JPH09318246A - 洗浄物の乾燥装置及び方法 - Google Patents

洗浄物の乾燥装置及び方法

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JPH09318246A
JPH09318246A JP13731196A JP13731196A JPH09318246A JP H09318246 A JPH09318246 A JP H09318246A JP 13731196 A JP13731196 A JP 13731196A JP 13731196 A JP13731196 A JP 13731196A JP H09318246 A JPH09318246 A JP H09318246A
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Nobutaka Nakaso
教尊 中曽
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祐輔 塚原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄された物品1の表面にラム波,レイリー
波等の弾性波を励起させ、超音波流動によって物品1の
表面から洗浄液の水4を除去すると共に乾燥気体を噴出
させながら乾燥を行なう洗浄物の乾燥装置及び方法を提
供する。 【解決手段】 洗浄槽5内に蓄溜された水により洗浄さ
れた物品1をアーム7により把持し移動手段2によりA
矢視方向に物品1を移動させる。この移動方向と交差す
る方向から濡れた領域と濡れない領域の境界近傍の濡れ
ていない領域側に向かって超音波振動体18からの振動
エネルギを物品1の表面に照射し、弾性波を励起させ
る。超音波流動により物品1に付着した水が除去され、
乾燥される。また、乾燥気体の送風手段19から気体を
物品1に吹き付け、水滴やパーティクルの再付着を防止
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い清浄度を必要
とするために洗浄された板状の物品に付着した洗浄液を
当該物品に振動エネルギを照射して弾性波を励起せしめ
て除去し、当該物品を乾燥する装置及び方法に係り、特
に、超音波等を照射し、物品の乾燥領域から水に覆われ
た領域の方向に超音波流動を励起して物品を移動させな
がら乾燥する洗浄物の乾燥装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】画像表示装置として広く使用されている
液晶ディスプレイ(LCD)等の製造において、その材
料となる板状の大型のガラス基板を洗浄する工程が含ま
れる。また、LSIの製造に用いられる半導体ウエハで
も、板状のシリコン基板の大型化が進められ、大型化さ
れたシリコン基板の洗浄が行なわれている。これ等の製
造工程においては基板の洗浄のため大型の洗浄設備が必
要となる。特に、水を使用したブラシ洗浄や超音波の印
加された洗浄槽に物品を浸漬して洗浄する超音波洗浄設
備においては、洗浄された物品に付着した水分を取り除
いて物品を乾燥させる様々な手段が従来より採用されて
いる。
【0003】図9に示すものは、エアーナイフ法と呼称
されるものである。これは被洗浄物である板状の物品1
を図のA矢視方向に移動しながら高圧エアー噴射手段2
0から高圧エアーを物品1の表面に斜め方向から吹き付
け、物品1の表面に付着した水4を吹き飛ばして水の除
去と物品1の表面の乾燥を行なうものである。
【0004】図10はスピン乾燥と呼称されるもので、
板状の物品1を回転テーブル21上に固定し、回転テー
ブル21を高速回転させ、物品1の表面に付着している
水を遠心力により吹き飛ばして除去し物品1の乾燥を行
なうものである。
【0005】図11はIPA(イソプロピルアルコー
ル)蒸気乾燥と呼称されるものである。この乾燥方法は
IPA蒸気22を水4が蓄溜された洗浄槽5上に飽和蒸
気圧状態で充満させて物品1を洗浄槽5内からA矢視方
向に引き上げる際に水4をIPAで置換し、液状のIP
Aが物品1の表面に沿って洗浄槽5側に流下し、それに
伴って物品1の表面に付着していた水4および異物粒子
(パーティクル)を除去し物品1の表面乾燥を行なうも
のである。
【0006】図12は被乾燥体である物品1の裏面に超
音波振動体23を取り付け、この超音波振動体23の振
動エネルギを物品1の周辺部に向けて伝搬させ、この過
程で物品1の表面に付着した水滴24を流動化させて乾
燥させたり、極めて強力な振動を起して水滴24をはじ
き飛ばして物品1を乾燥する従来技術の他の例を示すも
のである。
【0007】また、図13は交差して配置される一対の
筒体のうち一方の筒体27に強力な超音波振動体26を
取り付け、強力な超音波をエアー28と共に物品1の表
面に吹き付け、物品1の表面からはじかれた水滴29を
他方の筒体30で吸引して物品1を乾燥させる従来技術
を示す。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図9に示したエアーナ
イフ法によるものは、高圧エアーを吹き付けるため乾燥
室内にエアーの乱流が生じ、舞い上ったパーティクルが
基板上に再付着する問題点がある。これを防止するため
に乾燥室の容積を大きくしてエアーの流れを整える手段
もあるがその分だけ設備費が高くなる問題点があり、且
つ完全な洗浄および乾燥ができない問題点がある。一
方、図10に示したスピン乾燥は一定の大きさの基板ま
では効果的な方法であるが、1メートル角やそれ以上の
大きな基板ではそれ自体を回転テーブル21で回転させ
ることは困難になり、物品1の大きさにより制限を受け
る。更に、図11に示したIPA蒸気乾燥は、一般にバ
ッチ式の洗浄乾燥装置で行なわれるものであり、大型の
基板の処理において主流となると予想される枚葉式の洗
浄設備ではこの方法による乾燥は時間がかかり枚葉処理
との整合性に乏しく、且つ物品の形状にも制限があり、
完全な乾燥ができない問題点がある。
【0009】また、図12に示したものは接触式である
と共に、物品1の端部に超音波を吸収する超音波吸収体
25が必要であり、且つ水滴24をはじき飛ばすには極
めて大きな超音波エネルギが必要となりコスト高となる
と共に高い清浄度を要求するウエハ等の乾燥は困難であ
る。また、図13に示すものは、超音波流動を利用した
ものではなく、超音波が水滴29を飛散させるに十分な
程強力なエネルギを持っている必要があり、ウエハ等の
精密部品には適さない。
【0010】以上のように、従来の乾燥方法では物品の
大型化に伴って完全な乾燥が困難であったり洗浄設備が
大型で広いスペースを要し高コストのものとなる問題点
があると共に、短時間で完全な乾燥ができない問題点が
あった。
【0011】本発明は、以上の問題点を解決するもの
で、大型の基板のような板状の物品の洗浄液の除去乾燥
が短時間で、且つ完全に行なわれると共に、比較的設備
コストも安く、省スペース化が図れる洗浄液の乾燥装置
及び方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の目的を
達成するために、洗浄液で表面及び/又は裏面の一部が
濡れた状態にある板状の物品を乾燥する装置であって、
前記物品の表面及び/又は裏面と交差する方向から前記
物品の濡れた領域と濡れていない領域との境界近傍で、
且つ濡れていない領域に対して振動エネルギを非接触に
照射し、前記物品の表面及び/又は裏面に前記物品の濡
れていない領域から濡れている領域に向かって前記物品
の表面及び/又は裏面を伝搬する弾性波を励起する照射
手段と、前記物品及び/又は前記照射手段を物品の表面
及び/又は裏面と平行する方向に沿って移動させる移動
手段とを備え、励起された前記弾性波により前記物品に
付着した前記洗浄液を流動化して前記表面及び/又は裏
面から除去する洗浄物の乾燥装置を構成するものであ
る。更に具体的に、前記照射手段が、所定の波長を有す
る超音波からなる振動エネルギを照射する超音波照射手
段であり、超音波の波長,超音波の照射角,前記物品の
弾性物性および板厚に応じて弾性ラム波又はレイリー波
を励起するものであることを特徴とする。前記移動手段
が、水平に保持された前記物品をその長手方向に沿って
移動する水平移動手段からなり、前記照射手段が、水平
移動する前記物品の幅方向に沿って線状ビームに形成さ
れた振動エネルギを照射するものであることを特徴とす
る。前記照射手段が、反復走査されるレーザビームから
なる振動エネルギを照射するレーザ照射手段であり、光
弾性効果により反復走査の速度に応じた位相速度を有す
る弾性波を励起するものであることを特徴とする。更
に、前記照射手段が、干渉縞を形成する周波数の僅かに
異なる2本のレーザビームからなる振動エネルギを照射
する照射手段であり、光弾性効果により干渉縞の進行速
度に応じた位相速度を有する弾性波を励起するものであ
ることを特徴とする。また、前記振動エネルギが照射さ
れる前記物品の照射部位に重ねて乾燥気体を送風する送
風手段を含むことを特徴とする。洗浄液で表面及び/又
は裏面の一部が濡れた状態にある板状の物品を乾燥する
乾燥方法であって、前記物品の表面及び/又は裏面と交
差する方向から前記物品の濡れた領域と濡れていない領
域との境界近傍で、且つ濡れていない領域に対して振動
エネルギを非接触に照射し、前記物品の表面及び/又は
裏面に前記物品の濡れていない領域から濡れている領域
に向かって前記物品の表面及び/又は裏面を伝搬する弾
性波を励起し、弾性エネルギの照射位置を前記物品に対
して相対的に移動させながら励起した前記弾性波によっ
て前記物品に付着した前記洗浄液を流動化して前記物品
の表面及び/又は裏面から除去する洗浄物の乾燥方法を
特徴とする。また、前記物品に振動エネルギを照射する
と共に照射部位に重ねて乾燥気体を供給することを特徴
とするものである。
【0013】液体に接する材料に弾性表面波がそのエネ
ルギを液体側に漏らしながら伝搬するとき、弾性表面波
により材料に付着した液体が流動する。特に洗浄物に超
音波等の振動エネルギを照射し弾性波を励起すると、物
品に付着した洗浄液を弾性波の位相速度の方向に流す超
音波流動現象が生ずる。この作用は弾性波の振幅が大き
い程大きく強度がある程度以上強くなると空中に洗浄液
を水滴状に放出する現象が生ずる。物品自体も弾性波に
より振動すると共に前記の超音波流動現象により物品に
付着した洗浄液や異物粒子が除去され、乾燥が行なわれ
る。この場合、弾性波の伝搬する方向から見て被乾燥体
の半面が濡れている時には、濡れていることによってこ
の領域で弾性波が減衰し、被乾燥体の端面で反射された
弾性波が濡れた領域からすでに乾燥された領域に逆向き
に液体を運ぶ力の生じることが防がれることになる。更
に、乾燥領域から濡れた領域への超音波流動現象を利用
するために、水滴を乾燥体表面からはじき飛ばす程に強
力な振幅を用いる必要が無い。
【0014】物品の表面に大振幅の弾性波振動を励起伝
搬させる方法として、物品の表面にレイリー波又はラム
波等のモードを励起させる方法がある。レイリー波又は
ラム波のどちらを励起させるかは一般に照射する超音波
の周波数によって分けられる。レイリー波は物品の表面
を伝わる弾性波であり波長に対して板厚の比較的厚い物
品にしか励起されない。レイリー波を励起するためには
レイリー角と呼ばれる角度で超音波を入射するか、又は
物品の表面にレイリー波の位相速度と等しい速度でレー
ザビームを反復照射することにより行なわれる。
【0015】一方、ラム波は、板状の物品を伝搬するも
ので、物品の材料やこれに対する水や気体の弾性定数,
板厚及び超音波の周波数で決まる入射角で超音波を入射
するか、或いは物品の材料やこれと接する水や気体の弾
性定数,板厚およびラム波の周波数で決まる位相速度で
1本のレーザビームを反復走査するか或いは周波数が僅
かに異なる2本のレーザビームで位相干渉縞を走査する
ことで発生させることができる。また、ラム波は対称モ
ードと非対称モードの2種類のタイプに分けられるが、
両者とも物品の表裏両面に対して同様の表面振動を励起
させることができる。このため、成膜層や細かいパター
ンを持たない裏面側に超音波を照射し、表面側の洗浄液
の除去乾燥を間接的に行なうことができる。
【0016】また、物品の表面に周波数の僅かに異なる
2本のレーザビームを照射すると両者の位相干渉により
干渉縞が生ずる。この干渉縞により物品の照射面が熱膨
脹し、縞状の力学的な歪みが生ずる。この歪みの発生に
より物品の内部にバルク弾性波が発生すると共に、干渉
縞の走査スピードが漏洩弾性表面波の固有音速度に等し
くなるとバルク弾性波の代りに物品の表面に弾性表面波
が励起される。これにより物品の表品を乾燥できる。
【0017】超音波又はレーザビームの照射と同時に、
清浄なエアーや不活性ガスを照射するとこれ等がエアー
カーテンとして機能し弾性波振動によって飛び散った水
滴が既に乾燥した面に再付着することを防止することが
できる。なお、この場合、従来の高圧エアー方式のよう
に強力なエアーを吹き付ける必要がなく、エアーの乱流
撹拌によるパーティクルの再付着は生じない。なお、前
記したように、レーザビームを走査したり干渉縞を発生
させる照射方法を採用する場合には、前記のようにエア
ーやガスの吹き付けがなくてもレーザ光の熱により洗浄
液を乾燥させることができる。即ち、レーザビームで励
起した弾性波振動で物理的に除去できなかった水分もレ
ーザ光の熱により蒸発させることができることを意味す
る。なお、この場合、レーザ光は物品の内部に吸収され
る波長を有するものが必要である。
【0018】洗浄液で物品を洗浄する場合、洗浄液を蓄
溜する洗浄槽から物品を引き上げ、洗浄槽から露出する
境界に超音波等を印加し、物品に付着した洗浄液を洗浄
槽側に落す方法を採用することにより省スペース化が図
れる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る洗浄物の乾燥
装置及び方法の実施の形態を図面を参照して詳述する。
図1は本発明の基本的構成を示す構成図である。被洗浄
物である板状の物品1は移動手段2により物品1の表面
と平行な方向(矢視A方向)に移動される。一方、移動
方向と交差する方向から照射手段3により振動エネルギ
が物品1に照射される。振動エネルギの照射により、物
品1の表面には物品1の乾燥している領域から濡れてい
る領域に向かって進行する弾性波が励起される。この弾
性波によりその方向に洗浄液が流動し、物品1の表面か
ら洗浄液がなくなり表面が乾燥される。
【0020】図2は図1の構成をより具体的に示したも
のである。洗浄液である水4は洗浄槽5内に蓄溜され
る。洗浄槽5には超音波振動体6が設けられ、洗浄槽5
内の水に超音波振動を与え物品1に付着しているパーテ
ィクルを剥ぎ取る。これによりガラス板等の物品1は十
分に洗浄される。物品1はアーム7により側端部を把持
され移動手段2により引き上げられる。照射手段3は前
記したようにA矢視の移動方向に対して角度θだけ傾斜
した方向から振動エネルギを物品1の表面に照射する。
これにより物品1の表面から水4が除去され乾燥され
る。
【0021】図3は比較的薄肉(例えば2mm程度)の
板状の物品1に照射手段3の1つである超音波照射手段
300により超音波の振動エネルギを照射する例を示
す。なお、照射される超音波は物品1の移動方向に対し
角度θ(θは鋭角)の方向から照射される。なお、超音
波照射手段300による超音波振動周波数は、例えば、
200KHzを用いる。超音波の照射により、物品1に
は弾性ラム波が励起される。なお、物品1が前記のよう
に薄肉の場合には、照射面と逆の面にも弾性ラム波が発
生する。従って、超音波照射手段300からの超音波を
物品1の成膜実装されている表面8と逆の裏面9に照射
することにより表面8の洗浄および乾燥が行なわれる。
このため、超音波照射手段300に内蔵された超音波振
動ホーンからパーティクル(異物粒子)が発生した場合
でも物品1の表面8側にはパーティクルが付着しない。
これにより表面8の完全洗浄および乾燥が行なわれる。
【0022】図4は肉厚の比較的厚い物品1に超音波照
射手段300により超音波を印加したものである。この
場合は、一面側にのみレイリー波が生じ、その面の乾燥
が行なわれる。
【0023】図5は板状のガラス板等の物品1を水平に
保持し、ローラ10上に支持し水平移動手段11により
水平方向(B矢視方向)に移動させて乾燥を行なう場合
を示す。超音波照射手段(図示せず)は物品1の幅方向
に沿って物品1の表面と対面配置させ、物品1の表面に
幅方向に沿って線状ビームを照射する。なお、線状ビー
ムは移動方向Bと交差し、且つ物品1の乾燥している領
域から濡れている領域に向かって照射される。以上の構
成により物品1上に付着した洗浄液12は物品1の表面
に生じた超音波流動の作用によって図の左方向(C矢視
方向)に流れ、照射部位より右側には水等の洗浄液12
は全く残らない。なお、物品1が薄肉の場合、照射面と
反対の面(図示の下面)も乾燥される。
【0024】図6は超音波照射手段300の替りにレー
ザ発生装置13からのレーザ光により物品1の乾燥を行
なうようにした乾燥装置の構成を示す。レーザビームを
ラム波又はレイリー波等の位相速度と等しい速度で反復
走査することにより、超音波照射手段300によるもの
とほぼ同様な効果を有する乾燥が行なわれる。
【0025】レーザ発生装置13からのレーザ光14は
高速で回転するポリゴンミラー15により反射されスリ
ット16を介してシリコンウエハ等の板状の物品1に反
復照射される。ポリゴンミラー15からのレーザ光14
によりその走査速度に応じた位相速度の表面弾性波が生
ずる。このレーザ光14を引き上げ方向と逆の洗浄槽5
の液面方向に走査する。より具体的には水4と物品1と
の界面近傍にレーザ光14が照射される。これにより、
水面側に向かう弾性波が励起され乾燥が行なわれる。物
品1が薄肉の場合、レーザ光14を物品1の裏面側に照
射することにより表面の成膜側が破壊されることなく乾
燥される。以上の方法により物品1を引き上げ速度20
cm/sで移動しながら乾燥が行なわれた。
【0026】図7はレーザビームの干渉縞を用いて物品
1の表裏面にそれ等の面に沿う弾性表面波を励起して物
品1の乾燥を行なうものである。図示のように物品1の
表面に周波数ω′とωの2つのレーザビームを照射する
と物品1の表面に干渉縞が生じ、その干渉縞により周期
的に熱膨脹した縞状の力学的な歪が生ずる。これに応じ
てバルク弾性波17が発生する。干渉縞の走査スピード
が漏洩弾性表面波の固有音速度と等しい場合にはバルク
弾性波17の代りに物品1の表面に沿う弾性表面波が生
じ、これにより前記の例と同様に物品の乾燥が行なわれ
る。
【0027】図8は、超音波振動体18による超音波振
動エネルギを物品1に照射すると共に乾燥気体の送風手
段19により物品の照射部位に気体を照射するものであ
る。気体としては、例えば、窒素ガスが採用されるが勿
論これに限定するものではない。この窒素ガスは物品1
表面の弾性波振動によって飛ばされた水滴やパーティク
ルが既に乾燥している部分に飛びはねて再付着しないよ
うにエアーカーテンとして機能するものである。
【0028】前記したように、物品を垂直又は水平方向
に移動しながら、超音波又はレーザビームを移動方向と
交差する方向に照射し、場合により照射部位に気体を噴
射せしめることにより物品の表面及び/又は裏面に弾性
波を励起し、乾燥している領域から濡れている向きにそ
の超音波流動によって物品に付着している洗浄液を除去
し、乾燥を行なうことができる。特に、洗浄槽から物品
を垂直方向に引き上げながら乾燥を行なう場合には省ス
ペース化が図れる。また、水滴の飛散等が少ないため、
乾燥室の容積を小さくすることができる。
【0029】
【発明の効果】
1)本発明の請求項1に記載の洗浄物の乾燥装置によれ
ば、照射手段により振動エネルギを照射することにより
物品の表面に弾性波を励起し、その流動により洗浄液の
除去と物品の表面の乾燥が行なわれるため、比較的簡単
な構成により、完全な乾燥が迅速に行なわれる。 2)本発明の請求項2に記載の洗浄物の乾燥装置によれ
ば、照射手段として超音波照射手段を用いることによ
り、物品にラム波又はレイリー波が生じ、超音波流動に
よって物品の洗浄液が確実に除去され、且つ十分な乾燥
が行なわれる。 3)本発明の請求項3に記載の洗浄物の乾燥装置によれ
ば、物品を水平方向に保持する場合においても十分な洗
浄と乾燥が行なわれる。 4)本発明の請求項4に記載の洗浄物の乾燥装置によれ
ば、超音波振動体の代りにレーザビーム光源を用いて同
様の乾燥を行なうことができる。 5)本発明の請求項5に記載の洗浄物の乾燥装置によれ
ば、干渉縞を用いることにより、物品の表面に弾性波を
形成せしめ、前記と同様の確実な乾燥を行なうことがで
きる。 6)本発明の請求項6に記載の洗浄物の乾燥装置によれ
ば、超音波照射と共に乾燥気体を照射部位に吹き付ける
ことによりこれがエアーカーテンとして機能し、物品か
ら飛び散った洗浄液やパーティクルの再付着を防止する
ことができる。これにより、確実な乾燥が行なわれる。 7)本発明の請求項7,8に記載の洗浄物の乾燥方法に
より、任意の形状の物品の乾燥が完全に且つ迅速に行な
われ、且つ省スペース化が図れる効果が上げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的構成を示す構成図。
【図2】本発明のより具体的構成を示す構成図。
【図3】本発明におけるラム波の発生状態とそれによる
乾燥作用を示す模式図。
【図4】本発明のレイリー波の発生状態とそれによる乾
燥作用を示す模式図。
【図5】本発明による水平方向に沿って移動する物品の
乾燥処理を示す構成図。
【図6】レーザビームを用いた本発明の洗浄物の乾燥装
置を示す構成図。
【図7】干渉縞を用いた本発明の洗浄物の乾燥装置を示
す構成図。
【図8】超音波振動体による超音波振動エネルギの照射
と乾燥気体による吹き付けとを併用した本発明の洗浄物
の乾燥装置を示す構成図。
【図9】従来の高圧エアーを用いた乾燥方法を説明する
ための模式図。
【図10】従来のスピン乾燥方式による乾燥方法を説明
するための模式図。
【図11】従来のIPA蒸気乾燥方法による乾燥を説明
するための模式図。
【図12】従来の接触式の超音波振動体により物品を振
動させて水滴をとばし乾燥させる方法を示す模式図。
【図13】従来の超音波振動とエアーにより水滴を除去
して物品を乾燥させる方法を説明するための模式図。
【符号の説明】
1 物品 2 移動手段 3 照射手段 300 超音波照射手段 4 水 5 洗浄槽 6 超音波振動体 7 アーム 8 表面 9 裏面 10 ローラ 11 水平移動手段 12 洗浄液 13 レーザ発生装置 14 レーザ光 15 ポリゴンミラー 16 スリット 17 バルク弾性波 18 超音波振動体 19 送風手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄液で表面及び/又は裏面の一部が濡
    れた状態にある板状の物品を乾燥する装置であって、前
    記物品の表面及び/又は裏面と交差する方向から前記物
    品の濡れた領域と濡れていない領域との境界近傍で、且
    つ濡れていない領域に対して振動エネルギを非接触に照
    射し、前記物品の表面及び/又は裏面に前記物品の濡れ
    ていない領域から濡れている領域に向かって前記物品の
    表面及び/又は裏面を伝搬する弾性波を励起する照射手
    段と、前記物品及び/又は前記照射手段を物品の表面及
    び/又は裏面と平行する方向に沿って移動させる移動手
    段とを備え、励起された前記弾性波により前記物品に付
    着した前記洗浄液を流動化して前記表面及び/又は裏面
    から除去することを特徴とする洗浄物の乾燥装置。
  2. 【請求項2】 前記照射手段が、所定の波長を有する超
    音波からなる振動エネルギを照射する超音波照射手段で
    あり、超音波の波長,超音波の照射角,前記物品の弾性
    物性および板厚に応じて弾性ラム波又はレイリー波を励
    起するものである請求項1に記載の洗浄物の乾燥装置。
  3. 【請求項3】 前記移動手段が、水平に保持された前記
    物品をその長手方向に沿って移動する水平移動手段から
    なり、前記照射手段が、水平移動する前記物品の幅方向
    に沿って線状ビームに形成された振動エネルギを照射す
    るものである請求項1に記載の洗浄物の乾燥装置。
  4. 【請求項4】 前記照射手段が、反復走査されるレーザ
    ビームからなる振動エネルギを照射するレーザ照射手段
    であり、光弾性効果により反復走査の速度に応じた位相
    速度を有する弾性波を励起するものである請求項1又は
    3に記載の洗浄物の乾燥装置。
  5. 【請求項5】 前記照射手段が、干渉縞を形成する周波
    数の僅かに異なる2本のレーザビームからなる振動エネ
    ルギを照射する照射手段であり、光弾性効果により干渉
    縞の進行速度に応じた位相速度を有する弾性波を励起す
    るものである請求項1又は3に記載の洗浄物の乾燥装
    置。
  6. 【請求項6】 前記振動エネルギが照射される前記物品
    の照射部位に重ねて乾燥気体を送風する送風手段を含む
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の洗
    浄物の乾燥装置。
  7. 【請求項7】 洗浄液で表面及び/又は裏面の一部が濡
    れた状態にある板状の物品を乾燥する乾燥方法であっ
    て、前記物品の表面及び/又は裏面と交差する方向から
    前記物品の濡れた領域と濡れていない領域との境界近傍
    で、且つ濡れていない領域に対して振動エネルギを非接
    触に照射し、前記物品の表面及び/又は裏面に前記物品
    の濡れていない領域から濡れている領域に向かって前記
    物品の表面及び/又は裏面を伝搬する弾性波を励起し、
    弾性エネルギの照射位置を前記物品に対して相対的に移
    動させながら励起した前記弾性波によって前記物品に付
    着した前記洗浄液を流動化して前記物品の表面及び/又
    は裏面から除去することを特徴とする洗浄物の乾燥方
    法。
  8. 【請求項8】 前記物品に振動エネルギを照射すると共
    に照射部位に重ねて乾燥気体を供給することを特徴とす
    る請求項7に記載の洗浄物の乾燥方法。
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JP2021081166A (ja) * 2019-11-22 2021-05-27 株式会社Lixil 乾燥装置

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