JPH09320222A - 磁気ディスク装置におけるヘッド位置決め制御方法およびヘッド位置決め制御システム - Google Patents

磁気ディスク装置におけるヘッド位置決め制御方法およびヘッド位置決め制御システム

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JPH09320222A
JPH09320222A JP13662496A JP13662496A JPH09320222A JP H09320222 A JPH09320222 A JP H09320222A JP 13662496 A JP13662496 A JP 13662496A JP 13662496 A JP13662496 A JP 13662496A JP H09320222 A JPH09320222 A JP H09320222A
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JP
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head
control system
sliding mode
disturbance
magnetic
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JP13662496A
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Shinji Takakura
晋司 高倉
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外乱やヘッド駆動系のばらつきに対しても良好
なシーク性能が得られ、ロバスト性に優れた磁気ディス
ク装置におけるヘッド位置決め制御システムを提供す
る。 【解決手段】磁気ヘッドを磁気ディスクの半径方向に移
動させるVCM4に対して、ヘッド位置yに従ってフィ
ードバック制御するフィードバック制御器11を含む線
形フィードバック制御系21と、ヘッド位置および移動
速度の規範応答に対する偏差eに従ってスライディング
モードでフィードバック制御するスライディングモード
制御器14を含むスライディングモード制御系22を構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハードディスク装置
などの磁気ディスク装置に係り、特に磁気ヘッドの位置
決め制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置に対する記録容量の増
大の要求は高く、記録密度を上げるためにトラックピッ
チをより狭くする傾向にある。この狭トラックピッチ化
に伴って、耐衝撃性能(ロバスト性)と、磁気ヘッドを
目標トラックに位置決めするシーク動作の高速化が要求
されるようになってきている。
【0003】磁気ディスク装置の耐衝撃性能を上げるた
めに、衝撃センサを用いて磁気ディスク装置に加わる衝
撃を検知し、その検知出力が所定の閾値を越えると書き
込み動作を停止させる方法が考えられている。しかし、
この方法ではトラックピッチが狭くなると、小さな衝撃
に対してもオフトラックを起こしてしまうので、書き込
み動作を頻繁に停止させなければならず、磁気ディスク
装置の性能が低下するという問題がある。
【0004】一方、シーク動作に関しては、磁気ヘッド
を磁気ディスクの半径方向に移動させるためのVCM
(ボイスコイルモータ)などのヘッド駆動系であるの特
性のばらつきによってシーク波形にばらつきが生じてし
まい、シーク速度が低下するという問題がある。
【0005】これらのことから、狭トラックピッチ化に
伴って、衝撃などの外乱やヘッド駆動系のばらつきに強
いヘッド位置決め制御システムが今後重要となってく
る。しかし、線形フィードバック制御系を用いて構成さ
れる従来のヘッド位置決め制御システムでは、このよう
な要求に応えることが難しい。以下に、その理由を説明
する。
【0006】図1は、従来のヘッド位置決め制御システ
ムを構成する2自由度制御系の構成を示す図であり、r
は目標値(目標トラック位置)、yはヘッド位置、C1
(s)はフィードバック制御器の伝達関数、C2 (s) は目
標値応答特性を改善するための前置補償器の伝達関数、
m (s) はVCMの伝達関数、Td は加速度外乱を表
す。この制御系でのヘッド位置yは、式(1)で表され
る。
【0007】
【数1】
【0008】ここでは、モデル誤差は等価加速度外乱と
して外乱Td に含めて考えている。また、図2(a)
(b)にフィードバック制御器の伝達関数C1 のゲイン
および位相の周波数特性を示す。
【0009】式(1)から分かるように、外乱Td がヘ
ッド位置yに及ぼす影響はフィードバック制御器の伝達
関数C1 によって決まる。すなわち、外乱Td の影響を
小さくするためには、フィードバック制御系の制御帯域
を広くするか、あるいはフィードバック制御器を外乱T
d に対して最適に設計する必要がある。しかし、前者に
ついては信号処理系のサンプリング周波数とVCMの共
振のため、制御帯域の上限を現状の300Hz近傍より
も高くすることは困難である。一方、後者については外
乱Td の周波数帯域と大きさを適切に見積もることが必
要であり、これも非常に困難である。
【0010】図3(a)(b)に、図1のヘッド位置決
め制御システムのゲインおよび位相のオープンループ周
波数特性を示す。この図から、オープンループのクロス
周波数はおよそ300Hzになっていることが分かる。
これはVCMの4kHz近傍の共振からくるものであ
る。
【0011】このフィードバック制御系に対して、図1
に示したように2自由度制御系を構成してシーク動作を
行った時のシミュレーション結果を図5の1トラックシ
ーク波形に示す。1トラックシーク波形とは、ある一つ
の目標トラックに対してシーク動作を行った時のヘッド
位置の時間応答を示す波形であり、縦軸のヘッド位置で
は目標トラックのトラック幅方向の中心位置を0で表
し、横軸の時間はシーク動作開始からの経過時間を表し
ている。図5はモデル誤差と外乱のない場合のシーク波
形であり、図4に示す規範応答と良く一致していること
が分かる。
【0012】次に、この2自由度制御系に外乱(モデル
誤差を含む)を加えた時の1トラックシーク波形を図6
および図7に示す。図6はVCMのばらつきによってル
ープゲインが3dB下がった時のシーク波形、図7はシ
ーク途中で図8に示すような加速度外乱が加わった時の
シーク波形である。この加速度外乱の大きさは、シーク
時に発生させることのできる最大加速度の約70%とし
ている。これらのシミュレーション結果から、従来のヘ
ッド位置決め制御システムでは、VCMのばらつきや外
乱の影響でシーク波形が乱れてシーク時間が長くなり、
十分なロバスト性が得られていないことが分かる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のヘッド位置決め制御システムでは、特にトラックピッ
チが狭くなった場合、外乱やヘッド駆動系のばらつきに
よってシーク性能が低下するという問題があった。
【0014】本発明は、外乱やヘッド駆動系のばらつき
に対しても良好なシーク性能が得られ、ロバスト性に優
れた磁気ディスク装置におけるヘッド位置決め制御方法
およびシステムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係る磁気ディスク装置におけるヘッド位置
決め制御方法は、ディスク状磁気記録媒体を用いて磁気
ヘッドにより記録再生を行う磁気ディスク装置におい
て、線形フィードバック制御系とスライディングモード
制御系を併用して磁気ヘッドを磁気記録媒体上の目標ト
ラックに位置決め制御することを特徴とする。
【0016】さらに、本発明に係る磁気ディスク装置に
おけるヘッド位置決め制御システムは、ディスク状磁気
記録媒体を用いて磁気ヘッドにより記録再生を行う磁気
ディスク装置において、磁気ヘッドをディスク状磁気記
録媒体の半径方向に移動させるヘッド駆動手段と、磁気
記録媒体上における磁気ヘッドの位置を検出してヘッド
位置情報を出力するヘッド位置検出手段と、このヘッド
位置検出手段から出力されたヘッド位置情報に従ってヘ
ッド駆動手段をフィードバック制御する線形フィードバ
ック制御手段と、磁気ヘッドの位置および移動速度の偏
差の情報に従ってヘッド駆動手段をスライディングモー
ドでフィードバック制御するスライディングモード制御
手段とを有することを特徴とする。
【0017】ここで、スライディングモード制御は、非
線形フィードバック制御の一つであり、滑り動作(slid
ing state)とも呼ばれ、例えば「自動制御ハンドブック
基礎編」、社団法人 計測自動制御学会編、オーム社発
行(平成4年11月30日、第1版第2刷)の第272
頁〜第273頁に記載されているように、既に良く知ら
れた技術である。このスライディングモード制御では、
非線形フィードバック制御系で偏差空間に切り換え面
(または切り換え線)を設定し、制御の過程で偏差が切
り換え面上に沿って原点(偏差0の点)に向かう際に、
切り換え面上のある途中の点から切り換え面に沿って微
小な振動を行いつつ原点に達する動作(これを滑り動作
という)を行う。
【0018】本発明では、このようなスライディングモ
ード制御系を線形フィードバック制御系と併用してヘッ
ド位置決め制御を行うことにより、トラックピッチが小
さくなった場合でも、外乱やVCMなどのヘッド駆動系
のばらつきの影響を受けずに良好なシーク動作を実現す
ることができる。すなわち、従来の線形フィードバック
制御系のみによるヘッド位置決め制御では抑圧できなか
った外乱やヘッド駆動系のばらつきの影響がスライディ
ングモード制御系によって抑圧される。
【0019】さらに、スライディングモード制御系は制
御入力が不連続性を持っているためにチャタリングが起
こりやすい系であるが、線形フィードバック制御系と併
用することにより、このようなスライディングモード制
御系の持つ欠点が緩和され、安定したヘッド位置決め制
御が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。
【0021】図9は、本発明の一実施形態に係る磁気デ
ィスク装置の全体的な概略構成を示すブロック図であ
る。ディスク状磁気記録媒体(以下、磁気ディスクとい
う)1は、スピンドルモータ2により回転駆動される。
磁気ヘッド3は、例えば誘導型ヘッドからなる記録ヘッ
ドとMRヘッド(磁気抵抗型ヘッド)からなる再生ヘッ
ドを一体化した複合ヘッド、または誘導型ヘッドからな
る記録再生兼用ヘッドにより構成される。この磁気ヘッ
ド3は、ヘッドアクチュエータであるVCM(ボイスコ
イルモータ)4により磁気ディスク1の半径方向に駆動
され、VCM4を制御する制御部7により磁気ディスク
1上の目標トラックに位置決めされつつ、リードライト
回路5を介してデータの記録再生を行う。
【0022】データの記録再生時には、磁気ディスク1
上のトラックに公知の技術に従って予め記録されている
サーボ情報が読み取られ、このサーボ情報から磁気ディ
スク1上の磁気ヘッド3の位置を示すヘッド位置情報が
ヘッド位置検出部6によって検出される。このヘッド位
置検出部6により検出されたヘッド位置情報は、制御部
7に供給される。制御部7は例えばDSP(ディジタル
信号処理装置)を用いて構成され、ヘッド位置情報に基
づいてディジタル処理によりVCM4の制御を行う。な
お、制御部7の出力段にはディジタル信号をVCM4の
駆動入力であるアナログ信号(電圧信号)に変換するた
めのD/A変換器が設けられている。
【0023】図10は、VCM4とヘッド位置検出部6
および制御部7を含むヘッド位置決め制御システムの機
能的構成を示す制御ブロック図である。このヘッド位置
決め制御システムは、フィードバック制御器11、前置
補償器12、規範モデル設定器13およびスライディン
グモード制御器14を主たる構成要素として含み、フィ
ードバック制御器11による従来の線形フィードバック
制御系21に、スライディングモード制御器14による
スライディングモード制御系22を組み合わせた制御系
となっている。なお、図10中に示す各パラメータの定
義は、次の通りである。
【0024】r :目標値 y :ヘッド位置 v :ヘッド移動速度 Pm :VCM4の伝達関数 C1 :フィードバック制御器11の伝達関数 C2 :前置補償器12の伝達関数 Gm :規範モデル伝達関数 ym :ヘッド位置の規範応答 vm :ヘッド移動速度の規範応答 e :偏差 u :スライディングモード制御入力 Td :外乱 これらの各パラメータについてさらに詳しく説明する
と、目標値rは磁気ヘッド3を位置決めすべき磁気ディ
スク1上の位置(目標トラック)であり、外部から与え
られる。ヘッド位置yは、ヘッド位置検出部6により検
出された磁気ヘッド3の位置である。ヘッド移動速度v
は、シーク時の磁気ヘッド3の移動速度であり、隣接す
る二つのサンプリング時刻におけるヘッド位置、具体的
には隣接するサーボセクタ上のヘッド位置をy1 ,y2
とすれば、v=y1 −y2 で与えられる。
【0025】Gm は規範モデル設定器13により設定さ
れる規範モデルの伝達関数であり、目標値rをこの伝達
関数Gm に通すことによって、ヘッド位置の規範応答y
m とヘッド移動速度の規範応答vm が得られる。偏差e
は規範モデルに対するヘッド位置およびヘッド移動速度
の偏差であり、式(2)で表される。
【0026】
【数2】
【0027】スライディングモード制御入力uは、スラ
イディングモード制御器11からフィードバック制御系
21に入力される制御入力であり、図10に示すように
フィードバック制御系21におけるVCM4の制御入力
に加算される。外乱Td は、ヘッド位置決め制御システ
ムに加わる衝撃などの加速度外乱とVCM4のゲインば
らつきなどのモデル誤差を表し、これもVCM4の制御
入力に加算される。
【0028】次に、本実施形態におけるヘッド位置決め
制御システムの作用を説明する。ヘッド位置yは、前掲
の式(1)で表される。この式(1)の第1項は、規範
モデル伝達関数Gm の応答Gm rに非常に近いので、式
(1)は近似的に式(3)のように表すことができる。
【0029】
【数3】
【0030】また、ヘッド位置yの規範応答ym に対す
る偏差(位置偏差)e1 =ym −yは、式(4)のよう
に表すことができる。
【0031】
【数4】
【0032】この位置偏差e1 に着目すると、図10の
制御系は図11(a)に示すような等価ブロック図で表
すことができる。図11(a)で偏差eが0となるよう
に、スライディングモード制御入力uを決める。
【0033】さらに、図11(a)から加速度外乱Td
はスライディングモード制御系22に対し、フィードバ
ック制御器11の働きにより感度関数1/(1+Pm
1 )を通して影響を与えることが分かる。図12に、感
度関数1/(1+Pm 1 )のゲインおよび位相の周波
数特性を示す。また、図13に相補感度関数Pm 1
(1+Pm 1 )のゲインおよび位相の周波数特性を示
す。
【0034】図12から、外乱Td はフィードバック制
御器11の働きで与えられる感度関数1/(1+Pm
1 )によって、低周波領域で小さくなる。従って、スラ
イディングモード制御器のみを用いたヘッド位置決め制
御システムに比べて、フィードバック制御器11とスラ
イディングモード制御器14を併用した本実施形態のヘ
ッド位置決め制御システムの方が、同じ外乱Td に対し
てスライディングモード、すなわち滑り動作から外れに
くいことが分かる。
【0035】次に、図14を用いてスライディングモー
ド制御器14の具体的な実現法について説明する。
【0036】まず、制御対象であるVCM4を偏差発生
システムとして式(5)で表す。
【0037】
【数5】
【0038】このような誤差システムに対して、スライ
ディングモード制御器14を最適に構成する。まず、等
価制御を考えてみる。偏差空間での切り換え面は、式
(6)で与えられる。
【0039】
【数6】
【0040】式(6)を微分すると、式(7)が得られ
る。
【0041】
【数7】
【0042】スライディングモード制御器14を文献:
野田および田による「スライディングモード制御」、コ
ロナ社、1994年に記載された最終スライディングモ
ード制御法により構成する場合、スライディングモード
制御器14からの出力であるスライディングモード制御
入力uは、u=ueq+unlで表される。ueqは等価線形
入力項と呼ばれ、unlは非線形制御入力項と呼ばれる。
Sはスライディングモード制御系22における切り換え
面を表すパラメータである。スライディングモードが存
在すると、式(7)は0であるため、Sb≠0ならば、
等価線形入力項ueqは式(8)となる。
【0043】
【数8】
【0044】また、線形制御入力項unlとしては様々な
形式が考えられるが、本実施形態では式(9)で表され
る一般的なものを用いている。なお、ηは不連続入力を
連続関数で近似してチャタリングを除去するための定数
である。
【0045】
【数9】
【0046】次に、パラメータSの設定について述べ
る。図11(a)は、図11(b)のように書き直すこ
とができる。ここで、C1 は式(10)で表される。
【0047】
【数10】
【0048】これから、図11(b)は式(11)で表
される。
【0049】
【数11】
【0050】ここで、usli にueqを代入すると、式
(12)となる。
【0051】
【数12】
【0052】パラメータSは、式(12)が安定になる
ように設定すれば良い。
【0053】次に、本発明の効果を確認するために行っ
たシミュレーション結果および実験結果について説明す
る。
【0054】図15および図16に、スライディングモ
ード制御器のみを用いたヘッド位置制御システムにおい
て、ノミナルモデルに対してシミュレーションを行った
結果を示す。また、図17および図18に、図14に示
したような線形フィードバック制御器11とスライディ
ングモード制御器14を併用した本実施形態によるヘッ
ド位置制御システムにおいて、ノミナルモデルに対して
シミュレーションを行った結果を示す。図15および図
17は1トラックシーク波形、すなわちある一つの目標
トラックに対するシーク動作を行った時のヘッド位置の
時間応答を示しており、また図16および図18は切り
換え関数σの値のシーク時の変化を示している。
【0055】図15および図17に示すように、シーク
時のヘッド位置の時間応答はいずれも図4に示した規範
応答に良く一致しているが、切り換え関数σの値の変化
は図16と図18を比較して分かるように線形フィード
バック制御器11を併用した本実施形態の方が小さい。
これは、スライディングモード制御器14が線形フィー
ドバック制御器11で抑圧することのできなかった外乱
やモデル誤差を吸収するように働いていることを示して
いる。また、このように切り換え関数σの値の変化を小
さくできるということは、スライディングモード制御に
特有のチャタリングを起こしにくい制御系となっている
ことをも示している。
【0056】次に、VCM4のモデルに共振を持たせた
時のシミュレーション結果を図19〜図22に示す。図
19および図20は、スライディングモード制御器のみ
を用いたヘッド位置決め制御システムにおいて、モデル
誤差に4kHzの共振を持たせた場合の1トラックシー
ク波形と切り換え関数σの値のシーク時の変化をそれぞ
れ示す。同様に、図21および図22は、線形フィード
バック制御器11とスライディングモード制御器14を
併用した本実施形態によるヘッド位置制御システムにお
いて、モデル誤差4kHzに共振を持たせた場合の1ト
ラックシーク波形と切り換え関数σの値のシーク時の変
化をそれぞれ表す。
【0057】図19および図21に示すように、ヘッド
位置の時間応答はいずれも図4に示した規範応答に良く
一致しているが、切り換え関数σの値の変化は図20と
図22を比較して分かるように、線形フィードバック制
御器11を併用した本実施形態の方が小さく、スライデ
ィングモード制御に特有のチャタリングが小さくなって
いる。
【0058】次に、ヘッド位置決め制御システムに図8
に示したような加速度外乱を加えた時のシミュレーショ
ン結果を図23および図24に示す。この加速度外乱
は、シーク時のゲインで発生させることのできる最大加
速度の約70%に相当する。図23はスライディングモ
ード制御器のみを用いたヘッド位置制御システムにおい
て、上記の加速度外乱を加えた場合の1トラックシーク
波形を示し、図24は線形フィードバック制御器11と
スライディングモード制御器14を併用した本実施形態
によるヘッド位置制御システムにおいて、上記と同じ加
速度外乱を加えた場合の1トラックシーク波形を示して
いる。
【0059】図23と図24を比較すると、線形フィー
ドバック制御器11とスライディングモード制御器14
を併用した本実施形態によるヘッド位置制御システムの
方がヘッド位置の偏差が小さく、かつスライディングモ
ード、すなわち滑り動作に速やかに引き込まれているこ
とが分かる。これは線形フィードバック制御器11の併
用により、外乱が等価的に小さくなっていることによ
る。
【0060】次に、スライディングモード制御器のみを
用いたヘッド位置制御システムと、線形フィードバック
制御器11とスライディングモード制御器14を併用し
た本実施形態によるヘッド位置制御システムについて行
った実験結果について説明する。
【0061】実験システムに用いた磁気ディスク装置に
ついて簡単に述べると、まず磁気ディスク1としてはオ
ールサーボ情報を記録した磁気ディスクを用いた。セク
タ数は350セクタであり、実験ではそれらのうちの1
75セクタを用いた。磁気ディスク1の回転数は4,2
00rpmであり、従ってサーボ情報のサンプリング周
波数は12.25kHzとした。制御部7にはDSP
(TMS320C31)を用い、浮動小数点演算を行っ
た。また、制御部7の出力段に含まれるD/A変換器の
出力に外部から疑似的な加速度外乱として電圧信号を加
えることができるようにした。
【0062】まず、図25にフィードバック制御器のみ
を用いた図1の従来の2自由度ヘッド位置制御システム
における1トラックシーク波形の実験結果を示す。実験
結果は、約40回分のシーク波形を重ね書きしたもので
ある。また、この実験結果はモデル誤差および外乱が小
さい場合であり、このような場合は図25に示されるよ
うにシーク波形は図4に示した規範応答と良く一致して
いる。
【0063】一方、モデル誤差や外乱が大きくなり、こ
れらの影響をフィードバック制御器で十分に吸収できな
い時は、シーク波形は規範応答から大きくずれてしま
う。その例を図26および図27に示す。図26はルー
プゲインを3dB下げた時の1トラックシーク波形であ
り、図27は擬似加速度外乱として3.3msec半波
sinの電圧波形を制御部7の出力段のD/A変換器の
出力に加えた時の1トラックシーク波形である。これら
の結果から、フィードバック制御器のみを用いた従来の
2自由度ヘッド位置制御システムでは、モデル誤差や外
乱の影響を十分に抑圧できないことが分かる。
【0064】これに対し、線形フィードバック制御器1
1とスライディングモード制御器14を併用した本実施
形態によるヘッド位置制御システムにおいて、図26お
よび図27の場合と同じモデル誤差の下で測定した1ト
ラックシーク波形を図28および図29に示す。これら
の結果から、モデル誤差や外乱の影響が良好に抑圧され
ていることが分かる。これは、線形フィードバック制御
器11によっては抑圧し切れないモデル誤差と外乱の影
響をスライディングモード制御器14が補償しているた
めである。
【0065】なお、上記実施形態では磁気ヘッドを磁気
ディスク上の目標トラックに位置決めするシーク動作を
行う場合について述べたが、シーク動作の後に磁気ヘッ
ドを目標トラックに対して追従させるトラッキングサー
ボを行う場合にも、本発明は有効である。トラッキング
サーボ時には、図10における目標値rおよび規範モデ
ル伝達関数Gm を0とし、ヘッド位置yおよびヘッド移
動速度vの情報のみをスライディングモード制御器14
に入力すればよい。
【0066】その他、本発明は種々変形して実施するこ
とができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればス
ライディングモード制御系を線形フィードバック制御系
と併用して磁気ディスク装置におけるヘッド位置決め制
御を行うことにより、トラックピッチが小さくなった場
合でも、従来の線形フィードバック制御系のみによるヘ
ッド位置決め制御では抑圧できなかった外乱やVCMな
どのヘッド駆動系のばらつきの影響を受けずに良好なシ
ーク動作を実現でき、速やかに目標トラックへの位置決
め制御を行うとともに、オフトラック量を小さくするこ
とも可能となる。
【0068】さらに、スライディングモード制御系とフ
ィードバック制御系の併用により、スライディングモー
ド制御系の持つチャタリングの問題も解決され、安定し
たヘッド位置決め制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のヘッド位置決め制御システムを構成する
2自由度制御系の構成を示す制御ブロック図
【図2】図1中のフィードバック制御器の伝達関数のゲ
インおよび位相の周波数特性を示す図
【図3】図1のヘッド位置決め制御システムのゲインお
よび位相のオープンループ周波数特性を示す図
【図4】ヘッド位置決め制御システムの1トラックシー
ク時の規範応答を示す図
【図5】図1のヘッド位置決め制御システムにおいてモ
デル誤差と外乱のない場合の1トラックシーク波形を示
す図
【図6】図1のヘッド位置決め制御システムにおいてル
ープゲインが3dB下がった時の1トラックシーク波形
を示す図
【図7】図1のヘッド位置決め制御システムにおいて加
速度外乱が加わった時の1トラックシーク波形を示す図
【図8】加速度外乱の例を示す図
【図9】本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置の
全体的な概略構成を示すブロック図
【図10】同実施形態におけるヘッド位置決め制御シス
テムの機能的構成を示す制御ブロック図
【図11】図10を書き直した等価ブロック図
【図12】図11中の感度関数のゲインおよび位相の周
波数特性を示す図
【図13】相補感度関数のゲインおよび位相の周波数特
性を示す図
【図14】図10のヘッド位置決め制御システムにおい
てスライディングモード制御器をより具体的に示した制
御ブロック図
【図15】スライディングモード制御器のみを用いたヘ
ッド位置制御システムのノミナルモデルに対してシミュ
レーションを行った時の1トラックシーク波形を示す図
【図16】スライディングモード制御器のみを用いたヘ
ッド位置制御システムのノミナルモデルに対してシミュ
レーションを行った時の切り換え関数σのシーク時の変
化を示す図
【図17】本実施形態によるヘッド位置制御システムの
ノミナルモデルに対してシミュレーションを行った時の
1トラックシーク波形を示す図
【図18】本実施形態によるヘッド位置制御システムの
ノミナルモデルに対してシミュレーションを行った時の
切り換え関数σのシーク時の変化を示す図
【図19】スライディングモード制御器のみを用いたヘ
ッド位置制御システムにおいてモデル誤差に4kHzの
共振を持たせた時の1トラックシーク波形を示す図
【図20】スライディングモード制御器のみを用いたヘ
ッド位置制御システムにおいてモデル誤差に4kHzの
共振を持たせた時の切り換え関数σの値のシーク時の変
化を示す図
【図21】本実施形態によるヘッド位置制御システムに
おいてモデル誤差に4kHzの共振を持たせた時の1ト
ラックシーク波形を示す図
【図22】本実施形態によるヘッド位置制御システムに
おいてモデル誤差に4kHzの共振を持たせた場合の切
り換え関数σの値のシーク時の変化を示す図
【図23】スライディングモード制御器のみを用いたヘ
ッド位置制御システムにおいて加速度外乱を加えた時の
1トラックシーク波形を示す図
【図24】本実施形態によるヘッド位置制御システムに
おいて加速度外乱を加えた時の1トラックシーク波形を
示す図
【図25】フィードバック制御器のみを用いた従来の2
自由度ヘッド位置制御システムにおいてモデル誤差およ
び外乱が小さい時の1トラックシーク波形の実験結果を
示す図
【図26】フィードバック制御器のみを用いた従来の2
自由度ヘッド位置制御システムにおいてループゲインを
3dB下げた時の1トラックシーク波形の実験結果を示
す図
【図27】フィードバック制御器のみを用いた従来の2
自由度ヘッド位置制御システムにおいて擬似加速度外乱
として3.3msec半波sinの電圧波形を加えた時
の1トラックシーク波形の実験結果を示す図
【図28】本実施形態によるヘッド位置制御システムに
おいてループゲインを3dB下げた時の1トラックシー
ク波形の実験結果を示す図
【図29】本実施形態によるヘッド位置制御システムに
おいて擬似加速度外乱として3.3msec半波sin
の電圧波形を加えた時の1トラックシーク波形の実験結
果を示す図
【符号の説明】
1…磁気ディスク 2…スピンドルモータ 3…磁気ヘッド 4…VCM(ボイスコイルモータ) 5…リードライト回路 6…ヘッド位置検出部 7…制御部 11…線形フィードバック制御器 12…前置補償器 13…規範モデル設定器 14…スライディングモード制御器 21…線形フィードバック制御系 22…スライディングモード制御系

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディスク状磁気記録媒体を用いて磁気ヘッ
    ドにより記録再生を行う磁気ディスク装置において、 線形フィードバック制御系とスライディングモード制御
    系を併用して前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体上の目
    標トラックに位置決め制御することを特徴とする磁気デ
    ィスク装置におけるヘッド位置決め制御方法。
  2. 【請求項2】ディスク状磁気記録媒体を用いて磁気ヘッ
    ドにより記録再生を行う磁気ディスク装置において、 前記磁気ヘッドを前記ディスク状磁気記録媒体の半径方
    向に移動させるヘッド駆動手段と、 前記磁気記録媒体上における前記磁気ヘッドの位置を検
    出してヘッド位置情報を出力するヘッド位置検出手段
    と、 このヘッド位置検出手段から出力されるヘッド位置情報
    に従って前記ヘッド駆動手段をフィードバック制御する
    線形フィードバック制御手段と、 前記磁気ヘッドの位置および移動速度の偏差の情報に従
    って前記ヘッド駆動手段をスライディングモードでフィ
    ードバック制御するスライディングモード制御手段とを
    有することを特徴とする磁気ディスク装置におけるヘッ
    ド位置決め制御システム。
  3. 【請求項3】前記スライディングモード制御手段は、前
    記線形フィードバック制御手段による前記ヘッド駆動手
    段への制御入力にスライディングモード制御信号を加算
    することを特徴とする請求項2に記載の磁気ディスク装
    置におけるヘッド位置決め制御システム。
JP13662496A 1996-05-30 1996-05-30 磁気ディスク装置におけるヘッド位置決め制御方法およびヘッド位置決め制御システム Pending JPH09320222A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100487042B1 (ko) * 2001-11-16 2005-05-06 가부시끼가이샤 히다찌 글로벌 스토리지 테크놀로지 니뽄 위치 결정 제어 장치
US7031093B2 (en) 2003-11-18 2006-04-18 Fujitsu Limited Storage medium and method for actuator movement control
CN111262177A (zh) * 2020-01-13 2020-06-09 南京航空航天大学 一种树障清理机器人刀具系统滑模控制方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100487042B1 (ko) * 2001-11-16 2005-05-06 가부시끼가이샤 히다찌 글로벌 스토리지 테크놀로지 니뽄 위치 결정 제어 장치
US7031093B2 (en) 2003-11-18 2006-04-18 Fujitsu Limited Storage medium and method for actuator movement control
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