JPH09304542A - 放射線測定装置 - Google Patents

放射線測定装置

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JPH09304542A
JPH09304542A JP12509196A JP12509196A JPH09304542A JP H09304542 A JPH09304542 A JP H09304542A JP 12509196 A JP12509196 A JP 12509196A JP 12509196 A JP12509196 A JP 12509196A JP H09304542 A JPH09304542 A JP H09304542A
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peak
energy
radiation
calibration
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JP12509196A
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English (en)
Inventor
Kenichi Yano
賢一 矢野
Shohei Matsubara
昌平 松原
Hiroshi Kawaguchi
浩志 川口
Naoki Tateishi
直樹 立石
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Aloka Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 校正用の線源を用いずに簡便にエネルギー校
正を行うことができる放射線測定装置を提供する。 【解決手段】 検出部10にて環境放射線を検出し、そ
の環境放射線のエネルギースペクトルをマルチチャネル
アナライザ22で求める。ピーク検出部32は、そのエ
ネルギースペクトルにおいて所定のサーチ範囲を調べ、
環境に広く分布する40Kの光電ピークを検出する。基準
値記憶部34は、40Kの光電ピークの正しいエネルギー
値を基準値として記憶している。比較処理部33は、ピ
ーク検出部32で検出された光電ピークのチャネルと基
準値記憶部34に記憶された基準値のチャネルとを比較
する。電圧・ゲイン指令部35は、この比較の結果に基
づき、光電ピークのチャネルが前記基準値に近づくよ
う、高圧電源14への電圧指令値又は主増幅器18への
ゲイン指令値を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線測定装置に
関し、特に放射線測定装置におけるエネルギー校正に関
する。
【0002】
【従来の技術】シンチレーション検出器や半導体検出器
では、放射線を検出した場合、その放射線が検出器内で
失ったエネルギーに比例する検出パルスが得られる。こ
のような性質を利用した放射線測定装置には、例えば、
マルチチャネルアナライザを用いて検出パルスの波高分
析を行うことにより測定対象からの放射線のエネルギー
スペクトルを求める装置や、各検出パルスに対してその
波高に対応した重みづけを行って計数することにより線
量率や線量当量率などを求める装置などがある。
【0003】しかしながら、放射線測定装置では、光電
子増倍管や検出器、アンプの特性の経時的な変化によ
り、同じエネルギーの放射線に対応する検出パルスの波
高が経時的に変化し、この結果放射線のエネルギーが正
しく求められなくなる場合がある。放射線測定装置で
は、このような事態を避けるために、定期的にエネルギ
ー校正が行われる。
【0004】従来、放射線測定装置のエネルギー校正処
理では、検出器近傍に 137Csなどの校正用の線源をセ
ットし、この線源を測定してエネルギースペクトルを求
め、このエネルギースペクトルの光電ピーク(全吸収ピ
ーク)又はコンプトン端が当該線源の光電ピーク又はコ
ンプトン端のエネルギーに相当する正しいチャネルにく
るよう検出器への印加電圧やアンプのゲインを調整して
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のエネ
ルギー校正方式では、校正用の線源を用いるので、その
線源を所持・管理しておく必要があり、また校正処理を
行う時にはオペレータがその線源を持って放射線測定装
置のところまで行く必要があった。
【0006】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであり、校正用の線源を用いずに簡便に
エネルギー校正を行うことができ、オペレータがエネル
ギー校正処理のための特別の作業を行う必要のない放射
線測定装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明に係る放射線測定装置は、測定対象から発
せられる放射線を検出器で検出し、検出器から出力され
る検出パルスの波高を利用して所定の測定結果を算出す
る放射線測定装置において、環境に存在する所定の天然
放射性核種から発せられる放射線のエネルギーに関する
基準値を記憶する基準値記憶手段と、前記検出器にて環
境からの放射線を検出して環境放射線のエネルギースペ
クトルを求めるスペクトル生成手段と、求められたエネ
ルギースペクトルから前記所定の天然放射性核種に対応
するピークを検出し、このピークに基づいて前記エネル
ギースペクトルの指標点を求めるピーク検出手段と、前
記指標点のエネルギー値を前記基準値記憶手段に記憶さ
れた基準値と比較し、この比較結果に基づいてエネルギ
ー校正処理を行う校正手段とを有することを特徴とす
る。
【0008】この構成では、環境中に比較的多く存在す
る特定の天然放射性核種を基準に用いることにより、校
正用の特別の線源を用いずにエネルギー校正を行う。基
準値記憶手段には、そのような所定の天然放射性核種か
ら発せられる放射線のエネルギーに関する基準値、例え
ば光電ピークやコンプトン端の正しいエネルギー値、が
記憶される。スペクトル生成手段は、オペレータによる
校正処理実行命令に応じて、環境からの放射線の測定を
行ってそのエネルギースペクトルを求める。ピーク検出
手段は、そのエネルギースペクトルから前記所定の天然
放射性核種に対応するピークを検出し、このピークに基
づいて前記エネルギースペクトルの指標点を求める。校
正手段は、この指標点のエネルギー値を前記基準値と比
較し、この比較結果に基づいてエネルギー校正を行う。
ここでいうエネルギー校正には、例えば前記検出器への
印加電圧の調整や、検出パルスを比例増幅する増幅器の
ゲインの調整などの処理が含まれる。
【0009】この構成によれば、環境中に存在する天然
放射性核種を用いて校正処理を行うことができるので、
校正用の線源を所持・管理する必要がなくなる。また、
これにより、オペレータがいない間に校正処理を行うこ
とも可能となり、オペレータの負担が軽減できる。
【0010】この構成において、校正の基準として用い
る天然放射性核種としては、例えば40Kや 208Tlを利
用することができるなお、ピーク検出手段においてピー
ク検出を行うエネルギー範囲を指定可能とすれば、前記
ピークの検出を高速化することができる。
【0011】また、本発明の好適な態様では、放射線測
定装置は、更に、校正処理の開始時刻又は校正処理を開
始するまでの時間を設定可能な計時手段を有し、この計
時手段にて前記設定時刻又は設定時間になったことが検
出されると、前記検出器、基準値記憶手段、スペクトル
生成手段、ピーク検出手段、及び校正手段を起動して校
正処理を行うことを特徴とする。
【0012】この構成によれば、計時手段に設定した時
刻又は時間に校正処理を行うことができるので、例えば
夜間など通常の測定処理を行わない時間に校正処理を行
うことができ、測定時間を校正処理のために削る必要が
なくなる。
【0013】また、本発明において、ピーク検出手段に
て検出したピークの近傍におけるエネルギースペクトル
の広がりを求め、この結果から前記ピークがエネルギー
校正処理に適するものであるか否かを判定する判定手段
を更に設け、前記判定手段の判定結果によって不適と判
定されたピークはエネルギー校正処理に用いないことに
することもできる。この校正によれば、検出されたピー
クに人工放射性核種の影響があるような場合は、そのピ
ークをエネルギー校正処理に用いないようにすることが
できるので、誤った校正を行ってしまうことを未然に防
止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る放射線測定装
置の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】[実施形態1]図1は、本発明に係る放射
線測定装置の実施形態1の構成を示す機能ブロック図で
ある。この実施形態は、建物のコンクリートなど自然界
に広く分布する天然放射性核種である40Kを用いてエネ
ルギー校正を行う。
【0016】放射線測定装置の検出部10は、シンチレ
ータ11及び光電子増倍管12から構成される。シンチ
レータ11としては、NaI(Tl)のような固体シン
チレータを用いてもよいし、プラスチックシンチレータ
を用いてもよい。光電子増倍管12には高圧電源14か
ら高電圧が印加されている。
【0017】シンチレータ11は、放射線が入射すると
発光し、光電子増倍管12はその光を電気的な検出パル
スに変換して出力する。光電子増倍管12から出力され
た検出パルスは、前置増幅器16で増幅された後、主増
幅器18で比例増幅され、A/D変換器20にてデジタ
ル化される。マルチチャネルアナライザ22は、デジタ
ル化された検出パルスを波高分析し、検出パルスを各波
高のチャネルごとにカウントすることにより、入射放射
線のエネルギーの分布すなわちエネルギースペクトルを
求める。マルチチャネルアナライザ22で求められたエ
ネルギースペクトルは、出力部24から出力される。
【0018】以上の構成による測定作業を制御するの
が、測定制御部30である。測定制御部30において、
主制御部31は、測定の開始・終了など通常の測定処理
の制御を行うと共に、エネルギー校正処理の制御も行
う。主制御部31には、ユーザが操作指示入力を行う指
示入力部26が接続されている。主制御部31は、指示
入力部26から受け取ったユーザの操作指示に従い、マ
ルチチャネルアナライザ22などに対して所定の制御指
令を発することにより、測定処理を制御する。
【0019】基準値記憶部34は、エネルギー校正の基
準値を格納する。ここで基準値とは、基準とする天然放
射性核種(本実施形態では40K)のエネルギースペクト
ルの指標点のエネルギー値の正しい値のことをいう。ま
た、エネルギースペクトルの指標点とは、エネルギース
ペクトルのパターンの特徴となる点のことであり、本実
施形態では、光電ピーク又はコンプトン端を指標点とし
て用いる。
【0020】例えば、シンチレータ11にNaI(T
l)シンチレータのような無機結晶シンチレータを用い
る場合には、光電ピーク(全吸収ピーク)をエネルギー
スペクトルの指標点とする。従って、この場合には、40
Kから放射されるγ線のエネルギーE(1461ke
V)が基準値として基準値記憶部34に記憶される。
【0021】一方、シンチレータ11にプラスチックシ
ンチレータを用いる場合には、コンプトン端をエネルギ
ースペクトルの指標点とする。従って、この場合には、
校正用線源から放射されるγ線のエネルギーEから次式
で求められるコンプトン端のエネルギー値Ec (124
4keV)が、基準値として基準値記憶部34に記憶さ
れる。
【0022】
【数1】 ピーク検出部32は、マルチチャネルアナライザ22か
らエネルギースペクトルの情報を受け取り、当該エネル
ギースペクトルの特徴ピークを検出する。特徴ピークと
は、前記指標点を求める際の基準となるピークのことで
あり、光電ピーク(NaI(Tl)シンチレータを用い
た場合)またはコンプトン効果によるピーク(プラスチ
ックシンチレータを用いた場合)のことを指す。比較処
理部33は、ピーク検出部32で検出された特徴ピーク
に基づき当該エネルギースペクトルの指標点(すなわち
光電ピーク又はコンプトン端)を求め、この指標点のエ
ネルギー値を基準値記憶部34に記憶された基準値と比
較する。
【0023】電圧・ゲイン指令部35は、比較処理部3
3の比較結果に基づき、高圧電源14に対する電圧指令
値又は主増幅器18に対するゲイン指令値を調整する。
高圧電源14、主増幅器18は、電圧・ゲイン指令部3
5から与えられた指令値に従って、出力電圧又はゲイン
を調整する。
【0024】タイマ36には、エネルギー校正処理を開
始する時刻又は開始するまでの時間が設定される。この
設定値は指示入力部26から入力され、主制御部31を
介してタイマ36に設定される。設定が終わると、タイ
マ36は計時処理を行い、設定された開始時刻になる
か、または設定された時間が経過したことを検出する
と、主制御部31に校正開始信号を供給する。
【0025】これら測定制御部30の各要素はハードウ
エア的に構成してもよいし、ソフトウエア的に構成して
もよい。
【0026】次に、図2のフローチャートを用いて、図
1の放射線測定装置におけるエネルギー校正処理の流れ
を説明する。図2の例は、タイマ36に開始時刻を設定
する場合の例を示す。
【0027】この例では、オペレータが指示入力部26
からタイマ36に対して校正処理の開始時刻を設定する
(S1)。この設定処理は、1日の測定処理の終了時
や、測定スケジュールにおいて次の測定までに校正処理
に必要な数十分の時間が取れる場合などに行う。時刻設
定が終わると、タイマ36は計時処理を開始する(S
2)。そして、設定された開始時刻になると、タイマ3
6は、主制御部31に対して校正開始信号を出力する。
校正開始信号を受信した主制御部31は、放射線測定装
置を起動し、バックグラウンド(環境)放射線を測定を
開始する。そして、十分な計数値を得るために約10分
間測定を行い、バックグラウンド放射線のエネルギース
ペクトルを生成する(S3)。このバックグラウンド放
射線のエネルギースペクトルの一例を図3及び図4に示
す。図3は検出器にNaI(Tl)シンチレータを用い
た場合のエネルギースペクトルであり、図4は検出器に
プラスチックシンチレータを用いた場合のエネルギース
ペクトルである。図3及び図4のスペクトルでは、縦軸
は計数値(又は計数率)を示し、横軸はエネルギーをチ
ャネル(ch)で示している。プラスチックシンチレー
タでは光電効果はあまり起こらずコンプトン効果が主と
なるため、エネルギースペクトルには光電ピークは現れ
ず、コンプトン効果によるピークのみが現れる。
【0028】このエネルギースペクトルの情報はピーク
検出部32に入力される。ピーク検出部32は、このエ
ネルギースペクトルから40Kに対応するピークを検出す
る(S4)。このピークを検出するために、ピーク検出
部32にはあらかじめサーチ範囲が設定されている。例
えば、NaI(Tl)シンチレータを用いる場合は14
61keV近傍の所定のチャネル範囲が、プラスチック
シンチレータを用いる場合は1100keV近傍の所定
のチャネル範囲が、サーチ範囲として設定される。
【0029】なお、図3又は図4に示すように、測定に
よって求められるエネルギースペクトルは、一般に各チ
ャネルごとに計数値がプロットされたものであって滑ら
かな曲線ではないので、ピークの決定の前にエネルギー
スペクトルを滑らかな曲線に近似する処理を行う。この
実施形態では、エネルギースペクトルを、ガウス分布に
基づきあらかじめ求められる想定スペクトル曲線に近似
する。このためには、グラフの各点のデータに最小二乗
法を適用することにより、当該エネルギースペクトルに
最も適合した想定スペクトル曲線を特定する。そして、
このようにして求められた滑らかなスペクトル曲線にお
いてピーク検出を行う。また、前記エネルギースペクト
ルを公知のスムージング処理によって平滑化することに
より滑らかな曲線に整形し、この曲線からピークを検出
してもよい。
【0030】そして、このようにして得た滑らかなエネ
ルギースペクトル曲線において、設定されたサーチ範囲
の各チャネルの計数値を比較して最も計数値の高いチャ
ネルを求め、そのチャネルをピークチャネルとする。
【0031】なお、以上は、ピークのサーチ範囲をあら
かじめ限定することにより、40Kのピークの検出を可能
とした例であったが、この範囲限定は必須のものではな
い。すなわち、測定するエネルギー値の最大値などをあ
らかじめ調節することにより、40Kによるピークがその
範囲で最も高エネルギー側のピークになるようにするこ
とができ、この場合にはエネルギースペクトルを高エネ
ルギー側からサーチして最初に検出したピークを40Kの
ピークとみなすことができる。従って、このような場合
にはサーチ範囲の設定は必要ではない。
【0032】このようにして40Kのピークの検出が完了
すると、ピーク検出部32は、検出したピークに基づき
このエネルギースペクトルの指標点を求める。ここで、
検出器にNaI(Tl)シンチレータを用いる場合に
は、検出されるのは光電ピークなので、そのピーク自体
をエネルギースペクトルの指標点とする。一方、検出器
にプラスチックシンチレータを用いる場合は、検出され
るのはコンプトン効果のピークなので、このピークから
コンプトン端を求めてこれを指標点とする。この場合、
図4に示したように、エネルギースペクトルにおいて特
徴ピークの計数値Nの半分、すなわちN/2の計数値の
点をコンプトン端とする。
【0033】次に、比較処理部33は、このようにして
求められた指標点のエネルギー値(チャネル)を、基準
値記憶部34から読み出した基準値と比較する(S
5)。すなわち、比較処理部33は、例えば前記基準値
をチャネル単位の値に変換して、指標点のチャネルと比
較する。検出器にNaI(Tl)シンチレータを用いた
場合は、比較処理部33は指標点のチャネルを40Kの光
電ピークのエネルギー(1461keV)に対応するチ
ャネルと比較する。一方、検出器にプラスチックシンチ
レータを用いた場合は、比較処理部33は指標点のチャ
ネルを40Kのコンプトン端のエネルギー(1244ke
V)に対応するチャネルと比較する。
【0034】比較処理部33の比較結果は、主制御部3
1に入力される。指標点のチャネルが基準値のチャネル
に一致した場合は、放射線測定装置は正しくエネルギー
校正されているということなので、主制御部31は一連
の校正処理を終了する。一方、指標点のチャネルが基準
値のチャネルに一致しなかった場合は、主制御部31は
その比較結果を電圧・ゲイン指令部35に入力する。指
標点のチャネルが基準エネルギ値のチャネルより大きい
場合は、電圧・ゲイン指令部35は、光電子増倍管12
への印加電圧又は主増幅器18のゲインを所定量だけ下
げるよう、高圧電源14又は主増幅器18への指令値を
調整する(S6)。逆に、指標点のチャネルが基準エネ
ルギー値のチャネルより小さい場合は、電圧・ゲイン指
令部35は、光電子増倍管12への印加電圧又は主増幅
器18のゲインを所定量だけ上げるよう、高圧電源14
又は主増幅器18への指令値を調整する(S7)。この
ときの印加電圧又はゲインの調整量は、エネルギースペ
クトルの指標点が約1チャネル分だけ上下する量とすれ
ばよい。この場合、1回の調整量は、光電子増倍管への
印加電圧については0.2〜0.3V程度である。印加
電圧及びゲインのいずれを調整するかは、オペレータの
設定による。
【0035】そして、印加電圧又はゲインの調整が終わ
ると、再び前述のS3(測定)の処理に戻る。そして、
指標点のチャネルが基準値のチャネルと一致するように
なるまで、前述の測定(S3)、ピーク検出(S4)、
比較(S5)、調整(S6,S7)の処理を繰り返す。
【0036】このように、本実施形態によれば、環境放
射線のエネルギースペクトルを求め、そのエネルギース
ペクトルにおける特定の天然放射性核種(40K)に対応
するピークに基づいてエネルギー校正を行うので、校正
用の線源を所持・管理する必要がなくなる。また、本実
施形態によれば、オペレータがいない夜間や測定と測定
との間の空き時間にエネルギー校正処理を行うことが可
能なので、時間の有効利用を図ることができる。
【0037】[実施形態2]次に、本発明を環境γ線連
続モニタに適用した実施形態を説明する。この装置は、
例えば原子力発電所などの屋外に設置され、環境中のγ
線の線量当量率を測定するための装置である。
【0038】図5に、本実施形態の環境γ線連続モニタ
の構成を示す。図5に示すように、本実施形態は、検出
器としてγ線に対する感度が良好なNaI(Tl)シン
チレータ40を用いている。光電子増倍管42には高圧
電源44から高圧のバイアス電圧が印加されている。光
電子増倍管42は、NaI(Tl)シンチレータ40の
発光を電気的な検出パルスに変換して出力する。この検
出パルスは、主増幅器46で比例増幅されたのち、A/
D変換器48に入力される。A/D変換器48は、マル
チチャネルアナライザの機能を有しており、入力された
検出パルスの波高を検出し、その波高レベルに応じたデ
ィジタル信号を出力する。DSP(ディジタル・シグナ
ル・プロセッサ)50は、あらかじめ設定された演算又
は変換テーブルにより、そのディジタル信号のレベル
(パルス波高に対応)に応じた重み値を求め、計数回路
52に供給する。計数回路52は、各重み値を順次加算
した結果に基づき、線量当量率を算出する。この線量当
量率は、表示部54に表示される。
【0039】本実施形態の装置は、以上のようにして環
境中のγ線の線量当量率を算出し表示することができ
る。この装置では、正しい線量当量率を算出するために
は、少なくとも主増幅器46から出力されるパルスが、
入射した放射線のエネルギーに正しく対応した波高にな
っている必要がある。このために、本実施形態にはエネ
ルギー校正のための機構を有している。
【0040】図5におけるスペクトルメモリ56及びス
ペクトル解析回路58が、このエネルギー校正のための
機構である。本実施形態では、このスペクトルメモリ5
6及びスペクトル解析回路58により通常のモニタリン
グ時の測定処理と並行して、エネルギー校正処理を実行
する。
【0041】スペクトルメモリ56には、A/D変換器
48から出力されたディジタル信号が入力される。スペ
クトルメモリ56は、各波高レベルに対応した複数のチ
ャネルを有しており、各検出パルスに対応するディジタ
ル信号が入力されるごとに、そのディジタル信号のレベ
ル値に対応するチャネルにカウントを加算していく。こ
の処理を所定時間実行することにより、スペクトルメモ
リ56には環境γ線の波高分布、すなわちエネルギース
ペクトルが形成される。
【0042】スペクトル解析回路58は、このようにし
て得られたエネルギースペクトルを解析して、特定の天
然放射性核種(例えば40K)の全吸収ピークを検出す
る。このピーク検出のための処理は、実施形態1の処理
と同様の処理でよい。すなわち、スペクトルメモリ56
から得たエネルギースペクトルを実施形態1に示したよ
うな方法で滑らかな曲線に近似し、所定のサーチ範囲に
おいてその曲線のピーク、すなわち最大計数値の点を求
める。サーチ範囲としては、基準とする特定の天然放射
性核種の全吸収ピークの正しいエネルギー値(又はこれ
をチャネル値に換算したもの)の前後の所定チャネル数
分の範囲をあらかじめ設定しておく。本実施形態では、
測定に並行して校正処理を行っているので、エネルギー
スペクトルのピークの位置が突然大きく変わるようなこ
とはないので、サーチ範囲は比較的狭い範囲でよい。
【0043】そして、スペクトル解析回路58は、この
ようにして検出した天然放射性核種の全吸収ピークが、
あらかじめ設定されている正しいチャネル(すなわちエ
ネルギ−。40Kの場合には1461keV)にあるか否
かを判定する。そして、判定の結果、全吸収ピークが正
しいチャネル位置に無い場合は、スペクトル解析回路5
8は、全吸収ピークが正しいチャネルに来るよう高圧電
源44の電圧又は主増幅器46のゲインを調整する。す
なわち、スペクトル解析回路58は、例えば波高分布を
1チャネル分ずらすのに必要な電圧又はゲインの調整量
の情報を保持しており、波高分布から検出した全吸収ピ
ークのチャネルとその全吸収ピークの正しいチャネルと
の差を求め、その差を解消するのに必要な電圧又はゲイ
ンの調整量を算出し、その調整量だけ電圧又はゲインを
変化させるための制御信号を高圧電源44又は主増幅器
46に供給する。この結果、光電子増倍管42に対する
印加電圧又は主増幅器46のゲインが調整され、主増幅
器46からは入射放射線のエネルギーに正しく対応した
波高のパルスが出力される。
【0044】このように、本実施形態の環境γ線連続モ
ニタによれば、環境放射線のエネルギースペクトルにお
いて、環境中に広く分布する特定の天然放射性核種に対
応する全吸収ピークを検出し、このピークに基づいてエ
ネルギー校正を行うため、通常のモニタリング処理と並
行してエネルギー校正を行うことができる。すなわち、
本実施形態の装置は、常にエネルギー校正がなされた状
態となっている。本実施形態では、エネルギー校正の基
準の天然放射性核種として40Kのほかに 208Tl(全吸
収ピーク2.6MeV)を用いることもでき、両者を併
用することもできる。
【0045】なお、本実施形態のような環境γ線連続モ
ニタでは、天然放射性核種以外に原子力発電所などの施
設から人工放射性核種の放射線が入射する場合がある。
このような場合、エネルギースペクトルにはその人工放
射性核種によるピークが現れる。このような人工放射性
核種によるピークが、エネルギー校正の基準となる天然
放射性核種によるピークの近傍に現れた場合、ピーク検
出においてその人工放射性核種のピークを天然放射性核
種のピークと誤認識して誤った校正を行ってしまう可能
性がある。例えば、40Kには、60Coなど比較的近いエ
ネルギーの放射線を発する人工放射性核種がいくつか存
在するため、このような事態が起こるおそれがある。本
実施形態では、このような事態を回避するためにスペク
トル解析回路58にて次のような処理を行っている。
【0046】すなわち、スペクトル解析回路58は、所
定のサーチ範囲にてピーク検出を行った後、検出したピ
ークの近傍のエネルギースペクトルの広がりを算出す
る。すなわち、検出したピークの両側で、例えばそのピ
ークの1/2の計数値を持つ点をそれぞれ検出し、それ
ら2つの点の間のチャネル数をスペクトルの広がりとし
て算出する。人工放射性核種によるピークが天然放射性
核種のピークの近傍に来るような場合には、2つのピー
クの重なりによりそれらピークの周囲の各チャネルの計
数値が大きくなっているので、エネルギースペクトルの
広がりが大きくなる。従って、スペクトル解析回路58
は、算出したエネルギースペクトルの広がりを所定のし
きい値より大きい場合には、当該ピークは人工放射性核
種を受けていると考えられるので、当該ピークではエネ
ルギー校正処理を行わないようにする。これにより、誤
ったエネルギー校正処理が行われることを防ぐことがで
きる。
【0047】なお、 208Tlが発するγ線はエネルギー
がかなり大きく、環境γ線連続モニタが設置される通常
の環境にはこれに近いエネルギーを持つγ線を発する人
工放射性核種はほとんど存在しない。従って、上記処理
により、40Kのピークがエネルギー校正の基準として不
適切と判定された場合には、 208Tlのピークを用いて
エネルギー校正の処理を行えばよい。
【0048】以上、本発明に放射線測定装置の各実施形
態について説明した。以上の各実施形態では、検出器に
シンチレーション検出器を用いる例について説明した
が、半導体検出器を用いる場合にももちろん本発明は適
用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1の放射線測定装置の構成を示す機
能ブロック図である。
【図2】 実施形態1の放射線測定装置のエネルギー校
正処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】 検出器としてNaI(Tl)シンチレータを
用いた場合における環境放射線のエネルギースペクトル
の例を示す図である。
【図4】 検出器としてプラスチックシンチレータを用
いた場合における環境放射線のエネルギースペクトルの
例を示す図である。
【図5】 実施形態2の環境γ線連続モニタの構成を示
すブロック図である。
【符号の説明】
10 検出部、11 シンチレータ、12 光電子増倍
管、14 高圧電源、16 前置増幅器、18 主増幅
器、20 A/D変換器、22 マルチチャネルアナラ
イザ、24 出力部、26 指示入力部、30 測定制
御部、31 主制御部、32 ピーク検出部、33 比
較処理部、34 基準値記憶部、35電圧・ゲイン指令
部、36 タイマ、56 スペクトルメモリ、58 ス
ペクトル解析回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 立石 直樹 東京都三鷹市牟礼6丁目22番1号 アロカ 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象から発せられる放射線を検出器
    で検出し、検出器から出力される検出パルスの波高を利
    用して所定の測定結果を算出する放射線測定装置におい
    て、 環境に存在する所定の天然放射性核種から発せられる放
    射線のエネルギーに関する基準値を記憶する基準値記憶
    手段と、 前記検出器にて環境からの放射線を検出して環境放射線
    のエネルギースペクトルを求めるスペクトル生成手段
    と、 求められたエネルギースペクトルから前記所定の天然放
    射性核種に対応するピークを検出し、このピークに基づ
    いて前記エネルギースペクトルの指標点を求めるピーク
    検出手段と、 前記指標点のエネルギー値を前記基準値記憶手段に記憶
    された基準値と比較し、この比較結果に基づいてエネル
    ギー校正を行う校正手段と、 を有することを特徴とする放射線測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の放射線測定装置におい
    て、 前記所定の天然放射性核種は40Kであることを特徴とす
    る放射線測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の放射線測定装置におい
    て、 前記所定の天然放射性核種は 208Tlであることを特徴
    とする放射線測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の放射線
    測定装置において、 前記ピーク検出手段においてピーク検出を行うエネルギ
    ー範囲を指定可能としたことを特徴とする放射線測定装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の放射線
    測定装置において、 前記放射線測定装置は、更に、校正処理の開始時刻又は
    校正処理を開始するまでの時間を設定可能な計時手段を
    有し、この計時手段にて前記設定時刻又は設定時間にな
    ったことが検出されると、前記検出器、基準値記憶手
    段、スペクトル生成手段、ピーク検出手段、及び校正手
    段を起動して校正処理を行うことを特徴とする放射線測
    定装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の放射線
    測定装置において、 前記ピーク検出手段にて検出したピークの近傍における
    エネルギースペクトルの広がりを求め、この結果から前
    記ピークがエネルギー校正処理に適するものであるか否
    かを判定する判定手段を有し、 前記判定手段の判定結果によって不適と判定されたピー
    クはエネルギー校正処理に用いないことを特徴とする放
    射線測定装置。
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