JPH09309720A - 有機変性層状珪酸塩及び永久帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents

有機変性層状珪酸塩及び永久帯電防止性樹脂組成物

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JPH09309720A
JPH09309720A JP24552496A JP24552496A JPH09309720A JP H09309720 A JPH09309720 A JP H09309720A JP 24552496 A JP24552496 A JP 24552496A JP 24552496 A JP24552496 A JP 24552496A JP H09309720 A JPH09309720 A JP H09309720A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非極性溶媒や非極性熱可塑性樹脂に均一に分
散する有機変性層状珪酸塩を提供する。 【解決手段】 膨潤性層状珪酸塩の層間に、分岐型脂肪
族アルキル基を少なくとも1本有する第四級アンモニウ
ムイオン、具体的には下記一般式(I)で表される第四
級アンモニウムイオンを導入して有機変性層状珪酸塩を
得る。 【化1】 〔式中、R1は側鎖に炭素数1以上のアルキル基を少なく
とも1本有する炭素数8以上の分岐型飽和脂肪族アルキ
ル基を示す。R2、R3、R4は、水素原子もしくは炭素数1
〜2のアルキル基を表し、これらは全てが同一であって
も異なっていてもよい。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な有機変性層
状珪酸塩及びこれを含有する永久帯電防止性樹脂組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】層状珪
酸塩は、粘土を構成する代表的な層状無機化合物であ
り、その構造は、厚さ10Å前後の珪酸塩層(層間空隙
を含む)が数〜数十層平行に積層して形成された1次凝
集体がさらに無秩序に凝集して形成した粒径数百nm〜
数μmの2次凝集体からなるものである。スメクタイ
ト、バーミキュライト、タルク、マイカ等はこのような
構造を有する代表的な層状珪酸塩化合物である。中でも
スメクタイトや合成マイカは程良い層間電荷密度を有す
るため、水膨潤性に優れ、水中では2次凝集を解いて均
一分散し、品種によっては強固な1次凝集さえ解き放ち
単層剥離分散するとされている(「粘土ハンドブック
第2版」日本粘土学会編)。
【0003】これらの層状珪酸塩は、イオン交換能を有
し、種々のカチオン性化合物と接触させてこれを元の金
属イオンの代わりにスメクタイトや合成マイカの層間に
導入した複合体を形成させることができる。スメクタイ
ト系粘土鉱物の有機変性体、特に、ドデシルアンモニウ
ム、オクタデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシ
ルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウ
ム、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウム等によ
る変性体は有機ベントナイトの名で商品化され、塗料用
増粘剤等として古くから用いられてきた。
【0004】これら公知の有機変性層状珪酸塩は、アン
モニウム塩の合成の利便上、炭素数18以下の単長鎖又
は2長鎖(窒素原子上の他の置換基は水素、メチル基、
又はベンジル基)のアルキルアンモニウムによる変性体
で、トルエン、ベンゼン等、一部の芳香族系溶媒には可
溶であるが、アルコール、アセトン等の極性溶媒には親
和性が低く、またヘキサン、ペンタン等の脂肪族系炭化
水素溶媒や流動パラフィンには溶解しないため、十分な
増粘効果を得ることができない。近年、極性溶媒への溶
解性改善を目的として特殊な有機アンモニウムを用いた
有機変性層状珪酸塩化合物が開発され、特開平6−28
7014号公報、特公平7−23210号公報、特公平
7−23212号公報等にその技術が開示されている
が、これらも、脂肪族系溶媒には均一分散しない。因み
に、有機変性層状珪酸塩化合物は特定の有機溶媒中で膨
潤、均一分散する(2次凝集解離)ものであるが、これ
ら媒体中でも1次凝集構造は堅持し剥離分散しないとい
うのが通説となっている。
【0005】また、これらの有機変性層状珪酸塩を樹脂
中へ分散させる試みが種々行われているが、この場合は
溶解度パラメータの分子量依存性のため、有機溶媒に対
して以上に分散が困難で、通常、2次凝集さえ解けな
い。樹脂中での分散が不良の系では、特開昭61−21
3231号公報の比較例3に明示されているように、帯
電防止効果が発揮されない。特に、ポリオレフィン系熱
可塑性樹脂やポリスチレン系熱可塑性樹脂のように、極
性の低い熱可塑性樹脂については、有機変性粘土を均一
に分散させることは一層困難となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、非極性溶媒に使用しうる新しい増粘剤を見出
し、更にはこれを用いた全く新しい機構に基づく、樹脂
の永久帯電防止法を見い出すに至った。すなわち、特定
の第四級アンモニウム塩により適度に有機変性された層
状珪酸塩化合物が、流動パラフィン等の非極性溶媒にも
均一に溶解し、十分な増粘効果を有することができ、更
にはポリオレフィン系熱可塑性樹脂やポリスチレン系熱
可塑性樹脂等の低極性樹脂にも均一に分散することを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、膨潤性層状珪酸塩の層
間に、下記一般式(I)で表される第四級アンモニウム
イオンを含有してなる有機変性層状珪酸塩(以下、有機
変性層状珪酸塩(I)という)を提供するものである。
【0008】
【化4】 〔式中、R1は側鎖に炭素数1以上のアルキル基を少なく
とも1本有する炭素数8以上の分岐型飽和脂肪族アルキ
ル基を示す。R2、R3、R4は、水素原子もしくは炭素数1
〜2のアルキル基を表し、これらは全てが同一であって
も異なっていてもよい。〕 上記一般式(I)で表される第四級アンモニウムイオン
には、R1が炭素数8以上の側鎖アルキル基を有する総炭
素数24以上の分岐型飽和脂肪族アルキル基であり、
R2、R3、R4がそれぞれメチル基である第四級アンモニウ
ムイオンが含まれる。
【0009】また、本発明は、膨潤性層状珪酸塩の層間
に、下記一般式(II)で表される第四級アンモニウムイ
オンを含有してなる有機変性層状珪酸塩(以下、有機変
性層状珪酸塩(II)という)を提供するものである。
【0010】
【化5】 〔式中、R5、R6はそれぞれ、炭素数8以上の飽和脂肪族
アルキル基を表し、R5、R6のうち少なくとも1個は、側
鎖に炭素数1以上のアルキル基を少なくとも1本有する
分岐脂肪族アルキル基を示す。R7、R8は水素原子もしく
は炭素数1〜2のアルキル基を表し、これらは全てが同
一であっても異なっていてもよい。〕 上記一般式(II)で表される第四級アンモニウムイオン
には、R5、R6がそれぞれ、総炭素数12以上の飽和脂肪
族アルキル基であって、R5、R6のうち少なくとも1個
は、側鎖に炭素数1以上のアルキル基を少なくとも1本
有する分岐脂肪族アルキル基であり、R7、R8がそれぞれ
メチル基である第四級アンモニウムイオンが含まれる。
【0011】更に、本発明は、膨潤性層状珪酸塩の層間
に、下記一般式(III) で表される第四級アンモニウムイ
オンを含有してなる有機変性層状珪酸塩(以下、有機変
性層状珪酸塩(III) という)を提供するものである。
【0012】
【化6】 〔式中、R9、R10 、R11 はそれぞれ、炭素数8以上の飽
和脂肪族アルキル基を表し、R9、R10 、R11 のうち少な
くとも1個は、側鎖に炭素数1以上のアルキル基を少な
くとも1本有する分岐脂肪族アルキル基を示す。R12
水素原子もしくは炭素数1〜2のアルキル基を表す。〕 更に本発明は、上記の有機変性層状珪酸塩(I)、(I
I)、(III) を熱可塑性樹脂100重量部に対して2乃
至30重量部添加、これらが、(1)1次凝集体及び/
又は凝集体の短径が500nm以下の2次凝集体の形
で、かつ、(2)平均最近接粒子間距離が500nm以
下、の状態で分散していることを特徴とする永久帯電防
止性樹脂組成物を提供するものである。ここで、「粒
子」とは、樹脂中で独立して存在する連続した有機変性
粘土相の個々の最大単位を指す。2次凝集体を形成する
相にあっては、1次凝集体単位ではなく2次凝集体を指
すものとする。また、粒子間の「距離」とは、図1にお
ける粒子1の重心間距離Lではなく、粒子1の外縁間距
離L1 を指すものとする。
【0013】〔本発明の有機変性層状珪酸塩〕本発明の
特徴は、有機変性層状珪酸塩が、上記一般式(I)、
(II)、(III)で表されるような、側鎖を有する分岐型
脂肪族アルキル基を少なくとも1本有する第四級アンモ
ニウムイオンを含有することである。そして、このよう
な有機変性層状珪酸塩は流動パラフィン等の非極性溶媒
に均一分散し増粘効果を示すと共に、樹脂中に均一分散
させることにより、樹脂の体積固有抵抗を低下させるこ
とができることを見出したものである。これによって、
本有機変性層状珪酸塩は流動パラフィン等を用いた化粧
品用クリーム等の増粘剤として利用することができ、ま
た樹脂中に均一分散させることにより、永久帯電防止樹
脂組成物を提供することが可能となった。
【0014】本発明の有機変性層状珪酸塩は、分岐型脂
肪族アルキル基を有する第四級アンモニウム塩と層状珪
酸塩を反応させることにより容易に得ることができる。
かかる第四級アンモニウム塩は、分岐型のアルコールを
アミン類と反応させ、分岐型アルキル基を有するアミン
を合成し、これを塩化メチル等の四級化剤により四級化
して得ることができるが、この方法に限定されるもので
はない。
【0015】また、有機アンモニウム塩の層状珪酸塩に
対する使用量は、有機変性層状珪酸塩化合物を後述の
(1)、(2)の状態を保って樹脂に分散させることが
できる範囲内において特に限定されないが、一般的に層
状珪酸塩のカチオン交換容量の0.5乃至2.0倍当量
であることが好ましい。
【0016】本発明に用いられる有機変性層状珪酸塩の
体積固有抵抗は、1013Ω・cm以下、好ましくは10
11Ω・cm以下、さらに好ましくは109 Ω・cm以下
である。有機変性層状珪酸塩の体積固有抵抗が低いほ
ど、樹脂に練り込んだ際に樹脂の体積固有抵抗を下げる
ことができ、使用量が少量で済む。また有機変性層状珪
酸塩の体積固有抵抗が1013Ω・cmを超えると、30
重量部使用しても良好な帯電防止性が得られない。
【0017】なお、特開昭58−67338号には有機
カチオン−有機アニオン錯体がスメクタイト型クレーに
インターカレートした構造を有するゲル形成剤が開示さ
れており、その中で錯体の一成分である有機カチオンと
して分岐鎖を有しても良いことが示されている。しかし
ながら、これは本発明のような、ある特定の分岐鎖を有
する第4級アンモニウムカチオンのみを層間に導入した
本発明の有機変性層状珪酸塩とは構造も全く異なり、ま
た分岐鎖を有する実施例も開示されていない。更に、同
公報記載のゲル形成剤が流動パラフィンのような非極性
溶媒中に分散することは一切記載されておらず、また熱
可塑性樹脂に永久帯電防止性を付与できることも全く示
唆されていない。
【0018】〔本発明の樹脂組成物〕本発明の樹脂組成
物は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、上記した本発
明の有機変性層状珪酸塩2〜30重量部を、(1)1次
凝集体及び/又は凝集体の短径が500nm以下の2次
凝集体の形で、かつ、(2)平均最近接粒子間距離が5
00nm以下、となるように分散させてなるものであ
る。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、有機変性層状珪酸
塩が均一に分散しており、また、いわゆる永久帯電防止
性を有する。
【0019】本発明の対象となる熱可塑性樹脂として
は、ポリプロピレン及びポリプロピレンユニット含有樹
脂、ポリエチレン及びポリエチレンユニット含有樹脂、
ポリブタジエン、ポリイソブチレン等の熱可塑性ポリオ
レフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂及びスチレン−ブタ
ジエン共重合樹脂等のスチレンユニット含有熱可塑性樹
脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(AB
S)樹脂等の熱可塑性ニトリル基含有樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリ(メタ)アクリル酸
エステル樹脂等の熱可塑性エステル基含有樹脂、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、シリコー
ン樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド等の熱可塑性樹
脂が挙げられる。さらに、熱可塑性樹脂としては、ポリ
フェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルサル
フォン(PES)等のスーパーエンジニアリングプラス
チック等が挙げられる。
【0020】本発明において、有機変性層状珪酸塩の配
合量は、樹脂100重量部に対し、前記した(1)、
(2)の分散状態のものが、2乃至70重量部である。
但し、最終使用状態の樹脂組成物中では、2乃至20重
量部、好ましくは3乃至15重量部、さらに好ましくは
5乃至10重量部とするのが良い。この配合量の範囲に
おいて、良好な帯電防止効果の発現が得られる。なお、
前記した(1)、(2)記載の状態以外の分散状態にあ
る有機変性層状珪酸塩化合物は如何なる分率で含まれて
いても良いし、また、含まれていなくとも良い。更に炭
酸カルシウム、クレー等のフィラーや、ガラス繊維、カ
ーボン繊維等の補強材、酸化防止剤、UV安定剤、滑
剤、耐候剤、核剤、顔料、染料、防黴剤等の樹脂添加剤
は、本発明で実現する永久帯電防止性を損なわない限り
に於いて如何なる分率で添加併用されていても良いし、
また併用されていなくとも良い。
【0021】永久帯電防止性を呈する本発明の有機変性
層状珪酸塩化合物−樹脂組成物は、有機変性層状珪酸塩
化合物と熱可塑性樹脂の溶融混練、有機変性層状珪酸塩
を均一分散させたモノマー又はプレポリマーの重合/樹
脂化、あるいは、有機変性層状珪酸塩化合物と樹脂との
溶媒中での混合/溶媒留去、の何れの方法によっても得
ることができるが、これらの方法に限定されるものでな
い。
【0022】この帯電防止能は、成型直後から発現し、
吸着水の介在を必要としないため低湿・低温下でも機能
するものである。また、樹脂全体に亙って体積固有抵抗
を下げるため、肉厚製品や比表面積の大きいフィルム状
成型品にも有効で、機能発現のための特殊な成型条件を
必要としないし、フィラーや第三成分添加系での使用、
高濃度マスターバッチの稀釈使用も基本的に問題ない。
また、樹脂の色調を全く損ねず、透明な樹脂にあっては
その透明性を維持できる。さらに、本発明で開示する永
久帯電防止技術で導電担体となる有機変性層状珪酸塩化
合物の下限必要添加量が2〜3vol%と、極めて少な
いことも特筆できる。さらに本発明の方法を適用して得
られる永久帯電防止性樹脂組成物は、その副次的な効果
として、耐候性、耐熱性、寸法安定性、耐蝕性、耐磨耗
性、難燃性、ガスバリア性に優れる。
【0023】未変性の層状珪酸塩は、通常、絶乾状態で
は1013Ω・cm以上の絶縁体であるが、本発明者等
は、適度に有機変性された層状珪酸塩化合物が、108
〜1013Ω・cmの極めて低い体積固有抵抗を有し得る
ことを見い出した。さらに本発明者等は、従来、せいぜ
い100V程度の印加電圧下で隔絶された二体の物質
(粒子/分子/イオン)間に実質的に電流が流れる(電
荷移動が起こる)際の物質間距離は100Å程度以下と
されていたのに対し、同様の印加電圧下、10-9〜10
-11 A程度の極微電流が流れれば事足りる樹脂の帯電防
止の世界では、実に500nmもの遠距離隔絶した二体
間にも、充分な電流が流れ得ることを見い出したもので
ある。即ち、体積固有抵抗1013Ω・cm以下の物質
が、平均最近接粒子間距離500nm程度以下を保って
マトリックスを充填していれば、極めて少ない添加量で
有効に、系全体の体積抵抗率を低減でき、互いに接触又
は100Å以下の距離に近接して存在する必要はない。
この時必要とされる低体積固有抵抗の物質の最小必要体
積分率(パーコレーション閾値)は、該低体積固有抵抗
の物質の形状(異方性)、サイズ、分散度等の諸条件に
よって変わり得ることが知られているが、本発明者等は
有機変性層状珪酸塩化合物のように極めて形状異方性に
富み微細な粒子〔1次凝集体では、(数十nm〜数μ
m)×(数十nm〜数μm)×(数〜十数nm)〕を用
いると、それが2〜3vol%程度にまで低減できるこ
とを見い出した。これは、これまでに知られているパー
コレーション閾値としては最も少ないものである。
【0024】ところが、上記概念を実現するような、樹
脂組成物系はこれまで基本的に知られていなかった。即
ち、樹脂に懸かるスケールで均一分散可能な無機化合物
は全く知られておらず(ガラスファイバー、炭素繊維、
カーボンブラック、マイカ、金属粒子等は、それら自身
が上記スケールよりはるかに巨大なものであり、他方、
炭酸カルシウム、酸化アルミニウム等の化合物の構成単
位は微細だが、凝集粒が崩壊して上記スケールで分散し
た例はない)、また、有機化合物では、相溶性の低い化
合物は極性の違いから樹脂中で凝集してしまい分散しな
いか、或いはブリード過多となってしまう。さらに、高
分子量化合物は一般に樹脂に相溶しにくく、数μm以上
の巨大な相分離構造を呈する。このように添加物が分散
し難い傾向は、極性の低いポリスチレン、ポリオレフィ
ン系樹脂等の炭化水素系樹脂、とりわけ、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン等の脂肪族炭化水素系樹脂では顕著と
なる。もちろん、如何に分散性不良の系であっても、低
体積固有抵抗を有する分散体(粒子)が互いに接触し得
るほど多量(40〜70vol%程度以上)に添加/使
用すれば、樹脂組成物系全体の体積固有抵抗が低下する
ことは自明であるが、懸かる系に実用上の意義はない。
【0025】これに対して、本発明では、分岐アルキル
基を少なくとも1本有する特定の第四級アンモニウムイ
オンを含有する有機変性層状珪酸塩化合物を用いること
により、ポリオレフィンやポリスチレン等の非極性の熱
可塑性樹脂に対しても、(1)1次凝集体及び/又は凝
集体の短径が500nm以下の2次凝集体の形で、か
つ、(2)平均最近接粒子間距離が500nm以下の状
態となるように均一に分散させることができることを見
出したものである。
【0026】
【発明の実施の形態】有機アンモニウム塩により変性さ
れた有機変性層状珪酸塩化合物の好ましい面間隔は23
乃至50Å、より好ましくは25乃至40Å、特に好ま
しくは25〜35Åである。ここで、「面間隔」とは、
結晶学的には、X線回折で反射を与えるような層状の繰
り返し単位距離を示すもので、層状珪酸塩のように実質
的に厚みを持つものでは、1層分の厚さをも含む。つま
り、本発明における面間隔は、図2における層状の繰り
返し単位2の距離L2 をいう。
【0027】本発明に用いられる有機変性層状珪酸塩の
粒径は、50nm〜8μm、好ましくは100nm〜5
μm、さらに好ましくは、200nm〜5μmである。
粒径が50nm以上が形状異方性の利点という観点か
ら、また粒径8μm以下が樹脂の透明性などの外観や樹
脂の衝撃強度などの物性の観点から好ましい。
【0028】また、本発明に用いられる有機変性層状珪
酸塩のカチオン交換容量は、50meq/100g以
上、好ましくは70〜120meq/100gである。
カチオン交換容量が少なすぎると有機変性剤の置換量が
低下し、樹脂への親和性が低下する(総炭素数の多い有
機変性剤を用いれば多少はカバーできる)。
【0029】本発明の有機変性層状珪酸塩は、各種溶媒
に良好に溶解する。特に、従来極めて困難であった流動
パラフィンのような非極性溶媒に対しても透明に溶解す
るため、工業用途が広がる。
【0030】また、本発明の樹脂組成物においては、上
記の如き、分岐アルキル基を少なくとも1本有する特定
の第四級アンモニウムイオンを含有する有機変性層状珪
酸塩化合物を、前記した(1)及び(2)の状態となる
ように、熱可塑性樹脂中に分散させるものである。この
条件を満たす限り、有機変性層状珪酸塩(I)と有機変
性層状珪酸塩(II)と有機変性層状珪酸塩(III) とを任
意の割合で混合して用いてもよい。
【0031】熱可塑性樹脂中における1次凝集体の積層
枚数は、平均で数〜十数枚が好ましい。1次凝集体の積
層枚数が少ないと体積固有抵抗が増大する。多すぎると
(同一使用量でも)粒子総数が減少し効率が悪い。ま
た、2次凝集体の短径は500nm以下、好ましくは2
00nm以下、さらに好ましくは100nm以下であ
る。2次凝集体の短径が500nm以下のものを用いる
ことにより、良好な透明度や衝撃強度が得られ、また粒
子数を増やせるため、同一添加量でも帯電防止効果が向
上する。さらに、1次凝集体と短径500nm以下の2
次凝集体の比率は、1次凝集体の比率が高いほど好まし
く、2次凝集体が多いと粒子数が減るため、同一添加量
でも帯電防止効果が低下する。
【0032】なお、有機変性層状珪酸塩化合物の樹脂中
の分散性の定量について、一般に、分散状態の記述は極
めて困難で、未だ満足される表記法は見い出だされてい
ないのが現状である。球状粒子の分散に関しては、便宜
的に単位体積中に含まれる平均粒子数を平均粒径と共に
記したりするが、本発明で目的とする、新しい導電機構
に基づく帯電防止性の発現をもたらす有機変性層状珪酸
塩化合物の樹脂中での分散形態を記述するには十分では
ない。また、本発明に用いられる有機変性層状珪酸塩化
合物は、一般に数百nm×数百nm×1nmという極め
て微細な構成単位から成るため、その分散状態の判別に
は高解像度の透過型電子顕微鏡像が不可欠であることも
事態の解決を困難なものにしている。しかしながら、極
めて多数の帯電防止能を有する有機変性層状珪酸塩化合
物−樹脂組成物と帯電防止性を呈しない有機変性層状珪
酸塩化合物−樹脂組成物の透過型電子顕微鏡像を詳細に
比較検討した結果、本発明者等は、特殊な例外系を除
き、体積固有抵抗1013Ω・cm以下の有機変性層状珪
酸塩化合物が、その2次凝集を解き、1次凝集体及び/
又は最短径が大きくとも500nm以下の2次凝集体の
形で分散し、隣接する粒子との距離を概ね500nm以
下に保ってマトリックスを埋め尽くしているときには樹
脂組成物全体の体積固有抵抗が低下し、帯電防止性が発
現することを見い出だしたものである。有機変性層状珪
酸塩化合物が少量の添加量であっても、最近接粒子間距
離500nm程度以下を保って均一に分散していれば、
導電経路が確保され、樹脂の帯電防止といった目的には
充分なレベルで電荷の移動が起こるようである。この
時、低体積固有抵抗の導電担体たる有機変性層状珪酸塩
化合物が、樹脂組成物中に占める体積分率が、如何に分
散性が不良であっても70〜80vol%以上、また、
通常の分散度であれば20〜30vol%(約30wt
%〜40wt%に相当)以上もあれば、樹脂組成物全体
の体積固有抵抗が低下し得ることは自明であるが、本発
明は、前述の(1)及び(2)の分散性が実現していれ
ば、2乃至15vol%(約3.3wt%〜23wt%
相当)の添加量でも樹脂組成物全体の体積固有抵抗を低
下せしむることが可能であることを示したものである。
効率的に樹脂に永久帯電防止性を付与するには、短径5
00nm以上の巨大な2次凝集粒はない方が好ましい
が、樹脂100重量部に対し2乃至30重量部の有機変
性層状珪酸塩化合物が上記分散状態を実現していれば、
それ以外に未解離の巨大な2次凝集粒や、その他のフィ
ラー等が含まれていても一向に構わない。懸かる系では
実質的な樹脂マトリックス中での有機変性層状珪酸塩の
体積分率が上記範囲内にあれば良く、機能発現に必要と
される有機変性層状珪酸塩の下限量は、見かけ上さらに
少なくて済む。
【0033】
【実施例】以下、実施例にて本発明を説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0034】実施例1 (イ)第四級アンモニウム塩の合成 分岐型脂肪族アルキル基を有する第四級アンモニウム塩
の合成は、以下の方法で行った。2リットルのフラスコ
に、「ファインオキソコール180N」〔日産化学株式
会社製、主成分:2−(3−メチルヘキシル)−7−メ
チル−1−デカノール〕1200gと銅−ニッケル触媒
6g(対アルコール0.5重量%)を仕込み、攪拌しな
がら系内を窒素で置換し、昇温を開始した。100℃に
達したら、水素ガスを流量計を用いて20リットル/H
rの流速で系内に仕込み、反応開始温度180℃まで昇
温した。この温度でメチルアミンガスを排ガス中のメチ
ルアミンが約5容量%になるように導入し反応を開始し
た。反応は常圧下で、効率よく系外に水を除去しながら
約5時間行った。反応終了後、メチルアミンガスの導入
を止め、水素のみを約1時間導入した。その後、窒素雰
囲気下で100℃まで冷却し、触媒を濾過にて取り除い
た。濾液を真空度5Torrで留去することにより、生
成物を得た。得られた生成物をガスクロマトグラフィー
により分析したところ、分岐型脂肪族アルキル基を2本
有する第三級アミンが99.7%の組成比で生成してい
ることを確認した。
【0035】次に、得られた分岐型脂肪族アルキル基を
2本有する第三級アミン300g、イソプロピルアルコ
ール145g、及び塩化メチル35.4gを1リットル
のオートクレーブに仕込み、90℃に昇温後、48%N
aOH水溶液16.1gを連続的に約2時間で圧入し、
熟成を約6時間行った。その後、副生したNaClを濾
過にて除去し生成物を得た。この生成物を分析したとこ
ろ、有効分(カチオン%)68%の分岐型脂肪族アルキ
ル基を2本有する第四級アンモニウム塩(表1、化合物
Aの有機変性剤主成分記載)が生成していることを確認
した。
【0036】(ロ)有機変性層状珪酸塩化合物(化合物
A)の調製 有機変性剤としてこの分岐型脂肪族アルキル基を2本有
する第四級アンモニウム塩を用いて、以下の方法で有機
変性された層状珪酸塩化合物を合成した。1リットルの
イオン交換水に10gのモンモリロナイト(クニピア
F、クニミネ工業株式会社製)を分散した水溶液へ、上
記有効分68%の分岐型脂肪族アルキル基を2本有する
第四級アンモニウム塩10.8gを溶解した水溶液30
0gを攪拌しながら添加し、60℃で2時間反応させ
た。得られた沈殿物をエタノール、イオン交換水で充分
洗浄した後、吸引濾過し凍結乾燥もしくは噴霧乾燥する
ことにより、有機変性された層状珪酸塩化合物(表1、
化合物A)を得た。この有機変性された層状珪酸塩化合
物の平均面間隔をX線回折装置(理学電機株式会社製R
U−200、CuKα−40kV)を用いて測定したと
ころ、27.3Åであった。この化合物Aを流動パラフ
ィンに添加し、高速分散機(ホモミキサーMARKII
2.5;5000rpm;特殊機化工業株式会社製)を
用いて混合したところ、流動パラフィンに対して2重量
%まで透明(目視にて)に分散させることができた。こ
の分散液の見かけ粘度を、回転粘度計〔東京計器(株)
製B型粘度計〕を用い、20℃にて6回転/分、及び6
0回転/分の条件で測定した。その結果、十分な増粘効
果を示すとともに、チキソトロピー性を有していた(表
3)。
【0037】実施例2 アルコール種として「ドバノール2345」(三菱化学
株式会社製、平均分子量206)を用いる他は全て実施
例1と同様の方法で99.5%の組成比で分岐型脂肪族
アルキル基を2本有する第三級アミンを合成した。次
に、塩化メチル46.5g、48%NaOH水溶液1
7.7gを用いる他は全て実施例1と同様の方法で、有
効分(カチオン%)67%の分岐型脂肪族アルキル基を
2本有する第四級アンモニウム塩(表1、化合物Bの有
機変性剤主成分記載)を合成した。有機変性剤としてこ
の分岐型脂肪族アルキル基を2本有する第四級アンモニ
ウム塩8.5gを用いる他は実施例1と同様の方法にて
有機変性された層状珪酸塩化合物(表1、化合物B)を
合成した。この有機変性された層状珪酸塩化合物の平均
面間隔は25.6Åであった。この化合物Bを流動パラ
フィンに添加し、実施例1と同様に高速分散機を用いて
混合したところ、流動パラフィンに対して2重量%まで
透明(目視にて)に分散させることができた。また、実
施例1と同様にこの分散液の見かけ粘度を測定したとこ
ろ、十分な増粘効果を示すとともに、チキソトロピー性
を有していた(表3)。
【0038】実施例3 アルコール種として「カルコール280G」(花王株式
会社製、平均分子量411)を用い、メチルアミンガス
の代わりにジメチルアミンガスを用いる他は全て実施例
1と同様の方法で99.5%の組成比で分岐型脂肪族ア
ルキル基を1本有する第三級アミンを合成した。次に、
塩化メチル43.2g、48%NaOH水溶液19.8
gを用いる他は全て実施例1と同様の方法で、有効分
(カチオン%)69%の分岐型脂肪族アルキル基を1本
有する第四級アンモニウム塩(表1、化合物Cの有機変
性剤主成分記載)を合成した。有機変性剤としてこの分
岐型脂肪族アルキル基を1本有する第四級アンモニウム
塩8.8gを用いる他は実施例1と同様の方法にて有機
変性された層状珪酸塩化合物(表1、化合物C)を合成
した。この有機変性された層状珪酸塩化合物の平均面間
隔は28.9Åであった。この化合物Cを流動パラフィ
ンに添加し、実施例1と同様に高速分散機を用いて混合
したところ、流動パラフィンに対して2重量%まで透明
(目視にて)に分散させることができた。また、実施例
1と同様にこの分散液の見かけ粘度を測定したところ、
十分な増粘効果を示すとともに、チキソトロピー性を有
していた(表3)。
【0039】実施例4 層状珪酸塩として膨潤性合成雲母(ME−100、コー
プケミカル株式会社製)を用い、有機変性剤として実施
例3記載の分岐型脂肪族アルキル基を1本有する第四級
アンモニウム塩(有効分69%)を用いる他は実施例3
と全く同様にして有機変性された層状珪酸塩化合物(表
1、化合物D)を合成した。この有機変性された層状珪
酸塩化合物の平均面間隔は28.5Åであった。この化
合物Dを流動パラフィンに添加し、実施例1と同様に高
速分散機を用いて混合したところ、流動パラフィンに対
して1重量%まで透明(目視にて)に分散させることが
できた。また、実施例1と同様にこの分散液の見かけ粘
度を測定したところ、十分な増粘効果を示すとともに、
チキソトロピー性を有していた(表3)。
【0040】実施例5 (イ)第四級アンモニウム塩の合成 分岐型脂肪族アルキル基を有する第四級アンモニウム塩
の合成は、以下の方法で行った。2リットルのフラスコ
に、「ファインオキソコール180N」600gと銅−
ニッケル触媒12.0g(対アルコール2.0重量%)
を仕込み、攪拌しながら系内を窒素で置換し、昇温を開
始した。100℃に達したら、水素ガスを流量計を用い
て40リットル/Hrの流速で系内に仕込み、反応開始
温度230℃まで昇温した。この温度で1−ドデシルア
ミン(ファーミン20D、花王株式会社製)413gを
反応系中に一括添加し、約5時間の反応を行った。反応
終了後、触媒を濾過にて分離除去し、更に蒸留精製する
ことにより、生成物を得た。得られた生成物をガスクロ
マトグラフィーにより分析したところ、分岐型脂肪族ア
ルキル基を有する第二級アミンが99.7%の組成比で
生成していることを確認した。
【0041】次に、得られた分岐型脂肪族アルキル基を
有する第二級アミン300g、イソプロピルアルコール
145g、及び塩化メチル90.0gを1リットルのオ
ートクレーブに仕込み、90℃に昇温後、48%NaO
H水溶液66.0gを連続的に約2時間で圧入し、熟成
を約6時間行った。その後、副生したNaClを濾過に
て除去し生成物を得た。この生成物を分析したところ、
有効分(カチオン%)68%の分岐型脂肪族アルキル基
を有する第四級アンモニウム塩(表1、化合物Eの有機
変性剤主成分記載)が生成していることを確認した。
【0042】(ロ)有機変性層状珪酸塩化合物(化合物
E)の調製 有機変性剤としてこの分岐型脂肪族アルキル基を有する
第四級アンモニウム塩を用いて、以下の方法で有機変性
された層状珪酸塩化合物を合成した。1リットルのイオ
ン交換水に10gのヘクトライト(SWN、コープケミ
カル株式会社製)を分散した水溶液へ、上記有効分68
%の分岐型脂肪族アルキル基を有する第四級アンモニウ
ム塩8.6gを溶解した水溶液300gを攪拌しながら
添加し、60℃で2時間反応させた。得られた沈殿物を
エタノール、イオン交換水で充分洗浄した後、吸引濾過
し凍結乾燥することにより、有機変性された層状珪酸塩
化合物(表1、化合物E)を得た。この有機変性された
層状珪酸塩化合物の平均面間隔を実施例1と同様に測定
したところ、25.1Åであった。この化合物Eを流動
パラフィンに添加し、実施例1と同様に高速分散機を用
いて混合したところ、流動パラフィンに対して2重量%
まで透明(目視にて)に分散させることができた。ま
た、実施例1と同様にこの分散液の見かけ粘度を測定し
たところ、十分な増粘効果を示すとともに、チキソトロ
ピー性を有していた(表3)。
【0043】実施例6 化合物Aの体積固有抵抗を測定した。体積固有抵抗は、
五酸化リンを配した真空デシケータ中で充分に乾燥した
化合物Aをφ=20mm、厚さ1mmの圧縮ペレットと
し、乾燥グローブボックス中で測定した。測定には、ア
ドバンテスト社製デジタル超高抵抗/微少電流計R83
40Aと、ダイヤ・インストルメンツ社製HRSプロー
ブに自作のシールド外套を取り付けたものを使用した。
その結果、化合物Aの体積固有抵抗は6.7×1010Ω
・cmであった(表1)。
【0044】次に、株式会社グランドポリマー製ポリプ
ロピレン(PP)樹脂「F658H」100重量部に、
化合物A 5重量部を、池貝鉄工株式会社製二軸押出し
機「PCM45−33.5」を用いて溶融混練した(1
90℃、100rpm)。ここから溶融プレスにより1
00×100×1mmの試験片10枚を作成し、各種測
定に供した。得られた、化合物A−ポリプロピレン樹脂
組成物は、樹脂単独時の透明性を維持しており、肉眼で
は、有機変性層状珪酸塩粒子は全く確認できぬ程、透明
分散していた。この試験片のTEM写真を図3に示す。
TEM写真上、化合物Aの大部分は短径50〜200n
mの2次凝集体粒子として存在しており、無作為に抽出
した500nm四方の区画200個中に2個以上の有機
変性層状珪酸塩粒子が存在する確率は87%であり、分
散性(有機変性層状珪酸塩粒子の分散性の評価方法につ
いては後述する。)は良好であった。
【0045】次に、試料片の帯電圧半減期をオネストメ
ーターES−5109(Shishido Electrostat.,LTD.
製)にて測定したところ、0.6秒であり、帯電防止性
を示した。また、試験片表面を水洗/エタノール洗浄
後、乾燥して再測定した帯電圧半減期は、0.5秒であ
り、本樹脂組成物は永久帯電防止性を有することが確認
された(表4)。また、洗浄前後の試験片の体積固有抵
抗及び表面固有抵抗を上記の方法で測定した結果を表4
に示す。
【0046】尚、有機変性層状珪酸塩粒子の分散性の評
価は次のように行う。 《有機変性層状珪酸塩化合物の樹脂中での分散性の評
価》明らかに均質な有機変性層状珪酸塩化合物−樹脂組
成物については、該樹脂組成物の異なる3つ以上の部位
から得た倍率1万倍ないし10万倍の複数の透過型電子
顕微鏡像(TEM写真;厚さ100nmの切片から得た
像)から、1次凝集体または最短径が500nm以下の
2次凝集体粒子のみをピック・アップし、それらの有機
変性層状珪酸塩粒子相がTEM画面上で占める面積の総
和と、樹脂マトリックス相がTEM画面上で占める総面
積、及び両相の密度(g/cm3 )とから、前述の分散
度の規定(1)を満足する有機変性層状珪酸塩粒子が樹
脂 100重量部に対して2乃至30重量部の範疇にあるか否
かを判じた〔評価(A)〕。他方、同じく倍率1万倍な
いし10万倍の複数のTEM写真から、500nm四方
の区画を無作為に200個抽出し、その中に有機変性層
状珪酸塩化合物の異なる粒子(独立した1次凝集体にあ
ってはその1次凝集粒を指し、連続した相をなす2次凝
集体にあってはその2次凝集体を1つの粒子とみなすも
のとする)及び/またはその断片が2個以上見い出され
る確率を求め、この確率が50%以上である系は前記し
た分散度の規定(2)を満足するものとみなした〔評価
(B);実際は、本評価は分散度規定(1)や有機変性
層状珪酸塩化合物の量に関わる情報をも含むことにな
り、分散度規定(2)より厳しくなることが多い〕。均
質な有機変性層状珪酸塩化合物−樹脂組成物系に関して
は、これら(A)、(B)両評価を何れも満たせば、事
実上、有機変性層状珪酸塩化合物の2ないし30重量部
が、(1)及び(2)の分散度規定を何れも満足すると
し、分散性は良好であると判断した。
【0047】実施例7 住友化学工業株式会社製ポリエチレン(PE)樹脂「ス
ミカセンF208−1」100重量部に、化合物A 3
0重量部を実施例6と同様の方法で溶融混練した。得ら
れた化合物A−ポリエチレン樹脂組成物は、樹脂単独時
の透明性を維持しており、肉眼では有機変性層状珪酸塩
粒子が全く確認できぬ程、透明分散していた。実施例6
と同様の方法で化合物Aの樹脂中での分散性を評価した
ところ、良好であることを確認した。また、帯電圧半減
期を測定したところ、0.2秒以下であった(表4)。
また、洗浄前後の試験片の体積固有抵抗及び表面固有抵
抗を実施例6と同様の方法で測定した結果を表4に示
す。
【0048】実施例8 旭化成工業株式会社製ポリスチレン(PSt)樹脂「G
P666」100重量部に、化合物A 5重量部を実施
例6と同様の方法で溶融混練した(200℃、100r
pm)。得られた化合物A−ポリスチレン樹脂組成物
は、樹脂単独時の透明性を維持しており、肉眼では有機
変性層状珪酸塩粒子が全く確認できぬ程、透明分散して
いた。実施例6と同様の方法で化合物Aの樹脂中での分
散性を評価したところ、良好であることを確認した。ま
た、帯電圧半減期を測定したところ、2.1秒であった
(表4)。また、洗浄前後の試験片の体積固有抵抗及び
表面固有抵抗を実施例6と同様の方法で測定した結果を
表4に示す。
【0049】実施例9 東レ株式会社製アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体(ABS樹脂)「トヨラック#100」10
0重量部に、化合物A 5重量部を実施例6と同様の方
法で溶融混練した(220℃、100rpm)。得られ
た化合物A−ABS樹脂組成物は、肉眼では有機変性層
状珪酸塩粒子が全く確認できぬ程、分散していた。実施
例6と同様の方法で化合物Aの樹脂中での分散性を評価
したところ、良好であることを確認した。また、帯電圧
半減期を測定したところ、1.6秒であった(表4)。
また、洗浄前後の試験片の体積固有抵抗及び表面固有抵
抗を実施例6と同様の方法で測定した結果を表4に示
す。
【0050】実施例10 実施例6と同様の方法で、化合物Bの体積固有抵抗を測
定したところ、9.0×1011Ω・cmであった(表
1)。次いで、化合物Aの代わりに化合物Bを用いる以
外は実施例6と全く同様の方法で化合物B−ポリプロピ
レン樹脂組成物を得た。得られた化合物B−ポリプロピ
レン樹脂組成物は、樹脂単独時の透明性を維持してお
り、肉眼では有機変性層状珪酸塩粒子が全く確認できぬ
程、透明分散していた。実施例6と同様の方法で化合物
Bの樹脂中での分散性を評価したところ、良好であるこ
とを確認した。また、帯電圧半減期を測定したところ、
0.5秒であった(表4)。また、洗浄前後の試験片の
体積固有抵抗及び表面固有抵抗を実施例6と同様の方法
で測定した結果を表4に示す。
【0051】実施例11 実施例6と同様の方法で、化合物Cの体積固有抵抗を測
定したところ、8.4×1010Ω・cmであった(表
1)。次いで、化合物Aの代わりに化合物Cを用いる以
外は実施例6と全く同様の方法で化合物C−ポリプロピ
レン樹脂組成物を得た。得られた化合物C−ポリプロピ
レン樹脂組成物は、樹脂単独時の透明性を維持してお
り、肉眼では有機変性層状珪酸塩粒子が全く確認できぬ
程、透明分散していた。実施例6と同様の方法で化合物
Cの樹脂中での分散性を評価したところ、良好であるこ
とを確認した。また、帯電圧半減期を測定したところ、
0.5秒であった(表4)。また、洗浄前後の試験片の
体積固有抵抗及び表面固有抵抗を実施例6と同様の方法
で測定した結果を表4に示す。
【0052】実施例12 実施例6と同様の方法で、化合物Dの体積固有抵抗を測
定したところ、7.5×1010Ω・cmであった(表
1)。次いで、化合物Aの代わりに化合物Dを用いる以
外は実施例6と全く同様の方法で化合物D−ポリプロピ
レン樹脂組成物を得た。得られた化合物D−ポリプロピ
レン樹脂組成物は、樹脂単独時の透明性を維持してお
り、肉眼では有機変性層状珪酸塩粒子が全く確認できぬ
程、透明分散していた。実施例6と同様の方法で化合物
Dの樹脂中での分散性を評価したところ、良好であるこ
とを確認した。また、帯電圧半減期を測定したところ、
1.3秒であった(表4)。また、洗浄前後の試験片の
体積固有抵抗及び表面固有抵抗を実施例6と同様の方法
で測定した結果を表4に示す。
【0053】実施例13 実施例6と同様の方法で、化合物Eの体積固有抵抗を測
定したところ、5.7×1010Ω・cmであった(表
1)。次いで、化合物Aの代わりに化合物Eを5重量部
用いる以外は実施例6と全く同様の方法で化合物E−ポ
リプロピレン樹脂組成物を得た。得られた化合物E−ポ
リプロピレン樹脂組成物は、樹脂単独時の透明性を維持
しており、肉眼では有機変性層状珪酸塩粒子が全く確認
できぬ程、透明分散していた。実施例6と同様の方法で
化合物Eの樹脂中での分散性を評価したところ、良好で
あることを確認した。また、帯電圧半減期を測定したと
ころ、2.2秒であった(表4)。
【0054】実施例14 (イ)第四級アンモニウム塩の合成 2リットルのフラスコに、「ドバノール2345」(三
菱化学株式会社製、平均分子量206)200gと銅−
ニッケル触媒4.0g(対アルコール2重量%)を仕込
み、攪拌しながら系内を窒素で置換し、昇温を開始し
た。100℃に達したら、水素ガスを流量計を用いて4
0リットル/Hrの流速で系内に仕込み、反応開始温度
250℃まで昇温した。この温度でジステアリルアミン
(「ファーミンD86」花王株式会社製)1011gを
反応系中に一括添加し、約7時間反応を行った。反応終
了後、触媒を濾過にて分離除去し、更に精製することに
より生成物を得た。得られた生成物をガスクロマトグラ
フィーにより分析したところ、分岐型脂肪族アルキル基
を有する第三級アミンが95.4%の組成比で生成して
いることを確認した。
【0055】次に、得られた分岐型脂肪族アルキル基を
有する第三級アミン350g、イソプロピルアルコール
170g、及び塩化メチル125gを1リットルのオー
トクレーブに仕込み、90℃に昇温後、48%NaOH
水溶液82.5gを連続的に約2時間で圧入し、熟成を
約6時間行った。その後、副生したNaClを濾過にて
除去し生成物を得た。この生成物を分析したところ、有
効分(カチオン%)68%の分岐型脂肪族アルキル基を
有する第四級アンモニウム塩(表2、化合物Iの有機変
性剤主成分記載)が生成していることを確認した。
【0056】(ロ)有機変性層状珪酸塩化合物(化合物
I)の調製 有機変性剤としてこの分岐型脂肪族アルキル基を有する
第四級アンモニウム塩を14.1gを用いる他は実施例
1と同様の方法にて有機変性された層状珪酸塩化合物
(表2、化合物I)を合成した。この有機変性された層
状珪酸塩化合物の平均面間隔は26.5Åであった。こ
の化合物Iを流動パラフィンに添加し、実施例1と同様
に高速分散機を用いて混合したところ、流動パラフィン
に対して2重量%まで透明(目視にて)に分散させるこ
とができた。また、実施例1と同様にこの分散液の見か
け粘度を測定したところ、十分な増粘効果を示すととも
に、チキソトロピー性を有していた(表3)。
【0057】また、実施例6と同様の方法で、化合物I
の体積固有抵抗を測定したところ、7.6×1010Ω・
cmであった(表2)。次いで、化合物Aの代わりに化
合物Iを用いる以外は実施例6と全く同様の方法で化合
物I−ポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた化合
物I−ポリプロピレン樹脂組成物は、樹脂単独時の透明
性を維持しており、肉眼では有機変性層状珪酸塩粒子が
全く確認できぬ程、透明分散していた。実施例6と同様
の方法で化合物Iの樹脂中での分散性を評価したとこ
ろ、良好であることを確認した。また、帯電圧半減期を
測定したところ、2.9秒であった(表4)。また、洗
浄前後の試験片の体積固有抵抗及び表面固有抵抗を実施
例6と同様の方法で測定した結果を表4に示す。
【0058】実施例15 メチルアミンガスの代わりにジメチルアミンガスを用い
る他は全て実施例1と同様の方法で99.3%の組成比
で分岐型脂肪族アルキル基を1本有する第三級アミンを
合成した。次に、塩化メチル40.6g、48%NaO
H水溶液18.6gを用いる他は全て実施例1と同様の
方法で、有効分(カチオン%)71%の分岐型脂肪族ア
ルキル基を1本有する第四級アンモニウム塩(表2、化
合物Jの有機変性剤主成分記載)を合成した。有機変性
剤としてこの分岐型脂肪族アルキル基を1本有する第四
級アンモニウム塩6.8gを用いる他は実施例1と同様
の方法にて有機変性された層状珪酸塩化合物(表2、化
合物J)を合成した。この有機変性された層状珪酸塩化
合物の平均面間隔は24.5Åであった。この化合物J
を流動パラフィンに添加し、実施例1と同様に高速分散
機を用いて混合したところ、流動パラフィンに対して2
重量%まで透明(目視にて)に分散させることができ
た。また、実施例1と同様にこの分散液の見かけ粘度を
測定したところ、十分な増粘効果を示すとともに、チキ
ソトロピー性を有していた(表3)。
【0059】また、実施例6と同様の方法で、化合物J
の体積固有抵抗を測定したところ、8.8×1010Ω・
cmであった(表2)。次いで、化合物Aの代わりに化
合物Jを用いる以外は実施例6と全く同様の方法で化合
物J−ポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた化合
物J−ポリプロピレン樹脂組成物は、樹脂単独時の透明
性を維持しており、肉眼では有機変性層状珪酸塩粒子が
全く確認できぬ程、透明分散していた。実施例6と同様
の方法で化合物Jの樹脂中での分散性を評価したとこ
ろ、良好であることを確認した。また、帯電圧半減期を
測定したところ、4.2秒であった(表4)。また、洗
浄前後の試験片の体積固有抵抗及び表面固有抵抗を実施
例6と同様の方法で測定した結果を表4に示す。
【0060】比較例1 有機変性剤としてn−オクタデシルトリメチルアンモニ
ウムクロライド(コータミン86P、有効分85%、花
王株式会社製)5.1gを用いる他は全て実施例1と同
様の方法で、有機変性された層状珪酸塩化合物(表2、
化合物F)を合成した。この有機変性された層状珪酸塩
化合物Fの平均面間隔は21.3Åであった。この化合
物Fを流動パラフィンに添加し、実施例1と同様に高速
分散機を用いて混合したところ、目視にて膨潤している
兆候は見られるものの分散せず、攪拌を停止後、直ちに
化合物Fは沈降した。また、この化合物Fの1%混合液
は十分な増粘効果を得ることができなかった(表3)。
【0061】比較例2 有機変性剤としてジ−n−オクタデシルジメチルアンモ
ニウムクロライド(コータミンD86P、有効分85
%、花王株式会社製)7.4gを用いる他は全て実施例
1と同様の方法で、有機変性された層状珪酸塩化合物
(表2、化合物G)を合成した。この有機変性された層
状珪酸塩化合物Gの平均面間隔は28.1Åであった。
この化合物Gを流動パラフィンに添加し、実施例1と同
様に高速分散機を用いて混合したところ、目視にて膨潤
している兆候は見られるものの分散せず、攪拌を停止
後、直ちに化合物Gは沈降した。また、この化合物Gの
1%混合液は十分な増粘効果を得ることができず、チキ
ソトロピー性を全く示さなかった(表3)。
【0062】比較例3 2リットルのフラスコに、n−ステアリルアルコール
(カルコール8098、花王株式会社製)1200gと
銅−ニッケル触媒6g(対アルコール0.5重量%)を
仕込み、攪拌しながら系内を窒素で置換し、昇温を開始
した。100℃に達したら、水素ガスを流量計を用いて
20リットル/Hrの流速で系内に仕込み、反応開始温
度180℃まで昇温した。この温度でメチルアミンガス
を排ガス中のメチルアミンが約5容量%になるように導
入し、反応を開始した。反応は常圧下で、またアルコー
ル転化率が95%のところでメチルアミンガスの導入を
止め、水素のみを約1時間導入した。その後、窒素雰囲
気下で100℃まで冷却し、触媒を濾過にて取り除い
た。濾液を真空度5Torrで蒸留生成することによ
り、99.7%の組成比でジ−n−オクタデシルメチル
アミンが生成していることを確認した。
【0063】次に、得られたジ−n−オクタデシルメチ
ルアミン300g、イオン交換水480gを2リットル
の四つ口フラスコに入れ、55℃に昇温後、ベンジルク
ロライド73.1gを滴下し、6時間熟成した。その
後、48%NaOH水溶液1.6gを添加した後、副生
したNaClを濾過にて除去し生成物を得た。この生成
物を分析したところ、有効分(カチオン%)42%の直
鎖アルキル基を2本有し、かつベンジル基を有する第四
級アンモニウム塩(表2、化合物Hの有機変性剤主成分
記載)が生成していることを確認した。
【0064】有機変性剤としてこの直鎖アルキル基を2
本有し、かつベンジル基を有する第四級アンモニウム塩
18.2gを用い、且つ層状珪酸塩としてヘクトライト
(SWN、コープケミカル株式会社製)を用いる他は全
て実施例1と同様にして有機変性された層状珪酸塩化合
物(表2、化合物H)を合成した。この有機変性された
層状珪酸塩化合物Hの平均面間隔は24.9Åであっ
た。この化合物Hを流動パラフィンに添加し、実施例1
と同様に高速分散機を用いて混合したところ、目視にて
膨潤している兆候は見られるものの分散せず、攪拌を停
止後、直ちに化合物Hは沈降した。また、この化合物H
の1%混合液は十分な増粘効果を得ることができず、チ
キソトロピー性を全く示さなかった(表3)。
【0065】比較例4 実施例6と同様の方法で、化合物Fの体積固有抵抗を測
定したところ、8.9×1011Ω・cmであった(表
2)。次いで、化合物Aの代わりに化合物Fを用いる以
外は実施例6と全く同様の方法で化合物F−ポリプロピ
レン樹脂組成物を得た。得られた化合物F−ポリプロピ
レン樹脂組成物は、有機変性層状珪酸塩粒子が肉眼では
っきりと確認でき、組成物全体が白濁して見えた。TE
M解析によれば、得られた化合物F−ポリプロピレン樹
脂組成物中、化合物Fの大部分は短径1〜百数十μmの
2次凝集体として樹脂マトリックス中に偏在しており、
無作為に抽出した500nm四方の区画200個中に2
個以上の有機変性層状珪酸塩粒子が見出される確率は1
5%であった。また、帯電圧半減期を測定したところ、
30秒以上であり、全く帯電防止性を示さなかった(表
4)。また、洗浄前後の試験片の体積固有抵抗及び表面
固有抵抗を実施例6と同様の方法で測定した結果を表4
に示す。
【0066】比較例5 実施例6と同様の方法で、化合物Gの体積固有抵抗を測
定したところ、4.5×1011Ω・cmであった(表
2)。次いで、化合物Aの代わりに化合物Gを用いる以
外は実施例6と全く同様の方法で化合物G−ポリプロピ
レン樹脂組成物を得た。得られた化合物G−ポリプロピ
レン樹脂組成物は、有機変性層状珪酸塩粒子が肉眼では
っきりと確認でき、組成物全体が白濁して見えた。ま
た、帯電圧半減期を測定したところ、30秒以上であ
り、全く帯電防止性を示さなかった(表4)。また、洗
浄前後の試験片の体積固有抵抗及び表面固有抵抗を実施
例6と同様の方法で測定した結果を表4に示す。
【0067】比較例6 実施例6と同様の方法で、化合物Hの体積固有抵抗を測
定したところ、7.9×1012Ω・cmであった(表
2)。次いで、化合物Aの代わりに化合物Hを用いる以
外は実施例6と全く同様の方法で化合物H−ポリプロピ
レン樹脂組成物を得た。得られた化合物H−ポリプロピ
レン樹脂組成物は、有機変性層状珪酸塩粒子が肉眼では
っきりと確認でき、組成物全体が白濁して見えた。ま
た、帯電圧半減期を測定したところ、30秒以上であ
り、全く帯電防止性を示さなかった(表4)。また、洗
浄前後の試験片の体積固有抵抗及び表面固有抵抗を実施
例6と同様の方法で測定した結果を表4に示す。
【0068】比較例7〜10 有機変性された層状珪酸塩を添加しない以外は、実施例
6〜9と同様の方法で各実施例に使用した樹脂を溶融混
練した。それらの樹脂を同様に溶融プレス成形し、帯電
圧半減期を測定したが、4種とも30秒以上であり、全
く帯電防止性を示さなかった(表4)。また、洗浄前後
の各試験片の体積固有抵抗及び表面固有抵抗を実施例6
と同様の方法で測定した結果を表4に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】 (注)表4中、化合物の添加量は、樹脂100重量部に
対する重量部である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における平均最近接粒子間を説明するモ
デル図である。
【図2】本発明における面間隔を説明するモデル図であ
る。
【図3】実施例6で得られた化合物A−ポリプロピレン
樹脂組成物の粒子構造を示す透過型電子顕微鏡像であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67/02 KKF C08L 67/02 KKF 101/00 101/00 C09K 3/16 101 C09K 3/16 101A 104 104E (72)発明者 角田 裕三 大阪府大阪市西区立売堀1丁目4番1号 花王株式会社化学品事業本部大阪営業所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膨潤性層状珪酸塩の層間に、下記一般式
    (I)で表される第四級アンモニウムイオンを含有して
    なる有機変性層状珪酸塩。 【化1】 〔式中、R1は側鎖に炭素数1以上のアルキル基を少なく
    とも1本有する炭素数8以上の分岐型飽和脂肪族アルキ
    ル基を示す。R2、R3、R4は、水素原子もしくは炭素数1
    〜2のアルキル基を表し、これらは全てが同一であって
    も異なっていてもよい。〕
  2. 【請求項2】膨潤性層状珪酸塩の層間に、下記一般式
    (II)で表される第四級アンモニウムイオンを含有して
    なる有機変性層状珪酸塩。 【化2】 〔式中、R5、R6はそれぞれ、炭素数8以上の飽和脂肪族
    アルキル基を表し、R5、R6のうち少なくとも1個は、側
    鎖に炭素数1以上のアルキル基を少なくとも1本有する
    分岐脂肪族アルキル基を示す。R7、R8は水素原子もしく
    は炭素数1〜2のアルキル基を表し、これらは全てが同
    一であっても異なっていてもよい。〕
  3. 【請求項3】膨潤性層状珪酸塩の層間に、下記一般式(I
    II) で表される第四級アンモニウムイオンを含有してな
    る有機変性層状珪酸塩。 【化3】 〔式中、R9、R10 、R11 はそれぞれ、炭素数8以上の飽
    和脂肪族アルキル基を表し、R9、R10 、R11 のうち少な
    くとも1個は、側鎖に炭素数1以上のアルキル基を少な
    くとも1本有する分岐脂肪族アルキル基を示す。R12
    水素原子もしくは炭素数1〜2のアルキル基を表す。〕
  4. 【請求項4】膨潤性層状珪酸塩が、70meq/100
    g以上のカチオン交換容量を有することを特徴とする請
    求項1〜3の何れか1項記載の有機変性層状珪酸塩。
  5. 【請求項5】体積固有抵抗が1013Ω・cm以下である
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の有機
    変性層状珪酸塩。
  6. 【請求項6】樹脂100重量部に対し、請求項1〜5の
    何れか1項記載の有機変性層状珪酸塩2乃至30重量部
    が、(1)1次凝集体及び/又は凝集体の短径が500
    nm以下の2次凝集体の形で、かつ、(2)平均最近接
    粒子間距離が500nm以下、の状態で分散しているこ
    とを特徴とする永久帯電防止性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】樹脂が、熱可塑性樹脂であることを特徴と
    する請求項6記載の永久帯電防止性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】樹脂が、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂で
    あることを特徴とする請求項6記載の永久帯電防止性樹
    脂組成物。
  9. 【請求項9】樹脂が、ポリスチレン系熱可塑性樹脂であ
    ることを特徴とする請求項6記載の永久帯電防止性樹脂
    組成物。
  10. 【請求項10】樹脂が、ニトリル基含有熱可塑性樹脂で
    あることを特徴とする請求項6記載の永久帯電防止性樹
    脂組成物。
  11. 【請求項11】樹脂が、(メタ)アクリル酸系熱可塑性
    樹脂であることを特徴とする請求項6記載の永久帯電防
    止性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】樹脂が、ポリエステル系熱可塑性樹脂で
    あることを特徴とする請求項6記載の永久帯電防止性樹
    脂組成物。
  13. 【請求項13】樹脂が、ポリアミド系熱可塑性樹脂であ
    ることを特徴とする請求項6記載の永久帯電防止性樹脂
    組成物。
  14. 【請求項14】樹脂が、熱可塑性ポリマーのブレンド系
    樹脂であることを特徴とする請求項6記載の永久帯電防
    止性樹脂組成物。
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