JPH0931100A - 変性コラーゲン及びその製造方法 - Google Patents

変性コラーゲン及びその製造方法

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JPH0931100A
JPH0931100A JP20920295A JP20920295A JPH0931100A JP H0931100 A JPH0931100 A JP H0931100A JP 20920295 A JP20920295 A JP 20920295A JP 20920295 A JP20920295 A JP 20920295A JP H0931100 A JPH0931100 A JP H0931100A
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collagen
denatured
treating
gel
agent
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Application number
JP20920295A
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English (en)
Inventor
Michinobu Kato
道信 加藤
Kenichi Shiei
健一 市榮
Toshiya Ogawa
俊也 小川
Toshikazu Makihara
俊和 牧原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NH Foods Ltd
Original Assignee
Nippon Meat Packers Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 細胞培養基材、医用材料、化粧品材料などに
利用される変性コラーゲン及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。 【構成】 本発明は、コラーゲンを変性剤で処理した
後、脱変性剤処理して得られた変性コラーゲン及びその
製造方法である。本発明によれば、コラーゲンの基本的
な性質を変更することなく、ゲル化特性などを段階的に
変化させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は変性コラーゲン及び
その製造方法に関する。より詳細には、細胞培養基材、
医用材料、化粧品材料などとして利用される変性コラー
ゲン、その製造方法及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】コラーゲンは動物体の全蛋白質の1/3
以上を占める蛋白質であり、動物の皮膚、腱、骨などに
多く存在する。コラーゲンは動物体の形態維持などの物
理的機能を担う蛋白質であると考えられていたが、最
近、コラーゲンは動物体に種々の生物学的作用を及ぼし
ていることが明らかになった。また、コラーゲンは生体
材料であることから、生体適合性に優れており、この性
質を利用した用途が種々提案されている。例えば、コラ
ーゲンは細胞間のマトリックスとして機能し、細胞の発
生、分化などに影響を及ぼしており、ガラスやプラステ
ック製の培養皿では増殖し得ない細胞であっても、コラ
ーゲンコート培養皿やコラーゲンゲルマトリックス中で
は増殖できることが報告されている。このような知見か
ら、コラーゲンは、細胞培養基質、細胞培養担体(マイ
クロキャリア)などとして利用されている。また、生体
適合性に優れた特性を利用し、保湿・湿潤剤として化粧
品に用いられており、医用材料としては、創傷カバー材
や人工皮膚、人工食道、人工気管等の人工臓器、細胞診
断用の基質などが挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、コラー
ゲンは種々の用途に広く利用されており、特にコラーゲ
ンゲルは利用範囲が広い。コラーゲンゲルを用いる場
合、その用途に応じて、ゲル強度などのゲル特性も変化
させる必要がある。コラーゲンゲルの強度を調整する方
法としては、コラーゲン濃度を変化させる方法が考えら
れるが、高いゲル強度を得るには、コラーゲン濃度を著
しく高める必要があり、実用的ではない。また、コラー
ゲンの化学的修飾、加熱、架橋などの処理では、コラー
ゲンの基本的性質が変化してしまうので好ましくない。
このような点から、出願人は、コラーゲンゲルの改変方
法として、会合度の異なるコラーゲンを混合する方法を
提案している(特開平4−149200号公報参照)。
この方法は、会合体を多く含むコラーゲンはゲル強度が
高く、会合体の少ないコラーゲンはゲル強度が低いこと
から、会合体含量の異なるコラーゲンを混合することに
よりゲル強度の調整を行うことができる。この方法によ
り、所期の目的を十分に達成できることが明らかになっ
たが、ゲル強度に比例して繊維径が細くなり、細胞を培
養する際、細胞の種類によっては生育に適さない場合が
あるなどの問題があった。
【0004】本発明者等は上記の問題を解消するため
に、溶液状態での特性やゲル状態での繊維化率、繊維径
に影響を及ぼすことなく、ゲル強度の調整を行うことが
できるコラーゲンについて検討を重ねてきた。その結
果、従来、コラーゲンは低濃度の変性剤(2M尿素な
ど)では変性されないと考えられてきたが、本発明者等
はコラーゲンを変性剤で処理することにより所期の目的
を達成し得ることを見出し、またかかる処理がなされた
コラーゲンはゲル化特性以外にも非処理のコラーゲンと
異なる特性を有することを見出した。本発明はかかる知
見に基づいてなされたもので、本発明はゲル化特性など
の特性を段階的に改変した変性コラーゲン及びその製造
方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明は、 コラーゲンを変性剤で処理した後、脱変性剤処理して
得られた変性コラーゲン;コラーゲンを変性剤で処理
した後、脱変性剤処理して変性コラーゲンを得ることか
らなる変性コラーゲンの製造方法; コラーゲン含有原料を変性剤で処理した後、脱変性剤
処理し、次いでコラーゲン抽出法及び/又は酵素分解法
で処理して得られた変性コラーゲン; 変性剤の存在下、コラーゲン含有原料をコラーゲン抽
出法及び/又は酵素分解法で処理して得られた変性コラ
ーゲン; 変性剤が、尿素、N−アシル尿素、O−アシルイソ尿
素、アルキル化尿素、グアニジン及びその塩から選ばれ
た一種又は二種以上を用いる上記、又はの何れか
に記載の変性コラーゲン。 上記、、又はの何れかに記載の変性コラーゲ
ンを含有する細胞培養基材、医用材料又は化粧品材料; である。
【0006】
【発明の実施の態様】本発明において、コラーゲン又は
コラーゲン含有原料の変性剤による処理とは、コラーゲ
ン又はコラーゲン含有原料を適当な溶媒中で変性剤と接
触させることを意味する。コラーゲンは特に限定され
ず、種々のコラーゲンが対象とされるが、I型コラーゲ
ンが好適に利用される。コラーゲン含有原料としては、
コラーゲンを含有する原料であれば何れの材料も使用で
き、哺乳動物(例えば、ウシ、ブタ、ウサギ、ヒツジ、
ネズミ等)の皮膚、骨、軟骨、腱、臓器などが例示され
るが、コラーゲン含量の高いことから、骨、軟骨、皮
膚、腱、胎盤などが好適に使用される。
【0007】変性剤としては、蛋白質を変性し得る剤で
あれば何れの剤も使用でき、例えば、尿素、尿素誘導体
(例えば、N−アシル尿素、O−アシルイソ尿素、アル
キル化尿素等)、グアニジン及びその塩などの慣用の変
性剤が使用し得る。場合によっては、カルシウム塩、カ
リウム塩、チオシアン酸塩、過塩素酸塩などの無機塩の
高濃度溶液を使用してもよい。変性後に行われる脱変性
剤処理とは、変性剤を除去する操作を意味し、変性後の
コラーゲンの状態が溶液状であれば、透析、ゲル濾過、
アフィニティークロマトグラフィ等の方法により行うこ
とができ、変性後のコラーゲンが固体状のときは、可溶
化・透析や濾過・洗浄等の方法により行うことができ
る。
【0008】コラーゲン抽出法による処理とは、コラー
ゲン含有原料からコラーゲンを抽出する処理をいい、酸
可溶化、アルカリ可溶化、中性塩可溶化、酵素可溶化な
どの慣用の方法にて行うことができる。上記の酸可溶化
は、例えば、塩酸等の無機酸及び/又は酢酸、クエン酸
等の有機酸を用いて、pH2〜4程度、好ましくはpH
3程度の水溶液でコラーゲンを抽出することにより行う
ことができる。アルカリ可溶化は、例えば、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムなどの塩基性物質を用いて、p
H12〜14程度、好ましくはpH12.5〜13.5
程度の水溶液でコラーゲンを抽出することにより行うこ
とができる(特公昭46−15033号公報、特開平3
−106807号公報など参照)。中性塩可溶化は、例
えば、塩化ナトリウム等の無機塩(0.15〜0.5M
程度)を含有するトリス-塩酸緩衝液(pH7〜8程
度、好ましくはpH7.5程度)でコラーゲンを抽出す
ることにより行うことができる。酵素可溶化は、例え
ば、ペプシン、プロナーゼ等の蛋白質分解酵素を用い、
コラーゲンを可溶化・抽出することにより行うことがで
きる。また、酵素分解法は、コラーゲンを蛋白質分解酵
素、脂肪加水分解酵素、糖加水分解酵素などにより処理
することをいい、コラーゲンの精製手段である。
【0009】以下、本発明の変性コラーゲン及びその製
法をより詳細に説明する。本発明の変性コラーゲンの一
つは、コラーゲンを変性剤で処理した後、脱変性剤処理
して得られた変性コラーゲンであり、当該コラーゲン
は、コラーゲンを適当な溶媒中、変性剤で処理した後、
脱変性剤処理することにより得ることができる。上記の
コラーゲンとしては、精製コラーゲンを使用するのが好
ましいが、コラーゲン含有原料を上述の抽出処理及び/
又は酵素処理して得た粗製コラーゲンを使用することも
できる。使用される溶媒としてはコラーゲンを変性でき
る状態にし得る溶媒であれば特に限定されないが、例え
ば、pH7〜8程度、好ましくはpH7.5程度のリン
酸緩衝液が用いられる。なお、低変性剤濃度で変性を行
う場合には、酸性条件下(例えば、pH3程度)で変性
を行うのが好ましい。
【0010】変性剤の使用量は、所望する変性コラーゲ
ンの特性に応じて、適宜変更することができる。すなわ
ち、本発明においては、変性剤の使用量等の変性条件に
より、コラーゲンの特性は段階的に変化するので、必要
とする特性に応じて、変性剤使用量を決定することがで
きる。また、変性剤の使用量は、変性剤の種類、コラー
ゲンの状態、変性温度・時間等に応じても適宜変更する
ことができる。例えば、変性剤として、尿素を使用した
場合、一般に0.05〜10M程度、好ましくは1〜8
M程度の範囲で使用される。変性時間は、変性剤の種
類、変性温度等により適宜設定されるが、一般に、室温
で、0.5日〜1ヵ月程度、好ましくは1週間〜3週間
程度、より好ましくは2週間程度、撹拌しながら変性さ
せる。かくして変性されたコラーゲンは、前述の脱変性
剤処理に付される。脱変性剤処理としては透析法が好ま
しく、例えば、塩酸酸性溶液(pH3.0程度)に対し
て透析することにより脱変性剤処理が行われる。上記の
方法により、本発明の変性コラーゲンを得ることができ
る。
【0011】本発明の他の変性コラーゲンは、(A)コ
ラーゲン含有原料を変性剤で処理した後、脱変性剤処理
し、次いでコラーゲン抽出法及び/又は酵素分解法で処
理して得られた変性コラーゲン;及び(B)変性剤の存
在下、コラーゲン含有原料をコラーゲン抽出法及び/又
は酵素分解法で処理して得られた変性コラーゲンであ
る。これらの変性コラーゲンは、それぞれ(a)コラー
ゲン含有原料を適当な溶媒中、変性剤で処理した後、脱
変性剤処理し、次いでコラーゲン抽出法及び/又は酵素
分解法で処理することにより;(b)変性剤の存在下、
コラーゲン含有原料をコラーゲン抽出法及び/又は酵素
分解法で処理することにより得ることができる。これら
の方法によれば、本発明の変性コラーゲンをコラーゲン
含有原料から調製することができ、簡便であると共にコ
ストの低減が図れる。
【0012】上記(a)の方法においては、まず、コラ
ーゲン含有原料を適当な溶媒中で変性剤により変性させ
る。変性剤の使用量は、前述のように、所望する変性コ
ラーゲンの特性に応じて、適宜変更することができる。
溶媒としては、当該原料中のコラーゲンの変性を妨害し
ないものであれば、特に限定されないが、一般に、リン
酸緩衝液などが使用される。変性時間は、変性剤の種
類、変性温度等により適宜設定されるが、一般に、室温
で、0.5日〜1ヵ月程度、好ましくは1週間〜3週間
程度、より好ましくは2週間程度、撹拌しながら変性さ
せる。かくして変性されたコラーゲンは、前述の脱変性
剤処理に付される。脱変性剤処理としては洗浄法が好ま
しく、例えば、流水洗浄法により脱変性剤処理が行われ
る。脱変性剤処理が行われたコラーゲン含有原料は、前
述のコラーゲン抽出法及び/又は酵素分解法に付され、
コラーゲンの抽出及び精製が行われる。例えば、酸抽出
法による場合、変性されたコラーゲン含有原料を、pH
3.5程度のクエン酸又は酢酸溶液に加えて撹拌するこ
とにより溶解させ、不溶部を分離し、可溶部を透析又は
塩析することにより、本発明の変性コラーゲンを得るこ
とができる。
【0013】また、上記(b)の方法は、変性剤の存在
下、コラーゲン含有原料を前述のコラーゲン抽出法及び
/又は酵素分解法で処理するもので、コラーゲンの変性
とコラーゲンの抽出・精製を同時に行うことができる。
変性剤の使用量は、前述のように、所望する変性コラー
ゲンの特性に応じて、適宜変更することができる。この
方法の一例として、蛋白分解酵素を用いたコラーゲン抽
出法で行う場合をもって説明すると、コラーゲン含有原
料を、酸性溶液(例えば、酢酸酸性、塩酸酸性等)に加
え、更にペプシンなどの蛋白分解酵素を加え、室温程度
で、1日〜1週間程度撹拌することにより行うことがで
きる。反応終了後、可溶部をとり、塩析することによ
り、本発明の変性コラーゲンを得ることができる。
【0014】かくして得られた本発明の変性コラーゲン
は、溶液のまま利用してもよく、また凍結乾燥などの手
段により粉末化し、それを使用してもよい。本発明の変
性コラーゲンは、後記試験例に示されるように、コラー
ゲンの有する基本的な性質(例えば、比旋光度、分子
量、繊維径、繊維化率等)を変化させることなく、変性
剤濃度などの調整により、ゲル強度などの特性が段階的
に変化しているという特長を有する。
【0015】また、その他、従来のコラーゲンと異なる
特長を有している。例えば、コラーゲンの抗原性の大部
分はテロペプチドに起因するが、それ以外にも極わずか
コラーゲンの高次構造(三重ヘリックス)及び変性後
(ゼラチン)にプロテアーゼ分解を受けたぺプチドにも
抗原性が存在するといわれている。本発明のぺプチドに
おいては、変性剤の処理によりコラーゲンの高次構造が
わずかに変化し、認識されにくくなることが考えられ
る。また、完全に変性を受けていないので、プロテアー
ゼ分解に対する抵抗性があり、抗原性を有していたペプ
チドが産生されにくくなり、結果的に抗原性が低下する
ことが考えられる。従って、本発明の変性コラーゲンは
低抗原性であり、生体内適合性が高い。
【0016】更に、本発明のコラーゲンで繊維(ゲル)
を構成したとき、繊維径には影響を与えないが、繊維間
隔に影響が現れることが予測され、この繊維間隔の差が
ゲル強度の差として現れると考えられる。細胞の種類に
よって、この繊維間隔の差を調節することでその細胞の
最も適当な環境(足場)を人工的に調節できる。この特
性は、細胞培養の基質としてはもとより、医用材料とし
て生体内に埋め込むときにも組織中の細胞に対する反応
を調節することができ、例えば、生体内分解速度の調
節、繊維芽細胞や上皮細胞のマトリックスへの侵入速度
の調節を図ることができる。
【0017】本発明の変性コラーゲンは上記のような特
長を有しており、従来のコラーゲンが用いられている各
種の用途に利用することができる。特に好適には細胞培
養用基材、医用材料、化粧品材料に利用される。細胞培
養用基材としては、細胞培養用基質、細胞培養用マイク
ロキャリアなどとして利用される。細胞培養用基質とす
る場合、本発明の変性コラーゲンを用いてゲルマトリッ
クスを調製し、それを用いて細胞を培養する。細胞培養
法としては、コラーゲンゲル上培養法、浮遊コラーゲン
ゲル培養法、コラーゲンゲル包埋培養法などが例示され
る。細胞培養用マイクロキャリアは、付着性細胞の培養
に用いられる不溶性担体であり、本発明の変性コラーゲ
ンを多孔質状のビーズに成形することにより調製され
る。
【0018】医用材料としては、創傷カバー材や人工皮
膚、コラーゲンゲルに細胞を包埋して機能を持たせた人
工器官、細胞診断用の基質などが挙げられる。コラーゲ
ンは、成形性に優れるので種々の形状の材料を得ること
ができ、例えば、ゲル、紡糸繊維、フィルム、膜、チュ
ーブ、ホローファイバー、スポンジなど例示され、その
形状に応じて、創傷カバー材、縫合糸、人工腱、血液透
析膜、人工鼓膜、人工血管、代用チューブ状器官、止血
剤などとして利用されている。本発明の変性コラーゲン
を用いることにより、コラーゲンの基本的性質を変更す
ることなく、これらの形状の材料の物理的性質(例え
ば、引張強度、弾性力等)を調節することができる。ま
た、本発明の変性コラーゲンを用いて得たゲルを乾燥し
て調製されるスポンジは、未変性コラーゲンを用いて調
製した物に比べ、表面の滑らかさや柔軟性が向上してい
ることが明らかになった。
【0019】化粧品材料としては、コラーゲンの有する
保湿・湿潤性や皮膜形成性を利用し、皮膚の水分の保持
や皮膚に弾性及び滑らかさを付与する材料として、クリ
ーム、軟膏、化粧水などに配合される。なお、本発明の
変性コラーゲンの用途は上記の用途に限定されるもので
はなく、コラーゲンを利用する産業上の分野全般に利用
することができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例及び試験例に基づいて本発明を
より詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定され
るものではない。 実施例1変性コラーゲンの調製 コラーゲンはブタ腱より常法に従ってペプシンで抽出
し、塩析により精製した酵素可溶性I型コラーゲンを用
いた。上記のコラーゲンを、2、4、6、7、8Mの尿
素を含有する10mMリン酸緩衝液(pH7.4)に加
え、2週間撹拌した。1M尿素処理は、コラーゲンを1
M尿素を含む塩酸溶液(pH3.0)に加え、撹拌し
た。尿素処理後、塩酸溶液(pH3.0)に対して透析
し、尿素を完全に除去し、本発明の変性コラーゲンを得
た。以下の試験例においては、上述の方法により、変性
剤濃度を変更して調製された各変性コラーゲンを用い
た。
【0021】試験例1ゲル強度の測定 1.5mg/mlに希釈した変性コラーゲン溶液と、
1.4M塩化ナトリウムを含む200mMリン酸緩衝液
(pH7.4)を9:1の割合で混合した。これを、3
5mmディッシュに7.5mlずつ分注し、37℃で2
時間ゲル化させた。テンシプレッサー(タケトモ電機社
製)を用い、1バイトの強度測定を行った。その結果を
図1に示す。なお、横軸は、変性コラーゲンを調製する
際の変性剤濃度(尿素濃度)である(以下、同様)。図
1に示されるように、変性剤濃度に応じて段階的にゲル
強度が低下することが明らかになった。
【0022】試験例2ゲル融解温度測定 1.0mg/mlに希釈した変性コラーゲン溶液と、
1.4M塩化ナトリウムを含む200mMリン酸緩衝液
(pH7.4)を9:1の割合で混合した。このうちの
3mlをセルに入れ、37℃で90分間ゲル化させた。
ゲル化後、37℃から52℃まで1℃/10分で昇温し
ながら、400nmの吸光度を測定し、融解温度を測定
した。その結果を図2に示す。図2に示されるように、
尿素濃度8Mの場合を除き、ゲル融解温度は変性剤濃度
に応じて低下することが明らかになった
【0023】試験例3旋光度測定 SEPA−300(堀場製作所社製)を使用し、20℃
恒温水を循環させた恒温セルホルダー中で、容量20m
l、セル長10cmを用いて、各変性コラーゲンの旋光
度を測定した。なお、比較のため、透析する前の変性コ
ラーゲン(尿素存在下の変性コラーゲン)についても旋
光度測定を行った。その結果を図3に示す。図3に示さ
れるように、透析前の変性コラーゲンは変性剤濃度に応
じて比旋光度が+側にシフトしていた。それに対し、透
析後の変性コラーゲンは変性剤濃度にかかわらず、比旋
光度は略一定の値を示し、未変性コラーゲンと同様な値
であった。このことから、本発明の変性コラーゲンは、
旋光性については変化していないことが明らかになっ
た。
【0024】試験例4繊維化率測定 1.0mg/mlに希釈した変性コラーゲン溶液と、
1.4M塩化ナトリウムを含む200mMリン酸緩衝液
(pH7.4)を9:1の割合で混合し、37℃で90
分間ゲル化させた。ゲル化後、遠心(3500rpm,30分)
を行い、上清の蛋白質を定量することにより、繊維化率
を求めた。その結果を図4に示す。図4に示されるよう
に、尿素濃度8Mの場合を除き、繊維化率は変性剤濃度
にかかわらず略一定の値であり、繊維化率は変化してい
ないことが判明した。
【0025】試験例5固有粘度測定 ビスコタイマー(Viscotimer S/4, ラウダ社製)を用い、
20.2℃における固有粘度を各変性コラーゲンについ
て測定した。その結果を図5に示す。図5に示されるよ
うに、尿素濃度8Mの場合を除き、固有粘度は変性剤濃
度にかかわらず略一定の値であり、固有粘度(すなわ
ち、分子量)は変化していないことが判明した。
【0026】試験例6転移温度測定 ビスコタイマー(Viscotimer S/4, ラウダ社製)を用い、
30℃から45℃まで1℃/30分の昇温速度で粘度測
定を行い、各変性コラーゲンについて転移温度を測定し
た。その結果を図6に示す。図6に示されるように、転
移温度は変性剤濃度にかかわらず略一定の値であり、転
移温度は変化していないことが判明した。
【0027】試験例7繊維径測定 コラーゲンゲルの電子顕微鏡写真から、画像処理装置L
A−525(ピアス社製)を用い、各変性コラーゲンの
繊維径を測定した。その結果を図7に示す。図7に示さ
れるように、繊維径は変性剤濃度にかかわらず略一定の
値であり、繊維径は変化していないことが判明した。
【0028】試験例8細胞培養試験 4M尿素で処理して得た変性コラーゲンの溶液(3mg
/ml)8に対し、10倍濃度のDMEM及びpH調整
用緩衝液(2.2%NaHCO3,4.77%HEPE
S/0.05N NaOH)をそれぞれ1ずつ氷冷下で
混合し、96穴マイクロプレートに50μlずつ分注し
た後、37℃で1時間ゲル化させた。ラット皮膚由来線
維芽細胞を1×103個/ウエルずつ播種し、37℃、
CO2インキュベーターで培養し、1日目以降の細胞の
増殖を測定した。細胞の増殖は、AlamarBlue(発売元:関
東化学社)を用い、マイクロプレートリーダーで570nm及
び600nmの吸光度を測定することにより行った。その結
果を図8に示す。なお、図8において、吸光度の大きい
ほど細胞は増殖している。図8に示されるように、本発
明の変性コラーゲンを用いたゲル上において、ラット皮
膚由来線維芽細胞の良好な増殖が認められた。
【0029】実施例2 実施例1において、4M尿素に代えて3Mグアニジン塩
酸塩を使用し、実施例1と同様な方法で変性・透析を行
い、変性コラーゲンを得た。
【0030】
【発明の効果】以上のように、本発明の変性コラーゲン
は、コラーゲンの有する基本的な性質を変化させること
なく、ゲル化特性などの特定の性質を段階的に変化させ
ることができる。従って、本発明の変性コラーゲンを使
用することにより、所望するゲル強度のゲルなどを簡便
且つ迅速に調製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゲル強度に対する変性剤濃度の影響を示す図で
ある。
【図2】ゲル融解温度に対する変性剤濃度の影響を示す
図である。
【図3】旋光度に対する変性剤濃度の影響を示す図であ
る。
【図4】繊維化率に対する変性剤濃度の影響を示す図で
ある。
【図5】固有粘度に対する変性剤濃度の影響を示す図で
ある。
【図6】転移温度に対する変性剤濃度の影響を示す図で
ある。
【図7】繊維径に対する変性剤濃度の影響を示す図であ
る。
【図8】本発明の変性コラーゲンを用いて調製されたゲ
ル上でのラット皮膚由来線維芽細胞の培養結果を示す図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧原 俊和 茨城県つくば市緑ケ原3丁目3番 日本ハ ム株式会社中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コラーゲンを変性剤で処理した後、
    脱変性剤処理して得られた変性コラーゲン。
  2. 【請求項2】 コラーゲンを変性剤で処理した後、
    脱変性剤処理して変性コラーゲンを得ることからなる変
    性コラーゲンの製造方法。
  3. 【請求項3】 コラーゲン含有原料を変性剤で処理
    した後、脱変性剤処理し、次いでコラーゲン抽出法及び
    /又は酵素分解法で処理して得られた変性コラーゲン。
  4. 【請求項4】 変性剤の存在下、コラーゲン含有原
    料をコラーゲン抽出法及び/又は酵素分解法で処理して
    得られた変性コラーゲン。
  5. 【請求項5】 変性剤として、尿素、N−アシル尿
    素、O−アシルイソ尿素、アルキル化尿素、グアニジン
    及びその塩から選ばれた一種又は二種以上を用いる請求
    項1、3又は4の何れかに記載の変性コラーゲン。
  6. 【請求項6】 請求項1、3、4又は5の何れかに
    記載の変性コラーゲンを含有する細胞培養基材、医用材
    料又は化粧品材料。
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