JPH0931215A - 化学吸着膜の製造方法およびそれに用いる化学吸着液 - Google Patents

化学吸着膜の製造方法およびそれに用いる化学吸着液

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JPH0931215A
JPH0931215A JP7187535A JP18753595A JPH0931215A JP H0931215 A JPH0931215 A JP H0931215A JP 7187535 A JP7187535 A JP 7187535A JP 18753595 A JP18753595 A JP 18753595A JP H0931215 A JPH0931215 A JP H0931215A
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JP
Japan
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group
chlorosilane
base material
based surfactant
film
Prior art date
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Application number
JP7187535A
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English (en)
Inventor
Kazufumi Ogawa
一文 小川
Yukio Nomura
幸生 野村
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】活性水素基を有するか付与した基材表面に、液
相で化学吸着を行ない、撥水撥油、防汚性などに優れた
極薄の吸着膜を高能率で均一厚みで形成する。 【解決手段】CF3 (CF2 )7 (CH2 )2 SiCl
3 (ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン)、C
ClF2CF2CCl3、及びパーフルオロカーボン系の
溶剤を含む化学吸着液を調製する。表面に多数の親水性
の−OH基2が露出しているアルミニウム板1を化学吸
着液に1時間浸漬する。化学吸着液から基材を取り出
し、非水系有機溶媒を用いて基材表面を洗浄して基材表
面に残った余分なクロロシラン系界面活性剤を除去した
後、基材を取り出し、基材表面に残ったクロロシラン系
界面活性剤のクロロシリル基と空気中の水分を反応させ
ると、単分子膜状のフロロシラン系化学吸着単分子膜3
がガラス基材表面に共有結合で固定された状態で製造で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材表面に化学吸
着膜を形成する方法に関するものである。さらに詳しく
は、表面に活性水素基を含む基材表面に少なくとも一端
にクロロシラン基を有し他端にフッ化炭素基を有する直
鎖状分子からなるクロロシラン系界面活性剤とフッ化炭
素基と塩化炭素基を有する物質と非水系の溶媒とを含む
化学吸着液を接触させて前記クロロシラン系界面活性剤
と基材表面を反応させて化学吸着単分子膜またはポリマ
ー膜を形成することを特徴とした化学吸着膜の製造方法
及びそれに用いる化学吸着液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、液相での化学吸着法を用いて単
分子膜が形成できることはすでによく知られている。こ
のような溶液中での化学吸着単分子膜の製造原理は、基
材表面の活性水素とクロロシラン系界面活性剤のクロロ
シリル基との脱塩酸反応を用いて、単分子膜を形成する
方法が主流であった(例えば特公平5−16087号公
報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
液相化学吸着法は、反応が吸着試薬を溶媒で希釈した液
相中で行なわれるため、完全な吸着膜を作成しようとす
れば、吸着試薬、例えばクロロシラン系界面活性剤等を
吸着溶媒に均一に溶解させることが必須条件であった。
一方、吸着溶媒や化学吸着反応の際生成される塩酸等で
基板が損傷されては元も子もないので、吸着用の溶媒は
石油系溶剤やフッ素系溶剤等の、水を含まず不活性なも
のに限定されていた。そこで、撥水撥油性の被膜形成を
目的とした一端にクロロシラン基を有し他端にフッ化炭
素基を有する直鎖状分子からなるクロロシラン系界面活
性剤等を化学吸着物質として用いる場合には、従来の石
油系溶剤やフッ素系溶剤のみでは溶解性が悪く、均一に
分散させることが非常に難しいという欠点があった。
【0004】以上述べてきた従来法の欠点に鑑み、本発
明は、基材が制限されることなく、基材を損傷すること
もなく、且つ短時間で吸着膜を効率よく形成できる方法
およびそれに用いる化学吸着液を提供することを目的と
する。
【0005】さらには、このことによりフロロカーボン
系単分子膜やポリマー膜を基材と密着性よく且つ高密度
にピンホール無く薄く行って、電化製品や自動車、産業
機器、または鏡や眼鏡レンズ等の耐候性、耐摩耗性コー
ティングを必要とする機器の性能を向上させることを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の第一の化学吸着膜の製造方法は、一端にク
ロロシラン基を有し他端にフッ化炭素基を有する直鎖状
分子からなるクロロシラン系界面活性剤と、フッ化炭素
基と塩化炭素基を有する物質と、非水系の溶媒とを含む
化学吸着液を用いて、表面に活性水素基を含む基材表面
に前記化学吸着液を接触させて前記クロロシラン系界面
活性剤のクロロシリル基と基材表面を反応させた後、非
水系有機溶媒を用いて前記基材上に残った前記基材と未
反応の前記クロロシラン系界面活性剤のクロロシラン系
界面活性剤を洗浄除去し、その後残ったクロロシリル基
を水と反応させることにより単分子膜状の化学吸着膜を
作成するという構成を備えたものである。ここで、残っ
たクロロシリル基とは、基材表面に固定されたクロロシ
ラン系界面活性剤が有する−SiCl基をいう。
【0007】また本発明の第二の製造方法は、一端にク
ロロシラン基を有し他端にフッ化炭素基を有する直鎖状
分子からなるクロロシラン系界面活性剤と、フッ化炭素
基と塩化炭素基を有する物質と非水系の溶媒を含む化学
吸着液を用い、表面に活性水素基を含む基材表面に前記
化学吸着液を接触させて前記クロロシラン系界面活性剤
と基材表面を反応させた後、フッ化炭素基と塩化炭素基
を有する物質と非水系の溶媒を蒸発させた後基材表面に
残った前記クロロシラン系界面活性剤のクロロシリル基
を水と反応させることによりポリマー膜状の化学吸着膜
を作成することを特徴とするものである。ここで、基材
表面に残った前記クロロシラン系界面活性剤のクロロシ
リル基とは基材表面に固定されたクロロシラン系界面活
性剤が有する−SiCl基及び/または基材と反応して
いないクロロシラン系界面活性剤が有する−SiCl基
をいう。
【0008】ここで、クロロシラン系界面活性剤とし
て、CF3 −(CF2 )n −(R)m−SiXp Cl
3-p (nは0または1以上の整数、Rはアルキル基、ビ
ニル基、エチニル基、シリコン若しくは酸素原子を含む
置換基、mは0又は1の整数、XはH原子、アルキル
基、アルコキシル基、含フッ素アルキル基又は含フッ素
アルコキシ基の置換基、pは0、1または2の整数)を
用いると側鎖がある分子などに比べ大幅に吸着密度を向
上できて都合がよい。
【0009】また、上記クロロシラン界面活性剤分子の
分散性を良くするため、吸着溶媒にフッ化炭素基と塩化
炭素基を有する物質、例えば、CBr2ClCF3、CC
lF 2CF2CCl3、CClF2CF2CHFCl、CF3
CF2CHCl2、CF3CBrFCBrF2、CClF2
CClFCF2CCl3、Cl(CF2CFCl)2Cl、
Cl(CF2CFCl)2CF2CCl3、Cl(CF2C
FCl)3Clの物質から選ばれる少なくとも一つを添
加しておくと、クロロシラン系の界面活性剤を均一に溶
解する上で好都合である。
【0010】さらに、前述のような溶媒を添加しても、
金属、セラミックス、ガラス、プラスチック等の基材を
全く損傷させることがないので、表面に活性水素を含ん
だ基材であれば何でも使用可能となる。なお、プラスチ
ックを基材に用いる場合には、予め表面を酸素を含むプ
ラズマまたはコロナ雰囲気で処理して親水性化、即ち表
面に水酸基(活性水素を含む)を導入しておくと被膜の
形成を効率良く行える。
【0011】次に本発明の化学吸着液は、一端にクロロ
シラン基を有し他端にフッ化炭素基を有する直鎖状分子
からなるクロロシラン系界面活性剤、フッ化炭素基と塩
化炭素基を有する物質、及び非水系の溶媒を含むという
構成を備えたものである。ここでクロロシラン系界面活
性剤は、上記のCF3 −(CF2 )n −(R)m −Si
Xp Cl3-p (nは0または1以上の整数、Rはアルキ
ル基、ビニル基、エチニル基、シリコン若しくは酸素原
子を含む置換基、mは0又は1の整数、XはH原子、ア
ルキル基、アルコキシル基、含フッ素アルキル基又は含
フッ素アルコキシ基の置換基、pは0、1または2の整
数)であることが好ましい。また、フッ化炭素基と塩化
炭素基を有する物質は、上記したCBr2ClCF3、C
ClF2CF2CCl3、CClF2CF2CHFCl、C
F3CF2CHCl2、CF3CBrFCBrF2、CCl
F2CClFCF2CCl3、Cl(CF2CFCl)2C
l、Cl(CF2CFCl)2CF2CCl3、Cl(CF
2CFCl)3Clから選ばれる少なくとも一つであるこ
とが好ましい。非水系の溶媒としては、パーフルオロカ
ーボン系の溶剤であることが好ましい。
【0012】また前記化学吸着液の構成においては、混
合溶液を100重量%としたとき、クロロシラン系界面
活性剤の存在量が0.1〜10重量%、フッ化炭素基と
塩化炭素基を有する物質の存在量が1〜90重量%、非
水系の溶媒の存在量が0.0001〜98.9重量%で
あることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明によれば、化学吸着液にフ
ッ化炭素基と塩化炭素基を有する物質を添加することに
より、前面に亘り極薄で、均一厚さであり、しかもピン
ホールもなく(ピンホールフリー)、耐久性等により優
れた単分子膜状またはポリマー膜状の化学吸着膜を達成
できる。
【0014】本発明の化学吸着膜の製造方法は、少なく
とも一端にクロロシラン基を有し他端にフッ化炭素基を
有する直鎖状分子からなるクロロシラン系界面活性剤と
フッ化炭素基と塩化炭素基を有する物質と非水系の溶媒
とを含む化学吸着液を用いて、表面に活性水素基を含む
基材表面に前記化学吸着液を接触させて前記クロロシラ
ン系界面活性剤と基材表面を反応させた後、非水系有機
溶媒を用いて前記基材上に残った前記基材と未反応の前
記クロロシラン系界面活性剤を洗浄除去し、その後残っ
た前記クロロシラン系界面活性剤のクロロシリル基を水
と反応させることにより単分子膜状の化学吸着膜を作成
する。または、少なくとも一端にクロロシラン基を有し
他端にフッ化炭素基を有する直鎖状分子からなるクロロ
シラン系界面活性剤とフッ化炭素基と塩化炭素基を有す
る物質と非水系の溶媒を含む化学吸着液を用い、表面に
活性水素基を含む基材表面に前記化学吸着液を接触させ
て前記クロロシラン系界面活性剤と基材表面を反応させ
た後、フッ化炭素基と塩化炭素基を有する物質と非水系
の溶媒を蒸発させた後基材表面に残った前記クロロシラ
ン系界面活性剤のクロロシリル基を水と反応させること
によりポリマー膜状の化学吸着膜を作成することを特徴
とするものである。
【0015】以下実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明に使用できる基材は、表面に活性水素を
持つ基材、例えばAl、Cu若しくはステンレス等の金
属、ガラス、セラミックス、その他親水性基材が挙げら
れ、具体的には、例えば下記のような用途に広く適用で
きる。 (a)基材の例;基材が金属、セラミックスまたはプラ
スチック、木材、石材からなる材料に適用できる。表面
は塗料などで塗装されていても良い。 (b)刃物の例:包丁、鋏、ナイフ、カッター、彫刻
刀、剃刀、バリカン、鋸、カンナ、ノミ、錐、千枚通
し、バイト、ドリルの刃、ミキサーの刃、ジュ−サ−の
刃、製粉機の刃、芝刈り機の刃、パンチ、押切り、ホッ
チキスの刃、缶切りの刃、または手術用メス等。 (c)針の例:鍼術用の針、縫い針、ミシン針、畳針、
注射針、手術用針、安全ピン等。 (d)窯業製品の例:陶磁器製、ガラス製、セラミック
ス製またはほうろうを含む製品等。例えば衛生陶磁器
(例えば便器、洗面器、風呂等)、食器(例えば、茶
碗、皿、どんぶり、湯呑、コップ、瓶、コーヒー沸かし
容器、鍋、すり鉢、カップ等)、花器(水盤、植木鉢、
一輪差し等)、水槽(養殖用水槽、鑑賞用水槽等)、化
学実験器具(ビーカー、反応容器、試験管、フラスコ、
シャーレ、冷却管、撹拌棒、スターラー、乳鉢、バッ
ト、注射器)、瓦、タイル、ほうろう製食器、ほうろう
製洗面器、ほうろう製鍋。 (e)鏡の例:手鏡、姿見鏡、浴室用鏡、洗面所用鏡、
自動車用鏡(バックミラー、サイドミラー)、ハーフミ
ラー、ショーウィンドー用鏡、デパートの商品売り場の
鏡等。 (f)成形用部材の例:プレス成形用金型、注型成形用
金型、射出成形用金型、トランスファー成形用金型、真
空成形用金型、吹き込み成形用金型、押し出し成形用ダ
イ、インフレーション成形用口金、繊維紡糸用口金、カ
レンダー加工用ロールなど。 (g)装飾品の例:時計、宝石、真珠、サファイア、ル
ビー、エメラルド、ガーネット、キャッツアイ、ダイヤ
モンド、トパーズ、ブラッドストーン、アクアマリン、
サードニックス、トルコ石、瑪瑙、大理石、アメジス
ト、カメオ、オパール、水晶、ガラス、指輪、腕輪、ブ
ローチ、ネクタイピン、イヤリング、ネックレス、貴金
属装飾製品、白金、金、銀、銅、アルミ、チタン、錫ま
たはそれらの合金やステンレス製、メガネフレーム等。 (h)食品成形用型の例:ケーキ焼成用型、クッキー焼
成用型、パン焼成用型、チョコレート成形用型、ゼリー
成形用型、アイスクリーム成形用型、オーブン皿、製氷
皿等。 (i)調理器具の例:鍋、釜、やかん、ポット、フライ
パン、ホットプレート、焼き物調理用網、油切り、タコ
焼きプレート等。 (j)紙の例:グラビア紙、撥水撥油紙、ポスター紙、
高級パンフレット紙等 (k)樹脂の例:ポリプロピレン、ポリエチレン等のポ
リオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエス
テル、アラミド、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエ
ーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、フェノー
ル樹脂、フラン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
ウレタン、ケイ素樹脂、ABS樹脂、メタクリル樹脂、
アクリル酸エステル樹脂、ポリアセタール、ポリフェン
レンオキサイド等 (l)家庭電化製品の例:テレビジョン、ラジオ、テー
プレコーダー、オーディオ、CD、冷凍関係機器の冷蔵
庫、冷凍庫、エアコン、ジューサー、ミキサー、扇風機
の羽根、照明器具、文字盤、パーマ用ドライヤー等。 (m)スポーツ用品の例:スキー、釣竿、棒高跳び用の
ポール、ボート、ヨット、ジェットスキー、サーフボー
ド、ゴルフボール、ボーリングのボール、釣糸、魚網、
釣り浮き等。 (n)乗り物部品に適用する例: (1) ABS樹脂:ランプカバー、インストルメントパネ
ル、内装部品、オートバイのプロテクター (2) セルロースプラスチック:自動車のマーク、ハンド
ル (3) FRP(繊維強化樹脂):外板バンパー、エンジン
カバー (4) フェノール樹脂:ブレーキ (5) ポリアセタール:ワイパーギヤ、ガスバルブ、キャ
ブレター部品 (6) ポリアミド:ラジエータファン (7) ポリアリレート:方向指示レンズ、計器板レンズ、
リレーハウジング (8) ポリブチレンテレフタレート:リヤエンド、フロン
トフェンダ (9) ポリアミノビスマレイミド:エンジン部品、ギヤボ
ックス、ホイール、サスペンジョンドライブシステム (10)メタクリル樹脂はランプカバーレンズ、計器板とカ
バー、センターマーク (11)ポリプロピレンはバンパー (12)ポリフェニレンオキシド:ラジエーターグリル、ホ
イールキャップ (13)ポリウレタン:バンパー、フェンダー、インストル
メントパネル、ファン (14)不飽和ポリエステル樹脂:ボディ、燃料タンク、ヒ
ーターハウジング、計器板 (o)事務用品の例:万年筆、ボールペン、シャ−プペ
ンシル、筆入れ、バインダー、机、椅子、本棚、ラッ
ク、電話台、物差し、製図用具等。 (p)建材の例:屋根材、外壁材、内装材。屋根材とし
て窯瓦、スレート瓦、トタン(亜鉛メッキ鉄板)など。
外壁材としては木材(加工木材を含む)、モルタル、コ
ンクリート、窯業系サイジング、金属系サイジング、レ
ンガ、石材、プラスチック材料、アルミ等の金属材料な
ど。内装材としては木材(加工木材を含む)、アルミ等
の金属材料、プラスチック材料、紙、繊維など。 (q)石材の例:花コウ岩、大理石、みかげ石等。たと
えば建築物、建築材、芸術品、置物、風呂、墓石、記念
碑、門柱、石垣、歩道の敷石など。 (r)楽器および音響機器の例:打楽器、弦楽器、鍵盤
楽器、木管楽器、金管楽器などの楽器、およびマイクロ
ホン、スピーカなどの音響機器等。具体的には、ドラ
ム、シンバル、バイオリン、チェロ、ギター、琴、ピア
ノ、フルート、クラリネット、尺八、ホルンなどの打楽
器、弦楽器、鍵盤楽器、木管楽器、金管楽器などの楽
器、およびマイクロホン、スピーカ、イヤホーンなどの
音響機器。 (s)その他、魔法瓶、真空系機器、電力送電用碍子ま
たはスパークプラグ等の撥水撥油防汚効果の高い高耐電
圧性絶縁碍子等がある。
【0016】なお、プラスチックのような表面に活性水
素を持たない物質であれば、予め表面を酸素を含むプラ
ズマ雰囲気中で、例えば100Wで20分程度の処理、
若しくはコロナ処理して親水性化しておけばよい。もっ
とも、ポリアミド樹脂やポリウレタン樹脂の場合は、表
面にイミノ基(−NH)が存在しており、このイミノ基
(−NH)の水素(活性水素である)と化学界面活性剤
のクロロシリル基(−SiCl)とが脱塩化水素反応
し、シロキサン結合(−SiO−)を形成するので特に
表面処理を必要としない。
【0017】フロロカーボンクロロシラン系界面活性剤
としては、例えばCF3 (CF2 ) 7 (CH2 )2 Si
Cl3 、CF3 −(CF2 )n −(R)m −SiXp C
l3- p (nは0または1以上の整数、Rはアルキレン
基、ビニレン基、エチニレン基、シリコン若しくは酸素
原子を含む置換基、mは0又は1の整数、XはH原子、
アルキル基、アルコキシル基、含フッ素アルキル基又は
含フッ素アルコキシ基の置換基、pは0、1または2の
整数)で表されるような一端にCF3基を有し他端にS
iCl基を有する界面活性剤を用いると高密度な化学吸
着が行える。また上記以外に、以下のものがある。CF
3 (CF2)q(CH2 )r SiXp Cl3-p 、CF3
(CF2 )s O(CH2 )t SiXp Cl3-p 、CF3
(CF2 )u Si(CH3 )2 (CH2 )v SiXp C
l3-p 、CF3 COO(CH2 )w SiXp Cl
3-p(但し、好ましい範囲してrは1〜25、q、sは
0〜12、tは1〜20、uは0〜12、vは1〜2
0、wは1〜25) さらに、具体的な界面活性剤を挙げると以下のようなも
のがある。CF3 (CF2)5(CH2 )2SiCl3 、
CF3 (CF2 )2 Si(CH3 )2 (CH2 )15Si
Cl3 、CF3 (CF2 )7 Si(CH3 )2 (CH
2 )9 SiCl3 、CF3 COO(CH2 )15SiCl
3 また、フッ化炭素基と塩化炭素基を有する物質は実施例
1に示したもの以外に、CBr2ClCF3、CClF2
CF2CHFCl、CF3CF2CHCl2、CF3CBr
FCBrF2、CClF2CClFCF2CCl3、Cl
(CF2CFCl)2CF2CCl3、Cl(CF2CFC
l)2Cl、Cl(CF2CFCl)3Cl等が使用可能
である。
【0018】また非水系の溶媒としては、例えばパーフ
ルオロカーボン系の溶剤であるフロリナートPF508
0(3M社の商品名)、炭化水素系溶媒などが使用可能
である。パーフルオロカーボン系の溶剤はフッ化炭素基
と塩化炭素基を有する物質と特に相溶性が優れており、
フロロカーボン系の吸着膜の製造に特に優れた効果を発
揮する。
【0019】
【実施例】以下実施例1〜6を用いて本発明を詳細に説
明する。なお、以下の実施例においては、とくに記載し
ていない限り%は重量%を意味する。
【0020】(実施例1)図1は本実施例における単分
子膜状の化学吸着膜の製造工程を示したもので、基材表
面を分子レベルまで拡大した模式断面図である。
【0021】あらかじめ、窒素ガス中で、少なくとも一
端にクロロシラン基を有し他端にフッ化炭素基を有する
直鎖状分子からなるクロロシラン系界面活性剤として、
CF 3 (CF2 )7 (CH2 )2 SiCl3 (ヘプタデ
カフルオロデシルトリクロロシラン)を5%、フッ化炭
素基と塩化炭素基を有する物質として、CClF2CF2
CCl3(bp.112℃)を5%、非水系の溶媒とし
てパーフルオロカーボン系の溶剤であるフロリナートP
F5080(bp.104℃)を90%含む化学吸着液
を調製した。
【0022】次に、基材としてアルミニウム板1(サイ
ズ25mm×40mm×厚さ1mm)を用い、前記化学
吸着液に乾燥雰囲気(湿度20%)中に約1時間浸漬し
た。このとき、一般のアルミニウム板1の表面には多数
の親水性の−OH基2(このHは活性水素である)が露
出している(図(a))。クロロシラン系界面活性剤と
基材表面の−OH基で脱塩酸反応が進行して、基材表面
で下記式(化1)で示す結合が形成でき、クロロシラン
系界面活性剤が基材表面に共有結合を介して結合され
る。
【0023】
【化1】
【0024】そこで、前記と同様の乾燥雰囲気中で化学
吸着液から基材を取り出し、非水系有機溶媒であるフロ
リナートPF5080を用いて前記基材表面を良く洗浄
して基材表面に残った余分な前記基材と未反応の前記ク
ロロシラン系界面活性剤を洗浄除去した後水分を含む空
気中に基材を取り出し、基材表面に残ったクロロシラン
系界面活性剤のクロロシリル基と空気中の水分を反応さ
せると、基材表面で下記式(化2)で示す脱塩酸反応が
進行して、図1(b)に示したような単分子膜状のフロ
ロシラン系化学吸着単分子膜3(膜厚約1.0nm)が
ガラス基材表面に共有結合で固定された状態で製造でき
た。
【0025】
【化2】
【0026】この単分子膜は、碁番目剥離試験を行なっ
ても全く剥離することがなかった。また水およびヘキサ
デカンに対する接触角を測定するとそれぞれ118〜1
19度と96度であった。さらに、水で濡らした布巾で
5万回摩擦試験を行った後でも115〜116度と91
〜92度であり耐久性とともにばらつきも非常に少なか
った。
【0027】(実施例2)図2は本実施例におけるポリ
マー膜状の化学吸着膜の製造工程を示したもので、基材
表面にクロロシラン単分子膜を形成した段階を分子レベ
ルまで拡大した模式断面図である。
【0028】あらかじめ窒素ガス中で、少なくとも一端
にクロロシラン基を有し他端にフッ化炭素基を有する直
鎖状分子からなるクロロシラン系界面活性剤として、C
F3(CF2 )5 (CH2 )2 SiCl3(トリデカフル
オロオクチルトリクロロシラン)を3%、フッ化炭素基
と塩化炭素基を有する物質として、Cl(CF2CFC
l)2Cl(bp.133℃)を10%、非水系の溶媒
としてフロリナートPF5080(bp.104℃)を
87%含む化学吸着液を調製した。
【0029】次に、アクリル樹脂を透明部分として有す
るバックミラーを防汚性処理する目的で基材として用い
た。このとき、アクリル樹脂11の表面は撥水性であり
表面にほとんど活性水素を含まないので、あらかじめ表
面を酸素を含むプラズマ中で200W20分処理して表
面に水酸基12を導入して親水化した(図2(a))。
【0030】その後、窒素ガス雰囲気中で前記化学吸着
液を塗布し、室温でCl(CF2CFCl)2Clおよび
フロリナートPF5080を蒸発させた。このとき、C
l(CF2CFCl)2Clは沸点が133℃でありフロ
リナートPF5080は104℃であるので、先にフロ
リナートPF5080が蒸発して基材表面にはCl(C
F2CFCl)2Clに溶けた高濃度のCF3 (CF2 )
5 (CH2 )2 SiCl3が残り、さらに蒸発が進むと
CF3 (CF2 )5 (CH2 )2 SiCl3の塗膜が形
成される。
【0031】なお、このとき基材と吸着液の界面では実
施例1で示したのと同様の反応が進行してクロロシラン
系界面活性剤の一部が基材表面に固定される。そこで、
溶媒が全て蒸発した後、さらに未反応の前記クロロシラ
ン系界面活性剤が表面に残った基材を水分を含む空気中
に取り出して基材表面に残ったクロロシラン系界面活性
剤のクロロシリル基を空気中の水分と反応させると、基
材表面に固定されたクロロシラン系界面活性剤の未反応
のクロロシリル基および表面に残ったクロロシラン系界
面活性剤のクロロシリル基が同時に空気中の水分と反応
して脱塩酸反応が進行し、図2(b)に示したようなポ
リマー膜状のフッ化炭素系化学吸着膜13が約6nmの
厚みでアクリル基材表面に共有結合で固定された状態で
製造できた。
【0032】この単分子膜は、碁番目剥離試験を行なっ
ても全く剥離することがなかった。また水およびヘキサ
デカンに対する接触角を測定するとそれぞれ121〜1
22度と92〜93度であった。さらに、水で濡らした
布巾で5万回摩擦試験を行った後ではやや撥水性は劣化
したが108〜110度と85〜86度でありばらつき
も非常に少なかった。
【0033】さらに、本実施例のバックミラーを用いて
実使用を試みたが、表面のフッ素の溌水性の効果で水滴
の付着は全くなく、誤ってバックミラー面を毛髪で触っ
た場合を想定し整髪油を付着させたが、やはり表面に化
学吸着した単分子膜中の弗素の溌油性の効果で油は弾か
れ曇ることはなかった。
【0034】(実施例3)実施例1のアルミニウム基材
をガラスに変更し、ヘプタデカフルオロデシルトリクロ
ロシランをCF3 (CF2 )5 (CH2 )2 −SiCl
3(トリデカフルオロオクチルトリクロロシラン) に、
さらに、フロリナートPF5080をヘキサデカンに代
えて、実施例1と同様に実験をした。
【0035】(実施例4)実施例2のアクリル樹脂をポ
リプロピレン樹脂に、ヘプタデカフルオロオクチルトリ
クロロシランをパーフルオロドデシルトリクロロシラン
に代えて、実施例1と同様の実験をした。
【0036】(実施例5)実施例1のアルミニウム基材
をホーロー洗面器に代えて、実施例1と同様の実験をし
た。
【0037】(実施例6)実施例1のアルミニウム基材
をセラミックであるアルミナ基板に代えて、実施例1と
同様の実験をした。
【0038】(比較例1)実施例1において、フッ化炭
素基と塩化炭素基を有する物質であるCClF2CF2C
Cl3を除き他は同じ条件で実施例1と同様の実験をし
た。
【0039】(比較例2)実施例2において、フッ化炭
素基と塩化炭素基を有する物質であるCl(CF 2CF
Cl)2Clの代わりに、クロロホルムを同量添加して
他は同じ条件で実施例2と同様の実験をした。この場合
には、アクリル樹脂の表面が一部溶解されて白濁してし
まい、透過率が50%以下に低下し、且つ、すり硝子の
ように透明度が悪くなり、ミラーとしてはもはや機能し
なくなった。
【0040】以上の実施例1〜6、比較例1及び2の結
果をまとめて表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1から明らかなように、本発明の化学吸
着液を使用すれば、従来の化学吸着液を用いた比較例1
に比べ、耐久性には大きな違いがみられないが、ばらつ
きが少なく安定した被膜が形成できた。また、比較例2
のように基材がプラスチックで吸着試薬にクロロホルム
を添加した場合に比べて基板を全く損なうことがなかっ
た。
【0043】したがって、アクリル樹脂やポリカーボネ
ート樹脂を用いた光学部品の表面防汚処理には極めて有
効である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来の化学吸着液にフッ化炭素基と塩化炭素基を有する
物質を添加することにより、前面に亘り極薄で均一厚さ
であり、且つピンホールもなく(ピンホールフリー)非
常にばらつきの少ない耐久性に優れた単分子膜状または
ポリマー膜状の化学吸着膜を短時間に効率よく提供でき
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の基材表面を分子レベルま
で拡大した模式断面図であり、(a)は成膜前の基材、
(b)は成膜後の基材を示す。
【図2】 本発明の実施例2の基材表面にクロロシラン
単分子膜を形成した段階を分子レベルまで拡大した模式
断面図であり、(a)は成膜前の基材、(b)は成膜後
の基材を示す。
【符号の説明】
1、11 基材 2、12 OH基 3 フッ化炭素単分子膜 13 フッ化炭素ポリマー膜

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に活性水素基を含む基材の表面に単
    分子膜状の化学吸着膜を形成する方法において、一端に
    クロロシラン基を有し他端にフッ化炭素基を有する直鎖
    状分子からなるクロロシラン系界面活性剤とフッ化炭素
    基と塩化炭素基を有する物質と非水系の溶媒とを含む化
    学吸着液を前記基材表面に接触させることにより前記ク
    ロロシラン系界面活性剤と基材表面の活性水素基を反応
    させ、非水系有機溶媒を用いて前記基材上に残った未反
    応の前記クロロシラン系界面活性剤を洗浄除去し、残っ
    た前記クロロシラン系界面活性剤のクロルシリル基を水
    と反応させることを特徴とする化学吸着膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 表面に活性水素基を含む基材の表面に単
    分子膜状の化学吸着膜を形成する方法において、一端に
    クロロシラン基を有し他端にフッ化炭素基を有する直鎖
    状分子からなるクロロシラン系界面活性剤とフッ化炭素
    基と塩化炭素基を有する物質と非水系の溶媒とを含む化
    学吸着液を前記基材表面に接触させることにより前記ク
    ロロシラン系界面活性剤と基材表面の活性水素基を反応
    させ、前記フッ化炭素基と塩化炭素基を有する物質と非
    水系の溶媒を蒸発させ、前記基材表面に残った前記クロ
    ロシラン系界面活性剤のクロロシリル基を水と反応させ
    る工程とを含むことを特徴とするポリマー膜状の化学吸
    着膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 クロロシラン系界面活性剤が、CF3 −
    (CF2 )n −(R) m −SiXp Cl3-p (但し、n
    は0または1以上の整数、Rはアルキレン基、ビニレン
    基、エチニレン基、シリコン若しくは酸素原子を含む置
    換基、mは0又は1の整数、XはH原子、アルキル基、
    アルコキシル基、含フッ素アルキル基又は含フッ素アル
    コキシ基の置換基、pは0、1または2の整数)で示さ
    れる直鎖状分子である請求項1又は2に記載の化学吸着
    膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 フッ化炭素基と塩化炭素基を有する物質
    が、CBr2ClCF3、CClF2CF2CCl3、CC
    lF2CF2CHFCl、CF3CF2CHCl2、CF3C
    BrFCBrF2、CClF2CClFCF2CCl3、C
    l(CF2CFCl)2Cl、Cl(CF2CFCl)2C
    F2CCl3、Cl(CF2CFCl)3Clから選ばれる
    少なくとも一つである請求項1、2又は3に記載の化学
    吸着膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 基材として、金属、セラミックス及びガ
    ラスから選ばれる少なくとも一つを用いる請求項1〜4
    のいずれか1項に記載の化学吸着膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 基材として、予め表面を酸素を含むプラ
    ズマまたはコロナ雰囲気で処理して親水性化したプラス
    チックを用いる請求項1〜4のいずれか1項に記載の化
    学吸着膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 一端にクロロシラン基を有し他端にフッ
    化炭素基を有する直鎖状分子からなるクロロシラン系界
    面活性剤、フッ化炭素基と塩化炭素基を有する物質、及
    び非水系の溶媒を含む化学吸着液。
  8. 【請求項8】 クロロシラン系界面活性剤が、CF3 −
    (CF2 )n −(R) m −SiXp Cl3-p (但し、n
    は0または1以上の整数、Rはアルキレン基、ビニレン
    基、エチニレン基、シリコン若しくは酸素原子を含む置
    換基、mは0又は1の整数、XはH原子、アルキル基、
    アルコキシル基、含フッ素アルキル基又は含フッ素アル
    コキシ基の置換基、pは0、1または2の整数)で示さ
    れる直鎖状分子である請求項7に記載の化学吸着液。
  9. 【請求項9】 フッ化炭素基と塩化炭素基を有する物質
    が、CBr2ClCF3、CClF2CF2CCl3、CC
    lF2CF2CHFCl、CF3CF2CHCl2、CF3C
    BrFCBrF2、CClF2CClFCF2CCl3、C
    l(CF2CFCl)2Cl、Cl(CF2CFCl)2C
    F2CCl3、Cl(CF2CFCl)3Clから選ばれる
    少なくとも一つである請求項7又は8に記載の化学吸着
    液。
  10. 【請求項10】 非水系の溶媒がパーフルオロカーボン
    系の溶剤である請求項7、8又は9に記載の化学吸着
    液。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003065456A (ja) * 2001-08-23 2003-03-05 Toyota Motor Corp 電磁駆動弁
US10359697B2 (en) 2015-08-04 2019-07-23 Toshiba Memory Corporation Imprinting template substrate, method for manufacturing the same, imprinting template substrate manufacturing apparatus, and method for manufacturing semiconductor apparatus
US10816896B2 (en) 2015-08-04 2020-10-27 Toshiba Memory Corporation Method for manufacturing imprinting template substrate, imprinting template substrate, imprinting template, and method for manufacturing semiconductor apparatus

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