JPH0930853A - ポリマーで変性された無機建築材料の製法、無機建築材料のための添加剤、無機建築材料、水性ポリマー分散液、その製法及びポリマー粉末 - Google Patents

ポリマーで変性された無機建築材料の製法、無機建築材料のための添加剤、無機建築材料、水性ポリマー分散液、その製法及びポリマー粉末

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JPH0930853A
JPH0930853A JP8191080A JP19108096A JPH0930853A JP H0930853 A JPH0930853 A JP H0930853A JP 8191080 A JP8191080 A JP 8191080A JP 19108096 A JP19108096 A JP 19108096A JP H0930853 A JPH0930853 A JP H0930853A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機建築材料を変性するための水性ポリマー
分散液 【解決手段】 ポリマーが、(メタ)アクリル酸<5重
量%まで、(メタ)アクリルアミド<5重量%まで及び
その他の非イオン性不飽和モノマー90〜97.5重量
%からなり、かつ100〜300nmの重量平均直径を
有する分散ポリマー粒子として存在する、無機建築材料
を変性するための水性ポリマー分散液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分散相として存在
するポリマーが、ラジカル重合により得られる形で、そ
の全重量に対して、 (メタ)アクリル酸及び/又はその塩のいずれか(モノ
マーI)>0〜<5重量%、 (メタ)アクリルアミド(モノマーII) >0〜<
5重量% 及び残量として、少なくとも1つのエチレン系不飽和基
を有するその他の非イオン性モノマー(モノマーII
I) 90〜97.5重量% から構成されており、かつ重量平均直径が、100〜3
00nmであるポリマー粒子の形で存在する水性ポリマ
ー分散液を、無機建築材料の変性のために使用すること
に関する。この記載中で、(メタ)アクリル酸とは、ア
クリル酸及び/又はメタクリル酸のことである。(メ
タ)アクリルアミドとは、アクリルアミド及び/又はメ
タクリルアミドのことである。
【0002】更に、本発明は、本発明で使用される水性
ポリマー分散液の製法及びその水性ポリマー分散液その
ものに関する。
【0003】
【従来の技術】水性ポリマー分散液(ラテックス)は、
一般に公知である。これらは、分散相として、水性分散
媒体中に、多数の絡み合ったポリマー鎖からなるポリマ
ーコイル(即ちポリマー粒子)を含有する液体系であ
る。このポリマー粒子の直径は、一般に大抵、10〜1
000nmである(ポリマーという語は、ここでは、少
なくとも1つのエチレン系不飽和基を有するモノマーの
混合物をラジカル重合することにより得られる高分子量
の化合物を包含し、その際、この混合物のモノマーの主
要量は、25℃及び1atmでの中性水(pH=7)中
への導入で、イオン電荷を生じさせえないものである
(このようなモノマーは、ここで非イオン性モノマーと
して定義される))。
【0004】更に、無機バインダーは、一般に公知であ
る。これらは、粉状の無機物質、水と共に撹拌すること
によりすぐに使用することができる形に変化する、例え
ば、石灰、石膏及び/又は殊に、セメントであり、後者
は、空気中又は水面下に放置すると、時間の機能によ
り、石のような材料になる。これらは、通常、無機建築
材料、例えば、モルタル又はコンクリートの製造のため
に、微細な又は粗大な凝集物、例えば砂又は石を添加し
て、水と混合しながら、使用される。
【0005】その固有の特性を調節するために、無機建
築材料を、ポリマーで変性された形で使用することも、
一般に公知である。好適な変性ポリマーは、非常に広い
範囲のモノマーから成るポリマーである(例えば、米国
特許(US−A)第4340510号明細書、英国特許
(GB−PS)第1505558号明細書、米国特許
(US−A)第3196122号明細書、米国特許(U
S−A)第3043790号明細書、米国特許(US−
A)第3239479号明細書、ドイツ特許(DE−
A)第4317035号明細書、ドイツ特許(DE−
A)第4317036号明細書、ドイツ特許(DE−
A)第4320220号明細書、ヨーロッパ特許(EP
−A)第537411号明細書、ドイツ特許(DE−
B)第1669903号明細書、ベルギー特許(BE−
A)第8454499号明細書、特開昭54−4328
5号公報、米国特許(US−A)第4225496号明
細書、ドイツ特許(DE−A)第3220384号明細
書、ドイツ特許(DE−A)第2837898号明細
書、米国特許(US−A)第3232899号明細書、
東ドイツ特許(DD)第134760号明細書及び特開
昭91−131533号公報参照)。
【0006】変性作用は、大抵、変性ポリマーの化学的
性質の問題というよりはむしろ、その物理的特性の問題
である。そのような物理的特性は、先ず、ガラス転移温
度(オーストリア特許第359904号明細書及びヨー
ロッパ特許(EP−A)第537411号明細書参照)
及びポリマーの平均分子量(例えば、ドイツ特許(DE
−A)第4317036号明細書及びドイツ特許(DE
−A)第4317035号明細書参照)である。
【0007】それぞれの無機建築材料に加えられるポリ
マーの変性作用は、無機建築材料に添加されるポリマー
が、微細に粉砕されているほど、より良好に、前記の無
機建築材料中で作用することも、一般に公知である。
【0008】従って、これらの変性ポリマーは、通常、
その水性ポリマー分散液の形で導入される。この方法の
利点は、とりわけ、一方で、水性ポリマー分散液は、ポ
リマーを、既に微細な形で含有し、他方で、これは、混
合のためにいずれにしろ、必要な水を、分散媒体として
含有するという事実に基づいている。前記に基づき、殊
に、有利な水性ポリマー分散液は、通常、分散ポリマー
粒子が、殊に小さい直径を有するものである。
【0009】適用形態としての水性ポリマー分散液の欠
点は、完全には、商業的形態として満足できるものでは
ないことである。つまり、これを、使用する場所に移動
することは、変性ポリマーの移動だけでなく、常に、容
易にどこでも入手可能な(混合)水の移動をも含み;他
方で、さもなければ、使用前に固まってしまうので、無
機バインダーは、その使用場所に到着するまで、それに
添加することはできない。
【0010】従って、前記の観点からの、変性ポリマー
添加剤の最適な適用形態は、その極微細水性ポリマー分
散液から出発して、乾燥により得られ、かつ水性媒体中
に再分散可能なポリマー粉末の適用形態である(水性ポ
リマー分散液を変換するための特に有利な方法は、噴霧
乾燥法であり、その際、水性ポリマー分散液を、温風流
中に噴霧し、かつ脱水し;乾燥空気及び噴霧される水性
ポリマー分散液を、並流で、乾燥器に導通させるのが有
利であり;所望の場合には、乾燥助剤を、自体公知の方
法で存在させる;例えば、ヨーロッパ特許(EP−A)
第262326号明細書又はヨーロッパ特許(EP−
A)第407889号明細書参照)。
【0011】しかし、水性ポリマー分散液での問題は、
分散ポリマー粒子の状態は、一般に、熱力学的に不安定
である、即ち、この系は、大部分の微細ポリマー一次粒
子が結合して、より大きいポリマー二次粒子(凝塊)と
なることにより、分散ポリマー粒子/水性分散媒体界面
の面積を低下させる傾向があることである。水性ポリマ
ー分散液の所定のポリマー含有率では、この状態は、分
散液中に存在するポリマー粒子が、より微細な程、かな
り重大である。それというのも、前記の界面が、ポリマ
ー粒子の直径の減少に伴い、不均等に成長するためであ
る。
【0012】更に、分散ポリマー粒子の安定性を、水可
溶性分散剤を用いて、大抵、≧1カ月に渡り、しばし
ば、≧3カ月又は≧6カ月に渡り保持することができる
ことが、一般的に公知である(例えば、F. Hoelscher,
Dispersionen synthetischer Hochpolymerer, Part I,
Springer-Verlag, New York,(1969)参照)。
【0013】かなり一般的に、分散剤は、分散ポリマー
/水性分散媒体界面を安定化させることができる物質で
ある。その全量は、2つのグループ:a)保護コロイ
ド;b)乳化剤に分けることができる。順の後者は、
a)アニオン性乳化剤;b)カチオン性乳化剤;c)非
イオン性乳化剤に分けることができる。保護コロイドの
安定化作用は、先ず、分散ポリマー粒子の立体的遮蔽に
よる。一般的に、これらは、分子量が、1500を上回
る物質である。これらを、分散ポリマー粒子に、化学的
に結合させることも、物理的にのみ結合させることもで
きる。
【0014】しかし、多くの保護コロイドの欠点は、一
方で、乳化剤に比べて高い製造コストである。更に、広
義の保護コロイドはそれ自身、ポリマー物質であり、従
って、一般的に、実際の変性ポリマーに、不利に作用す
る。保護コロイドは、更に、水性媒体中にミセルを形成
することができない。最後に、このことは、微細水性ポ
リマー分散液は、保護コロイド安定化のみを使用して製
造することが困難であることの理由である。
【0015】分子量が、通常、<1500である乳化剤
の安定化作用は、これらが、両親媒性構造(極性部及び
非極性部)を有し、従って、ポリマー/水性分散媒体界
面の界面張力を減少させることができるという事実に基
づく。極性部が、カチオン基であると、カチオン性乳化
剤という用語が使用される。極性部が、アニオン基であ
ると、この物質はアニオン性乳化剤である。非イオン性
極性部の場合には、非イオン性乳化剤という用語が使用
される。保護コロイドとは対照的に、乳化剤は、ミセル
を水中で形成することができる。更に、これらは、25
℃及び1atmで水に添加されて、臨界ミセル形成濃度
が達成されると、水の表面張力を少なくとも25%低下
させるものである。
【0016】カチオン性乳化剤の主要量は、そのカチオ
ン特性が、酸性水性分散媒体の存在下にのみ存在するよ
うなものである。
【0017】従って、無機建築材料の変性のために使用
される水性ポリマー分散液の安定化のためにはかなり不
適当である。それというのも、無機バインダーは通常、
アルカリ性であるためである。これは、酸性水性分散媒
体を中和して、カチオン性乳化剤の失活をもたらし、従
ってついには、無機建築材料中での均質な分配を妨害
し、従って、所望の変性作用をかなり低下させる分散ポ
リマーの凝集をもたらす。
【0018】アニオン性乳化剤は、無機建築材料を変性
するために使用される水性ポリマー分散液の安定化のた
めに、限られた範囲でのみ好適である。それというの
も、その安定化作用は、無機バインダー中に存在する多
価金属イオン(例えば、Ca2+)により、不利に影響さ
れるためである。このことは、しばしば、変性水性ポリ
マー分散液を、増量されたアニオン性乳化剤により、安
定化させることにより補償される(殊に、極微細水性ポ
リマー分散液を使用する場合に)。
【0019】しかし、その量での欠点は、乳化剤が、分
散ポリマー/水性分散媒体界面だけでなく、空気/水性
分散媒体界面も安定化しうることである。
【0020】従って、高い乳化剤含有率を有する水性ポ
リマー分散液は、発泡する傾向がある。しかし、無機建
築材料の製造のためにモルタルを撹拌している間の気泡
形成は、一般に、硬化の後に、モルタル中に不所望な空
孔をもたらし、この空孔は、硬化された無機建築材料の
機械的特性に、不利に作用する。
【0021】アニオン性乳化剤の欠陥を改善するその他
の可能な方法は、これを非イオン性乳化剤と併用する
か、又は専ら、非イオン性乳化剤を使用することであ
る。この推奨は、例えば、ヨーロッパ特許(EP−A)
第537411号明細書、英国特許(GB−A)第16
04733号明細書及びドイツ特許出願(DE−AS)
第2416481号明細書が記載しており、最後に記載
のものは、殊に、ポリマー分散液が、二価電解液に対し
て安定でありうる場合には、分散ポリマーの量に対する
量で、少なくとも2重量%の非イオン性乳化剤から出発
する。しかし、非イオン性乳化剤の欠点は、イオン性乳
化剤に比べて、その極性部が、点状(荷電基の場合のよ
うに)ではなく、一般に、鎖状(例えば、ポリエーテル
鎖)である傾向があることである。この特性により、非
イオン性乳化剤は、通常、ポリマーに、外部可塑剤とし
て作用する。このことは、一定のガラス転移温度Tgを
有するポリマーが、非イオン性乳化剤の存在下に、ガラ
ス転移温度Tg−X(有効ガラス転移温度)を有するポ
リマーのように作用することを意味する。Xの寄与は大
抵、予期できず、特定の目的の受け入れを困難にするの
で、このことは全く、望ましくない。しかし、もう1つ
の欠点は、水性ポリマー分散液中で使用される乳化剤
は、水可溶性で、従って、例えば、雨の作用下での時間
の作用により洗い落とされるか、又はその低分子量の故
に、無機建築材料の表面に移動しうることである。双方
の場合に、このことは、時間の作用により変化する有効
ガラス転移温度を有する変性ポリマー及び従って、それ
故、不所望に時間と共に変化する変性作用をもたらす。
【0022】アニオン性及びカチオン性乳化剤は、その
作用において、補償効果を有するので、アニオン性乳化
剤とカチオン性乳化剤との組み合わせは同様に、可能溶
液としては不適当である。
【0023】水性ポリマー分散液を安定化させるための
もう1つの可能性として、より大量のエチレン系不飽和
カルボン酸を重合させ、かつ水性分散剤をアルカリ性に
することが公知である。しかし、この安定化法の欠点
は、これも、多価カチオンにより一定の範囲に低下する
ことである。少なくともポリアクリル酸は、水と混合し
た後の無機バインダーの硬化を遅らせることも公知であ
る。
【0024】本発明により、分散相として存在するポリ
マーが、ラジカル重合により得られる形で、その全重量
に対して、 (メタ)アクリル酸及び/又はその塩のいずれか(モノ
マーI)>0(有利に、≧0.5)〜<5重量%、 (メタ)アクリルアミド(モノマーII)>0(有利
に、≧0.5)〜<5重量% 及び残量として、少なくとも1つのエチレン系不飽和基
を有するその他の非イオン性モノマー(モノマー(II
I)90(有利に、少なくとも93)〜97.5(有利
に、96)重量% からなり、≧100nm〜≦300nmの分散ポリマー
粒子の重量平均直径d- wを有する(従って、≧100n
m〜≦200nmのd- wも含む)水性ポリマー分散液
は、一方で、分散ポリマーに対して全部で、>0〜≦3
重量%の量の分散剤で充分に(調製物中の凝塊形成<1
重量%(ポリマーに対して))安定化させることができ
るので(その際、この分散剤の量は、カチオン性乳化剤
を有さず、かつ分散ポリマーに対して、非イオン性乳化
剤1重量%未満を有し、かつアニオン性乳化剤少なくと
も50重量%を有する)、水性ポリマー分散液は、セメ
ント安定性を有し(即ち、ポリマー分散液は、セメント
中に導入されても凝集しない)、かつ他方で、本質的
に、無機バインダーの硬化の遅延をもたらさないことを
発見した。従って、このような水性ポリマー分散液及び
それから自体公知の方法で得られる再分散可能なポリマ
ー粉末は、殊に、無機建築材料の変性のために好適であ
る。
【0025】一般的に、本発明で使用される水性ポリマ
ー分散液中の分散剤の量は、分散ポリマーに対して、少
なくとも0.25重量%である。一般的に、分散ポリマ
ーに対して、分散剤0.25〜2重量%もしくは、0.
25〜1.5重量%が、充分である。通常、分散ポリマ
ーに対して、分散剤0.25〜1重量%又は0.5〜
0.9重量%で充分であることを、特記しうる。分散剤
は、保護コロイド又は非イオン性乳化剤を含有する必要
がない、即ち、分散剤が、アニオン性乳化剤のみを有す
るか又は非イオン性乳化剤の量が、ポリマーに対して、
<0.5重量%である場合にも、必要な安定性が得られ
ることは、特に意外である。
【0026】前記は、殊に、分散ポリマーが、モノマー
I1〜3重量%及びモノマーII1〜3重量%を、重合
される単位として含有する場合に、殊に当てはまる。特
に一般的に、重合されるモノマーIと重合されるモノマ
ーIIとの重量比は、3:1〜1:1であるのが有利で
ある。有利なモノマーIは、アクリル酸であり、かつ有
利なモノマーIIは、アクリルアミドである。これら2
種のモノマーは、単独モノマーI及びIIとして使用す
るのが有利である。モノマーIの有利な塩は、そのアル
カリ金属塩、殊に、ナトリウム及びカリウム塩である。
しかし、アンモニウム塩も、好適である。
【0027】本発明で使用される水性ポリマー分散液又
はそれから生じる再分散可能なポリマー粉末中に含有さ
れるポリマーの数平均分子量は、50000〜3・10
6又はそれ以上であってよい。多くの場合、数平均分子
量は、250000〜1.5・106である。
【0028】本発明で使用される分散ポリマーのために
好適なモノマーIIIは、殊に、簡単な方法でラジカル
重合が可能な非イオン性モノマー、例えば、オレフィ
ン、例えば、エチレン、ビニル芳香族モノマー、例え
ば、スチレン、α−メチルスチレン、o−クロロスチレ
ン又はビニルトルエン、ビニル及びビニリデンハロゲン
化物、例えば、塩化ビニル及びビニリデン、ビニルアル
コールと炭素原子1〜18個のモノカルボン酸とのエス
テル、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニ
ルn−ブチレート、ラウリン酸ビニル、ピバル酸ビニル
及びステアリン酸ビニル及び商業的に入手可能なモノマ
ーVEOVA(登録商標)9〜11(VEOVAXは、Shell
の商用名であり、かつVersastic(登録商標)X酸とも
称されるカルボン酸のビニルエステルである)、有利
に、炭素原子3〜6個のα,β−モノエチレン系不飽和
カルボン酸、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸と、
炭素原子一般に、1〜12、有利に、1〜8、殊に、1
〜4個のアルカノールとのエステル、殊に、メチル、エ
チル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル及び2−エ
チルヘキシルアクリレート及びメタクリレート、α,β
−モノエチレン系不飽和カルボン酸のニトリル、例え
ば、アクリロニトリル及び共役C4〜C8−ジエン、例え
ば、1,3−ブタジエン及びイソプレンを包含する。水
性ポリマー分散液の被膜の内部強度を増加させるモノマ
ー、例えば、2つのビニル基又は2つのビニリデン基又
は2つのアルケニル基を有するモノマーは、少量、共重
合させてもよい。例は、二価アルコールとα,β−モノ
エチレン系不飽和モノカルボン酸(その内、アクリル酸
及びメタクリル酸が有利である)とのジエステルであ
る。
【0029】共重合される種々の可能なモノマーIII
の重量を通常、簡単な方法で、本発明で使用される水性
ポリマー分散液の被膜のガラス転移温度Tg(ASTM
D3418−82による中間温度)が、所望の変性作
用を補償し、かつ通常−70〜110℃であるような高
さを有するように選択する。
【0030】これに関して、フォックス関係式を、使用
することができる。フォックスにより(T.G.Fox, Bull.
Am. Phys. Soc.(Ser. II) 1, (1956), 123)及びUllman
ns Encyklopaedie der technischen Chemie, Vol. 19,
第4版、Verlag Chemie, Weinheim(1980), 17及び1
8頁)、次の式が、コポリマーのガラス転移温度の良好
な近似である:
【0031】
【数1】
【0032】[式中、X1、X2、.....、Xnは、質
量フラクション1、2、.....、nであり、かつT
g1、Tg2、.....、Tgnは、それぞれモノマー
1、2、.....、nのいずれか1種のみからなるポ
リマーのガラス転移温度(ケルビン温度)である]。前
記のモノマーのこれらのホモポリマーのガラス転移温度
Tgは、公知であり、かつ例えば、J.Brandrup, E.H.Im
mergut, Polymer Handbook,第1版、J.Wiley, New York
1966, 第2版、J. Wiley, New York 1975及び第3版、
J.Wiley, New York, 1989中に、かつUllmann's Encyclo
pedia of Industrial Chemistry, VCH, Weinheim, Vol.
A21 (1992),169頁中に記載されている。
【0033】本発明で使用される水性ポリマー分散液の
弾性変性作用が所望される場合には、Tgは、0℃未満
に選択されているのが有利である(AT−359904
参照)。ヨーロッパ特許(EP−A)第537411号
明細書による変性作用が所望される場合には、Tgは、
≧30℃に選択されるのが有利である。
【0034】0〜25℃のTgは、殊に、補修用モルタ
ルを変性するために好適である。
【0035】このようなバックグラウンドに対して、殊
に好適なモノマーIIIは、ブタジエン(殊に、軟質モ
ノマーとして)、スチレン(殊に、硬質モノマーとし
て)及びこれらの混合物である。それというのも、全て
の好適なガラス転移温度範囲は、ブタジエン/スチレン
混合物の組成を変動させることにより容易に得ることが
できるためである。更に、水性アルカリ性媒体中での加
水分解安定性の問題も、スチレンの場合及びブタジエン
の場合には生じない。
【0036】従って、殊に有利に、本発明で使用される
水性ポリマー分散液は、分散相として存在するそのポリ
マーが、ラジカル重合により得られる形で、全重量に対
して、 (メタ)アクリル酸及び/又はその塩の1種 >0
〜<5重量%、 (メタ)アクリルアミド >0
〜<5重量%及び残量として、ブタジエン及び/又はス
チレン90(有利に93)〜97.5(有利に96)重
量%からなるものである。
【0037】本発明で使用される水性ポリマー分散液を
安定化させるために好適な保護コロイドは、例えば、ポ
リビニルアルコール、セルロース誘導体又はビニルピロ
リドン−含有コポリマーである。その他の好適な保護コ
ロイドの詳細な説明は、Houben-Weyl, Methoden der or
ganischen Chemie, Volume XIV/1, MakromolekulareSto
ffe, Georg-Thieme-Verlag, Stuttgart, 1961, 411〜42
0頁で得ることができる。好適な非イオン性乳化剤の例
は、エトキシ化されたモノ−、ジ−及びトリアルキルフ
ェノール(エトキシ化度:3〜100、アルキル基:C
4〜C12)及びエトキシ化された脂肪アルコール(エト
キシ化度:3〜100、アルキル基:C8〜C18)であ
る。
【0038】殊に好適なアニオン性乳化剤は、アニオン
基、例えば、スルフェート、スルホネート、カルボキシ
レート、ホスフェート及びホスホネートを有する疎水基
のアルカリ金属(殊に、Na及びK)及びアンモニウム
塩であり、これらの内、スルフェートタイプ及びスルホ
ネートタイプのものが、有利である。例は、スルフェー
ト又はスルホネートタイプ、例えば、α−スルホ脂肪酸
(炭素鎖中に炭素原子10〜20個)、スルホコハク酸
エステル(アルコール部中に炭素原子6〜12個)、ア
ルキルスルフェート(アルキル基:C8〜C16)、アル
キルスルホン酸(アルキル基:C12〜C18)及びアルコ
キシアリールスルホン酸(アルキル基:C9〜C18)、
例えば、アルキルベンゼンスルホン酸又はアルキルナフ
タレンスルホン酸のアニオン性乳化剤のアルカリ金属
(殊に、Na及びK)及びアンモニウム塩である。一般
式I:
【0039】
【化1】
【0040】[式中、R1及びR2は、それぞれ、水素又
はC4〜C24−アルキルであり、かつ同時には水素では
なく、かつX及びYは、アルカリ金属イオン及び/又は
アンモニウムイオンであってよい]の化合物(アルキル
スルホジフェニルエーテル)が、殊に好適なアニオン性
乳化剤であることが判明している。式I中で、R1及び
R2は、それぞれ、炭素原子6〜18、殊に6、12又
は16個の直鎖又は分枝鎖のアルキル又は水素であるの
が有利であり、R1及びR2の両方は、同時には水素では
ない。X及びYは、ナトリウム、カリウム又はアンモニ
ウムイオンであるのが有利であり、その際、ナトリウム
が、殊に有利である。有利な化合物Iは、式中のX及び
Yが、それぞれナトリウムであり、R1が、炭素原子1
2個の分枝鎖のアルキルであり、かつR2が、水素又は
R1であるものである。モノアルキル化生成物50〜9
0重量%を含有する工業用混合物、例えば、Dowfax(登
録商標)2 A1(Dow Chemical Companyの登録商標)及びD
owfax 2 EPが、頻繁に使用される。更に、スクシン酸塩
及び脂肪酸のアルカリ金属及びアンモニウム塩が、好適
である。
【0041】本発明で使用される水性ポリマー分散液
は、専ら、分散ポリマーに対して、≦3重量%の量の分
散剤としてのアニオン性乳化剤で、安定化させることが
できることは意外である。
【0042】有利なアニオン性乳化剤は、一般式Iの化
合物(殊に、Dowfax 2EPに相応する有効成分)と前記の
アルキルスルフェート、アルキルスルホネート及び/又
はアルキルアリールスルホネート(殊に、ラウリル硫酸
ナトリウム、カリウム及びアンモニウム)との混合物で
ある。このことは、殊に、モノマーIIIが、ブタジエ
ンとスチレンとの混合物である場合に当てはまる。本発
明で使用される水性ポリマー分散液のアニオン性乳化剤
は、ポリエーテル基を有さないのが有利である。更に、
本発明で必要な乳化剤は、一般に、少なくとも、それ
が、重合下で既に存在する場合には、ラジカル重合可能
な基を有さない。
【0043】本発明で使用される水性ポリマー分散液の
製造は、ラジカル水性エマルジョン重合の慣用の方法に
より実施することができる。
【0044】前記の主な重合反応のために好適なラジカ
ル重合開始剤は、ラジカル水性エマルジョン重合を開始
させうる全てのものである。これらは、過酸化物であっ
ても、アゾ化合物であってもよい。しかし、レドックス
開始剤系も勿論、好適である。殊に、モノマーIII
が、スチレン/ブタジエン混合物である場合には、ペル
オキソ二硫酸及び/又はそのアルカリ金属塩(殊に、K
及びNa塩)及び/又はそのアンモニウム塩及びそのラ
ジカル開始剤を使用するのが、有利である。しかし、過
酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド又はその他の
有機過酸化物も勿論、使用することができる。使用開始
剤の量は、一般に、重合されるモノマーの量に対して、
0.3〜2重量%である。
【0045】重合温度は、通常、20〜100℃であ
り、かつそれぞれ、使用される重合開始剤に応じる。ペ
ルオキソ二硫酸又はその塩を、重合開始剤として使用す
る場合には、重合温度は、典型的に、70〜90℃であ
る。ラジカル水性エマルジョン重合のための処理圧力
は、通常、1atmである。易揮発性モノマー、例えば
ブタジエンの共重合の場合には、10atmまで上昇さ
せることができる。
【0046】水性分散媒体のpHは、一般に、ラジカル
水性エマルジョン重合の間、2〜5である。緩衝液系、
例えば、ピロリン酸ナトリウムが、この範囲のpHを保
持するために存在してよい。ラジカル水性エマルジョン
重合の終了の後に、水性分散媒体のpHを、徐々に、3
〜8、大抵、3〜7にする。この際、例えば、アンモニ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、CaO又は
Ca(OH)2を、中和塩基として使用することができ
る。
【0047】このラジカル水性エマルジョン重合は、バ
ッチ法によって、また、半連続的供給法によって、播種
下に、又は播種せずに実施することができる。一般に、
使用される種は、最後に分離される、>0〜200n
m、一般に、<100nmのポリマー粒子の重量平均直
径を有する微細水性ポリマー分散液である。大抵、これ
は、ポリスチレン種である。Ca2+とキレート錯体を形
成しうる物質少なくとも1種を、分散ポリマーに対し
て、>0(有利に>0.25)〜≦5重量%含有する場
合に、本発明で使用される水性ポリマー分散液のセメン
ト安定性が、より高いことを、特記すべきである。この
キレート剤の分子量は、有利に、≦500である。この
ようなキレート剤の例は、オキサレートイオンC
2O4 2-、タルトレートイオン−O2C−CHOH−CH
OH−CO2−及び殊に、エチレンジアミン四酢酸及び
ニトリロ三酢酸のアニオンである。一般に、二座、三座
及び四座キレート剤が、有利である。更に、Ca2+との
キレート剤の錯生成定数は、オキサレートイオンの錯生
成定数よりも小さくてはいけない(25℃及び1atm
で)。一般に、キレート剤を、ラジカル水性エマルジョ
ン重合の間に、そのもので添加する。
【0048】一般に、本発明で使用される水性ポリマー
分散液を、35〜70重量%の固体含有率で製造する。
こうして得られる水性ポリマー分散液は勿論、これら
を、無機建築材料の変性のために使用する前に、混合水
で、所望の程度に希釈することができる。
【0049】本発明で使用される水性ポリマー分散液又
は乾燥によりこれらのポリマー分散液から得られる再分
散可能なポリマー粉末(ドイツ特許(DE−A)第39
23229号明細書、ヨーロッパ特許(EP−A)第7
8449号明細書、ドイツ特許(DE−A)第2238
903号明細書、ヨーロッパ特許(EP−A)第566
22号明細書及びドイツ特許(DE−A)第33442
42号明細書参照)は、有利に、セメントをベースとす
る無機建築材料用の変性添加剤として使用することがで
き、その際、その適合性は、本質的にセメントのタイプ
に依存している。目的に応じて、例えば、高炉セメン
ト、油頁岩セメント、撥水ポルトランドセメント、速硬
性セメント、高膨張セメント、高アルミナセメントを使
用することができ、かつ殊に、ポートランドセメントを
有利に使用することができる。
【0050】目的に応じて、添加される水性ポリマー分
散液又は再分散可能なポリマー粉末の量は、セメントに
対して、乾燥した状態で>0〜≦80、大抵、≧3〜≦
50、一般に、≧5〜≦20重量である。一般に、更
に、セメント1重量部当たり、最大寸法が、一般に、>
0〜32mm、大抵、>0〜4mm、多くは、>0〜2
mmである無機添加剤2〜5部を使用する。
【0051】本発明で使用される水性ポリマー分散液
を、一般に、有機溶剤、例えば、ポリグリコールを添加
せずに、かつロウを添加せずに使用する。
【0052】本発明で使用される水性ポリマー分散液の
一群は、殊に重要である。それらは、モノマーIII
が、ブタジエン及びスチレンのみからなる水性ポリマー
分散液であり、その際、ブタジエンとスチレンの量を、
生じた水性ポリマー分散液の被膜のガラス転移温度Tg
が、0〜50℃、有利に0〜25℃であるように選択す
る。スチレン約70重量%及びブタジエン約30重量%
からなるモノマーIIIの組成が、殊に有利である(こ
れらの前記のポリマー分散液の作用は、共重合されるス
チレンの分子量の1/3までが、他のビニル芳香族及び
/又は(メタ)アクリロニトリルにより代えられても、
ほぼ同じレベルに保持される)。
【0053】これらの水性ポリマー分散液及び乾燥によ
りこれから得られる再分散可能なポリマー粉末は、殊
に、セメントをベースとする補修用モルタルの変性のた
めに好適である。
【0054】このポリマーを、通常、セメントに対し
て、3〜20、有利に、5〜10重量%の量で、添加す
る。
【0055】この方法で変性される補修用モルタルは、
すぐ使用できる状態にするために、通常よりも少ない混
合水を必要とする。更に、このように変性された補修用
モルタルは、例えば、垂直面で使用されるモルタル又は
頭上作業が求められる場合に、すぐ使える状態で優れた
安定性を有する(これは、その自己重量で流れ落ちるこ
とはない)。
【0056】更に、すぐ使える補修用モルタルの無機表
面に対する良好な粘着性及び硬化した状態での充分な機
械的強さが、有利である。典型的に、このように変性さ
れた補修用モルタルは、 砂(最大粒子直径の相加平均0.06〜3mm) 50〜70重量部、 セメント 20〜30重量部、 チキソトロープ剤(例えば、エルケム(Elkem)ミクロシリカ) 0〜2重量部、 繊維 0〜0.3重量部、 消泡剤 0.1〜1.0重量部、 可塑剤 0〜1重量部及び 0.05〜0.20のポリマー/セメント比で、エマル
ジョンポリマーを含有する。
【0057】チキソトロープ剤の添加の目的は、付加的
に、モルタルが硬化する前に、放置されている間、水性
モルタルの流動性を減らすことである。
【0058】スチレン/ブタジエンをベースとし、かつ
エマルジョン供給法により得られる、本発明で使用され
る水性ポリマー分散液は、殊に有利である。
【0059】このことは、重合されるモノマーの全量の
少なくとも90重量%を、連続的に、重合容器に、水性
媒体中で前乳化された形で、これが、ラジカル重合の間
に消耗される速度で、供給することを意味する。ブタジ
エンが、2つのエチレン系不飽和二重結合を有するの
で、重合されるモノマーの全量に対して、分子量調節
剤、例えばメルカプタン2重量%までを、モノマーエマ
ルジョンに添加するのが、有利である。有利な分子量調
節剤は、t−ドデシルメルカプタンである。使用分子量
調節剤の量及び重合温度を、本発明で使用される水性ポ
リマー分散液の被膜が、60〜80、有利に、65〜7
5重量%のゲル含有率を有するように選択するのが有利
である。
【0060】最後に、前記の水性ポリマー分散液及びそ
の乾燥により得られる再分散可能なポリマー粉末は、水
性アスファルトエマルジョン中の添加剤及び水性製紙用
塗布スリップのバインダーとしても好適であることを記
載することができる。
【0061】
【実施例】
a)本発明で使用される水性ポリマー分散液の製造 水30.8kg、Dowfax 2EP(濃度45重量%の水性乳
化剤調合物)126g、ブタジエン715g、濃度7重
量%過硫酸ナトリウム水溶液600g及び存在するポリ
スチレンに対して、C12−アルキルベンゼンスルホン酸
ナトリウム20重量%を、乳化剤として含有する濃度3
0重量%の水性ポリスチレン分散液(重量平均ポリスチ
レン粒子直径=30nm)2.4kgを予め、耐圧容器
(N2でフラッシュ)中に装入し、かつ80℃に、撹拌
下に加熱した。重合の開始の後に、後記の供給物A、B
及びCを、同時に、80℃の温度の保持下に開始して、
重合容器に、別々の位置から、4時間かけて供給した。
供給の終了の後に、反応混合物を、80℃で更に2時間
撹拌し、次いで、室温に冷却した。重合反応率は、>9
9.5重量%だった(残留モノマーの量を、例えば、t
−ブチルヒドロペルオキシド/ロンガリットでの化学的
脱臭及び/又は物理的脱臭、例えば蒸気でのストリッピ
ングにより減らすことができる)。次いで、水性分散媒
体のpHを、濃度25重量%のアンモニア水溶液で6.
5にした。
【0062】固体含有率が、50重量%の水性ポリマー
分散液が得られた。重合の間に形成された凝塊の量は、
重合されたモノマーの量に対して、0.5重量%未満で
あった。この水性ポリマー分散液の被膜のガラス転移温
度は、23℃であった。
【0063】供給物A:水35.4kg、濃度3重量%
のピロリン酸ナトリウム水溶液9.9kg、濃度0.4
重量%のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム水溶液50
0g、Dowfax 2EP 1200g、濃度15重量%のラウ
リル硫酸ナトリウム水溶液1650g、t−ドデシルメ
ルカプタン1000g、アクリル酸3.47kg、濃度
50重量%のアクリルアミド水溶液2.98kg及びス
チレン63.4kgの均質な混合物; 供給物B:ブタジエン30kg; 供給物C:濃度7重量%の過硫酸ナトリウム水溶液1
0.7kg。
【0064】分散ポリマーは、次のモノマー組成を有し
た: スチレン 64.2重量% ブタジエン 30.8重量% アクリル酸 3.48重量% アクリルアミド 1.52重量%。
【0065】このポリマーの分散相の重量平均粒子直径
は、160nmだった。分散相を、ポリマーの量に対し
て、次の重量の次のアニオン性乳化剤で安定化させた: スルホン化ドデシルジフェニルエーテル(Dowfax 2EP)のナトリウム塩 0.599重量% ラウリル硫酸ナトリウム 0.248重量% ナトリウムC12−アルキルベンゼンスルホネート 0.144重量% b)a)で得られた水性ポリマー分散液の被膜のゲル含
有率 50重量%水性ポリマー分散液を、厚さ1ミリの湿潤被
膜にキャストし、25℃で被膜にした。正方形の試験片
秤量1gを、この被膜から切り取り、かつテトラヒドロ
フラン100ml中に、23℃で、48時間放置した
(容器の内容物を、それぞれ、始めに、12時間後に、
かつ36時間後に簡単に向きを変えさせた)。48時間
後に、容器の内容物を、金属篩(40μm)で濾過し
た。金属篩中に残った残留物を、50℃で、一定重量ま
で乾燥させ、かつその重量を計った。もとの試料に対す
る残留物重量のパーセンテージを、ゲル含有率と定義す
る。これは、73重量%であった。
【0066】c)a)の水性ポリマー分散液のセメント
安定性の実験 水性ポリマー分散液50gを予め、皿に装入し、かつポ
ルトランドセメントPZ45F50gを、徐々に(15
秒かけて)撹拌下に添加した。セメント添加の終了の後
に、この混合物を更に、1分撹拌した。
【0067】生じた物質は、均質で、塗布可能であり、
水性ポリマー分散液のセメント安定を示した(セメント
が安定していないと、だま状又はゼラチン状の物質が得
られる)。
【0068】d)a)の水性ポリマー分散液で変性され
たセメントモルタルの使用特性の試験 モルタル物質の組成: DIN1164、7部に相当するケイ砂(0.08〜0.5mmの粒度を有す る) 250g DIN1164、7部に相当するケイ砂(0.5〜1.0mmの粒度を有する ) 500g ポルトランドセメント35F 217g 水 95g a)の水性ポリマー分散液 55g。
【0069】使用特性を試験するために、新規に撹拌さ
れたモルタルの加工特性を、これを乾燥コンクリートパ
ネル、即ち、予め湿っていなかったものにコテで塗るこ
とにより試験した。
【0070】次の特性I〜IVを評価した: I.コンクリートパネルに投げられたモルタルの瞬間粘
着性(パネルに投げられた物質の完全な粘着性=1;投
げられた物質の全部が、コンクリートパネルからはね返
る、即ち、粘着しない=6) II.コンクリートパネル上でのモルタルの瞬間安定性
(厚さ約5cmの塗られたモルタル円錐が、たれ下がり
をパネル上で示さない=1;モルタルは、パネルに粘着
するが、すぐに壁から流れ落ちる=6) III.コンクリートパネル上でのモルタルの成形性
(再加工性)及び安定性(モルタルが、優れた成形特性
を有し、かつ成形条件下でも安定している=1;モルタ
ルが、成形条件下でパネルから完全に流れ落ちるか、又
は成形条件下で液状になり、壁から落ちる=6) IV:道具へのモルタルの粘着(道具への粘着が無い=
1;道具への非常に著しい粘着=6) 得られた結果を、次の表に示す。
【0071】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マクシミリアン アンゲル ドイツ連邦共和国 シファーシュタット バイエルンシュトラーセ 12

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマーで変性された無機建築材料の製
    法において、変性ポリマーの水性分散液を、無機バイン
    ダー及び無機添加剤を含有する無水調合物に導入する場
    合に、水性ポリマー分散液中で、分散相として存在する
    ポリマーは、ラジカル重合により得られる形で、その全
    重量に対して、 (メタ)アクリル酸及び/又はその塩のいずれか(モノ
    マーI)>0〜<5重量%、 (メタ)アクリルアミド(モノマーII) >0〜<
    5重量% 及び残量として、 少なくとも1つのエチレン系不飽和基を有するその他の
    非イオン性モノマー(モノマーIII)
    90〜97.5重量% からなり、かつ重量平均直径が、100〜300nmで
    あるポリマー粒子の形で存在することを特徴とする、ポ
    リマーで変性された無機建築材料の製法。
  2. 【請求項2】 分散相として存在するポリマーが、モノ
    マーIII93〜96重量%を、重合単位として、ラジ
    カル重合された形で含有する、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 分散相として存在するポリマー粒子の重
    量平均直径は、100〜200nmである、請求項1に
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 変性ポリマーの水性分散液中の分散剤の
    全量は、ポリマーの量に対して、>0〜≦3重量%であ
    り、分散ポリマーに対して、非イオン性乳化剤1重量%
    未満からなり、かつアニオン性乳化剤少なくとも50重
    量%からなる、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 分散剤の全量は、分散ポリマーに対し
    て、0.25〜3重量%である、請求項4に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 分散剤の全量は、分散ポリマーに対し
    て、0.25〜2重量%である、請求項4に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 分散剤の全量は、分散ポリマーに対し
    て、0.25〜1.5重量%である、請求項4に記載の
    方法。
  8. 【請求項8】 分散剤の全量は、分散ポリマーに対し
    て、0.25〜1重量%である、請求項4に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 分散剤の全量は、分散ポリマーに対し
    て、0.5〜<1重量%である、請求項4に記載の方
    法。
  10. 【請求項10】 分散剤は、非イオン性乳化剤を含有し
    ない、請求項4に記載の方法。
  11. 【請求項11】 分散剤が、専ら、アニオン性乳化剤か
    らなる、請求項4に記載の方法。
  12. 【請求項12】 分散相として存在するポリマーは、モ
    ノマーI1〜3重量%及びモノマーII1〜3重量%
    を、重合単位として含有する、請求項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 分散相として存在するポリマーは、モ
    ノマーI及びIIを重合単位として、3(I):1(I
    I)〜1:1の重量比で含有する、請求項1に記載の方
    法。
  14. 【請求項14】 分散相として存在するポリマーは、重
    合単位として、アクリル酸又はその塩を、モノマーIと
    して、及びアクリルアミドを、モノマーIIとして含有
    する、請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 水性ポリマー分散液の被膜のガラス転
    移温度は、−70〜100℃である、請求項1に記載の
    方法。
  16. 【請求項16】 水性ポリマー分散液の被膜のガラス転
    移温度は、0〜−70℃である、請求項1に記載の方
    法。
  17. 【請求項17】 水性ポリマー分散液の被膜のガラス転
    移温度は、30〜110℃である、請求項1に記載の方
    法。
  18. 【請求項18】 モノマーIIIは、専ら、スチレン又
    はブタジエン又はスチレン及びブタジエンである、請求
    項1に記載の方法。
  19. 【請求項19】 水性ポリマー分散液の被膜のガラス転
    移温度は、0〜50℃である、請求項18に記載の方
    法。
  20. 【請求項20】 水性ポリマー分散液の被膜のガラス転
    移温度は、0〜25℃である、請求項18に記載の方
    法。
  21. 【請求項21】 モノマーIIIは、スチレン70重量
    %及びブタジエン30重量%からなる、請求項18に記
    載の方法。
  22. 【請求項22】 分散剤が、次の乳化剤:硫酸アルキル
    (アルキル基:C8〜C16)のアルカリ金属及びアンモ
    ニウム塩、アルキルスルホン酸(アルキル基:C12〜C
    18)のアルカリ金属及びアンモニウム塩、アルキルアリ
    ールスルホン酸のアルカリ金属及びアンモニウム塩及び
    スルホン化ジフェニルエーテルのアルカリ金属及びアン
    モニウム塩の少なくとも1種を含有する、請求項1に記
    載の方法。
  23. 【請求項23】 水性ポリマー分散液は、Ca2+とキレ
    ート錯体を形成しうる化合物を含有する、請求項1に記
    載の方法。
  24. 【請求項24】 水性ポリマー分散液は、エチレンジア
    ミン四酢酸又はそのアニオンを含有する、請求項1に記
    載の方法。
  25. 【請求項25】 無機バインダーが、セメントである、
    請求項1に記載の方法。
  26. 【請求項26】 セメントの量に対して、かつ無水状態
    で、水性ポリマー分散液>0〜80又は≧3〜≦50又
    は≧5〜≦20重量%を導入する、請求項25に記載の
    方法。
  27. 【請求項27】 水性ポリマー分散液を、水及び乾燥に
    より水性ポリマー分散液から得られる再分散可能なポリ
    マー粉末の形で導入する、請求項1に記載の方法。
  28. 【請求項28】 無機建築材料の添加剤において、分散
    相として存在するポリマーが、ラジカル重合により得ら
    れる形で、その全重量に対して、 (メタ)アクリル酸及び/又はその塩のいずれか(モノ
    マーI)>0〜<5重量%、 (メタ)アクリルアミド(モノマーII) >0〜<
    5重量% 及び残量として、 少なくとも1つのエチレン系不飽和基を有するその他の
    非イオン性モノマー(モノマー(III)
    90〜97.5重量% からなり、かつ重量平均直径が、100〜300nmで
    あるポリマー粒子の形で存在する、水性ポリマー分散液
    からなる、無機建築材料の添加剤。
  29. 【請求項29】 再分散可能なポリマー粉末において、
    分散相として存在するポリマーが、ラジカル重合により
    得られる形で、その全重量に対して、 (メタ)アクリル酸及び/又はその塩のいずれか(モノ
    マーI)>0〜<5重量%、 (メタ)アクリルアミド(モノマーII) >0〜<
    5重量% 及び残量として、 少なくとも1つのエチレン系不飽和基を有するその他の
    非イオン性モノマー(モノマー(III)
    90〜97.5重量% からなり、かつ重量平均直径が、100〜300nmで
    あるポリマー粒子の形で存在する、水性ポリマー分散液
    の乾燥により得られる再分散可能なポリマー粉末。
  30. 【請求項30】 請求項29に記載の再分散可能なポリ
    マー粉末からなる、無機建築材料中の添加剤。
  31. 【請求項31】 請求項29に記載のポリマー粉末を含
    有する、無機建築材料。
  32. 【請求項32】 水性ポリマー分散液において、分散相
    として存在するポリマーは、ラジカル重合により得られ
    る形で、その全重量に対して、 (メタ)アクリル酸及び/又はその塩のいずれか(モノ
    マーI)>0〜<5重量%、 (メタ)アクリルアミド(モノマーII) >0〜<
    5重量% 及び残量として、 少なくとも1つのエチレン系不飽和基を有するその他の
    非イオン性モノマー(モノマー(III)
    90〜97.5重量% からなり、かつ重量平均直径100〜300nmのポリ
    マー粒子の形で存在し、かつ分散剤の全量は、分散ポリ
    マーに対して、≦3重量%であり、分散ポリマーに対し
    て、非イオン性乳化剤1重量%未満からなり、かつアニ
    オン性乳化剤少なくとも50重量%からなる、水性ポリ
    マー分散液。
  33. 【請求項33】 モノマーを、ラジカル水性エマルジョ
    ン重合させる、請求項32に記載の水性ポリマー分散液
    の製法。
  34. 【請求項34】 請求項32に記載の水性ポリマー分散
    液の噴霧乾燥により得られる、ポリマー粉末。
JP8191080A 1995-07-19 1996-07-19 ポリマーで変性された無機建築材料の製法、無機建築材料のための添加剤、無機建築材料、水性ポリマー分散液、その製法及びポリマー粉末 Abandoned JPH0930853A (ja)

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