JPH09305239A - バックラッシュ制振制御方法 - Google Patents

バックラッシュ制振制御方法

Info

Publication number
JPH09305239A
JPH09305239A JP8121786A JP12178696A JPH09305239A JP H09305239 A JPH09305239 A JP H09305239A JP 8121786 A JP8121786 A JP 8121786A JP 12178696 A JP12178696 A JP 12178696A JP H09305239 A JPH09305239 A JP H09305239A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
backlash
torque
input
vibration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8121786A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3761245B2 (ja
Inventor
Masaru Go
優 呉
Atsushi Fujikawa
淳 藤川
Hirokazu Kobayashi
弘和 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Electric Manufacturing Ltd
Original Assignee
Toyo Electric Manufacturing Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Electric Manufacturing Ltd filed Critical Toyo Electric Manufacturing Ltd
Priority to JP12178696A priority Critical patent/JP3761245B2/ja
Publication of JPH09305239A publication Critical patent/JPH09305239A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3761245B2 publication Critical patent/JP3761245B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gear Transmission (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ギア歯の衝突が扱えるバックラッシュモデル
を構築し、該モデルを使用して多慣性軸ねじれ系の制振
制御を効果的に行うこと。 【解決手段】 ギアのバネ定数Kg 及びギアの慣性Jg
2,Jmg1 (電動機の慣性も含む)を用いることによ
り、ギア歯の衝突現象が扱えるギアバックラッシュモデ
ル部1bを構成し、電動機速度ωmを上記モデル部1b
に入力し多慣性軸ねじれ系を制振制御する。また、PD
フィードバック補償部3において、電動機のトルク指令
T*と電動機速度ωm から推定ギアトルクTgeを算出
し、推定ギアトルクTgeを電動機のトルク指令T*が得
られる前段に比例+微分フィードバック補償し、ギアバ
ックラッシュ振動及び軸ねじれ振動を効果的に抑制す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸ねじれ及びギア
バックラッシュを有する電動機ドライブシステムの制御
方法に係り、特にギアバックラッシュの振動抑制を図る
バックラッシュ制振制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】変速装置にギアバックラッシュを有する
多慣性軸ねじれ系の制振制御は、電動機ドライブ装置の
性能向上による生産性の向上、製品品質の向上等の目標
達成には、必須の技術である。特に、ギア歯の摩耗など
機構の劣化より生ずるギアバックラッシュ現象がドライ
ブ装置自体の破壊の原因となることは知られており、ギ
アバックラッシュの振動抑制は実用上重要な課題であ
る。ギアバックラッシュの振動抑制対策としては、変速
機構を改善してギアバックラッシュを発生させなくする
方法と、ギアバックラッシュを含む系を制御で抑制する
方法とに大別される。
【0003】上記変速機構を改善する方法の例として
は、バックラッシュのあるギアを複数としてその間にバ
ネ機構を設けたり、電磁作用によりギアバックラッシュ
を抑制したりしている。また、制御による方法の例とし
ては、特開平4−109890号公報「ノンバックラッ
シュ制御の速度制御装置」が提案されている。これは、
バックラッシュ機構のある前と後段に設けた駆動系の各
々の速度を検出し、各駆動系を、バックラッシュが介在
するねじれ剛性を相殺するように制御することにより、
ノンバックラッシュが図られたものである。さらに、後
述する如き平成6年電気学会シンポジュウムにてバック
ラッシュ対策について検討されているものの、実用例は
未だ少ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】軸ねじれ振動抑制問題
については、平成6年電気学会産業応用部門全国大会の
シンポジュウムにて、「軸ねじれ系の最新制御技術」の
テーマより、さまざまな制御法が提案されている。例え
ば、PID制御、速度微分フィードバック、モデル追従
制御、外乱オブザーバを用いた共振比制御、状態フィー
ドバック、H∞制御とμシンセシス等がある。しかしな
がら、これらの制御は設計法が難解、現場での調整が難
しい、制御器の次数が高い、バックラッシュに弱いなど
の点が指摘されている。これらの制御法の中には、バッ
クラッシュの影響が考慮されているものもあるが、バッ
クラッシュを積極的に抑制する方策は見当らない。その
要因として、バックラッシュ現象を評価するモデルが明
らかでない点、衝突現象をも含む特異な非線形特性であ
って従来の線形補償アルゴリズムが取り扱い難い点など
がある。
【0005】従来から、非線形要素の解析に、線形要素
の周波数伝達関数の概念を非線形要素に拡張することか
ら、記述関数がよく使われている。記述関数は非線形要
素の出力信号の基本波成分のみを問題にしており、非線
形要素を線形要素に近似する方法である。ギアバックラ
ッシュの非線形要素のモデルとして、不感帯要素がよく
使われるが、従来の技術では、ギアのバネ定数すなわち
ギア歯の弾性係数(Kg )及びギアの慣性(Jg1、Jg
2)を無視した上で、記述関数または記述関数曲線から
不感帯の非線形要素を線形化してバックラッシュの物理
的挙動を解析するため、現実中のギアバックラッシュ衝
突現象が正しく扱えない。
【0006】例えば、図15はギアバックラッシュを有
する共振系の構成例を示す図であり、1は電動機、2は
負荷機、3はねじれ軸、4はバックラッシュを有するギ
アを示す。図15の如き電動機1と負荷機2が細いねじ
れ軸3及びバックラッシュを有するギア4で接続されて
いる場合、この機械共振系に周波数の低い軸ねじれ振動
と周波数の高いギアバックラッシュ振動の2つの振動モ
ードが存在するわけであるが、従来の技術では、ギアの
バネおよびギアの慣性の影響を考慮しないため、図15
の機械共振系をブロック線図で示すと図16になり、そ
のギアバックラッシュ部は不感帯要素としている。ただ
し、δはギアバックラッシュの幅、T*はトルク指令、
Ts は軸ねじれトルク、TL は負荷機側の外乱トルク、
ωm は電動機速度、ωL は負荷機速度、θs は軸ねじれ
角、Ks は軸のバネ定数である。また、Jm は電動機慣
性、JL は負荷機慣性である。
【0007】図16のように、バックラッシュ非線形特
性としての不感帯があるにもかかわらず、制御対象のモ
デルはただの2慣性軸ねじれ系になり、軸ねじれ振動モ
ードしか残っていなくなってしまうので、図16のモデ
ルで設計した制御器を実際の装置に適用すると、予想の
効果が得られない。本発明は上記した従来技術の問題点
に鑑みなされたものであって、本発明の第1の目的は、
ギア歯の衝突が扱えるバックラッシュモデルを使用し
て、ギア歯の衝突を考慮した多慣性軸ねじれ系の制振制
御を行うことである。本発明の第2の目的は、上記ギア
歯の衝突が扱えるバックラッシュモデルを使用して多慣
性軸ねじれ系の制振制御を行うに際し、それから電動機
側に付けられた外乱オブザーバによる推定されたギアト
ルク(Tge)をトルク指令(T*)が得られる前段に比
例+微分フィードバック補償することにより、ギアバッ
クラッシュ振動及び軸ねじれ振動を効果的に抑制するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】従来のギアバックラッシ
ュモデルには、ギア歯の衝突現象が考慮されていなく、
ギアのバネ定数(Kg )及びギアの慣性(Jg1、Jg2)
の影響を無視し、図2に示す不感帯非線形特性をギアバ
ックラッシュモデルとして使っていた。ただし、δは軸
ねじれ角θs に対するバックラッシュの幅である。とこ
ろで、実際にギアの位相差(θg )がバックラッシュの
幅(δ)を越えると、ギア歯の衝突が発生し、衝突に伴
ってギアの歯が変形する。歯は図3の如きギアバネと見
なせて、衝突が発生するとき、ギアバネ同士の接触でギ
アトルク(Tg )を伝達することになる。ここで、入力
側ギヤと出力側ギヤを合成したギアバネ定数をKg と置
き、また、ギア慣性(Jg1、Jg2)の影響も無視しない
と、ギア歯の衝突現象が扱えるギアバックラッシュモデ
ルが図4のブロック線図の如くに表現できる。
【0009】つまり、入力側ギアの外部からの入力トル
ク(T1 )とギアトルク(Tg )との偏差を、入力側ギ
アに入力することにより、入力側ギアの回転角速度(ω
g1)が得られ、入力側ギアの回転角速度(ωg1)と出力
側ギアの回転角速度(ωg2)との偏差積分値がギアの位
相差(θg )となり、ギアの位相差(θg )のバックラ
ッシュ幅(δ)を越える量(θg −δ)がギアバネ定数
(Kg )倍され、ギアトルク(Tg )となり、ギアトル
ク(Tg )と出力側ギアの外部からの入力トルク(T2
)との偏差を、出力側ギアに入力することにより、出
力側ギアの回転角速度(ωg2)が得られる。ただし、J
g1とJg2はそれぞれ入力側ギアと出力側ギアの慣性であ
る。
【0010】さらに、入力側ギアと電動機が短い太い軸
で接続されている場合が多い。この場合では、入力側ギ
アと電動機が一体として回転している(すなわち、ωg1
=ωm)ので、この時のギアバックラッシュモデルはさ
らに図5のブロック線図の如くに表現できる。つまり、
図5は図4の一例である。また、このときの電動機の等
価慣性(Jmg1 )は下記の式(1)のように表せる。
【0011】
【数1】Jmg1=Jm+Jg1 …(1)
【0012】ところで、図4または図5の如きギアバッ
クラッシュモデルを用いた制振制御系において、ギアバ
ックラッシュ振動および軸ねじれ振動を抑制するには、
後述する図14に示す開ループ系のゲイン周波数特性に
おいて、機械共振モード(低周波域の軸ねじれ振動モー
ドと高周波域のギアバックラッシュ振動モード)に対応
するゲイン周波数特性のピーク値を低く抑えることが必
要である。そこで、2慣性系の共振比制御方法を参考に
して、本発明においては、後述する図1に示すように、
PDフィードバック補償部3を設け、電動機側に付けら
れた外乱オブザーバによる推定されたギアトルク(Tg
e)を、比例ゲインKpfをかけてトルク指令(T*)が
得られる前段にフィードバックする。一方、ギア歯の衝
突が発生する時、衝突によるギアトルクはインパルス状
に急に変化する。そこで、ギアトルクの変化の動きを早
めに予見し、制御するために、同時に推定ギアトルク
(Tge)の微分量も微分ゲインKdfをかけてフィードバ
ックする。以上の手法より推定ギアトルクのPD(比例
+微分)フィードバック補償を行うことができる。ま
た、外乱オブザーバは図1のPDフィードバック補償部
3に示すようにトルク指令(T*)と電動機速度(ω
m)の情報を活用して、電動機の外乱としたギアトルク
の推定値Tgeを算出することにより構成される。
【0013】上記PDフィードバック補償部3における
PDフィードバックゲイン(Kpf、Kdf)の設計は、閉
ループ系の極配置により行う。具体的には、次のような
設計手法を用いることができる。不感帯非線形特性は下
記式(2)のような記述関数で表せる。
【0014】
【数2】GD(jω)=2/π(π/2− sin-1R −R√(1−R2 ))∠0° …(2)
【0015】ただし、R=δ/A、Aは周波数ωの正弦
波入力信号の振幅である。上記の記述関数からRとN
(=|GD(jω)|)の関数曲線は図6で示される。
前記した図4と図5にある不感帯非線形要素は上述の記
述関数の表現から、Nとすることで表現できる。ただ
し、非線形ゲインNのとりうる範囲は図6の関数曲線か
ら、下記の式(3)のように表せる。
【0016】
【数3】0≦N≦1 …(3)
【0017】後述する図9の閉ループ系の根軌跡より、
N=0〜1の範囲で、複素平面に閉ループ系の極の位置
はNにより連続的に変動していることが見えるので、ギ
アバックラッシュ振動を抑えるためには、N=1のとき
の閉ループ系の極配置を取りあげ、ギアバックラッシュ
振動モードに対応する高周波域の極(即ち、図9に示す
如き原点より遠い共役複素極)を複数平面の左半面に虚
軸より遠く移動させる(即ち、ギアバックラッシュ振動
の減衰を速くする)ようにPDフィードバックゲイン
(Kpf、Kdf)を設計すれば良い。
【0018】本発明は上述した原理に基づきなされたも
のであって、次のように構成したものである。 (1)ギアバックラッシュを有する多慣性軸ねじれ系の
制振制御方法において、ギアのバネ定数(Kg )及びギ
アの慣性(Jg1、Jg2)を用いてギア歯の衝突現象が扱
えるギアバックラッシュモデルを構成し、該モデルを使
用して多慣性軸ねじれ系を制振制御する。 (2)上記(1)において、電動機側に付けられた外乱
オブザーバにより、ギアトルク(Tge)を推定し、ギア
トルク(Tge)をトルク指令(T*)が得られる前段に
PDフィードバック補償して、多慣性軸ねじれ系を制振
制御する。 本発明の請求項1の発明においては、上記(1)のよう
なバックラッシュモデルを使用して多慣性軸ねじれ系を
制振制御しているので、ギア歯の衝突現象を考慮した制
振制御を行うことができる。本発明の請求項2の発明に
おいては、上記(2)のように構成したので、ギアバッ
クラッシュによる持続振動を抑制して、多慣性軸ねじれ
系の振動抑制を効果的に行うことが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照しつつ説明する。図1は本発明の1実施例を示す図で
あり、1はギアバックラッシュを有する機械共振系、2
はPID速度制御器、3は推定ギアトルク(Tge)のP
Dフィードバック補償部である。ただし、Tf は外乱オ
ブザーバのフィルタの時定数、Jmg1nはJmg1 のノミナ
ル値である。ここで、機械共振系1は電動機部1a、前
記図5に示したものと同様なギアバックラッシュモデル
部1b、ねじれ軸部1c及び負荷機部1dから構成され
る。
【0020】上記機械共振系1をPID速度制御器のみ
で制御する場合、速度指令ω*と電動機速度ωmとの偏
差を、PID速度制御器を通してトルク指令T*が得ら
れる。このトルク指令T*とギアトルクTg との偏差
を、電動機に入力することにより、電動機速度ωmが得
られる。上記電動機速度ωmと出力側ギア速度ωg2との
偏差積分値がギアの位相差θgとなり、ギア位相差θg
のバックラッシュ幅δを越える量(θg −δ)がギアバ
ネ定数Kg 倍されて、ギアトルクTg となる。ギアトル
クTg と軸トルクTs との偏差を、出力側ギアに入力す
ることにより、出力側ギア速度ωg2が得られる。負荷機
部も同様に、出力側ギア速度ωg2と負荷機速度ωLとの
偏差積分値が軸ねじれ角θs となり、軸バネ定数Ks 倍
されて軸ねじれトルクTs となる。軸ねじれトルクTs
と負荷機の外乱トルクTLの偏差を、負荷機に入力する
ことにより、負荷機速度ωLが得られる。
【0021】上記構成の多慣性軸ねじれ系の制振制御方
法として、まず、PID速度制御器の各ゲインKp、K
iとKdを設計する。ギアにバックラッシュの幅δが非
常に小さい、また、ギアのバネ定数Kg が十分大きいと
すると、ギアと電動機が一体の剛体として回転している
(即ち、ωm=ωg2)ので、図1の機械共振系1は図7
のブロック線図で示す2慣性系に近似できる。ただし、
この場合の電動機の等価慣性(Jmg12)は下記の式
(2)のように表すことができる。
【0022】
【数4】Jmg12=Jmg1 +Jg2 …(4)
【0023】図7に示す2慣性系の制振制御問題につい
ては、平成7年電気学会産業応用部門誌115-D-1 にて、
「PID制御のみによる2慣性系の制御」のテーマで、
PID速度制御器設計の一つ手法が堀氏より提案され
た。この手法を使うことにより、PID速度制御器のゲ
インKp 、Ki とKd は下記のような式(5)〜(7)
で設計できる。
【0024】
【数5】 Kp =10√(2)√(JL Ks )/11…(5) Ki =4Ks /11 …(6) Kd =(5JL −11Jmg12)/11 …(7)
【0025】数値例として、機械共振系の各定数をJmg
1 =0.095 [Kgm2]、Jg2=0.01[Kgm2]、JL =0.09
5 [Kgm2]、Ks =130 [Nm/rad ]のように与える
と、上記の式(3)〜(5)より、PID速度制御器の
各ゲインはKp=4.52、Ki=47.29 、Kd=-0.062となる。
【0026】以上のように設計したPID速度制御器を
図7に示す2慣性系に適用すると、振動のない良い時間
応答が得られるが、図1に示すギアバックラッシュを有
する機械共振系(δ=1゜、Kg =500Nm /rad )に適
用すると、0sec 時のランプ状な速度指令と、1.5se
c 時の定格の67%の外乱トルクをかけた時間応答は図
8に示すようになる。図8から明らかなように、出力側
ギア速度ωg2とギアトルクTg がギアバックラッシュの
存在のため、減衰の遅い持続振動をしていて、ギアバッ
クラッシュ振動が発生してしまう。ギアバックラッシュ
持続振動の発生原因を調べるために、非線形ゲインN
(=0〜1)を変動パラメータとして、上記のPID速
度制御器を適用した閉ループ系の根軌跡を描くと図9に
示すようになる。この根軌跡においては、すべてのN
(=0〜1)に対して、ギアバックラッシュ振動モード
に対応する閉ループ系の高周波域の極(即ち、図9に示
す如き原点より遠い共役複素極)が虚軸の近辺にある
(即ち、振動の減衰が遅い)ので、上記のPID速度制
御器のみにより、ギアバックラッシュの持続振動が抑制
できないことがわかる。
【0027】ギアバックラッシュの持続振動を抑えるた
めに、上記PID速度制御に、図1に示したように、電
動機に付けられた外乱オブザーバにより推定されたギア
トルクTgeをトルク指令T*が得られる前段にPDフィ
ードバック補償するギアバックラッシュ補償を追加す
る。N=1のときの閉ループ系の極配置を取りあげ、ギ
アバックラッシュ振動の減衰を速くするため、ギアバッ
クラッシュ振動モードに対応する高周波域の極(即ち、
原点より遠い共役複素極)を複数平面の左半面に虚軸よ
り遠く移動させれるように、PDフィードバックゲイン
Kpf、Kdfを次のように極配置から設計する。
【0028】(1)比例ゲインKpfの設計 Kpfを可変とした閉ループ系の根軌跡を図10に示す。
ただし、このときは、PID速度制御器の各ゲインK
p、KiとKdは上記の数値例で得られた値としてい
る。また、微分フィードバックゲインの初期値としてK
dfをKdf=0としている。ゲインKpfを大きくすると、
ギアバックラッシュ振動モードに対応する高周波域の極
(即ち、原点より遠い共役複素極)はやや左半面に移動
するが、Kpfの値を大きくしすぎると、軸ねじれ振動モ
ードに対応する低周波域の極(即ち、原点に近い共役複
素極)の位置が悪くなる(軸ねじれ振動の減衰が遅くな
る)ので、ここでは、軸ねじれ振動モードの低周波域の
極を最適な配置(軸ねじれ振動の減衰がもっとも速い)
に選定し、Kpfの値を0.12とした。
【0029】(2)微分ゲインKdfの設計 Kdfを可変とした閉ループ系の根軌跡を図11に示す。
ただし、比例フィードバックゲインKpfは前項で得られ
た値としてKpf=0.12としている。また、Kp、Kiと
Kdは前項と同様としている。ゲインKdfを0より大き
く取ると、ギアバックラッシュ振動モードに対応する高
周波域の極(即ち、原点より遠い共役複素極)は、大幅
に左半面に移動できるが、軸ねじれ振動モードに対応す
る低周波域の極(即ち、原点に近い共役複素極)は、虚
軸に向かって移動し、軸ねじれ振動の減衰が遅くなる。
そこで、ここでは、ギアバックラッシュの振動抑制と軸
ねじれの振動抑制とのバランスを考慮して、Kdfの値を
0.01として設定した。この時、軸ねじれ振動の減衰はや
や遅くなったが、ギアバックラッシュ振動の減衰は大幅
に速くなった。このことから、推定ギアトルクTgeの微
分フィードバック補償は、高次モードのギアバックラッ
シュの振動抑制に特に有効であることがわかる。また、
以上のKpf、Kdfの設計を繰り返し、最適なPDフィー
ドバックゲイン(Kpf、Kdf)を得ることが可能なこと
は明らかである。
【0030】図12に非線形ゲインN(= 0〜1)を変
動パラメータとして、上記のようにして設計した補償器
を用いた閉ループ系の根軌跡を示す。図12を図9と比
較すると、図12の場合には、N(= 0〜1)に対し
て、ギアバックラッシュ振動モードに対応する高周波域
の共役複素極は、図9の高周波域の共役複素極より虚軸
から遠く離れる。このことから、上記のように設計した
補償器を適用すると、ギアバックラッシュ振動が速く減
衰し、PID速度制御のみを適用する場合の持続的なギ
アバックラッシュ振動を抑制できることがわかる。上記
方法で設計した推定ギアトルクTgeのPDフィードバッ
ク補償を図1に示したギアバックラッシュを有する機械
共振系(δ=1゜、Kg =500Nm /rad )に適用する
と、図13のように、その時間応答は図8の応答よりよ
く改善され、出力側ギア速度ωg2とギアトルクTg に振
動がないので、ギアバックラッシュの振動抑制ができた
ことがわかる。
【0031】次にボート線図から安定性について考察す
る。図14は推定ギアトルクTgeのPDフィードバック
補償が有る場合と無い場合の開ループ系のトルク指令T
*が得られる前段から電動機速度ωmまでのゲイン周波
数特性を示す図である(N=0.25、0.5 、1)。同図の
点線はPDフィードバック補償のない場合、実線はPD
フィードバック補償のある場合である。図14の開ルー
プ系ゲイン周波数特性から明らかなように、推定ギアト
ルクTgeの補償をかけると、機械共振モード(低周波域
の軸ねじれ振動モードと高周波域のギアバックラッシュ
振動モード)に対応するゲイン周波数特性のピーク値が
大幅に低減される。このことから、推定ギアトルクTge
のPDフィードバック補償はギアバックラッシュ振動及
び軸ねじれ振動の抑制に有効であることがわかる。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ギアのバネ定数及びギアの慣性を用いること
により、ギア歯の衝突現象が扱えるギアバックラッシュ
モデルを構成することができ、ギア歯の衝突現象を考慮
した制振制御を行うことができる。さらに、電動機側に
付けられた外乱オブザーバによる推定されたギアトルク
のPDフィードバック補償を行うことにより、ギアバッ
クラッシュの振動抑制を効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のブロック線図である。
【図2】不感帯非線形特性を示す図である。
【図3】ギア歯の衝突現象とギアバネ定数の定義を説明
するための図である。
【図4】ギアバックラッシュのモデルを示すブロック線
図である。
【図5】図4に示したモデルの一例である。
【図6】不感帯の非線形ゲインNとパラメータRの関数
曲線である。
【図7】2慣性ねじれ軸系を示すブロック線図である。
【図8】PID制御方式によるギアバックラッシュを有
する共振系の時間応答を示す図である。
【図9】非線形ゲインNを変動パラメータとした閉ルー
プ系の根軌跡を示す図である。
【図10】比例フィードバックゲインKpfを可変とした
閉ループ系の根軌跡を示す図である。
【図11】微分フィードバックゲインKdfを可変とした
閉ループ系の根軌跡を示す図である。
【図12】非線形ゲインNを変動パラメータとして本発
明の補償器を適用した閉ループ系の根軌跡を示す図であ
る。
【図13】本発明の制御方式で制御されたギアバックラ
ッシュを有する共振系の時間応答を示す図である。
【図14】本発明の推定ギアトルクのPDフィードバッ
ク補償の効果を説明するための開ループ系の周波数特性
を示す図である。
【図15】ギアバックラッシュを有する機械共振系の構
成例を示す図である。
【図16】図15の機械共振系を従来の技術で処理した
ブロック線図である。
【符号の説明】
1 ギアバックラッシュを有する機械共振系 2 PID速度制御器 3 推定ギアトルクのPDフィードバック補償
部 Jg1 入力側ギアの慣性 Jg2 出力側ギアの慣性 Kg ギアのバネ定数 δ ギアバックラッシュの幅 Jm 電動機の慣性 JL 負荷機の慣性 Jmg1 電動機の等価慣性 Jmg12 電動機の等価慣性 T* トルク指令 Tg ギアトルク Tge 推定ギアトルク Ts 軸ねじれトルク TL 負荷機側の外乱トルク T1 入力側ギアの外乱トルク T2 出力側ギアの外乱トルク ω* 速度指令 ωm 電動機速度 ωL 負荷機速度 ωg1 入力側ギアの回転角速度 ωg2 出力側ギアの回転角速度 θs 軸ねじれ角 Ks 軸のバネ定数 θg 入力側ギアと出力側ギアの位相差

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ギアバックラッシュを有する多慣性軸ね
    じれ系の制振制御方法において、 入力側ギアの外部からの入力トルク(T1 )とギアトル
    ク(Tg )との偏差を、入力側ギアに入力することによ
    り、入力側ギアの回転角速度(ωg1)を得て、 上記入力側ギアの回転角速度(ωg1)と出力側ギアの回
    転角速度(ωg2)との偏差積分値よりギアの位相差(θ
    g )を求め、 上記ギアの位相差(θg )のバックラッシュ幅(δ)を
    越える量(θg −δ)をギアバネ定数(Kg )倍して、
    前記ギアトルク(Tg )を求め、 上記ギアトルク(Tg )と出力側ギアの外部からの入力
    トルク(T2 )との偏差を出力側ギアに入力して、該出
    力側ギアの回転角速度(ωg2)を得ることにより、ギア
    歯の衝突現象が扱えるギアバックラッシュモデルを構成
    し、 上記ギアバックラッシュモデルを使用して多慣性軸ねじ
    れ系を制振制御することを特徴とするギアバックラッシ
    ュ制振制御方法。
  2. 【請求項2】 電動機のトルク指令(T*)と電動機速
    度(ωm )を外乱オブザーバに入力し、前記外乱オブザ
    ーバの出力として、推定ギアトルク(Tge)を算出し、
    前記推定ギアトルク(Tge)を前記電動機のトルク指令
    (T*)が得られる前段に比例+微分フィードバック補
    償し、 上記電動機速度(ωm )をギアバックラッシュモデルに
    入力し多慣性軸ねじれ系を制振制御することを特徴とす
    る請求項1のギアバックラッシュ制振制御方法。
JP12178696A 1996-05-16 1996-05-16 バックラッシュ制振制御方法 Expired - Fee Related JP3761245B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12178696A JP3761245B2 (ja) 1996-05-16 1996-05-16 バックラッシュ制振制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12178696A JP3761245B2 (ja) 1996-05-16 1996-05-16 バックラッシュ制振制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09305239A true JPH09305239A (ja) 1997-11-28
JP3761245B2 JP3761245B2 (ja) 2006-03-29

Family

ID=14819866

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12178696A Expired - Fee Related JP3761245B2 (ja) 1996-05-16 1996-05-16 バックラッシュ制振制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3761245B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001195133A (ja) * 2000-01-17 2001-07-19 Toyo Electric Mfg Co Ltd バックラッシねじれ軸系の2自由度トルク制御方法
WO2002008055A1 (en) * 2000-07-21 2002-01-31 Sikorsky Aircraft Corporation System for active noise reduction
JP2002171778A (ja) * 2000-09-25 2002-06-14 Aisin Seiki Co Ltd 電動モータの振動抑制制御装置及び電動モータの振動抑制制御における設計手法
KR20020077103A (ko) * 2001-03-28 2002-10-11 가부시끼가이샤 도시바 액정표시모듈
JP2002325471A (ja) * 2001-04-25 2002-11-08 Toyo Electric Mfg Co Ltd モータ駆動系におけるpid速度制御方法
JP2005025316A (ja) * 2003-06-30 2005-01-27 Yaskawa Electric Corp 位置決め装置の制御方法
US8290651B2 (en) 2009-03-16 2012-10-16 Hyundai Motor Company Method for reducing vibration caused by gear backlash in drive system for hybrid vehicle
DE19963414B4 (de) * 1998-12-28 2014-04-17 Mitsubishi Denki K.K. Numerisch gesteuertes System und für das System zu verwendende Totgang-Kompensationsvorrichtung
CN104104296A (zh) * 2014-06-04 2014-10-15 哈尔滨工业大学 用于机械谐振抑制的方法和装置
JP2017207177A (ja) * 2016-05-20 2017-11-24 三菱重工業株式会社 制御システム、制御方法およびプログラム

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19963414B4 (de) * 1998-12-28 2014-04-17 Mitsubishi Denki K.K. Numerisch gesteuertes System und für das System zu verwendende Totgang-Kompensationsvorrichtung
JP2001195133A (ja) * 2000-01-17 2001-07-19 Toyo Electric Mfg Co Ltd バックラッシねじれ軸系の2自由度トルク制御方法
WO2002008055A1 (en) * 2000-07-21 2002-01-31 Sikorsky Aircraft Corporation System for active noise reduction
JP2002171778A (ja) * 2000-09-25 2002-06-14 Aisin Seiki Co Ltd 電動モータの振動抑制制御装置及び電動モータの振動抑制制御における設計手法
KR20020077103A (ko) * 2001-03-28 2002-10-11 가부시끼가이샤 도시바 액정표시모듈
JP2002325471A (ja) * 2001-04-25 2002-11-08 Toyo Electric Mfg Co Ltd モータ駆動系におけるpid速度制御方法
JP2005025316A (ja) * 2003-06-30 2005-01-27 Yaskawa Electric Corp 位置決め装置の制御方法
US8290651B2 (en) 2009-03-16 2012-10-16 Hyundai Motor Company Method for reducing vibration caused by gear backlash in drive system for hybrid vehicle
CN104104296A (zh) * 2014-06-04 2014-10-15 哈尔滨工业大学 用于机械谐振抑制的方法和装置
JP2017207177A (ja) * 2016-05-20 2017-11-24 三菱重工業株式会社 制御システム、制御方法およびプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP3761245B2 (ja) 2006-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4879173B2 (ja) 電動機制御装置
JP6604157B2 (ja) 多慣性共振システムにおける共振抑制制御装置
JP4685071B2 (ja) モータ制御装置及びモータ制御方法
JP2004272883A (ja) サーボ制御装置
JP3761245B2 (ja) バックラッシュ制振制御方法
JP4658181B2 (ja) サーボ制御装置
JP4837558B2 (ja) モータ制御装置
JP2011257205A (ja) ダイナモメータシステムの軸トルク制御装置
JP3992448B2 (ja) モータドライブ系の速度制御方法
JP2023136976A (ja) 車両システムの振動抑制制御装置及び振動抑制制御方法
JP3943061B2 (ja) サーボ制御装置
JPH09121580A (ja) 低慣性化制御による2慣性共振系の振動抑制装置
JP6466588B2 (ja) H∞制御による波動歯車装置を備えたアクチュエータの位置決め制御装置
JP2016177513A (ja) タンデム位置制御装置
Nagatsu et al. High-order disturbance estimation using Kalman filter for precise reaction-torque control
JPS594954B2 (ja) 機械駆動系軸ねじり振動制御装置
JP4860277B2 (ja) 多慣性共振系の振動抑制制御方法及び装置
JP2020058216A (ja) 制御装置
JP2000050666A (ja) 2慣性共振系の2自由度トルク制御装置
JPH10323071A (ja) 2慣性共振系速度制御の2次直列補償器の係数決定方 法
JP2001195133A (ja) バックラッシねじれ軸系の2自由度トルク制御方法
JP3257873B2 (ja) 電動機駆動システムの軸トルク制御方法
JP5084196B2 (ja) 電動機制御装置および電動機制御方法
CN100565391C (zh) 多惯性共振系统的振动抑制控制方法及装置
JP3266391B2 (ja) 制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050830

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051027

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060110

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090120

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100120

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100120

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110120

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120120

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130120

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130120

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140120

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees