JPH09318909A - 倍率可変光学装置 - Google Patents

倍率可変光学装置

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JPH09318909A
JPH09318909A JP13395196A JP13395196A JPH09318909A JP H09318909 A JPH09318909 A JP H09318909A JP 13395196 A JP13395196 A JP 13395196A JP 13395196 A JP13395196 A JP 13395196A JP H09318909 A JPH09318909 A JP H09318909A
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JP
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magnification
variable
optical system
phase distribution
variable magnification
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JP13395196A
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Jiro Suzuki
二郎 鈴木
Hiroshi Suzuki
浩志 鈴木
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色収差を補正するために倍率可変アフォーカ
ル系2を構成する各レンズ等を張り合わせレンズとする
必要があり、レンズ枚数、工数、コストの増加、重量増
加、レンズ間隔可変範囲の制限等による設計上の制約等
が生じ、また、残留色収差による像の劣化が避けられな
いなどの課題があった。 【解決手段】 結像倍率可変のズーム光学系と、3色分
解光学系101の各チャンネルに設けられ光波の位相分
布を回折現象によって別の位相分布に可変量変化させる
液晶位相変調素子110と、ズーム光学系で発生する収
差を打ち消すに適合した液晶位相変調素子110による
位相分布変化量を演算して出力する色収差補正量演算装
置103とを備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ビデオカメラに
用いられるズーム光学系等の、倍率可変機能を有する倍
率可変屈折光学系を備えた倍率可変光学装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】倍率可変光学装置は、結像倍率を連続的
に変化させる機能を持つズーム光学系等の、結像倍率変
化可能な倍率可変光学系を備えた光学装置である。テレ
ビ放送などに一般的に用いられるビデオカメラは倍率可
変光学装置の一例であり、さまざまな大きさの被写体を
撮影したり、演出効果を得たりする目的で、ズーム光学
系を備えている。
【0003】図9は、例えば光技術コンタクト,Vo
1.23,NO.3,p30−35、およびVo1.2
3,No.8,p44−51に示された従来の倍率可変
光学装置としてのビデオカメラの構成を示す概略図であ
り、図において、1は物体面、2は倍率可変アフォーカ
ル系、3は3色分解光学系、4は赤チャンネル撮像管、
5は青チャンネル撮像管、6は緑チャンネル撮像管、7
はズーム光学系制御装置である。
【0004】物体面1は被写体が存在する面で、倍率可
変アフォーカル系2の光軸に直交した仮想的平面であ
る。倍率可変アフォーカル系2は後述する原理を用い
て、倍率を変化させることができるアフォーカル系であ
る。3色分解光学系3は倍率可変アフォーカル系2を透
過した光を赤、緑、青を中心とした3つの波長帯に分割
して各々異なった光路に振り分けるプリズムと、3つの
波長帯別の光路毎に設けられたリレーレンズとを備えて
おり、これらのリレーレンズと倍率可変アフォーカル系
2との組み合わせでズーム光学系が構成される。
【0005】以下、これら3つの波長帯に対する光路を
それぞれ赤チャンネル、緑チャンネル、青チャンネルと
いう。赤チャンネル撮像管4は赤チャンネルを透過して
その像面に結像した物体面1の像の二次元強度分布を電
気信号に変換し、青チャンネル撮像管5は青チャンネル
を透過してその像面に結像した物体面1の像の二次元強
度分布を電気信号に変換し、緑チャンネル撮像管6は緑
チャンネルを透過してその像面に結像した物体面1の像
の二次元強度分布を電気信号に変換する。ズーム光学系
制御装置7はユーザーの入力による変倍信号に応じて倍
率可変アフォーカル系2の可変部を制御し、倍率を変化
させる。
【0006】次に動作について説明する。まず、このビ
デオカメラのズーム光学系の倍率可変の原理を説明す
る。図10は、図9の倍率可変アフォーカル系2と、3
色分解光学系3のリレーレンズとにより構成されるズー
ム光学系の説明図であり、図において、8は被写体を一
定の倍率で結像するフォーカシングレンズ、9はフォー
カシングレンズ8が結像した像を自身の像空間に大きさ
を変えて結像するバリエータ、10はバリエータ9の結
像した像を無限遠に結像するコンペンセータである。フ
ォーカシングレンズ8およびコンペンセータ10は正の
屈折力、バリエータ9は負の屈折力を持つレンズであ
り、以上のフォーカシングレンズ8、バリエータ9、お
よびコンペンセータ10により倍率可変アフォーカル系
2が構成されている。また、11は3色分解光学系3の
各チャンネル毎に設けられ、コンペンセータ10の結像
した像を撮像管の光電変換面に結像する、正の屈折力を
持つリレーレンズである。
【0007】以下、各レンズを屈折力Φをパラメータと
して持つ薄肉レンズに近似し、近軸領域において説明す
る。今、被写体が無限遠にある場合を考える。フォーカ
シングレンズ8はその焦点面に被写体の像を結像する。
また、バリエータ9はフォーカシングレンズ8の結像し
た像を自身の像空間に結像する。バリエータ9に関する
ニュートンの結像式は次式で表される。
【数1】 ただし、xはバリエータ9の前側焦点から物体面1まで
の距離、x’はバリエータ9の後ろ側焦点から像面まで
の距離、fはバリエータ9の焦点距離である。このと
き、結像の倍率は次式で表される。
【数2】 従って、フォーカシングレンズ8とバリエータ9の間隔
を変化させれば、xの変化により式(2)のx’が変化
し、倍率mが変化する。次にコンペンセータ10の前側
焦点をバリエータ9の像面位置に一致させるように、バ
リエータ9とコンペンセータ10との間隔を変化させれ
ば倍率可変なアフォーカル系とすることができる。リレ
ーレンズ11は倍率可変アフォーカル系2により無限遠
に結像された像を撮像管に結像する。
【0008】次に、ズーム光学系の色収差について述べ
る。単レンズの色収差は硝子の屈折率の波長分散に起因
してレンズの屈折力が波長によって変化することにより
発生する。複数枚の単レンズを組み合わせたズーム光学
系では単レンズの色収差を合成した色収差をもつ。
【0009】図11は色収差の説明図であり、図におい
て、12はズーム光学系、13はある波長における光
路、14は前記波長とは異なる波長における光路であ
る。この色収差はズーム光学系12を構成する各レンズ
の色収差の加算によって次式のように表される。
【数3】 ここで、Lはズーム光学系12の色収差量、hi はi番
目のレンズを通る周辺光線の高さ、νi はi番目のレン
ズの硝材のアッベ数、φi はi番目のレンズの屈折力で
ある。
【0010】前記したように、倍率可変アフォーカル系
2では倍率を可変とするためにレンズの間隔を変えるの
で、必然的に各レンズにおける周辺光線の高さhi が変
化する。このため、一つの倍率に対するレンズ間隔(以
下、倍率に1対1に対応したレンズ間隔をズームポジシ
ョンという)でズーム光学系12の色収差量が0となる
ように設計しても、倍率を変えるためにズームポジショ
ンが変化すると、hiが変化し、式(3)で表される色
収差が生ずる。
【0011】以上に述べたように、単体で色収差を持つ
レンズ同志の間隔が変化するズーム光学系では、色消し
を行うことは不可能である。従って、倍率可変アフォー
カル系2およびリレーレンズ11の各レンズを、アッベ
数の異なる2枚のレンズにより構成される張り合わせレ
ンズまたはレンズ群とし、それぞれを独立のレンズとみ
なしたとき式(3)が0となるように2枚のレンズまた
はレンズ群に屈折力を配分することで色消しを行う。す
なわち、2枚のレンズの色収差量の絶対値が等しくかつ
極性が逆向きとなるように、または、レンズ群の色収差
量の合計が0となるように配置すれば、等価的に色収差
の無いレンズにより倍率可変アフォーカル系2およびリ
レーレンズ11を構成して、色消しを行うことが可能で
ある。
【0012】しかし、硝子のアッベ数は波長域によって
変化するため、各レンズを上記のように構成して色消し
を行っても色収差は残留し(以下この残留した色収差を
残留色収差という)、しかも、光学系の倍率によって色
収差の変化が起こる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の倍率可変光学装
置は以上のように構成されているので、色収差を補正す
るために倍率可変アフォーカル系2を構成する各レン
ズ、およびリレーレンズ11のそれぞれを複数枚のレン
ズを組み合わせた張り合わせレンズまたはレンズ群とす
る必要があり、このため、レンズ枚数が増加し、必然的
に工数およびコストの増加、重量増加、レンズ間隔可変
範囲の制限等による設計上の制約等が生じる課題があっ
た。
【0014】また、上記のようなレンズ構成としても残
留色収差が存在し、しかもズームポジションによってそ
の大きさが変化するため、像の劣化が避けられないなど
の課題があった。
【0015】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、倍率に依存して変化する色収差を
はじめとする収差一般を動的に補正して像の劣化を防止
することが可能な倍率可変光学装置を得ることを目的と
する。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る倍率可変光学装置は、結像倍率が可変である倍率可変
屈折光学系と、回折現象により光波の位相分布を別の位
相分布に変化させ、かつ、その位相分布変化量が可変で
ある回折型位相分布変調素子とを備えたものである。
【0017】請求項2記載の発明に係る倍率可変光学装
置は、回折型位相分布変調素子として、液晶位相変調素
子を用いたものである。
【0018】請求項3記載の発明に係る倍率可変光学装
置は、倍率可変屈折光学系として前記倍率可変屈折光学
系を透過する光を赤、緑、青を中心とした3つの波長帯
に分割して各々異なった光路に振り分ける3色分解光学
系を有するものを用いた場合に、回折型位相分布変調素
子を、前記3色分解光学系の各光路に設けたものであ
る。
【0019】請求項4記載の発明に係る倍率可変光学装
置は、倍率可変屈折光学系として前記倍率可変屈折光学
系を透過する光を赤、緑、青を中心とした3つの波長帯
に分割して各々異なった光路に振り分ける3色分解光学
系を有するものを用いた場合に、回折型位相分布変調素
子を、前記3色分解光学系の前段に設けたものである。
【0020】請求項5記載の発明に係る倍率可変光学装
置は、倍率可変屈折光学系として、単レンズまたはレン
ズ群の複合により構成され、それらの間隔を変化させる
ことにより結像倍率を可変とする光学系を備えたもので
ある。
【0021】請求項6記載の発明に係る倍率可変光学装
置は、倍率可変屈折光学系として、屈折率が可変である
材質で構成したレンズを少なくとも1個使用した光学系
を備えたものである。
【0022】請求項7記載の発明に係る倍率可変光学装
置は、屈折率が可変である材質で構成したレンズとし
て、液晶を用いたレンズを使用したものである。
【0023】請求項8記載の発明に係る倍率可変光学装
置は、屈折率が可変である材質で構成したレンズとし
て、EO材料を用いたレンズを使用したものである。
【0024】請求項9記載の発明に係る倍率可変光学装
置は、結像倍率が可変である倍率可変屈折光学系と、こ
の倍率可変屈折光学系の倍率が任意の値となるように制
御する倍率可変屈折光学系制御装置と、光波の位相分布
を回折現象によって別の位相分布に変化させ、かつ、そ
の位相分布変化量が可変である回折型位相分布変調素子
と、この回折型位相分布変調素子が任意の位相分布をも
つように制御する回折型位相分布変調素子制御装置とを
備えたものである。
【0025】請求項10記載の発明に係る倍率可変光学
装置は、結像倍率が可変である倍率可変屈折光学系の結
像倍率と、前記倍率可変屈折光学系で発生する収差を打
ち消すに適合した回折型位相分布変調素子による位相分
布変化量との関係に関する情報をあらかじめ記憶してお
き、前記結像倍率に対応して、前記適合した回折型位相
分布変調素子による位相分布変化量に対応する量を演算
して出力する演算手段を備えたものである。
【0026】請求項11記載の発明に係る倍率可変光学
装置は、結像倍率が可変である倍率可変光学装置の光学
系によって結像された像を電気信号に変換する二次元検
出器と、この二次元検出器の出力信号に対して演算処理
を行い、前記光学系の収差を検出する画像処理装置と、
この画像処理装置の出力を基に、前記光学系の収差を打
ち消すに適合した回折型位相分布変調素子による位相分
布変化量に対応する量を演算して出力する演算手段とを
備えたものである。
【0027】請求項12記載の発明に係る倍率可変光学
装置は、結像倍率が可変である倍率可変光学装置の光学
系の結像倍率と、収差を打ち消した状態で前記結像倍率
を実現するに適合した倍率可変屈折光学系の倍率と回折
型位相分布変調素子による位相分布変化量との関係に関
する情報をあらかじめ記憶しておき、前記結像倍率に対
応して、収差を打ち消した状態で前記結像倍率を実現す
るに適合した前記倍率可変屈折光学系の倍率および前記
回折型位相分布変調素子による位相分布変化量に対応す
る量を演算して出力する演算手段を備えたものである。
【0028】請求項13記載の発明に係る倍率可変光学
装置は、結像倍率が可変である倍率可変光学装置の光学
系によって結像された像を電気信号に変換する二次元検
出器と、この二次元検出器の出力信号に対して演算処理
を行い、前記光学系の収差を検出する画像処理装置と、
この画像処理装置の出力を基に、収差を打ち消した状態
で前記結像倍率を実現するに適合した倍率可変屈折光学
系の倍率および回折型位相分布変調素子による位相分布
変化量に対応する量を演算して出力する演算手段とを備
えたものである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による倍
率可変光学装置を示す構成図であり、ビデオカメラ等に
適用されるズーム機能を持った倍率可変光学装置の一例
を表している。図において、1は被写体が存在する物体
面、2は前記従来例において説明した原理を用いて倍率
を可変とする倍率可変アフォーカル系であり、前記従来
例の図10において示したフォーカシングレンズ8、バ
リエータ9、およびコンペンセータ10を備えている。
4は後述の3色分解光学系101により分割された赤チ
ャンネルを透過してその像面に結像した物体面1の像の
二次元強度分布を電気信号に変換する赤チャンネル撮像
管、5は青チャンネルを透過してその像面に結像した物
体面1の像の二次元強度分布を電気信号に変換する青チ
ャンネル撮像管、6は緑チャンネルを透過してその像面
に結像した物体面1の像の二次元強度分布を電気信号に
変換する緑チャンネル撮像管、7はユーザーの入力によ
る変倍信号に応じて倍率可変アフォーカル系2の可変部
を制御し、倍率を変化させるズーム光学系制御装置(倍
率可変屈折光学系制御装置)である。
【0030】101は倍率可変アフォーカル系2を透過
した光を赤、緑、青を中心とした3つの波長帯に分割し
て各々異なった光路に振り分ける3色分解光学系であ
り、後述のダイクロイックミラー105,106と3つ
の光路毎に設けられたリレーレンズ11とを前記従来例
における3色分解光学系3に相当する構成として備えて
いるのに加え、各光路毎に液晶位相変調素子110を備
えている。なお、倍率可変アフォーカル系2と、上記液
晶位相変調素子110を除く3色分解光学系3との組み
合わせにより、倍率可変屈折光学系、詳しくは、連続的
に倍率を変化させるズーム光学系が構成されている。
【0031】102は倍率可変アフォーカル系2に取り
付けられ、各レンズの位置を検出して出力するポテンシ
ョメータ、103はポテンショメータ102の出力より
倍率可変アフォーカル系2の倍率を読みとり、この任意
の倍率における色収差を0とするような色収差の補正量
に関する演算を行う色収差補正量演算装置(演算手
段)、104は色収差補正量演算装置103の出力を基
に3色分解光学系101の備える液晶位相変調素子11
0で生じる位相変化を制御する液晶位相変調素子制御装
置(回折型位相分布変調素子制御装置)である。
【0032】図2は3色分解光学系101の構成図であ
り、図において、11はリレーレンズ、105,106
はダイクロイックミラー、107は赤チャンネル光路
(光路)、108は青チャンネル光路(光路)、109
は緑チャンネル光路(光路)、110は透過する光波の
位相分布を回折現象により変化させ、かつ、その位相変
化量が可変である回折素子(回折現象により光波の位相
を変換する光学素子)である液晶位相変調素子(回折型
位相分布変調素子)である。なお、図1および図10に
示した部分と同一または相当の部分については同一符号
を付して重複説明を省略する。
【0033】ダイクロイックミラー105は多くの波長
が混在した入射光を赤チャンネル波長とその他の波長と
に分光し、ダイクロイックミラー106はダイクロイッ
クミラー105によって赤チャンネル波長を分光した残
りの波長帯を含む入射光を、青チャンネル波長と緑チャ
ンネル波長に分光する。赤チャンネル光路107はダイ
クロイックミラー105によって分光された赤チャンネ
ル波長の光の光路、青チャンネル光路108はダイクロ
イックミラー106によって分光された青チャンネル波
長の光の光路、緑チャンネル光路109はダイクロイッ
クミラー106によって分光された緑チャンネル波長の
光の光路である。リレーレンズ11は赤チャンネル、青
チャンネル、緑チャンネルの各チャンネル毎に設けら
れ、各チャンネルの光を赤チャンネル撮像管4、青チャ
ンネル撮像管5、および緑チャンネル撮像管6のそれぞ
れの撮像面に結像する。
【0034】液晶位相変調素子110は、倍率可変アフ
ォーカル系2と各リレーレンズ11との組み合わせによ
り構成されたズーム光学系において発生する、球面状の
レンズ加工による収差やズーム時のレンズ間隔変化によ
り発生する収差等の波面収差を打ち消すような位相変化
量とすることができるため、球面レンズやズームポジシ
ョン変化による波面収差を補正することができる。ま
た、液晶位相変調素子110に屈折力をもつように位相
変化量を与えると、後述する原理に従って回折素子特有
の色収差が発生し、しかもその色収差量を可変とするこ
とができるので、ズーム光学系で発生した色収差を打ち
消すような色収差を液晶位相変調素子110において発
生させて補正することもできる。
【0035】以下、回折素子による色収差補正について
説明する。図3は有限開口に入射した平面波が回折する
様子を示す説明図であり、図において、111は入射す
る平面波、112は直径Dの開口をもつ遮蔽板、113
は平面波111の進行する方向、114は1次回折光が
進行する方向である。遮蔽板112の開口に入射した平
面波111は、開口の端で回折し、進行方向が変化す
る。回折光は、0次、1次、2次〜n次の回折光の重ね
合わせで表すことができるが、そのうち1次回折光の進
行方向114は平面波111の入射方向113に対して
次式で表すθだけ変化する。
【数4】 以下においてこの1次回折光の平面波の入射方向に対す
る進行方向の変化θを回折角という。式(4)は、開口
の直径Dの大きさによって回折角θが変化することを表
している。
【0036】上述の回折角θを利用して、レンズ効果を
持つ回折素子を構成することができる。図4はレンズ効
果を持つ回折素子の原理の説明図であり、図において1
15は、多数の円環状の開口を同心円状に配置し、外周
側の円環ほど円環の幅が細くなるように構成した遮蔽板
である。なお、図3に示した部分と同一または相当の部
分については同一符号を付して重複説明を省略する。式
(4)によれば、外周の開口による1次回折光ほどθが
大きくなる。従って、開口の幅を適切に選択すれば、各
円環状の開口で回折した光を一点に収束することがで
き、レンズ効果をもたせることができる。この回折素子
の焦点距離をfとすると、内径の半径がrである円環状
の開口の幅D(r)は次式で表される。
【数5】 容易にわかるように、この回折素子に入射した光が全て
1点に集光されるわけではなく、円環状の開口で内縁に
回折した1次回折光以外の光、回折しない光(0次回折
光)、開口で外側に回折する光、および遮蔽板115で
吸収または反射される光が存在するため効率が悪い。し
かし、硝材の表面に同心円環状の刻み(グレーティン
グ)を施した図5に示すような回折素子を使用すると、
ほぼ100%の効率が得られる。図において、116は
透明平板の表面に同心円状のグレーティングを刻んだブ
レーズドグレーティングレンズである。なお、図4に示
した部分と同一または相当の部分については同一符号を
付して重複説明を省略する。中心からm番目のグレーテ
ィングの立ち上がり部分の半径rm は次式で表される。
【数6】 ここで、λは波長、fは(1/屈折力Φ)である。ま
た、グレーティングの深さlは、入射光の位相差1×λ
に相当する次式で表される。
【数7】 ここで、nは硝材の屈折率である。
【0037】上記のように構成したブレーズドグレーテ
ィングレンズ116により、所望の屈折力Φを得ること
ができるが、このブレーズドグレーティングレンズ11
6の作用は、グレーティングによる表面の起伏のパター
ンを、屈折率分布のパターンに置き換えた回折素子にお
いても得ることができる。この実施の形態1で用いてい
る液晶位相変調素子110はこのタイプの回折素子とし
て作用するものである。図5のブレーズドグレーティン
グレンズ116の作用を液晶位相変調素子110で実現
するためには、液晶位相変調素子110における電界制
御による屈折率の分布を、前述のブレーズドグレーティ
ングレンズ116におけるグレーティング表面の起伏の
パターンと同様の分布とし、ブレーズドグレーティング
レンズ116における位相変化量の分布と同じ位相変化
量の分布を持つように屈折率の分布を与えればよい。
【0038】図6は液晶位相変調素子110の構成図で
あり、図において、117,118は透明電極、119
は液晶である。なお、透明電極117は液晶位相変調素
子110の表面にそれぞれ電気的に絶縁されて張り付け
られた導電性アレイ型電極で、液晶119を挟んで対面
する透明電極118の接地電位に対して任意の電位を取
ることができる。この透明電極117と透明電極118
間の電位差は液晶位相変調素子制御装置104によって
制御される。液晶119は印加される電界に依存して屈
折率が変化する性質を持つため、透明電極117の電位
を制御することにより、液晶位相変調素子110におけ
る屈折率の分布を自在に変化させることができる。この
ように、液晶位相変調素子110は屈折率分布を任意に
制御することができるため、屈折率分布による位相変化
量を前記したように与えることで、任意の屈折力φd
持ち、かつその屈折力φd が可変なレンズとして作用さ
せることができる。
【0039】ところで、回折光の進行方向θは、上記式
(4)により波長依存性をもつので、液晶位相変調素子
110では色収差が発生する。屈折力φd をもつ回折素
子である液晶位相変調素子110の色収差Ld は、一般
に用いられる下記の近似式で表すことができる。
【数8】 ここで、hd は周辺光線の高さ、νd は次式により設計
波長域において定数として定義される回折素子のアッベ
数である。
【数9】 ここで、λf は設計波長帯域の短波長端、λc は設計波
長帯域の長波長端、λd は設計波長帯域の中心波長であ
る。従って、液晶位相変調素子110の屈折力φd を変
化させることにより、液晶位相変調素子110の色収差
d を任意値とすることができる。
【0040】繰り返しになるが、ズーム光学系の色収差
Lは次式で表すことができる。
【数10】 ここでhi はi番目のレンズを通る周辺光線の高さ、ν
i はi番目のレンズの硝材のアッベ数、φi はi番目の
レンズの屈折力である。ズーム光学系の結像倍率を変化
させるためにレンズ間隔を変化させると、各レンズを通
過する周辺光線の高さhi が変化し、結果として色収差
Lが変化する。液晶位相変調素子110とズーム光学系
とで発生する色収差の合成した色収差が0となることが
色収差の色消し条件となる。
【数11】 従って、ズーム光学系の結像倍率を変化させる際にズー
ム光学系の色収差Lが変化しても、液晶位相変調素子1
10の色収差Ld が任意値をとることができるため、式
(11)を常に満足することが可能となる。
【0041】以上に述べた関係を用いて、ズーム光学系
において発生した色収差を液晶位相変調素子110によ
り打ち消す際の、色収差補正量演算装置103および液
晶位相変調素子制御装置104の動作の一例は、以下の
ようなものである。色収差補正量演算装置103には、
ズーム光学系の結像倍率に対応したズーム光学系の色収
差Lの関数関係をあらかじめ記憶させてあり、色収差補
正量演算装置103はポテンショメータ102の出力か
らズーム光学系の倍率を読みとり、前記関数関係により
ズーム光学系の色収差Lを演算する。次に、色収差補正
量演算装置103は式(8)において液晶位相変調素子
110の色収差Ld が−Lに等しくなるような液晶位相
変調素子110の屈折力φd、またはこの屈折力φd
実現する屈折率nの分布等の、液晶位相変調素子110
による位相分布変化量に対応する量を演算し、これを液
晶位相変調素子制御装置104に出力する。液晶位相変
調素子制御装置104は、前述の屈折率nの分布を実現
する電圧分布を液晶位相変調素子110に印加する。
【0042】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、ズーム光学系のフォーカシングレンズ8、バリエー
タ9、コンペンセータ10、リレーレンズ11のそれぞ
れを色収差をもつ単レンズで構成した場合においても、
全てのズームポジションでズーム光学系において発生し
た色収差を打ち消して合成色収差を0とすることがで
き、結像状態を常に良好に保つことができる。
【0043】また、回折型位相分布変調素子として液晶
位相変調素子110を用いているため、回折型位相分布
変調素子の位相変化量の制御を、液晶位相変調素子11
0の電極への印加電圧の制御により電気的に行うことが
でき、容易にかつ正確に位相変化量の制御を行うことが
できる。
【0044】さらに、液晶位相変調素子110を、3色
分解光学系101の各光路に設けているため、各液晶位
相変調素子110は3つの波長帯のうちの対応する1個
の狭い波長帯において色収差を補正するのみでよく残留
色収差を少なく抑えることができ、3チャンネルに設け
られた液晶位相変調素子110により全波長帯における
残留色収差を少なく抑えることができる。
【0045】なお、上記においては、近軸領域における
色収差について述べたが、軸外における色収差について
も同様の考えに基づき補正することができるのは言うま
でもない。
【0046】実施の形態2.上記実施の形態1において
は、色収差補正量演算装置103において、液晶位相変
調素子110による位相分布変化量に対応する量を、ポ
テンショメータ102の出力を基にした現在の倍率と予
め記憶していた関数関係を用いて演算していたが、代わ
りに、赤チャンネル撮像管4、青チャンネル撮像管5、
および緑チャンネル撮像管6を二次元検出器として用
い、これらの二次元検出器の出力画像に対して、画像処
理装置を用いてエッジ抽出およびそのぼけ量を基にした
色収差の演算を行い、前記実施の形態1の色収差補正量
演算装置103が行うズーム光学系の色収差Lの演算以
降の処理と同様の処理を行う演算手段を用いて、色収差
を打ち消すに適合した液晶位相変調素子110による位
相分布変化量に対応する量を演算するようにしてもよ
く、実際の結像状態から演算した色収差を用いて色収差
の打ち消しを行い、結像状態を常に良好に保つことが可
能である。また、液晶位相変調素子110による位相分
布変化量に対応する量を、ユーザーのマニュアル操作に
より調整するようにすることも任意である。
【0047】実施の形態3.上記実施の形態1および2
においては、色収差を、3色分解光学系101において
各チャンネル毎に設けた液晶位相変調素子110により
補正していたが、代わりに、3色分解光学系101前段
の倍率可変アフォーカル系2に液晶位相変調素子110
を設けるように構成してもよい。この実施の形態3によ
れば、上記実施の形態1および2と比較して広い波長帯
において色収差を補正する必要があるため残留色収差は
増加するが、液晶位相変調素子110を1個で済ますこ
とができ、構造を単純化し、コストを低く抑えることが
できる。
【0048】実施の形態4.また、上記実施の形態1か
ら3においては、回折型位相分布変調素子として液晶位
相変調素子110を使用したが、回折現象を応用した位
相変調素子であればどのような位相変調素子でもよい。
さらに、上記ビデオカメラ以外のズーム光学系を用いる
機器や、例えば、望遠・近接両用レンズを備えたスティ
ルカメラのように、連続的に倍率を変化させるズーム光
学系ではない倍率可変屈折光学系を持つ機器にももちろ
ん適用することができる。この場合、前記実施の形態1
および2のように連続的に倍率を変化させる必要はない
ので、例えば屈折力の異なった倍率不変の回折型位相分
布変調素子を倍率のポジション毎に用意し、それらをタ
ーレット式に並べたものを使用し、色収差に合わせてタ
ーレットを交換するようにしてもよく、実施の形態1お
よび2と同様の効果が得られる。
【0049】実施の形態5.図7はこの発明の実施の形
態5による倍率可変光学装置を示す構成図であり、図に
おいて、200は液晶フレネルレンズ(液晶を用いたレ
ンズ、倍率可変屈折光学系)、201は液晶フレネルレ
ンズ制御装置(倍率可変屈折光学系制御装置)、202
は計算機(演算手段)である。また、110および10
4は前記実施の形態1において用いたものと同様の液晶
位相変調素子および液晶位相変調素子制御装置である。
【0050】液晶フレネルレンズ200はフレネルレン
ズにおける硝材を液晶でおきかえた構成をもち、透明電
極により任意の電圧を印加することにより任意の強さの
電界を印加する事ができる。前述したように液晶は印加
した電界によりその屈折率が変化するため、液晶フレネ
ルレンズ200は可変倍レンズとしての機能を持つ。液
晶フレネルレンズ制御装置201は液晶フレネルレンズ
200に印加する電圧を制御することにより液晶フレネ
ルレンズ200の屈折力を制御する。計算機202は、
倍率可変光学装置全体の結像倍率が変倍信号の指示と同
一の結像倍率となり、かつ、倍率可変光学装置全体にお
いて収差が打ち消された状態となるように、液晶フレネ
ルレンズ200及び液晶位相変調素子110の倍率を決
定する。
【0051】次に動作について説明する。以下、計算機
202における演算について述べる。ズーム光学系の色
収差は前述のように式(10)で表されるが、ズーム光
学系でない屈折光学系における色収差も式(10)で表
すことができる。この実施の形態5では、倍率可変屈折
光学系を液晶フレネルレンズ200で構成しており、液
晶フレネルレンズ200は単レンズであるので、式(1
0)は、液晶フレネルレンズ200に対して添字rを用
いると、次式に簡略化される。
【数12】 ここで、Lは液晶フレネルレンズ200の色収差量、h
r は液晶フレネルレンズ200を通る周辺光線の高さ、
νr は液晶フレネルレンズ200のアッベ数、φr は液
晶フレネルレンズ200の屈折力である。
【0052】また、液晶位相変調素子110の色収差は
前述のように式(8)のように表され、液晶フレネルレ
ンズ200と液晶位相変調素子110は隙間無く張り合
わせているので、次式が成り立つ。
【数13】 従って、色消し条件の式(11)は次式に簡略化され
る。
【数14】 ここで、液晶位相変調素子110の屈折力φd と液晶フ
レネルレンズ200の屈折力をφr の合成屈折力Φは次
のように表される。
【数15】 従って、式(14)および式(15)から、変倍信号が
合成屈折力Φ(倍率に反比例)を指示したとき、計算機
202によりφd およびφr は次式のように計算され
る。
【数16】
【数17】
【0053】計算機202は、例えば式(16)および
式(17)による計算結果を液晶フレネルレンズ制御装
置201、および液晶位相変調素子制御装置104に出
力する。出力としてはこのように屈折力φd およびφr
を出力してもよいし、他の、液晶フレネルレンズ200
の倍率および液晶位相変調素子110による位相分布変
化量に対応する量を出力するようにしてもよい。以上に
より倍率(1/屈折力Φ)を任意に可変でき、かつ任意
の倍率において色収差を打ち消した状態とすることがで
きる。
【0054】なお、以上において、液晶位相変調素子1
10と液晶フレネルレンズ200の色分散の発生のメカ
ニズムの違いにより式(16)および式(17)におけ
るアッベ数νr がアッベ数νd よりはるかに大きいた
め、倍率可変光学装置全体の合成屈折力Φ中において液
晶フレネルレンズ200の屈折力φr が大半を決定して
おり、液晶位相変調素子110の屈折力φd は小さい
が、この実施の形態5においては、倍率可変屈折光学系
としての液晶フレネルレンズ200と回折型位相分布変
調素子としての液晶位相変調素子110の合成屈折力
を、変倍信号の指示する結像倍率に対応した屈折力に正
確に一致させている。
【0055】以上のように、この実施の形態5によれ
ば、液晶フレネルレンズ200および液晶位相変調素子
110からなる倍率可変光学装置の光学系全体における
収差を打ち消した状態で、光学系全体における結像倍率
を変倍信号の指示と同一の結像倍率とすることができ、
あらゆるズームポジションにおいて結像状態を常に良好
に保つことができる。
【0056】また、液晶フレネルレンズ200の屈折力
φd の変化により倍率可変光学装置の屈折力および倍率
を変化させることができるため、レンズ間の距離の変更
等の機械的構成の変化を伴わずに結像倍率を可変とする
ことができ、コンパクト化および軽量化を図ることがで
きる。特にこの実施の形態5の構成によれば、液晶フレ
ネルレンズ200と液晶位相変調素子110により、色
収差を打ち消した状態で任意の結像倍率となる単レンズ
を実現することができる。
【0057】なお、前記実施の形態2における場合と同
様に、二次元検出器および画像処理装置を用いて実際の
結像状態における色収差の演算を行い、演算手段におい
て、色収差を打ち消した状態で任意の結像倍率を実現す
るに適合した液晶フレネルレンズ200の倍率および液
晶位相変調素子110による位相分布変化量に対応する
量を演算して出力する構成とすることもでき、同様な効
果が得られる。
【0058】実施の形態6.なお、実施の形態5では倍
率可変屈折光学系として液晶フレネルレンズ200を使
用したが、屈折率を動的に制御できる材質で作られたレ
ンズであれば他の物を使用してもよい。例えばEO(E
lectro−Optic:電気光学)材科を使ったレ
ンズ(以下EOレンズという)を使用してもよい。
【0059】図8はEOレンズの倍率可変方法を示す説
明図であり、図において、300はEO結晶、301,
302は透明電極、304はEO結晶300、透明電極
301、および透明電極302からなるEOレンズ(E
O材料を用いたレンズ、倍率可変屈折光学系)、303
は可変定電圧源である。なお、EO結晶300は平凸レ
ンズ形状に成形されており、印加された電場によって複
屈折(光波の偏波方向による屈折率の変化)を示す結晶
である。透明電極301および302は導電性のある透
明フィルムでEO結晶300の表面に張り付けてある。
【0060】次に動作について説明する。透明電極30
1はEO結晶300の平面側に張り付けてあり接地電位
にある。今、可変定電圧源303の起電力が0のときE
O結晶300の任意の直線偏波に対する屈折率はいたる
ところ均一である。次に可変定電圧源303の起電力を
発生させると、透明電極301と透明電極302との間
隔はレンズ中心からレンズ周辺部にいくほど狭いため、
印加電界はレンズ周辺部にいくほど強くなる。EO結晶
300の屈折率の変位量は印加電界の1乗または2乗に
比例する。結果として、EO結晶300の屈折率がレン
ズ中心で弱く、レンズ周辺部で強くなる。従って、可変
定電圧源303の起電力の変化によって屈折力の変化す
る倍率可変屈折光学系として作用する。従って、前記実
施の形態5の液晶フレネルレンズ200の代わりにこの
実施の形態6におけるEOレンズ304を使用しても、
実施の形態5と同様の効果を得ることができる。
【0061】以上のように、この実施の形態6によれ
ば、EOレンズ304および液晶位相変調素子110か
らなる倍率可変光学装置の光学系全体における収差を打
ち消した状態で、光学系全体における結像倍率を変倍信
号の指示と同一の結像倍率とすることができ、あらゆる
ズームポジションにおいて結像状態を常に良好に保つこ
とが可能な単レンズを実現することができる。
【0062】また、倍率可変屈折光学系としてEOレン
ズ304を用いているため、レンズの屈折率およびそれ
に伴う屈折力の制御をレンズに印加する電圧の制御によ
り電気的に行うことができ、容易にかつ正確に屈折力の
制御を行うことができるとともに、レンズに液晶を用い
た場合には封入等の工程が必要であるのと比較して、E
O結晶を削り出すのみで形成することができるため、製
造を容易に行うことができる。
【0063】実施の形態7.前記実施の形態5または前
記実施の形態6を用いると、屈折力と色収差を独立に、
かつ動的に可変できるレンズとして作用させることも可
能である。従ってこのレンズを例えば、従来例のズーム
光学系におけるリレーレンズなどに適用すれば、リレー
レンズの屈折力を所定値から変化させることなく、任意
の色収差をリレーレンズにおいて補正することなどが可
能となる。
【0064】なお、上記各実施の形態においては、色収
差の補正を例に説明を行ったが、この発明は、色収差の
補正に限定されるものではなく、収差一般を動的に補正
して像の劣化を防止することができるものであることは
いうまでもない。
【0065】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、結像倍率が可変である倍率可変屈折光学系と、回
折現象により光波の位相分布を別の位相分布に変化さ
せ、かつ、その位相分布変化量が可変である回折型位相
分布変調素子とを備えるように構成したので、倍率可変
屈折光学系により任意の結像倍率にするとともに、回折
型位相分布変調素子により、倍率可変屈折光学系の倍率
に伴い変化する結像状態を良好に保つように光波の位相
分布を回折現象によって別の位相分布に変換することが
でき、倍率可変屈折光学系において発生する収差量が変
化しても、回折型位相分布変調素子の位相変化量を適切
な値とすることによりこれを補正して、結像状態を常に
良好に保つことができる効果がある。従って、倍率可変
屈折光学系の各レンズを収差をもつ単レンズで構成した
場合においても全ての結像倍率において収差を打ち消し
て良好な結像状態とすることができ、各レンズを張り合
わせレンズにする等の場合と比較して、レンズ枚数、工
数、コスト、および重量の低減等を図ることができる効
果がある。
【0066】請求項2記載の発明によれば、回折型位相
分布変調素子として、液晶位相変調素子を用いるように
構成したので、回折型位相分布変調素子の位相変化量の
制御を液晶位相変調素子の電極への印加電圧の制御によ
り電気的に行うことができ、容易にかつ正確に位相変化
量の制御を行って結像状態を常に良好に保つことができ
る効果がある。
【0067】請求項3記載の発明によれば、倍率可変屈
折光学系として前記倍率可変屈折光学系を透過する光を
赤、緑、青を中心とした3つの波長帯に分割して各々異
なった光路に振り分ける3色分解光学系を有するものを
用いた場合に、回折型位相分布変調素子を、前記3色分
解光学系の各光路に設けるように構成したので、回折型
位相分布変調素子は、赤、緑、青を中心とした3つの波
長帯のうちの対応する1個の狭い波長帯において色収差
を補正するのみでよく残留色収差を少なく抑えることが
できるため、3色分解光学系の各光路に設けられた回折
型位相分布変調素子により、全波長帯における残留色収
差を少なく抑えることができる効果がある。
【0068】請求項4記載の発明によれば、倍率可変屈
折光学系として前記倍率可変屈折光学系を透過する光を
赤、緑、青を中心とした3つの波長帯に分割して各々異
なった光路に振り分ける3色分解光学系を有するものを
用いた場合に、回折型位相分布変調素子を、前記3色分
解光学系の前段に設けるように構成したので、回折型位
相分布変調素子を3色分解光学系の前段に1個設けるだ
けでよく、構造を単純化し、低コスト化を図ることがで
きる効果がある。
【0069】請求項5記載の発明によれば、倍率可変屈
折光学系として、単レンズまたはレンズ群の複合により
構成され、それらの間隔を変化させることにより結像倍
率を可変とする光学系を備えるように構成したので、在
来の倍率可変屈折光学系を用い、これに回折型位相分布
変調素子を加えることにより、結像状態を向上した倍率
可変光学装置を構成することができる効果がある。
【0070】請求項6記載の発明によれば、倍率可変屈
折光学系として、屈折率が可変である材質で構成したレ
ンズを少なくとも1個使用した光学系を備えるように構
成したので、屈折率が可変である材質で構成したレンズ
において屈折率を変化させることにより倍率可変屈折光
学系の屈折力を変化させることができるため、レンズ間
の距離の変更等の機械的構成の変化を伴わずに結像倍率
を可変とすることができ、コンパクト化および軽量化を
図ることができる効果がある。
【0071】請求項7記載の発明によれば、屈折率が可
変である材質で構成したレンズとして、液晶を用いたレ
ンズを使用するように構成したので、レンズの屈折率お
よびそれに伴う屈折力の制御を電界の制御により電気的
に行うことができ、液晶の屈折率は電界に正確に追従す
るため、容易にかつ正確に屈折力の制御を行うことがで
きる効果がある。
【0072】請求項8記載の発明によれば、屈折率が可
変である材質で構成したレンズとして、EO材料を用い
たレンズを使用するように構成したので、レンズの屈折
率およびそれに伴う屈折力の制御をレンズに印加する電
圧の制御により電気的に行うことができ、容易にかつ正
確に屈折力の制御を行うことができるとともに、レンズ
に液晶を用いた場合には封入等の工程が必要であるのと
比較して、EO結晶を削り出すのみで形成することがで
きるため、製造を容易にすることができる効果がある。
【0073】請求項9記載の発明によれば、結像倍率が
可変である倍率可変屈折光学系と、この倍率可変屈折光
学系の倍率が任意の値となるように制御する倍率可変屈
折光学系制御装置と、光波の位相分布を回折現象によっ
て別の位相分布に変化させ、かつ、その位相分布変化量
が可変である回折型位相分布変調素子と、この回折型位
相分布変調素子が任意の位相分布をもつように制御する
回折型位相分布変調素子制御装置とを備えるように構成
したので、倍率可変屈折光学系制御装置の制御により倍
率可変屈折光学系を任意の結像倍率にするとともに、回
折型位相分布変調素子制御装置の制御により、回折型位
相分布変調素子の位相変化量を、倍率可変屈折光学系に
おいて発生する収差量を補正する適切な位相変化量とす
ることができ、収差を補正して結像状態を常に良好に保
つことができる効果がある。従って、倍率可変屈折光学
系の各レンズを収差をもつ単レンズで構成した場合にお
いても全ての結像倍率において収差を打ち消して良好な
結像状態とすることができ、各レンズを張り合わせレン
ズにする等の場合と比較して、レンズ枚数、工数、コス
ト、および重量の低減等を図ることができる効果があ
る。
【0074】請求項10記載の発明によれば、結像倍率
が可変である倍率可変屈折光学系の結像倍率と、前記倍
率可変屈折光学系で発生する収差を打ち消すに適合した
回折型位相分布変調素子による位相分布変化量との関係
に関する情報をあらかじめ記憶しておき、前記結像倍率
に対応して、前記適合した回折型位相分布変調素子によ
る位相分布変化量に対応する量を演算して出力する演算
手段を備えるように構成したので、倍率可変屈折光学系
の結像倍率に対応して演算手段により演算・出力された
回折型位相分布変調素子による位相分布変化量に対応す
る量を用いて回折型位相分布変調素子を制御することに
より、倍率可変屈折光学系で発生する収差を回折型位相
分布変調素子により打ち消して、結像状態を常に良好に
保つことができる効果がある。
【0075】請求項11記載の発明によれば、結像倍率
が可変である倍率可変光学装置の光学系によって結像さ
れた像を電気信号に変換する二次元検出器と、この二次
元検出器の出力信号に対して演算処理を行い、前記光学
系の収差を検出する画像処理装置と、この画像処理装置
の出力を基に、前記光学系の収差を打ち消すに適合した
回折型位相分布変調素子による位相分布変化量に対応す
る量を演算して出力する演算手段とを備えるように構成
したので、二次元検出器および画像処理装置を用いて検
出した収差を基に演算手段により演算・出力された回折
型位相分布変調素子による位相分布変化量に対応する量
を用いて回折型位相分布変調素子を制御することによ
り、倍率可変屈折光学系で発生する収差を回折型位相分
布変調素子により打ち消して、結像状態を常に良好に保
つことができる効果がある。
【0076】請求項12記載の発明によれば、結像倍率
が可変である倍率可変光学装置の光学系の結像倍率と、
収差を打ち消した状態で前記結像倍率を実現するに適合
した倍率可変屈折光学系の倍率と回折型位相分布変調素
子による位相分布変化量との関係に関する情報をあらか
じめ記憶しておき、前記結像倍率に対応して、収差を打
ち消した状態で前記結像倍率を実現するに適合した前記
倍率可変屈折光学系の倍率および前記回折型位相分布変
調素子による位相分布変化量に対応する量を演算して出
力する演算手段を備えるように構成したので、倍率可変
光学装置の結像倍率に対応して演算手段により演算・出
力された倍率可変屈折光学系の倍率および回折型位相分
布変調素子による位相分布変化量に対応する量を用いて
倍率可変屈折光学系および回折型位相分布変調素子を制
御することにより、倍率可変光学装置全体における収差
を打ち消した状態で倍率可変光学装置全体における所望
の結像倍率を実現することができ、結像状態を常に良好
に保つことができる効果がある。
【0077】請求項13記載の発明によれば、結像倍率
が可変である倍率可変光学装置の光学系によって結像さ
れた像を電気信号に変換する二次元検出器と、この二次
元検出器の出力信号に対して演算処理を行い、前記光学
系の収差を検出する画像処理装置と、この画像処理装置
の出力を基に、収差を打ち消した状態で前記結像倍率を
実現するに適合した倍率可変屈折光学系の倍率および回
折型位相分布変調素子による位相分布変化量に対応する
量を演算して出力する演算手段とを備えるように構成し
たので、二次元検出器および画像処理装置を用いて検出
した収差を基に演算手段により演算・出力された倍率可
変屈折光学系の倍率および回折型位相分布変調素子によ
る位相分布変化量に対応する量を用いて倍率可変屈折光
学系および回折型位相分布変調素子を制御することによ
り、倍率可変光学装置全体における収差を打ち消した状
態で倍率可変光学装置全体における所望の結像倍率を実
現することができ、結像状態を常に良好に保つことがで
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による倍率可変光学
装置を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による倍率可変光学
装置の3色分解光学系の構成図である。
【図3】 有限開口に入射した平面波が回折する様子を
示す説明図である。
【図4】 レンズ効果を持つ回折素子の原理の説明図で
ある。
【図5】 ブレーズドグレーティングレンズの構成を示
す説明図である。
【図6】 この発明の実施の形態1による倍率可変光学
装置の液晶位相変調素子の構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態5による倍率可変光学
装置を示す構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態6による倍率可変光学
装置のEOレンズの倍率可変方法を示す説明図である。
【図9】 従来の倍率可変光学装置を示す構成図であ
る。
【図10】 一般的なズーム光学系の倍率可変原理の説
明図である。
【図11】 色収差の説明図である。
【符号の説明】
7 ズーム光学系制御装置(倍率可変屈折光学系制御装
置)、101 3色分解光学系、103 色収差補正量
演算装置(演算手段)、104 液晶位相変調素子制御
装置(回折型位相分布変調素子制御装置)、107 赤
チャンネル光路(光路)、108 青チャンネル光路
(光路)、109 緑チャンネル光路(光路)、110
液晶位相変調素子(回折型位相分布変調素子)、20
0 液晶フレネルレンズ(液晶を用いたレンズ、倍率可
変屈折光学系)、201 液晶フレネルレンズ制御装置
(倍率可変屈折光学系制御装置)、202 計算機(演
算手段)、304 EOレンズ(EO材料を用いたレン
ズ、倍率可変屈折光学系)。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結像倍率が可変である倍率可変屈折光学
    系と、回折現象により光波の位相分布を別の位相分布に
    変化させ、かつ、その位相分布変化量が可変である回折
    型位相分布変調素子とを備えたことを特徴とする倍率可
    変光学装置。
  2. 【請求項2】 回折型位相分布変調素子として、液晶位
    相変調素子を用いたことを特徴とする請求項1記載の倍
    率可変光学装置。
  3. 【請求項3】 倍率可変屈折光学系は、前記倍率可変屈
    折光学系を透過する光を赤、緑、青を中心とした3つの
    波長帯に分割して各々異なった光路に振り分ける3色分
    解光学系を有しており、回折型位相分布変調素子は、前
    記3色分解光学系の各光路に設けられていることを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の倍率可変光学装
    置。
  4. 【請求項4】 倍率可変屈折光学系は、前記倍率可変屈
    折光学系を透過する光を赤、緑、青を中心とした3つの
    波長帯に分割して各々異なった光路に振り分ける3色分
    解光学系を有しており、回折型位相分布変調素子は、前
    記3色分解光学系の前段に設けられていることを特徴と
    する請求項1または請求項2記載の倍率可変光学装置。
  5. 【請求項5】 倍率可変屈折光学系として、単レンズま
    たはレンズ群の複合により構成され、それらの間隔を変
    化させることにより結像倍率を可変とする光学系を備え
    たことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいず
    れか1項記載の倍率可変光学装置。
  6. 【請求項6】 倍率可変屈折光学系として、屈折率が可
    変である材質で構成したレンズを少なくとも1個使用し
    た光学系を備えたことを特徴とする請求項1から請求項
    4のうちのいずれか1項記載の倍率可変光学装置。
  7. 【請求項7】 屈折率が可変である材質で構成したレン
    ズとして、液晶を用いたレンズを使用したことを特徴と
    する請求項6記載の倍率可変光学装置。
  8. 【請求項8】 屈折率が可変である材質で構成したレン
    ズとして、EO材料を用いたレンズを使用したことを特
    徴とする請求項6記載の倍率可変光学装置。
  9. 【請求項9】 結像倍率が可変である倍率可変屈折光学
    系と、この倍率可変屈折光学系の倍率が任意の値となる
    ように制御する倍率可変屈折光学系制御装置と、光波の
    位相分布を回折現象によって別の位相分布に変化させ、
    かつ、その位相分布変化量が可変である回折型位相分布
    変調素子と、この回折型位相分布変調素子が任意の位相
    分布をもつように制御する回折型位相分布変調素子制御
    装置とを備えたことを特徴とする倍率可変光学装置。
  10. 【請求項10】 結像倍率が可変である倍率可変屈折光
    学系の結像倍率と前記倍率可変屈折光学系で発生する収
    差を打ち消すに適合した回折型位相分布変調素子による
    位相分布変化量との関係に関する情報をあらかじめ記憶
    しておき、 前記結像倍率に対応して、前記適合した回折型位相分布
    変調素子による位相分布変化量に対応する量を演算して
    出力する演算手段を備えたことを特徴とする請求項9記
    載の倍率可変光学装置。
  11. 【請求項11】 結像倍率が可変である倍率可変光学装
    置の光学系によって結像された像を電気信号に変換する
    二次元検出器と、この二次元検出器の出力信号に対して
    演算処理を行い、前記光学系の収差を検出する画像処理
    装置と、この画像処理装置の出力を基に、前記光学系の
    収差を打ち消すに適合した回折型位相分布変調素子によ
    る位相分布変化量に対応する量を演算して出力する演算
    手段とを備えたことを特徴とする請求項9記載の倍率可
    変光学装置。
  12. 【請求項12】 結像倍率が可変である倍率可変光学装
    置の光学系の結像倍率と、収差を打ち消した状態で前記
    結像倍率を実現するに適合した倍率可変屈折光学系の倍
    率と回折型位相分布変調素子による位相分布変化量との
    関係に関する情報をあらかじめ記憶しておき、 前記結像倍率に対応して、収差を打ち消した状態で前記
    結像倍率を実現するに適合した前記倍率可変屈折光学系
    の倍率および前記回折型位相分布変調素子による位相分
    布変化量に対応する量を演算して出力する演算手段を備
    えたことを特徴とする請求項9記載の倍率可変光学装
    置。
  13. 【請求項13】 結像倍率が可変である倍率可変光学装
    置の光学系によって結像された像を電気信号に変換する
    二次元検出器と、この二次元検出器の出力信号に対して
    演算処理を行い、前記光学系の収差を検出する画像処理
    装置と、この画像処理装置の出力を基に、収差を打ち消
    した状態で前記結像倍率を実現するに適合した倍率可変
    屈折光学系の倍率および回折型位相分布変調素子による
    位相分布変化量に対応する量を演算して出力する演算手
    段とを備えたことを特徴とする請求項9記載の倍率可変
    光学装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11295152A (ja) * 1998-04-09 1999-10-29 Mitsubishi Electric Corp 波面センサー
US7070286B2 (en) 2000-09-20 2006-07-04 Seiko Epson Corporation Projector with projection lens having a zoom function
JP2008242126A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Seiko Epson Corp プロジェクタ、画像補正方法、および画像補正プログラム
JP2012163970A (ja) * 2012-03-23 2012-08-30 Seiko Epson Corp プロジェクタ、画像補正方法、および画像補正プログラム

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