JPH09314211A - 圧延機の板厚制御装置 - Google Patents
圧延機の板厚制御装置Info
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- JPH09314211A JPH09314211A JP8338188A JP33818896A JPH09314211A JP H09314211 A JPH09314211 A JP H09314211A JP 8338188 A JP8338188 A JP 8338188A JP 33818896 A JP33818896 A JP 33818896A JP H09314211 A JPH09314211 A JP H09314211A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 H無限大設計法を用いて両板厚制御装置を周
波数軸上で重みづけを行うことにより、制御系としての
安定性を保証し、かつ制御系トータルとしての性能を考
慮しながら、両制御装置を周波数軸上の別帯域で効率的
に稼働させることを可能にした圧延機の板厚制御装置を
提供する。 【解決手段】 出側板厚計で実測された板厚情報を用い
るモニタ型AGCと、圧延機荷重及びロールギャップ実
績により推定された板厚情報を用いるBISRA−AG
Cとを備えた圧延機において、モニタ型AGCは、BI
SRA−AGCを一般化プラントとして制御対象に取り
込んだH無限大設計法を用いて設計されたものであり、
モニタ型AGCは低周波帯域を中心として動作し、BI
SRA−AGCは中周波帯域を中心として動作する。
波数軸上で重みづけを行うことにより、制御系としての
安定性を保証し、かつ制御系トータルとしての性能を考
慮しながら、両制御装置を周波数軸上の別帯域で効率的
に稼働させることを可能にした圧延機の板厚制御装置を
提供する。 【解決手段】 出側板厚計で実測された板厚情報を用い
るモニタ型AGCと、圧延機荷重及びロールギャップ実
績により推定された板厚情報を用いるBISRA−AG
Cとを備えた圧延機において、モニタ型AGCは、BI
SRA−AGCを一般化プラントとして制御対象に取り
込んだH無限大設計法を用いて設計されたものであり、
モニタ型AGCは低周波帯域を中心として動作し、BI
SRA−AGCは中周波帯域を中心として動作する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板厚制御系を備え
た圧延機の板厚制御装置、特に、出側板厚計で実測され
た出側板厚と、圧延荷重値及びロールギャップ実績値よ
り推定された推定出側板厚の2情報より圧下位置を制御
する板厚制御系を備えた板厚制御に関する。
た圧延機の板厚制御装置、特に、出側板厚計で実測され
た出側板厚と、圧延荷重値及びロールギャップ実績値よ
り推定された推定出側板厚の2情報より圧下位置を制御
する板厚制御系を備えた板厚制御に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、圧延機の板厚制御系は、出側板
厚計を用いたモニタ型AGC、入側板厚計を用いたフィ
ードフォワードAGC、圧延荷重値及びロールギャップ
実績値より推定された出側板厚を用いるBISRA−A
GC等を備えている。この中で、モニタ型AGCは圧延
機出側のX線板厚計等で測定された板厚偏差を、PIコ
ントローラを介して、圧下位置制御系のロールギャップ
設定値にフィードバックするタイプのAGCである。モ
ニタ型AGCは、推定値ではない実際の板厚測定値を直
接フィードバックするという意味で、高精度なAGCを
構成できる。しかしながら、ミル直下の板厚を測定する
ことが不可能なので、本質的に大きな、かつラインスピ
ードにより変化するむだ時間を伴うので、制御ゲインを
上げられないという欠点を持つ。一方、BISRA−A
GCは、むだ時間を伴わないで、出側板厚を推定して制
御に使用できるので、高速な板厚制御系を構成できる。
ところが、その板厚推定値はその基になるゲージメータ
式の精度に依存することになるので、一般には高速だが
低精度な板厚制御系となる。このため、従来は、これら
の板厚制御装置の後段にチューニング率と称する一定ス
カラー係数を掛け合わせて合成し、両者のバランスを取
って制御系を構築していた。
厚計を用いたモニタ型AGC、入側板厚計を用いたフィ
ードフォワードAGC、圧延荷重値及びロールギャップ
実績値より推定された出側板厚を用いるBISRA−A
GC等を備えている。この中で、モニタ型AGCは圧延
機出側のX線板厚計等で測定された板厚偏差を、PIコ
ントローラを介して、圧下位置制御系のロールギャップ
設定値にフィードバックするタイプのAGCである。モ
ニタ型AGCは、推定値ではない実際の板厚測定値を直
接フィードバックするという意味で、高精度なAGCを
構成できる。しかしながら、ミル直下の板厚を測定する
ことが不可能なので、本質的に大きな、かつラインスピ
ードにより変化するむだ時間を伴うので、制御ゲインを
上げられないという欠点を持つ。一方、BISRA−A
GCは、むだ時間を伴わないで、出側板厚を推定して制
御に使用できるので、高速な板厚制御系を構成できる。
ところが、その板厚推定値はその基になるゲージメータ
式の精度に依存することになるので、一般には高速だが
低精度な板厚制御系となる。このため、従来は、これら
の板厚制御装置の後段にチューニング率と称する一定ス
カラー係数を掛け合わせて合成し、両者のバランスを取
って制御系を構築していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように、モニタ型AGC及びBISRA−AGCの両制
御装置の後段に、現場合わせのチューニング率と称する
一定スカラー係数を掛け合わせて両出力を合成する従来
の制御法では、安定性が保証されないばかりでなく、両
制御装置の出力の周波数帯域が重なり、定常板厚変動を
零にできるモニタ型AGCの特性が低精度なBISRA
−AGCで打ち消され、或いは高速なBISRA−AG
Cの応答が、低速なモニタ型AGCの特性に打ち消され
てしまうという問題点が生じていた。
ように、モニタ型AGC及びBISRA−AGCの両制
御装置の後段に、現場合わせのチューニング率と称する
一定スカラー係数を掛け合わせて両出力を合成する従来
の制御法では、安定性が保証されないばかりでなく、両
制御装置の出力の周波数帯域が重なり、定常板厚変動を
零にできるモニタ型AGCの特性が低精度なBISRA
−AGCで打ち消され、或いは高速なBISRA−AG
Cの応答が、低速なモニタ型AGCの特性に打ち消され
てしまうという問題点が生じていた。
【0004】これに対して、特開昭60−96320号
公報においては、フィードフォワード、マスフロー及び
モニタ制御方式を同時に作動させる場合に、ハイパスフ
ィルタ、バンドパスフィルタ及びローパスフィルタによ
り、各制御方式の入力偏差信号を3つの周波数帯域に分
離し、それぞれ別の制御方式に担当させるという方式が
提案されている。しかしながら、この方式では、3つの
板厚制御系が働いた時の安定性が補償されておらず、ま
たトータルとしての制御性能が事前に把握できない等の
問題点がある。このことは、本発明の対象となっている
モニタ型AGC及びBISRA−AGCが適用された制
御系に適用しても同様の問題点を生じる。
公報においては、フィードフォワード、マスフロー及び
モニタ制御方式を同時に作動させる場合に、ハイパスフ
ィルタ、バンドパスフィルタ及びローパスフィルタによ
り、各制御方式の入力偏差信号を3つの周波数帯域に分
離し、それぞれ別の制御方式に担当させるという方式が
提案されている。しかしながら、この方式では、3つの
板厚制御系が働いた時の安定性が補償されておらず、ま
たトータルとしての制御性能が事前に把握できない等の
問題点がある。このことは、本発明の対象となっている
モニタ型AGC及びBISRA−AGCが適用された制
御系に適用しても同様の問題点を生じる。
【0005】本発明は、このような課題を解決するため
になされたのものであり、H無限大設計法を用いて両板
厚制御装置を周波数軸上で重みづけを行うことにより、
制御系としての安定性を保証し、かつ制御系トータルと
しての性能を考慮しながら、両制御装置を周波数軸上の
別帯域で効率的に稼働させることを可能にした圧延機の
板厚制御装置を提供することを目的とする。
になされたのものであり、H無限大設計法を用いて両板
厚制御装置を周波数軸上で重みづけを行うことにより、
制御系としての安定性を保証し、かつ制御系トータルと
しての性能を考慮しながら、両制御装置を周波数軸上の
別帯域で効率的に稼働させることを可能にした圧延機の
板厚制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る圧延機の板
厚制御装置は、出側板厚計で実測された板厚情報を用い
る第1の板厚制御系と、圧延機荷重及びロールギャップ
実績により推定された板厚情報を用いる第2の板厚制御
系とを備えた圧延機において、第1の板厚制御系は、第
2の板厚制御系を一般化プラントとして制御対象に取り
込んだH無限大設計法を用いて設計されたものである。
そして、第1の板厚制御系は低周波帯域を中心として動
作する制御系であり、第2の板厚制御系は中周波帯域を
中心として動作する制御系である。第1の板厚制御系の
ゲインパラメータは、第2の板厚制御系内の一次遅れフ
ィルタの時定数に対応した値であり、或いは、第2の板
厚制御系内の一次遅れフィルタの時定数と出側板速に対
応した出側板厚計の持つ無駄時間とに対応した値であ
る。
厚制御装置は、出側板厚計で実測された板厚情報を用い
る第1の板厚制御系と、圧延機荷重及びロールギャップ
実績により推定された板厚情報を用いる第2の板厚制御
系とを備えた圧延機において、第1の板厚制御系は、第
2の板厚制御系を一般化プラントとして制御対象に取り
込んだH無限大設計法を用いて設計されたものである。
そして、第1の板厚制御系は低周波帯域を中心として動
作する制御系であり、第2の板厚制御系は中周波帯域を
中心として動作する制御系である。第1の板厚制御系の
ゲインパラメータは、第2の板厚制御系内の一次遅れフ
ィルタの時定数に対応した値であり、或いは、第2の板
厚制御系内の一次遅れフィルタの時定数と出側板速に対
応した出側板厚計の持つ無駄時間とに対応した値であ
る。
【0007】例えば本発明に係る圧延機の板厚制御装置
は、圧延機の出側に圧延板の厚み△hを測定する板厚計
と、ワークロールの圧延荷重値△Pを測定するロードセ
ルと、ワークロールの間隙実績△Sを測定する間隙計
と、圧下位置をコントロールする圧下位置制御系と、前
記△P,△S,及びそのオフセット分△Soff より、 △he=△S+△P/M+△Soff M:ミル剛性係数 なるゲージメータ式により推定された出側板厚偏差△h
eと、△heの高周波成分ノイズを低減する一次遅れフ
ィルタと、この一次遅れフィルタにより高周波ノイズ成
分が除去された推定出側板厚を目標圧下位置として出力
するBISRA−AGCと、更に、前記の全ての動特性
を制御対象として、且つ制御系の定常特性、すなわち出
側板厚偏差を零に追従させるために重要な低周波域でよ
り大きな重みを持たせた周波数重みを含めて設計され、
出側板厚偏差から目標圧下位置を出力するモニタ型AG
Cとを備える。
は、圧延機の出側に圧延板の厚み△hを測定する板厚計
と、ワークロールの圧延荷重値△Pを測定するロードセ
ルと、ワークロールの間隙実績△Sを測定する間隙計
と、圧下位置をコントロールする圧下位置制御系と、前
記△P,△S,及びそのオフセット分△Soff より、 △he=△S+△P/M+△Soff M:ミル剛性係数 なるゲージメータ式により推定された出側板厚偏差△h
eと、△heの高周波成分ノイズを低減する一次遅れフ
ィルタと、この一次遅れフィルタにより高周波ノイズ成
分が除去された推定出側板厚を目標圧下位置として出力
するBISRA−AGCと、更に、前記の全ての動特性
を制御対象として、且つ制御系の定常特性、すなわち出
側板厚偏差を零に追従させるために重要な低周波域でよ
り大きな重みを持たせた周波数重みを含めて設計され、
出側板厚偏差から目標圧下位置を出力するモニタ型AG
Cとを備える。
【0008】本発明においては、出側板厚偏差から目標
圧下位置を出力するモニタ型AGCの設計の際に、PI
制御などの従来法とは異なり、周波数軸上での重みづけ
が可能で、かつBISRA−AGC及びその後段の一次
遅れフィルタをも同時に制御対象として取り込めるH無
限大設計法により、モニタ型AGC及びBISRA−A
GCの周波数軸上での動作帯域を分けており、このた
め、従来法では問題のあったBISRA−AGCと出側
板厚計によるモニタ型AGCの干渉を周波数帯域毎にキ
ャンセルすることができ、中間周波数域でBISRA−
AGCが効果的に働くことによる即応性の効果と、低周
波数域でモニタ型AGCが効果的に働くことによる定常
出側板厚偏差を零にする効果とが同時に達成される。
圧下位置を出力するモニタ型AGCの設計の際に、PI
制御などの従来法とは異なり、周波数軸上での重みづけ
が可能で、かつBISRA−AGC及びその後段の一次
遅れフィルタをも同時に制御対象として取り込めるH無
限大設計法により、モニタ型AGC及びBISRA−A
GCの周波数軸上での動作帯域を分けており、このた
め、従来法では問題のあったBISRA−AGCと出側
板厚計によるモニタ型AGCの干渉を周波数帯域毎にキ
ャンセルすることができ、中間周波数域でBISRA−
AGCが効果的に働くことによる即応性の効果と、低周
波数域でモニタ型AGCが効果的に働くことによる定常
出側板厚偏差を零にする効果とが同時に達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態の一例
を示すシステムの全体構成図である。図1において、1
は圧延機の圧延板取り入れ側に設けられた入側板厚計、
2は圧延板取り出し側に設けられた出側板厚計、3は圧
下位置を圧下目標位置に制御する圧下位置制御系であ
る。4は出側板厚偏差を零にすべく入側板厚計1の出力
を用いてフィードフォワード的に圧下位置を制御するF
F−AGC、5は圧延荷重値及びロールギャップの実績
値より推定された出側板厚を用いるBISRA−AG
C、6はBISRA−AGC5の出力中の高周波ノイズ
成分を減衰させる一次遅れフィルタ、7はロール間隙
計、8は圧延荷重計、9は出側板厚偏差を零にすべく出
側板厚計2の出力を用いてフィードバック的に圧下位置
を制御するモニタ型AGCであり、これらのAGC4,
5,9及び一次遅れフィルタ6は記憶装置及び演算装置
をそれぞれ備えてプログラムにより自動的に処理が実行
される計算機から構成されている。10はペイオフリー
ル、11はワークロール(図1では1つしか示していな
いが,複数あっても以下の議論は同様にあてはまる)、
12はテンションリールである。
を示すシステムの全体構成図である。図1において、1
は圧延機の圧延板取り入れ側に設けられた入側板厚計、
2は圧延板取り出し側に設けられた出側板厚計、3は圧
下位置を圧下目標位置に制御する圧下位置制御系であ
る。4は出側板厚偏差を零にすべく入側板厚計1の出力
を用いてフィードフォワード的に圧下位置を制御するF
F−AGC、5は圧延荷重値及びロールギャップの実績
値より推定された出側板厚を用いるBISRA−AG
C、6はBISRA−AGC5の出力中の高周波ノイズ
成分を減衰させる一次遅れフィルタ、7はロール間隙
計、8は圧延荷重計、9は出側板厚偏差を零にすべく出
側板厚計2の出力を用いてフィードバック的に圧下位置
を制御するモニタ型AGCであり、これらのAGC4,
5,9及び一次遅れフィルタ6は記憶装置及び演算装置
をそれぞれ備えてプログラムにより自動的に処理が実行
される計算機から構成されている。10はペイオフリー
ル、11はワークロール(図1では1つしか示していな
いが,複数あっても以下の議論は同様にあてはまる)、
12はテンションリールである。
【0010】図2はH無限大設計法によって図1のモニ
タ型AGC9を設計する際の拡大プラントの概念図であ
る。図において、13はモデル誤差を覆う重み関数W
T、14は重み関数WS、15は一般化プラントであ
る。16は出側板厚計2に乗る外乱信号w,17は制御
入力u,18は制御量z1,19は制御量z2,20は
観測出力yである。
タ型AGC9を設計する際の拡大プラントの概念図であ
る。図において、13はモデル誤差を覆う重み関数W
T、14は重み関数WS、15は一般化プラントであ
る。16は出側板厚計2に乗る外乱信号w,17は制御
入力u,18は制御量z1,19は制御量z2,20は
観測出力yである。
【0011】次に、モニタ型AGC9の設計の方針及び
設計例について説明する。本発明においては、図1に示
されるように、モニタ型AGC9及びBISRA−AG
C5が適用されている板厚制御系を対象として考える。
他にマスフローAGCや張力制御系等が適用されていて
もこの設計法は適用可能である。まず、図1のBISR
A−AGC5には主に圧延荷重計に加算される高周波ノ
イズを除去するために低域通過フィルタ6を適用する。
図においては一次遅れフィルタの例を示しているが、他
の低域通過フィルタの場合も同様である。本発明におい
ては、モニタ型AGC9の設計の際に、図2に示される
ように、圧延機単体としての動特性だけでなく、BIS
RA−AGC5及び高周波ノイズ除去を意図にその後段
に設けられた低域通過フィルタ6も、後述されるモニタ
型AGC9の制御対象として考える。
設計例について説明する。本発明においては、図1に示
されるように、モニタ型AGC9及びBISRA−AG
C5が適用されている板厚制御系を対象として考える。
他にマスフローAGCや張力制御系等が適用されていて
もこの設計法は適用可能である。まず、図1のBISR
A−AGC5には主に圧延荷重計に加算される高周波ノ
イズを除去するために低域通過フィルタ6を適用する。
図においては一次遅れフィルタの例を示しているが、他
の低域通過フィルタの場合も同様である。本発明におい
ては、モニタ型AGC9の設計の際に、図2に示される
ように、圧延機単体としての動特性だけでなく、BIS
RA−AGC5及び高周波ノイズ除去を意図にその後段
に設けられた低域通過フィルタ6も、後述されるモニタ
型AGC9の制御対象として考える。
【0012】モニタ型AGC9の設計の際しては、H無
限大制御理論を使用する。H無限大制御理論によれば、
後述のように、本来の制御対象と設計時に与える各種重
み関数を含めたものを一般化プラントと称して、前記の
重みに応じた制御効果を示すような板厚制御系を構成す
ることができ、前記課題で述べたような、モニタ型AG
C9及びBISRA−AGC5の動作を周波数帯域別に
振り分けることが可能となる。
限大制御理論を使用する。H無限大制御理論によれば、
後述のように、本来の制御対象と設計時に与える各種重
み関数を含めたものを一般化プラントと称して、前記の
重みに応じた制御効果を示すような板厚制御系を構成す
ることができ、前記課題で述べたような、モニタ型AG
C9及びBISRA−AGC5の動作を周波数帯域別に
振り分けることが可能となる。
【0013】ここで、図2のモデル誤差を覆う重み関数
WT13について着目すると、モデル誤差には種々のも
のが存在するが、ここではその代表的なものとして、ワ
ークロール直下から出側板厚計までの距離とライン速度
に依存した変動むだ時間を考える。図3は一般的なむだ
時間の伝達関数を表したものである。重み関数WT13
はこれを覆うように設定する。むだ時間の範囲として例
えばT=Tdelay(sec)を考えると、重み関数WT13とし
ては、次式(1)のようにおけば良いことが知られてい
る。
WT13について着目すると、モデル誤差には種々のも
のが存在するが、ここではその代表的なものとして、ワ
ークロール直下から出側板厚計までの距離とライン速度
に依存した変動むだ時間を考える。図3は一般的なむだ
時間の伝達関数を表したものである。重み関数WT13
はこれを覆うように設定する。むだ時間の範囲として例
えばT=Tdelay(sec)を考えると、重み関数WT13とし
ては、次式(1)のようにおけば良いことが知られてい
る。
【0014】
【数1】
【0015】また、重み関数WS14は出側板厚に乗ず
る重み関数であり、例えば次式(2)のように設定す
る。
る重み関数であり、例えば次式(2)のように設定す
る。
【0016】
【数2】
【0017】Gws及びTwsはスカラー定数からなる係数
である。この重み関数WSは外乱入力wから観測出力y
への伝達関数を小ならしめるためのものであり、WSの
ゲインが大きいほど、外乱入力wから観測出力yへの影
響が小さくなる。ここでは、低周波帯域で、モニタ型A
GC9の効果を高め、相対的にBISRA−AGC5の
効果を低めるために、WSのゲインを低周波帯域で上昇
させる。H無限大設計法では、本来の制御対象の伝達関
数をGPとしたときに、外乱入力w、制御入力uから、
評価量z1,z2,観測出力yまでの伝達関数が次式
(3)のように表現されるとき、
である。この重み関数WSは外乱入力wから観測出力y
への伝達関数を小ならしめるためのものであり、WSの
ゲインが大きいほど、外乱入力wから観測出力yへの影
響が小さくなる。ここでは、低周波帯域で、モニタ型A
GC9の効果を高め、相対的にBISRA−AGC5の
効果を低めるために、WSのゲインを低周波帯域で上昇
させる。H無限大設計法では、本来の制御対象の伝達関
数をGPとしたときに、外乱入力w、制御入力uから、
評価量z1,z2,観測出力yまでの伝達関数が次式
(3)のように表現されるとき、
【0018】
【数3】
【0019】外乱入力wから評価量z1,z2までの伝
達関数のH無限大ノルムを与えられたγより小さくする
ような補償器C(s)を導出することができる。H無限
大理論による補償器の求め方は、例えば、“第41回シ
ステム制御情報講習会「H無限大制御の基礎」テキス
ト:システム制御情報学会偏”等に掲載されている。ま
た、この方法を用いて補償器C(s)を計算するプログ
ラムは市販の制御系設計CADに装備されており、今日
容易に利用することができる。また、本理論は、状態空
間表現された制御対象に、周波数重みを与えることで制
御系の閉ループ特性を指定できるという意味で、最適制
御理論を超越する理論である。ここで、重み関数WTは
設計時に考慮するモデル誤差を覆うように決定するが、
重み関数WSに関しては、コントローラが解ける範囲内
で比較的自由に設定できる。ここに示した例では、重み
関数WSを低周波領域でそのゲインが大きくなるように
設定することにより、低周波領域では、図1のモニタ型
AGC9の効果を大ならしめる、つまり定常板厚偏差を
零にならしめる効果が高くなる。このことは、その裏返
しの効果として、BISRA−AGC5の効果をこの低
周波領域で小ならしめる効果がある。
達関数のH無限大ノルムを与えられたγより小さくする
ような補償器C(s)を導出することができる。H無限
大理論による補償器の求め方は、例えば、“第41回シ
ステム制御情報講習会「H無限大制御の基礎」テキス
ト:システム制御情報学会偏”等に掲載されている。ま
た、この方法を用いて補償器C(s)を計算するプログ
ラムは市販の制御系設計CADに装備されており、今日
容易に利用することができる。また、本理論は、状態空
間表現された制御対象に、周波数重みを与えることで制
御系の閉ループ特性を指定できるという意味で、最適制
御理論を超越する理論である。ここで、重み関数WTは
設計時に考慮するモデル誤差を覆うように決定するが、
重み関数WSに関しては、コントローラが解ける範囲内
で比較的自由に設定できる。ここに示した例では、重み
関数WSを低周波領域でそのゲインが大きくなるように
設定することにより、低周波領域では、図1のモニタ型
AGC9の効果を大ならしめる、つまり定常板厚偏差を
零にならしめる効果が高くなる。このことは、その裏返
しの効果として、BISRA−AGC5の効果をこの低
周波領域で小ならしめる効果がある。
【0020】図5は設計の結果得られたモニタ型AGC
9のゲインの周波数特性を表した図である。図6及び図
7は従来の制御方法と本発明との相違を周波数帯域別の
制御ゲインで比較した特性図である。図6に示されるよ
うに、従来の制御方法では低周波領域での制御ゲインが
モニタ型AGCとBISRA−AGCの両者で高いた
め、両制御系が干渉を起こし、板厚偏差の収束に時間の
かかる結果となる。これに対して、図7に示されるよう
に、本発明の板厚制御系においては、BISRA−AG
C5の制御ゲインが低周波領域で実質的に下がることに
なり、定常板厚偏差に対しモニタ型AGC9が有効に作
動して、板厚偏差が速やかに零になる。
9のゲインの周波数特性を表した図である。図6及び図
7は従来の制御方法と本発明との相違を周波数帯域別の
制御ゲインで比較した特性図である。図6に示されるよ
うに、従来の制御方法では低周波領域での制御ゲインが
モニタ型AGCとBISRA−AGCの両者で高いた
め、両制御系が干渉を起こし、板厚偏差の収束に時間の
かかる結果となる。これに対して、図7に示されるよう
に、本発明の板厚制御系においては、BISRA−AG
C5の制御ゲインが低周波領域で実質的に下がることに
なり、定常板厚偏差に対しモニタ型AGC9が有効に作
動して、板厚偏差が速やかに零になる。
【0021】図8は従来の制御方法と本発明とを初期板
厚偏差に対する応答で比較した例を示す特性図である。
従来の制御方法では制御初期段階で比較的速く板厚偏差
が零近くなるものの、制御後期段階でBISRA−AG
Cとモニタ型AGCが出力を相殺しあい、板厚偏差が真
に零になるのに時間を要する。これに対して、本発明に
おける板厚制御系では、従来の制御方法とは対照的に、
BISRA−AGCの動作を低周波帯域で抑制している
分、制御初期段階での応答が若干鈍るが、逆にその結
果、低周波帯域でのモニタ型AGCの効果が大となり、
制御後期段階での収束性が改善される。
厚偏差に対する応答で比較した例を示す特性図である。
従来の制御方法では制御初期段階で比較的速く板厚偏差
が零近くなるものの、制御後期段階でBISRA−AG
Cとモニタ型AGCが出力を相殺しあい、板厚偏差が真
に零になるのに時間を要する。これに対して、本発明に
おける板厚制御系では、従来の制御方法とは対照的に、
BISRA−AGCの動作を低周波帯域で抑制している
分、制御初期段階での応答が若干鈍るが、逆にその結
果、低周波帯域でのモニタ型AGCの効果が大となり、
制御後期段階での収束性が改善される。
【0022】また、図1のワークロール11から出側板
厚計2までの距離をL、出側板速をVout とすると、出
側板厚計2の持つ無駄時間Tdelay は、次式のように表
される。
厚計2までの距離をL、出側板速をVout とすると、出
側板厚計2の持つ無駄時間Tdelay は、次式のように表
される。
【0023】
【数4】
【0024】このことは、図2の一次遅れフィルタ6の
時定数に関しても同様である。一次遅れフィルタ6は一
般に、
時定数に関しても同様である。一次遅れフィルタ6は一
般に、
【0025】
【数5】
【0026】と表されるが、このTdelay ’は一般に、
圧延荷重計測値のノイズ成分周波数に応じて決定され
る。その際、図2の拡大プラント15が変化するので、
前記設計法の設計結果が変化し、そのときのTdelay ’
に最適なモニタ型AGCとなる。従って、一次遅れフィ
ルタ6の時定数に応じて、制御ゲインを変化させること
により、制御効果がさらに高くなる。
圧延荷重計測値のノイズ成分周波数に応じて決定され
る。その際、図2の拡大プラント15が変化するので、
前記設計法の設計結果が変化し、そのときのTdelay ’
に最適なモニタ型AGCとなる。従って、一次遅れフィ
ルタ6の時定数に応じて、制御ゲインを変化させること
により、制御効果がさらに高くなる。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、第1の板
厚制御系(モニタ型AGC)は第2の板厚制御系(BI
SRA−AGC)を一般化プラントとして制御対象に取
り込んだH無限大設計法を用いて設計されており、BI
SRA−AGCとモニタ型AGCの出力を、チューニン
グ率のようなスカラー倍して重ね合わせるのではなく、
その動作帯域を周波数軸上で分けるようにしているの
で、安定にかつ両板厚制御系の干渉を排除した形で動作
させることができ、これにより、出側板厚変動を速やか
に零にすることが出来る。
厚制御系(モニタ型AGC)は第2の板厚制御系(BI
SRA−AGC)を一般化プラントとして制御対象に取
り込んだH無限大設計法を用いて設計されており、BI
SRA−AGCとモニタ型AGCの出力を、チューニン
グ率のようなスカラー倍して重ね合わせるのではなく、
その動作帯域を周波数軸上で分けるようにしているの
で、安定にかつ両板厚制御系の干渉を排除した形で動作
させることができ、これにより、出側板厚変動を速やか
に零にすることが出来る。
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すシステムの全
体構成図である。
体構成図である。
【図2】図1のモニタ型AGC設計時の拡大プラントを
表す図である。
表す図である。
【図3】図1の拡大プラントの重み関数WTのゲインを
表す図である。
表す図である。
【図4】図1の拡大プラントの重み関数WSのゲインを
表す図である。
表す図である。
【図5】図1のモニタ型AGCのゲインを表す図であ
る。
る。
【図6】従来のモニタ型AGC及びBISRA−AGC
の制御効果を周波数別に表した図である。
の制御効果を周波数別に表した図である。
【図7】図1のモニタ型AGC及びBISRA−AGC
の周波数別の制御効果を周波数別に表した図である。
の周波数別の制御効果を周波数別に表した図である。
【図8】従来の制御方法と本発明とを初期板厚偏差に対
する応答で比較した例を示す特性図である。
する応答で比較した例を示す特性図である。
1 入側板厚計 2 出側板厚計 3 圧下位置制御系 4 フィードフォワード型板厚制御系 5 BISRA−AGC 6 一次遅れフィルタ 7 ギャップ間隙計 8 圧延荷重計 9 モニタ型AGC 10 ペイオフリール 11 ワークロール 12 テンションリール 13 重み関数WT 14 重み関数WS 15 H無限大制御系設計時の拡大プラント 16 外乱入力w 17 制御入力u 18 制御量z1 19 制御量z2 20 観測出力y
Claims (4)
- 【請求項1】 出側板厚計で実測された板厚情報を用い
る第1の板厚制御系と、圧延機荷重及びロールギャップ
実績により推定された板厚情報を用いる第2の板厚制御
系とを備えた圧延機において、 前記第1の板厚制御系は、前記第2の板厚制御系を一般
化プラントとして制御対象に取り込んだH無限大設計法
を用いて設計されたものであることを特徴とする圧延機
の板厚制御装置。 - 【請求項2】 前記第1の板厚制御系は低周波帯域を中
心として動作する制御系であり、前記第2の板厚制御系
は中周波帯域を中心として動作する制御系である請求項
1記載の圧延機の板厚制御装置。 - 【請求項3】 前記第1の板厚制御系のゲインパラメー
タは、前記第2の板厚制御系内の一次遅れフィルタの時
定数に対応した値であることを特徴とする請求項1又は
2記載の圧延機の板厚制御装置。 - 【請求項4】 前記第1の板厚制御系のゲインパラメー
タは、前記第2の板厚制御系内の一次遅れフィルタの時
定数と、出側板速に対応した出側板厚計の持つ無駄時間
とに対応した値であることを特徴とする請求項1又は2
記載の圧延機の板厚制御装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8338188A JPH09314211A (ja) | 1996-03-29 | 1996-12-18 | 圧延機の板厚制御装置 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7685296 | 1996-03-29 | ||
| JP8-76852 | 1996-03-29 | ||
| JP8338188A JPH09314211A (ja) | 1996-03-29 | 1996-12-18 | 圧延機の板厚制御装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09314211A true JPH09314211A (ja) | 1997-12-09 |
Family
ID=26417976
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8338188A Withdrawn JPH09314211A (ja) | 1996-03-29 | 1996-12-18 | 圧延機の板厚制御装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09314211A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN115245959A (zh) * | 2021-04-26 | 2022-10-28 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种pc轧机精轧稳定性状态异常的在线识别与预警方法 |
-
1996
- 1996-12-18 JP JP8338188A patent/JPH09314211A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN115245959A (zh) * | 2021-04-26 | 2022-10-28 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种pc轧机精轧稳定性状态异常的在线识别与预警方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040302 |