JPH09304582A - 沸騰水型原子炉炉内の環境評価方法 - Google Patents

沸騰水型原子炉炉内の環境評価方法

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JPH09304582A
JPH09304582A JP8117321A JP11732196A JPH09304582A JP H09304582 A JPH09304582 A JP H09304582A JP 8117321 A JP8117321 A JP 8117321A JP 11732196 A JP11732196 A JP 11732196A JP H09304582 A JPH09304582 A JP H09304582A
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test piece
corrosion cracking
core
shroud
stress corrosion
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Yoichi Wada
陽一 和田
Hidefumi Ibe
英史 伊部
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】シュラウド1内面と外周部燃料棒集合体13と
の間の部位に、応力腐食割れ材料試験片を設置し、シュ
ラウド1内面でのSCC環境および材料のSCC挙動を
直接決定する。 【解決手段】応力付加試験片,試験片を炉心鉛直軸方向
の位置に固定するための治具,試験片などの部材が万が
一炉心部に落下して回収不能となることを防止するため
の囲い、および上部格子板2に囲いと試験片治具によっ
て構成される容器9を固定するための上蓋から構成され
る装置を、シュラウド1内面と外周部燃料棒集合体13
との間の部位に設置し、定期検査時に炉内に設置し、炉
内環境に直接曝露することによりSCCを材料試験片に
発生させ、一定期間の経過後に炉内から試験片を取り出
しSCC環境をオフラインで評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、沸騰水型原子炉構
造材料の応力腐食割れ環境の測定方法に係り、特に沸騰
水型原子炉圧力容器内のシュラウドの応力腐食割れ環境
の高精度の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】実炉環境での材料の応力腐食割れ(以下
SCC:stress corrosion cracking)挙動評価におい
て、これまでは再循環系配管の応力腐食割れ防止、ある
いは炉心部の高照射場に置かれた構造物の照射誘起応力
腐食割れ(以下IASCC:irradiation assisted str
ess corrosion cracking)に関心が持たれていた。従
来、ステンレス鋼などの原子炉構造材料の実炉環境での
SCC特性評価には、炉外試験と炉内試験が行われてい
る。
【0003】炉外試験では、再循環配管やドレンライン
から引き出したサンプリング管上にオートクレーブを設
置し、引っ張り加重試験器等を組み合わせることによっ
て炉水環境での材料挙動評価をする。
【0004】一方、炉内試験では、例えば、S. Kasahar
a, etal. “The effects of minorelements on IASCC s
usceptivility in austenitic stainless steels irrad
iated with neutrons”, Proceedings of the sixth in
ternational symposium on environmental degrada
tion of materials in nuclear power systems-water
reactors-TMS, San Diego, Augsut,1993,に記載されて
いるように、炉心中心付近の比較的中性子束が均一な炉
心バイパス部位(燃料棒集合体内部の炉水チャネル以外
の部位)に材料試験片を中性子源ホルダを改造した容器
内に置いて実施される方法がある。容器内には、照射後
SCC試験片と照射中応力腐食割れ試験片が納められ
る。一定期間経過の後、試験材料を取り出し、照射後試
験の場合には炉心部冷却水水質を模擬あるいは加速した
試験となるように設定された高温水中に浸漬し、引っ張
り応力を加えて特性評価試験を行う。照射中SCC試験
の場合には、炉心装荷時に応力が材料に加わるようにス
エリングチューブが用いられる。スエリングチューブで
は、試験材料で作成したチューブ内にホウ素を含む化合
物ペレットを充填し、ペレットが中性子−ホウ素核反応
により生成したヘリウムによって体積膨張しチューブを
内面から押し広げることによって材料に引っ張り応力が
加えられる。取り出されたスエリングチューブ表面には
SCCにより多くの亀裂が観測される。
【0005】このような試験では、炉内環境でのSCC
挙動を実時間で観測することはできないが、近年では
D. Weinstein,“Real time, in-reactor monitoring of
double cantilever beam crack growth sensors”, Pr
oceedings of the sixthinternational symposium on e
nvironmental degradation of materials in nuclear
power systems-water reactors-TMS, San Diego, Augs
t, 1993に記されるように、中性子計装管を利用して沸
騰水型原子炉炉内にDCB(double cantilever be
am)亀裂進展センサ(以下DCBセンサ)を装荷し、S
CC環境を直接オンラインでモニタすることが試みられ
ている。炉心中心部付近に装荷された照射容器を用いた
炉内試験では、十分なγ線および中性子の線量率のもと
で炉内機器に対して加速側の照射効果が得られる。照射
下SCC試験であれば、炉心部炉水に試験片が浸漬され
ており実機腐食環境を反映している。これらの試験方法
では炉心中心近傍に試験材を設置しているために、試験
材が受ける線量率は比較的精度良く評価することができ
る。また試験材周りの炉水流量も設計に考慮されている
ことから、炉水中の酸化性成分濃度をある評価精度の幅
のなかで見積もることが可能である。
【0006】従って、このような試験ではチャネルボッ
クスに用いられている固定ピンやスペーサバネ,中性子
源ホルダの構成部材、あるいは制御棒構成部材のSCC
環境評価に対して有効である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、経年化炉のシュ
ラウドなど炉内構造機器のSCC評価への関心が高い。
これは、より長く原子炉を使用することへの要求が大き
くなっているからである。このような部位の材料のSC
C挙動評価に対して従来の方法には以下の問題がある。
【0008】まず炉外試験では、炉心部と炉外位置では
一次冷却水中に溶存する酸素,過酸化水素などの酸化性
成分濃度が大きく異なり、腐食環境が異なる。また、炉
心に比べγ線および中性子の線量率が何桁も小さく、材
料そのものの放射線照射の影響が重畳しないため、炉外
試験の結果を用いて高照射場に置かれた炉内構造物のS
CC評価を行うことは難しい。従って、シュラウドのよ
うな炉心外周部の構造物のSCC挙動評価では炉内での
実環境を用いた評価試験を実施することが必要である。
【0009】従来方法では試験片を炉心中心部に設置し
ていたが、シュラウドのような炉心外周部の構造物は炉
心中心部とはSCC環境が異なっている。
【0010】まず第一に、炉心外周部燃料棒集合体とシ
ュラウドの間は通常数cm〜数十cmの隙間を形成している
が、冷却のため炉水を流す設計がされていない上に、こ
の部位における上部格子板には炉水が抜けないように上
部蓋が付いている。そのため炉水の流れは図1の点線で
示すような一様な流速分布をして流れているわけではな
く、実線で示すような流れになっていると考えられる。
すなわち、シュラウド近傍で遅く、炉心中央部でガンマ
ヒーティングによる加熱の影響を受け速く流れていると
考えられる。しかし、諸条件が不明のため、シュラウド
表面付近を流れる炉水の具体的な流速は不明である。そ
のため、γ線および中性子の照射を受けて炉水がどの程
度放射線分解され、酸化性成分が生成しているかを精度
良く評価することができない(炉水の流れが速い場合、
生成した酸化性成分が流されることによって酸化性成分
の濃度が小さくなる)。
【0011】第二に、炉心中心部の比較的評価の行い易
い均一な中性子束分布、あるいはγ線線量率と異なり、
シュラウド内面近傍の炉水の受ける線量率の正確な評価
が現状では定まらない。図2は遮蔽計算コードに基づい
て、典型的な系方向の線量率分布を炉心中心部を基準と
した相対値で示したものである。図では、燃料棒集合体
外周部からシュラウドにかけての、炉水による連続的な
線量率の減衰を線形に仮定して示してある。遮蔽計算で
は炉心中心に一様な線量を持つ線源を置くことにより、
炉外の線量率を評価することから、シュラウド内面近傍
の線量を精度よく評価することは難しい。現状では炉心
の線量率の1〜2桁落ちの線量がシュラウド内面近傍に
吸収されていると仮定されている。
【0012】以上のように、炉水流速と線量率の2つが
現状では不明であるため、炉心外周部を構成するシュラ
ウドのような構造物のSCC環境を決定することが難し
い。シュラウド等の適切な材料選択,正確な寿命予測の
ために、適切なSCC環境評価の方法が求められる。
【0013】本発明の目的は、シュラウド内面でのSC
C環境および材料のSCC挙動を直接に精度よく決定す
る方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明では、原子炉圧力容器内にシュラウド構造を有す
る沸騰水型原子炉の、炉心を構成する燃料棒集合体の外
縁部とシュラウド内面とが形成する空間部位に応力腐食
割れ材料試験片を設置した応力腐食割れ環境評価方法を
提供する。この構成により現実の腐食環境を直接反映し
た材料試験が可能となり原子炉圧力容器内機器の腐食損
傷防止に好適な材料および運転管理方法の選定が可能と
なる。
【0015】更に、上記において、材料試験片を設置す
るために燃料棒集合体が置かれていない上部格子板の外
周部に設けられた炉心冷却水流れ止めの蓋に穴をあけ
て、材料試験片を納めた容器を装荷することが好まし
い。この構成により容易に応力腐食割れ試験片を燃料棒
集合体の外縁部とシュラウド内面とが形成する空間部位
に設置することが可能になる。
【0016】また、材料試験片を設置するために、炉心
を形成する燃料棒集合体の炉心外周部に位置する燃料棒
集合体のうちシュラウド内面に最も近い位置にあるもの
を、材料試験片を納めた容器と交換して応力腐食割れ試
験を行うことが好ましい。この構造によれば原子炉圧力
容器等に何らの加工も施さずに試験片を設置可能になる
ので、簡易に材料試験ができる。
【0017】また、上記材料試験片は、少なくとも一つ
が応力腐食割れによる亀裂進展速度を測定する試験片,
材料試験片の少なくとも一つに応力腐食割れ試験片に応
力を付加するために、放射線の高照射場で体積膨張する
材料を用いたもの、亀裂進展速度を測定するために一種
の材料に異なる熱処理を施した複数の試験片であるも
の、試験片の周囲にγ線および中性子線を遮蔽する構造
を設けることにより材料に対する放射線照射の直接作用
を調べるようにしたものなどとすることが好ましい。上
記のような試験片を用いることによって、応力腐食割れ
の発生条件を、より正確に測定することができる。
【0018】本発明を更に詳しく述べれば、図6,図
7,図8においてSCC試験片,SCC試験片を炉心鉛直
軸方向の位置に固定するための試験片吊り下げ棒19,
試験片などの部材が万が一炉心部に落下して回収不能と
なることを防止するための鞘24、および上部格子板2
に鞘24と試験片吊り下げ棒19によって構成される試
験片格納容器9を固定するための上蓋23から構成され
る装置をシュラウド1内面と外周部燃料棒集合体13と
の間の部位に設置し、定期検査時に炉内に設置し、炉内
環境に直接曝露することによりSCCを材料試験片に発
生させ、一定期間の経過後に炉内から試験片を取り出し
SCC環境をオフラインで評価することである。
【0019】本発明の適用により、シュラウド1では内
表面付近を流れる炉水流速および線量率が不明である
が、γ線および中性子の照射を受けて生成した酸化性成
分を含む炉水に直接浸漬することによって、現実の腐食
環境を反映した材料試験が可能となる。しかも、亀裂進
展量をオフラインで測定することによって信号線の取り
出しが不要となるため、信号線引き出し構造のないシュ
ラウド1内面付近でも実施可能であり、また試験片の構
造が簡単となるため故障が無く、原子炉の運転に影響を
及ぼさない。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を説明す
る。
【0021】(実施例1)初めに、図3は本発明の定検
作業時における主要な手順を示した実施手順を示したア
ルゴリズムである。解列,格納容器5及び圧力容器4開
放の後、燃料の移動およびLPRM(local power rang
e monitor)管取り替えのさいに、試験片を設置する。既
設炉に新規に試験片を設置するときには上部格子板2外
周部に試験片格納容器9を挿入するための試験部孔14
を開ける必要があり、周囲の燃料棒の移動が安全の上で
必要である。そのために燃料移動により試験部孔14穴
開け位置近くの燃料棒を取り出した後に作業を実施す
る。後で詳細に述べる試験片設置作業の後、残る定期検
査作業を実施し、圧力容器4,格納容器5を復旧して、
起動準備,併列とする。
【0022】次に図4を用いて本発明の構成と実施作業
手順の詳細を説明する。初めに試験部孔14位置近くに
置かれた燃料棒集合体13を移動する。続いて、試験部
孔14穴開け位置にガイド7をホイスト6を用いてワイ
ヤ12により釣り下げ、ガイド支持脚10をシュラウド
1の上部、および穴開け位置近接の上部格子板2に固定
し、ガイド7を支持する。容器固定具8はガイド7上を
走行し試験片格納容器9を挿入するために用いるもので
あるが、穴開け時には、試験片格納容器9の代わりに水
中放電加工機11を固定することができる。固定された
ガイド7に従って水中放電加工機11を下ろし、試験片
格納容器9を挿入するための穴を上部格子板2外周部に
開ける。開孔後、放電加工機をつり上げて回収し、試験
片格納容器9を容器固定具8に固定する。ホイスト6か
ら吊り下げられた試験片格納容器9は、ワイヤ12を緩
めることによってガイド7に従って降下し、上部格子板
2に開けられた穴に差し込まれる。容器固定具8は試験
片格納容器9が穴に差し込まれてしばらく下降したあと
で操作員の操作により試験片格納容器9と分離する。試
験片格納容器9が完全に穴の中に入ったら、試験片格納
容器9を吊り下げていたワイヤ12をはずす。図には試
験片格納容器9が完全に炉内に入った時の状態を点線で
示した。
【0023】続いて、試験片格納容器9の設置位置につ
いて詳細を説明する。図5は圧力容器4の上部格子板2
付近の横断面を示したもので、それぞれ圧力容器4,シ
ュラウド1,上部格子板2、および主蒸気系配管16を
示したものである。図中に示すように上部格子板2は一
格子当たりの中に4体の燃料棒集合体13が納められ
る。しかし、上部格子板2周辺部位では炉心構造上一格
子内に4体の燃料棒集合体13を収納できない部位が生
じ、図に斜線で示すような位置には上部蓋15がしてあ
る。本発明ではこの上部蓋15位置を利用して、試験片
格納容器9を据え付ける。上部蓋15に示された白丸が
試験片格納容器9を挿入するための試験部孔14であ
る。図には試験部孔14を一つだけ示したが、多数の試
験片による試験を実施して試験精度を向上するために、
実際にはシュラウド1内面の一ケ所以上の位置に試験片
を設置することが必要である。
【0024】図6は図5の試験部孔14位置を縦割りに
して、試験片の設置の様子を示したものであり、試験片
格納容器9は、上部格子板2に固定するための固定治具
17、及び試験片回収時の吊り下げフック18,構成部
品の一部が炉内に落ちて無くなることを防ぐための鞘2
4、および試験片を所定の位置に固定するための吊り下
げ棒19から構成されており、吊り下げ棒19には複数
種類の試験片が固定され、シュラウド1のSCCが懸念
される部位近傍での鉛直方向位置を変えて複数設置され
る。本実施例では、ダブルUベンド試験片20とDCB
試験片21が示してある。
【0025】図7は試験片格納容器9について詳細を示
したものである。試験片格納容器9は上蓋23と鞘24
の部分から成る。鞘24には炉心部炉水を通水するため
に多くの小さな通水孔22が開けられており、最小の部
品より小さい直径とすることによって炉心部に部品を失
うことを防止する。上蓋には試験片の吊り下げ棒19と
容器を回収するときに吊り下げるための吊り下げフック
18が固定されている。鞘24と上蓋23は鞘24から
出たボルト26を上蓋23を通しナット25で締めるこ
とによって固定される。このような試験片格納容器9構
造をとることにより、(1)多くの通水孔22を持つこ
とにより炉水が十分に容器の中を流れ、実際の炉水環境
を忠実に反映することが可能となる、(2)回収後試験
片の取り出しが容易となることが効果として挙げられ
る。
【0026】図8は別の実施例を示すものである。上部
格子板2の上部蓋15に試験部孔14の穴開け加工をせ
ずに一体の燃料棒集合体13を改造して中に試験片を納
めたものを、炉心最外周のチャネル位置に設置したもの
である。炉底部から炉水が流れ込まないようになってお
り、試験片格納容器9のシュラウド1に面した側に炉水
が流れ込むように通水孔22が設けられている。この場
合、シュラウド1内面と燃料棒集合体13,最外周部と
の間に試験片格納容器9を納めるために十分な間隔を確
保できない場合などに有効である。シュラウド1近傍と
は線量率の分布が異なる恐れはある反面、水質的にはシ
ュラウド1内面を流れる炉水に近いものを代表している
と考えられ、また、上部格子板2に試験部孔14を開け
ずに試験片を設置することができ、短期間で試験片の設
置ができるメリットがある。
【0027】図9は異なるSCC感受性を持つ同一の材
料を用いてDCB型の試験を行ったときの期待される結
果を示したものである。完全に鋭敏化した材料を用いて
試験を行えば、図9の上図のように亀裂は起動共に炉水
環境に応じて進展するはずである。従って、亀裂進展量
を運転時間で割ることにより、平均の亀裂進展速度が求
められSCC環境がわかる。一方、本発明ではオンライ
ンで亀裂進展量をモニタしないために、図9の下図のよ
うに亀裂の進展が初期には進まずに、ある一定期間の環
境への曝露ののちに亀裂が進む場合には、平均の亀裂進
展速度を過小評価してしまう恐れがある。従って、鋭敏
化していない材料を用いて試験を同時に行った結果とし
て亀裂進展量に差が見られれば、その差から亀裂進展の
潜伏期間が推定される。図10に示すように、鋭敏化し
て環境に曝されるとすぐに亀裂が発生し一定速度で成長
する場合、時間Tの亀裂長さLを測定すれば勾配から亀
裂進展速度aが求められる。そこで、同じ時間Tだけ環
境に曝された熱処理の異なる材料試験片の亀裂長さが
L′であれば亀裂進展速度が同じaであると仮定して潜
伏期間がTiであると求めることができる。
【0028】潜伏期間を特定する場合には照射期間を変
えて亀裂進展速度を測定することによっても可能であ
る。亀裂進展速度がある一定の環境に曝されている間は
一定量aであるとすると、同じく図10に示すように、
亀裂長さと曝露時間の間には線形性が現れるから、T
1,T2、およびT3のシュラウド1近傍の環境へ曝さ
れた試験片の亀裂長さがそれぞれL1,L2,L3であ
ったとすれば、時間軸との交点Tiを求めることにより
亀裂発生までの潜伏期間が評価できる。
【0029】図11は試験片の周りに、中性子を遮蔽す
るためのハフニウムやホウ素化合物のような物質やγ線
を遮蔽するための厚い鋼板を試験片周りに遮蔽体27と
して設置した実施例である。遮蔽体27の無い場合の亀
裂進展量と比較することにより、直接試験片に放射線が
照射されることにより材料が鋭敏化したり転移が発生し
たりすることによるSCC感受性の発露を捉えることが
できる。
【0030】
【発明の効果】本発明の適用により、シュラウド1で内
表面の炉水および放射線照射場に設置され、現実の腐食
環境を直接反映した材料試験が実施可能となる。そのた
め沸騰水型原子炉圧力容器4内機器の腐食損傷防止に好
適な材料および運転管理方法選定が可能となる。
【0031】更に、上記材料試験を少ないコストで容易
に実施し得る方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】炉心バイパス部流速分布。
【図2】径方向線量率分布。
【図3】本発明を実施する作業の流れ図。
【図4】試験片装荷位置を示す横断面図。
【図5】試験片格納容器の詳細図。
【図6】本発明の一実施例。
【図7】試験容器設置手順を示す縦断面図。
【図8】本発明の別の実施例。
【図9】処理の異なる試験片における亀裂進展量の違い
の例。
【図10】環境への曝露時間と亀裂進展量の関係図。
【図11】試験片周りに遮蔽体を設置した実施例。
【符号の説明】
1…シュラウド、2…上部格子板、3…炉心支持板、4
…圧力容器、5…格納容器、6…ホイスト、7…ガイ
ド、8…容器固定具、9…試験片格納容器、10…ガイ
ド支持脚、11…水中放電加工機、12…ワイヤ、13
…燃料棒集合体、14…試験部孔、15…上部蓋、16
…主蒸気系配管、17…固定治具、18…吊り下げフッ
ク、19…吊り下げ棒、20…ダブルUベンド試験片、
21…DCB試験片、22…通水孔、23…上蓋、24…
鞘、25…ナット、26…ボルト、27…遮蔽体。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉圧力容器内にシュラウド構造を有す
    る沸騰水型原子炉の、炉心を構成する燃料棒集合体の外
    縁部とシュラウド内面とが形成する空間部位に材料試験
    片を設置することを特徴とする原子炉内環境評価方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、材料試験片を設置する
    ために燃料棒集合体が置かれていない上部格子板の外周
    部に設けられた炉心冷却水流れ止めの蓋に穴をあけて、
    材料試験片を納めた容器を装荷することを特徴とする応
    力腐食割れ環境評価方法。
  3. 【請求項3】請求項1において、材料試験片を設置する
    ために、炉心を形成する燃料棒集合体の炉心外周部に位
    置する燃料棒集合体のうちシュラウド内面に最も近い位
    置にあるものを、材料試験片を納めた容器と交換して応
    力腐食割れ試験を行うことを特徴とする応力腐食割れ環
    境評価方法。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記材料試験片の少な
    くとも一つが応力腐食割れによる亀裂進展速度を測定す
    る試験片であることを特徴とする応力腐食割れ環境評価
    方法。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記材料試験片の少な
    くとも一つに応力腐食割れ試験片に応力を付加するため
    に、放射線の高照射場で体積膨張する材料を用いること
    を特徴とする応力腐食割れ環境評価方法。
  6. 【請求項6】請求項1において、前記材料試験片の少な
    くとも一部が亀裂進展速度を測定するために一種の材料
    に異なる熱処理を施した複数の試験片であることを特徴
    とする応力腐食割れ環境評価方法。
  7. 【請求項7】請求項1において、前記材料試験片の少な
    くとも一部が、該試験片の周囲にγ線および中性子線を
    遮蔽する構造を設けることにより材料に対する放射線照
    射の直接作用を調べるようにしたことを特徴とする応力
    腐食割れ環境評価方法。
JP8117321A 1996-05-13 1996-05-13 沸騰水型原子炉炉内の環境評価方法 Pending JPH09304582A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109243638A (zh) * 2018-09-05 2019-01-18 西安交通大学 核反应堆安全壳碎片迁移特性试验系统及其试验方法

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CN109243638A (zh) * 2018-09-05 2019-01-18 西安交通大学 核反应堆安全壳碎片迁移特性试验系统及其试验方法
CN109243638B (zh) * 2018-09-05 2019-07-02 西安交通大学 核反应堆安全壳碎片迁移特性试验系统及其试验方法

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