JPH09313583A - 脱臭材及び脱臭方法 - Google Patents

脱臭材及び脱臭方法

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JPH09313583A
JPH09313583A JP8160835A JP16083596A JPH09313583A JP H09313583 A JPH09313583 A JP H09313583A JP 8160835 A JP8160835 A JP 8160835A JP 16083596 A JP16083596 A JP 16083596A JP H09313583 A JPH09313583 A JP H09313583A
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Japan
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acid
deodorizing
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gas
basic substance
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JP8160835A
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English (en)
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Mitsumasa Horii
満正 堀井
Seiji Onoda
誠次 小野田
Hideki Ono
秀樹 大野
Yoshio Matsuo
美穂 松尾
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩基性物質の酸塩,塩基性ガスに対して優れ
た脱臭性能を有する脱臭材及び脱臭方法を提供するこ
と。 【解決手段】 ハメットの酸度関数が−4.4より負に
大きな酸を基材に添着してなる。基材は,無機若しくは
有機の多孔性材料,微粒子材料又はゲル材料であること
が好ましい。酸は,不揮発性又は低揮発性の酸であるこ
と,又は基材の表面官能基と化学結合していることが好
ましい。基材は多孔性材料であり,該基材の細孔内には
上記酸が充填されていることが好ましい。また,塩基性
物質の酸塩を含むガスに対し,該酸塩の酸よりもハメッ
トの酸度関数が負に大きい酸を基材に添着してなる脱臭
材を接触させて,上記ガス中より上記塩基性物質の酸塩
を除去する脱臭方法がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,脱臭材及び脱臭方法に関し,特
に生活空間等において発生する低濃度レベルの悪臭を除
去できる,脱臭材及び脱臭方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来より,各種の臭気は,吸着剤に吸着さ
せて脱臭していた。吸着剤としては,活性炭やゼオライ
ト,イオン交換樹脂等が用いられていた。通常,臭気ガ
スは湿分と共存している場合が多い。更に,室内等の居
住生活空間で問題となる悪臭は,湿分を含む空気中に,
種々の成分がppm又はppbオーダーの極く低い濃度
で共存する場合が多い。
【0003】そのため,吸着剤としては,従来,シリカ
ゲル,活性アルミナ,合成ゼオライト等のような親水性
吸着剤よりも活性炭等の疎水性吸着剤が用いられること
が多かった。この際,活性炭単独では全ての臭気成分を
選択的に吸着除去できず,除去速度,除去容量も不十分
となる場合がある。
【0004】そこで,吸着剤に種々の薬品を担持して吸
着性能を改良することが提案されている。例えば,特開
昭59−151963号公報には,活性炭に対して10
〜20重量%のクエン酸又はクエン酸にその担持量の
0.5等量以下の該酸アルカリ金属塩を吸着担持させて
なる冷蔵庫用脱臭剤が示されている。この脱臭剤は,
酸,塩基の中和反応を利用したものであり,アンモニ
ア,アミン等の塩基性ガスを含有する悪臭に対し脱臭効
果を奏するといわれている。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,住居,オフィ
ス,車等の閉鎖居住空間では,塩基性ガスは,塩基性ガ
ス単独ではなく,酸性ガスや中和ガスと混在して発生す
る場合が多い。また,塩基性ガスは,酸性ガスと中和あ
るいは付加等の反応して塩として存在することも多い。
【0006】あるいは種々の構成材料からガスが発生す
る際に,塩基性ガスが酸性物質を含む材料と接触して,
脱酸反応により塩基性物質の塩がガス中に生成する。ま
た,酸性ガスが塩基性物質を含む材料と接触して塩基性
物質の塩がガス中に生成することがある。こうした塩類
に対して,上記脱臭剤は,未だ,十分な除去効果を発揮
しているとは言えない。更に,上記脱臭材は,塩基性ガ
スに対しても脱臭性能が十分とは言えない。
【0007】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,塩基
性物質の酸塩,塩基性ガスに対して優れた脱臭性能を有
する脱臭材及び脱臭方法を提供しようとするものであ
る。
【0008】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,ハメットの酸度
関数が−4.4より負に大きな酸を基材に添着してなる
ことを特徴とする脱臭材である。
【0009】上記ハメットの酸度関数とは,塩基又は溶
媒メディアに対する酸のプロトン供与性度を表す尺度を
いい,ブレンステッド酸の触媒活性,反応活性を定量的
に考察できる。上記ハメットの酸度関数は,ニトロアニ
リン系中性塩基を用いて,水溶液中の酸の酸度関数を測
定したものである。水溶液中の酸度関数は高濃度の強酸
ほど負(マイナス)に大きい。
【0010】上記酸は,ハメットの酸度関数が−(マイ
ナス)4.4より負に大きい。−4.4より負に大きく
ない場合には,脱臭性能,特に塩基性物質の酸塩の除去
効率が低下するおそれがある。また,ハメットの酸度関
数の負の上限は,特に限定されないが,添着時あるいは
使用時の取扱い性の面から,−21とすることが好まし
い。
【0011】本発明の脱臭材においては,ハメットの酸
度関数が−4.4より負に大きい酸を基材に添着したも
のである。そのため,脱臭性能に優れている。特に,塩
基性物質,及びその酸塩に対する除去性能に優れてい
る。このため,塩基性物質の酸塩が発生し易い住宅,オ
フィス,車等の閉鎖居住空間において,優れた脱臭性能
を発揮できる。
【0012】ここに,塩基性物質の塩とは,上記塩基性
物質が酸,アルデヒド類,硫化水素,及びメルカプタン
類,スルフィド類,ジスルフィド類等の硫黄化合物等の
酸性物質と中和反応した化合物,あるいは上記有機塩基
と酸との付加化合物などをいう。
【0013】上記塩基性物質の酸塩の中でも,トリエチ
レンジアミン,テトラメチルヘキサンジアミン,ジメチ
ルエタノールアミン,メチルモルホリン,ジメチルアミ
ノモルホリン等のアミンの塩酸塩,酢酸塩,各種カルボ
ン酸塩,アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドア
ンモニア,塩化アンモニウム等に対する除去効率が高
い。
【0014】また,塩基性物質とは,酸と中和反応,付
加反応などをおこす物質をいう。また,プロトンを受容
できるブレンステッド塩基又は電子対を供与するルイス
塩基をもいう。上記塩基性物質の中でも,アルカリ金属
やアルカリ土金属の水酸化物,アミノ基を有するアンモ
ニア,アミン類,アルカロイド等の含窒素化合物などに
対して,顕著な除去性能を発揮する。アミン類として
は,たとえば,メチルアミン,エチルアミン等のアルキ
ルアミン,ジメチルアミン,ジエチルアミン,メチルエ
チルアミン等のジアルキルアミン,トリエチルアミン等
のトリアルキルアミン,ヒドラジン,メチレンジアミ
ン,トリエチレンジアミン,テトラメチルヘキサンジア
ミン等のアルキレンジアミン,ヒドロキシルアミン,メ
タノールアミン,エタノールアミン,ジエタノールアミ
ン,ジメチルエタノールアミン等のヒドロキシアルキル
アミン,メチルモルホリン,ジメチルアミノモルホリン
等の含窒素化合物等に対する除去効率が高い。
【0015】本発明の脱臭材と被処理ガスとの接触形態
は,様々である。例えば,屋内,車内等の閉鎖空間内に
脱臭材を静置し,自然対流,拡散などで被処理ガスを脱
臭材に接触させ,吸着,除去できる。また,被処理ガス
が発生する部材表面に脱臭材を置き,接触効率を高める
こともできる。さらに,ファン等を用いて被処理ガスを
強制的に脱臭材と接触させると,より効果的に除去でき
る。
【0016】次に,ハメットの酸度関数が−4.4の酸
としては,例えば38%濃塩酸がある。ハメットの酸度
関数が−4.4より負に大きい酸としては,無機酸では
発煙硫酸,フルオロ硫酸,硫酸,硝酸,過塩素酸,五フ
ッ化アンチモン等のフッ素置換したプロトン酸やルイス
酸の単独又は混合物である超強酸,有機酸ではフルオロ
酢酸等がある。これらの酸のなかでは,硫酸,超強酸な
どハメットの酸度関数が−4.4より負に大きな酸ほど
塩基性非塩類ガス並びに塩基性塩類ガスを強力かつ早く
吸着除去できるので好ましい。
【0017】上記酸は,特に限定されないが,例えば,
ブレンステッド酸を用いることができる。ブレンステッ
ド酸は,無機酸又は有機酸のいずれでもよい。無機酸と
しては,例えば,発煙硫酸,フルオロ硫酸,硫酸,塩
酸,硝酸,フッ酸,リン酸,ホウ酸,過塩素酸,五フッ
化アンチモン等のフッ素置換したプロトン酸やルイス酸
の単独あるいは混合物である超強酸を用いる。
【0018】有機酸としては,例えば,ギ酸,クエン
酸,コハク酸,酢酸,シュウ酸,フマール酸,マレイン
酸,リンゴ酸,乳酸等の脂肪族カルボン酸類及び,安息
香酸,ケイ皮酸,トリメリット酸,フタール酸,トルイ
ル酸,フタロン酸等の芳香族カルボン酸類及び,o−ア
ミノベンゼンスルホン酸,クロルベンゼンスルホン酸,
ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類及び,アビエ
チン酸,カルミン酸,コール酸,尿酸等及び,フルオロ
酢酸等のフッ素置換した有機酸を用いる。上記有機酸又
は無機酸は単独で用いてもよいが,また2種類以上を併
用してもよい。また,ルイス酸と混合して用いてもよ
い。
【0019】基材への酸の添着量は,適宜選択できる
が,より好ましくは3〜30重量%である。3重量%未
満の場合には,脱臭効率が低下するおそれがある。逆
に,30重量%を越える場合には,酸の添着が困難とな
るおそれがあると共に,基材の比表面積が低下すること
もあり,脱臭効率が低下するおそれがある。
【0020】基材への酸の添着方法は,特に限定されな
いが,居住空間での使用を考えると,添着した酸の揮発
がなく,更に吸着除去した塩基性物質の再放出を抑制す
るために,添着した酸を基材表面に固定化することが好
ましい。次に,請求項2の発明のように,上記酸は,不
揮発性又は低揮発性の酸であることが好ましい。これに
より,吸着した塩基性物質の再放出が抑制される。ま
た,酸自体の揮発や塩基性物質との反応生成物の揮発を
防止できる。
【0021】上記不揮発性又は低揮発性の酸としては,
例えば,硫酸,リン酸,ホウ酸,硝酸,シュウ酸,クエ
ン酸等の蒸気圧が低い酸を用いる。不揮発性酸又は低揮
発性の酸を基材に添着する方法としては,特に限定され
ないが,例えば,酸溶液を散布,含浸,浸漬し,必要に
応じて乾燥又は焼成する方法,又は添着の際基材を減圧
又は真空脱気してもよい。
【0022】また,上記請求項2と同様の理由により,
上記酸が揮発性である場合には,例えば,請求項3の発
明のように,上記酸は,基材の表面官能基と化学結合し
ていることが好ましい。酸が揮発性である場合には,例
えば,基材の表面官能基と,水素結合又は電荷移動錯体
又は吸着錯体を形成させたり,ポリアルキレノキシドシ
ラノール誘導体,シランカップリング剤等の固定化剤を
用いて基材に化学結合させることが好ましい。また,上
記請求項2と同様の理由により,請求項4の発明のよう
に,上記基材は多孔性材料であり,該基材の細孔内には
上記酸が充填されていることが好ましい。
【0023】基材が微細孔,特に直径2nm以下のマイ
クロ孔を持つ場合には,酸を添着するに当たって,例え
ば,酸溶液を散布,含浸あるいは浸漬し,必要に応じて
乾燥または焼成しても良く,また,添着の際,基材を減
圧あるいは真空脱気するなどの通常の添着方法を用いる
ことができる。その理由は,基材と酸との間で分子間力
が三次元的に働き,強固に吸着する。これにより,ミク
ロポアフィリングがおき,揮発性の酸でも揮発しにくく
なるためである。
【0024】また,請求項5の発明のように,上記基材
は,無機若しくは有機の多孔性材料,微粒子材料又はゲ
ル材料であることが好ましい。これにより,臭気成分と
の接触面積が大きくなり,脱臭容量が増加して,脱臭効
果が高くなる。
【0025】上記多孔性材料とは,細孔を有する物質を
いう。物質表面には様々な凹凸が形成されているが,本
発明においては,凹部の深さが凹部の直径よりも大きい
ものを細孔という。細孔には,規則的構造をもつ細孔と
無秩序な細孔とがある。また,細孔の三次元的な分布は
種々異なる。例えば,天然,合成ゼオライトのような三
次元的な細孔や,粘土及び粘土鉱物,黒鉛のような二次
元層状構造,電解酸化により生成したアルミナのように
蜂の巣状の一次元的な細孔などがあるが,これらに限定
されない。
【0026】多孔性材料には,砂岩のような水成岩,軽
石のような火山岩や火山灰またはこれらが変化したも
の,粘土,木材,合成建材,瓦,煉瓦等の建築材料,無
機系又は有機系の断熱保温材,天然繊維又は合成繊維あ
るいはこれらの織布又は不織布,セピオライト,天然ゼ
オライト,バーミキュライト等の粘土鉱物,木炭,活性
炭,黒鉛等の炭素材料,発泡樹脂,金属又は金属酸化物
の多孔質体等を用いる。
【0027】多孔性材料のIUPACで分類される細孔
直径が2nm以下のマイクロ孔,又は前記細孔直径が2
〜50nmのメソ孔を有することが好ましい。上記多孔
質材料は,細孔直径が50nmを超えるマクロ孔を一部
に含んでいても良いが,かかるマクロ孔のみの場合には
比表面積が低いため,脱臭効果が不十分となるおそれが
ある。
【0028】また,多孔性材料の比表面積は50m2
g以上であることが好ましい。これにより,基材の比表
面積が大きくなり,臭気成分を含むガスとの接触面積が
大きくなり,脱臭効率が向上する。更に,大量の酸を担
持できるため,脱臭容量が大きく脱臭効率が高い。
【0029】無機の多孔性材料としては,例えば,天然
ゼオライト,A型,X型,Y型,モルデナイト,ZSM
−5等の合成ゼオライト,セピオライト,パリゴルスカ
イト,バーミキュライト等の粘土鉱物,珪藻土,抗火
石,麦飯石,クリストバル石,酸性白土,鉄多孔体等を
用いる。また,有機の多孔性材料としては,例えば,粒
状,微粉状,繊維状等の各種活性炭,木炭,骨炭,膨潤
黒鉛等の各種炭化物,ポーラス型イオン交換樹脂等を用
いる。
【0030】また,上記微粒子材料とは,細孔を持たな
い数10nm〜数μmの微粒子及びその二次凝集体など
をいう。かかる微粒子材料としては,比表面積が50m
2 /g以上のものを用いることが好ましい。比表面積が
50m2 /g以上の場合には,基材の表面積が大きいこ
とから臭気物質を含むガスとの接触面積が大きく,脱臭
効率が高くなる。更に,酸の担持量が増加するため,除
去容量が大きく,脱臭効率が高い。
【0031】上記微粒子材料としては,例えば,酸性白
土(モンモリロナイト),微粉珪酸(ホワイトカーボ
ン),シリカアルミナ微粉,微粉末ケイ酸,ケイ酸アル
ミニウム,アルミノシリケート,ブラックカーボン等が
あり,これらを単独又は2種以上を混合して用いる。
【0032】上記ゲル材料とは,その粒子系が一般にサ
ブミクロンであるコロイド状微粒子の三次元凝集体をい
う。ゲル材料の比表面積は50m2 /g以上の場合に
は,臭気物質を含むガスとの接触面積が大きく,脱臭効
率が高くなり,更には,酸の担持量が増加するため,除
去容量が大きく,脱臭効率が高い。
【0033】無機のゲル材料としては,例えば,シリカ
ゲル,活性ケイ酸ゲル,アルミナゲル,シリカアルミナ
ゲル,セメント等を用いる。有機のゲル材料としては,
例えば,ポリメタクリル酸メチル系ミクロゲル,ポリス
チレン系ミクロゲル,ポリビニルピリジン系ミクロゲル
等,ゲル型各種イオン交換樹脂等を用いる。
【0034】本発明の脱臭材は,必要に応じて成形して
使用する。成形する手段は,どのようなものでもよい
が,押出成形,打錠成形,転動造粒,圧縮成形などが好
ましい。成形した脱臭材の形状は,使用箇所,方法に応
じて適宜選択でき,例えば,円柱状,破砕状,球状,ハ
ニカム状,凹凸状,波板状などがあげられる。
【0035】特に,ファン等で悪臭ガスを脱臭材に接触
させ吸着除去する場合には,脱臭材は,編み目状,波板
状等に成形して,フィルター又はハニカム状フィルター
として用いることが好ましい。なお,成形時に,でんぷ
ん,リグニン,ふのりなどの天然高分子,セルロースエ
ーテル又はその誘導体,ポリエーテル樹脂,アクリル樹
脂,ステアリン酸,ポリビニルアルコール樹脂等の合成
樹脂などを添加してもよい。
【0036】本発明の脱臭材は,閉鎖居住空間で使用す
ると特に効果があるため,使用時に脱臭材から微粒粉が
浮遊しないように対策をとることが好ましい。この対策
としては,例えば,バインダーを用いて脱臭材を成形し
たり,細かなメッシュ袋に脱臭材を詰めて用いることが
好ましい。また,ファン等で悪臭ガスを脱臭材に接触さ
せ吸着除去する場合には,除塵フィルタ等と組み合わせ
て使用するか,又は脱臭材をバインダー等で表皮等に塗
布して固定化することが好ましい。
【0037】また,本発明の脱臭材には,酸の他に,悪
臭成分と反応して臭気を低減する試薬を単独あるいは2
種類以上を混合して添着してもよい。かかる試薬として
は,例えば,亜鉛,銅,鉄,マンガン,ニッケル等の金
属塩,水酸化ナトリウム,水酸化第二鉄等のアルカリ金
属塩,過酸化物,ヨウ素,ヨウ素化合物,植物抽出油な
ど,各種の消臭剤がある。また,本発明の脱臭材には,
その特性を損なわない範囲で,他の添加剤を添加しても
よい。
【0038】次に,請求項6の発明は,塩基性物質の酸
塩を含むガスに対し,該酸塩の酸よりもハメットの酸度
関数が負に大きい酸を基材に添着してなる脱臭材を接触
させて,上記ガス中より上記塩基性物質の酸塩を除去す
ることを特徴とする脱臭方法である。
【0039】この脱臭方法は,被処理ガスに含まれる酸
塩の酸よりもハメットの酸度関数が負に大きい酸を基材
に添着している。そのため,被処理ガス中より塩基性物
質の酸塩を確実に吸着,除去できる。
【0040】この脱臭方法における脱臭メカニズムは,
以下によるものと考えられる。単なる塩基性物質はどの
ような酸によっても,酸−塩基結合(中和反応)等の化
学吸着によりトラップされる。しかし,塩基性物質の酸
塩は,既に酸と結合しているため,酸−塩基結合(中和
反応)によってはトラップできない。
【0041】そこで,本発明の脱臭材においては,塩基
性物質の酸塩における酸部分が,相対的に弱い酸から相
対的に強い酸に交換されるという交換反応がおこると考
えられる。相対的に強い酸が脱臭材に固定されていれ
ば,結果的に酸塩の形態の塩基性物質は脱臭材にトラッ
プされる。また,本発明の脱臭材のうち多孔性材料を基
材とするものは,被処理ガスを化学的に吸着するだけで
はなく,物理的にも吸着する。以上により,本発明の脱
臭材は,塩基性物質の酸塩を高い効率で吸着,除去する
ものと考えられる。
【0042】上記請求項6の発明において,基材に添着
された酸としては,請求項7の発明のように,上記基材
に添着された酸は,不揮発性又は低揮発性の酸であるこ
とが好ましい。その理由は,請求項2の発明と同様であ
る。また,基材に添着された酸は,請求項8の発明のよ
うに,基材の表面官能基と化学結合していることが好ま
しい。その理由は,請求項3の発明と同様である。
【0043】また,請求項9の発明のように,多孔性材
料であり,該基材の細孔内には上記酸が充填されている
ことが好ましい。その理由は,請求項4の発明と同様で
ある。また,請求項10の発明のように,上記基材は,
無機若しくは有機の多孔性材料,微粒子材料又はゲル材
料であることが好ましい。その理由は,請求項5と同様
である。
【0044】また,請求項11の発明のように,上記脱
臭方法は,閉鎖空間内で行なうことが好ましい。これに
より,塩基性物質,及びその酸塩に対して最も高い脱臭
効果を発揮することができる。なお,請求項6の発明に
おいて,その他の点についても,請求項1の発明と同様
のものを用いることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる脱臭材について説明する。
本例の脱臭材は,ハメットの酸度関数が−(マイナス)
11.9である硫酸を基材に添着したものである。基材
としては,活性炭を用いる。
【0046】次に,上記脱臭材の製造方法について説明
する。まず,椰子殻を原料とした粒度32〜60メッシ
ュの破砕活性炭20gに対し,2gの硫酸(ハメットの
酸度関数:−11.9)を25mlのイオン交換水に溶
解した。この水溶液を,攪拌して,活性炭に硫酸を均一
に含浸させた。室温で10時間自然乾燥させた後,熱風
式乾燥機を用いて105℃で2時間乾燥させた。これに
より,上記脱臭材を得た。この脱臭材の比表面積を,窒
素流通式BET1点法により測定し,その結果を表1に
示した。
【0047】上記脱臭材3mgを100mlのヘッドス
ペースボトルの底に入れた。次に,トリエチレンジアミ
ン(TEDA)2mgと2N塩酸10μlとを,それぞ
れ脱臭材と接触しないように上記ヘッドスペースボトル
に入れて密封した。このヘッドスペースボトルを80℃
の恒温槽に入れ,トリエチレンジアミンと塩酸(濃塩酸
でハメットの酸度関数:−4.4)を気化させてトリエ
チレンジアミンの塩酸塩を発生させた。40分後,脱臭
材によるアミン除去率を検出器FTDのガスクロマトグ
ラフで測定した。測定結果を表1に示した。
【0048】なお,脱臭材によるアミン除去率は,ヘッ
ドスペースボトルに,脱臭材を入れることなく,トリエ
チレンジアミン2mg及び2N塩酸10μlだけを入れ
て,同様に測定して得たガスクロマトグラフのアミン除
去率のピーク面積比から算出した。そして,この測定方
法においては,トリエチレンジアミンに対して大過剰の
塩酸を反応させているため,トリエチレンジアミンの全
量が塩酸塩になっている。そのため,「アミンの除去
率」は「アミンの酸塩の除去率」を意味する。
【0049】次に,図1に示す流通式アミン除去試験を
行った。即ち,まず,60℃の恒温槽7内で,1mlの
脱臭材1を内径10mmの石英ガラス管2に充填した。
アミン発生源としてトリエチレンジアミン(TEDA)
及びN,N,N’,N’,−テトラメチル−1,6−ヘ
キサンジアミン(TMHDA)を,塩素源としてトリス
(2−クロロエチル)フォスフェート(TCEP)を,
それぞれ15mlずつガス吸収洗滌瓶31,32,33
に入れ,それぞれ50ml/分,100ml/分,20
0ml/分の空気をバブリングさせた。
【0050】これにより発生した混合ガスを,脱臭材1
を充填した石英ガラス管2に通過させ,入りガス濃度と
出ガス濃度とを検出器FTDのガスクロマトグラフで測
定した。なお,図1において,符号5は,ガス吸収洗滌
瓶31,32,33空気を送入する際の流量計を示す。
そして,以下の式により,脱臭材によるアミン除去率を
算出し,測定結果を図2,図3に示した。 アミン除去率=100×(入りガス濃度−出ガス濃度)
÷入りガス濃度
【0051】比較例1 本例の脱臭材は,実施形態例1で用いた活性炭である。
上記脱臭材を製造するに当たっては,実施形態例1で用
いた椰子殻を原料として準備した。この椰子殻を粒度3
2〜60メッシュの破砕活性炭を熱風式乾燥機を用いて
105℃で2時間乾燥させた。これにより,本例の脱臭
材を得た。
【0052】この脱臭材の比表面積は,窒素流通式BE
T1点法により測定した。また,実施形態例1と同様の
試験により,本例の脱臭材によるアミン除去率を測定し
た。これらの測定結果を表1に示した。また,上記脱臭
材について流通式アミン除去試験を行い,その測定結果
を図2,図3に示した。
【0053】比較例2 本例の脱臭材は,実施形態例1で用いた硫酸の代わり
に,ギ酸(ハメットの酸度関数:−2)を基材に添着し
たものである。その他は,実施形態例1と同様である。
本例の脱臭材について,実施形態例1と同様にして,比
表面積とアミン除去率とを測定し,その結果を表1に示
した。
【0054】実施形態例2 本例の脱臭材は,実施形態例1で用いた活性炭の代わり
に,粒度32〜60メッシュの破砕シリカゲルを用いた
ものである。その他は,実施形態例1と同様である。本
例の脱臭材について,実施形態例1と同様に流通式アミ
ン除去試験を行い,その結果を図2,図3に示した。
【0055】
【表1】
【0056】次に,上記実施形態例1,2についての各
種の測定結果について考察する。まず,表1より知られ
るように,実施形態例1の脱臭材は,比較例1,2に比
べて,比表面積は小さいにもかかわらず,アミン除去率
が高かった。このことから,実施形態例1の脱臭材は,
優れたアミン除去性能を有することがわかる。
【0057】次に,図2,図3より知られるように,塩
基性物質であるTEDAの除去率は,実施形態例1,2
の脱臭材は,比較例1に比べて高かった。また,図3に
示すごとく,塩基性物質であるTMHDAの除去率につ
いても,実施形態例1,2の脱臭材は,比較例1に比べ
て著しく高かった。これらのことから,本例の脱臭材
は,塩基性物質であるアミンに対して高い除去効果があ
り,優れた脱臭性能を有することがわかる。
【0058】実施形態例3 本例の脱臭材は,実施形態例1で用いた活性炭に代え
て,粒度8〜20メッシュの破砕活性炭を用いた。この
脱臭材を製造するに当たっては,破砕活性炭200gに
対し,20gの硫酸(ハメットの酸度関数:−11.
9)を220mlのイオン交換水に溶解した。この水溶
液を攪拌して,破砕活性炭に硫酸を均一に含浸させた。
この破砕活性炭を室温で10時間自然乾燥させた後,熱
風式乾燥機を用いて105℃で2時間乾燥させた。これ
により,本例の脱臭材を得た。
【0059】得られた脱臭材について比表面積を測定
し,その結果を表2に示した。また,脱臭材を100g
ずつ60メッシュ袋に詰め,自動車(2000ccセダ
ン)の後部パッケージトレイ上に2袋置いた。この自動
車を夏の晴天下に半日置き,車内のアミン濃度をガス検
知管で測定した。
【0060】この夏の晴天下での車室内には,塩基性ガ
スと酸性ガス等が同時に存在するため,塩基性ガスの一
部は中和又は付加等の反応により塩基性ガスの酸塩とし
て存在していると考えられる。そのため,車室内のアミ
ン濃度は,アミン及びその酸塩の濃度を意味するものと
考えられる。なお,比較のために,車室内に本例の脱臭
材を置かない場合の,車室内のアミン濃度を測定した。
【0061】これらの測定結果を表2に示した。同表よ
り知られるように,本例の脱臭材を車室内に置くことに
より,顕著な効果がみられた。このことから,実使用レ
ベルにおいても,本例の脱臭材は,優れた脱臭効果を発
揮することがわかる。
【0062】
【表2】
【0063】
【発明の効果】本発明によれば,塩基性物質の酸塩,塩
基性ガスに対して優れた脱臭性能を有する脱臭材及び脱
臭方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,流通式アミン除去試験
を示す説明図。
【図2】実施形態例1,2及び比較例の脱臭材におけ
る,TEDAの除去率を示す線図。
【図3】実施形態例1,2及び比較例の脱臭材におけ
る,TMHDAの除去率を示す線図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野田 誠次 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 大野 秀樹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 松尾 美穂 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハメットの酸度関数が−4.4より負に
    大きな酸を基材に添着してなることを特徴とする脱臭
    材。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記酸は,不揮発性
    又は低揮発性の酸であることを特徴とする脱臭材。
  3. 【請求項3】 請求項1において,上記酸は,基材の表
    面官能基と化学結合していることを特徴とする脱臭材。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,
    上記基材は多孔性材料であり,該基材の細孔内には上記
    酸が充填されていることを特徴とする脱臭材。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか一項において,
    上記基材は,無機若しくは有機の多孔性材料,微粒子材
    料又はゲル材料であることを特徴とする脱臭材。
  6. 【請求項6】 塩基性物質の酸塩を含むガスに対し,該
    酸塩の酸よりもハメットの酸度関数が負に大きい酸を基
    材に添着してなる脱臭材を接触させて,上記ガス中より
    上記塩基性物質の酸塩を除去することを特徴とする脱臭
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において,上記基材に添着され
    た酸は,不揮発性又は低揮発性の酸であることを特徴と
    する脱臭方法。
  8. 【請求項8】 請求項6において,上記基材に添着され
    た酸は,基材の表面官能基と化学結合していることを特
    徴とする脱臭方法。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8のいずれか一項において,
    上記基材は多孔性材料であり,該基材の細孔内には上記
    酸が充填されていることを特徴とする脱臭方法。
  10. 【請求項10】 請求項6〜8のいずれか一項におい
    て,上記基材は,無機若しくは有機の多孔性材料,微粒
    子材料又はゲル材料であることを特徴とする脱臭方法。
  11. 【請求項11】 請求項6〜10のいずれか一項におい
    て,上記脱臭方法は,閉鎖空間内で行なうことを特徴と
    する脱臭方法。
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