JPH0931377A - 記録用インク - Google Patents

記録用インク

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JPH0931377A
JPH0931377A JP7180094A JP18009495A JPH0931377A JP H0931377 A JPH0931377 A JP H0931377A JP 7180094 A JP7180094 A JP 7180094A JP 18009495 A JP18009495 A JP 18009495A JP H0931377 A JPH0931377 A JP H0931377A
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ink
ink composition
recording
dye
water
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JP7180094A
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Masahito Kato
政仁 加藤
Hideto Yamazaki
秀人 山崎
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Brother Industries Ltd
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期安定性及び吐出安定性に優れ、吐出応答
性が良好である記録用インクを提供すること。 【構成】 染料(ダイワブラックMSC:ダイワ化成社
製)の5%水溶液を作製し、硫酸ナトリウムを添加し、
染料を塩析した。析出物を濾取し、これを硫酸ナトリウ
ムの飽和純水溶液にて洗浄し、乾燥後、所定量をエチレ
ングリコールとN−メチル−2−ピロリドンの3対1混
合溶液中に溶解した。次にこの水溶液を希釈後、陰イオ
ン交換樹脂(アンバーライトIRA−410)に通し、
pH調整し、インク組成物を得た。このインク組成物中
の蟻酸イオン分を測定したところ、5.5ppmであっ
た。このインク組成物をインクジェットヘッドを用いて
印字したところ、吐出安定性、吐出応答性は良好であっ
た。またインク組成物を−30℃及び60℃で6ヶ月間
保存したところ、変化は見られなかった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録用
インクに関し、特にはインク組成物中の蟻酸イオンの含
有量に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々のイン
ク吐出方法(例えば静電吸引方式、圧電素子を用いてイ
ンクに機械的振動または変位を与える方式、インクを加
熱し、その時に発生する圧力を利用する方式等)によ
り、インク小滴を形成し、それらの一部もしくは全部を
紙等の被記録材に付着させて記録を行うものである。こ
のようなインクジェット記録方式に使用するインク組成
物としては、各種の水溶性の染料又は顔料を、水又は水
と水溶性有機溶剤からなる液媒体に溶解又は分散させた
ものが知られ、且つ使用されている。そしてそのような
インク組成物は、その目的のために最適の性能特性を有
することが要求される。例えば長期間使用されなくても
沈澱や凝集が生じることがなく、インクジェットプリン
ターのヘッドの先端部及びインク流路内で目詰まりする
ことがなく、印字品質が良好なこと等である。中でも最
も要求される性能は、インク組成物を用いて記録を行っ
ている際、更に長期間記録が行われなかったときにおけ
るインクジェットプリンターのヘッドの先端部及びイン
ク流路内での目詰まり及び沈澱物が発生しないという液
安定性である。特にインクジェット方式の中でも、熱エ
ネルギーを用いるインクジェット方式においては、温度
変化によって発熱ヘッドの表面に異物の沈着が生じ易い
ため、この問題は特に重要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
インク組成物においては、インクの吐出条件、長期保存
安定性、記録時の画像の鮮明さと濃度、表面張力、電気
的性質等、種々の条件を満足させるためにいくつかの添
加剤が必要とされ、また使用する染料中にも種々の不純
物が含有されているため、インクジェットプリンターの
ヘッドの先端部やインク流路内で目詰まりが生じたり、
加熱ヘッドの表面に沈着物が生じたり、長期保存中に沈
澱物が生じる等の問題があった。このことがインクジェ
ット記録方式の種々の優れた特性にも拘らず、その普及
が急速でない理由の一つとなっている。
【0004】そこで本発明は以上のような問題を解決
し、高い染料濃度にも拘らず、使用時及び長期保存時に
もインクジェットプリンターのヘッドの先端部やインク
流路内で目詰まりが生ぜず、また特に熱エネルギーを使
用するインクジェットプリンターの発熱ヘッドに沈澱物
が生じたりしない、安定性に優れた記録用インクを提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の請求項1では、インク組成物中に含まれる
蟻酸イオンの含有量が6ppm未満であることを特徴と
する。
【0006】請求項2では、前記記録用インクは、その
製造工程において、陰イオン交換樹脂を通過させる処理
が施されることを特徴とする。
【0007】請求項3では、インクを噴射口から噴射し
て被記録媒体に印字を行うインク噴射装置に用いられる
ことを特徴とする。
【0008】請求項4では、前記インク噴射装置は、イ
ンク室内に設けられた発熱素子からの熱エネルギーを用
いてインクを噴射する熱インクジェット方式であること
を特徴とする。
【0009】
【作用】上記の構成を有する本発明では、インク組成物
中に含まれる蟻酸イオンの含有量を6ppm未満にする
ことにより、高い染料濃度にも拘らず、使用時及び長期
保存時にもインクジェットプリンターのヘッドの先端部
やインク流路内で目詰まりが生ぜず、また特に熱エネル
ギーを使用するインクジェットプリンターの発熱ヘッド
に沈澱物が生じたりしない、安定性に優れた記録用イン
クを提供することができる。
【0010】
【実施例】本発明におけるインク組成物の基本組成それ
自体は既に公知であり、染料としては、直接染料、酸性
染料、塩基性染料、反応性染料等に代表される水溶性染
料が使用できる。特にインクジェット記録方式のインク
として好適で、鮮明性、水溶性、安定性、耐光性その他
の要求される性能を満たすものとしては、例えば、C.
I.ダイレクトブラック17、19、32、51、7
1、108、146;C.I.ダイレクトブルー6、2
2、25、71、86、90、106、199;C.
I.ダイレクトレッド1、4、17、28、83;C.
I.ダイレクトイエロー12、24、26、86、9
8、142;C.I.ダイレクトオレンジ34、39、
44、46、60;C.I.ダイレクトバイオレット4
7、48;C.I.ダイレクトブラウン109;C.
I.ダイレクトグリーン59;C.I.アシッドブラッ
ク2、7、24、26、31、52、63、112、1
18;C.I.アシッドブルー9、22、40、59、
93、102、104、117、120、167、22
9、234;C.I.アシッドレッド1、6、32、3
7、51、52、80、85、87、92、94、11
5、180、256、315、317;C.I.アシッ
ドイエロー11、17、23、25、29、42、6
1、71;C.I.アシッドオレンジ7、19;C.
I.アシッドバイオレット49;C.I.ベーシックブ
ラック2;C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、
9、24、25、26、28、29;C.I.ベーシッ
クレッド1、2、9、12、13、14、37;C.
I.ベーシックバイオレット7、14、27;C.I.
フードブラック1、2等が挙げられる。上記の染料は本
発明の記録方法に適用できるインク組成物に対して特に
好ましいものであるが、本発明ではこれらの染料に限定
されるものではない。
【0011】このような水溶性染料は、従来のインク組
成物中において一般的には約0.1〜20重量%を占め
る割合で利用されているが、本発明においては、上記の
範囲で使用されることは勿論であるとともに、従来の使
用量以上の使用量でもインク組成物の安定性を示し、且
つ沈澱物を生じないものである。
【0012】本発明におけるインク組成物に使用する溶
媒は、水又は水と水溶性有機溶剤との混合溶媒であり、
特に好適なものは水と水溶性有機溶剤との混合溶媒であ
って、水溶性有機溶剤としてインクの乾燥防止効果を有
する多価アルコールを含有するものである。また水とし
ては、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、脱イ
オン水を使用することが望ましい。水と混合して使用さ
れる水溶性有機溶剤としては、例えばメチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−
ブチルアルコール、ter−ブチルアルコール等の低級
アルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド等のアミド類、アセトン、ジアセトンアルコール
等のケトン類又はケトアルコール類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリ
コール類、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプ
ロピレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレング
リコール等のアルキレングリコール類、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモ
ノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチル
エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル
類、グリセリン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピ
ロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等
が挙げられる。これらの中でもグリセリン、ジエチレン
グリコール等のアルキレングリコール類、トリエチレン
グリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの低
級アルキルエーテル類は特に好ましいものである。
【0013】インク組成物中の上記水溶性有機溶剤の含
有量は、一般的にはインクの全重量に対して重量%で0
〜95重量%、好ましくは10〜80重量%、より好ま
しくは20〜50重量%の範囲である。
【0014】この時の水の含有量は、上記溶剤成分の種
類、その組成、あるいは所望されるインクの特性に依存
して広い範囲で決定されるが、インクの全重量に対して
一般に10〜95重量%、好ましくは10〜70重量
%、より好ましくは20〜70重量%の範囲である。
【0015】本発明におけるインク組成物の基本組成は
以上の通りであるが、その他従来公知の各種添加剤、す
なわち分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、表面張力調整
剤、pH調整剤、防黴剤等を必要に応じて添加すること
ができる。例えばポリビニルアルコール、セルロース
類、水溶性樹脂等の粘度調整剤、カチオン、アニオン、
ノニオン系の各種界面活性剤、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン類等のpH調整剤等である。また記
録液を帯電するタイプのインクジェット記録方法に使用
されるインク組成物を調合する場合には、塩化アンモニ
ウム等の無機塩類等の比抵抗調整剤が添加される。ただ
し、これらの添加剤として蟻酸塩を使用することは蟻酸
イオンの増加につながるため、避けなければならない。
【0016】以下本発明におけるインク組成物中の蟻酸
イオン含有量の調整方法を具体的に説明する。
【0017】まず所望濃度の染料水溶液に硫酸ナトリウ
ムを添加し、染料を塩析する。次に析出した沈澱物を濾
取し、これを硫酸ナトリウムの飽和純水溶液にて洗浄し
た後、乾燥する。得られた乾燥固形物の所定量を、水溶
性有機溶剤に溶解した後、その水溶液を濾過して濾液を
得る。この場合の水溶性有機溶剤は、硫酸ナトリウムに
対する貧溶媒で、且つ染料に対して良溶媒であれば如何
なるものでもよく、溶剤の選択は処理する染料の構造で
最適なものを任意に選ぶことができる。通常は、アルコ
ール類、グリコール類、グリコール系エーテル類が好ま
しい水溶性有機溶剤である。
【0018】次に得られた濾液に所定量の水を添加して
攪拌後、陰イオン交換樹脂を通過させる。陰イオン交換
処理を行った溶液は、適切なpH調整を行った後、必要
に応じて添加剤等を添加し、濾過した後にインク組成物
を得る。そしてイオンクロマトグラフィー測定装置によ
りインク中の蟻酸イオン含有量が6ppm未満であるこ
とを確認し、使用する。
【0019】以上述べた処理手順において、最初の塩析
処理は市販染料中に多く含まれる代表的な不純物である
塩化ナトリウムを除去するために行う処理である。次の
水溶性有機溶剤による処理は、染料中の不純物としても
ともと含まれていた硫酸ナトリウム及び前記塩析処理で
多量に添加された硫酸ナトリウムの両者を除去するため
に行う処理である。引続き行う陰イオン交換樹脂処理は
本発明の目的とするインク組成物中の蟻酸イオン含有量
を減少させる一つの方法であり、蟻酸イオンを除去する
ために行う処理である。
【0020】以上、インク組成物中の蟻酸イオン含有量
を調整するための代表的な方法を示したが、調整法はこ
の方法に限定されるものではなく、蟻酸イオンを除去で
きる方法であればすべて有効に利用することができる。
【0021】不純物として蟻酸イオン、またはその塩で
ある蟻酸塩が混入される源としては、染料、水、界面活
性剤や水溶性樹脂等の添加剤、使用される水溶性有機溶
剤の不純物としての混入が考えられる。水については、
インク作製用の水として蒸留水やイオン交換水等を使用
することで蟻酸イオンの混入を避けることができる。界
面活性剤については、蟻酸塩以外のもの、例えばノニオ
ン系界面活性剤等を使用すれば蟻酸イオンの混入を避け
ることができる。また水溶性樹脂等については、これら
の樹脂等を製造する際に蟻酸塩が混入したものがある
が、これらの樹脂等も前記の染料と同様の精製手順によ
って蟻酸塩を除去することができ、その後添加剤として
使用できる。染料や水溶性有機溶剤の不純物としての混
入は多く、特に染料が市販品の場合には染料中の蟻酸塩
含有量が多量になり、結果として蟻酸イオンを多くイン
ク中に含有させる場合が多い。
【0022】以上、インク組成物中に含有される蟻酸イ
オン分の除去について主に説明したが、実質的には蟻酸
イオンの除去とともに、他の陰イオン、ナトリウムや
鉄、カルシウム、バリウム等の金属の除去も行うのが一
般的である。
【0023】次に本発明の実施例及び比較例を説明す
る。
【0024】実施例1 市販染料「ダイワブラックMSC」(ダイワ化成社製)
の5%水溶液を作製し、硫酸ナトリウムを添加し、攪拌
して染料を塩析した。析出物を濾取し、これを硫酸ナト
リウムの飽和純水溶液にて洗浄し、乾燥した。得られる
インク中の染料濃度が3%になるように所定量の前記乾
燥固形物を計量し、これをエチレングリコールとN−メ
チル−2−ピロリドンの3対1混合溶液中に溶解した。
次にこの水溶液を平均孔径が1μmのメンブランフィル
ターにて加圧濾過し、濾液の40部に60部の水を加え
て攪拌し、陰イオン交換樹脂「アンバーライトIRA−
410」(オルガノ株式会社製)に通した。その後トリ
エタノールアミンでpHを8.5に調整し、0.7μm
のメンブランフィルターにて濾過し、インク組成物を得
た。このインク組成物中の蟻酸イオン分をイオンクロマ
トグラフィー測定装置にて測定したところ、5.5pp
mであった。
【0025】このインク組成物を用いて、記録ヘッド内
のインクに熱エネルギーを与えて液滴を発生させ、記録
を行うオンデマンドタイプのマルチヘッド(吐出オリフ
ィス径35μm、発熱抵抗体抵抗値150オーム、駆動
電圧30V、周波数2kHz)を有するインクジェット
プリンターにより、以下の(1)〜(3)の検討を行っ
たところ、いずれにおいても良好な結果を得た。
【0026】(1)長期安定性;インク組成物を耐熱ガ
ラス瓶に密閉し、−30℃と60℃で6ヶ月間保存した
後でも不溶分の析出は見られず、液の物性や色調もほと
んど変化がなかった。
【0027】(2)吐出安定性;5℃、20℃、40℃
の雰囲気において、それぞれ24時間の連続吐出を行っ
たが、いずれの条件においても終始安定した高品質の記
録が行えた。
【0028】(3)吐出応答性;1分間の間欠吐出と2
ヶ月間放置後の吐出について調べたが、いずれの場合も
インクジェットプリンターのヘッドの先端部やインク流
路内で目詰まりすることなく、安定且つ均一に記録され
た。
【0029】比較例1 実施例1において陰イオン交換樹脂を通さずにインク組
成物を作製したところ、インク組成物中の蟻酸イオン含
有量は8.5ppmであった。このインク組成物を用い
て実施例1と同様な検討を行ったところ、(2)におい
てしばしばインクの不吐出が見られた。発熱ヘッドの表
面を顕微鏡で観察すると、沈着物が付着しているのが見
られた。
【0030】実施例2 市販染料「ラバセルファストイエローRリキッド」(バ
イエル社製)を用いて実施例1と同様な方法によりイン
ク組成物を作製したところ、インク組成物中の蟻酸イオ
ン含有量は5ppmであった。このインク組成物を用い
て実施例1と同様な検討を行ったところ、実施例1と同
様に良好な結果が得られた。
【0031】比較例2 実施例2において陰イオン交換樹脂を通さずにインク組
成物を作製したところ、インク組成物中の蟻酸イオン含
有量は9.5ppmであった。このインク組成物を用い
て実施例1と同様な検討を行ったところ、(1)におい
て少量の析出物が見られ、液の導電率が減少した。また
(2)においてしばしばインクの不吐出が見られ、
(3)において2ヶ月間放置後にインクジェットプリン
ターのヘッドの先端部で目詰まりが生じ、吐出不能とな
った。発熱ヘッドの表面を顕微鏡で観察すると、沈着物
が付着しているのが見られた。
【0032】実施例3 市販染料「サイラススープラレッドF3B」(バイエル
社製)を用いて実施例1と同様な方法によりインク組成
物を作製したところ、インク組成物中の蟻酸イオン含有
量は5.5ppmであった。このインク組成物を用いて
実施例1と同様な検討を行ったところ、実施例1と同様
に良好な結果が得られた。
【0033】比較例3 実施例3において陰イオン交換樹脂を通さずにインク組
成物を作製したところ、インク組成物中の蟻酸イオン含
有量は8.5ppmであった。このインク組成物を用い
て実施例1と同様な検討を行ったところ、(1)の−3
0℃の保存後に色調が変化し、その差はCIEの定める
D65光源を使用し2度視野で測色した場合でL*a*
b*表色系においてΔE=5.0であった。このインク
組成物を用いて実施例3と同様に印字試験を行ったとこ
ろ、5cm四方のベタ印字の色調が保存前のインク組成
物を使用した場合と比べて変化しており、その差は△E
=7.5であり、見た目にもその違いははっきりと認め
られた。
【0034】実施例4 市販染料「ラバセルファストブルーHSリキッド」(バ
イエル社製)を用いて実施例1と同様な方法によりイン
ク組成物を作製したところ、インク組成物中の蟻酸イオ
ン含有量は3.5ppmであった。このインク組成物を
用いて実施例1と同様な検討を行ったところ、実施例1
と同様に良好な結果が得られた。
【0035】比較例4 実施例4において陰イオン交換樹脂を通さずにインク組
成物を作製したところ、インク組成物中の蟻酸イオン含
有量は9.5ppmであった。このインク組成物を用い
て実施例1と同様な検討を行ったところ、(3)におい
て2ヶ月間放置後にインクジェットプリンターのヘッド
の先端部で目詰まりが生じ、吐出不能となった。発熱ヘ
ッドの表面を顕微鏡で観察すると、沈着物が付着してい
るのが見られた。
【0036】実施例5 ブラックインクとして実施例1のインク、イエローイン
クとして実施例2のインク、マゼンタインクとして実施
例3のインク、シアンインクとして実施例4のインクを
用い、実施例1〜4において使用したものと同様のイン
クジェット記録装置にてフルカラーの写真を再現した。
得られた画像は各色が極めて鮮明であり、色再現も良好
であった。
【0037】比較例5 ブラックインクとして比較例1のインク、イエローイン
クとして比較例2のインク、マゼンタインクとして比較
例3のインク、シアンインクとして比較例4のインクを
用い、実施例5と同様にしてフルカラーの写真を再現し
ようとしたところ、多くのドット抜けが見られ、鮮明な
画像は得られなかった。また色再現性も悪かった。
【0038】長期安定性、吐出安定性が良く、吐出応答
性も良好であった実施例1〜5のインク組成物では、い
ずれも蟻酸イオン含有量は6ppm未満であった。
【0039】これに対し、長期安定性、吐出安定性及び
吐出応答性で問題が生じた比較例1〜5では、いずれも
インク組成物中の蟻酸イオン含有量が6ppm以上であ
った。
【0040】以上説明したように、本実施例1〜5で
は、インク組成物中の蟻酸イオン含有量が6ppm未満
であるので、長期安定性、吐出安定性及び吐出応答性に
優れた記録用インクを得ることができる。
【0041】また、実施例1〜5、比較例1〜5では、
記録ヘッド内のインクに熱エネルギーを与えて液滴を発
生させ、記録を行うオンデマンドタイプのマルチヘッド
を有するインクジェットヘッドを用いていたが、特公昭
53−12138号公報に開示されているカイザー型や
特開平2−150355号公報に開示されているせん断
モード型のインクジェットヘッドに上記の条件の記録用
インクを用いて実施例と同様な検討を行った結果、同様
の効果が得られた。
【0042】
【発明の効果】上記の構成を有する本発明の記録用イン
クによれば、インク組成物中の蟻酸イオン含有量が6p
pm未満であるので、インクとしての長期安定性が良好
であり、この記録用インクを用いたインク噴射装置で
は、インクが噴射される噴射口及びインク流路内で目詰
まりすることなく良好に噴射することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録用インクにおいて、 該インク組成物中に含まれる蟻酸イオンの含有量が6p
    pm未満であることを特徴とする記録用インク。
  2. 【請求項2】 前記記録用インクは、その製造工程にお
    いて、陰イオン交換樹脂を通過させる処理が施されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の記録用インク。
  3. 【請求項3】 インクを噴射口から噴射して被記録媒体
    に印字を行うインク噴射装置に用いられることを特徴と
    する請求項1記載の記録用インク。
  4. 【請求項4】 前記インク噴射装置は、インク室内に設
    けられた発熱素子からの熱エネルギーを用いてインクを
    噴射する熱インクジェット方式であることを特徴とする
    請求項3記載の記録用インク。
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