JPH09308654A - 人体吊り上げ方法と装置 - Google Patents

人体吊り上げ方法と装置

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JPH09308654A
JPH09308654A JP8126951A JP12695196A JPH09308654A JP H09308654 A JPH09308654 A JP H09308654A JP 8126951 A JP8126951 A JP 8126951A JP 12695196 A JP12695196 A JP 12695196A JP H09308654 A JPH09308654 A JP H09308654A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 身体障害者等の人体をベッドから自身の操作
で介護者の介在なく、安定にしかも吊り上げ力の作用負
担が軽減できる人体吊り上げ方法と装置を得る。 【解決手段】 被懸吊者Mの両肩の上部を1対の肩吊り
ベルト4bに着脱自在に結合し、また両腿の適所を1対
の腿吊りベルト4aに着脱自在に結合し、これら懸吊ベ
ルト4(4a、4b)を自身が操作器9を操作して引き
上げ、自分を上方に吊り上げるとき、腿吊りベルト4a
を先に吊り上げた後に、肩吊りベルト4bと腿吊りベル
ト4aとを同時に漸次に被懸吊者の操作に応じて引き上
げて安定姿勢で停止させ、以て被懸吊者Mに掛かる吊り
上げ力が、背中全面から臀部周囲と腿の下面側に渡る広
い範囲で分散され、被懸吊者Mの受ける吊り上げ時の負
担を軽減し、苦痛感から解放し得る人体吊り上げ方法と
装置を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体の吊り上げ方
法と装置とに関し、主として片半身が不自由な人を吊り
上げ、吊り下げ対象とし、そのような人が介添え人や介
護者等による助けを得ることなく、自身を懸吊ベルトを
用いて吊り上げ、又は吊り下げて例えばベッドから車椅
子や用便器等の福祉機器へ或いはその逆向きの移動を吊
り上げ力の作用負担を軽減させて実現可能な人体の吊り
上げ方法と人体の吊り上げ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】寝たきり状態などの身体障害状態にある
人が通常の日常生活を過ごすためにはベッドと用便器や
車椅子との間の乗り移り(以下、移乗と記載する)を行
わなければならない。移乗を自力で行うことができない
身体障害者の場合は、介護者が身体障害者を抱き上げて
移乗させるという作業が行われている。然しながら、こ
の抱き上げ作業は、肉体的労力を要し、このために介護
者が関節痛や腰痛などを起こす問題も発生し、しかも吊
り上げられたときに、身体障害者へ無理な力が作用しな
いように介護者が障害者の姿勢を整えてやらねばならな
いなどの煩瑣も伴う不都合があった。そのために、移乗
介護を補助する装置、手段として移乗に際し、被介護者
にハンモックやベルトなどで作られた吊り具を介護者が
身体障害者の背面に装着し、吊り具ごと吊り上げて移乗
させる介護手段がしばしば採用されており、装着性と安
定性とを改善した介護用具が提供されている(例えば、
特公平4−66586号公報を参照)。
【0003】更に、身体障害者などを異なる位置間で移
動する際に、その着衣にバンドや吊り環を取着し、吊り
ベルトで吊り上げたとき、同身体障害者の姿勢が腰掛け
姿勢となるようにして介護人に掛かる負担を軽減するよ
うにした移動用吊り装置なども既に提供されている(実
公昭58−16747号公報を参照)。しかし、このよ
うな介護用具や移動用吊り装置は介護者がいて操作する
ことが前提であり、移乗する都度の吊り具の装着、吊り
具と昇降装置との接続、水平移動時の揺れ防止、排泄時
の衣服の着脱、吊り具等の機器類の異常時の安全性の確
保を全て介護者が行うため、身体障害者自身が一人で上
述した移乗の操作を遂行し得ない問題がある。
【0004】更に、上述した従来技術に係る移動用吊り
装置などでは、被懸吊者の姿勢の安定は図りながらも、
吊り上げられたときに、被懸吊者に無理な吊り上げ力が
作用して苦痛感を拭いきれない点で必ずしも完成域に達
していない欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】依って、本発明の主目
的は、上述の問題点や欠点を解決し、片半身が不自由な
人などの健常状態にない人を吊り上げて位置の移動を行
うことができる人体の吊り上げ方法と人体の吊り上げ装
置とを提供せんとするものである。本発明の他の目的
は、一般家庭の室内等で利用して介護者による助勢を受
けることなく、身体障害者や病気患者などが自力で普通
の日常生活を送ることを補助することが可能な人体の吊
り上げ方法と人体の吊り上げ装置とを提供せんとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、吊り上げ対象
となる人(以下、被懸吊者と言う)の両肩の上部を1対
の肩吊りベルトに着脱自在に取着、結合し、また足のつ
け根から膝部位に到る両腿の適所を1対の腿吊りベルト
に着脱自在に取着、結合し、これらの肩吊りベルトと腿
吊りベルトとを引き上げて被懸吊者を上方に吊り上げる
とき、腿吊りベルトを所定長さ吊り上げた後に、肩吊り
ベルトと腿吊りベルトとを同時に漸次に被懸吊者の操作
に応じて引き上げ、以て被懸吊者に掛かる吊り上げ力
が、被懸吊者の背中全面からでん部周囲と腿の下面側に
渡る広い範囲で分散され、被懸吊者の受ける吊り上げ時
の負担を軽減し、苦痛感から解放し得る人体吊り上げ方
法を実現し、かつそのような方法を実施するのに適した
人体吊り上げ装置を得ることができるのである。
【0007】すなわち、本発明によれば、上方から吊り
下げられた1対の肩吊りベルトを両肩の上部に結合し、
上方から吊り下げられた他の1対の腿吊りベルトを両腿
の所定個所に結合し、前記腿吊りベルトを所定長さ吊り
上げた後に、前記腿吊りベルトと前記肩吊りベルトをほ
ぼ同時に吊り上げるようにし、人体に対する吊り上げ力
の作用負担を軽減するようにしたことを特徴とした人体
吊り上げ方法が提供される。
【0008】このようにすれば、最初に被懸吊者の腿部
が吊り上がった後に腿部と両肩とが同時に吊り上がるの
で、被懸吊者に掛かる力が該被懸吊者の着衣した衣服や
衣服型の吊り具により、背中全面からでん部周囲の広い
範囲に亘って分散するので、被懸吊者は苦痛感なく、吊
り上げられるのである。また、本発明によれば、耐荷重
性の架手段に支承されて駆動手段の駆動に応じて位置移
動する荷重移動手段と、前記荷重移動手段に係合され、
かつ被懸吊者の片手が届く少なくとも2以上の異なる所
定位置に設けたベルト結合部へ装脱自在に結合される複
数の懸吊ベルトと、前記被懸吊者の夫々異なる所定位置
に結合された前記懸吊ベルトを独立に上下駆動装置の作
動に応じて上下動させることが可能なベルト懸吊装置
と、前記懸吊ベルトの上動又は下動々作時に、該懸吊ベ
ルトの上下動の動作順序を前記被懸吊者の前記所定位置
に合わせて制御する制御手段とを、少なくとも具備して
構成された人体吊り上げ装置が提供される。
【0009】このような人体吊り上げ装置によれば、被
懸吊者が自身の片手で操作して懸吊ベルトの結合や取り
外しを操作でき、しかも被懸吊者のベルト結合部を介し
て最初に被懸吊者の腿部が吊り上がった後に腿部と両肩
とが同時に吊り上がるので、被懸吊者に掛かる力が該被
懸吊者の背中全面からでん部周囲の広い範囲に亘って着
衣を介して分散するので、被懸吊者は苦痛感なく、吊り
上げられるのである。
【0010】好ましくは、被懸吊者が常時、着衣可能に
形成され、該被懸吊者の両肩部位と両腿部位とを含む所
定個所に上記懸吊ベルトの下端を結合する上記ベルト結
合部を有するように形成された衣服型吊り具を用いた人
体吊り上げ装置とすれば、被懸吊者に掛かる吊り上げ力
が同被懸吊者の背中全面からでん部周囲の広い範囲に亘
って衣服型吊り具を介して分散するので、被懸吊者の苦
痛感緩和又は解消効果は一層、顕著となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す実
施形態に基づいて、更に、詳細に説明する。図1は、本
発明の実施形態に係る人体吊り上げ装置の一使用形態を
示すための正面図、図2は、同装置の側面図であり、肩
吊りベルトおよび腿吊りベルトから成る懸吊ベルトによ
る吊り上げ位置を明示した図、図3は、同装置が人体な
どの重量を荷重として直線路に沿って位置間を移動する
場合の荷重移動手段の構成を示す図1の上方から見た上
面図、図4は同装置の下面側から見た下面図、図5は同
装置の動作制御手段の構成を示すブロック図、図6は、
同装置に用いられる懸吊ベルトを独立的に駆動する電動
モータの動作タイミングを示すタイミング図、図7は、
被懸吊者が着衣した衣服型吊り具の一実施形態の正面図
と背面図、図8は、被懸吊者が着衣した衣服型吊り具の
他の一実施形態の正面図と背面図、図9は、懸吊ベルト
の揺れ抑制留め具の一実施形態を示す正面図、図10
は、懸吊ベルトに図9の揺れ抑制留め具を装着した状態
を示す要部断面図、図11は、懸吊ベルトの揺れ抑制留
め具の他の一実施形態を示す正面図、図12は、懸吊ベ
ルトに図11の揺れ抑制留め具を装着した状態を示す要
部断面図である。
【0012】図1および図2を参照すると、一般家庭の
室内における床面上に設置された人体吊り上げ装置の一
実施形態を示し、特に、人体の全重量を吊り上げて異な
る位置間を移動し得るように、耐荷重性の架装置構造に
形成した例を示している。両図において、床面に設置可
能な1対の支柱1と、この支柱1に両端が連結されたレ
ール2とによって耐荷重性の架手段50が形成され、こ
の架手段50のレール2に支承されて後述する構造を有
した荷重移動装置3が同レール2に沿って図1の左右方
向に走行状態で移動可能に懸架されている。この荷重移
動装置3には懸吊ベルト4のベルト懸吊装置3aが取着
されており、このベルト懸吊装置3aから合成樹脂材、
例えばナイロン材から成る懸吊ベルト4が後述するベル
ト駆動プーリ25a、25bなどに対して巻き上げ式に
引き上げられ、また反対に巻き下げ式に引き下ろされる
構成で垂下されている。
【0013】上記懸吊ベルト4において一方のベルト4
aは1対の腿吊りベルト4aを成しており、被懸吊者M
の両腿部の適所(被懸吊者Mの片手が届くほぼ両膝に近
い位置)に下端が垂下し、他方のベルト4bは1対の肩
吊りベルト4bを形成し、被懸吊者Mの両方の肩上部の
個所に垂下している。上記腿吊りベルト4aには、図2
に明示されているように、懸吊時に被懸吊者Mの揺れを
抑制できるように、両腿部に結合された該1対の腿吊り
ベルト4aをひと纏めに結束状態にする後述する揺れ抑
制留め具5が装備されている。
【0014】上記の懸吊ベルト4は、上端側が上記のベ
ルト懸吊装置3aのプーリ4c、4dに止着されて適宜
量だけ該プーリ4c、4dの回りに巻回後に下方に垂下
しており、下端側には被懸吊者Mによる操作性の良好な
結合具、例えば周知のカラビナなどから構成される雄型
結合具6a、6bが取付けられている。これらの雄型結
合具6a、6bは被懸吊者Mが着衣した衣服吊り具8の
両肩部位と両腿部位とに設けられた対応の雌型結合具7
a、7bに結合して、懸吊ベルト4を衣服型吊り具8に
被懸吊者Mが片手で簡単に結合できるように形成されて
いる。
【0015】図1および図2は、体の半身が不自由な身
体障害者などの被懸吊者Mが、ベッド10から簡易用便
器11へ自身の操作で移動し、また戻ってくることが可
能なように架手段50のレール2に沿って水平移動する
装置として構成されており、図示の状態はベッド10で
懸吊ベルト4を結合してから、操作器9を被懸吊者M自
身が片手で操作してベッド10の上面から上方へ吊り上
げられた状態を示している。上記操作器9は、例えば、
押し釦式のスイッチを有し、このスイッチを操作するこ
とにより、ベルト懸吊装置3aを作動して懸吊ベルト4
を吊り上げおよび吊り下げの上下動々作を遂行させ得る
とともに、架手段50のレール2に沿ってベッド10か
ら用便器11まで、またその逆方向に荷重移動装置3を
作動させて移動させ得る操作手段を成している。つま
り、操作器9は後述する制御装置CLの構成要素を成し
ているのである。
【0016】ここで、図3を参照すると、上述した架手
段50のレール2に沿って水平移動可能な荷重移動装置
3の詳細な構造を示しており、該荷重移動装置3と上記
ベルト懸吊装置3aとを連結する結合基板12の上面側
に移動用駆動電動機(以下、単に電動機という)13を
固定、搭載し、この電動機13に減速機14と軸継手1
5を介して軸16を回転可能に結合している。軸16に
は適宜の歯数の歯車17が固定され、同歯車17と噛合
した減速歯車18を介して駆動輪19を回転駆動して結
合基板12と共にレール2に沿って走行移動するように
なっている。この駆動輪19と適宜距離だけはなして従
動輪20が設けられ、水平走行の進行時におけるヨーイ
ング動作の発生を防止し、また、同様にローリング動作
の発生を防止するために案内輪21が結合基板12の進
行方向の前後に各1対、レール2の側面に転動接触させ
て設けられている。なお、電動機13としては、レール
2に沿って前進と後進(又は左進、右進)が可能なよう
に、かつ所望位置で停止が可能なように可逆性のサーボ
電動機が用いられる。他の実施形態として電動機に代え
て周知の直動ピストン装置などを用いて駆動源を構成し
ても良い。
【0017】図4を参照すると、上記の結合基板12を
下面側から見た状態を示し、ベルト懸吊装置3aが図示
されている。結合基板12の下面側にベルト懸吊動作の
駆動用の2つの懸吊駆動用電動機22a、22b(以
下、電動機22a、22bという)が取付、固定されて
いる。前者の電動機22aは腿吊りベルト4aの懸吊駆
動用に設けられ、後者の電動機22bは肩吊りベルト4
bの懸吊駆動用に設けられている。これらの電動機22
a、22bはそれぞれ減速機23a、23bおよび軸継
手24a、24bを介して各1つのベルト駆動プーリ2
5a、25bの軸26a、26bに連結されており、同
軸26a、26bを介してベルト駆動プーリ25a、2
5bを回転駆動する構成になっている。さて、これらの
ベルト駆動プーリ25a、25bには既述した各1対で
設けられる懸吊ベルト4(腿吊りベルト4a,4a、肩
吊りベルト4b,4b)の一本のベルト4a、4bの上
端が止着、固定されており、軸26a、26bと平行に
設けられた他の軸32a、32bに取付けられた従動プ
ーリ31a、31bの上周面に掛け渡した後に、下方に
垂下させている。
【0018】他方、上記軸26a、26bには歯車27
a、27bが取付けられ、これらそれぞれの歯車27
a、27bに噛合した歯車28a、28bを介して上記
の軸26a、26bと平行に配設された他の軸29a、
29bに回転駆動力を伝達し、これらの軸29a、29
b上に取付けられている他のベルト駆動プーリ30a、
30bを回転駆動している。ここで、歯車27a、27
bとこれらに噛合した歯車28a、28bとは歯数比を
1対1に選定することにより、軸29a、29bを軸2
6a、26bと同速度、逆方向に回転駆動するように構
成している。そして、上記他のベルト駆動プーリ30
a、30bにも懸吊ベルト4の他の一本のベルト4a、
4bの上端が止着、固定され、下端が下方に垂下されて
いる。
【0019】そして、上記の軸26a、26b上に取着
された歯車27a、27bは別の小歯車33a、33b
を介して結合基板12に固定、配置された回転検出用の
エンコーダ34a、34bに係合されており、これらの
エンコーダ34a、34bから各軸26a、26bの回
転量を検出し得るように構成され、同エンコーダ34a
および34bの回転検出値は、後述する制御装置CLに
送信される構成となっている。なお、エンコーダ34
a、34bを設けて軸26a、26bの回転量を検出す
る構成に代えて電動機22a、22b自体にエンコーダ
を組み込んだサーボモータを用い、同電動機22a、2
2bの回転量検出を介して軸26a、26bの回転量の
検出を行う構成としても良い。ここで、注目すべき点
は、エンコーダ34a、34bは、軸26a、26bの
回転検出を行うことを介して各3つのベルト駆動プーリ
25a,30a,31aおよび25b,30b,31b
の回転量を間接的に検出し、従って懸吊ベルト4の巻き
上げ量や巻き下げ量をも間接的に検出することができる
ように構成されているのである。
【0020】上述したベルト懸吊装置3aの構成から懸
吊ベルト4の腿吊りベルト4a、肩吊りベルト4bの上
下動による吊り上げ動作、吊り下げ動作を駆動源の電動
機22a、22bの作動を制御して駆動できることが容
易に理解できよう。しかも、腿吊りベルト4aと肩吊り
ベルト4bとはそれぞれ独立に駆動される構成を有して
おり、その吊り上げ量、吊り下げ量がエンコーダ34
a、34bから検出できるのである。
【0021】上述した機械的構成に加えて、本実施形態
に係る人体吊り上げ装置は、図5に示す制御装置CLを
備えている。すなわち、制御装置CLは、既述した操作
器9が図示されていない適宜のインターフェースを介し
て接続されたマイクロプロセッサ35および所定の動作
プログラムや動作制御データなどが記憶、登録されたメ
モリ36とを具備して構成されている。また、制御装置
CLのマイクロプロセッサ35にはインターフェースを
介して既述のエンコーダ34a、34bが接続され、更
に、増幅器37、37を介して荷重移動装置3の駆動源
を構成する可逆性電動機13およびベルト懸吊装置3a
の駆動源を構成する2つの電動機22a、22bなどが
接続されている。
【0022】上述の構成を有する制御装置CLにおいて
は、操作器9を介して被懸吊者Mがスイッチを押動操作
して入力された操作信号はマイクロプロセッサ35に送
入され、このとき、マイクロプロセッサ35はメモリ3
6に記憶、登録された動作指令等のプログラムや指令デ
ータを読み出し、かつエンコーダ34a、34bからの
検出出力値をも読み込み検知しながら増幅器37、37
を介して可逆性電動機13やベルト懸吊装置3aの2つ
の電動機22a、22bを駆動するようになっている。
【0023】ここで、図7および図8を参照すると、上
述した本発明の実施形態に係る人体吊り上げ装置と組み
合わせて用いられる衣服型吊り具の典型的な構造が図示
されている。すなわち、図7の(イ)および(ロ)は、
衣服型吊り具8の第1の実施形態を示しており、半身付
随などの原因で日常生活の行動が普通に遂行できない身
体障害者のような被懸吊者Mが予め着衣する構造に形成
されており、上半身、下半身が被懸吊者Mの体格に合わ
せた一体型に形成されており、背中側に何らの凹凸がな
い構造とされ、着用したままベッド10に常時、就寝し
ていても、床ずれなどを起こさないように配慮、形成さ
れている。この衣服型吊り具8の被懸吊者Mの側面から
見て身体の前方側には、腿部の膝に近い上面個所と、両
肩の上部個所との分散された両個所に既述の雌型結合具
7a,7aと7b,7bが固着されており、これらの雌
型結合具7a,7a、7b,7bは、被懸吊者Mが片手
で懸吊ベルト4側の雄型結合具6a,6a、7a,7a
と結合操作ができる範囲内の位置に設けられると同時
に、後述するようにベッド10(図1、2参照)で身体
をやや起こされた状態から懸吊ベルト4で吊り上げられ
たときに、被懸吊者Mのほぼ全域に分散して吊り上げ力
が作用し、被懸吊者Mに吊り上げに力の負担から不快感
が生じたり、床ずれの原因とならない位置に選定されて
いる。つまり、被懸吊者Mの背中全面からでん部周囲と
腿の下面にかけての広い範囲で被懸吊者Mが衣服型吊り
具8を介して懸吊ベルト4により吊り上げ、支持される
ので被懸吊者Mに圧迫感や窮屈感などの不快感を与える
ことがないのである。また、雌型結合具7b,7bの一
端は衣服型吊り具8の肩の頂上部位に配置されるが、雌
型結合具7b,7bが雄型結合具6b,6bと結合され
る部分は、胸部における片手の可動範囲内に配置されて
いることから、片手の可動範囲内に配置される雌型結合
具7a、7aと共に、雄型結合具6a,6a、6b,6
bと被懸吊者Mが片手だけを用いて簡単に結合できる点
が注目される。
【0024】なお、図7の(イ)、(ロ)において、衣
服型吊り具8にはさらに被懸吊者Mが用便器11の位置
に達して用便するときに、自在に開口することができる
開口部8a(破線図示を参照)が前後に各穿設されてお
り、この開口部8aは覆い形状の開口補助具39によっ
て開閉自在に形成されている。この開口補助具39は先
ず、その一辺39bが衣服型吊り具8の背面に固定さ
れ、そしてその対辺39a上の両側端に1対の引き紐4
0の下端が固定される。この引き紐40は吊り具8の肩
から股下にかけて環状を成しているので、被懸吊者Mが
引き紐40を身体の前面側で片手操作で引き下げれば、
背中側の開口補助具39が開口し、同開口補助具39は
背中面に引き上げられる。また、引き紐40を身体前面
で被懸吊者Mが上方へ引けば、開口補助具39は背中か
ら離れて開口部8aを閉鎖するように下ろされる。
【0025】図8の(イ)、(ロ)は、衣服型吊り具8
の他の実施形態を示しており、この吊り具8が図7の吊
り具8と異なる点は、前後の開口部8aを開閉する開口
補助具39’が四辺形の2枚の布からなり、それぞれが
重なるように、それぞれの両側端を衣服型吊り具8の前
後に固定されている。引き紐40’の一端は開口補助具
39’の自由端に固定され、他端を衣服型吊り具8の前
面に設けてある。従って、被懸吊者Mが衣服型吊り具8
の前面の引き紐40’を片手で引くことによって、開口
補助具39’は開口部8aを開口するのである。また、
引き紐40’を離して、開口補助具39’の前面で片手
で重ね合わせることにより、開口部8aの全体を閉鎖す
ることができるのである。要するに、被懸吊者Mが用便
器11上に移動して吊り下ろされた状態で引き紐40’
を操作すると開口部8aを開口して用便が可能となり、
用済み後に引き紐40’を離して片手でつくろい動作す
れば、衣服型吊り具8は定常状態に戻るのである。
【0026】上述した図7や図8に示した衣服型吊り具
8は、被懸吊者Mの体形に一致させて予め適正な寸法に
形成され、両腿上面部位の適所と両肩頂部とに懸吊ベル
ト4a,4a、4b,4bの雄型結合具6a,6a、6
b,6bとの結合用の雌型結合具7a,7a、7b,7
b及び開口部8aの開口補助具39または39’とを具
備することにより、荷重移動装置3、ベルト懸吊装置3
aと共働して被懸吊者Mの吊り上げ、吊り下ろし、位置
間の移動を円滑に進行させ得るのである。
【0027】なお、衣服型吊り具8と懸吊ベルト4との
結合の失敗等によって被懸吊者Mの姿勢が崩れて落下し
てしまった場合や、停電、機器異常などのために吊り上
げ装置の全体が停止した場合等の非常時には図5に図示
した操作器9を操作することにより、制御装置CLのマ
イクロプロセッサ35が予めメモリ36に登録されてい
る通報信号を呼び出し、家庭内の他の場所に要る健常者
を呼びだしたり、または所要に応じて警備担当会社や外
部の緊急連絡先に一報が届くように形成されているので
ある。このため、早急に被懸吊者Mの安全性を確保する
こともできる。
【0028】次に、図9、図10を参照すると、既述し
た揺れ抑制留め具5の具体的な一実施形態が図示されて
いる。この揺れ抑制留め具5は、図1に図示されるよう
に、腿吊りベルト4a,4aと衣服型吊り具8の腿部位
との結合位置からやや上方域の同腿吊りベルト4a,4
aを結束することにより、吊り上げ動作時や架手段50
のレール2に沿って移動するときに被懸吊者Mの揺れを
抑止し、安定した吊り上げ動作や吊り下ろし動作或いは
移動の安定を図る手段として機能するものである。従っ
て、図9の示す実施形態では、輪環状の結束部材5bの
内面に予め雄ホック5cを縫い付け法等で止着し、この
結束部材5bの内孔に予め腿吊りベルト4a,4aを挿
通させておき、同ベルト4aの表面に対応の雌ホック5
dを取着しておけば、雄ホック5cと雌ホック5dの係
合により、結束部材5bは、図10に明示するように、
常時、定位置で腿吊りベルト4a,4aを結束して安定
的な揺れ止め作用を遂行するのである。なお、腿吊りベ
ルト4a,4aには予め、図9に示すように、上下に適
宜の間隔をおいて複数の雌ホック5dを配置しておけ
ば、何れかの雌ホック5dを選択、使用することで、被
懸吊者Mの体型や股関節の拘縮の程度に合わせて上下方
向に結束位置を調整することもできる。
【0029】このような結束部材5b、雄雌ホック5
c、5dとから成る揺れ抑制留め具5を用いれば、架手
段50のレール2に沿って水平移動の加速時などで懸吊
ベルト4の腿吊りベルト4a,4aとベルト懸吊装置3
aのプーリ30a、31aとの接触点を支点にして揺れ
が発生せず、揺れ抑制止め具5とベルト4a,4aとの
結束位置を支点にした小幅の揺れとなり、揺れ幅を十分
に低減、抑制して、被懸吊者Mの不安定感を解消するこ
とができるのである。なお、図10は、結束部材5bの
雄ホック5cと腿吊りベルト4a,4aの雌ホック5d
における上下方向の中央のホック5dとを係合させて結
束を行っている状態を示している。
【0030】図11、図12は、揺れ抑制留め具5の他
の実施形態を示している。この実施形態では、輪環状の
結束部材5bの内周面にループ状の合成繊維を植設した
留めテープ5a’を縫い付け法などの適宜の方法で固定
し、他方、腿吊りベルト4a,4aの表面に相手型の細
かいフック状の合成繊維を植設した留めテープ5aを同
じく縫い付け法または接着法などで止着し、このとき、
留めテープ5a側は上下に適正な長さに亘って予め留め
テープ5aを止着することにより、輪環状の結束部材5
bによる結束位置を腿吊りベルト4a,4aの上下方向
で調整できるようにしておくことが好ましい。この実施
形態による揺れ抑制留め具5も図9、図10に示したも
のと全く同様な揺れ抑制作用を遂行して被懸吊者Mの吊
り上げ動作、吊り下げ動作、水平移動時などにおける揺
れ抑制を図ることができる。なお、図11は輪環状結束
部材5bに止着されている留めテープ5a’が腿吊りベ
ルト4a,4aの上下方向の適所で結束作用をしている
状態を図示している。
【0031】次に、本発明の実施形態に係る人体吊り上
げ装置を用いて遂行される特徴的な人体吊り上げ方法お
よび異なる位置間における移動方法に就いて、図1〜図
5と共に図6に示す電動機13、22a 、22bの作
動タイミングチャートを参照して以下に詳細に説明す
る。すなわち、本発明による人体吊り上げ方法は、被懸
吊者Mが自身で操作器9を駆使して吊り上げや吊り下ろ
しを遂行し、位置間の移動も遂行でき、さらに、半身不
自由又は不随等の人が日常の生活の中で複数回にわたっ
てベッド10と用便器11との間を吊り上げ操作を含め
て移動しても衣服型吊り具8が被懸吊者Mの身体に対す
る最適位置からずれることのないように工夫されている
人体吊り上げ方法を構成しているのである。
【0032】このように繰り返し吊り上げ、吊り下げ、
移動を行っても、衣服型吊り具8のずれが発生しない要
因は、懸吊ベルト4(腿吊りベルト4a、肩吊りベルト
4b)を用いて遂行される吊り上げ、吊り下ろしの一連
の懸吊動作が巧みに動作順序を制御されていることに由
来するものである。すなわち、人体吊り上げ方法は、被
懸吊者Mがベッド10上に臥寝している状態から通常の
ベッド10の起立によってやや起き上がり姿勢となった
状態に移行してから吊り上げ動作が開始され、吊り上げ
られた状態でベッド10の位置から用便器11の上方位
置まで水平移動し、そこから吊り下ろされて用便器11
上に座し、用済み後に、再び用便器11の上方に吊り上
げ動作し、水平移動によりベッド10上方まで戻り、同
ベッド10の上方位置から吊り下ろし動作によりベッド
10上に戻る一連の吊り上げ方法として遂行されるので
ある。
【0033】これらの一連の吊り上げ、移乗動作は、操
作器9による操作によって起動されるが、動作の駆動、
つまり吊り上げ動作の駆動と停止、水平移動の駆動と停
止は駆動源を構成する電動機13、22a、22b(図
3、図4を参照)の作動タイミングを制御することによ
り遂行され、これらの動作タイミングが図6に図示され
ているのである。
【0034】まず、ベッド10上にやや起き上がって座
り姿勢となった被懸吊者Mが懸吊ベルト4を自分の着衣
した衣服型吊り具8の結合具7a、7bに片手操作で結
合してから操作器9をスイッチ押動すると吊り上げが開
始される。つまり、操作器9の上昇スイッチを押動する
と、この押動信号に応じてマイクロプロセッサ35が予
め登録されたプログラムに従って一連の動作を遂行させ
る。すなわち、図6に示すタイミングt1で懸吊駆動用
電動機22aを一方向、例えば正転させて、先ず1対の
腿吊りベルト4a,4aを上昇させる。そして、被懸吊
者Mの衣服型吊り具8を介して同被懸吊者Mの腿を座っ
た姿勢における水平状態から膝関節を中心に約10°程
度吊り上げる。続いて、作動タイミングt2において腿
吊りベルト4a,4aと共に肩吊りベルト4b,4bに
おいても同時に吊り上げを開始すべく、電動機22a、
22bの両者を正転駆動させる。この結果、腿吊りベル
トと肩吊りベルトとの両者の懸吊ベルト4が上昇して吊
り上げを遂行する。つまり、上述のように電動機22a
と電動機22bの起動タイミングをそれぞれt1、t2
にずらすことにより、懸吊用電動機22aが衣服型吊り
具8を腿位置で先ず引き上げる。故に、同衣服型吊り具
8に対しては被懸吊者Mの脚の爪先方向に向かう張力を
与えるから、肩と腿とを同時に懸吊した時には発生して
しまうずれ、即ち、衣服型吊り具8が、被懸吊者Mの身
体に対して頭部方向へせり上がるように成るずれの発生
を解消することができるのである。
【0035】次いで、動作タイミングt3で懸吊駆動用
電動機22aの作動を停止させ、他方、懸吊駆動用電動
機22bの回転駆動は動作タイミングt4まで正転駆動
を続行させる。この結果、懸吊時の姿勢を図1に示すよ
うな安楽なものにすることができる。次に、動作タイミ
ングt5から被懸吊者Mが操作器9の水平移動用のスイ
ッチを押動している間、マイクロプロセッサ35は水平
移動の駆動用電動機13を正転作動させ、荷重移動装置
3をレール2に沿って水平移動させ、用便器11の上方
位置へ到達させる。次に、この位置で動作タイミングt
6の時点に操作器9のスイッチの押動を被懸吊者Mが停
止すると、同位置で停止する。
【0036】動作タイミングt6とt7との所要の時間
の間に被懸吊者Mは衣服型吊り具8の既述した開口部8
aを開口して用便準備をする。その後、動作タイミング
t7で被懸吊者Mが操作器9の下降スイッチを押動する
と、マイクロプロセッサ35が懸吊駆動用電動機22
a、22bを逆転させて腿吊りベルト4aと肩吊りベル
ト4bの両者を下降させ、衣服型吊り具8を介して被懸
吊者Mを用便器11に着座させる。用便終了後は、動作
タイミングt8で被懸吊者Mが再び操作器9の上昇スイ
ッチを押動すれば、既述したベッド10からの吊り上げ
動作と同じ過程を経過すべく、先ず、腿吊りベルト4
a,4aを上昇させ、先に腿部位を水平から10°程度
上方につり上げる。次に、動作タイミングt9で腿吊り
ベルト4aと肩吊りベルト4bとを同時に上昇させ肩、
腿両方を吊る。更に動作タイミングt10で懸吊駆動用
電動機22aを停止させ、動作タイミングt11まで他
方の懸吊駆動用電動機22bを正転させる。そして、被
懸吊者Mが衣服型吊り具8の開口部8aを閉鎖する。
【0037】その後、動作タイミングt12から被懸吊
者Mが操作器9の水平移動用のスイッチを押動すると、
マイクロプロセッサ35により水平移動の駆動用電動機
13を逆転させて被懸吊者Mは用便器11の上方位置か
らベッド10の上方位置へ戻る。そして動作タイミング
t13に操作器9のスイッチ押動を停止すると、同ベッ
ド10の上方で一旦、停止する。次に、動作タイミング
t14で被懸吊者Mが操作器9の下降スイッチを押動す
ると、マイクロプロセッサ35は、懸吊駆動用の電動機
22a、22bを逆転させて腿吊りベルト4a,4a、
肩吊りベルト4b、4bを吊り下げ動作させるから、被
懸吊者Mは衣服型吊り具8を着衣したままでベッド10
に戻る。
【0038】上述のように、被懸吊者M自身が操作器9
を操作して自身の人体をベッド上から吊り上げ、このと
き腿部位を先ず吊り上げてから肩部位を吊り上げる所定
の動作順序を経過することにより、衣服型吊り具のずれ
を防止しつつ上昇するために吊り上げ力が人体の肩と腿
の下面を経てでん部に到る全体面に分散して作用するか
ら、苦痛感なく、吊り上げが達成され、安楽な移動姿勢
をとることが可能となる。
【0039】上述した腿吊りベルト4a,4aの上昇を
先行させて約10°程度吊り上げる動作過程は、エンコ
ーダ34a,34bから軸回転量の検出を介して得られ
るプーリ25a、30a、31aなどの回転量により腿
吊りベルト4a,4aの引き上げ量をマイクロプロセッ
サ35が受信し、その引き上げ量を演算して所定値に達
したときに、電動機22aの正転と他の電動機22bの
正転とを同期して作動制御するようにしても良く、或い
は予めメモリ36内に記憶、登録された所定のプログラ
ムにおける時間スケジュールに従って制御するようにし
ても良い。
【0040】以上、本発明を最も典型的な実施形態によ
る人体吊り上げ装置およびそれを用いた人体吊り上げ方
法として説明したが、種々の変形、改変が当業者なら容
易に遂行し得ることは言うまでもない。例えば、上述し
た実施形態ではベッド10と用便器11との2位置間を
移動する例としたが、架手段50のレール2を長尺化し
てベッド10、用便器11に加えて車椅子を所定位置に
停止させておき、この車椅子との間の移乗などを行える
ようにして機能拡大を図ることもできる。また架手段5
0の1対の支柱1,1を有した構造に限るものではな
く、建物の柱を利用した方法などで構成するようにして
も良い。
【0041】
【発明の効果】以上の記載から明らかなように、本発明
によれば、被懸吊者が常時、着衣した衣服型吊り具を巧
みに利用し人体吊り上げ装置による人体吊り上げ作用
が、介護者の介在もなく、身体障害者などが自身でかつ
片手操作で吊り上げ、移動、吊り下げ等の一連の動作を
制御、操作することができるので、従来の介護者に掛か
る負担の軽減効果が著しい。しかも、被懸吊者が衣服型
吊り具を常時、着衣しているので、1回の装着で吊り上
げ、移動、吊り下げ等の一連動作を複数回に亘って自力
で遂行でき、しかも吊り上げ時や移動時に発生する衣服
型吊り具と被懸吊者の身体との間のずれが解消されてい
るので、ずれに起因した吊り上げ力の偏りによる遍荷重
が局部に作用する苦痛感が解消でき、身体の背中全面か
ら臀部周囲と腿の下面にかける広い範囲に荷重が分散さ
れるから、負担感がなく、床ずれの発生原因の低減にも
寄与することが可能となる。
【0042】また、被懸吊者が吊り上げられた状態で水
平移動をするとき、加速時に発生し易い揺れが揺れ抑制
留め具による腿吊りベルトの結束によって適正に抑制さ
れるので、揺れが十分に抑制でき、故に、揺れによる移
動の不安定感がなく、被懸吊者に与える安楽感を十分に
向上させることができるのである。また、衣服型吊り具
は、開口部を有し、被懸吊者が半身不随等の身体障害者
であっても、自分自身で片手操作で同開口部の開閉操作
を行って用便等の処理を達成できるから、介護者による
衣服の着脱などの煩瑣が解消され、特に、家庭内などに
おける非専門介護者による助勢で日常生活を送る被懸吊
者の場合には、その煩瑣解消の効果は著しい。しかも、
何らかの異常時には異常通報を行われる装置構成も具備
されているので、安全性の効果が大きいのである。
【0043】なお、特許請求の範囲に記載した本発明は
以下のような実施形態とすることも可能である。請求項
3または4に記載の装置において、懸吊ベルトの先端に
雄型接続具を具備し、衣服型吊り具上に該雄型接続具と
接続可能な雌型接続具を具備し、かつ被懸吊者が吊り上
げなどの操作を行う操作器を具備し、前記雄型接続具と
該雄型接続具の接続および操作器の操作を被懸吊者が片
手で行えるようにした人体吊り上げ装置とすること。
【0044】また、被懸吊者が吊り上げられた状態で水
平移動を行う際に、身体の揺れを抑制することが可能な
揺れ抑制留め具を該懸吊ベルトに具備した構成とした人
体吊り上げ装置とすること。更に、前記の衣服型吊り具
に用便用の開口部を設け、かつ、同開口部を開閉可能な
開口補助具を具備した構成とした人体吊り上げ装置とす
ること。
【0045】また、被懸吊者や装置自体に異常が発生し
たときに非常通報するための通報装置を具備した人体吊
り上げ装置とすること。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る人体吊り上げ装置の一
使用形態を示すための正面図である。
【図2】同装置の側面図であり、肩吊りベルトおよび腿
吊りベルトから成る懸吊ベルトによる吊り上げ位置を明
示した図である。
【図3】同装置が人体などの重量を荷重として直線路に
沿って位置間を移動する場合の荷重移動手段の構成を示
す図1の上方から見た上面図である。
【図4】同装置の下面側から見た下面図である。
【図5】同装置の動作制御手段の構成を示すブロック図
である。
【図6】同装置に用いられる懸吊ベルトを独立的に駆動
する電動機の動作タイミングを示すタイミング図であ
る。
【図7】被懸吊者が着衣した衣服型吊り具の一実施形態
の正面図と背面図である。
【図8】被懸吊者が着衣した衣服型吊り具の他の一実施
形態の正面図と背面図である。
【図9】懸吊ベルトの揺れ抑制留め具の一実施形態を示
す正面図である。
【図10】懸吊ベルトに図9の揺れ抑制留め具を装着し
た状態を示す要部断面図である。
【図11】懸吊ベルトの揺れ抑制留め具の他の一実施形
態を示す正面図である。
【図12】懸吊ベルトに図11に示す揺れ抑制留め具を
装着した状態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1…支柱 2…レール 3…荷重移動装置 3a…ベルト懸吊装置 4…懸吊ベルト 4a…腿吊りベルト 4b…肩吊りベルト 5…揺れ抑制留め具 5a…テープ式留め具 5b…輪環状結束部材 5c…雄形ホック 5d…雌形ホック 6a…雄型結合具 6b…雄型結合具 7a…雌型結合具 7b…雌型結合具 8…衣服型吊り具 9…操作器 10…ベッド 11…用便器 13…移動用駆動電動機 22a…懸吊駆動用電動機 22b…懸吊駆動用電動機 34a、34b…エンコーダ 35…マイクロプロセッサ 36…メモリ 38…通報装置 CL…制御装置 M…被懸吊者

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方から吊り下げられた1対の肩吊りベ
    ルトを両肩の上部に結合し、 上方から吊り下げられた他の1対の腿吊りベルトを両腿
    の所定個所に結合し、 前記腿吊りベルトを所定長さ吊り上げた後に、前記腿吊
    りベルトと前記肩吊りベルトをほぼ同時に吊り上げるよ
    うにし、 人体に対する吊り上げ力の作用負担を軽減するようにし
    たことを特徴とした人体吊り上げ方法。
  2. 【請求項2】 前記腿吊りベルトを途中にて束ね具によ
    り束ね、両足が開く量を調整することを特徴とする請求
    項1に記載の人体吊り上げ方法。
  3. 【請求項3】 耐荷重性の架手段に支承されて駆動手段
    の駆動に応じて位置移動する荷重移動手段と、 前記荷重移動手段に係合され、かつ被懸吊者の片手が届
    く少なくとも2以上の異なる所定位置に設けたベルト結
    合部へ装脱自在に結合される複数の懸吊ベルトと、 前記被懸吊者の夫々異なる所定位置に結合された前記懸
    吊ベルトを独立に上下駆動装置の作動に応じて上下動さ
    せることが可能なベルト懸吊装置と、 前記懸吊ベルトの上動又は下動々作時に、該懸吊ベルト
    の上下動の動作順序を前記被懸吊者の前記所定位置に合
    わせて制御する制御手段とを、少なくとも具備して構成
    された人体吊り上げ装置。
  4. 【請求項4】 支柱と、該支柱に連結されたレールとを
    有してなるフレーム部と、 該フレーム部の該レールに車輪を介して懸架され、該レ
    ール上を駆動手段の駆動に応じて走行する走行手段と、 前記走行手段に係合され、被懸吊者の片手が届く少なく
    とも両肩部位と両腿部位とを含む所定個所に設けたベル
    ト結合部へ装脱自在に結合される複数の懸吊ベルトと、 前記被懸吊者の夫々の所定個所に結合された前記懸吊ベ
    ルトを独立に上下動駆動装置の作動に応じて上下動させ
    ることが可能なベルト懸吊装置と、 前記懸吊ベルトの上動又は下動々作時に、該懸吊ベルト
    の上下動の動作順序を前記被懸吊者の所定個所に合わせ
    て一定順序に制御する懸吊動作制御装置とを、少なくと
    も具備して構成された人体吊り上げ装置。
  5. 【請求項5】 被懸吊者が常時、着衣可能に形成され、
    該被懸吊者の両肩部位と両腿部位とを含む所定個所に前
    記懸吊ベルトの下端を結合する前記ベルト結合部を有す
    るように構成された衣服型吊り具を更に具備したことを
    特徴とする請求項3又は4に記載の人体吊り上げ装置。
  6. 【請求項6】 前記複数の懸吊ベルトの引き上げ長さ検
    出手段を更に具備した請求項3又は4に記載の人体吊り
    上げ装置。
  7. 【請求項7】 両肩上部に肩吊りベルトと連結させる肩
    吊りベルト連結部を有し、 両腿付近に腿吊りベルトと連結させる腿吊りベルト連結
    部とを有し、 前記肩吊りベルトと前記肩吊りベルト連結部との連結位
    置および前記腿吊りベルトと前記腿吊りベルト連結部と
    の連結位置が身体の前面部分に設けられた上半身下半身
    一体型の着衣で構成され、吊り上げベルトと共働するよ
    うに構成された人体吊り具。
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CN112957204A (zh) * 2021-02-08 2021-06-15 青岛大学附属医院 一种小腿创伤护理装置

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