JPH0931371A - 塗料組成物、塗装板および装飾性塗装板の製造方法 - Google Patents

塗料組成物、塗装板および装飾性塗装板の製造方法

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JPH0931371A
JPH0931371A JP7207595A JP20759595A JPH0931371A JP H0931371 A JPH0931371 A JP H0931371A JP 7207595 A JP7207595 A JP 7207595A JP 20759595 A JP20759595 A JP 20759595A JP H0931371 A JPH0931371 A JP H0931371A
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Japan
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coating
coating film
expandable particles
heat
coating composition
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JP7207595A
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Inventor
Yoshiki Ikenaga
良樹 池永
Hiromitsu Sakuma
弘充 佐久間
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特性性状の異なる熱膨張性粒子を含有する塗
料組成物、該塗料組成物を用いて形成された装飾性また
は制振・消音性に優れた塗装板、および前記塗料組成物
を用いた装飾性塗装板の製造方法を提供する。 【解決手段】 塗料成分に、平均粒子径が2〜6倍の範
囲で異なる平均粒子径または/および熱膨張温度が20
〜50℃の範囲で異なる熱膨張性粒子を有する少なくと
も2種類の熱膨張性粒子を含有する塗料組成物。装飾塗
装板の製造方法は、基材面に下層塗膜を形成した後、も
しくは基材面に直接に上記の塗料組成物を塗布して最上
層の塗膜を形成し、焼付け後、加圧処理して熱膨張した
熱膨張性粒子を部分的に破裂させ、破裂部位に平坦凹部
を形成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、特定性状を有する
少なくとも2種類の発泡性熱膨張性粒子を含有する塗料
組成物、該塗料組成物を用いて形成された装飾性または
制振・消音性に優れた塗装板、および前記塗料組成物を
用いた装飾性塗装板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塗料等による被覆面に立体的な凹
凸模様を形成したり、被覆層に断熱性を付与するため、
被覆材中に発泡性の熱膨張性粒子を分散させる方法が知
られている。この熱膨張性粒子は、熱可塑性樹脂の殻内
に有機性の発泡成分を内包させた微小球状のマイクロカ
プセルで、加熱により容易に発泡して熱膨張する特性を
備えるため、塗料等に含有させた場合には焼付け加熱段
階で発泡膨潤して立体的な凹凸模様を発現することがで
きる。
【0003】例えば特開昭56−30473号公報に
は、熱によって膨張する膨張性微小球と被膜形成成分を
含有させた被覆組成物と、該被覆組成物を基材面に塗布
したのち部分的に加熱して立体模様を形成する方法が開
示されている。特開昭62−39674号公報には、熱
可塑性樹脂をビヒクルとし、これに顔料、体質材、溶剤
等を配合してなる塗料組成物に対して熱膨張性マイクロ
カプセルを特定量配合した断熱性模様塗料組成物が開示
され、断熱性および意匠性に優れる塗膜を形成してい
る。特開平2−303573号公報には、熱膨張性マイ
クロカプセルを該マイクロカプセルの発泡温度より低い
温度で硬化可能な塗料に分散させ、基材の全面もしくは
一部に塗布、硬化させ、その後さらに上塗り塗料を塗布
し、前記マイクロカプセルの発泡温度以上の温度に加熱
する凹凸模様の塗膜形成方法が提案されている。
【0004】特公平7−32894号公報には、熱硬化
型樹脂の硬化温度より低い温度で殻壁が軟化する熱膨張
性マイクロカプセルを塗料(固型分70%) に対して5〜
30重量%配合した熱硬化型塗料を用いて木目状に塗装
する工程と、次いで焼付け工程においてマイクロカプセ
ルを膨張破裂させて塗膜を硬化させる木質感を有する塗
膜の形成方法が開示されている。また特公平7−593
14号公報には、基材面に熱可塑性樹脂層を設けてな
り、該熱可塑性樹脂層中にはカプセル発泡剤が内添さ
れ、熱可塑性樹脂表面にはカプセル発泡剤の露出により
微細な凹凸が設けられ、かつ全体にエンボスが形成され
た化粧材が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
熱膨張性粒子を配合した従来技術による塗膜の凹凸模様
は総じて均一な単調パターンであって、高度の意匠性を
備える複雑かつ不均一な立体感のあるザラザラの粗面や
凹凸模様を形成することはできなかった。
【0006】例えば、上述の特開平2−303573号
公報に記載のある凹凸模様塗膜の形成は、熱膨張性マイ
クロカプセルをプライマー(下塗り塗料)に配合し、こ
れを上塗り塗料の塗布・加熱時に発泡させる方法を採る
ため、上塗り塗膜によりマイクロカプセルの熱膨張によ
る発泡が抑制されて突起の小さい均一の凹凸模様しか形
成されない。特公平7−32894号公報の木質感を有
する塗膜の形成方法では、塗膜の焼付け過程で塗料中の
熱膨張マイクロカプセルを膨張破裂させることにより表
面にザラザラ感のある木目模様を形成するものである
が、マイクロカプセルの膨張破裂は平面塗装により一様
に行われているため、形成される凹凸パターンは均一な
木目調である。また特公平7−59314号公報記載の
化粧材は、エンボス加工時に熱によってカプセル発泡剤
が破裂しない状態で表面に露出させる関係で、形成され
る凹凸模様は微細で単調な均一パターンである。
【0007】本発明者らは、従来のような単調で均一な
粗面パターンとは異なり、より複雑で不均一な立体的粗
面および凹凸模様の形成を課題として鋭意研究を重ねた
結果、塗料成分に平均粒径または/および熱膨張温度差
のある2種類以上の熱膨張性粒子を配合した塗料組成物
は極めて複雑で不均一な装飾性に優れたザラザラ粗面が
形成され、そのうえ表面感触がゴム状、コルク状あるい
はスポンジ調の比較的厚い塗膜として形成し得るため、
基材に形成した塗膜面、あるいは塗膜面を対向させて貼
着すると制振・消音機能に優れる塗装板となることを確
認した。更に前記塗料により熱膨張性粒子を発泡させた
塗膜を形成したのち加圧処理を施して部分的に膨張粒子
を破裂させると、一層装飾性に優れた凹凸模様が形成さ
れることを見出した。また、前記塗料に支持材粉末を添
加することにより、ザラザラ面の形態保持機能に優れた
塗膜が形成されることを確認した。
【0008】本発明は、かかる知見に基づいて完成され
たもので、その目的とするところは、特定性状を有する
少なくとも2種類の熱膨張性粒子を含有する塗料組成
物、該塗料組成物を用いて形成された意匠性または制振
・消音性に優れた塗装板、および前記塗料組成物を用い
た意匠性塗装板の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による塗料組成物は、塗料成分に、平均粒子
径が2〜6倍の範囲で異なる平均粒子径または/および
熱膨張温度差が20〜50℃の範囲で異なる熱膨張温度
を有する少なくとも2種類の熱膨張性粒子を含有するこ
とを構成上の特徴とする。
【0010】本発明において、熱膨張性粒子を含有させ
る塗料成分は、塗膜形成樹脂に顔料その他の添加成分を
配合した通常の溶剤系、非水分散液型、水溶液型、水分
散液型などのものが使用でき、焼付け型の塗料組成であ
れば種類に制限はない。したがって、ビヒクルとなる塗
膜形成樹脂には、アクリル樹脂、シリコン変性アクリル
樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン変性ポリエステル樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂等がいずれも使用
可能である。
【0011】アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル
酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブ
チル等のヒドロキシル基を有するエチレン性モノマー、
(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のエチレン性モノマ
ー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルのエチ
レン性モノマー、スチレン等のモノマーから通常の方法
で重合した樹脂を挙げることができる。シリコン変性ア
クリル樹脂は、前記アクリル樹脂100重量部に対し、
例えば官能基として−SiOCH3 あるいは−SiOH
を有する数平均分子量300〜1000の有機シリコン
5〜50重量部を反応させて得ることができる。
【0012】ポリエステル樹脂としては、エチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ブタンジオール、水
添ビスフェノールA、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスリトール等の多価アルコールの少なくとも1種類
と、(無水)フタル酸、テトラヒドロ(無水)フタル
酸、(無水)マレイン酸、(無水)コハク酸、シクロヘ
キサン−1,4−ジカルボン酸、(無水)トリメット酸
等の多塩基酸の少なくとも1種類とを原料とした樹脂が
挙げられる。シリコン変性ポリエステル樹脂は、上述し
たシリコン変性アクリル樹脂と同様にポリエステル樹脂
100重量部に対して有機シリコン5〜50重量部を反
応させて調製される。なお、これらのポリエステル樹脂
には、必要に応じて油脂または脂肪酸を30重量%程度
まで添加して柔軟性を付与することができる。また、フ
ッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリフ
ッ化ビニル樹脂等のほか、フルオロオレフィンビニルエ
ーテルコポリマー、フルオロオレフィンビニルエステル
コポリマー等のヒドロキシ基含有硬化型フッ素塗料を用
いることができる。
【0013】上記の塗膜形成樹脂には、必要に応じて硬
化剤を添加してもよく、例えばメラミン樹脂、グアナミ
ン樹脂、尿素樹脂のようなアミノ樹脂や、(ブロック)
ポリイソシアネート化合物等を硬化剤として用いること
ができる。
【0014】塗料に使用される顔料は、塗料用に常用さ
れる有機系、無機系の各種着色顔料および体質顔料が使
用可能である。着色顔料としては、例えば有機系のアゾ
レーキ系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フ
タロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリノン系顔
料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリド
ン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料な
ど、無機系の黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブ
ラック、二酸化チタンなど、体質顔料として炭酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、クレー、タルクなどが用いられ
る。
【0015】上記の塗料成分に含有させる熱膨張性粒子
は、熱可塑性樹脂の外殻内部に低沸点の有機質発泡剤を
内包させた微小球状の粒子で、現在市販されているもの
は平均粒子径5〜30μm 、熱膨張温度80〜190
℃、体積膨張倍率20〜70倍の性状を有している。
【0016】熱膨張性粒子の外殻を構成する熱可塑性樹
脂としては、例えば塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化
ビニル−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリ
ロニトリル共重合体、スチレン−メチルメタクリレート
共重合体、メチルメタクリレート−アクリロニトリル共
重合体、メチルメタクリレート−エチルメタクリレート
共重合体、メチルメタクリレート−o−クロロスチレン
共重合体、アクリロニトリル−メタクリロニトリル共重
合体、ポリアクリロニトリルが挙げられる。これらの熱
可塑性樹脂には、更に他の共重合体やジビニルベンゼ
ン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,3−ブ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メ
タ)アクリレート、トリアクリルホルマール、トリアリ
ルイソシアヌレート等の架橋剤を含有させてもよい。こ
れらのうち、最も好適な熱可塑性樹脂は塩化ビニリデン
−アクリロニトリル共重合体である。
【0017】発泡剤としては、例えばトリクロロフルオ
ロメタン、ジクロロフルオロメタン、ジクロロフルオロ
エタン、ジクロロトリフルオロエタン、トリクロロトリ
フルオロエタン、ジクロロペンタフルオロプロパンのよ
うな塩素含有フッ素系の有機化合物類、n−ペンタン、
イソペンタン、ネオペンタン、ブタン、イソブタン、ヘ
キサン、石油エーテル等の炭化水素類、塩化メチル、ジ
クロロエチレン、トリクロロエタン、トリクロロエチレ
ンなどの塩素化炭化水素を挙げることができるが、これ
らに限られるものではない。
【0018】本発明の塗料組成物は、熱膨張性粒子のう
ち平均粒子径が2〜6倍の範囲で異なる平均粒子径を有
するか、または/および熱膨張温度差が20〜50℃の
範囲で異なる熱膨張温度を有する少なくとも2種類を選
択し、これらを混合して塗料成分に含有させることが必
須の組成要件となる。塗料組成物中に分散する熱膨張性
粒子は塗膜焼付け段階で熱膨張発泡するが、平均粒子径
差が2倍未満あるいは熱膨張温度差が20℃未満の熱膨
張性粒子を混合した組成では形成塗膜に複雑かつ不均一
な粗面模様を形成することができず、他方、平均粒子径
差が6倍を越え、熱膨張温度差が50℃を越える熱膨張
性粒子を混合した組成では分散性および焼付け温度条件
の設定が困難となって、同様に意匠変化に富むザラザラ
面の塗膜を形成することができなくなる。これら性状の
異なる2種類以上の熱膨張性粒子の配合割合は、目的と
する塗膜の凹凸模様に応じて適宜に設定され、特に限定
されないが、重量比率で1:9〜9:1の範囲とするこ
とが好適である。
【0019】性状の異なる少なくとも2種類の熱膨張性
粒子は、混合した全量として塗料固形分100重量部に
対し好ましくは1〜10重量部、より好ましくは2〜6
重量部の範囲で添加し、均一に分散させる。この添加量
が1重量部未満では塗膜に装飾性のある不均一なザラザ
ラ粗面を形成することができ難く、また10重量部を越
えると塗膜の耐久性が不十分となることがある。
【0020】上記の塗料組成物には、変化に富んだザラ
ザラ粗面の形態を安定に保持するために微粉状の支持材
を添加配合することができる。使用可能な支持材として
は、天然または合成の雲母粉、アルミナ粉、水酸化アル
ミニウム粉、酸化チタン粉、シリカ粉などの無機質微粉
末、ポリ(メタ)アクリル酸のような有機質微粉末が挙
げられる。該支持材は、塗料組成物中に含有する熱膨張
性粒子の膨張時における最大粒子径の30〜100%に
相当する平均粒子径のものを選択することが好ましく、
この粒子径比率が30%を下回るような微細粉末である
と熱膨張した熱膨張性粒子が外圧で容易に破裂する事態
が生じるようになり、100%を越える粒子では塗膜表
面に突出して塗膜の密着性や耐久性を損ね、変化に富ん
だ粗面パターンを形成することができ難くなる。また、
支持材の添加量は熱膨張性粒子の膨張時における20〜
80容量%の範囲に設定することが好ましい。20容量
%未満では形態保持機能が十分に発揮されず、80容量
%を越えると変化に富んだ粗面パターンを形成すること
ができなくなる。
【0021】このような熱膨張性粒子または、熱膨張性
粒子および支持材を含む本発明の塗料組成物は、塗料と
して被塗物となる各種の基材面に単層もしくは多層の塗
膜に形成される。塗装方法は特に限定されず、エアスプ
レー塗装、エアレス塗装、静電塗装、ロールコート塗
装、カーテンコート塗装、押し出し塗装など常用の塗装
手段を用いることができる。
【0022】本発明に係る装飾性に優れた塗装板は、上
記の塗料組成物からなる塗料を最上層塗膜として基材面
に下層塗膜を形成したのち、もしくは基材面に対して塗
装されたものである。最上層塗膜とは、多層塗膜の場合
には最も外層側の塗膜を指し、塗膜が単層の場合にはそ
れ自体が最上層塗膜となる。このように最上層塗膜に性
状の異なる熱膨張性粒子を介在させると、塗膜焼付け時
の発泡度合の相違により複雑かつ不均一なザラザラの表
面状態を有する装飾性に優れた塗装板となる。該最上層
塗膜は乾燥膜厚として10〜300μm の範囲で形成す
ることができ、とくに厚い塗膜とした場合には表面がゴ
ム状、コルク状あるいはスポンジ状を呈し、弾力性のあ
るしっとりとした感触を有する皮膜となる。
【0023】更に、本発明の塗料組成物からなる塗料
を、必要により下層塗膜を形成した基材の片面または両
面に塗布して塗膜を形成するか、前記塗料を片面または
両面に塗布して塗膜を形成した基材を塗膜面を対向させ
て貼着すると、意匠性や装飾性ばかりでなく制振・消音
性に優れた塗装板となる。これは膨張した熱膨張性粒子
が無数の微小中空バルーンを内蔵した塗膜を形成して適
度の弾力性を有する被覆層となり、振動および音響に対
する防御機能を持つためである。特に基材の片面または
両面に厚めの塗膜を形成し、その塗膜面を対向させた状
態で貼着することにより複層構造とした場合に効果的な
制振・消音機能が発揮される。なお、対向塗膜面の貼着
は、例えば超音波法による融着手段等により容易かつ強
固に接合することができる。しかし、制振・消音性をも
たない塗膜面については、塗膜の種類に制限はない。
【0024】上記した装飾性に優れる塗装板は、基材面
に下層塗膜を形成した後、もしくは基材面に対し直接に
支持材を含まない上記塗料組成物からなる塗料を塗布し
て最上層の塗膜を形成し、焼付け後、加圧処理を施して
熱膨張した熱膨張性粒子を部分的に破裂させ、破裂部位
に平坦凹部を形成する方法により一層立体感のある凹凸
模様として形成することが可能となる。
【0025】下層塗膜を形成する場合には、基材面に予
め化成処理層および下塗り塗膜層を形成し、必要に応じ
て中塗り層を設けてもよい。この際、プレコート方式の
場合には下塗り塗膜層の乾燥膜厚は3〜7μm の範囲
が、また中塗り塗膜を設ける場合の乾燥膜厚は3〜15
μm の範囲が好ましい。また、ポストコート方式の適用
も可能であり、膜厚は目的に応じて適宜に選択すること
ができる。なお、多層塗膜の形成は、2コート1ベーク
方式、2コート2ベーク方式、3コート1ベーク方式、
3コート2ベーク方式、3コート3ベーク方式等で行う
ことができる。
【0026】熱膨張性粒子を含む塗料組成物からなる塗
料は最上層として塗装され、熱膨張性粒子が熱膨張を開
始する温度以上の温度、好ましくは最高到達板温度を1
00〜250℃に設定し、20秒〜15分間保持して焼
付けする。この焼付け段階で、塗膜中に分散する熱膨張
性粒子は十分に発泡し熱膨張する。ついで、必要により
形成された塗膜面を加圧処理して熱膨張した熱膨張性粒
子を部分的に破裂させて破壊部位に平坦凹部を形成す
る。加圧処理は、圧搾面に例えばエンボス柄、ストロー
エンボス柄、メロンエンボス柄、スタッコエンボス柄等
を刻設した回転ロールあるいは圧搾プレスを用い、塗膜
を形成した基材に熱膨張した熱膨張性粒子が部分的に破
裂する以上の圧力を回転ロール間またはプレスに適用し
て行われる。この加圧処理により、塗膜面に加圧面のエ
ンボス柄に沿った立体凹凸パターンが形成されるが、エ
ンボス柄の突起圧接部分で破裂した部位は加圧作用によ
り平坦凹部として形成されるから、発泡性状の相違する
熱膨張性粒子の膨張に基づく粗度の異なる表面と平坦凹
部とが混在した極めて意匠性、装飾性に富む複雑で不均
一な塗膜外観となる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を比較例と
対比して具体的に説明する。しかし、本発明の範囲はこ
れら実施例に限定されるものではない。
【0028】
【実施例】
実施例1〜4、比較例1 (1)下層塗膜の形成 クロメート処理材〔日本ペイント(株)製“サーフコー
トNRC300”〕をロールコート塗装して付着クロム量が2
0mg/m2 になるようにクロメート塗装した板厚0.5mm
のアルミニウム板を基材とし、片面にエポキシ系塗料
〔日本ペイント(株)製“スーパーラックD1F P-01プラ
イマー”〕をロールコート塗装し、最高到達板温度20
0℃で30秒間焼付けして乾燥膜厚5μm の下層塗膜を
形成した。
【0029】(2)最上層塗膜の形成 熱膨張温度130〜190℃の熱膨張性粒子〔日本フェ
ライト(株)製“エクスパンセルDU-091”〕を篩分けし
て平均粒子径5μm 、13μm 、15μm および30μ
m に分級し、各粒度の熱膨張性粒子を表1の割合で混合
した。比較のために、平均粒子径13μm の単一粒径範
囲の熱膨張性粒子を用いた。これら混合または単一の熱
膨張性粒子をポリエステル系塗料〔日本ペイント(株)
製“ニッペスーパーコート100HQ (ブラック)”〕に塗
料固形分100重量部当たり5重量部の比率で配合し十
分に分散させた。このようにして調製された塗料組成物
からなる塗料を下層塗膜を形成した基材面に乾燥膜厚が
15μm となるようにロールコート塗装し、最高到達板
温度220℃で30秒間焼付けした。この焼付け処理に
より最上層塗膜中に分散する熱膨張性粒子は、完全に発
泡しバルーン状に膨張した。
【0030】(3)塗膜の評価 得られた塗膜につき、下記の基準で装飾性および感触性
を評価した。その結果を表1に併載した。 装飾性:塗膜を肉眼で観察し、不均一なザラザラ粗面
で立体感があり、リシン付着状または海島状の模様が認
められるかどうかを主体に判定し、前記模様が認められ
る塗膜を○、認められない塗膜を×とした。 感触性:塗膜を掌で触れてみて、ゴム状、コルク状あ
るいはスポンジ状のしっとりしたソフト感が認められる
かどうかを主体に判定し、前記感触が認められる塗膜を
○、認められず金属感のある塗膜を×とした。
【0031】
【表1】
【0032】実施例5 (1)下層塗膜の形成 溶融亜鉛メッキを施し、実施例1と同一のクロメート処
理した板厚0.35mmの亜鉛鉄板材を基材とし、その片
面にエポキシ系塗料〔日本ペイント(株)製“スーパー
ラックD1F P-62プライマー”〕をロールコート塗装し、
最高到達板温度200℃で30秒間焼付けして乾燥膜厚
5μm の下層塗膜を形成した。
【0033】(2)最上層塗膜の形成 熱膨張温度130〜190℃の熱膨張性粒子〔日本フェ
ライト(株)製“エクスパンセルDU-091”〕を篩分けし
て平均粒子径5μm の熱膨張性粒子70重量%と平均粒
子径30μm の熱膨張性粒子30重量%を混合した。つ
いで、混合した熱膨張性粒子をシリコン・ポリエステル
系塗料〔日本ペイント(株)製“シリコート300 (ブラ
ウン)”〕に塗料固形分100重量部当たり1重量部の
比率で配合し、更に支持材として粒子径約100μm の
ポリメタクリル酸粒子〔積水化成品工業(株)製“テク
ポリマーMB-100”〕を熱膨張性粒子の20容量%の量比
で添加し、十分均一に分散させた。このようにして調製
された塗料組成物からなる塗料を下層塗膜の形成した基
材面に乾燥膜厚が15μm となるようにロールコート塗
装し、最高到達板温度220℃で30秒間焼付けした。
この焼付け処理により最上層塗膜中に分散する熱膨張性
粒子は、完全に発泡し最大粒子径約100μm のバルー
ン状に膨張した。
【0034】(3)塗膜の評価 得られた塗膜につき、実施例1と同一基準で装飾性およ
び感触性を評価し、更にブロッキング性を評価した。ブ
ロッキング性は、塗装板を10cm角に裁断し、その塗膜
面と非塗装基材を重ね併せて室温下で10kg/cm2の圧力
で48時間圧着したのち、塗膜の表面凹凸状態を観察し
て、試験前の凹凸状態を維持している塗膜を○、殆ど凸
部が潰れて平面状態となっている塗膜を×とした。その
結果を熱膨張性粒子の混合割合および支持材配合条件と
対比させて表2に示した。
【0035】実施例6 実施例5と同一条件で下層塗膜を形成した基材に、次の
ようにして最上層塗膜の形成した。熱膨張温度130〜
190℃の熱膨張性粒子〔日本フェライト(株)製“エ
クスパンセルDU-091”〕を篩分けして平均粒子径5μm
の熱膨張性粒子30重量%と平均粒子径30μm の熱膨
張性粒子70重量%を混合し、混合した熱膨張性粒子を
シリコン・ポリエステル系塗料〔日本ペイント(株)製
“シリコート300 (ブラウン)”〕に塗料固形分100
重量部当たり1重量部の比率で配合したのち、更に支持
材として粒子径35μm の雲母粉末〔土屋カオリン工業
(株)製“マイカA-51”〕を熱膨張性粒子の80容量%
の量比で添加し、十分均一に分散させた。このようにし
て調製された塗料組成物からなる塗料を下層塗膜の形成
した基材面に乾燥膜厚が15μm となるようにロールコ
ート塗装し、最高到達板温度220℃で30秒間焼付け
した。この焼付け処理により最上層塗膜中に分散する熱
膨張性粒子は、完全に発泡し最大粒子径約100μm の
バルーン状に膨張した。得られた塗膜につき、実施例1
と同一基準で装飾性および感触性を評価し、更に下記の
測定法によりブロッキング性を評価した。その結果を熱
膨張性粒子の混合割合および支持材配合条件と対比させ
て表2に併載した。
【0036】比較例2 実施例6において、最上層を形成する塗料に支持材を添
加しないほかは全て同一条件により塗装板を作製した。
得られた塗膜につき。実施例5と同様に装飾性、感触性
およびブロッキング性を評価し、結果を表2に併載し
た。
【0037】
【表2】
【0038】実施例7 平均粒子径が15μm で、熱膨張温度が90〜120℃
の熱膨張性粒子〔日本フェライト(株)製“エクスパン
セルDU-642”〕70重量%と、平均粒子径が15μm
で、熱膨張温度110〜150℃の熱膨張性粒子〔日本
フェライト(株)製“エクスパンセルDU-461”〕30重
量%を混合し、メラミンアルキド樹脂系塗料〔日本ペイ
ント(株)製“オルガセレクト100 ”〕に塗料固形分1
00重量部当たり10重量部の比率で混合した熱膨張性
粒子を配合し、十分に分散させた。このようにして調製
された塗料組成物からなる塗料を、リン酸亜鉛〔日本ペ
イント(株)製“サーフダイン164 ”〕により化成処理
された板厚0.8mmの冷延鋼板に乾燥膜厚が30μm と
なるようにスプレー塗装し、板温度130℃で10分間
焼付けした。この焼付け処理により最上層塗膜中に分散
する熱膨張性粒子は、不均一に発泡しバルーン状に膨張
した。得られた塗膜につき、実施例1と同一基準により
装飾性および感触性を評価し、その結果を表3に示し
た。
【0039】比較例3 平均粒子径が15μm で、熱膨張温度が90〜120℃
の熱膨張性粒子〔日本フェライト(株)製“エクスパン
セルDU-642”〕のみを塗料に配合し、その他は実施例7
と同一条件により塗装板を作製した。得られた塗膜につ
き、実施例1と同一基準により装飾性および感触性を評
価し、その結果を表3に併載した。
【0040】
【表3】
【0041】実施例8、比較例4 実施例1と同一条件でアルミニウム基材の片面に不均一
なザラザラ粗面を最上層とした複層塗膜を形成し、該基
材を表面にストローエンボス柄を刻設したロールとゴム
ロールとの間を加圧しながら通過させて熱膨張した熱膨
張性粒子を部分的に破裂させ、破裂部位に平坦凹部を形
成した。比較のために、熱膨張性粒子を含まない塗料を
用いて実施例1と同一条件で作製した塗装板につき同様
のロール加圧処理を行った。加圧後の各塗膜面について
実施例1と同一基準により装飾性および感触性を評価
し、その結果を表面状態の観察結果と併せて表4に示し
た。
【0042】実施例9、比較例5 実施例1と同一条件でアルミニウム基材の片面に不均一
なザラザラ粗面を最上層とした複層塗膜を形成し、該基
材を加圧面に千鳥格子模様柄を刻設したシリンダーを用
いて加圧して熱膨張した熱膨張性粒子を部分的に破裂さ
せ、破裂部位に平坦凹部を形成した。比較のために、熱
膨張性粒子を含まない塗料を用いて実施例1と同一条件
で作製した塗装板につき同様のプレス加圧処理を行っ
た。加圧後の各塗膜面について実施例1と同一基準によ
り装飾性および感触性を評価し、その結果を表面状態の
観察結果と併せて表4に示した。
【0043】
【表4】
【0044】実施例10 (1)下層塗膜の形成 クロメート処理剤〔日本ペイント(株)製“サーフコー
トNRC300”〕をロールコート塗装して付着クロム量が2
0mg/m2 になるようにクロメート塗布した板厚0.35
mmの亜鉛鉄板を基材とし、その片面にエポキシ系塗料
〔日本ペイント(株)製“ビニゾール1600プライマ
ー”〕をロールコート塗装し、最高到達板温度200℃
で40秒間焼付けして乾燥膜厚5μm の下層塗膜を形成
した。
【0045】(2)最上層塗膜の形成 熱膨張温度130〜190℃の熱膨張性粒子〔日本フェ
ライト(株)製“エクスパンセルDU-091”〕を篩分けし
て平均粒子径5μm の熱膨張性粒子10重量%と平均粒
子径30μm の熱膨張性粒子90重量%を混合した。つ
いで、混合した熱膨張性粒子を塩化ビニルゾル系塗料
〔日本ペイント(株)製“ビニゾール1000(ブラウ
ン)”〕に塗料固形分100重量部当たり5重量部の比
率で配合し、十分均一に分散させた。このようにして調
製された塗料組成物からなる塗料を下層塗膜の形成した
基材面に乾燥膜厚が200μm となるようにロールコー
ト塗装し、最高到達板温度200℃で60秒間焼付けし
た。この焼付け処理により最上層塗膜中に分散する熱膨
張性粒子は、完全に発泡しバルーン状に膨張した。
【0046】(3)基材裏面の塗装 上記塗膜を形成しない基材の裏面には、ポリエステル系
裏面用塗料〔日本ペイント(株)製“オルガ100-5 裏面
R (ベージュ)”〕をロールコート塗装し、200℃で
40秒間焼付けして塗膜を形成した。
【0047】(3)塗膜の評価 得られた塗膜につき、次の評価基準により制振性および
消音性を評価し、その結果を表5に示した。 制振性:共振法により、FFTアナライザー装置〔P
&K社製、型式2032〕を用い、幅30mm、長さ250mm
(貼着部材は融着後)の短冊状試験片を40℃で周波数
を変えて共振点を求め、η=(f2 −f1)/fn 式によ
りピークから3デシベル下がった点(半値点)における
帯域幅(f2 −f1)と、その共振周波数(fn)の比から
損失係数(η)を求めた。この損失係数(η)が0.6
以上(制振効果高)のものを○、0.6未満(制振効果
低)にものを×とした。 消音性:300×300mmの試験片(貼着部材は融着
後)を切り出し、上部2か所を糸で吊り下げた状態で金
属ハンマーで試験片を強打し、消音効果を次の基準で評
価した。○;残響殆どなし、×;残響あり。
【0048】比較例6 実施例10の最上層塗膜の形成において、熱膨張性粒子
を配合せず、その他は実施例10と同一条件により塗装
板を作製した。この塗装板につき、実施例10と同一基
準で制振性および消音性を評価し、その結果を表5に併
載した。
【0049】実施例11 実施例10で作製した塗装板2枚を、最上層に熱膨張し
た塗膜層を形成した塗膜面を対向させて積層し、超音波
をかけて接合面を融着した。このようにして作製した中
心部に熱膨張した熱膨張性粒子が介在する最上層塗膜が
接合された層を有し、その両側面に通常塗膜(裏面用塗
膜)を有する基材が配置した構造の貼着部材につき、実
施例10と同一基準で制振性および消音性を評価し、そ
の結果を表5に併載した。
【0050】比較例7 実施例11において熱膨張性粒子を含有しない最上層塗
膜を基材の片面に形成し、その他は実施例11と同一条
件により貼着部材を作製した。この貼着部材につき、実
施例10と同一基準で制振性および消音性を評価し、そ
の結果を表5に併載した。
【0051】実施例12 実施例10において、裏面には裏面用塗料を塗装せずに
基材の両面に同一の下層塗膜および最上層塗膜を形成し
た塗装板を作製し、この塗装板2枚を相互の塗膜面を対
向させて積層し、超音波をかけて接合面を融着した。こ
のようにして作製した中心部に熱膨張した熱膨張性粒子
が介在する最上層塗膜が接合された層を有し、その両側
面に基材を介して熱膨張した熱膨張性粒子が介在する最
上層塗膜を有する3層サンドイッチ構造の複層貼着部材
を作製した、得られた貼着部材につき、実施例10と同
一基準で制振性および消音性を評価し、その結果を表5
に併載した。
【0052】比較例8 実施例12において熱膨張性粒子を含有しない最上層塗
膜を基材の両面に形成し、その他は実施例12と同一条
件により貼着部材を作製した。この貼着部材につき、実
施例10と同一基準で制振性および消音性を評価し、そ
の結果を表5に併載した。
【0053】
【表5】
【0054】表5に示すとおり、実施例品はいずれも制
振性および消音性に優れるものであったが、その制振・
消音効果の度合は実施例12が最も優れ、ついで実施例
11、実施例10の順序であった。
【0055】上記の実施例を含め、本発明の好ましい態
様を示すと以下のようになる。 (1)平均粒子径が2〜6倍の範囲で異なる平均粒子径ま
たは/および熱膨張温度差が20〜50℃で異なる熱膨
張温度を有する少なくとも2種類の熱膨張性粒子を、重
量比率で1:9〜9:1の範囲で塗料成分に混合分散し
た塗料組成物。 (2)平均粒子径が2〜6倍の範囲で異なる平均粒子径ま
たは/および熱膨張温度差が20〜50℃で異なる熱膨
張温度を有する少なくとも2種類の熱膨張性粒子を、混
合した全量として塗料固形分100重量部に対し1〜1
0重量部、好ましくは2〜6重量部の範囲で添加した塗
料組成物。 (3)塗料組成物に配合する支持材の添加量が、熱膨張性
粒子の膨張時における20〜80容量%の範囲に設定し
た塗料組成物。 (4)加圧処理を、圧搾面に例えばエンボス柄、ストロー
エンボス柄、メロンエンボス柄、スタッコエンボス柄等
を刻設した回転ロールあるいは圧搾プレスを用い、塗膜
を形成した基材に熱膨張した熱膨張性粒子が部分的に破
裂する以上の圧力を回転ロール間またはプレスに適用し
て行う装飾性塗装板の製造方法。
【0056】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば塗料成分
に特定範囲の平均粒子径または/および熱膨張温度差の
ある少なくとも2種類の熱膨張性粒子を含有させること
により、従来技術では得られなかった複雑で不均一のザ
ラザラ粗面を呈し、かつ適度に弾力性のあるゴム状、コ
ルク状あるいはスポンジ調のしっとりしたソフト感のあ
る特異な塗膜を形成し得る塗料組成物、および該塗料組
成物を用いて形成された装飾性および制振・消音性に優
れた塗装板を提供することができる。また、本発明に係
る装飾性塗装板の製造方法に従えば、表面が不均一なザ
ラザラ粗面を呈し、平坦凹部が分散する極めて立体的な
凹凸パターンを有する意匠性に優れた塗膜層を形成する
ことが可能となる。したがって、各種の化粧材あるいは
建材等として極めて有用である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年9月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】従来、塗料等による被覆面に立体的な凹
凸模様を形成したり、被覆層に断熱性を付与するため、
被覆材中に発泡性の熱膨張性粒子を分散させる方法が知
られている。この熱膨張性粒子は、熱可塑性樹脂の殻内
に有機性の発泡成分を内包させた微小球状のマイクロカ
プセルで、加熱により容易に発泡して熱膨張する特性を
備えるため、塗料等に含有させた場合には焼付け加熱段
階で発泡膨張して立体的な凹凸模様を発現することがで
きる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】更に、本発明の塗料組成物からなる塗料
を、必要により下層塗膜を形成した基材の片面または両
面に塗布して塗膜を形成するか、前記塗料を片面または
両面に塗布して塗膜を形成した基材を塗膜面を対向させ
て貼着すると、意匠性や装飾性ばかりでなく制振・消音
性に優れた塗装板となる。これは膨張した熱膨張性粒子
が無数の微小中空バルーンを内蔵した塗膜を形成して適
度の弾力性を有する被覆層となり、振動および音響に対
する防御機能を持つためである。特に基材の片面または
両面に厚めの塗膜を形成し、その塗膜面を対向させた状
態で貼着することにより複層構造とした場合に効果的な
制振・消音機能が発揮される。なお、対向塗膜面の貼着
は、例えば超音波法による融着手段等により容易かつ強
固に接合することができる。しかし、制振・消音性をも
たせない塗膜面については、塗膜の種類に制限はない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】(2)最上層塗膜の形成 熱膨張温度130〜190℃の熱膨張性粒子〔日本フェ
ライト(株)製“エクスパンセルDU−091”〕を篩
分けして平均粒子径5μm、13μm、15μmおよび
30μmに分級し、各粒度の熱膨張性粒子を表1の割合
で混合した。比較のために、平均粒子径13μmの単一
粒径範囲の熱膨張性粒子を用いた。これら混合または単
一の熱膨張性粒子をポリエステル系塗料〔日本ペイント
(株)製“ニッペスーパーコート100HQ(ブラッ
ク)”〕に塗料固形分100重量部当たり5重量部の比
率で配合し十分に分散させた。このようにして調製され
た塗料組成物からなる塗料を下層塗膜を形成した基材面
にロールコート塗装し、最高到達板温度220℃で30
秒間焼付けした。この焼付け処理により最上層塗膜中に
分散する熱膨張性粒子は、完全に発泡しバルーン状に膨
張した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】(2)最上層塗膜の形成 熱膨張温度130〜190℃の熱膨張性粒子〔日本フェ
ライト(株)製“エクスパンセルDU−091”〕を篩
分けして平均粒子径5μmの熱膨張性粒子70重量%と
平均粒子径30μmの熱膨張性粒子30重量%を混合し
た。ついで、混合した熱膨張性粒子をシリコン・ポリエ
ステル系塗料〔日本ペイント(株)製“シリコート30
0(ブラウン)”〕に塗料固形分100重量部当たり1
重量部の比率で配合し、更に支持材として粒子径約10
0μmのポリメタクリル酸粒子〔積水化成品工業(株)
製“テクポリマーMB−100”〕を熱膨張性粒子の2
0容量%の量比で添加し、十分均一に分散させた。この
ようにして調製された塗料組成物からなる塗料を下層塗
膜の形成した基材面にロールコート塗装し、最高到達板
温度220℃で30秒間焼付けした。この焼付け処理に
より最上層塗膜中に分散する熱膨張性粒子は、完全に発
泡し最大粒子径約100μmのバルーン状に膨張した。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】実施例6 実施例5と同一条件で下層塗膜を形成した基材に、次の
ようにして最上層塗膜の形成した。熱膨張温度130〜
190℃の熱膨張性粒子〔日本フェライト(株)製“エ
クスパンセルDU−091”〕を篩分けして平均粒子径
5μmの熱膨張性粒子30重量%と平均粒子径30μm
の熱膨張性粒子70重量%を混合し、混合した熱膨張性
粒子をシリコン・ポリエステル系塗料〔日本ペイント
(株)製“シリコート300(ブラウン)”〕に塗料固
形分100重量部当たり1重量部の比率で配合したの
ち、更に支持材として粒子径35μmの雲母粉末〔土屋
カオリン工業(株)製“マイカA−51”〕を熱膨張性
粒子の80容量%の量比で添加し、十分均一に分散させ
た。このようにして調製された塗料組成物からなる塗料
を下層塗膜の形成した基材面にロールコート塗装し、最
高到達板温度220℃で30秒間焼付けした。この焼付
け処理により最上層塗膜中に分散する熱膨張性粒子は、
完全に発泡し最大粒子径約100μmのバルーン状に膨
張した。得られた塗膜につき、実施例1と同一基準で装
飾性および感触性を評価し、更に下記の測定法によりブ
ロッキング性を評価した。その結果を熱膨張性粒子の混
合割合および支持材配合条件と対比させて表2に併載し
た。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】実施例7 平均粒子径が15μmで、熱膨張温度が90〜120℃
の熱膨張性粒子〔日本フェライト(株)製“エクスパン
セルDU−642”〕70重量%と、平均粒子径が15
μmで、熱膨張温度110〜150℃の熱膨張性粒子
〔日本フェライト(株)製“エクスパンセルDU−46
1”〕30重量%を混合し、メラミンアルキド樹脂系塗
料〔日本ペイント(株)製“オルガセレクト100”〕
に塗料固形分100重量部当たり10重量部の比率で混
合した熱膨張性粒子を配合し、十分に分散させた。この
ようにして調製された塗料組成物からなる塗料を、リン
酸亜鉛〔日本ペイント(株)製“サーフダイン16
4”〕により化成処理された板厚0.8mmの冷延鋼板
にスプレー塗装し、板温度130℃で10分間焼付けし
た。この焼付け処理により最上層塗膜中に分散する熱膨
張性粒子は、不均一に発泡しバルーン状に膨張した。得
られた塗膜につき、実施例1と同一基準により装飾性お
よび感触性を評価し、その結果を表3に示した。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】(2)最上層塗膜の形成 熱膨張温度130〜190℃の熱膨張性粒子〔日本フェ
ライト(株)製“エクスパンセルDU−091”〕を篩
分けして平均粒子径5μmの熱膨張性粒子10重量%と
平均粒子径30μmの熱膨張性粒子90重量%を混合し
た。ついで、混合した熱膨張性粒子を塩化ビニルゾル系
塗料〔日本ペイント(株)製“ビニゾール1000(ブ
ラウン)”〕に塗料固形分100重量部当たり5重量部
の比率で配合し、十分均一に分散させた。このようにし
て調製された塗料組成物からなる塗料を下層塗膜の形成
した基材面にロールコート塗装し、最高到達板温度20
0℃で60秒間焼付けした。この焼付け処理により最上
層塗膜中に分散する熱膨張性粒子は、完全に発泡しバル
ーン状に膨張した。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗料成分に、平均粒子径が2〜6倍の範
    囲で異なる平均粒子径または/および熱膨張温度差が2
    0〜50℃の範囲で異なる熱膨張温度を有する少なくと
    も2種類の熱膨張性粒子を含有することを特徴とする塗
    料組成物。
  2. 【請求項2】 熱膨張性粒子の熱膨張時における最大粒
    子径の30〜100%に相当する平均粒子径を有する支
    持材を含有する請求項1記載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の塗料組成物
    からなる塗料を最上層塗膜として基材面に塗装してなる
    ことを特徴とする装飾性に優れた塗装板。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の塗料組成物からな
    る塗料を基材の片面または両面に塗布して塗膜を形成す
    るか、前記塗料を片面または両面に塗布して塗膜を形成
    した基材を塗膜面を対向させて貼着してなることを特徴
    とする制振・消音性に優れた塗装板。
  5. 【請求項5】 基材面に下層塗膜を形成した後、もしく
    は基材面に対し直接に請求項1記載の塗料組成物からな
    る塗料を塗布して最上層の塗膜を形成し、焼付け後、加
    圧処理を施して熱膨張した熱膨張性粒子を部分的に破裂
    させ、破裂部位に平坦凹部を形成することを特徴とする
    装飾性塗装板の製造方法。
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