JPH09304227A - 液晶素子評価方法および評価装置 - Google Patents
液晶素子評価方法および評価装置Info
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Abstract
かつ高感度に検出および同定することができる液晶素子
評価方法、およびこの評価方法を実現する装置を提供す
る。 【解決手段】 1対の電極間に液晶層を有する液晶素子
に直流電場を連続的に印加する工程と、直流電場を除去
した後、経時的に、液晶素子に交流パルス電場を印加し
ながら特定波長域の光を照射して液晶層を通過した光を
時間分解して測定することにより、光強度の交流パルス
電場の一周期内での経時変化に相当する電場応答曲線を
求める工程とを有し、電場応答曲線における特定の変化
量について直流電場を除去した時点からの経時変化に基
づいて液晶素子中に混入した不純物を検出する。
Description
および評価装置に関し、特に液晶素子中に混入した不純
物を検出する方法および装置に関する。
する不純物(以下、電場応答性不純物という)が混入す
ると、応答速度、コントラストなどの素子性能が低下
し、寿命も短縮するという問題が生じる。電場応答性不
純物とは、電場の印加に伴って素子内を移動、または電
荷を移動させる能力を有する化学種のことである。電場
応答性不純物としては、プロトン、有機物イオン、無機
物イオン、水素結合能を有する化合物、電子移動能を有
する化合物、大きな双極子モーメントを有する化合物、
大きな分極率を有する化合物などが挙げられる。そこ
で、素子に混入する電場応答性不純物を検出、同定、定
量して、その混入を防ぐようにプロセスを改善すること
が不可欠である。この際、多くのプロセスのうちどのプ
ロセスをどのように改善すべきかを的確に判断するため
には、混入する不純物を同定できることが重要になって
くる。
る液晶素子の電圧保持率の測定が用いられてきた。この
方法では素子として構成された最終状態での評価が可能
である。しかし、この方法は、時間および手間がかかる
うえ、不純物の原因物質や不純物が混入するプロセスを
特定することが困難である。
まれる電場応答性不純物を簡便かつ高感度に同定するこ
とができる液晶素子評価方法、およびこの評価方法を実
現する装置を提供することを目的とする。
法は、1対の電極間に液晶層を有する液晶素子に作用電
場を連続的に印加する工程と、作用電場を除去した後、
経時的に、液晶素子に交流パルス電場を印加しながら特
定波長域の光を照射して液晶層を通過した光を時間分解
して測定することにより、光強度の交流パルス電場の一
周期内での経時変化に相当する電場応答曲線を求める工
程とを有し、電場応答曲線における特定の変化量につい
て作用電場を除去した時点からの経時変化に基づいて液
晶素子中に混入した不純物を検出することを特徴とする
ものである。
間に液晶層を有する液晶素子に作用電場を印加する手段
と、液晶素子に交流パルス電場を印加する手段と、作用
電場を除去した後に交流パルス電場を印加するよう制御
する手段と、液晶層に光を照射するための光源と、光源
から照射された光から特定波長域の光を取り出す分光手
段と、光源から照射され分光手段により取り出された
後、液晶層を通過した特定波長域の光を電気信号に変換
する光検出手段と、光検出手段により変換された電気信
号を時間分解して積算することにより光強度の交流パル
ス電場の一周期内での経時変化に相当する電場応答曲線
を求める手段と、電場応答曲線における特定の変化量を
算出し、この変化量を作用電場を除去した時点からの経
過時間の関数として解析する手段とを具備したことを特
徴とするものである。
明する。1対の電極間に液晶層を有する液晶素子に電場
を印加すると、液晶分子は電場の方向に配向する。この
とき液晶中に電場応答性不純物が混入していると、不純
物が混入していない場合と比較して、液晶分子に印加さ
れる実効的な電場の大きさが変化するため、液晶分子の
配向運動も影響を受ける。このため、後述するように交
流パルス電場を印加して液晶分子の配向運動状態を示す
電場応答曲線を測定すると、液晶中に電場応答性不純物
が混入していない場合の電場応答曲線との比較から電場
応答性不純物を検出することができる。ただし、液晶中
に電場応答性不純物が均一に存在し、電極近傍における
不純物量が少ない場合には、検出感度がそれほど向上し
ないことがわかってきた。そこで、本発明においては電
場応答曲線の測定前に予め液晶素子に作用電場を印加す
ることにより、液晶中の電場応答性不純物を一方の電極
近傍に移動させる。また、作用電場を除去した後には、
電場応答性不純物は徐々に拡散するので、電場応答曲線
は経時的に変化する。したがって、電場応答曲線におけ
る特定の変化量について作用電場を除去した時点からの
経時変化を調べることにより、電場応答性不純物を高感
度に検出できる。
る。まず、1対の電極間に液晶層を有する液晶素子に作
用電場、具体的には直流電場を連続的に印加する。直流
電場を用いるのは、電場応答性不純物を一方の電極近傍
に移動させるのに最も好ましいからである。この工程に
より、液晶中に混入した電場応答性不純物を一方の電極
近傍に移動させる。この工程で印加される直流電場は電
場応答性不純物を移動させることができれば十分であ
り、印加時間は60分以下であることが好ましい。印加
時間が長くなると測定全体の時間が長くなってしまい、
また液晶が影響を受けイオン性の不純物となってしまう
ので好ましくない。ただし、電場応答性不純物の量が少
ない場合には、60分以下の範囲内でできるだけ印加時
間を長くする方が、測定感度を上げる観点から好まし
い。なお、印加する電圧は一定でなくてもよい。
または連続的に電場応答曲線を測定する。具体的には、
液晶素子に交流パルス電場を印加して液晶分子を配向さ
せた状態で、液晶分子に吸収される特定波長域の光を液
晶素子に照射し、液晶層を通過した特定波長域の光の強
度を検出し、この光強度に対応する電気信号を時間分解
し積算することにより、光強度の交流パルス電場の一周
期内での電場応答曲線を求める。このとき、液晶分子に
よる光の吸収度合は液晶分子の配向状態に依存するの
で、液晶層を通過した光強度の測定から求められる電場
応答曲線は液晶分子の配向状態の経時変化に対応するも
のである。ここで、液晶層中に所定の極性を有する電場
応答性不純物が存在する場合には、交流パルス電場の電
場の極性に応じて液晶分子に実効的に印加される電場の
大きさが低減または増大するため、液晶分子の配向状態
も変化する。したがって、電場応答性不純物が混入した
液晶素子の電場応答曲線は、不純物が混入していない液
晶素子のものと比較すると、交流パルス電場の極性反転
の前および後でそれぞれ傾きが異なる。この電場応答曲
線の傾きの変化のし方は、不純物の種類や量によっても
異なる。
は、電場応答曲線の測定感度の観点から赤外光が特に好
ましい。光の波長域としては、液晶分子のCH伸縮振動
や、CN伸縮振動に帰属される赤外吸収帯(例えば後者
の場合2225cm-1)を含む波長域が選択される。こ
のような特定波長域の光は、光源から発する光を任意の
分光手段で分光することにより取り出すことができる。
この場合、液晶素子には特定波長域以外の余分な波長域
の光が照射されることがないため、液晶素子の温度上昇
を抑制することができる。検出すべき光は、液晶素子を
透過した光でも液晶素子から反射される光でもよい。
特に限定されず、矩形波、三角波、正弦波やこれらの合
成波などを用いることができる。上述した電場応答曲線
の傾きの変化のし方は、印加される交流パルス電場のパ
ルス幅によっても異なり、しかもパルス幅に依存する変
化のし方は個々の不純物で特有である。したがって、交
流パルス電場のパルス幅を変化させて電場応答曲線を観
測することにより、液晶層中に混入した不純物を特定す
るのに有用な情報が得られる。また、パルス幅の異なる
複数のパルス列を合成した合成交流パルス電場を印加
し、この合成交流パルス電場を構成する各パルス列に対
応する電場応答曲線を観測すれば、液晶素子中に混入し
た複数の不純物に対応することもできる。
去した後に上述したように電場応答曲線を経時的に測定
し、その測定結果から電場応答曲線における特定の変化
量について直流電場を除去した時点からの経時変化を求
める。ここで、電場応答曲線における特定の変化量は、
一定の基準による変化量であれば特に限定されず、例え
ば曲線の傾きもしくは関数形、または不純物が混入して
いない液晶素子で得られる電場応答曲線との差の大きさ
などが挙げられる。上述したように、直流電場を除去し
た後には、電極近傍に集中していた電場応答性不純物は
徐々に拡散するので、直流電場を除去した時点からの経
時変化を調べると、電場応答曲線における特定変化量は
徐々に減衰する。したがって、電場応答曲線における特
定変化量の経時変化の減衰によって、液晶層中に電場応
答性不純物が混入していることを高感度に検出すること
ができる。また、この減衰のし方は不純物の拡散のし方
に依存するので、不純物の種類を特定するのに有用な情
報を得ることもできる。
て説明する。上述したように本発明の評価装置は、液晶
素子に直流電場を印加する手段と、液晶素子に交流パル
ス電場を印加する手段と、光源と、分光手段と、液晶層
を通過した特定波長域の光を電気信号に変換する光検出
手段と、光検出手段により変換された電気信号を時間分
解して積算することにより光強度の交流パルス電場の一
周期内での経時変化に相当する電場応答曲線を求める手
段と、電場応答曲線における特定の変化量を算出し、こ
の変化量を直流電場を除去した時点からの経過時間の関
数として解析する手段とを有するものである。
電場を印加する手段は同一の装置を用いて、この装置を
制御することにより実現することもできる。光源として
は、上述したように赤外光源を用いることが好ましい。
分光手段としては、例えば回折格子、プリズム、干渉フ
ィルターなど、任意の分光器(分散素子)が用いられ
る。液晶素子の温度上昇を抑制する観点からは、これら
の分光手段を光源と液晶素子との間に設けて、光源から
の光を分光した後に液晶素子に照射することが好まし
い。また、分光手段と液晶素子との間に偏光子を設け、
振動方向が配向時の液晶分子の長軸方向に対応する偏光
を液晶素子に照射することが好ましい。光検出手段とし
ては、例えば赤外光検出器のうちでも高感度なMCT
(水銀・カドミウム・テルル)検出器を用いることが好
ましい。測定対象となる光が赤外光である場合、検出さ
れる赤外光は微弱であるので、一般的には赤外光検出器
で変換された電気信号を増幅器で増幅する。
間分解して積算し、電場応答曲線を測定するための手段
としては、例えばボックスカー積分器またはデジタルサ
ンプリングオシロスコープが用いられる。電場応答曲線
における特定の変化量を算出し、この変化量を直流電場
を除去した時点からの経過時間の関数として解析する手
段としてはコンピューターが用いられる。
た複数の不純物を同定するために、交流パルス電場の印
加手段によりパルス幅の異なる複数のパルス列を合成し
た合成交流パルス電場を印加し、赤外光検出器により変
換された電気信号を合成交流パルス電場を構成する各パ
ルス列に対応する複数の電気信号に復調してもよい。
係る液晶素子評価素子の一例について図1を参照して説
明する。図1においては、液晶素子10に、直流電源1
により直流電場を、パルスジェネレーター(またはシン
セサイザー)2により交流パルス電場をそれぞれ印加す
る。一方、赤外光源3からの赤外光を分散素子4で分光
して特定波長域の赤外光を取り出し、偏光子5を通して
液晶セル10に照射し、液晶セル10を透過した赤外光
をMCT検出器6で検出して電気信号に変換する。この
電気信号を増幅器7で増幅し、デジタルサンプリングオ
シロスコープ8へ入力して時間分解して積算することに
より電場応答曲線を求める。そして、コンピュータ9に
より、電場応答曲線における特定の変化量を算出し、こ
の変化量について直流電場を除去した時点からの経時変
化を求める。また、評価装置の全体もコンピュータ9で
制御する。
晶素子10に直流電場を印加するようにしてもよい。ま
た、パルスジェネレーター2によりパルス幅の異なる複
数のパルス列を合成した合成交流パルス電場を発生さ
せ、MCT検出器6により変換された電気信号を合成交
流パルス電場を構成する各パルス列に対応する複数の電
気信号に分解する場合にもコンピュータ9による制御を
行う。
中に混入した電荷応答性不純物について評価した。基板
として、ITO(インジウム−スズ酸化物)透明電極付
きガラス基板を用い、その表面にポリイミドからなる液
晶配向膜を形成してラビング処理を行った後、セルギャ
ップ約10μmの液晶セルを作製した。一方、液晶とし
て、代表的なフッ素系混合液晶であるZLI−4792
(メルク社製)を用意した。この液晶に、電場応答性不
純物としてエタノールを以下に示す比率で混入した。
〜5の液晶素子を作製した。得られた試料1〜5の各液
晶素子について図1に示す評価装置による評価を行っ
た。
−10Vに設定して、液晶層に30分間にわたって直流
電場を印加した後、直流電場を除去した。直流電場を除
去した後、30秒おきに、以下のようにして液晶の電場
応答曲線を測定した。すなわち、赤外光源からの光を分
光し、CH伸縮振動の吸収波長域の赤外光を偏光子を通
して液晶素子に照射しながら、図2(a)に示すように
パルス幅T=1ms(周期200ms)、振幅±5Vの
交流パルス電場を印加し、液晶層を通過した透過光強度
に相当する電気信号を時間分解し積算することにより、
交流パルス電場の一周期内での透過光強度の経時変化に
相当する電場応答曲線を求めた。試料1について、直流
電場を除去した直後に測定した電場応答曲線を図2
(b)に示す。図2(b)に示されるように、交流パル
ス電場の極性が反転する前後で電場応答曲線の傾きが変
化することが確認された。試料2についても、試料1と
同様に、交流パルス電場の極性が反転する前後での電場
応答曲線の傾きに変化が認められたが、変化の程度は試
料1と比較して小さかった。一方、試料3〜5について
は交流パルス電場の極性が反転する前後での電場応答曲
線の傾きに有意な変化は認められなかった。
電場を除去した後の経過時間が長くなるにつれて、交流
パルス電場の極性が反転する前後での電場応答曲線の傾
きの変化が徐々に小さくなり、図2においてxで表示す
る透過光強度の変化量(試料5の電場応答曲線との差)
の大きさも小さくなった。試料1について、直流電場を
除去した時点からの透過光強度の変化量xの経時変化曲
線を図3に示す。この場合、約10分後には透過光強度
の変化量がゼロになった。また、図示しないが、試料2
についての経時変化曲線は図3に示す試料1の経時変化
曲線より下側に位置している。
いて、直流電場の印加時間を60分に設定した以外は、
上記と同様にして電場応答曲線を求めた。この結果、試
料3の場合には試料1および2の場合と同様な傾向を示
す電場応答曲線および透過光強度の変化量xに経時変化
が認められた。一方、試料4の場合には、直流電場の印
加時間を30分とした場合と同様に有意な変化は認めら
れなかった。
は非常に少ない試料5または試料4では有意な変化が認
められないことから、液晶素子を構成する液晶材料、配
向膜材料などには検出感度以上の電場応答性不純物は含
まれていない。したがって、図2および図3に示される
変化は液晶に混入したエタノールに起因するものである
と結論づけることができる。これらの変化は不純物が電
場に応答した結果として検出されているので、この場合
の不純物は中性分子であるエタノールではなく、エタノ
ールまたはエタノールに含まれる水分からごくわずかに
解離しているプロトンである。
I−4792)中に混入したエタノールに関しては、直
流電場を30分間印加した場合には1.38×10-7モ
ル/L以上の濃度であれば検出でき、直流電場を60分
間印加した場合にはさらに1桁低濃度であっても検出で
きることがわかる。
晶素子に含まれる電場応答性不純物を簡便かつ高感度に
検出および同定することができる。
ク図。
と測定された電場応答曲線を示す特性図。
応答曲線から求められた透過光強度の変化量の経時変化
を示す特性図。
Claims (2)
- 【請求項1】 1対の電極間に液晶層を有する液晶素子
に作用電場を連続的に印加する工程と、作用電場を除去
した後、経時的に、液晶素子に交流パルス電場を印加し
ながら特定波長域の光を照射して液晶層を通過した光を
時間分解して測定することにより、光強度の交流パルス
電場の一周期内での経時変化に相当する電場応答曲線を
求める工程とを有し、電場応答曲線における特定の変化
量について作用電場を除去した時点からの経時変化に基
づいて液晶素子中に混入した不純物を検出することを特
徴とする液晶素子評価方法。 - 【請求項2】 1対の電極間に液晶層を有する液晶素子
に作用電場を印加する手段と、液晶素子に交流パルス電
場を印加する手段と、作用電場を除去した後に交流パル
ス電場を印加するよう制御する手段と、液晶層に光を照
射するための光源と、光源から照射された光から特定波
長域の光を取り出す分光手段と、光源から照射され分光
手段により取り出された後、液晶層を通過した特定波長
域の光を電気信号に変換する光検出手段と、光検出手段
により変換された電気信号を時間分解して積算すること
により光強度の交流パルス電場の一周期内での経時変化
に相当する電場応答曲線を求める手段と、電場応答曲線
における特定の変化量を算出し、この変化量を作用電場
を除去した時点からの経過時間の関数として解析する手
段とを具備したことを特徴とする液晶素子評価装置。
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