JPH09302126A - ゴム組成物の製造法 - Google Patents

ゴム組成物の製造法

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JPH09302126A
JPH09302126A JP8071811A JP7181196A JPH09302126A JP H09302126 A JPH09302126 A JP H09302126A JP 8071811 A JP8071811 A JP 8071811A JP 7181196 A JP7181196 A JP 7181196A JP H09302126 A JPH09302126 A JP H09302126A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 氷上性能を向上させる。 【解決手段】 天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン・
ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソブチレン−イソ
プレン共重合体よりなる群から選択される少なくとも1
種のジエン系ポリマーをゴム成分とする配合系内で、J
IS−C硬度が75以上であり共役ジエン成分を樹脂成
分中10重量%以上含有し前記ゴムと共架橋性を有し融
点またはTgが80〜200℃であり平均粒径が10〜
200μmである樹脂または樹脂複合体を融点またはT
g未満の温度で混練り分散し、その後、少なくとも発泡
剤及び加硫剤を添加し、融点またはTg未満の温度にて
前記粒径を保持しつつ更に混練り分散した後、融点また
はTgより5℃以上高い温度にて加硫することにより、
発泡した気泡の周囲に前記樹脂または樹脂複合体よりな
る被覆層を形成することを特徴とするゴム組成物の製造
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴム組成物の製造法
に関し、特にゴムマトリクス中に、被覆層により被覆さ
れた気泡を有するゴム組成物の製造法に関する。本発明
にかかる方法により製造したゴム組成物は、氷上摩擦係
数が向上し、乗用車、トラック、バスなどのタイヤ用ト
レッドゴムをはじめとし、靴底、ゴム製キャタピラーな
どに応用できる。
【0002】
【従来の技術】近年、冬期においてもタイヤ交換するこ
となく、夏期と同様に使用できるいわゆるオールシーズ
ンタイヤの需要が高まっている。この種のタイヤは冬期
においても夏期と同様のドライグリップ性、ウェットグ
リップ性、操縦安定性、耐久性、低燃費性を有し、さら
に氷上や雪上においても充分な駆動性や制動性を有する
ものである。従来のこのようなタイヤに使用されるトレ
ッドゴムはサマー用トレッドゴムの低温での硬度を低く
したり、ガラス転移点の低いポリマーを使用したり、も
しくは低温での弾性率を適切に保てる軟化剤を用いたり
する方法が知られている。
【0003】しかしながら、前者の方法では、このポリ
マーのヒステリシス特性のために、氷雪温度領域ではそ
こそこの性能が発揮されても、湿潤路面や乾燥路面での
制動性や操縦性が十分ではないという問題があり、ま
た、後者の方法も、特開昭55−135149号、特開
昭58−199203号、特開昭60−137945号
公報等に開示されているが、いずれの方法においても、
氷雪上性能の改良の割りには、一般路を走行した際の耐
摩耗性や耐久性に及ぼす悪影響が大きい等の問題点が指
摘されている。
【0004】また、いずれの技術を用いた場合でも、確
かに−5℃以下の比較的低温領域における、いわゆるド
ライ・オン・アイスでの氷雪性能においては良好な性能
を示すものの、0℃付近の湿潤状態、いわゆるウェット
・オン・アイスでの氷雪上性能においては、十分な摩擦
係数を得られず、駆動性、制動性および操縦安定性が十
分に改良されているとは言い難い。
【0005】これに対して、近年、トレッドゴム自体に
摩擦力向上のための工夫を加える技術が採用されてい
る。その第1の方法として、トレッドゴムを適当な方法
で発泡させ、独立気泡を生成させる方法がある(特開昭
63−89547号公報)。一般的に、氷の表面には疑
似液体層と言われる層が存在する。そして、物体を氷の
上に押しつけ、滑らせると、疑似液体層が一部水膜に変
わるためにこの水膜が潤滑剤の役割を果たし、低い摩擦
係数を発現する。
【0006】独立気泡を生成させて得られるトレッドゴ
ムの表面は、多数の気泡で覆われているため、氷面との
接触面内にて発生する水膜を流し除き、また、気孔部の
ミクロな運動に伴い、疑似液体層を除き去る(スクレイ
パー)効果の発現により、氷上高摩擦化を発現する。一
般的に氷雪上用のタイヤは、サイプをたくさん設けるこ
とで、ブロックのエッジを増やす工夫がなされている
が、その本質とするところは、ブロックのサイプによる
エッジ部分で、氷表面上の疑似液体層を除き去る機能に
あり、この効果を「マクロなエッジ効果」と呼ぶ。一
方、独立気泡ゴムにより、ミクロな凹凸を作り、その凸
部による機能の本質は、「ミクロなエッジ効果」にあ
る。
【0007】この手法は、実際のタイヤトレッドに取り
入れられ、スタッドレスタイヤとして市販されている。
またトレッドゴムに各種の異物(砂、もみがらのような
天然物等)を混入し、タイヤ走行時にこれらの異物が抜
け落ちることによって気孔を発生させる方法も検討され
ている。この方法は、氷上高摩擦化のメカニズムとして
は発泡と同一のものである。これら第1の方法では、氷
面の疑似液体層を除き去る効果はあるものの、従来のス
パイクタイヤにある様な直接、固体である氷そのものを
引っ掻き壊すことで、高摩擦化を得る手法とは異なり、
性能的に十分満足のいくものではない。
【0008】第2の方法として、各種の高硬度材料をト
レッドゴム中に混入し、この高硬度材料中の氷面に対す
る引っ掻き効果を利用してトレッドゴムの氷上高摩擦化
を実現しようとしたものがある(特公昭46−3173
2号,特開昭51−147803号,特公昭56−52
057号公報,特公平6−102737号公報)。この
方法は、明らかに前記第1の方法とは異なったメカニズ
ムによるトレッドゴムの氷上高摩擦化法である。実際、
多くの場合、これらの高硬度材料を多量に混入すればす
る程、トレッドゴムは氷上高摩擦化される傾向にある。
【0009】上述した従来技術のうち、第1の方法は、
トレッドゴムの発泡又は混入された異物が脱離した後の
表面凹凸の凸部で氷表面を引っ掻き、凹部で表面の水分
を吸排水するが、氷がより硬くなり、また、氷の表面が
溶けにくい低温下(通常の場合−3℃以下)では、吸排
水機能はあまり必要とされず、また、引っ掻き効果もあ
まり期待できない。
【0010】一方、トレッドのマトリクスゴムに引っ掻
き効果の高い高硬度材料を混入する第2の方法の欠点
は、水分の多い0℃付近での氷上性能改良効果が小さ
く、また高硬度材料がゴムに親和性のない異物として存
在するため、耐摩耗性や破壊特性の低下が著しいことで
ある。
【0011】この様な現状を踏まえ、発明者は、特に湿
潤状態にある氷雪路面上での性能向上を目的とし、sy
n−1,2−ポリブタジエン樹脂と硫黄、加硫促進剤、
C/B、スコーチ防止剤を配合した複合体粒子を得、発
泡トレッドゴムに混入することで耐摩耗性能との両立と
いう観点からの検討を行っていたが、一般市場の要求レ
ベルからはまだ充分とは言えず、更なる改善が求められ
ている。また、現実の氷面温度は日中から夜間にかけて
様々に変化するため、広い温度域でより安定した氷上性
能を示し、かつ耐摩耗性および破壊特性も著しく低下さ
せることのないタイヤトレッドが望まれている。
【0012】また、従来の発泡ゴムは、除水・排水効果
といったタイヤ踏面内での氷路面との間で発生する水膜
を流し去ることにより、氷上摩擦係数を向上させる機能
を持っているが、ウェット・オン・アイス状態での大量
な水膜を除去するには限界があり、ウェット・オン・ア
イス状態での氷上摩擦係数の改善は難しい。又、もう1
つの氷上性能改善手段である、引っ掻き効果を付与する
ために、ミクロスパイクとして特定の粒径、硬度の粒子
を配合する方法で、ある程度改良されるが、引っ掻き効
果と、排水効果の相乗効果が少なく氷上性能レベルは、
まだ充分ではない。
【0013】相乗効果が小さい理由としては、上記の方
法では、粒子の硬さと接着性に反比例の関係があること
が挙げられる。すなわち、従来の技術では硬い粒子であ
る程、引っ掻き効果は大きいが、硬い材質であるほど、
ゴムマトリクスとの接着性が低下するため、タイヤ踏面
の摩擦表面において、粒子が脱離しやすくなり、効果的
なスパイク数が減少してしまい、引っ掻き効果が長続き
せず、又耐摩耗性、耐クラック性の低下を引き起こすと
いった問題が残る。又、上記の様な硬い粒子は、発泡剤
配合ゴムに添加すると、粒子界面で発泡してしまい、マ
トリクスとの接着力を低下させる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、排
水効果と引っ掻き効果の最大の相乗効果を発揮させ、ド
ライ・オン・アイスのみならずウェット・オン・アイス
においても、十分な氷上摩擦係数を発現できるゴム組成
物の製造法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記不都
合を解決すべく鋭意検討した結果、発泡ゴムトレッド部
のマトリクス部に、特定の硬度、融点を持ち、マトリク
ス部と共架橋性を有する樹脂又は樹脂複合体が、特定の
大きさで、混入分散された状態を作り、特定の加工温度
と、特定の加硫温度にて加工及び加硫を行なうことによ
り、独立気泡の表面を、該樹脂または樹脂複合体にて被
覆することにより、湿潤状態の氷路面においても大幅に
摩擦係数の改良効果を有する、新規な発泡ゴム組成物を
得、本発明を完成するに至った。
【0016】本発明は、加硫時までに、配合ゴム中に、
樹脂を添加しておき、加硫中に溶融した樹脂内部で選択
的に発泡させることにより、独立気泡の表面に被覆層を
形成するゴム組成物の製造法であり、その本質は、混練
り分散、熱入れ、押出し成型、加硫といったゴム製品製
造の一連の加工温度を、各工程において特定の温度にコ
ントロールするところにある。
【0017】本発明のゴム組成物の製造法は以下の構成
とする。 (1) 天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン・ブタジ
エンゴム、ブタジエンゴム、イソブチレン−イソプレン
共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種のジ
エン系ポリマーをゴム成分とする配合系内で、JIS−
K 6301−C形硬度計で測定される硬度が75以上
であり樹脂成分中10重量%以上の共役ジエン成分を含
有し樹脂融点またはTgが80〜200℃であり平均粒
径が10〜200μmである樹脂または樹脂複合体を融
点またはTg未満の温度で混練り分散すると共に、ある
いは、その後、少なくとも発泡剤及び加硫剤を添加し、
融点またはTg未満の温度にて前記粒径を保持しつつ混
練り分散した後、融点またはTgより5℃以上高い温度
にて加硫することにより、発泡した気泡の周囲に前記樹
脂または樹脂複合体よりなる被覆層を形成することを特
徴とする。なお、本明細書中、樹脂成分中の「共役ジエ
ン成分」とは、重合前のモノマー段階において共役ジエ
ンであることを意味するものとする。
【0018】(2) 天然ゴム、イソプレンゴム、スチ
レン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソブチレン
−イソプレン共重合体よりなる群から選択される少なく
とも1種のジエン系ポリマーをゴム成分とする配合系
に、JIS−C硬度が75以上であり樹脂成分中10重
量%以上の共役ジエン成分を含有し樹脂融点またはTg
が80〜200℃であり形状がブロック状またはペレッ
ト状である樹脂または樹脂複合体を添加し、融点または
Tg以上の温度にて前記樹脂または樹脂複合体の平均粒
径が10〜200μmになるまで混練り分散し、その
後、少なくとも発泡剤及び加硫剤を添加し、融点または
Tg未満の温度にて前記粒径を保持しつつ更に混練り分
散した後、融点またはTgより5℃以上高い温度にて加
硫することにより、発泡した気泡の周囲に前記樹脂また
は樹脂複合体よりなる被覆層を形成することを特徴とす
る。
【0019】(3) 前記樹脂または樹脂複合体の樹脂
が、結晶性シンジオタクティック−1,2−ポリブタジ
エン樹脂(以下、SPB樹脂という)、及び、10重量
%以上の共役ジエン成分を含有し、Tgが80℃以上で
あるABS樹脂のうち少なくとも1種からなることを特
徴とする。 (4) 前記樹脂複合体が、樹脂100重量部に対し
て、硫黄0.3〜5.0重量部、加硫促進剤0.1〜
7.0重量部を配合してなることを特徴とする。
【0020】(5) 前記樹脂複合体が、式0<X+1
0Y<2000 (式中、Xは窒素吸着法比表面積(m2 /g)を示し、
Yは樹脂成分100重量部に対するカーボンブラックの
配合部数(重量部)を示す。) で表わされる関係を満足
するカーボンブラックを配合してなることを特徴とす
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する樹脂または樹脂複合体により、独立気
泡表面を被覆するには、樹脂または樹脂複合体が混練り
分散され終わった状態において、粒径が10〜200μ
mに分散していることであり、粒径が10〜200μm
に至った後は、更に溶融分散することを回避するため
に、加硫に至るまでの加工工程中において、加工温度を
樹脂または樹脂複合体の融点またはTg以下に抑えるこ
とが重要である。
【0022】樹脂または樹脂複合体を、粒径10〜20
0μmに分散させた状態を得るには、予め10〜200
μmに粉砕したものを配合系に添加し、その後加硫工程
に至るまでは融点またはTg未満で加工する方法や、ペ
レット状又はブロック状の樹脂または樹脂複合体を配合
系に添加し、融点またはTg以上で混練りすることによ
り溶融分散させ、前記所定の粒径にする方法がある。
【0023】しかし、混練りによる溶融分散により、樹
脂又は樹脂複合体を粒径10〜200μmの状態にする
には、過剰な混練りを回避する必要があるため、厳しい
混練り条件のコントロールが要求される。
【0024】ゴム補強剤として、カーボンブラック及び
シリカのうち少なくとも1種をゴム成分100重量部に
対して10〜100重量部添加すると好ましいが、通常
使用されるものを適宜使用できる。
【0025】本発明の作用は以下の通りである。JIS
−C硬度が75未満では、氷の硬さ(0℃で70)との
差が少なくなり、引っ掻き効果が得られず、融点または
Tgが80℃未満のものでは、通常の混練り、熱入れ、
押出し工程において、ゴム内で溶融分散してしまい、発
泡率、気泡径、コーティング率のコントロールとの関係
などから、所望する独立気泡の表面被覆が困難となる。
また、融点またはTgが200℃超過のものは、通常の
加硫温度(100〜200℃)よりも高く、加硫時に溶
融せず、気泡の表面被覆ができない。なお、200℃を
超える加硫温度では、タイヤの基本的な耐久性能など他
性能が低下するため、現実的ではない。
【0026】また、樹脂または樹脂複合体の粒径が10
μm未満では、気泡を被覆できず、200μm超過では
加硫後の被覆気泡径が400μm以上となって大き過
ぎ、これが破壊核となって耐摩耗性、耐溝底クラック性
が低下するため好ましくない。また、加硫温度は、樹脂
または樹脂複合体の樹脂の融点またはTgより5℃以上
高いことを要する。これより低い加硫温度では、加硫中
に樹脂が十分に溶融せず、気泡の被覆状態が均一となら
ないため、好ましくない。
【0027】更に、樹脂または樹脂複合体の樹脂成分の
うち共役ジエン成分が10重量%未満のものは、ゴムマ
トリクス成分と共架橋性がなく、気泡表面を被覆するこ
とができても、ゴム組成物をタイヤに適用した場合、ゴ
ムマトリクスとの接着不足のため、走行時の摩耗表面か
ら脱離し、引っ掻き効果がなくなり、所望する氷上性能
は得られない。
【0028】樹脂が本発明にかかる特定のSPB樹脂ま
たはABS樹脂であると、気泡の被覆層が関連のゴムマ
トリクスと共架橋により強固に接着しているため、摩擦
係数を高く維持することができ、安定した走行が可能と
なる。また、強固に接着した被覆層を備えることで、走
行によるミクロな亀裂の生成と成長を共に抑制し、耐久
性、耐摩耗性を向上させることができる。
【0029】更に、樹脂複合体の樹脂100重量部に対
して硫黄の配合量が0.3重量部未満では接着力が不足
し、5.0重量部超過では複合体製造時の作業性が著し
く低下し、加硫促進剤の配合量が0.1重量部未満では
接着力が不足し、7.0重量部超過では作業性において
好ましくない。
【0030】また、樹脂複合体中に配合するカーボンブ
ラックは、本発明で規定した特定のカーボンブラックで
あると、樹脂複合体のJIS硬度の点で好ましく、前記
式の値が2000以上のものは樹脂複合体の製造時の混
練り作業性が困難となる。なお、前記式は種々の特性、
配合部数について実験した結果をプロットして得られた
実験式である。
【0031】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて説明する。
各実施例及び各比較例とも、表1および2記載の配合、
条件に基づき、混練り、加硫等を行い、ゴム組成物及び
タイヤを得た。使用樹脂の詳細を表3に記載する。な
お、表1及び表2中、「樹脂投入ステージの混練り温
度」とは配合系に樹脂または樹脂複合体を添加して、混
練り分散したときの温度をいい、「樹脂混練り後のゴム
の加工温度」とは樹脂または樹脂複合体を混練り分散し
た後の発泡剤、加硫剤等の混練り分散、熱入れなどの加
工温度をいい、「加硫前の樹脂粒径」とは加硫工程直前
の樹脂または樹脂複合体の平均粒径をいう。
【0032】具体的なゴム組成物の製造方法は以下の通
りである。各ゴムは、第1ステージにて、ポリマー、カ
ーボンブラック、ステアリン酸、ZnO、老化防止剤な
どの混練り分散を確保し、第2ステージにて、硫黄、加
硫促進剤、発泡剤を混練り分散させるといった2段階の
混練りを行う。OOCバンバリーミキサーを使用し、ス
タート温度70℃、回転数80rpm、ラム圧力5kg
/cm2 で、所望する温度(表1および2に示した樹脂
投入ステージの混練り温度)に達するまで混練りを行
う。第1ステージ、第2ステージのどちらで樹脂または
樹脂複合体を投入、混練りするかは、その状態(粒子、
ペレット、ブロックなど)により決める。ブロック状、
ペレット状の場合は、所望する大きさに分散させる必要
があるため、混練りは融点またはTg以上になるまで行
い、溶融分散させる。予め所望する粒径となっている場
合は、分散を確保するのみで十分なため、第2ステージ
にて投入し、分散させる。なお、各ゴムの混練り温度、
その後の加工温度、加硫温度は表1および2に示すとお
りである。
【0033】こうして得た各ゴム組成物及びタイヤにつ
き、表1および2記載の各性能を下記の方法で測定し
た。 気泡含有率 気泡含有率Vs は、次式 Vs ={(ρ0 −ρg )/(ρ1 −ρg )−1}×100(%) ---(1) で表わされ、ρ1 は発泡ゴムの密度(g/cm3)、ρ0
は発泡ゴムの固相部の密度(g/cm3)、ρg は発泡ゴ
ムの気泡内のガス部の密度(g/cm3)である。発泡ゴ
ムは固相部と、固相部によって形成される空洞(独立気
泡)すなわち気泡内のガス部とから構成されている。ガ
ス部の密度ρg は極めて小さく、ほぼ零に近く、かつ固
相部の密度ρ1 に対して極めて小さいので、式(1)
は、次式 Vs ={(ρ0 /ρ1 )−1}×100(%) ---(2) とほぼ同等となる。
【0034】粘弾性 粘弾性測定装置(東洋精機(株)L−IR型)を用い、
長さ20mm、幅4.7mm、厚さ2mmのサンプルを
取り付け、1.7kgf/cm2 の初期張力を与え、振
幅歪み1%、50Hzの周波数にて、−20℃下の動的
弾性率を求めた。
【0035】気泡径および加硫前の樹脂粒径 平均独立気泡径および加硫前の樹脂および樹脂複合体の
粒径の測定法は、サンプルゴム組成物から、ブロック状
の試料を切り出し、倍率100〜400の光学顕微鏡で
撮影し、200個以上の独立気泡または樹脂粒子もしく
は樹脂複合体粒子の直径を測定し、算術的平均値として
表す。
【0036】コーティングされた気泡の割合(%) サンプルのカット面を光学顕微鏡でとらえ、1mm2
たりの総気泡個数に対するコーティングされた気泡個数
をカウントし、%を算出する。
【0037】氷上摩擦係数(μ) 表1および2記載の配合のゴム組成物をトレッド部に使
用したタイヤサイズ165SR13のタイヤを作製し、
社内テストコースのアスファルト上にて直進200km
の慣らし走行を行った後、氷温度−2℃及び−8℃にて
時速20km/hから制動したときの制動距離の逆数
を、指数で表示した。数値は大きい程良好である。
【0038】耐摩耗性 上記と同様のタイヤを作製し、各タイヤを2本、排気量
1500ccの乗用車のドライブ軸に取り付け、社内テ
ストコースのコンクリート路面を60km/hで走行さ
せ、溝深さの変化量を指数表示した。数値が大きい程良
好である。
【0039】外観 上記と同様のタイヤを作製し、各タイヤ2本、排気量1
500ccの乗用車のドライブ軸に取り付け、社内テス
トコースの周回路を7000km走行した後、溝底、サ
イプ底のクラック長さを4段階で表した。 ◎ クラック発生なし ○ クラック長さ0.5mm以内 △ クラック長さ1mm以内 × クラック長さ1mm以上
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】*1:ジベンゾチアジルジスルフィド(加
硫促進剤) *2:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル−スル
フェンアミド(加硫促進剤) *3:ジニトロソペンタメチレンテトラミン *4:DPT:尿素=1:1(重量比) *5:−8℃がドライ・オン・アイスに相当し、−2℃
がウェット・オン・アイスに相当する。
【0043】
【表3】
【0044】*6:N−オキシジエチレン−2−ベンゾ
チアゾリルスルフェンアミド *7:日本モンサント製 サントガードPVI25 *8:樹脂を100重量部としたときの割合 *9:樹脂重量に対する割合
【0045】上記結果によると、比較例1は加硫前にお
ける樹脂複合体の粒径が所定値より大きく、もって気泡
径が大きくなり過ぎ、耐摩耗性が悪く、外観も不良であ
る。これに対し、各実施例は加硫前に粒径が所定範囲内
となっているため、良好な耐摩耗性、外観を有してい
る。
【0046】比較例2は樹脂混練り後の加工温度が樹脂
の融点より高く、この間に溶融分散が進んで加硫前の粒
径が小さくなり過ぎ、被覆できた気泡の数が少なく、引
っ掻き効果が十分得られず、氷上摩擦係数の向上がみら
れない。これに対して、各実施例は引っ掻き効果が得ら
れる程度に被覆層が形成されて、氷上摩擦係数が向上し
ている。なお、コーティング割合が高い方がより高い氷
上摩擦係数が得られる。
【0047】比較例3は加硫温度が樹脂の融点より低
く、加硫中に樹脂が溶融しないため、気泡を被覆するこ
とができず、樹脂複合体が粒子のまま残り、もって、耐
摩耗性が悪化している。気泡を被覆するには、加硫温度
が樹脂融点以上であることが肝要である。
【0048】比較例4は樹脂を配合しない発泡ゴムの例
で、氷上摩擦係数及び耐摩耗性のコントロールをなして
いる。
【0049】比較例5は、配合系への添加前に既に所定
の粒径に調製されている樹脂を、Tg温度で混練りした
ため、溶融分散され、加硫前に粒径が所定値未満とな
り、気泡の被覆が不十分で、氷上摩擦係数の向上がみら
れない。この例からも、加硫前に樹脂の粒径が所定範囲
内であることが重要であることがわかる。
【0050】比較例6は樹脂混練り後の加工温度が樹脂
のTgを超えているため、樹脂の溶融分散が進み、被覆
層の形成が不十分となった例である。
【0051】比較例7は加硫温度が樹脂のTgより低い
ので、被覆層が形成されなかった例である。
【0052】比較例8は添加時及び加硫前に樹脂粒径が
所定値未満であることにより、被覆の割合が低いため
に、良好な結果が得られなかった。各実施例から本発明
の製造方法によると、優れた氷上摩擦係数及び耐摩耗性
を得られることがわかる。
【0053】
【発明の効果】本発明によると、従来の発泡ゴムにおけ
る排水効果に加えて、被覆層による引っ掻き効果をも得
ることができるので、ドライ・オン・アイスのならずウ
ェット・オン・アイスにおいても氷上摩擦係数を高め、
優れた氷上性能を有するタイヤ等に好適に使用できるゴ
ム組成物の製造方法を提供することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン・
    ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソブチレン−イソ
    プレン共重合体よりなる群から選択される少なくとも1
    種のジエン系ポリマーをゴム成分とする配合系で、JI
    S−C硬度が75以上であり樹脂成分中10重量%以上
    の共役ジエン成分を含有し樹脂融点またはガラス転移点
    (Tg)が80〜200℃であり平均粒径が10〜20
    0μmである樹脂または樹脂複合体を融点またはTg未
    満の温度で混練り分散すると共に、あるいは、 その後、少なくとも発泡剤及び加硫剤を添加し、融点ま
    たはTg未満の温度にて前記粒径を保持しつつ混練り分
    散した後、 融点またはTgより5℃以上高い温度にて加硫すること
    により、発泡した気泡の周囲に前記樹脂または樹脂複合
    体よりなる被覆層を形成することを特徴とするゴム組成
    物の製造法。
  2. 【請求項2】 天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン・
    ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソブチレン−イソ
    プレン共重合体よりなる群から選択される少なくとも1
    種のジエン系ポリマーをゴム成分とする配合系に、JI
    S−C硬度が75以上であり樹脂成分中10重量%以上
    の共役ジエン成分を含有し樹脂融点またはTgが80〜
    200℃であり形状がブロック状またはペレット状であ
    る樹脂または樹脂複合体を添加し、融点またはTg以上
    の温度にて前記樹脂または樹脂複合体の平均粒径が10
    〜200μmになるまで混練り分散し、 その後、少なくとも発泡剤及び加硫剤を添加し、融点ま
    たはTg未満の温度にて前記粒径を保持しつつ更に混練
    り分散した後、 融点またはTgより5℃以上高い温度にて加硫すること
    により、発泡した気泡の周囲に前記樹脂または樹脂複合
    体よりなる被覆層を形成することを特徴とするゴム組成
    物の製造法。
  3. 【請求項3】 前記樹脂または樹脂複合体の樹脂が、結
    晶性シンジオタクティック−1,2−ポリブタジエン樹
    脂(以下、SPB樹脂という)、及び、10重量%以上
    の共役ジエン成分を含有し、Tgが80℃以上であるA
    BS樹脂のうち少なくとも1種からなることを特徴とす
    る請求項1または2記載のゴム組成物の製造法。
  4. 【請求項4】 前記樹脂複合体が、樹脂100重量部に
    対して、硫黄0.3〜5.0重量部、加硫促進剤0.1
    〜7.0重量部を配合してなることを特徴とする請求項
    1、2または3記載のゴム組成物の製造法。
  5. 【請求項5】 前記樹脂複合体が、式0<X+10Y<
    2000 (式中、Xは窒素吸着法比表面積(m2 /g)を示し、
    Yは樹脂成分100重量部に対するカーボンブラックの
    配合部数(重量部)を示す。) で表わされる関係を満足
    するカーボンブラックを配合してなることを特徴とする
    請求項1、2、3または4記載のゴム組成物の製造法。
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