬合金を炭素鋼と直接
接合する方法が提案されている。
のにあっては、下記のような問題点を有していた。工具
の加工部を構成する超硬合金は、その耐摩耗性を確保す
るため、含有金属結合相量を極力少なくした、高硬度の
超硬合金が利用されている。ろー材や金属薄板を用いた
従来の拡散接合では、このような特性を持つ超硬合金と
高温で溶けたろー材や金属成分との融合性(ぬれ性)が
悪く、結果的に接合強度が出にくいという問題があっ
た。また、他の接合方法にも共通して、鋼と超硬合金の
熱膨張差に基づく接合後の残留応力の発生の問題があっ
た。両者の熱膨張差が大きく、残留応力が超硬合金の引
っ張り強度を越えるようになると、応力解放にともなっ
て、接合面近傍の超硬合金側で割れが発生したり、接合
面で剥れることがあった。このような割れや剥れに至ら
ない場合でも、接合部分にはある大きさの応力が残り、
この残留応力のため接合強度自体が低下したり、使用中
に突発的な破壊を起こすという問題があった。
時の鋼側の温度上昇を小さくし、鋼側の接合後の収縮量
を減じ、結果的に接合部の残留応力を少なくしようとす
る試みがある。この方法では超硬合金が局所的にまず加
熱される。それも一度に大きなエネルギーを投入して瞬
間的に加熱される。このため、加工部を構成しようとす
る超硬合金部分に熱ショックによるミクロ、マクロな割
れが発生してしまい、超硬合金自体を劣化させてしまう
という問題があった。また、この方法の適用は方法の性
格上小物に限定される。さらに、この方法では、瞬間に
投入されるエネルギーが莫大であり、微妙な温度制御が
難しく、過加熱による脆性化合物の生成や加熱不足によ
る接合力不良などの接合材の品質上の問題があった。
は、接合温度に達するまでの両接合面の完全密着が難し
く、加熱段階で接合面が雰囲気で汚染され、その汚染物
質が、双方の拡散を阻害するため、接合力低下の一因と
なっている。また、鋼が軟化して、超硬合金のミクロな
凹凸まで埋めて接合していくには、鋼の融点に近いとこ
ろまでの加熱と加圧が必要であり、接合時における鋼の
変形の問題や、そのような高温下での超硬合金と鉄の反
応による脆性化合物の生成という問題があった。既焼結
超硬合金と鋼の間に金属結合相量80重量%含有のWC
粉末を配置する方法は、上記の密着性を改善するには有
効であるが、含有金属量が多く鋼と超硬合金の間の応力
緩和層としての役割は期待できない。また、この中間層
と鋼側の接合は両材料が類似しているため比較的強い接
合が得られるが、この中間層と既焼結超硬合金との接合
は従来タイプの接合と同様であり、強い接合は得られな
い。以上のように、鋼と超硬合金の従来からの接合方法
には大別して次の2つの問題が残されてきた。 鋼と超硬合金の熱膨張差に起因した残留応力の発生と
そのための接合力の低下、高硬度超硬合金と鋼あるい
は他の金属との融合性の乏しさとそのための接合力低
下、である。
目的としてなされたものである。すなわち、鋼と接する
部分に、鋼と溶接可能な金属結合相量の多い超硬合金を
配置し、この溶接可能な超硬合金と直接または中間層を
介して高硬度の耐摩耗性の高い超硬合金と接合すること
により、鋼との融合性を確保して接合力を高め、さら
に、この溶接可能な超硬合金と中間層部分を応力緩和層
とすることにより、残留応力の発生を極力少なくすると
共に、その応力を各層に分散し、超硬合金本来の高い硬
さと鋼の持つ高い靭性を合わせ持った強固な複合工具材
を提供しようとするものである。
に、本発明は下記のようになるものである。本発明の発
明者の1人は、金属とセラミックの組合わせよりなる傾
斜材の通電焼結において、その上下パンチ材質を焼結し
ようとする材料の組合わせに応じて適切に選択、組合わ
せることにより、傾斜材をその傾斜組成に合わせた適切
な温度傾斜のもとで無理なく短時間に焼結できることを
見いだし、特公平6−102803号の出願をなした。
また、特公平7−84352号においては、上記と同様
の傾斜材を通電焼結するにあたり、その成形外枠の加圧
軸方向の肉厚を焼結しようとする傾斜材を構成する材料
の熱的性質に応じて調整することにより、必要な温度傾
斜のもとで無理なく焼結する方法を発明した。さらに、
特開平7−300375号においては、優れた耐摩耗性
と鋼への溶接性を兼ね備えた超硬合金系耐摩耗材を発明
し、この超硬合金系耐摩耗材を通電焼結法により製造す
るに当たり、その成形外枠の加圧軸方向の肉厚を焼結し
ようとする原料粉末中の金属結合相量に応じて適切に調
整し、かつ、熱容量差を利用した熱バランスの調節によ
り、該原料粉末をその構成材料に合わせた温度傾斜のも
とで過不足なく焼結できる方法を発明した。
のである。すなわち、直接または中間層を介して焼結結
合された金属結合相量20重量%以上、60重量%以下
を含有するWC基超硬合金よりなる溶接可能層1bと、
金属結合相量3重量%以上、20重量%未満を含有する
WC基超硬合金よりなる耐摩耗層1aとからなる加工部
1をもって、鋼に一体に接合された複合工具材を成形外
枠3を用いた通電焼結法により製造する方法において、
該成形外枠の加圧軸方向の肉厚が耐摩耗層原料粉末1a
1側から溶接可能層原料粉末1b1側へ連続またはステ
ップ状に増加するよう構成し、該成形外枠を少なくとも
一つの通電経路とすることにより、通電中に加工部原料
粉末4の加圧軸方向に温度傾斜を形成しながら該加工部
原料粉末を焼結しつつ、鋼2に焼結接合することによ
り、鋼に強固に接合された超硬合金複合工具材を提供す
るものである。
硬合金中のWC粒子の平均粒径が1μm以下である鋼と
超硬合金の接合した複合工具材を、また、該加工部を構
成するWC基超硬合金の金属結合相がCo,Ni,Fe
の中の1種または2種以上、またはこれらの金属を含む
合金よりなる鋼と超硬合金の接合した複合工具材を提供
するものである。
焼結法では、まず、成形外枠に下パンチをセットした状
態で焼結しようとする粉末を充填した後、上パンチを押
込み上下パンチを介して加圧する。この状態で上下パン
チを通じて直流または交流、あるいはそれらの重畳した
電流を流し、焼結しようとする材料の電気抵抗を利用し
てジュール熱により焼結する。ここで、成形外枠が1つ
の通電経路となるように成形型を設計し、かつ、この成
形外枠の加圧軸方向の肉厚を変化させると、その厚み変
化に対応してそこでの発熱量を制御でき、試料部分の加
圧軸方向に必要に応じて凹凸を含む温度勾配をつけるこ
とができる。成形外枠を他より薄くした部分では電気抵
抗が高くなり、一定電流のもとでの発熱量は多く、高温
となる。一方、厚くした部分では逆に抵抗が低く、発熱
は少なく、低温域を形成する。
材料側では、その回りの成形外枠の肉厚を他より薄くす
ることによって温度を高くでき、同時にもう一方の材料
側では必要以上の温度上昇を抑えることができる。ま
た、さらに、大きな温度差が必要な場合には、特公平6
−102803号や特開平7−300375号にあるよ
うな片側に大きな熱容量を持つ冶具を入れ、ヒートシン
クとして利用する方法や、上下パンチとして熱伝導の異
なる材料の組合わせを用いるなどの方法を採用すること
ができる。ここでの成形外枠の肉厚変化の程度は、成形
外枠には低圧ながら圧力容器としての役割があり、その
強度的に許容される範囲であることが必要である。
き図面を参照して説明する。図1は複合工具材の加工部
を金属結合相量の少ない耐摩耗層1aと金属結合相量の
多い溶接可能層1bで構成し、該溶接可能層を用いて鋼
と焼結接合した鋼と超硬合金を接合した複合工具材の縦
断面図である。また、図2は上記両層の間にそれらの中
間的な金属結合相量をもつ超硬合金よりなる中間層1c
を配置し、溶接可能層を用いて鋼と焼結接合した鋼と超
硬合金の接合した複合工具材の縦断面図である。
硬合金部分を、直接接合によるか、中間層を入れた接合
にするかは、耐摩耗層1aと溶接可能層1bを構成する
超硬合金中の金属結合相量及びそれらの量の差により、
また、その用途により適宜選択する。一応の目安として
は、両層の金属結合相量の差が15%未満の組合わせに
対しては図1の直接焼結接合を採用することができる。
また、中間層の厚みとステップの数は耐摩耗層と溶接可
能層を構成する超硬合金中の金属結合相量、つまり、両
者の熱膨張差及び使用環境により、適宜決定する。
相としてCo,Ni,Feの1種または2種以上、ある
いはそれらを含む合金とすることにより、工具加工部の
硬さ、強度を確保でき、かつ、鋼母材との強固な接合を
形成することができる。ここで、加工部を構成する超硬
合金各層中の金属結合相の種類は必ずしも同じである必
要はなく、目的に応じて異なる金属結合相を選択するこ
ともできる。耐摩耗層を構成する超硬合金中の金属結合
相量は、その耐摩耗性、耐食性の観点から、できるだけ
少ない方が望ましいが、実用上ある程度の衝撃強度を合
わせ持つ必要があり、試験の結果、その量は3重量%以
上、20重量%未満を必要であった。好ましくは、5重
量%以上、15重量%以下であった。3重量%以下では
焼結自体難しくなるほか、衝撃荷重に弱くなり、実用的
な工具材が得られない。一方、その量が20重量%以上
では耐欠け性は優れるが、耐摩耗性が劣るようになり、
鋼に超硬合金を接合して工具化して使用する意義が薄れ
る。また、耐摩耗層を構成する超硬合金中のWC粒子の
大きさは1μm以下とすることにより、耐摩耗性の優れ
た加工部を形成できる。
鋼の間の応力緩和層としての役割を担う溶接可能層を構
成する超硬合金中の金属結合相量は20重量%以上、6
0重量%以下とすることが必要であった。好ましくは、
25重量%以上、50重量%であった。金属結合相量が
20重量%未満では、鋼との間の応力緩和層として効果
が発揮できず、しかも鋼との間の強い接合が得られな
い。また、この量が60重量%を越えると、耐摩耗層を
構成する超硬合金との金属結合相量の差が大きくなりす
ぎ、一体での焼結が困難になる他、応力緩和層としても
機能しなくなる。さらに、60重量%以上の金属結合相
を含有する超硬合金の硬さは焼き入れ鋼の硬さにも及ば
ないほど低く、実用的ではない。
通電焼結法の概略を示したものである。中間層を介して
耐摩耗層と溶接可能層が、焼結接合してなる加工部の該
溶接可能層を用いて鋼と焼結接合した複合工具材を製造
するための焼結試料構成を示し、金属結合相量の多い、
従って焼結に高温を要しない溶接可能層原料粉末1b1
を下パンチを兼ねた鋼2の上に充填し、その上に中間層
原料粉末1c1,さらに耐摩耗層原料粉末1a1を積層
して充填し、上パンチ5をセットする。成形外枠3はそ
れら各層の必要焼結温度と焼結後の各層の厚みに応じて
加圧軸方向の肉厚が調整されており、本実施例では、下
パンチとしての鋼の回りの成形外枠の肉厚を大きくし、
その上の溶接可能層原料粉末、中間層原料粉末、耐摩耗
層原料粉末の部分の順に肉厚を階段状に小さくした成形
外枠を用いた例を示している。
された成形外枠3に下パンチを兼ねた鋼2をセットし、
耐摩耗層原料粉末1a1、中間層原料粉末1c1、溶接
可能層原料粉末1b1からなる加工部原料粉末4を充填
し、上パンチ5をセットした後、この焼結試料構成を通
電焼結機にセットする。セット後、雰囲気を真空あるい
は不活性雰囲気に調整した後、所定圧力まで加圧する。
その後、上下電極6,7を介して電源8により通電を開
始し、加工部原料粉末4を焼結しながら鋼2と接合す
る。図5は成形外枠3の鋼側にスリーブジグ10を配置
した1実施例を示す。このスリーブジグの配置により、
鋼の接合面と成形外枠との相対位置の固定ができ、ま
た、成形外枠からの熱の逃げを大きくでき、図3の試料
構成より大きな温度勾配を要する場合に用いる。また、
スリーブジグ10の内径を鋼の外形に接するように加
工、配置することにより、加圧しながらの焼結接合中の
鋼の変形を抑えることができ好都合である。ここで、成
形外枠3とスリーブジグ10は一体に製作することもで
きる。また、さらに大きな温度勾配を必要とする場合に
は、図4に示すような試料構成を利用できる。この実施
例では、鋼側に大きな熱容量を持つブロックジグ9を配
置する。
て鋼が配置できる。鋼は電気抵抗が低く黒鉛に比べ発熱
しづらい上に、熱伝導率が高く熱拡散には好都合であ
り、加工部原料粉末の部分に温度傾斜を形成する上で好
都合である。図4,図5の大きな温度傾斜の得られる焼
結試料構成は、耐摩耗層と溶接可能層を構成する超硬合
金の焼結温度の開きの程度により選択する。しかし、こ
こでは鋼との焼結接合であり、鋼との接合部の上限温度
があることから、この温度を考慮した温度傾斜が必要で
ある。従って、耐摩耗層を構成する超硬合金中の金属結
合相量が少ない場合にはその焼結温度は高くなり、大き
な温度勾配が必要になり、上記2つのような試料構成に
より焼結接合する。
素であるが、その素材は耐熱性があり、導電性があれば
特に制約はないが、実用的には黒鉛が適する。また、上
パンチ5、ブロックジグ9、スリーブジグ10も同様で
ある。図6から図9は本発明に利用できる成形外枠3と
加工部原料粉末4の横断面形状の例を示したものであ
り、所望の工具形状に応じて適宜選択できる。本発明に
係る複合工具材の製造方法においては、成形外枠と上パ
ンチ、下パンチとしての鋼との嵌合具合は、目的とした
通電中の温度傾斜を実現する上で特に重要であり、そこ
でのクリアランスは、2/100mm以下、好ましくは
1/100mm以下であった。
50mmの丸棒を用い、この一端に、耐摩耗層1a、中
間層1c、溶接可能層1bよりなる加工部10mmを持
つ複合工具材を試作した。図3を参照して、まず、平均
粒径0.7μmのWC粉末に平均粒径1μmのCo粉末
を15重量%加え、混合した粉末を耐摩耗層原料粉末1
a1とし、また、平均粒径1.5μmのWC粉末に平均
粒径3μmのNi粉末を20重量%加え、混合して中間
層原料粉末1c1を得た。さらに、平均粒径10μmの
WC粉末に平均粒径3μmのNi粉末20重量%と5μ
mのFe粉末10重量%を加え、混合して溶接可能層原
料粉末1b1を調整した。通電焼結用の成形外枠3に
は、内径20mm,高さ60mmの黒鉛製の型を用い
た。成形外枠の肉厚は一端から25mmを5mm,25
mmから40mmを9mm,40mmから60mmを1
5mmとした。上パンチ5はφ20mm,長さ40mm
の黒鉛製丸棒を用いた。ここでの成形外枠の内径と上パ
ンチ5、鋼2とのクリアランスは最大1/100mmで
あった。
の肉厚15mmの部分にSKH9丸棒をその先端から2
0mmの位置まで図3のように挿入し固定する。次に、
そのSKH9の上面から、溶接可能層原料粉末9.8
g,中間層原料粉末10.4g,耐摩耗層原料粉末2
2.0gを順に積層充填し、これに上パンチをセットす
る。この焼結試料構成を通電焼結機にセットし、圧力3
00kg/cm2 まで加圧した後、通電を開始した。焼
結接合温度は、焼結終了後の耐摩耗層相当位置と接合面
相当位置で成形外枠外周面から放射温度計を用いて測定
した。耐摩耗層相当位置での測定で1250℃まで約6
分で上昇し、その温度で1.5分保持して通電を停止し
冷却した。この時の接合面相当位置での測定温度は10
70℃であった。
0.5mmであった。この複合工具材を加圧軸方向に平
行な面で半分に切断し、断面を研磨し、硬さや組織など
を観察した。加工部は耐摩耗層、中間層、溶接可能層そ
れぞれ、5.2mm,2.6mm,2.7mmよりな
り、硬さはそれぞれ1820、1050、910kg/
mm2であり、いずれの層も真密度相当まで良く焼結が
できていた。また、接合面には割れや微小気孔のような
欠陥は認められず、良好な接合状態が得られていた。加
えて、接合面近傍の微小X線回折による化合物分析では
脆性を持つような金属間化合物の生成は認められなかっ
た。半割にした複合工具材より板状に削り出した試料に
ついて測定した接合部の剪断強度は、55kg/mm2
という高い値が得られ、従来タイプの接合強度の倍以上
の強度を持つものであることが分かった。
さ20mmの角材を用い、この一端に加工部12mmを
焼結接合して複合工具材を試作した。図4を参照して、
まず、平均粒径0.5μmのWC粉末に平均粒径1.5
μmのNi粉末を8重量%加え、混合した粉末を耐摩耗
層原料粉末1a1とし、また、平均粒径3μmのWC粉
末に、平均粒径3μmのNi粉末を10重量%と平均粒
径5μmのFe粉末5重量%を加え、混合して上部中間
層原料粉末1c11を、更に、同様のWC粉末に1.5
μmのCo粉末を30重量%加え、混合して下部中間層
原料粉末1c12を作製した。これに、平均粒径9μm
のWC粉末に平均粒径3μmのCo粉末50重量%を加
え、混合して溶接可能層原料粉末1b1を得た。
して、高さ70mmの内部に30mmの角孔をもつ黒鉛
製の型を用いた。成形外枠3は一端から30mmを外径
55mm,他端から20mmを外径85mmとし、その
間を曲率20mmの面で滑らかに接続した。上パンチ5
は30mm角,長さ50mmの黒鉛製丸棒を用いた。こ
こでの成形外枠3と上パンチ5、鋼2とのクリアランス
は最大1/100mmであった。また、図の如くブロッ
クジグ9として、径60mm,高さ30mmの黒鉛製の
ブロックを用いた。これらの焼結部品を用いて、まず成
形外枠3の径85mmの部分にSKD61角材を図4の
ように挿入し、成形外枠と角材の端面がブロックジグ9
上に共に密着するようにセットする。次に、そのSKD
61の上面から、上記溶接可能層原料粉末41.4g,
下部中間層原料粉末22.5g,上部中間層原料粉末2
5.2g,耐摩耗層原料粉末53.6gを順に積層充填
し、これに上パンチ5をセットする。
し、圧力450kg/cm2 まで加圧した後、通電を開
始した。焼結接合温度は、焼結終了後の耐摩耗層相当位
置と接合面相当位置で成形外枠外周面から放射温度計を
用いて測定した。耐摩耗層相当位置での測定で1270
℃まで約8分で昇温し、その温度で1分保持して通電を
停止し冷却した。この時の接合面相当位置での測定温度
は1090℃であった。冷却後回収された複合工具材の
高さは約32.0mmであった。この複合工具材を加圧
軸方向に平行な面で半分に切断し、断面を研磨し硬さや
組織などを観察した。加工部は耐摩耗層、中間層、溶接
可能層はそれぞれ、3.9mm,4.1mm,4.0m
mよりなり、耐摩耗層の硬さは1950kg/mm2 で
あり、いずれの層も真密度相当まで良く焼結できてい
た。また、接合面には割れや微小気孔のような欠陥は認
められず、良好な接合状態が得られていた。さらに、接
合面近傍の微小X線回折による化合物分析では脆性を持
つような金属間化合物の生成は認められなかった。半割
にした複合工具材より板状に削り出した試料について実
施した接合部の剪断強度測定では、61kg/mm2 と
いう高い値が得られた。
さ100mmの丸棒を用い、この一端に耐摩耗層と溶接
可能層よりなる加工部20mmを持つ複合工具材を試作
した。図5を参照して、まず、平均粒径0.4μmのW
C粉末に平均粒径1μmのCo粉末を12.5重量%加
え、混合した粉末を耐摩耗層原料粉末1a1とし、ま
た、平均粒径3μmのWC粉末に平均粒径3μmのCo
粉末15重量%と5μmのFe粉末15重量%を加え、
混合して溶接可能層原料粉末1b1を得た。通電焼結用
の成形外枠3には、図5を参照して、内径10mm,高
さ80mmの黒鉛製の型を用いた。成形外枠の肉厚は一
端から45mmを7.5mm,他端から15mmを肉厚
20mmとし、その間を円錐状の面で結んだ。上パンチ
5はφ10mm,長さ60mmの黒鉛製丸棒を用いた。
ここでの成形外枠の内径と上パンチ、鋼とのクリアラン
スは最大1/100mmであった。また、図の如くスリ
ーブジグ10として内径10mm、外径60mm、高さ
85mmの黒鉛製の肉厚スリーブを用いた。これらの焼
結部品を用いて、まずスリーブジグ10の中孔に径10
mmのSKH55丸棒を挿入し、その突き出した15m
mの部分に成形外枠の中孔が入るように成形外枠を図5
のようにセットする。
記溶接可能層原料粉末1b1を4.9g,耐摩耗層原料
粉末1a1を16.6g順に積層充填し、これに上パン
チをセットする。この焼結試料構成を通電焼結機にセッ
トし、圧力250kg/cm2 で加圧した後、通電を開
始した。焼結接合温度は、焼結終了後の耐摩耗層相当位
置と接合面相当位置で成形外枠外周面から放射温度計を
用いて測定した。耐摩耗層相当位置での測定で1220
℃まで約10分で昇温し、その温度で3分保持して通電
を停止し冷却した。この時の接合面相当位置での測定温
度は1060℃であった。冷却後回収された複合工具材
の長さは約120mmであった。この複合工具材を加圧
軸方向に平行な面で半分に切断し、断面を研磨し硬さや
組織などを観察した。加工部は耐摩耗層、溶接可能層そ
れぞれ、15.0mm,5.0mmよりなり、硬さはそ
れぞれ1780、950kg/mm2 であり、いずれの
層も真密度相当まで良く焼結できていた。また、接合面
には割れや微小気孔のような欠陥は認められず、良好な
接合状態が得られていた。さらに、接合面近傍の微小X
線回折による化合物分析では脆性を持つような金属間化
合物の生成は認められなかった。半割にした複合工具材
より板状に削り出した試料について実施した接合部の剪
断強度では、52kg/mm2 であった。
で次に記載する効果を奏する。この発明によれば、加工
部を構成する超硬合金の本来の特性を犠牲にすることな
く、鋼と融合性を高めることができる。また、鋼との熱
膨張差による残留応力を緩和、分散でき、超硬合金原料
粉末を焼結しながら鋼と同時接合することにより、信頼
性の高い、高品位の複合工具材を低コストで安定して製
造することができる。この方法により、優れた耐摩耗性
と強靭性を兼ね備えた鋼と超硬合金の接合した複合工具
材を広く提供できる。
縦断面図である。
例の縦断面図である。
材の製造方法を説明するための縦断面図である。
材の製造方法を説明するための縦断面図である。
材の製造方法を説明するための縦断面図である。
る。
る。
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 WC基超硬合金と鋼の接合した複合工具
材において、該WC基超硬合金の加工部(1)が、金属
結合相量3重量%以上、20重量%未満を含有するWC
基超硬合金よりなる耐摩耗層(1a)と、金属結合相量
20重量%以上、60重量%以下を含有するWC基超硬
合金よりなる溶接可能層(1b)とからなり、該耐摩耗
層と該溶接可能層が直接焼結結合またはそれら2層の間
に耐摩耗層から溶接可能層方向へ連続またはステップ状
に金属結合相量の増加する中間層(1c)をもって、耐
摩耗層と溶接可能層が一体に焼結接合されていると共
に、該溶接可能層(1b)と鋼(2)が直接接合されて
いることを特徴とする鋼と超硬合金の接合した複合工具
材。 - 【請求項2】 該耐摩耗層を構成するWC基超硬合金中
のWC粒子の平均粒径が1μm以下であることを特徴と
する鋼と超硬合金の接合した複合工具材。 - 【請求項3】 該加工部を構成するWC基超硬合金の金
属結合相がCo,Ni,Feの中の1種または2種以
上、またはこれらの金属を含む合金よりなることを特徴
とする請求項1記載の鋼と超硬合金の接合した複合工具
材。 - 【請求項4】 直接または中間層を介して焼結結合され
た金属結合相量20重量%以上、60重量%以下を含有
するWC基超硬合金よりなる溶接可能層(1b)と、金
属結合相量3重量%以上、20重量%未満を含有するW
C基超硬合金よりなる耐摩耗層(1a)とからなる加工
部(1)をもって、鋼に一体に接合された複合工具材を
成形外枠(3)を用いた通電焼結法により製造する方法
において、該成形外枠の加圧軸方向の肉厚が耐摩耗層原
料粉末(1a1)側から溶接可能層原料粉末(1b1)
側へ連続またはステップ状に増加するよう構成し、該成
形外枠を少なくとも一つの通電経路とすることにより、
通電中に加工部原料粉末の加圧軸方向に温度傾斜を形成
しながら該加工部原料粉末を焼結しつつ、鋼に焼結接合
することを特徴とする鋼と超硬合金の接合した複合工具
材の製造方法。 - 【請求項5】 該耐摩耗層を構成するWC基超硬合金中
のWC粒子の平均粒径が1μm以下である請求項4記載
の鋼と超硬合金の接合した複合工具材の製造方法。 - 【請求項6】 該加工部を構成するWC基超硬合金の金
属結合相がCo,Ni,Feの中の1種または2種以
上、またはこれらの金属を含む合金よりなる請求項4記
載の鋼と超硬合金の接合した複合工具材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8140769A JP2835709B2 (ja) | 1996-05-10 | 1996-05-10 | 鋼と超硬合金の接合した複合工具材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8140769A JP2835709B2 (ja) | 1996-05-10 | 1996-05-10 | 鋼と超硬合金の接合した複合工具材の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09300024A true JPH09300024A (ja) | 1997-11-25 |
| JP2835709B2 JP2835709B2 (ja) | 1998-12-14 |
Family
ID=15276328
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8140769A Expired - Fee Related JP2835709B2 (ja) | 1996-05-10 | 1996-05-10 | 鋼と超硬合金の接合した複合工具材の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2835709B2 (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100325355B1 (ko) * | 1999-08-16 | 2002-03-06 | 신현준 | WC-Co계 초경합금과 공구강의 접합방법 |
| JP2007269506A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-18 | Nippon Electric Glass Co Ltd | ガラス繊維用切断刃、その製造方法及び切断装置 |
| JP2011523681A (ja) * | 2008-06-02 | 2011-08-18 | ティーディーワイ・インダストリーズ・インコーポレーテッド | 超硬合金−金属合金複合体 |
| CN104959616A (zh) * | 2015-06-23 | 2015-10-07 | 中南钻石有限公司 | 夹芯式金刚石聚晶复合片及其制备方法和所用结合剂 |
Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0394930A (ja) * | 1989-09-08 | 1991-04-19 | Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk | 紡糸孔穿設用パンチ工具 |
| JPH07300375A (ja) * | 1994-04-28 | 1995-11-14 | Sumitomo Coal Mining Co Ltd | 超硬合金系耐摩耗材及びその製造方法 |
-
1996
- 1996-05-10 JP JP8140769A patent/JP2835709B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0394930A (ja) * | 1989-09-08 | 1991-04-19 | Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk | 紡糸孔穿設用パンチ工具 |
| JPH07300375A (ja) * | 1994-04-28 | 1995-11-14 | Sumitomo Coal Mining Co Ltd | 超硬合金系耐摩耗材及びその製造方法 |
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| CN104959616A (zh) * | 2015-06-23 | 2015-10-07 | 中南钻石有限公司 | 夹芯式金刚石聚晶复合片及其制备方法和所用结合剂 |
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|---|---|
| JP2835709B2 (ja) | 1998-12-14 |
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