JPH0931857A - 積層不織布及びその製造方法 - Google Patents
積層不織布及びその製造方法Info
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- JPH0931857A JPH0931857A JP7203940A JP20394095A JPH0931857A JP H0931857 A JPH0931857 A JP H0931857A JP 7203940 A JP7203940 A JP 7203940A JP 20394095 A JP20394095 A JP 20394095A JP H0931857 A JPH0931857 A JP H0931857A
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- fiber
- cotton
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 引張強力,柔軟性,毛羽立ち防止性,フィル
ター特性及び吸水性に優れた積層不織布及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】 この積層不織布は、長繊維不織布,極細
繊維不織布,コットン繊維不織布とが、順に積層されて
なるものである。積層不織布は、間隔を置いて設けられ
た点状融着区域3を持つ。点状融着区域3において、長
繊維不織布の長繊維の融解部4と、極細繊維不織布の極
細繊維の融解部2とが融着一体化して、融解部2が融解
部4によって補強されている。融解部2には、コットン
繊維不織布を構成しているコットン繊維1が埋入してい
る。これによって、長繊維不織布、極細繊維不織布及び
コットン繊維不織布が、点状融着区域3で積層接合され
て、積層不織布となっている。
ター特性及び吸水性に優れた積層不織布及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】 この積層不織布は、長繊維不織布,極細
繊維不織布,コットン繊維不織布とが、順に積層されて
なるものである。積層不織布は、間隔を置いて設けられ
た点状融着区域3を持つ。点状融着区域3において、長
繊維不織布の長繊維の融解部4と、極細繊維不織布の極
細繊維の融解部2とが融着一体化して、融解部2が融解
部4によって補強されている。融解部2には、コットン
繊維不織布を構成しているコットン繊維1が埋入してい
る。これによって、長繊維不織布、極細繊維不織布及び
コットン繊維不織布が、点状融着区域3で積層接合され
て、積層不織布となっている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン系
長繊維不織布と、ポリプロピレン系極細繊維不織布と、
コットン繊維不織布とが順に積層されてなる積層不織布
及びその製造方法に関し、特に極細繊維不織布とコット
ン繊維不織布との層間剥離強力が高く、層間剥離しにく
い積層不織布及びその製造方法に関するものである。ま
た、引張強力,柔軟性,毛羽立ち防止性,フィルター特
性及び吸水性に優れた積層不織布及びその製造方法に関
するものである。
長繊維不織布と、ポリプロピレン系極細繊維不織布と、
コットン繊維不織布とが順に積層されてなる積層不織布
及びその製造方法に関し、特に極細繊維不織布とコット
ン繊維不織布との層間剥離強力が高く、層間剥離しにく
い積層不織布及びその製造方法に関するものである。ま
た、引張強力,柔軟性,毛羽立ち防止性,フィルター特
性及び吸水性に優れた積層不織布及びその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、繊維素材の異なる各種不織布
を積層し、各不織布の持つ物性を発揮させた積層不織布
は知られている。例えば、天然繊維よりなる不織布と熱
可塑性繊維よりなる不織布とを積層し、天然繊維の良好
な吸水性と熱可塑性繊維の良好な機械的特性(引張強力
等)とを発揮させた積層不織布が知られている。
を積層し、各不織布の持つ物性を発揮させた積層不織布
は知られている。例えば、天然繊維よりなる不織布と熱
可塑性繊維よりなる不織布とを積層し、天然繊維の良好
な吸水性と熱可塑性繊維の良好な機械的特性(引張強力
等)とを発揮させた積層不織布が知られている。
【0003】天然繊維不織布と熱可塑性繊維不織布とを
積層するには、例えば、接着剤によって積層する方法が
知られている。しかしながら、天然繊維不織布と熱可塑
性繊維不織布との層間に全面に接着剤が塗布されると、
不織布の持つ通気性が阻害されるということがあった。
また、接着剤層が形成されるため、積層不織布全体の柔
軟性が低下するということがあった。このため、接着剤
を全面に塗布せずに、部分的に(例えば点状に)塗布す
ることが行われている(特公昭54−24506号公
報)。しかし、接着剤を部分的に規則正しく均一に塗布
するには、煩雑な作業を要した。例えば、接着剤を離型
紙上に予め部分的に均一に塗布しておき、この離型紙を
天然繊維不織布上に積層し、接着剤を天然繊維不織布に
転写した後、離型紙を剥離するというような煩雑な作業
を要し、合理的な方法とは言えなかった。
積層するには、例えば、接着剤によって積層する方法が
知られている。しかしながら、天然繊維不織布と熱可塑
性繊維不織布との層間に全面に接着剤が塗布されると、
不織布の持つ通気性が阻害されるということがあった。
また、接着剤層が形成されるため、積層不織布全体の柔
軟性が低下するということがあった。このため、接着剤
を全面に塗布せずに、部分的に(例えば点状に)塗布す
ることが行われている(特公昭54−24506号公
報)。しかし、接着剤を部分的に規則正しく均一に塗布
するには、煩雑な作業を要した。例えば、接着剤を離型
紙上に予め部分的に均一に塗布しておき、この離型紙を
天然繊維不織布上に積層し、接着剤を天然繊維不織布に
転写した後、離型紙を剥離するというような煩雑な作業
を要し、合理的な方法とは言えなかった。
【0004】このため、熱可塑性繊維の可塑性を利用し
て、天然繊維不織布と熱可塑性繊維不織布とを積層する
ことが考えられる。即ち、熱可塑性繊維の表面を軟化又
は溶融させて粘着性を発現させ、この粘着性によって熱
可塑性繊維と天然繊維とを接着させることが考えられる
のである。確かに、この方法は合理的な方法であるが、
天然繊維や熱可塑性繊維の素材によっては、強固な接着
ができないということがあった。即ち、天然繊維と熱可
塑性繊維の濡れ性が良好な場合(SP値が近似している
ような場合)には、この方法によって強固な接着が実現
するのであるが、両繊維の濡れ性が不良な場合(SP値
に大きな差があるような場合)には、強固な接着が実現
できないということがあった。そして、天然繊維不織布
と熱可塑性繊維不織布との層間剥離強力が高くならない
ということがあった。特に、天然繊維としてコットン繊
維を使用し、熱可塑性繊維としてポリプロピレン系繊維
を使用したような場合には、強固な接着を実現すること
は不可能であり、コットン繊維不織布とポリプロピレン
系繊維不織布との層間剥離強力の高い積層不織布を得る
ことは困難であった。
て、天然繊維不織布と熱可塑性繊維不織布とを積層する
ことが考えられる。即ち、熱可塑性繊維の表面を軟化又
は溶融させて粘着性を発現させ、この粘着性によって熱
可塑性繊維と天然繊維とを接着させることが考えられる
のである。確かに、この方法は合理的な方法であるが、
天然繊維や熱可塑性繊維の素材によっては、強固な接着
ができないということがあった。即ち、天然繊維と熱可
塑性繊維の濡れ性が良好な場合(SP値が近似している
ような場合)には、この方法によって強固な接着が実現
するのであるが、両繊維の濡れ性が不良な場合(SP値
に大きな差があるような場合)には、強固な接着が実現
できないということがあった。そして、天然繊維不織布
と熱可塑性繊維不織布との層間剥離強力が高くならない
ということがあった。特に、天然繊維としてコットン繊
維を使用し、熱可塑性繊維としてポリプロピレン系繊維
を使用したような場合には、強固な接着を実現すること
は不可能であり、コットン繊維不織布とポリプロピレン
系繊維不織布との層間剥離強力の高い積層不織布を得る
ことは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等
は、熱可塑性繊維の粘着性によって天然繊維と熱可塑性
繊維とを接着させることを主とするのではなく、熱可塑
性繊維の流動性を利用して、この流動性によって天然繊
維を熱可塑性繊維中に埋入させることを主とすることに
より、天然繊維と熱可塑性繊維とを結合させ、もって天
然繊維と熱可塑性繊維の接合力を高くし、天然繊維不織
布と熱可塑性繊維不織布とからなる積層不織布の層間剥
離強力を高めることを提案した(特願平6−19375
9号)。即ち、特願平6−193759号に係る発明
は、繊度0.2デニール以下のポリプロピレン系極細繊
維よりなる極細繊維不織布の両面に、コットン繊維相互
間が交絡されてなるコットン繊維不織布が積層されてな
る積層不織布であって、該積層不織布は、該極細繊維不
織布と該コットン繊維不織布とが直接接合されてなる点
状融着区域を持ち、該点状融着区域では、該極細繊維の
融解部に該コットン繊維が埋入された状態で両繊維が結
合していることを特徴とする積層不織布に関するもので
ある。
は、熱可塑性繊維の粘着性によって天然繊維と熱可塑性
繊維とを接着させることを主とするのではなく、熱可塑
性繊維の流動性を利用して、この流動性によって天然繊
維を熱可塑性繊維中に埋入させることを主とすることに
より、天然繊維と熱可塑性繊維とを結合させ、もって天
然繊維と熱可塑性繊維の接合力を高くし、天然繊維不織
布と熱可塑性繊維不織布とからなる積層不織布の層間剥
離強力を高めることを提案した(特願平6−19375
9号)。即ち、特願平6−193759号に係る発明
は、繊度0.2デニール以下のポリプロピレン系極細繊
維よりなる極細繊維不織布の両面に、コットン繊維相互
間が交絡されてなるコットン繊維不織布が積層されてな
る積層不織布であって、該積層不織布は、該極細繊維不
織布と該コットン繊維不織布とが直接接合されてなる点
状融着区域を持ち、該点状融着区域では、該極細繊維の
融解部に該コットン繊維が埋入された状態で両繊維が結
合していることを特徴とする積層不織布に関するもので
ある。
【0006】この積層不織布は、点状融着区域におい
て、極細繊維不織布とコットン繊維不織布とが強固に接
合しており、層間剥離強力が高く好適なものである。し
かしながら、点状融着区域において、極細繊維の量が、
コットン繊維の量に比べて極めて少ない場合、コットン
繊維を埋入してそれを把持するための極細繊維の融解部
が、その機能を低下させてしまうということがあった。
即ち、極細繊維の融解部の厚さが薄くなり、コットン繊
維の母体としての機能を低下させてしまい、積層不織布
の取り扱い中に、相対的に母体の量が少ないため、この
母体が損傷或いは破壊し、結局、層間剥離強力が低下す
るということがあった。
て、極細繊維不織布とコットン繊維不織布とが強固に接
合しており、層間剥離強力が高く好適なものである。し
かしながら、点状融着区域において、極細繊維の量が、
コットン繊維の量に比べて極めて少ない場合、コットン
繊維を埋入してそれを把持するための極細繊維の融解部
が、その機能を低下させてしまうということがあった。
即ち、極細繊維の融解部の厚さが薄くなり、コットン繊
維の母体としての機能を低下させてしまい、積層不織布
の取り扱い中に、相対的に母体の量が少ないため、この
母体が損傷或いは破壊し、結局、層間剥離強力が低下す
るということがあった。
【0007】そこで、本発明は、コットン繊維の母体と
なる極細繊維の融解部を、補強することによって、層間
剥離強力の低下を防止しようというものである。具体的
には、極細繊維不織布の他面(コットン繊維不織布が積
層されているのとは反対面)に、極細繊維と同種の繊維
であって、この極細繊維の繊度よりも大きい繊度を持つ
繊維を集積してなる不織布を積層し、極細繊維の融解部
に、この同種の繊維の融解部を融着一体化させて、極細
繊維の融解部を補強しようというものである。
なる極細繊維の融解部を、補強することによって、層間
剥離強力の低下を防止しようというものである。具体的
には、極細繊維不織布の他面(コットン繊維不織布が積
層されているのとは反対面)に、極細繊維と同種の繊維
であって、この極細繊維の繊度よりも大きい繊度を持つ
繊維を集積してなる不織布を積層し、極細繊維の融解部
に、この同種の繊維の融解部を融着一体化させて、極細
繊維の融解部を補強しようというものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、繊度2
〜10デニールのポリプロピレン系長繊維が集積されて
なる長繊維不織布、繊度0.2デニール以下のポリプロ
ピレン系極細繊維が集積されてなる極細繊維不織布、コ
ットン繊維相互間が交絡されてなるコットン繊維不織布
の順に積層されてなる積層不織布であって、該積層不織
布には、間隔を置いて設けられた点状融着区域を持ち、
該点状融着区域において、該長繊維不織布と該極細繊維
不織布とは、該ポリプロピレン系長繊維の融解部と該ポ
リプロピレン系極細繊維の融解部とが融着一体化するこ
とによって接合されており、該極細繊維不織布と該コッ
トン繊維不織布とは、少なくとも該ポリプロピレン系極
細繊維の該融解部に該コットン繊維が埋入されることに
よって接合されていることを特徴とする積層不織布及び
その製造方法に関するものである。
〜10デニールのポリプロピレン系長繊維が集積されて
なる長繊維不織布、繊度0.2デニール以下のポリプロ
ピレン系極細繊維が集積されてなる極細繊維不織布、コ
ットン繊維相互間が交絡されてなるコットン繊維不織布
の順に積層されてなる積層不織布であって、該積層不織
布には、間隔を置いて設けられた点状融着区域を持ち、
該点状融着区域において、該長繊維不織布と該極細繊維
不織布とは、該ポリプロピレン系長繊維の融解部と該ポ
リプロピレン系極細繊維の融解部とが融着一体化するこ
とによって接合されており、該極細繊維不織布と該コッ
トン繊維不織布とは、少なくとも該ポリプロピレン系極
細繊維の該融解部に該コットン繊維が埋入されることに
よって接合されていることを特徴とする積層不織布及び
その製造方法に関するものである。
【0009】まず、本発明において使用する長繊維不織
布について説明する。この長繊維不織布は、繊度2〜1
0デニールの長繊維が集積されてなるものである。そし
て、この長繊維は、ポリプロピレン系重合体で形成され
てなるものである。ポリプロピレン系重合体としては、
一般的にポリプロピレンが使用される。ポリプロピレン
以外としては、数重量%のエチレン又はその他の単量体
をポリプロピレンに共重合させたものを用いることがで
きる。なお、ポリプロピレン系重合体には、本発明の目
的を阻害しない範囲で、艶消し剤,顔料,防炎剤,消臭
剤,帯電防止剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤等の任意の
添加剤が添加されていてもよい。
布について説明する。この長繊維不織布は、繊度2〜1
0デニールの長繊維が集積されてなるものである。そし
て、この長繊維は、ポリプロピレン系重合体で形成され
てなるものである。ポリプロピレン系重合体としては、
一般的にポリプロピレンが使用される。ポリプロピレン
以外としては、数重量%のエチレン又はその他の単量体
をポリプロピレンに共重合させたものを用いることがで
きる。なお、ポリプロピレン系重合体には、本発明の目
的を阻害しない範囲で、艶消し剤,顔料,防炎剤,消臭
剤,帯電防止剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤等の任意の
添加剤が添加されていてもよい。
【0010】ポリプロピレン系重合体で形成される長繊
維、即ちポリプロピレン系長繊維の繊度は2〜10デニ
ールの範囲内となるように調整される。ポリプロピレン
系長繊維の繊度が2デニール未満になると、長繊維不織
布の表面が毛羽立ちやすくなり、本発明の目的とする積
層不織布を得にくくなる。また、ポリプロピレン系長繊
維の繊度が10デニールを超えると、長繊維自体が粗剛
となって、本発明の目的とするような柔軟性のある積層
不織布が得られにくくなる。
維、即ちポリプロピレン系長繊維の繊度は2〜10デニ
ールの範囲内となるように調整される。ポリプロピレン
系長繊維の繊度が2デニール未満になると、長繊維不織
布の表面が毛羽立ちやすくなり、本発明の目的とする積
層不織布を得にくくなる。また、ポリプロピレン系長繊
維の繊度が10デニールを超えると、長繊維自体が粗剛
となって、本発明の目的とするような柔軟性のある積層
不織布が得られにくくなる。
【0011】本発明において使用する長繊維不織布は、
一般的にスパンボンド法で容易に得ることができる。即
ち、従来公知の溶融紡糸機を用いてポリプロピレン系長
繊維を溶融紡糸し、横吹付や環状吹付等の従来公知の冷
却装置を用いて吹付風により冷却した後、一般的にエア
ーサッカーを用いて、所望の繊度となるように牽引細化
されて引き取られる。牽引速度は3000m/分以上、
特に3500m/分以上が、長繊維不織布の機械的性能
のために好適である。エアーサッカーから排出された長
繊維は、一般的に、高圧電場中のコロナ放電域か、又
は、摩擦衝突帯域を通過させて帯電開繊した後、スクリ
ーンからなるコンベアーの如き移動堆積装置上に開繊集
積させて、繊維集積体を得る。そして、この繊維集積体
は、そのままで長繊維不織布として使用され、又は全面
に熱カレンダー処理を施したり若しくは部分的に熱エン
ボス処理を施して形態安定性を向上させると共に毛羽立
ちを抑えて、長繊維不織布として使用してもよい。な
お、熱カレンダー処理又は熱エンボス処理を施す際の条
件は、積層不織布に点状融着区域を設ける際の条件より
も軽度な条件とし、長繊維相互間に疑似接着(疑似圧
着)が生じる程度とすることが、最終的に得られる積層
不織布の柔軟性を確保するために好ましい。熱カレンダ
ー処理等の条件が苛酷であると、長繊維相互の融着・固
着が激しく、この融着・固着部によって柔軟性が低下す
るからである。
一般的にスパンボンド法で容易に得ることができる。即
ち、従来公知の溶融紡糸機を用いてポリプロピレン系長
繊維を溶融紡糸し、横吹付や環状吹付等の従来公知の冷
却装置を用いて吹付風により冷却した後、一般的にエア
ーサッカーを用いて、所望の繊度となるように牽引細化
されて引き取られる。牽引速度は3000m/分以上、
特に3500m/分以上が、長繊維不織布の機械的性能
のために好適である。エアーサッカーから排出された長
繊維は、一般的に、高圧電場中のコロナ放電域か、又
は、摩擦衝突帯域を通過させて帯電開繊した後、スクリ
ーンからなるコンベアーの如き移動堆積装置上に開繊集
積させて、繊維集積体を得る。そして、この繊維集積体
は、そのままで長繊維不織布として使用され、又は全面
に熱カレンダー処理を施したり若しくは部分的に熱エン
ボス処理を施して形態安定性を向上させると共に毛羽立
ちを抑えて、長繊維不織布として使用してもよい。な
お、熱カレンダー処理又は熱エンボス処理を施す際の条
件は、積層不織布に点状融着区域を設ける際の条件より
も軽度な条件とし、長繊維相互間に疑似接着(疑似圧
着)が生じる程度とすることが、最終的に得られる積層
不織布の柔軟性を確保するために好ましい。熱カレンダ
ー処理等の条件が苛酷であると、長繊維相互の融着・固
着が激しく、この融着・固着部によって柔軟性が低下す
るからである。
【0012】スパンボンド法を採用する場合、ポリプロ
ピレン系重合体を溶融紡糸機に導入して、溶融紡糸する
のであるが、この際、使用するポリプロピレン系重合体
としては、メルトフローレート値(以下、「MFR」と
言う。なお、MFRは、ASTM−D1238(L)に
記載の方法により測定したものである。)が20〜10
0g/10分のものを用いるのが好ましい。MFRが2
0g/10分未満のものを用いると、溶融紡糸した直後
の長繊維を牽引細化するのに大きなエネルギーが必要に
なる。また、このために細繊度(例えば、2〜5デニー
ル程度)のポリプロピレン系長繊維が得られにくくな
る。一方、MFRが100g/10分を超えると、溶融
紡糸の操業性や長繊維の均整度が低下しやすくなり、こ
の結果、長繊維不織布の外観や機械的性能に悪影響を及
ぼしやすくなる。溶融紡糸の際の紡糸温度としては、ポ
リプロピレン系重合体の種類やこれのMFRにより適宜
選択されるが、一般的には200〜270℃の範囲内で
適宜選択される。
ピレン系重合体を溶融紡糸機に導入して、溶融紡糸する
のであるが、この際、使用するポリプロピレン系重合体
としては、メルトフローレート値(以下、「MFR」と
言う。なお、MFRは、ASTM−D1238(L)に
記載の方法により測定したものである。)が20〜10
0g/10分のものを用いるのが好ましい。MFRが2
0g/10分未満のものを用いると、溶融紡糸した直後
の長繊維を牽引細化するのに大きなエネルギーが必要に
なる。また、このために細繊度(例えば、2〜5デニー
ル程度)のポリプロピレン系長繊維が得られにくくな
る。一方、MFRが100g/10分を超えると、溶融
紡糸の操業性や長繊維の均整度が低下しやすくなり、こ
の結果、長繊維不織布の外観や機械的性能に悪影響を及
ぼしやすくなる。溶融紡糸の際の紡糸温度としては、ポ
リプロピレン系重合体の種類やこれのMFRにより適宜
選択されるが、一般的には200〜270℃の範囲内で
適宜選択される。
【0013】長繊維不織布の目付は、5〜50g/m2
程度が好ましく、特に10〜30g/m2程度であるの
がより好ましい。目付が5g/m2未満であると、長繊
維同士の緻密な重なりの程度が低く、外観が不均一にな
り、また長繊維相互間の間隙から極細繊維が飛散する恐
れがある。一方、目付が50g/m2を超えると、厚み
が厚くなりすぎて、長繊維不織布の柔軟性が低下する傾
向があり、その結果、積層不織布の柔軟性も低下する傾
向となる。
程度が好ましく、特に10〜30g/m2程度であるの
がより好ましい。目付が5g/m2未満であると、長繊
維同士の緻密な重なりの程度が低く、外観が不均一にな
り、また長繊維相互間の間隙から極細繊維が飛散する恐
れがある。一方、目付が50g/m2を超えると、厚み
が厚くなりすぎて、長繊維不織布の柔軟性が低下する傾
向があり、その結果、積層不織布の柔軟性も低下する傾
向となる。
【0014】次に、本発明で使用する極細繊維不織布に
関して説明する。この極細繊維不織布は、繊度が0.2
デニール以下の極細繊維よりなるものである。そして、
この極細繊維は、ポリプロピレン系重合体で形成されて
なるものである。ポリプロピレン系重合体としては、前
記したポリプロピレン系長繊維を得る際に使用したのと
同様のものが用いられる。即ち、一般的にポリプロピレ
ンが使用され、ポリプロピレン以外としては、数重量%
のエチレン又はその他の単量体をポリプロピレンに共重
合させたものを用いることができる。また、ポリプロピ
レン系長繊維を得る場合と同様に、ポリプロピレン系重
合体には、本発明の目的を阻害しない範囲で、艶消し
剤,顔料,防炎剤,消臭剤,帯電防止剤,酸化防止剤,
紫外線吸収剤等の任意の添加剤が添加されていてもよ
い。
関して説明する。この極細繊維不織布は、繊度が0.2
デニール以下の極細繊維よりなるものである。そして、
この極細繊維は、ポリプロピレン系重合体で形成されて
なるものである。ポリプロピレン系重合体としては、前
記したポリプロピレン系長繊維を得る際に使用したのと
同様のものが用いられる。即ち、一般的にポリプロピレ
ンが使用され、ポリプロピレン以外としては、数重量%
のエチレン又はその他の単量体をポリプロピレンに共重
合させたものを用いることができる。また、ポリプロピ
レン系長繊維を得る場合と同様に、ポリプロピレン系重
合体には、本発明の目的を阻害しない範囲で、艶消し
剤,顔料,防炎剤,消臭剤,帯電防止剤,酸化防止剤,
紫外線吸収剤等の任意の添加剤が添加されていてもよ
い。
【0015】極細繊維の繊度は0.2デニール以下であ
る。この繊度が0.2デニールを超えると、極細繊維不
織布表面のポアサイズが大きくなって、本発明の目的と
するようなフィルター性能(微細な塵埃を除去しうると
いう性能)を発揮できなくなるので、好ましくない。な
お、本発明で言う繊度とは、長繊維の場合も極細繊維の
場合も、いずれも平均繊度を意味しており、単位面積中
に存在する各繊維(各長繊維又は各極細繊維)の繊度の
平均値を意味している。
る。この繊度が0.2デニールを超えると、極細繊維不
織布表面のポアサイズが大きくなって、本発明の目的と
するようなフィルター性能(微細な塵埃を除去しうると
いう性能)を発揮できなくなるので、好ましくない。な
お、本発明で言う繊度とは、長繊維の場合も極細繊維の
場合も、いずれも平均繊度を意味しており、単位面積中
に存在する各繊維(各長繊維又は各極細繊維)の繊度の
平均値を意味している。
【0016】繊度が0.2デニール以下のポリプロピレ
ン系極細繊維よりなる不織布を得る方法としては、メル
トブローン法を使用するのが好ましい。メルトブローン
法によると、スパンボンド法等と異なり、得られる繊維
の結晶化があまり進行しておらず(高分子鎖の配向度が
低く)、超音波の作用によって、ポリプロピレン系極細
繊維の流動性が比較的高くなるからである。即ち、その
結果、ポリプロピレン系極細繊維にコットン繊維が埋入
されやすくなるのである。
ン系極細繊維よりなる不織布を得る方法としては、メル
トブローン法を使用するのが好ましい。メルトブローン
法によると、スパンボンド法等と異なり、得られる繊維
の結晶化があまり進行しておらず(高分子鎖の配向度が
低く)、超音波の作用によって、ポリプロピレン系極細
繊維の流動性が比較的高くなるからである。即ち、その
結果、ポリプロピレン系極細繊維にコットン繊維が埋入
されやすくなるのである。
【0017】ポリプロピレン系極細繊維不織布をメルト
ブローン法で得るには、一般的に以下の如き方法が採用
される。即ち、ポリプロピレン系重合体を公知の紡糸機
にて溶融し、紡糸口金に配設された孔径0.1〜1mm
程度の紡糸孔より吐出する。吐出された溶融ポリプロピ
レン系重合体流を、溶融温度より20〜50℃高い温度
で径0.1〜0.5程度の吐出孔が列状に配された口金
から噴出される高圧加熱気体流(例えば、高圧加熱空気
流)により、牽引・細化する。そして、このようにして
吐出され細化されたポリプロピレン系極細繊維(このと
き繊度は0.2デニール以下となっている。)を、移動
する捕集面上に捕集・堆積することにより、繊度が0.
2デニール以下のポリプロピレン系極細繊維から構成さ
れる極細繊維不織布を得ることができるのである。
ブローン法で得るには、一般的に以下の如き方法が採用
される。即ち、ポリプロピレン系重合体を公知の紡糸機
にて溶融し、紡糸口金に配設された孔径0.1〜1mm
程度の紡糸孔より吐出する。吐出された溶融ポリプロピ
レン系重合体流を、溶融温度より20〜50℃高い温度
で径0.1〜0.5程度の吐出孔が列状に配された口金
から噴出される高圧加熱気体流(例えば、高圧加熱空気
流)により、牽引・細化する。そして、このようにして
吐出され細化されたポリプロピレン系極細繊維(このと
き繊度は0.2デニール以下となっている。)を、移動
する捕集面上に捕集・堆積することにより、繊度が0.
2デニール以下のポリプロピレン系極細繊維から構成さ
れる極細繊維不織布を得ることができるのである。
【0018】メルトブローン法において、ポリプロピレ
ン系重合体を公知の紡糸機にして溶融するのであるが、
使用するポリプロピレン系重合体のMFRは100〜8
00g/10分程度とするのが好ましい。MFRが10
0g/10分未満であると、吐出糸条を細化させるのに
大きなエネルギーを要すると共に、極細繊維が得られに
くくなる傾向が生じる。逆に、800g/10分を超え
ると、紡糸操業性及び極細繊維の均整度を損なう結果と
なりやすい。また、紡糸温度は、ポリプロピレン系重合
体の種類及びMFRにより適宜選択されるが、一般的に
は250〜320℃程度である。また、高圧加熱気体流
の流速は80〜300m/秒程度が好ましく、その噴出
方向は紡糸線方向に対して15〜45度とするのが好ま
しい。
ン系重合体を公知の紡糸機にして溶融するのであるが、
使用するポリプロピレン系重合体のMFRは100〜8
00g/10分程度とするのが好ましい。MFRが10
0g/10分未満であると、吐出糸条を細化させるのに
大きなエネルギーを要すると共に、極細繊維が得られに
くくなる傾向が生じる。逆に、800g/10分を超え
ると、紡糸操業性及び極細繊維の均整度を損なう結果と
なりやすい。また、紡糸温度は、ポリプロピレン系重合
体の種類及びMFRにより適宜選択されるが、一般的に
は250〜320℃程度である。また、高圧加熱気体流
の流速は80〜300m/秒程度が好ましく、その噴出
方向は紡糸線方向に対して15〜45度とするのが好ま
しい。
【0019】極細繊維不織布の目付は、10〜120g
/m2程度が好ましく、特に20〜100g/m2程度で
あるのがより好ましい。目付が10g/m2未満である
と、極細繊維不織布中における極細繊維の繊維密度が低
く、不織布を構成している極細繊維同士の緻密な重なり
の程度が低く、極細繊維不織布自体の地合及びフィルタ
ー性能を損なう恐れがある。逆に、目付が120g/m
2を超えると、フィルター性能は向上するものの、厚み
が厚くなりすぎて、極細繊維不織布の柔軟性が低下する
傾向があり、その結果、積層不織布の柔軟性も低下する
傾向がある。また、極細繊維不織布自体が層間剥離しや
すくなり、これを防止するためには、極細繊維不織布の
内部までコットン繊維を埋入しなければならず、超音波
融着機を用いて埋入処理する際に、加工速度を遅くしな
ければならず、また多大の超音波エネルギーを必要とし
なければならない。
/m2程度が好ましく、特に20〜100g/m2程度で
あるのがより好ましい。目付が10g/m2未満である
と、極細繊維不織布中における極細繊維の繊維密度が低
く、不織布を構成している極細繊維同士の緻密な重なり
の程度が低く、極細繊維不織布自体の地合及びフィルタ
ー性能を損なう恐れがある。逆に、目付が120g/m
2を超えると、フィルター性能は向上するものの、厚み
が厚くなりすぎて、極細繊維不織布の柔軟性が低下する
傾向があり、その結果、積層不織布の柔軟性も低下する
傾向がある。また、極細繊維不織布自体が層間剥離しや
すくなり、これを防止するためには、極細繊維不織布の
内部までコットン繊維を埋入しなければならず、超音波
融着機を用いて埋入処理する際に、加工速度を遅くしな
ければならず、また多大の超音波エネルギーを必要とし
なければならない。
【0020】本発明において使用する極細繊維不織布
は、単にポリプロピレン系極細繊維が集積・堆積された
状態のものをそのまま使用すればよい。また、形態安定
性を向上させるため或いは表面の毛羽立ちを抑えるため
に、表面の平滑なカレンダーロールで熱カレンダー処理
してもよいし、表面平滑なカレンダーロールに代えて、
表面が凹凸になっているエンボスロールを使用して熱エ
ンボス処理を行っても良い。なお、熱カレンダー処理又
は熱エンボス処理を施す際の条件は、積層不織布に点状
融着区域を設ける際の条件よりも軽度な条件とし、極細
繊維相互間に疑似接着(疑似圧着)が生じる程度とする
ことが、最終的に得られる積層不織布の柔軟性を確保す
るために好ましい。熱カレンダー処理等の条件が苛酷で
あると、極細繊維相互の融着・固着が激しく、この融着
・固着部によって柔軟性が低下するからである。
は、単にポリプロピレン系極細繊維が集積・堆積された
状態のものをそのまま使用すればよい。また、形態安定
性を向上させるため或いは表面の毛羽立ちを抑えるため
に、表面の平滑なカレンダーロールで熱カレンダー処理
してもよいし、表面平滑なカレンダーロールに代えて、
表面が凹凸になっているエンボスロールを使用して熱エ
ンボス処理を行っても良い。なお、熱カレンダー処理又
は熱エンボス処理を施す際の条件は、積層不織布に点状
融着区域を設ける際の条件よりも軽度な条件とし、極細
繊維相互間に疑似接着(疑似圧着)が生じる程度とする
ことが、最終的に得られる積層不織布の柔軟性を確保す
るために好ましい。熱カレンダー処理等の条件が苛酷で
あると、極細繊維相互の融着・固着が激しく、この融着
・固着部によって柔軟性が低下するからである。
【0021】次に、コットン繊維相互間が交絡されてな
るコットン繊維不織布について説明する。コットン繊維
としては、晒し加工の施していないコーマ糸,晒し加工
された晒し綿,或いは編織物から得られる反毛を使用す
ることができる。コットン繊維として反毛を使用する場
合、効果的に用いうる反毛機としては、ラッグマシン,
ノットブレーカー,ガーネットマシン,廻切機等を用い
ることができる。用いる反毛機の種類及び組み合わせと
しては、反毛される編織物等の布帛形状や編織物を構成
している糸の太さ或いは撚の強さにもよるが、同一の反
毛機を複数台直列に連結したり、二種以上の反毛機を組
み合わせて使用したりすると、より効果的である。この
ように、コットン繊維を使用するのは、得られるコット
ン繊維不織布に良好な吸水性を付与するためである。
るコットン繊維不織布について説明する。コットン繊維
としては、晒し加工の施していないコーマ糸,晒し加工
された晒し綿,或いは編織物から得られる反毛を使用す
ることができる。コットン繊維として反毛を使用する場
合、効果的に用いうる反毛機としては、ラッグマシン,
ノットブレーカー,ガーネットマシン,廻切機等を用い
ることができる。用いる反毛機の種類及び組み合わせと
しては、反毛される編織物等の布帛形状や編織物を構成
している糸の太さ或いは撚の強さにもよるが、同一の反
毛機を複数台直列に連結したり、二種以上の反毛機を組
み合わせて使用したりすると、より効果的である。この
ように、コットン繊維を使用するのは、得られるコット
ン繊維不織布に良好な吸水性を付与するためである。
【0022】この反毛機による解繊率は30〜95%の
範囲であるのが好ましい。この解繊率が30%未満であ
ると、ウェッブ中に未解繊繊維(糸条物)が多数存在す
るため、コットン繊維不織布表面にザラツキが生じる恐
れがある。また、ウェッブ中に未解繊繊維が多数存在す
ると、高圧液体流にてコットン繊維相互間を交絡させる
際に、高圧液体流が未解繊繊維中を貫通しにくくなり、
交絡が十分に進行しない傾向が生じる。逆に、解繊率が
95%を超えると、ウェッブ中に未解繊繊維が殆ど存在
しない結果、ウェッブ表面の摩擦係数が小さくなり、極
細繊維不織布と積層する際に、十分な表面摩擦強度が得
られにくくなり、積層工程において滑り易くなる傾向が
生じる。なお、ここで言う解繊率とは、次式で求めたも
のである。即ち、解繊率(%)=[(被反毛重量−糸条
物重量)/被反毛重量]×100である。
範囲であるのが好ましい。この解繊率が30%未満であ
ると、ウェッブ中に未解繊繊維(糸条物)が多数存在す
るため、コットン繊維不織布表面にザラツキが生じる恐
れがある。また、ウェッブ中に未解繊繊維が多数存在す
ると、高圧液体流にてコットン繊維相互間を交絡させる
際に、高圧液体流が未解繊繊維中を貫通しにくくなり、
交絡が十分に進行しない傾向が生じる。逆に、解繊率が
95%を超えると、ウェッブ中に未解繊繊維が殆ど存在
しない結果、ウェッブ表面の摩擦係数が小さくなり、極
細繊維不織布と積層する際に、十分な表面摩擦強度が得
られにくくなり、積層工程において滑り易くなる傾向が
生じる。なお、ここで言う解繊率とは、次式で求めたも
のである。即ち、解繊率(%)=[(被反毛重量−糸条
物重量)/被反毛重量]×100である。
【0023】このようにして得られたコットン繊維を、
カード機を用いて所定目付のカードウェッブを作成す
る。また、カード機に代えて、ランダムウェッバー等を
用いてウェッブを作成してもよい。そして、このウェッ
ブにニードルパンチ処理或いは高圧液体流処理を施すこ
とにより、コットン繊維相互間が交絡されてなるコット
ン繊維不織布を得ることができる。ウェッブとしては、
コットン繊維の配列度合いによって、種々のものを採用
することができる。例えば、カード機の機械方向にコッ
トン繊維が配列したパラレルカードウェッブ,パラレル
カードウェッブがクロスレイドされたクロスレイカード
ウェッブ,コットン繊維がランダム(無作為)に配列し
たランダムウェッブ,コットン繊維が中程度にランダム
であるセミランダムウェッブを採用することができる。
また、本発明に係る積層不織布を衣料用素材として展開
する場合には、縦/横の引張強力比が1/1となるよう
なウェッブ(クロスレイカードウェッブ又はランダムウ
ェッブ)を採用するのが好ましい。
カード機を用いて所定目付のカードウェッブを作成す
る。また、カード機に代えて、ランダムウェッバー等を
用いてウェッブを作成してもよい。そして、このウェッ
ブにニードルパンチ処理或いは高圧液体流処理を施すこ
とにより、コットン繊維相互間が交絡されてなるコット
ン繊維不織布を得ることができる。ウェッブとしては、
コットン繊維の配列度合いによって、種々のものを採用
することができる。例えば、カード機の機械方向にコッ
トン繊維が配列したパラレルカードウェッブ,パラレル
カードウェッブがクロスレイドされたクロスレイカード
ウェッブ,コットン繊維がランダム(無作為)に配列し
たランダムウェッブ,コットン繊維が中程度にランダム
であるセミランダムウェッブを採用することができる。
また、本発明に係る積層不織布を衣料用素材として展開
する場合には、縦/横の引張強力比が1/1となるよう
なウェッブ(クロスレイカードウェッブ又はランダムウ
ェッブ)を採用するのが好ましい。
【0024】ウェッブにニードルパンチ処理又は高圧液
体流処理を施すのは、ウェッブを構成しているコットン
繊維同士を交絡(特に三次元的に交絡)させるためであ
る。高圧液体流処理は、一般的に以下のような条件で施
される。即ち、孔径が0.05〜1.5mm、特に0.
1〜0.4mmの噴射孔を、孔間隔0.05〜5mmで
一例或いは複数列に多数配列した装置を用い、噴射圧力
を5〜150kg/cm2Gの高圧液体を噴射孔から噴
射し、多孔性支持部材上に載置したウェッブに高圧液体
流を衝突させることにより、コットン繊維相互間に交絡
を施すのである。噴射孔の配列は、ウェッブの進行方向
と直交する方向に列状に配列するのが好ましい。また、
高圧液体としては、一般的に常温の水或いは温水を用い
る。噴射孔とウェッブとの間の距離は、1〜15cmと
するのが好ましい。この距離が1cm未満であると、高
圧液体流によってウェッブの地合が乱れる恐れがある。
一方、この距離が15cmを超えると、高圧液体がウェ
ッブに衝突したときの衝撃力が低下し、十分な交絡が施
されにくくなる傾向が生じる。
体流処理を施すのは、ウェッブを構成しているコットン
繊維同士を交絡(特に三次元的に交絡)させるためであ
る。高圧液体流処理は、一般的に以下のような条件で施
される。即ち、孔径が0.05〜1.5mm、特に0.
1〜0.4mmの噴射孔を、孔間隔0.05〜5mmで
一例或いは複数列に多数配列した装置を用い、噴射圧力
を5〜150kg/cm2Gの高圧液体を噴射孔から噴
射し、多孔性支持部材上に載置したウェッブに高圧液体
流を衝突させることにより、コットン繊維相互間に交絡
を施すのである。噴射孔の配列は、ウェッブの進行方向
と直交する方向に列状に配列するのが好ましい。また、
高圧液体としては、一般的に常温の水或いは温水を用い
る。噴射孔とウェッブとの間の距離は、1〜15cmと
するのが好ましい。この距離が1cm未満であると、高
圧液体流によってウェッブの地合が乱れる恐れがある。
一方、この距離が15cmを超えると、高圧液体がウェ
ッブに衝突したときの衝撃力が低下し、十分な交絡が施
されにくくなる傾向が生じる。
【0025】この高圧液体流による処理は、少なくとも
二段階に別けて施すのが好ましい。即ち、第一段階の処
理として高圧液体流の噴射圧力を5〜40kg/cm2
Gに設定し、ウェッブに高圧液体流処理を施し、予備的
にコットン繊維相互間を交絡させる。この第一段階の処
理において、液体流の噴射圧力が5kg/cm2G未満
であると、ウェッブ中のコットン繊維相互間を予備的に
交絡させにくくなり、第二段階の処理に耐えうる形態安
定性を持つものが得にくくなる。逆に、高圧液体流の噴
射圧力が40kg/cm2Gを超えると、ウェッブ中の
コットン繊維の移動が激しくなって、ウェッブの地合が
乱れ、或いはウェッブに目付斑が生じる恐れがある。第
二段階の処理として高圧液体流の噴射圧力を50〜15
0kg/cm2Gに設定し、予備的に交絡され形態安定
化されたウェッブに高圧液体流処理を施し、コットン繊
維相互間に十分な交絡に施し、全体を緻密化する。第二
段階の処理において、高圧液体流の噴射圧力が50kg
/cm2G未満であると、コットン繊維相互間に十分な
交絡を施しにくくなる。逆に、高圧液体流の噴射圧力が
150kg/cm2Gを超えると、交絡が過剰となっ
て、緻密化が進行しすぎて、得られるコットン繊維不織
布の柔軟性や嵩高性が低下する傾向が生じる。なお、ウ
ェッブの目付によっては、第二段階の処理に引き続き第
三段階の高圧液体流処理を施してもよい。第三段階の処
理は、第二段階で高圧液体流処理を施したウェッブ面の
逆面に施すのが好ましい。第三段階の処理における高圧
液体流の噴射圧力は、第二段階の処理における噴射圧力
と同等程度であればよい。第三段階の処理を施すことに
よって、表裏共に緻密化したコットン繊維不織布が得ら
れるのである。
二段階に別けて施すのが好ましい。即ち、第一段階の処
理として高圧液体流の噴射圧力を5〜40kg/cm2
Gに設定し、ウェッブに高圧液体流処理を施し、予備的
にコットン繊維相互間を交絡させる。この第一段階の処
理において、液体流の噴射圧力が5kg/cm2G未満
であると、ウェッブ中のコットン繊維相互間を予備的に
交絡させにくくなり、第二段階の処理に耐えうる形態安
定性を持つものが得にくくなる。逆に、高圧液体流の噴
射圧力が40kg/cm2Gを超えると、ウェッブ中の
コットン繊維の移動が激しくなって、ウェッブの地合が
乱れ、或いはウェッブに目付斑が生じる恐れがある。第
二段階の処理として高圧液体流の噴射圧力を50〜15
0kg/cm2Gに設定し、予備的に交絡され形態安定
化されたウェッブに高圧液体流処理を施し、コットン繊
維相互間に十分な交絡に施し、全体を緻密化する。第二
段階の処理において、高圧液体流の噴射圧力が50kg
/cm2G未満であると、コットン繊維相互間に十分な
交絡を施しにくくなる。逆に、高圧液体流の噴射圧力が
150kg/cm2Gを超えると、交絡が過剰となっ
て、緻密化が進行しすぎて、得られるコットン繊維不織
布の柔軟性や嵩高性が低下する傾向が生じる。なお、ウ
ェッブの目付によっては、第二段階の処理に引き続き第
三段階の高圧液体流処理を施してもよい。第三段階の処
理は、第二段階で高圧液体流処理を施したウェッブ面の
逆面に施すのが好ましい。第三段階の処理における高圧
液体流の噴射圧力は、第二段階の処理における噴射圧力
と同等程度であればよい。第三段階の処理を施すことに
よって、表裏共に緻密化したコットン繊維不織布が得ら
れるのである。
【0026】高圧液体流処理を施す際に使用する多孔性
支持部材としては、例えば、金網,合成樹脂製のメッシ
ュスクリーン,有孔板等が使用される。要するに、ウェ
ッブを貫通した高圧液体流が排出されるような孔を備え
たものであれば、どのようなもので採用しうる。一般的
に金網やメッシュスクリーンを使用する際、その孔径は
20〜200メッシュであるのが好ましい。孔径が20
メッシュ未満であると、孔が大きすぎて、ウェッブを貫
通した高圧液体流が多孔性支持部材に衝突せずに直接下
側に排出されてしまうため、高圧液体流と共にコットン
繊維が多孔性支持部材から脱落してしまう恐れがある。
逆に、孔径が200メッシュを超えると、高圧液体流が
多孔性支持部材を通過しにくくなり、多孔性支持部材上
に液体が滞留する恐れがある。また、このような多孔性
支持部材に高圧液体流を通過させようとすると、高圧液
体流の噴射圧力を大きくしなければならず、これによっ
てウェッブの地合が乱れたり、或いは大きな噴射圧力を
実現するために使用するエネルギー量が多大になって生
産コストが上昇する傾向が生じる。
支持部材としては、例えば、金網,合成樹脂製のメッシ
ュスクリーン,有孔板等が使用される。要するに、ウェ
ッブを貫通した高圧液体流が排出されるような孔を備え
たものであれば、どのようなもので採用しうる。一般的
に金網やメッシュスクリーンを使用する際、その孔径は
20〜200メッシュであるのが好ましい。孔径が20
メッシュ未満であると、孔が大きすぎて、ウェッブを貫
通した高圧液体流が多孔性支持部材に衝突せずに直接下
側に排出されてしまうため、高圧液体流と共にコットン
繊維が多孔性支持部材から脱落してしまう恐れがある。
逆に、孔径が200メッシュを超えると、高圧液体流が
多孔性支持部材を通過しにくくなり、多孔性支持部材上
に液体が滞留する恐れがある。また、このような多孔性
支持部材に高圧液体流を通過させようとすると、高圧液
体流の噴射圧力を大きくしなければならず、これによっ
てウェッブの地合が乱れたり、或いは大きな噴射圧力を
実現するために使用するエネルギー量が多大になって生
産コストが上昇する傾向が生じる。
【0027】ウェッブに高圧液体流処理を施すと、ウェ
ッブに液体が含浸された状態となるので、高圧液体流処
理後には、この含浸された過剰液体(例えば過剰水)を
除去する必要がある。この除去は、公知の方法が採用さ
れ、例えば、マングルロール等の絞り装置を用いて、含
浸された過剰液体をある程度機械的に除去し、引き続い
てサクションバンド方式の熱風循環式乾燥機等の乾燥装
置を用いて、残余の液体を除去して、コットン繊維不織
布を得ることができる。なお、上記では、高圧液体流を
使用してコットン繊維相互間を三次元的に交絡する例を
中心として説明したが、本発明においては、高圧液体流
処理に代えてニードルパンチ処理を施して、コットン繊
維相互間が三次元的に交絡されたコットン繊維不織布を
得ても良いことは、前述したとおりである。コットン繊
維不織布中のコットン繊維相互間を、このように交絡さ
せるのは、コットン繊維不織布の引張強力を高くし、且
つ毛羽立ちを抑えるためである。
ッブに液体が含浸された状態となるので、高圧液体流処
理後には、この含浸された過剰液体(例えば過剰水)を
除去する必要がある。この除去は、公知の方法が採用さ
れ、例えば、マングルロール等の絞り装置を用いて、含
浸された過剰液体をある程度機械的に除去し、引き続い
てサクションバンド方式の熱風循環式乾燥機等の乾燥装
置を用いて、残余の液体を除去して、コットン繊維不織
布を得ることができる。なお、上記では、高圧液体流を
使用してコットン繊維相互間を三次元的に交絡する例を
中心として説明したが、本発明においては、高圧液体流
処理に代えてニードルパンチ処理を施して、コットン繊
維相互間が三次元的に交絡されたコットン繊維不織布を
得ても良いことは、前述したとおりである。コットン繊
維不織布中のコットン繊維相互間を、このように交絡さ
せるのは、コットン繊維不織布の引張強力を高くし、且
つ毛羽立ちを抑えるためである。
【0028】本発明で使用するコットン繊維不織布の目
付は、20〜150g/m2程度が好ましく、特に30
〜100g/m2程度がより好ましい。目付が20g/
m2未満であると、コットン繊維不織布中におけるコッ
トン繊維量が少なく、十分な吸水性が発揮されない傾向
が生じる。逆に、目付が150g/m2を超えると、コ
ットン繊維不織布自体の柔軟性が低下する傾向が生じ、
得られる積層不織布の柔軟性も低下する傾向が生じる。
付は、20〜150g/m2程度が好ましく、特に30
〜100g/m2程度がより好ましい。目付が20g/
m2未満であると、コットン繊維不織布中におけるコッ
トン繊維量が少なく、十分な吸水性が発揮されない傾向
が生じる。逆に、目付が150g/m2を超えると、コ
ットン繊維不織布自体の柔軟性が低下する傾向が生じ、
得られる積層不織布の柔軟性も低下する傾向が生じる。
【0029】本発明に係る積層不織布は、前述した長繊
維不織布、前述した極細繊維不織布及び前述したコット
ン繊維不織布が、順に積層されてなるものである。即
ち、極細繊維不織布を中層とし、その片面に長繊維不織
布が積層され、他面にコットン繊維不織布が積層されて
なるものである。また、長繊維不織布の表面(極細繊維
不織布と当接される面の反対面)やコットン繊維不織布
の表面(極細繊維不織布と当接される面の反対面)に
は、他の不織布,編織物,フィルム,メッシュ等のシー
ト状物が積層されていてもよい。長繊維不織布と極細繊
維不織布、及び極細繊維不織布とコットン繊維不織布と
は直接接合されるようにして積層(直接積層)されてお
り、図1に示す点状融着区域3において強固に接合(結
合)されている。
維不織布、前述した極細繊維不織布及び前述したコット
ン繊維不織布が、順に積層されてなるものである。即
ち、極細繊維不織布を中層とし、その片面に長繊維不織
布が積層され、他面にコットン繊維不織布が積層されて
なるものである。また、長繊維不織布の表面(極細繊維
不織布と当接される面の反対面)やコットン繊維不織布
の表面(極細繊維不織布と当接される面の反対面)に
は、他の不織布,編織物,フィルム,メッシュ等のシー
ト状物が積層されていてもよい。長繊維不織布と極細繊
維不織布、及び極細繊維不織布とコットン繊維不織布と
は直接接合されるようにして積層(直接積層)されてお
り、図1に示す点状融着区域3において強固に接合(結
合)されている。
【0030】そして、この点状融着区域3において、図
2に示す如く、コットン繊維1が極細繊維の融解部2に
埋入された状態となって、コットン繊維1と極細繊維と
が結合し、極細繊維不織布とコットン繊維不織布とが強
固に接合しているのである。また、極細繊維の融解部2
は、長繊維の融解部4によって裏打ちされており、融解
部2と融解部4とは融着一体化している。即ち、長繊維
及び極細繊維の軟化又は溶融によって、両繊維が融着一
体化して、長繊維不織布及び極細繊維不織布が接合して
いるのである。図2においては、極細繊維の融解部2に
のみ、コットン繊維1が埋入している状態を示したが、
本発明においては、コットン繊維1が極細繊維の融解部
2を介して、長繊維の融解部4に到る程度に埋入してい
てもよい。このように、コットン繊維1が埋入し、コッ
トン繊維1の母体としての機能を持つ極細繊維の融解部
2が、長繊維の融解部4によって裏打ちされ補強されて
いる。従って、本発明における極細繊維の融解部2は、
コットン繊維1の母体としての機能を有効に発揮し、積
層不織布の取り扱い中に母体が損傷したり或いは破壊す
る恐れが少ない。依って、極細繊維不織布とコットン繊
維不織布とは層間剥離が生じにくいのである。なお、極
細繊維不織布と長繊維不織布とは、両者共に同種のポリ
プロピレン系重合体で形成された繊維で構成されている
ため、点融着区域において、強固に結合していることは
言うまでもない。
2に示す如く、コットン繊維1が極細繊維の融解部2に
埋入された状態となって、コットン繊維1と極細繊維と
が結合し、極細繊維不織布とコットン繊維不織布とが強
固に接合しているのである。また、極細繊維の融解部2
は、長繊維の融解部4によって裏打ちされており、融解
部2と融解部4とは融着一体化している。即ち、長繊維
及び極細繊維の軟化又は溶融によって、両繊維が融着一
体化して、長繊維不織布及び極細繊維不織布が接合して
いるのである。図2においては、極細繊維の融解部2に
のみ、コットン繊維1が埋入している状態を示したが、
本発明においては、コットン繊維1が極細繊維の融解部
2を介して、長繊維の融解部4に到る程度に埋入してい
てもよい。このように、コットン繊維1が埋入し、コッ
トン繊維1の母体としての機能を持つ極細繊維の融解部
2が、長繊維の融解部4によって裏打ちされ補強されて
いる。従って、本発明における極細繊維の融解部2は、
コットン繊維1の母体としての機能を有効に発揮し、積
層不織布の取り扱い中に母体が損傷したり或いは破壊す
る恐れが少ない。依って、極細繊維不織布とコットン繊
維不織布とは層間剥離が生じにくいのである。なお、極
細繊維不織布と長繊維不織布とは、両者共に同種のポリ
プロピレン系重合体で形成された繊維で構成されている
ため、点融着区域において、強固に結合していることは
言うまでもない。
【0031】個々の点状融着区域の平面形状は、円形,
楕円形,三角形,四辺形等の任意の形状を採用すること
ができる。また、個々の点状融着区域の面積は、なるべ
く小さい方が好ましい。この面積があまりにも大きい
と、個々の融着区域が大きくなって、積層不織布の柔軟
性が低下する傾向が生じる。更に、点状融着区域の総面
積は、積層不織布の面積に対して、4〜50%程度が好
ましく、特に8〜25%程度であるのがより好ましい。
点状融着区域の総面積が4%未満であると、全体とし
て、各不織布が強固に接合されている区域が少なくな
り、層間剥離強力が低下する傾向が生じる。逆に、この
総面積が50%を超えると、得られる積層不織布の柔軟
性や嵩高性が低下する傾向が生じる。
楕円形,三角形,四辺形等の任意の形状を採用すること
ができる。また、個々の点状融着区域の面積は、なるべ
く小さい方が好ましい。この面積があまりにも大きい
と、個々の融着区域が大きくなって、積層不織布の柔軟
性が低下する傾向が生じる。更に、点状融着区域の総面
積は、積層不織布の面積に対して、4〜50%程度が好
ましく、特に8〜25%程度であるのがより好ましい。
点状融着区域の総面積が4%未満であると、全体とし
て、各不織布が強固に接合されている区域が少なくな
り、層間剥離強力が低下する傾向が生じる。逆に、この
総面積が50%を超えると、得られる積層不織布の柔軟
性や嵩高性が低下する傾向が生じる。
【0032】このように、極細繊維の融解部にコットン
繊維を埋入させると共に長繊維の融解部と極細繊維の融
解部とを融着一体化させて点状融着区域を得るには、超
音波融着機を用いることが最も好ましい。例えば、超音
波融着機に代えて、熱エンボス装置を使用した場合に
は、このような状態の点状融着区域を得ることは、一般
的には困難である。何故なら、前述したように、ポリプ
ロピレン系極細繊維とコットン繊維とは、両者の濡れ性
があまり良好ではなく、高い温度で且つ高い線圧で熱エ
ンボス装置を用いたとしても、極細繊維不織布とコット
ン繊維不織布との間において、本発明で得られるような
強固な結合が得られないのである。なお、ここで言う熱
エンボス装置とは、加熱された凹凸ロールと加熱又は常
温の平滑ロールとよりなる装置であり、この両者のロー
ルの間に積層物を導入し、凹凸ロールから付与される熱
及び両ロール間の圧力の作用で、極細繊維を軟化又は溶
融させ、極細繊維に粘着性を発揮させる装置のことであ
る。
繊維を埋入させると共に長繊維の融解部と極細繊維の融
解部とを融着一体化させて点状融着区域を得るには、超
音波融着機を用いることが最も好ましい。例えば、超音
波融着機に代えて、熱エンボス装置を使用した場合に
は、このような状態の点状融着区域を得ることは、一般
的には困難である。何故なら、前述したように、ポリプ
ロピレン系極細繊維とコットン繊維とは、両者の濡れ性
があまり良好ではなく、高い温度で且つ高い線圧で熱エ
ンボス装置を用いたとしても、極細繊維不織布とコット
ン繊維不織布との間において、本発明で得られるような
強固な結合が得られないのである。なお、ここで言う熱
エンボス装置とは、加熱された凹凸ロールと加熱又は常
温の平滑ロールとよりなる装置であり、この両者のロー
ルの間に積層物を導入し、凹凸ロールから付与される熱
及び両ロール間の圧力の作用で、極細繊維を軟化又は溶
融させ、極細繊維に粘着性を発揮させる装置のことであ
る。
【0033】本発明において、最も好ましい装置として
使用される超音波融着機は、周波数が20KHZ程度の
通常ホーンと称される超音波発振機と、円周上に点状の
凸状突起部を具備するパターンロールとからなるもので
ある。そして、この超音波発振機とパターンロール間に
積層物(長繊維不織布、極細繊維不織布及びコットン繊
維不織布を順に積層したもの)を導入することによっ
て、本発明で言うところの点状融着区域が得られるので
ある。即ち、超音波融着機は、ポリプロピレン系極細繊
維にある種の振動を与え、この振動による摩擦熱によっ
て極細繊維が融解してゆき、良好な流動状態を呈するの
である。そして、この際、ホーンとパターンロール間の
線圧によって、パターンロールの凸状突起部に対応する
ウェッブ中のコットン繊維が、この流動状態となってい
る融解部に埋入してゆき、本発明で言うところの点状融
着区域が得られるのである。また、同様に、ポリプロピ
レン系長繊維にも振動による摩擦熱を生じさせ、長繊維
が融解してゆき、同時に融解した極細繊維と融着一体化
して、本発明で言うところの点状融着区域が得られるの
である。
使用される超音波融着機は、周波数が20KHZ程度の
通常ホーンと称される超音波発振機と、円周上に点状の
凸状突起部を具備するパターンロールとからなるもので
ある。そして、この超音波発振機とパターンロール間に
積層物(長繊維不織布、極細繊維不織布及びコットン繊
維不織布を順に積層したもの)を導入することによっ
て、本発明で言うところの点状融着区域が得られるので
ある。即ち、超音波融着機は、ポリプロピレン系極細繊
維にある種の振動を与え、この振動による摩擦熱によっ
て極細繊維が融解してゆき、良好な流動状態を呈するの
である。そして、この際、ホーンとパターンロール間の
線圧によって、パターンロールの凸状突起部に対応する
ウェッブ中のコットン繊維が、この流動状態となってい
る融解部に埋入してゆき、本発明で言うところの点状融
着区域が得られるのである。また、同様に、ポリプロピ
レン系長繊維にも振動による摩擦熱を生じさせ、長繊維
が融解してゆき、同時に融解した極細繊維と融着一体化
して、本発明で言うところの点状融着区域が得られるの
である。
【0034】超音波融着機に使用されているパターンロ
ールに配設されている凸状突起部は、一列或いは複数列
であってもよく、また、その配設が複数列の場合には、
並列或いは千鳥型のいずれの配列であってもよい。点状
融着区域を得る際には、ホーンに空気圧を印加して加圧
する。ホーンとパターンロール間の線圧は、通常1〜1
0kg/cm程度が好ましい。線圧が1kg/cm未満
であると、点状融着区域を得る際の押し圧が不足して、
コットン繊維が十分に極細繊維の融解部に埋入しない傾
向が生じ、剥離強力が向上しない傾向が生じる。逆に、
線圧が10kg/cmを超えると、点状融着区域におい
て、ポリプロピレン系極細繊維が非融着区域(パターン
ロールの凹部に対応する箇所)に流動してゆき、極細繊
維不織布に孔開きが生じる恐れがある。
ールに配設されている凸状突起部は、一列或いは複数列
であってもよく、また、その配設が複数列の場合には、
並列或いは千鳥型のいずれの配列であってもよい。点状
融着区域を得る際には、ホーンに空気圧を印加して加圧
する。ホーンとパターンロール間の線圧は、通常1〜1
0kg/cm程度が好ましい。線圧が1kg/cm未満
であると、点状融着区域を得る際の押し圧が不足して、
コットン繊維が十分に極細繊維の融解部に埋入しない傾
向が生じ、剥離強力が向上しない傾向が生じる。逆に、
線圧が10kg/cmを超えると、点状融着区域におい
て、ポリプロピレン系極細繊維が非融着区域(パターン
ロールの凹部に対応する箇所)に流動してゆき、極細繊
維不織布に孔開きが生じる恐れがある。
【0035】
【実施例】次に、実施例に基づき本発明をより具体的に
説明する。実施例における各特性値或いは物性値は、以
下の方法によって測定したものである。 [ポリプロピレン系重合体の融点]:パーキンエルマー
社製DSC−2型の示差走査型熱量計を用い、昇温速度
20℃/分で測定した融解吸熱ピークの最大値を与える
温度を融点とした。 [積層不織布の引張強力]:JIS L−1096に記
載のストリップ法に準じ、幅5cm,長さ10cmの試
験片から最大引張強力を測定し、100g/m2の目付
に換算した値である。 [積層不織布の引張伸度]:引張強力測定時の切断時の
伸度である。 [積層不織布の層間剥離強力]:幅5cm,長さ10c
mの試験片を積層不織布の縦方向について定速伸長型引
張試験機を用いて、コットン繊維不織布と極細繊維不織
布の端部を同試験機のチャックに各々挟持させ、引張速
度10cm/分で剥離した時の荷重値の平均値である。
なお、比較例1における層間剥離強力は、コットン繊維
不織布と長繊維不織布の端部を挟持して、同様の方法で
測定したものである。 [積層不織布の剛軟度]:幅5cm,長さ10cmの試
験片を縦方向に曲げて、両端部を接合して円筒状物と
し、これを剛軟度測定試料とした。試料の軸方向に、定
速伸長型引張試験機を用いて圧縮速度5cm/分で圧縮
し、得られた最大荷重値の平均値である。 [積層不織布の通気度]:JIS L−1096に記載
のフラジール法に準じて測定した。 [積層不織布の吸水性]:JIS L−1096に記載
のバイレック法に準じて測定した。
説明する。実施例における各特性値或いは物性値は、以
下の方法によって測定したものである。 [ポリプロピレン系重合体の融点]:パーキンエルマー
社製DSC−2型の示差走査型熱量計を用い、昇温速度
20℃/分で測定した融解吸熱ピークの最大値を与える
温度を融点とした。 [積層不織布の引張強力]:JIS L−1096に記
載のストリップ法に準じ、幅5cm,長さ10cmの試
験片から最大引張強力を測定し、100g/m2の目付
に換算した値である。 [積層不織布の引張伸度]:引張強力測定時の切断時の
伸度である。 [積層不織布の層間剥離強力]:幅5cm,長さ10c
mの試験片を積層不織布の縦方向について定速伸長型引
張試験機を用いて、コットン繊維不織布と極細繊維不織
布の端部を同試験機のチャックに各々挟持させ、引張速
度10cm/分で剥離した時の荷重値の平均値である。
なお、比較例1における層間剥離強力は、コットン繊維
不織布と長繊維不織布の端部を挟持して、同様の方法で
測定したものである。 [積層不織布の剛軟度]:幅5cm,長さ10cmの試
験片を縦方向に曲げて、両端部を接合して円筒状物と
し、これを剛軟度測定試料とした。試料の軸方向に、定
速伸長型引張試験機を用いて圧縮速度5cm/分で圧縮
し、得られた最大荷重値の平均値である。 [積層不織布の通気度]:JIS L−1096に記載
のフラジール法に準じて測定した。 [積層不織布の吸水性]:JIS L−1096に記載
のバイレック法に準じて測定した。
【0036】実施例1 融点が160℃でMFRが70g/10分のポリプロピ
レン重合体を用い、スパンボンド法でポリプロピレン長
繊維が集積されてなる長繊維不織布を製造した。即ち、
ポリプロピレン重合体を紡糸機にて250℃で溶融し、
孔径0.3mmの紡糸孔を通して単孔吐出量1.2g/
分で押し出した。紡出した長繊維を冷却した後、エアー
サッカーにより4200m/分の速度で引き取り、コロ
ナ放電開繊器にて開繊させ、移動する捕集面上に捕集・
堆積させてウェッブとし、これに熱エンボスローラーに
て疑似圧着して、目付20g/m2の長繊維不織布を得
た。なお、熱エンボスローラーの凹凸ローラーは、ポイ
ント柄で、柄の占める面積はローラー表面に対して5
%、ローラーの表面温度が80℃の条件で行った。ま
た、長繊維不織布を構成している長繊維の繊度は2.6
デニールであった。以上のようにして、長繊維不織布を
準備した。
レン重合体を用い、スパンボンド法でポリプロピレン長
繊維が集積されてなる長繊維不織布を製造した。即ち、
ポリプロピレン重合体を紡糸機にて250℃で溶融し、
孔径0.3mmの紡糸孔を通して単孔吐出量1.2g/
分で押し出した。紡出した長繊維を冷却した後、エアー
サッカーにより4200m/分の速度で引き取り、コロ
ナ放電開繊器にて開繊させ、移動する捕集面上に捕集・
堆積させてウェッブとし、これに熱エンボスローラーに
て疑似圧着して、目付20g/m2の長繊維不織布を得
た。なお、熱エンボスローラーの凹凸ローラーは、ポイ
ント柄で、柄の占める面積はローラー表面に対して5
%、ローラーの表面温度が80℃の条件で行った。ま
た、長繊維不織布を構成している長繊維の繊度は2.6
デニールであった。以上のようにして、長繊維不織布を
準備した。
【0037】次に、融点が160℃でMFRが400g
/10分のポリプロピレン重合体を準備し、以下の方法
で、ポリプロピレン極細繊維よりなる極細繊維不織布を
作成した。即ち、ポリプロピレン重合体を紡糸機にて2
80℃で溶融し、孔径0.15mmの紡糸孔を通して単
孔吐出量0.1g/分の条件下にて溶融吐出した。そし
て、吐出された溶融重合体流を300℃に加熱された高
圧空気流を流速170m/秒で紡糸線方向に対して30
度の角度をなす方向に噴出して牽引・細化し、紡糸口金
の下方10cmの位置に配設されたサクションドラム上
に捕集・堆積させ、平均繊度が0.06デニールで目付
が20g/m2のポリプロピレン極細繊維よりなる極細
繊維不織布を得た。
/10分のポリプロピレン重合体を準備し、以下の方法
で、ポリプロピレン極細繊維よりなる極細繊維不織布を
作成した。即ち、ポリプロピレン重合体を紡糸機にて2
80℃で溶融し、孔径0.15mmの紡糸孔を通して単
孔吐出量0.1g/分の条件下にて溶融吐出した。そし
て、吐出された溶融重合体流を300℃に加熱された高
圧空気流を流速170m/秒で紡糸線方向に対して30
度の角度をなす方向に噴出して牽引・細化し、紡糸口金
の下方10cmの位置に配設されたサクションドラム上
に捕集・堆積させ、平均繊度が0.06デニールで目付
が20g/m2のポリプロピレン極細繊維よりなる極細
繊維不織布を得た。
【0038】次に、平均繊度1.5デニール,平均繊維
長25mmの晒しコットン繊維を用い、以下のようにし
てコットン繊維相互間が三次元的に交絡してなるコット
ン繊維不織布を作成した。即ち、晒しコットン繊維をラ
ンダムカード機にかけて、コットン繊維の配列がランダ
ムで目付が30g/m2のランダムカードウェッブを作
成し、このウェッブを速度20m/分で移動している7
0メッシュのスクリーンに載置した。その後、高圧液体
流(高圧水流)処理を施して交絡処理を行った。この高
圧液体流処理は、二段階に別けて行った。第一段階の処
理では、水流の噴射圧を30kg/cm2Gとし、ウェ
ッブと噴射孔との距離を5cmとした。第二段階の処理
では水流の噴射圧を70kg/cm2Gとし、ウェッブ
と噴射孔との距離を5cmとした。なお、第二段階の処
理は、ウェッブの両面から、水流を各々2回施した。こ
の後、マングルロールにて過剰の水分を絞り、98℃の
雰囲気に保たれた乾燥・熱処理装置で処理して、コット
ン繊維不織布を得た。
長25mmの晒しコットン繊維を用い、以下のようにし
てコットン繊維相互間が三次元的に交絡してなるコット
ン繊維不織布を作成した。即ち、晒しコットン繊維をラ
ンダムカード機にかけて、コットン繊維の配列がランダ
ムで目付が30g/m2のランダムカードウェッブを作
成し、このウェッブを速度20m/分で移動している7
0メッシュのスクリーンに載置した。その後、高圧液体
流(高圧水流)処理を施して交絡処理を行った。この高
圧液体流処理は、二段階に別けて行った。第一段階の処
理では、水流の噴射圧を30kg/cm2Gとし、ウェ
ッブと噴射孔との距離を5cmとした。第二段階の処理
では水流の噴射圧を70kg/cm2Gとし、ウェッブ
と噴射孔との距離を5cmとした。なお、第二段階の処
理は、ウェッブの両面から、水流を各々2回施した。こ
の後、マングルロールにて過剰の水分を絞り、98℃の
雰囲気に保たれた乾燥・熱処理装置で処理して、コット
ン繊維不織布を得た。
【0039】次いで、長繊維不織布を上層に、極細繊維
不織布を中層に、コットン繊維不織布を下層にして積層
した積層物を、以下の仕様の超音波融着機に導入し、積
層不織布を得た。即ち、この超音波融着機は、周波数が
19.15KHZの超音波発振器と、円周上に点状に凸
状突起部が面積比で10%の割合で配設されたパターン
ロールとからなるものであり、加工速度20m/分,線
圧2.5kg/cmの条件であった。このようにして得
られた積層不織布は、目付が70g/m2であり、その
物性は表1に示すとおりであった。
不織布を中層に、コットン繊維不織布を下層にして積層
した積層物を、以下の仕様の超音波融着機に導入し、積
層不織布を得た。即ち、この超音波融着機は、周波数が
19.15KHZの超音波発振器と、円周上に点状に凸
状突起部が面積比で10%の割合で配設されたパターン
ロールとからなるものであり、加工速度20m/分,線
圧2.5kg/cmの条件であった。このようにして得
られた積層不織布は、目付が70g/m2であり、その
物性は表1に示すとおりであった。
【0040】実施例2 パターンロール上の凸状突起部の面積比が30%である
他は、実施例1と同様にして積層不織布を得た。この積
層不織布は、目付が70g/m2であり、その物性は表
1に示すとおりであった。
他は、実施例1と同様にして積層不織布を得た。この積
層不織布は、目付が70g/m2であり、その物性は表
1に示すとおりであった。
【0041】実施例3 極細繊維不織布の目付を50g/m2とする他は、実施
例1と同様にして積層不織布を得た。この積層不織布
は、目付が100g/m2であり、その物性は表1に示
すとおりであった。
例1と同様にして積層不織布を得た。この積層不織布
は、目付が100g/m2であり、その物性は表1に示
すとおりであった。
【0042】比較例1 実施例1で使用した極細繊維不織布を上層に、長繊維不
織布を中層とした他は、実施例1と同様の方法で積層不
織布を得た。この積層不織布の物性は表1に示すとおり
であった。
織布を中層とした他は、実施例1と同様の方法で積層不
織布を得た。この積層不織布の物性は表1に示すとおり
であった。
【0043】比較例2 超音波融着機に代えて、以下の条件の熱エンボス装置を
使用する他は、実施例1と同一の条件で積層不織布を得
た。熱エンボス装置は、円周上に点状の凸状突起部を面
積比10%の割合で持ち、135℃に加熱された熱エン
ボスロールと、常温の平滑ロールとからなるものであ
り、熱エンボスロールと平滑ロール間の線圧を50kg
/cmの条件とし、この両ロール間に積層物を導入し
た。得られた積層不織布は目付が70g/m2であり、
この積層不織布の物性は表1に示すとおりであった。
使用する他は、実施例1と同一の条件で積層不織布を得
た。熱エンボス装置は、円周上に点状の凸状突起部を面
積比10%の割合で持ち、135℃に加熱された熱エン
ボスロールと、常温の平滑ロールとからなるものであ
り、熱エンボスロールと平滑ロール間の線圧を50kg
/cmの条件とし、この両ロール間に積層物を導入し
た。得られた積層不織布は目付が70g/m2であり、
この積層不織布の物性は表1に示すとおりであった。
【0044】
【表1】
【0045】表1の結果から明らかなように、実施例1
〜3に係る方法で得られた積層不織布は、コットン繊維
不織布と極細繊維不織布との層間剥離強力の高いもので
あった。これに対して、比較例1に係る方法で得られた
積層不織布は、コットン繊維不織布と長繊維不織布(比
較例1はコットン繊維不織布と長繊維不織布とが直接接
合している。)との層間剥離強力に劣るものであった。
これは、長繊維は極細繊維に比べて結晶化度が大きいた
め、同様の条件で超音波融着機に導入した場合、融解し
た長繊維が良好な流動状態を示さず、この結果、融解し
たポリプロピレン長繊維中に十分にコットン繊維が埋入
しなかったためであると考えられる。また、比較例2に
係る方法で得られた積層不織布も、コットン繊維不織布
と極細繊維不織布との層間剥離強力に劣るものであっ
た。これは、実施例1〜3においては超音波融着機を使
用しており、比較例2においては熱エンボス装置を使用
しているためである。即ち、熱エンボス装置では、超音
波融着機を使用した場合のように、融解した極細繊維が
良好な流動性を示さず、コットン繊維が極細繊維の融解
部に十分埋入しないためであると考えられる。
〜3に係る方法で得られた積層不織布は、コットン繊維
不織布と極細繊維不織布との層間剥離強力の高いもので
あった。これに対して、比較例1に係る方法で得られた
積層不織布は、コットン繊維不織布と長繊維不織布(比
較例1はコットン繊維不織布と長繊維不織布とが直接接
合している。)との層間剥離強力に劣るものであった。
これは、長繊維は極細繊維に比べて結晶化度が大きいた
め、同様の条件で超音波融着機に導入した場合、融解し
た長繊維が良好な流動状態を示さず、この結果、融解し
たポリプロピレン長繊維中に十分にコットン繊維が埋入
しなかったためであると考えられる。また、比較例2に
係る方法で得られた積層不織布も、コットン繊維不織布
と極細繊維不織布との層間剥離強力に劣るものであっ
た。これは、実施例1〜3においては超音波融着機を使
用しており、比較例2においては熱エンボス装置を使用
しているためである。即ち、熱エンボス装置では、超音
波融着機を使用した場合のように、融解した極細繊維が
良好な流動性を示さず、コットン繊維が極細繊維の融解
部に十分埋入しないためであると考えられる。
【0046】
【作用】以上説明した本発明に係る積層不織布は、長繊
維不織布、極細繊維不織布、コットン繊維不織布が順に
積層されてなるものである。コットン繊維不織布は、コ
ットン繊維相互間が交絡されてなるため、引張強力及び
毛羽立ち防止性等の機械的性能に優れ、且つコットン繊
維による良好な吸水性を発揮する。極細繊維不織布は、
繊度0.2デニール以下の極細繊維が集積されてなるも
のであるため、極細繊維間の間隙が小さく、微細な塵埃
を除去しうるという、良好なフィルター性能を発揮す
る。また、この極細繊維不織布の片面に積層された長繊
維不織布は、繊度2〜10デニールの長繊維が集積され
てなるものであり、極細繊維不織布の毛羽立ちを抑える
ものである。また、コットン繊維不織布とは対照的に、
良好な疎水性を発揮するものである。
維不織布、極細繊維不織布、コットン繊維不織布が順に
積層されてなるものである。コットン繊維不織布は、コ
ットン繊維相互間が交絡されてなるため、引張強力及び
毛羽立ち防止性等の機械的性能に優れ、且つコットン繊
維による良好な吸水性を発揮する。極細繊維不織布は、
繊度0.2デニール以下の極細繊維が集積されてなるも
のであるため、極細繊維間の間隙が小さく、微細な塵埃
を除去しうるという、良好なフィルター性能を発揮す
る。また、この極細繊維不織布の片面に積層された長繊
維不織布は、繊度2〜10デニールの長繊維が集積され
てなるものであり、極細繊維不織布の毛羽立ちを抑える
ものである。また、コットン繊維不織布とは対照的に、
良好な疎水性を発揮するものである。
【0047】この積層不織布は、極細繊維の融解部にコ
ットン繊維が埋入された状態の点状融着区域を持ってお
り、この点状融着区域によって、極細繊維不織布と長繊
維不織布とが接合されている。一方、極細繊維不織布と
長繊維不織布とは、この点状融着区域において、極細繊
維と長繊維とが融解して融着一体化して、両不織布が接
合されている。従って、この三種の不織布が接合された
積層不織布は、部分的に接合されており、全面が接合さ
れていないので、良好な柔軟性を示す。また、この点状
融着区域においては、極細繊維の融解部がコットン繊維
を把持するような形になると共に、この融解部は長繊維
の融解部と融着一体化して補強されている。従って、積
層不織布を折り曲げたり巻回したりしても、極細繊維の
融解部は損傷及至は破壊されにくく、コットン繊維はこ
の耐久力のある融解部で強固に結合されており、極細繊
維不織布とコットン繊維不織布とは高剥離強力を実現す
る。ポリプロピレン系極細繊維とコットン繊維とは、相
互の濡れ性は良好でなく、ポリプロピレン系極細繊維を
軟化又は溶融させて、その粘着性によって両繊維を接着
しようとしても、強固な接着は期待できない。これに対
して、本発明の如く、コットン繊維が極細繊維の融解部
に埋入した状態で結合している場合には、強固な結合
(接着)が期待できるのである。
ットン繊維が埋入された状態の点状融着区域を持ってお
り、この点状融着区域によって、極細繊維不織布と長繊
維不織布とが接合されている。一方、極細繊維不織布と
長繊維不織布とは、この点状融着区域において、極細繊
維と長繊維とが融解して融着一体化して、両不織布が接
合されている。従って、この三種の不織布が接合された
積層不織布は、部分的に接合されており、全面が接合さ
れていないので、良好な柔軟性を示す。また、この点状
融着区域においては、極細繊維の融解部がコットン繊維
を把持するような形になると共に、この融解部は長繊維
の融解部と融着一体化して補強されている。従って、積
層不織布を折り曲げたり巻回したりしても、極細繊維の
融解部は損傷及至は破壊されにくく、コットン繊維はこ
の耐久力のある融解部で強固に結合されており、極細繊
維不織布とコットン繊維不織布とは高剥離強力を実現す
る。ポリプロピレン系極細繊維とコットン繊維とは、相
互の濡れ性は良好でなく、ポリプロピレン系極細繊維を
軟化又は溶融させて、その粘着性によって両繊維を接着
しようとしても、強固な接着は期待できない。これに対
して、本発明の如く、コットン繊維が極細繊維の融解部
に埋入した状態で結合している場合には、強固な結合
(接着)が期待できるのである。
【0048】本発明に係る積層不織布の製造方法は、長
繊維不織布と極細繊維不織布とコットン繊維不織布と
を、順に積層した積層物を、超音波融着機に導入するこ
とによって、点状融着区域を形成するというものであ
る。この超音波融着機は、超音波の振動を長繊維及び極
細繊維に伝えることによって、長繊維相互間及び極細繊
維相互間の摩擦熱によって、長繊維及び極細繊維が融解
してゆくというものである。従って、極細繊維が融解し
流動状態になった時点で、若干の押し圧でコットン繊維
を押さえつければ、極細繊維の融解部にコットン繊維が
埋入してしまうのである。また、融解した長繊維を押さ
えつければ、極細繊維の融解部と長繊維の融解部とは融
着一体化するのである。この際、コットン繊維は極細繊
維の融解部を介して、長繊維の融解部中に埋入する場合
もある。例えば、点状融着区域を形成させるのに、熱エ
ンボス装置を採用した場合には、このような良好なコッ
トン繊維の埋入状態を実現させることは困難である。何
故なら、熱エンボス装置は、一般的に熱及び圧力によっ
て極細繊維を溶融させるものであり、超音波融着機のよ
うに熱だけで極細繊維を溶融させることが困難だからで
ある。即ち、超音波融着機で採用するような圧力では、
熱エンボス装置の場合、極細繊維が良好な流動性を持つ
ような状態に溶融させることが困難だからであり、また
高い圧力を熱エンボス装置に付与すると、溶融した極細
繊維は、この高圧力で非エンボス部に流れ出してしま
い、コットン繊維を埋入することができないからであ
る。
繊維不織布と極細繊維不織布とコットン繊維不織布と
を、順に積層した積層物を、超音波融着機に導入するこ
とによって、点状融着区域を形成するというものであ
る。この超音波融着機は、超音波の振動を長繊維及び極
細繊維に伝えることによって、長繊維相互間及び極細繊
維相互間の摩擦熱によって、長繊維及び極細繊維が融解
してゆくというものである。従って、極細繊維が融解し
流動状態になった時点で、若干の押し圧でコットン繊維
を押さえつければ、極細繊維の融解部にコットン繊維が
埋入してしまうのである。また、融解した長繊維を押さ
えつければ、極細繊維の融解部と長繊維の融解部とは融
着一体化するのである。この際、コットン繊維は極細繊
維の融解部を介して、長繊維の融解部中に埋入する場合
もある。例えば、点状融着区域を形成させるのに、熱エ
ンボス装置を採用した場合には、このような良好なコッ
トン繊維の埋入状態を実現させることは困難である。何
故なら、熱エンボス装置は、一般的に熱及び圧力によっ
て極細繊維を溶融させるものであり、超音波融着機のよ
うに熱だけで極細繊維を溶融させることが困難だからで
ある。即ち、超音波融着機で採用するような圧力では、
熱エンボス装置の場合、極細繊維が良好な流動性を持つ
ような状態に溶融させることが困難だからであり、また
高い圧力を熱エンボス装置に付与すると、溶融した極細
繊維は、この高圧力で非エンボス部に流れ出してしま
い、コットン繊維を埋入することができないからであ
る。
【0049】また、本発明におけるような良好な埋入状
態を実現しうるのは、極細繊維不織布として、メルトブ
ローン法で得られる不織布を採用する場合に顕著であ
る。メルトブローン法は、冷却された繊維を十分延伸す
るような工程が存在しない。従って、この方法で得られ
た極細繊維は、その配向度が低く、結晶化度の低いもの
である。即ち、スパンボンド法等の冷却された繊維を十
分延伸するような工程が存在する方法で得られた繊維に
比べて、その配向度が低く、結晶化度も低くなってい
る。このように結晶化度の低い繊維は、結晶化度の高い
繊維に比べて、高温下で溶融しやすくなっている。従っ
て、本発明においてメルトブローン法で得られた極細繊
維不織布を使用すれば、超音波融着機等によって、容易
に極細繊維が溶融して、良好な流動状態を呈し、コット
ン繊維がここに埋入されるのである。
態を実現しうるのは、極細繊維不織布として、メルトブ
ローン法で得られる不織布を採用する場合に顕著であ
る。メルトブローン法は、冷却された繊維を十分延伸す
るような工程が存在しない。従って、この方法で得られ
た極細繊維は、その配向度が低く、結晶化度の低いもの
である。即ち、スパンボンド法等の冷却された繊維を十
分延伸するような工程が存在する方法で得られた繊維に
比べて、その配向度が低く、結晶化度も低くなってい
る。このように結晶化度の低い繊維は、結晶化度の高い
繊維に比べて、高温下で溶融しやすくなっている。従っ
て、本発明においてメルトブローン法で得られた極細繊
維不織布を使用すれば、超音波融着機等によって、容易
に極細繊維が溶融して、良好な流動状態を呈し、コット
ン繊維がここに埋入されるのである。
【0050】
【発明の効果】本発明に係る積層不織布は、片面に配設
されるコットン繊維不織布が良好な吸水性,高引張強
力,良好な毛羽立ち防止性を有し、中層に配設されるポ
リプロピレン系極細繊維不織布が良好なフィルター性能
を有し、更に他面に配設される長繊維不織布が良好な疎
水性,高引張強力,良好な毛羽立ち防止性を有するもの
である。そして、コットン繊維不織布と極細繊維不織布
とは、点状融着区域において接合されており、全面で接
合されていないため、積層不織布の柔軟性が大きく低下
することはない。また、この点状融着区域においては、
極細繊維の融解部にコットン繊維が埋設された状態で両
繊維が結合していると共に、極細繊維の融解部は長繊維
の融解部と融着一体化して補強されている。従って、積
層不織布の取り扱い中においても、極細繊維の融解部が
損傷及至は破壊されにくく、積層不織布の使用前はもと
より使用中においても、高い剥離強力を持つものであ
る。本発明に係る積層不織布は、吸水性と疎水性とを兼
ね備え、取り扱い中であっても層間剥離強力の低下が少
ないというように、種々の優れた特性及び物性を持って
いるため、医療・衛生材料,衣料用,生活関連資材用,
産業資材用等の各種用途に広汎に使用することのできる
ものである。
されるコットン繊維不織布が良好な吸水性,高引張強
力,良好な毛羽立ち防止性を有し、中層に配設されるポ
リプロピレン系極細繊維不織布が良好なフィルター性能
を有し、更に他面に配設される長繊維不織布が良好な疎
水性,高引張強力,良好な毛羽立ち防止性を有するもの
である。そして、コットン繊維不織布と極細繊維不織布
とは、点状融着区域において接合されており、全面で接
合されていないため、積層不織布の柔軟性が大きく低下
することはない。また、この点状融着区域においては、
極細繊維の融解部にコットン繊維が埋設された状態で両
繊維が結合していると共に、極細繊維の融解部は長繊維
の融解部と融着一体化して補強されている。従って、積
層不織布の取り扱い中においても、極細繊維の融解部が
損傷及至は破壊されにくく、積層不織布の使用前はもと
より使用中においても、高い剥離強力を持つものであ
る。本発明に係る積層不織布は、吸水性と疎水性とを兼
ね備え、取り扱い中であっても層間剥離強力の低下が少
ないというように、種々の優れた特性及び物性を持って
いるため、医療・衛生材料,衣料用,生活関連資材用,
産業資材用等の各種用途に広汎に使用することのできる
ものである。
【図1】本発明の一例に係る積層不織布の概略的断面図
である。
である。
【図2】本発明の一例に係る積層不織布の点状融着区域
を、厚み方向に微視的に示した図である。 1 コットン繊維 2 極細繊維の融解部 3 点状融着区域 4 長繊維の融解部
を、厚み方向に微視的に示した図である。 1 コットン繊維 2 極細繊維の融解部 3 点状融着区域 4 長繊維の融解部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04H 3/00 D04H 3/00 D H
Claims (2)
- 【請求項1】 繊度2〜10デニールのポリプロピレン
系長繊維が集積されてなる長繊維不織布、繊度0.2デ
ニール以下のポリプロピレン系極細繊維が集積されてな
る極細繊維不織布、コットン繊維相互間が交絡されてな
るコットン繊維不織布の順に積層されてなる積層不織布
であって、該積層不織布には、間隔を置いて設けられた
点状融着区域を持ち、該点状融着区域において、該長繊
維不織布と該極細繊維不織布とは、該ポリプロピレン系
長繊維の融解部と該ポリプロピレン系極細繊維の融解部
とが融着一体化することによって接合されており、該極
細繊維不織布と該コットン繊維不織布とは、少なくとも
該ポリプロピレン系極細繊維の該融解部に該コットン繊
維が埋入されることによって接合されていることを特徴
とする積層不織布。 - 【請求項2】 繊度2〜10デニールのポリプロピレン
系長繊維が集積されてなる長繊維不織布、繊度0.2デ
ニール以下のポリプロピレン系極細繊維が集積されてな
る極細繊維不織布、コットン繊維相互間が交絡されてな
るコットン繊維不織布の順に積層した積層物を、超音波
融着機に導入して、所定の点状区域において、該ポリプ
ロピレン系長繊維及び該ポリプロピレン系極細繊維を融
解して両者を融着一体化すると共に、少なくとも融解し
た該ポリプロピレン系極細繊維中に該コットン繊維を埋
入することを特徴とする積層不織布の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7203940A JPH0931857A (ja) | 1995-07-17 | 1995-07-17 | 積層不織布及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7203940A JPH0931857A (ja) | 1995-07-17 | 1995-07-17 | 積層不織布及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0931857A true JPH0931857A (ja) | 1997-02-04 |
Family
ID=16482208
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7203940A Pending JPH0931857A (ja) | 1995-07-17 | 1995-07-17 | 積層不織布及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0931857A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006009182A (ja) * | 2004-06-24 | 2006-01-12 | Asahi Kasei Fibers Corp | 耐毛羽性に優れた高耐水圧ポリエステル不織布 |
| CN103088494A (zh) * | 2012-11-29 | 2013-05-08 | 宁波双盾纺织帆布实业有限公司 | 一种长绒棉、细绒棉混纺纤维制品及其生产方法 |
| WO2019163400A1 (ja) * | 2018-02-22 | 2019-08-29 | 協和機電工業株式会社 | 油吸着体、及び油吸着体の製造方法 |
| CN115917070A (zh) * | 2020-07-02 | 2023-04-04 | 尤尼吉可株式会社 | 卫生材料的表面材料及其制造方法 |
-
1995
- 1995-07-17 JP JP7203940A patent/JPH0931857A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006009182A (ja) * | 2004-06-24 | 2006-01-12 | Asahi Kasei Fibers Corp | 耐毛羽性に優れた高耐水圧ポリエステル不織布 |
| CN103088494A (zh) * | 2012-11-29 | 2013-05-08 | 宁波双盾纺织帆布实业有限公司 | 一种长绒棉、细绒棉混纺纤维制品及其生产方法 |
| WO2019163400A1 (ja) * | 2018-02-22 | 2019-08-29 | 協和機電工業株式会社 | 油吸着体、及び油吸着体の製造方法 |
| JPWO2019163400A1 (ja) * | 2018-02-22 | 2020-12-03 | 協和機電工業株式会社 | 油吸着体、及び油吸着体の製造方法 |
| CN115917070A (zh) * | 2020-07-02 | 2023-04-04 | 尤尼吉可株式会社 | 卫生材料的表面材料及其制造方法 |
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