JPH09316601A - 表面処理に適した冷間工具鋼及びその金型並びに工具 - Google Patents
表面処理に適した冷間工具鋼及びその金型並びに工具Info
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- JPH09316601A JPH09316601A JP22203696A JP22203696A JPH09316601A JP H09316601 A JPH09316601 A JP H09316601A JP 22203696 A JP22203696 A JP 22203696A JP 22203696 A JP22203696 A JP 22203696A JP H09316601 A JPH09316601 A JP H09316601A
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Abstract
に適した安価で熱処理および加工における取扱いが容易
で経済的な冷間工具鋼および金型並びに工具を提供する
こと。 【解決手段】 重量で、C:0.70〜1.20%、S
i:2.0%以下、Mn:1.5%以下、Cr:5.0
〜11.0%、MoまたはWのいずれか1種又は2種を
Mo当量(1/2W+Mo)で3.0%超〜5.0%と
し、残部Feおよび不可避的不純物とからなり、500
℃以上の高温焼戻しにより63〜66HRCの高硬さが
得られることを特徴とする表面処理に適した冷間工具
鋼。また、さらに上記成分に加えて、Co:0.5〜
4.0%、S:0.01〜0.30%、N:60ppm
以下のいずれか1種又は2種以上からなる表面処理に適
した冷間工具鋼。
Description
D処理およびCVDなどに代表される処理温度が400
℃以上である表面硬化処理に適した冷間工具鋼及びその
金型並びに工具に関するものである。
KS3やSKD11およびSKH51が広く使用されて
いる。特に、工具の耐摩耗性向上を目的とした窒化、P
VD、TD処理およびCVDなどの表面硬化処理用母材
としては、SKD11やSKH51が適用されている。
これは上記表面処理温度が、一般に400℃以上の高温
であるために、SKS3等の二次硬化を生じない鋼で
は、母材硬さが著しく低下してしまうため、工具自体の
強度不足から変形が生じたり、表面処理層の剥離が容易
に生じるためである。
工材の高強度化に伴い、使用される工具への応力負荷が
大きくなり、500℃焼戻で60HRCの硬さが得られ
るSKD11でさも表面処理層の剥離が生じる場合が増
えて来ている。また、高速度工具鋼であるSKH51に
おいては、64HRC以上の母材硬さを確保できるもの
の、その素材単価が高い上に、適正焼入温度は1200
℃程度と非常に高く、熱処理作業性やそのコストの点で
制限が多い。さらに、SKH51は硬質のMC炭化物を
多量に含むために、機械加工性や研削性もあまり良くな
い。
1−11310号公報、特公平3−36897号公報、
特公昭64−5100号公報および特開平5−1564
97号公報等の発明が提案されている。この特公昭61
−11310号公報は冷間圧延用ワークロールに関する
ものであり、Moを0.4%〜3.0%含有させ、しか
も表面硬度を720〜800HV(61〜64HRC)
の高硬さに規定しているものの焼戻し温度は全て150
℃程度の低温であり、本開発目標である高温焼戻用材と
しては適用できない。
D11を改善し520℃程度の高温戻しで、高硬度と高
靱性を達成し、炭化物被覆処理に適した冷間工具鋼に関
するものである。この発明鋼においても、Moが0.7
5〜1.95%と低く、また、Vを0.5〜1.0%含
有し、しかも得られる硬さは62HRC水準であり、安
定して64HRC以上の高硬さは達成できない。またこ
れに類似した発明として特公昭64−5100号公報が
あるが、いずれも本開発目標は十分に達成できない。
よび特公昭64−5100号公報の発明をさらに改善し
たのが、特開平5−156497号公報である。この特
許はVとNbの1種または2種を含み、しかも高温焼戻
後の硬さが64HRC以上得られる高性能転造ダイス用
鋼およびその製造方法に関するものである。しかしなが
ら、目標の達成には、単に合金組成の規制だけでなく、
その製造工程での特殊溶解法、高温拡散処理の適用や、
製品の一次炭化物の組成およびその粒径や析出量を限定
する必要があり、かなり複雑なものとなる。
進歩や被加工材の高強度化に伴い、工具の耐摩耗性向上
を目的に、硬質の表面処理の適用が進んでいる。このよ
うな用途に適する素材として、母材硬さができるだけ高
く、かつ靱性に富む工具鋼が必要とされる。本発明は、
処理温度が400℃以上である表面硬化処理に適した安
価で熱処理および加工における取扱いが容易な経済的な
冷間工具鋼およびその金型並びに工具を提供することを
目的とする。
解決するため、冷間工具鋼において、その必須成分とし
て一般に常識とされているVを無添加とすることによ
り、500℃以上の高温焼戻しにより63〜66HRC
の高硬さが容易に得られることを特徴とする。その発明
の要旨とするところは、 (1)重量で、C:0.70〜1.20%、Si:2.
0%以下、Mn:1.5%以下、Cr:5.0〜11.
0% MoまたはWのいずれか1種又は2種をMo当量(1/
2W+Mo)で3.0%超〜5.0%とし、残部Feお
よび不可避的不純物とからなり、500℃以上の高温焼
戻しにより63〜66HRCの高硬さが得られることを
特徴とする表面処理に適した冷間工具鋼。
%、Si:2.0%以下、Mn:1.5%以下、Cr:
5.0〜11.0% MoまたはWのいずれか1種又は2種をMo当量(1/
2W+Mo)で3.0%超〜5.0%とし、さらに、C
o:0.5〜4.0%S:0.01〜0.30%N:6
0ppm以下のいずれか1種又は2種以上とし、残部F
eおよび不可避的不純物とからなり、500℃以上の高
温焼戻しにより63〜66HRCの高硬さが得られるこ
とを特徴とする表面処理に適した冷間工具鋼。 (3)前記(1)又は(2)記載の冷間工具鋼に窒化、
PVD、TD処理およびCVDなどの400℃以上での
高温表面硬化処理を施したことを特徴とする金型および
工具にある。
びその限定理由を説明する。Cは、焼入焼戻により十分
なマトリックス硬さを与えると共に、Cr,Mo,V,
Nbなどと結合して炭化物を形成し、高温強度、耐摩耗
性を与える元素である。しかしながら、本発明の場合、
Vを無添加とし、Mo炭化物による二次硬化を基本にす
るため、Cを過剰に添加する必要がない上、添加量が多
すぎると凝固時に粗大炭化物が過剰に析出し靱性を阻害
することから、Cの上限を1.20%とした。一方、
0.70%未満では十分な二次硬化硬さが得られないの
で、その下限を0.70%とした。
に、耐酸化性、焼入れ性に有利な元素であると共に焼戻
過程において炭化物の凝集を抑え二次硬化を促進する元
素である。しかし2.0%を超えて添加すると靱性を低
下させるので、その上限を2.0%とした。Mnは、S
iと同様に脱酸剤として添加し、鋼の清浄度を高めると
共に焼入性を高める元素である。しかしながら、1.5
%を超えて添加すると、熱間加工性を阻害する上に靱性
を低下させるので、その上限を1.5%とした。
抵抗を高める有効な元素である。この効果を満足するた
めには、少なくとも5.0%以上必要である。従って、
その下限を5.0%とした。一方、Crは凝固時にCと
結合して巨大一次炭化物を形成し易く、過剰な添加は靱
性を低下させることから、その上限を11.0%とし
た。MoおよびWは、共に微細な炭化物を形成し、二次
硬化に寄与する重要な元素であると共に、耐軟化抵抗性
を改善する元素である。ただし、その効果はMoの方が
Wよりも2倍強く、同じ効果を得るのに、WはMoの2
倍必要である。この両元素の効果はMo当量(1/2W
+Mo)で表すことができる。本発明成分径において、
500℃以上の高温戻しで63〜66HRCの高硬さを
得るためには、Mo当量で少なくとも3.0%超が必要
である。逆に、Mo当量の過剰増加は靱性を低下を招く
ため、その上限を5.0%とした。
耗性および耐軟化抵抗性を高める有効な元素であるが、
本発明のように、硬質表面処理を前提とした素材には工
具に必要な耐摩耗性は、この表面処理層で確保できるこ
とから必ずしも必要ではない。また、Vは縞状ミクロ偏
析を助長する元素でもあり、靱性や熱処理歪みの観点か
らも好ましくない元素である。さらに、Vを無添加とす
ることにより、本来VCとして捕われていたCを有効に
活用することができ、靱性に有効な合金組成である低C
化や二次硬化に有効なMoまたはW炭化物量の増加が計
られるなどのメリットが非常に大きい。従って、本発明
ではVを添加しないことを大きな特徴としている。
て、Co,S,Nを選択的に添加又は規制する。すなわ
ち、Coは上記成分範囲に対し、より高い硬度を必要と
する場合であり、Coを添加することにより、基地に固
溶し、焼入温度において溶質元素の固溶を促進するとと
もに、高温焼戻しにおける炭化物の凝集を抑制するた
め、二次硬化の促進に有効な元素である。これにより6
5HRC以上の硬さが安定して得られる。この効果を満
足するためには、少なくとも0.5%以上必要である。
しかし、過剰な添加は靱性を低下させることから、その
上限を4.0%とした。
被削性改善効果が増すため、快削性を確保するためには
必要な元素である。この効果を満足するためには、少な
くとも0.01%以上が必要である。しかし、0.30
%以上含有すると、強靱性、熱間加工性が劣化するの
で、その上限を0.30%とした。Nは、靱性を重視す
る場合に必要である。しかし、Nが60ppmを越える
と靱性を大きく低下させるため、本発明鋼では60pp
m以下とした。
較鋼の供試材(H)および(I)を各鋼200kgを真
空誘導溶解炉にて出鋼した。出鋼した9ヒートの鋼の化
学成分を表1に示す。合計9ヒートの鋼の200kg鋼
塊(平均径250mm)を鍛伸して角45mmとし、角
35mm×長さ50mmの試験片を機械加工により作製
した。この試験片を1050℃に30分保持後、空冷し
て焼入れし、525℃で60分保持後空冷処理を2回行
った後、表面処理を施した。表面処理は、プラズマCV
Dにより実施し、処理温度500℃で3μm厚さのTi
CN層をコーティングした。この表面処理済み試験片の
中心から、縦4×横8×長さ40mmの抗折試験片を加
工し、常温でロックウエルCスケールで硬さを測定した
後、抗折力およびたわみ量を測定した。表2に示すよう
に、本発明鋼(A)〜(G)は、いずれも63HRC以
上の硬さを維持している上、従来の冷間工具鋼(H)お
よび(I)よりもはるかに優れた強度を有していること
が判る。特にNを60ppm以下とした本発明鋼(D)
〜(G)は、従来鋼(H)および(I)に比べ、より高
い硬さを維持している上、SKD11である従来鋼
(H)よりも優れた靱性(たわみ量)を有していること
が判る。また、Coを添加した本発明鋼(B),(F)
および(G)は、より高い硬さが得られ、安定した特性
を得られることが判る。
鋼を出鋼し、鍛伸後焼きなましを施し、切削試験を行っ
た。切削試験は、NCフライスでφ12のエンドミルを
用いて、軸15mm×半径1.2mmの切込みをし、回
転速度900rpm、送り速度34m/分にて5m加工
後のエンドミル摩耗量を測定した。表2に示すように、
Sを含まない本発明鋼(A),(B),(D)および
(F)は、従来鋼(H)および(I)と同程度のエンド
ミル摩耗を示したが、Sを添加した本発明鋼(C),
(E)および(G)は、強度および靱性を殆ど低下させ
ずに、被削性の改善が図られていることが判る。特に、
Co,Sを添加し、Nを60ppm以下とした本発明鋼
(G)は、被削性に優れ、かつ優れた強度と靱性のバラ
ンスを有していることが判る。
で冷間鍛造用ダイを作製し、1050℃焼入れ、525
℃焼戻し処理後、厚さ2.4μmのTiCNコーティン
グを500℃のプラズマPVDにより実施した。この金
型を用いて、実機により鍛造テストを行った。被加工材
は4mm厚さのSCM420であった。従来鋼である同
表面処理を行ったSKD11製金型は割れにより寿命と
なり、その平均寿命は約4660ショットであった。こ
れに対し、本発明鋼(G)で作製した金型の寿命数は1
5543ショットであり、従来金型の凡そ3.3倍の高
寿命が得られた。その際の金型廃却要因は焼き付きおよ
び欠けであったことから、従来材では母材の硬さ不足に
よる早期コーティング層の剥離とそこを起点とした靱性
不足による割れが容易に生じたのに対し、本発明鋼では
母材硬さが十分硬く、コーティング層が剥離せずに、摩
耗のみが進行し高寿命となったと推定される。
具鋼においてV無添加の成分系でCおよびMo当量を最
適にバランスさせることにより、特に高温表面処理後も
高い硬さと靱性を有しており、冷間で使用する金型用工
具鋼として従来のものに比べて経済的で極めて優れたも
のとなっている。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量で、 C:0.70〜1.20%、 Si:2.0%以下、 Mn:1.5%以下、 Cr:5.0〜11.0% MoまたはWのいずれか1種又は2種をMo当量(1/
2W+Mo)で3.0%超〜5.0%とし、残部Feお
よび不可避的不純物とからなり、500℃以上の高温焼
戻しにより63〜66HRCの高硬さが得られることを
特徴とする表面処理に適した冷間工具鋼。 - 【請求項2】 重量で、 C:0.70〜1.20%、 Si:2.0%以下、 Mn:1.5%以下、 Cr:5.0〜11.0% MoまたはWのいずれか1種又は2種をMo当量(1/
2W+Mo)で3.0%超〜5.0%とし、さらに、 Co:0.5〜4.0% S:0.01〜0.30% N:60ppm以下 のいずれか1種又は2種以上とし、残部Feおよび不可
避的不純物とからなり、500℃以上の高温焼戻しによ
り63〜66HRCの高硬さが得られることを特徴とす
る表面処理に適した冷間工具鋼。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の冷間工具鋼に窒
化、PVD、TD処理およびCVDなどの400℃以上
での高温表面硬化処理を施したことを特徴とする金型お
よび工具。
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-
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- 1996-08-23 JP JP22203696A patent/JP3616204B2/ja not_active Expired - Fee Related
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