JPH09323515A - タイヤ空気圧推定装置 - Google Patents

タイヤ空気圧推定装置

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JPH09323515A
JPH09323515A JP14164996A JP14164996A JPH09323515A JP H09323515 A JPH09323515 A JP H09323515A JP 14164996 A JP14164996 A JP 14164996A JP 14164996 A JP14164996 A JP 14164996A JP H09323515 A JPH09323515 A JP H09323515A
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tire
air pressure
wheel speed
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幸治 小楠
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直樹 松本
Koji Idogaki
孝治 井戸垣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車両走行時におけるタイヤの振動成分から間接
的にそれらタイヤ空気圧を推定する装置にあって、その
推定精度の低下を好適に抑制する。 【解決手段】自動車の各車輪に車輪速度センサ10を設
けて、その出力されるパルス信号を信号処理装置20に
取り込むり込む。信号処理装置20では、このパルス信
号から各車輪毎に車輪速度を求めるとともに、それら車
輪速度信号に線形予測モデルを導入する、或いはFFT
演算を実行するなどにより、タイヤの振動に関する共振
周波数を抽出する。一方、同車両には外気温度センサ4
0を設けてタイヤ温度や路面温度などを検出し、その検
出される温度に基づき同温度による変動が吸収されるよ
う上記抽出される共振周波数を補正する。そして、この
補正した共振周波数とタイヤ空気圧とのリニアな関係に
基づいてそれらタイヤの空気圧を推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車等のタイ
ヤ空気圧を推定するタイヤ空気圧推定装置に関し、特に
車両走行時におけるタイヤの振動成分から間接的にそれ
らタイヤ空気圧を推定するにあたって、その推定精度を
より高いものとすることのできる推定構造の具現に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のタイヤ空気圧推定装置と
しては例えば特開平5−133831号公報記載の装
置、或いは特開平6−328920号公報記載の装置が
知られている。
【0003】これらの装置では何れも、車輪速度信号か
らタイヤの振動に起因する車輪速度の振動成分を抽出し
てタイヤの上下方向または前後方向の共振周波数を求
め、その求めた共振周波数に基づいてそれらタイヤの空
気圧を推定している。
【0004】かかるタイヤ空気圧推定装置によれば、例
えば圧力センサの如きタイヤの空気圧を直接検出する手
段を要することなく、それら空気圧を推定することがで
きるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、タイヤの
振動に起因する車輪速度の振動成分を抽出することがで
きれば、その振動成分から上記共振周波数を求めること
でそれらタイヤの空気圧を推定することはできる。
【0006】ただしこの場合、上記求められる共振周波
数は、 (A)外気温度(正確にはタイヤ温度、或いは路面温
度)の影響を受ける。すなわち、タイヤ空気圧が同一で
も、外気温度が低くなるとタイヤのゴム部分が硬くな
り、共振周波数は高くなる。逆に、外気温度が高くなる
とタイヤのゴム部分が柔らかくなり、共振周波数は低く
なる。 (B)車輪速度の影響を受ける。すなわち、低車速域及
び高車速域において共振周波数は低くなる傾向がある。 (C)タイヤが路面から受ける振動の大きさによって影
響を受ける。すなわち、タイヤが路面から受ける振動の
大きさが大きいほど、共振周波数は低くなる傾向があ
る。 等々、外部要因による影響を受け、こうした外部要因の
影響によっても変動することが判ってきている。そし
て、同求められる共振周波数のこのような変動が、上記
タイヤ空気圧の推定精度を低下せしめる大きな原因とも
なっている。
【0007】この発明は、こうした実情に鑑みてなされ
たものであり、車両走行時におけるタイヤの振動成分か
ら間接的にそれらタイヤ空気圧を推定する場合であれ、
その推定精度の低下を好適に抑制することのできるタイ
ヤ空気圧推定装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】こうした目的を達成する
ため、この発明では、請求項1に記載のように、 (a)車両の走行時にタイヤの振動成分を含む信号を出
力する振動成分出力手段。 (b)この出力されるタイヤの振動成分を含む信号から
同振動成分の共振周波数を抽出する共振周波数抽出手
段。 (c)この抽出される共振周波数に基づいて前記タイヤ
の空気圧を推定する空気圧推定手段。 (d)前記抽出される共振周波数に影響を及ぼす外部要
因の影響量を抽出する外部要因影響量抽出手段。 (e)この抽出される外部要因の影響量に応じて前記抽
出される共振周波数若しくは前記推定される空気圧を補
正する補正手段。 をそれぞれ具えてタイヤ空気圧推定装置を構成する。
【0009】車輪速度信号等、車両走行時のタイヤ振動
成分を含む信号からその振動成分の共振周波数を抽出す
ることができれば、該抽出した共振周波数に基づいてそ
れらタイヤの空気圧を推定することができることは前述
した通りである。
【0010】そして上記抽出される共振周波数は、外気
温度(正確にはタイヤ温度、或いは路面温度)や車輪速
度、タイヤが路面から受ける振動の大きさ、等々の外部
要因の影響によって変動し、該変動がタイヤ空気圧の推
定精度を低下せしめる原因となっていることも前述し
た。
【0011】そこで、請求項1記載の発明の同構成によ
るように、外部要因影響量抽出手段を通じてそれら外部
要因の影響量を抽出するとともに、この抽出される外部
要因の影響量に応じてこれが相殺されるよう、補正手段
を通じて上記共振周波数若しくは同共振周波数に基づき
推定されるタイヤ空気圧を補正することとすれば、この
推定若しくは補正されるタイヤ空気圧も自ずと信頼性の
高いものとなる。すなわち、外部要因の影響による同タ
イヤ空気圧推定精度の低下は好適に抑制されるようにな
る。
【0012】またこのとき、請求項2記載の発明による
ように、 (d1)前記外部要因影響量抽出手段は、前記タイヤ若
しくはその周囲の温度を検出する温度センサである。 (e1)前記補正手段は、該検出される温度情報に基づ
いて前記抽出される共振周波数若しくは前記推定される
タイヤ空気圧を補正する。 といった構成によれば、外部要因としての特に前記外気
温度による影響を好適に回避することができるようにな
り、タイヤ空気圧の推定精度もその分向上されることと
なる。
【0013】そしてこの場合には、例えば請求項3記載
の発明によるように、 (e11)前記補正手段は、前記抽出される共振周波数
を補正するものであって、該補正対象となる共振周波数
をf、前記検出される温度情報をTemp、同温度情報
Tempに基づく共振周波数fの補正量をΔf(Tem
p)とするとき、前記(1)式に基づいてその補正共振
周波数f’を算出する。 (c11)前記空気圧推定手段は、該算出された補正共
振周波数f’に基づいて前記タイヤの空気圧を推定す
る。 といった構成を採用することで、同外気温度による影響
を容易且つ的確に回避することができるようになる。
【0014】なおこのとき、上記温度情報Tempに基
づく共振周波数fの補正量Δf(Temp)は、先の ・タイヤ空気圧が同一でも、外気温度が低くなるとタイ
ヤのゴム部分が硬くなり、共振周波数は高くなる。逆
に、外気温度が高くなるとタイヤのゴム部分が柔らかく
なり、共振周波数は低くなる。 といった特性を考慮して、その影響を相殺することので
きる値が選ばれることとなる。これには例えば、上記温
度情報Tempに対応してその補正量が予め登録された
マップなどを用いことができる。
【0015】一方、請求項4記載の発明によるように、 (d2)前記外部要因影響量抽出手段は、当該車両の車
輪速度を検出する車輪速度検出手段である。 (e2)前記補正手段は、該検出される車輪速度情報に
基づいて前記抽出される共振周波数若しくは前記推定さ
れる空気圧を補正する。 といった構成によれば、外部要因としての特に前記車輪
速度による影響を好適に回避することができるようにな
り、タイヤ空気圧の推定精度もその分向上されることと
なる。
【0016】そしてこの場合には、例えば請求項5記載
の発明によるように、 (e21)前記補正手段は、前記抽出される共振周波数
を補正するものであって、該補正対象となる共振周波数
をf、前記検出される車輪速度をv、同車輪速度vに基
づく共振周波数fの補正量をΔf(v)とするとき、前
記(2)式に基づいてその補正共振周波数f’を算出す
る。 (c21)前記空気圧推定手段は、該算出された補正共
振周波数f’に基づいて前記タイヤの空気圧を推定す
る。 といった構成を採用することで、同車輪速度による影響
を容易且つ的確に回避することができるようになる。
【0017】なおこのとき、上記車輪速度vに基づく共
振周波数fの補正量Δf(v)は、先の ・低車速域及び高車速域において共振周波数は低くなる
傾向がある。 といった特性を考慮して、その影響を相殺することので
きる値が選ばれることとなる。これにも例えば、上記車
輪速度vに対応してその補正量が予め登録されたマップ
などを用いことができる。
【0018】また一方、請求項6記載の発明によるよう
に、 (d3)前記外部要因影響量抽出手段は、前記タイヤが
路面から受ける振動の大きさを抽出する手段である。 (e3)前記補正手段は、該抽出される振動の大きさに
基づいて前記抽出される共振周波数若しくは前記推定さ
れる空気圧を補正する。 といった構成によれば、外部要因としての特に前記タイ
ヤが路面から受ける振動の大きさによる影響を好適に回
避することができるようになり、タイヤ空気圧の推定精
度もその分向上されることとなる。
【0019】そしてこの場合には、例えば請求項7記載
の発明によるように、 (e31)前記補正手段は、前記抽出される共振周波数
を補正するものであって、該補正対象となる共振周波数
をf、前記抽出されるタイヤが路面から受ける振動の大
きさをJ、同路面から受ける振動の大きさJに基づく共
振周波数fの補正量をΔf(J)とするとき、前記
(3)式に基づいてその補正共振周波数f’を算出す
る。 (c31)前記空気圧推定手段は、該算出された補正共
振周波数f’に基づいて前記タイヤの空気圧を推定す
る。
【0020】なおこのとき、上記タイヤが路面から受け
る振動の大きさをJに基づく共振周波数fの補正量Δf
(J)は、先の ・タイヤが路面から受ける振動の大きさが大きいほど、
共振周波数は低くなる傾向がある。 といった特性を考慮して、その影響を相殺することので
きる値が選ばれることとなる。これにも例えば、上記タ
イヤが路面から受ける振動の大きさをJに対応してその
補正量が予め登録されたマップなどを用いことができ
る。
【0021】また更には、請求項8記載の発明によるよ
うに、 (d4)前記外部要因影響量抽出手段は、前記タイヤ若
しくはその周囲の温度を検出する温度センサ、及び当該
車両の車輪速度を検出する車輪速度検出手段、及び前記
タイヤが路面から受ける振動の大きさを抽出する手段の
何れか2つ若しくは全てを具えて構成される。 (e4)前記補正手段は、該検出若しくは抽出される温
度情報、及び車輪速度情報、及びタイヤが路面から受け
る振動の大きさの何れか2つ若しくは全てに基づいて前
記抽出される共振周波数若しくは前記推定される空気圧
を補正する。 といった構成によれば、外部要因としての前記温度情報
や車輪速度情報、タイヤが路面から受ける振動の大き
さ、等々による影響を同時に回避することができるよう
になり、タイヤ空気圧の推定精度も更に向上されること
となる。
【0022】他方、以上の各構成において、請求項9記
載の発明によるように、 (b1)前記共振周波数抽出手段は、前記振動成分出力
手段から出力されるタイヤの振動成分を含む時系列信号
に対して同振動に関する線形予測モデルを導入し、該導
入した線形予測モデルのパラメータを同定して当該振動
成分の共振周波数を抽出する線形予測手段を具える。 といった構成によれば、前記従来の装置のように高速フ
ーリエ変換(FFT)等を用いずとも、タイヤの振動成
分を含む信号から上記共振周波数を抽出することができ
るようになる。
【0023】すなわち、上記タイヤの振動成分を含む時
系列信号の間の相関係数を求めることで当該線形予測モ
デルのパラメータを推定することができるようになり、
またこうしてパラメータを推定することができれば、そ
れらパラメータを用いて前述したタイヤの上下方向また
は前後方向の共振周波数を求めることができるようにな
る。
【0024】何れにしろ、この請求項9記載の発明によ
れば、高速フーリエ変換(FFT)を用いる前記従来の
装置に比べて、その必要とされる演算量並びにメモリ容
量は大幅に低減されるようになる。
【0025】そして、この場合には特に、請求項10記
載の発明によるように、 (b11)前記線形予測手段は、サンプリング回数を
k、タイヤの振動成分を含む時系列信号をy(k)、外
乱をm(k)とするとき、前記振動に関する線形予測モ
デルとして、前記(4)式のような2次の離散時間モデ
ルを導入してその各パラメータc1,c2を同定するパ
ラメータ同定手段と、これら同定されるパラメータc
1,c2に基づいて前記共振周波数を演算する共振周波
数演算手段とを具える。 といった構成によって、その必要とされる演算量並びに
メモリ容量を最小とすることができるようになる。因み
に、タイヤ毎にその空気圧に依存した共振点は1つであ
ることに鑑みれば、上記線形予測モデルの次数はこの
「2次」で十分でもある。
【0026】またこの場合、上記パラメータ同定手段と
しては、請求項11記載の発明によるように、 (b111)最小2乗法にて前記パラメータc1,c2
を同定する。 といった構成が、こうした同定を高能率に行う上で有効
である。
【0027】また、これら線形予測モデルを導入する場
合に比べ、その必要とされる演算量並びにメモリ容量の
点では不利であるものの、上記請求項1〜8記載の各構
成に対しては、請求項12記載の構成、すなわち (b2)前記共振周波数抽出手段は、前記振動成分出力
手段から出力されるタイヤの振動成分を含む信号に対し
高速フーリエ変換(FFT)演算を行うFFT演算手段
と、このFFT演算によって得られる周波数スペクトル
の重心を演算する重心演算手段とを具える。 といった構成も、前記従来の装置によるタイヤ空気圧推
定精度の低下を抑制する上で有効である。
【0028】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)図1に、この発明にかかるタイヤ空気
圧推定装置の第1の実施形態を示す。
【0029】この実施形態の装置は、各車輪速度の共振
周波数を検出し、その共振周波数に基づいて、実際のタ
イヤ空気圧がその下限値よりも低いか否かを判定する装
置として構成されている。
【0030】前述したように、タイヤの空気圧と車両ば
ね下部材の振動の共振点であるばね下共振周波数との間
には、 ・タイヤ空気圧が低いほど、ばね下共振周波数が低い。 という関係が成立する。
【0031】一方、車両ばね下部材の振動は車輪の回転
運動にも影響を及ぼす。そしてその結果、このばね下部
材の振動は、車輪の回転速度である車輪速度にも、該ば
ね下部材と同じ高さの共振周波数を生じさせる。すなわ
ち、タイヤ空気圧と上記車輪速度の共振周波数との間に
も、 ・タイヤ空気圧が低いほど、共振周波数が低い。 といった関係が成立する。
【0032】そこでこの実施形態の装置では、タイヤ空
気圧と車輪速度の共振周波数との間における具体的には
図16に示されるような関係に基づいてタイヤ空気圧を
推定し、その推定されるタイヤ空気圧が下限値すなわち
当該車両の運転に影響を及ぼさない限界値よりも低いか
否かを判定するようにしている。
【0033】はじめに、図1を参照して、同実施形態の
装置の構成についてその概要を説明する。同実施形態の
装置は、この図1に示されるように、大きくは、車輪速
度センサ10、外気温度センサ40、それらセンサ信号
を所要に処理してタイヤ空気圧についての上記判定を実
行する信号処理装置20、そして該判定結果を所定の形
態で表示する表示器30を具えて構成される。
【0034】このうち、車輪速度センサ10は、当該車
両の各車輪についてその回転速度を検出するセンサであ
り、同センサ10FRは「右前輪」の車輪速度を、同セ
ンサ10FLは「左前輪」の車輪速度を、同センサ10
RRは「右後輪」の車輪速度を、そして同センサ10R
Lは「左後輪」の車輪速度をそれぞれ検出する。図2
に、これら車輪速度センサ10(10FR,10FL,
10RR,10RL)の構成を示す。
【0035】この図2に示されるように、これら車輪速
度センサ10は、それぞれ該当する車輪1に装着されて
共に回転するロータ11と、このロータ11の外周に一
定のピッチで多数設けられた歯(被検出体)12と、ロ
ータ11の回転に伴うこれら歯12の通過を電磁的に検
出する電磁ピックアップ13とを具える構成となってい
る。そして、この電磁ピックアップ13に誘起される交
流信号が、同車輪速度センサ10の出力(車輪速度信
号)として上記信号処理装置20に取り込まれるように
なる。
【0036】また、外気温度センサ40は、当該車両の
タイヤ周囲の温度すなわち外気温度を検出するセンサで
ある。同センサ40は、新たに温度センサを設置するこ
ととしても勿論よいが、例えば空調制御(エアコン制
御)に使用される外気温センサやエンジン制御に使用さ
れる吸気温センサ等を流用することもできる。何れにせ
よその検出される温度情報は、外気温度信号として上記
信号処理装置20に取り込まれるようになる。
【0037】また同実施形態の装置において、信号処理
装置20によるタイヤ空気圧についての判定結果を表示
する表示器30は、当該車両の操作パネル中に例えば図
3に示される態様で設けられている警告ランプ31の点
灯をそれぞれ制御する装置である。
【0038】すなわち、表示器30FRは、「右前輪」
のタイヤ空気圧が異常である旨判定されるとき警告ラン
プ31FRを点灯し、表示器30FLは、「左前輪」の
タイヤ空気圧が異常である旨判定されるとき警告ランプ
31FLを点灯する。同様に、表示器30RRは、「右
後輪」のタイヤ空気圧が異常である旨判定されるとき警
告ランプ31RRを点灯し、表示器30RLは、「左後
輪」のタイヤ空気圧が異常である旨判定されるとき警告
ランプ31FLを点灯する。
【0039】こうして警告ランプ31(31FR,31
FL,31RR,31RL)の点灯が制御されることに
より、空気圧が異常である旨判定されたタイヤが存在す
る場合には、そのタイヤが何れであるかが即座に、しか
も視認性よく運転者に知らしめられるようになる。
【0040】そして、上記車輪速度センサ10の出力
(車輪速度信号)や外気温度センサ40の出力(外気温
度信号)に基づいて各車輪のタイヤ空気圧が異常である
か否かを判定するとともに、これら表示器30に対しそ
の表示制御のための駆動信号を出力する信号処理装置2
0は、図1に示されるように、各車輪速度信号及び外気
温度信号からその前記共振周波数を検出する共振点検出
部21、及びそれら検出された共振周波数に基づいてタ
イヤ空気圧の異常の有無を判定する判定部22を具えて
構成されている。
【0041】なお、同信号処理装置20は、図4に示さ
れるように、マイクロコンピュータ200を有してお
り、該マイクロコンピュータ200による演算処理機能
を利用して、上記共振点検出部21及び判定部22とし
ての各機能が実現される。このマイクロコンピュータ2
00が、その演算処理部であるCPU201をはじめ、
主にプログラムメモリとして利用されるROM202、
及びデータメモリとして利用されるRAM203等を基
本的に具えて構成されるものであることは周知の通りで
ある。
【0042】次に、上記信号処理装置20において実行
される信号処理の詳細について説明する。まず、信号処
理装置20の上記共振点検出部21(21FR,21F
L,21RR,21RL)において行われる車輪速度信
号に基づく共振周波数推定の基本原理について説明す
る。
【0043】タイヤ空気圧推定における物理モデルは、
図5のように表すことができる。すなわち、白色ノイズ
である路面外乱m(k)がタイヤ・サスペンション系に
入力として加わり、その結果として、上記車輪速度信号
y(k)が出力される。そしてこのとき、車輪速度信号
y(k)には、タイヤ空気圧に依存した共振成分が含ま
れるようになる。
【0044】同実施形態にかかるタイヤ空気圧推定装置
では、上記タイヤ・サスペンション系を線形予測モデル
にて近似し、そのモデルのパラメータを最小2乗法を用
いて同定する。なお、タイヤ毎にその空気圧に依存した
共振点は1つであることに鑑みれば、この線形予測モデ
ルの次数は「2次」で十分である。また、該モデルの次
数を2次とすることで、信号処理装置20に必要とされ
る演算量並びにデータメモリ(RAM203)容量を最
小とすることができるようにもなる。
【0045】さて、サンプリング回数をkとし、それぞ
れ上述のように路面外乱をm(k)、車輪速度信号をy
(k)とおくと、2次の離散時間モデルは、次の(5)
式のように表すことができる。
【0046】
【数5】 ここで、パラメータ同定の目的は、有限個の観測データ
y(k)を用いて未知パラメータc1,c2を推定する
ことである。ここでは、最小2乗法を用いてこれら未知
パラメータc1,c2の同定を行う。
【0047】すなわち、(5)式において、m(k)は
外乱であり、白色ノイズとみなすことができるから、最
小2乗法による未知パラメータの推定は、次式(6)式
の評価関数Jを最小するc1,c2を求めることであ
る。
【0048】
【数6】 そして、この評価関数Jを最小するc1,c2の推定値
は、一括型最小2乗法を用いると、次式(7)式のよう
に表すことができる(例えば「信号処理」、森下巌ほか
著、計測自動制御学会、参照)。
【0049】
【数7】 次に、こうして同定されるc1,c2から共振周波数f
を求める。2次の離散時間モデルのパラメータc1,c
2と共振周波数f及び減衰係数ζとの関係は、サンプリ
ング周期をTとして、それぞれ次式(8)式及び(9)
式となる。
【0050】
【数8】
【0051】
【数9】 よって、共振周波数f及び減衰係数ζは、それぞれ次式
(10)式及び(11)式のように計算することができ
る。
【0052】
【数10】
【0053】
【数11】 図6に、こうした原理に基づき共振周波数fを推定する
上記共振点検出部21(21FR,21FL,21R
R,21RL)の詳細構成を示す。なお、同図6におい
ては便宜上、図1に示される各車輪に対応した系統のう
ちの任意の1系統のみについて図示している。
【0054】この図6に示す共振点検出部21aにおい
て、車輪速度演算部211は、上記車輪速度センサ10
から出力される交流信号を波形整形して2値のパルス信
号に変換するとともに、例えば7.8ms(ミリ秒)
等、所定のサンプリング周期毎にそのパルス間隔の平均
値を算出し、その算出した平均値の逆数から車輪速度を
演算する部分である。これにより同車輪速度演算部21
1からは、サンプリング周期毎に、該演算された車輪速
度信号が出力されるようになる。
【0055】また、フィルタ部212は、この出力され
る車輪速度信号からタイヤ空気圧に依存した共振周波数
付近の信号成分のみをろ波(抽出)する部分である。す
なわち、上記出力される車輪速度信号には、当該車両の
前記ばね下部材の共振周波数と同じ高さの共振周波数が
生じているが、実際にはその他の共振成分も含まれてい
る。因みに、同実施形態において対象とする車両(通常
の乗用車)の場合、上記タイヤ空気圧に依存した共振周
波数は、32Hzから40Hzの間にあることが実験に
より判っている。そこで、同実施形態にかかる装置で
は、このフィルタ部212として、通過帯域が30Hz
から45Hzに設定されたバターワース型のフィルタを
採用している。ここでは、同バターワース型のフィルタ
を4次で構成した。このフィルタ部212を通過した信
号成分が上記原理にて定義した車輪速度信号y(k)と
なる。
【0056】また、共振周波数抽出部213は、該フィ
ルタ部212によってろ波(抽出)された車輪速度信号
y(k)から先の(7)式に基づいて前記離散時間モデ
ルのパラメータc1,c2を同定するとともに、それら
同定したパラメータc1,c2から先の(10)式に基
づいて上記共振周波数fを算出する部分である。
【0057】一方、共振周波数補正部214aは、上記
外気温度センサ40によって検出された外気温度Tem
pをもとに上記抽出(算出)された共振周波数fを補正
する部分である。
【0058】前述したように、上記抽出される共振周波
数fは、外気温度Tempの影響を受け、タイヤ空気圧
が同一でも、それら外気温度Tempにより図7に示さ
れる態様で変動する。
【0059】すなわち、同図7に示されるように、同一
のタイヤ空気圧であっても、外気温度Tempが低くな
るほど共振周波数fは高くなる。これは、外気温度Te
mpが低くなるにつれてタイヤゴム部が硬くなり、タイ
ヤのバネ定数が大きくなるためと考えられる。
【0060】したがって、こうした外気温度Tempに
よる共振周波数fの抽出精度の悪化を防ぐためには、同
共振周波数fについての上記外気温度Tempに基づく
図8に示す態様での補正が必要となる。
【0061】そしてこのためには、例えば図9に示すよ
うな補正マップを共振周波数補正部214a内に持ち、
この補正マップをもとに上記抽出(算出)される共振周
波数fを補正すればよいことになる。
【0062】ここで、上記検出される外気温度Temp
に基づく上記共振周波数fの補正量をΔf(Temp)
とするとき、この補正共振周波数f’は、
【0063】
【数12】 として求められるようになる。また、図6に示す同共振
点検出部21aにおいて、空気圧推定部215は、この
補正された共振周波数f’に基づいて空気圧pを推定す
る部分である。
【0064】前述のように、タイヤ空気圧が高いとその
共振周波数も高くなり、逆にタイヤ空気圧が低いとその
共振周波数も低くなる。そこで、この空気圧推定部21
5では、これらタイヤ空気圧pと補正共振周波数f’と
についての先の図16に対応する関係を予めマップとし
て持ち、上記補正された共振周波数f’の値から直接、
その該当する空気圧pの値を推定する。
【0065】共振点検出部21a(21FR,21F
L,21RR,21RL)では、上記抽出され、更には
外気温度Tempに応じて補正された共振周波数f’に
基づきこうして推定されるタイヤ空気圧pの値を、その
各対応する判定部22(22FR,22FL,22R
R,22RL)に対し出力する。
【0066】判定部22では、空気圧異常を判定するた
めの閾値として予め設定されている判定値とこの共振点
検出部21aから出力されるタイヤ空気圧pの値との比
較に基づいて、各該当するタイヤの空気圧異常の有無を
判定する。そして、共振点検出部21aから出力される
タイヤ空気圧pの値が上記判定値よりも低ければ、空気
圧異常として、その対応する表示器30(30FR,3
0FL,30RR,30RL)を駆動する。
【0067】表示器30では上述のように、判定部22
からこうして駆動信号が与えられることにより、その該
当する警告ランプ31(図3)を点灯して、空気圧が異
常である旨判定されたタイヤが存在することを運転者に
通知するようになる。
【0068】すなわち、自然漏れや釘踏み等によって車
両走行中にタイヤ空気圧が異常低下した場合には、その
事実が直ちに運転者に通知される。また、こうした通知
に基づいてその後、当該タイヤへの空気補給がなされ、
その空気圧が正常復帰された場合には、上記判定部22
から表示器30への駆動信号の付与が停止され、上記点
灯された警告ランプ31も自ずと消灯される。
【0069】以上説明したように、同実施形態にかかる
タイヤ空気圧推定装置によれば、 (イ)外気温度センサを設け、その検出される外気温度
情報に応じて上記共振周波数を補正することとしたた
め、同共振周波数に基づき推定されるタイヤ空気圧の推
定精度も自ずと高いものとなる。 (ロ)また、当該車両のタイヤ・サスペンション系を上
記(5)式の如き線形予測モデルによって近似し、その
モデルのパラメータを最小2乗法によって同定して車輪
速度信号y(k)のタイヤ空気圧に依存した共振周波数
を推定するようにしているため、例えば高速フーリエ変
換(FFT)を用いる場合などに比べてその必要とされ
る演算量並びにメモリ容量を大幅に低減することができ
るようにもなる。 等々、優れた効果が奏せられるようになる。
【0070】(第2実施形態)先の課題の欄においても
述べたように、上記抽出される共振周波数fは、車輪速
度の影響も受ける。すなわち、低車速域及び高車速域に
おいて同共振周波数fは低くなる傾向がある。
【0071】そこで図10に、この発明にかかるタイヤ
空気圧推定装置の第2の実施形態として、こうした車輪
速度がタイヤ空気圧の推定精度に及ぼす影響を好適に回
避することのできる装置についてその一例を示す。
【0072】なお、この第2の実施形態の装置にあって
も、その基本的な構成は先の図1に示した第1の実施形
態の装置と同様であり、前記外気温度センサ40が不要
であること、及びそれに伴って信号処理装置20を構成
する共振点検出部21(21FR,21FL,21R
R,21RL)の構成も一部変更されること、のみが同
第1の実施形態の装置と相違する。このため、この第2
の実施形態の装置の他の共通する要素についての、ここ
での重複する説明は割愛する。
【0073】さて、この第2の実施形態の装置にあっ
て、前記信号処理装置20を構成する共振点検出部21
bは、同図10に示されるように、前記車輪速度演算部
211を通じて求められる車輪速度vを共振周波数補正
部214bに別途取り込み、前記共振周波数抽出部21
3を通じて抽出(算出)される共振周波数fを、該取り
込んだ車輪速度vに基づいて補正するようになる。
【0074】上述のように、上記抽出される共振周波数
fは、そのときの車輪速度vに応じて、図11に示され
る態様で変動する。すなわち、それぞれ同一のタイヤ空
気圧であっても、車輪速度vが低車速域にあるとき、及
び高車速域にあるときには、それぞれ同図11に示され
る態様で、同共振周波数fは低下する傾向がある。
【0075】そこでこの第2の実施形態の装置では、例
えば図12に示すような補正マップを上記共振周波数補
正部214b内に持ち、この補正マップをもとに上記抽
出(算出)される共振周波数fを補正する。
【0076】ここで、上記車輪速度vに基づく上記共振
周波数fの補正量をΔf(v)とするとき、この補正共
振周波数f’は、
【0077】
【数13】 として求められるようになる。その他、図10に示す共
振点検出部21bにおいて、 ・空気圧推定部215では、先の図16に対応する関係
を予めマップとして持ち、この補正された共振周波数
f’の値から直接、その該当する空気圧pの値を推定す
ること。 ・判定部22では、空気圧異常を判定するための閾値と
して予め設定されている判定値とこの共振点検出部21
bから出力されるタイヤ空気圧pの値との比較に基づい
て、各該当するタイヤの空気圧異常の有無を判定するこ
と。 ・そして、共振点検出部21bから出力されるタイヤ空
気圧pの値が上記判定値よりも低ければ、空気圧異常と
して、その対応する表示器30(30FR,30FL,
30RR,30RL)を駆動すること。 ・表示器30では、判定部22からこうして駆動信号が
与えられることにより、その該当する警告ランプ31
(図3)を点灯して、空気圧が異常である旨判定された
タイヤが存在することを運転者に通知すること。 等々は、先の第1の実施形態の装置の場合と同様であ
る。
【0078】以上説明したように、同第2の実施形態に
かかるタイヤ空気圧推定装置によれば、第1の実施形態
の装置による前記(ロ)の効果に加えて、 (ハ)車輪速度がタイヤ空気圧の推定精度に及ぼす影響
を好適に回避することができ、その分、同タイヤ空気圧
の推定精度も高く維持される。 といった効果が併せ奏せられるようになる。
【0079】(第3実施形態)これも先の先の課題の欄
において述べたように、上記抽出される共振周波数f
は、タイヤが路面から受ける振動の大きさによっても影
響を受ける。すなわち、タイヤが路面から受ける振動の
大きさが大きいほど、同共振周波数fは低くなる傾向が
ある。
【0080】そこで図13に、この発明にかかるタイヤ
空気圧推定装置の第3の実施形態として、タイヤが路面
から受ける振動の大きさ(路面入力の大きさ)がタイヤ
空気圧の推定精度に及ぼす影響を好適に回避することの
できる装置についてその一例を示す。
【0081】なお、この第3の実施形態の装置にあって
も、その基本的な構成は先の図1に示した第1の実施形
態の装置と同様であり、ここでも前記外気温度センサ4
0が不要であること、及びそれに伴って信号処理装置2
0を構成する共振点検出部21(21FR,21FL,
21RR,21RL)の構成も一部変更されること、の
みが同第1の実施形態の装置と相違する。このため、こ
の第3の実施形態の装置の他の共通する要素について
も、ここでの重複する説明は割愛する。
【0082】さて、この第3の実施形態の装置にあっ
て、前記信号処理装置20を構成する共振点検出部21
cは、同図13に示されるように、前記車輪速度演算部
211を通じて求められ、且つ前記フィルタ部212を
通じてろ波された車輪速度v’を共振周波数補正部21
4cに別途取り込み、前記共振周波数抽出部213を通
じて抽出(算出)される共振周波数fを、該取り込んだ
車輪速度v’に基づき算出される路面入力の大きさ(タ
イヤが路面から受ける振動の大きさ)Jに応じて補正す
るようになる。
【0083】因みに、この路面入力の大きさJは、上記
フィルタ部212を通じてろ波された車輪速度v’(振
幅値)の2乗和で表すことができ、
【0084】
【数14】 として算出される。そして上述のように、上記抽出され
る共振周波数fは、そのときの路面入力の大きさJに応
じて、図14に示される態様で変動する。すなわち、そ
れぞれ同一のタイヤ空気圧であっても、路面入力の大き
さJが大きいときには、同図14に示される態様で、同
共振周波数fは低下する傾向がある。
【0085】そこでこの第3の実施形態の装置では、上
記共振周波数補正部214cにおいて該(14)式に基
づきその都度の路面入力の大きさJを求めるとともに、
例えば図15に示すような補正マップを同共振周波数補
正部214c内に持ち、この補正マップをもとに上記抽
出(算出)される共振周波数fを補正する。
【0086】ここで、上記路面入力の大きさJに基づく
上記共振周波数fの補正量をΔf(J)とするとき、こ
の補正共振周波数f’は、
【0087】
【数15】 として求められるようになる。その他、図13に示す共
振点検出部21cにおいても、 ・空気圧推定部215では、先の図16に対応する関係
を予めマップとして持ち、この補正された共振周波数
f’の値から直接、その該当する空気圧pの値を推定す
ること。 ・判定部22では、空気圧異常を判定するための閾値と
して予め設定されている判定値とこの共振点検出部21
cから出力されるタイヤ空気圧pの値との比較に基づい
て、各該当するタイヤの空気圧異常の有無を判定するこ
と。 ・そして、共振点検出部21cから出力されるタイヤ空
気圧pの値が上記判定値よりも低ければ、空気圧異常と
して、その対応する表示器30(30FR,30FL,
30RR,30RL)を駆動すること。 ・表示器30では、判定部22からこうして駆動信号が
与えられることにより、その該当する警告ランプ31
(図3)を点灯して、空気圧が異常である旨判定された
タイヤが存在することを運転者に通知すること。 等々は、先の第1の実施形態の装置の場合と同様であ
る。
【0088】以上説明したように、同第3の実施形態に
かかるタイヤ空気圧推定装置によれば、ここでも先の第
1の実施形態の装置による前記(ロ)の効果に加えて、 (ニ)路面入力の大きさ(タイヤが路面から受ける振動
の大きさ)がタイヤ空気圧の推定精度に及ぼす影響を好
適に回避することができ、その分、同タイヤ空気圧の推
定精度も高く維持される。 といった効果が併せ奏せられるようになる。
【0089】なお、同第3の実施形態において、上述の
ように線形予測を用いて共振周波数fの抽出(算出)を
行う場合には、路面入力の大きさ(タイヤが路面から受
ける振動の大きさ)Jを、上記(14)式にて算出する
代わりに、先の(6)式にて示した評価関数Jの大きさ
で置き換えることもできる。そして、該(6)式は、先
の(7)式の関係式を用いることにより、
【0090】
【数16】 として表すことができるようになる。よって、上記共振
周波数補正部214cとしては、この(16)式に基づ
き同路面入力の大きさ(タイヤが路面から受ける振動の
大きさ)Jを求め、この求めた値と図15に例示したよ
うなマップとに基づいて上記共振周波数fを補正する構
成とすることもできる。
【0091】ところで、上記第1〜第3の実施形態にお
いては、上記抽出される共振周波数fに対する外気温度
Tempの影響、車輪速度vの影響、及び路面入力の大
きさ(タイヤが路面から受ける振動の大きさ)Jの影響
を各別に考慮してそれら要因に基づく各別の補正を行う
こととした。しかし、それら各実施形態を組み合わせ
て、 ・外気温度Tempの影響と車輪速度vの影響とを同時
に考慮し、それら要因による影響が同時に回避されるよ
う共振周波数fを補正する。 ・車輪速度vの影響と路面入力の大きさJの影響とを同
時に考慮し、それら要因による影響が同時に回避される
よう共振周波数fを補正する。 ・路面入力の大きさJの影響と外気温度Tempの影響
とを同時に考慮し、それら要因による影響が同時に回避
されるよう共振周波数fを補正する。 ・外気温度Tempの影響と車輪速度vの影響と路面入
力の大きさJの影響とを同時に考慮し、それら要因によ
る影響が同時に回避されるよう共振周波数fを補正す
る。 等々、の構成とすることもできる。これら各実施形態を
組み合わせた構成によれば、それら実施形態による上述
した効果が相乗されて、タイヤ空気圧の推定精度も更に
向上されることとなる。
【0092】また、上記各実施形態にあっては、導入し
た線形予測モデルのパラメータc1,c2の同定に一括
型最小2乗法を用いることとしたが、他に逐次型最小2
乗法なども同様に用いることができることは云うまでも
ない。
【0093】また、こうして逐次型最小2乗法を採用す
る場合も含め、上記線形予測モデルとしては、3次以上
のモデルを導入することもできる。ただし、次数が上が
るにつれて、その必要とされる演算量やメモリ容量も増
加する。タイヤ毎にその空気圧に依存した共振点は1つ
であることに鑑みれば、この線形予測モデルの次数は2
次で十分である。
【0094】また、これら線形予測モデルを導入する場
合に比べ、その必要とされる演算量並びにメモリ容量の
点では不利であるものの、上記共振周波数抽出部213
としては他に、 ・振動成分出力手段である車輪速度センサ10及び車輪
速度演算部211から出力されるタイヤの振動成分を含
む信号に対し高速フーリエ変換(FFT)演算を行い、
このFFT演算によって得られる周波数スペクトルの重
心を演算する。 といった構成も、前記従来の装置によるタイヤ空気圧推
定精度の低下を抑制する上では有効である。
【0095】また、共振周波数の抽出にこうしたFFT
演算を採用する場合も含め、上記各実施形態の装置にあ
っては、この抽出した共振周波数を上記各外部要因によ
って補正し、その補正した共振周波数に基づいてタイヤ
空気圧を推定することとしたが、共振周波数については
同抽出される値をそのまま用いてタイヤ空気圧の推定を
行い、該推定したタイヤ空気圧を上記外部要因の影響量
に応じて補正する構成とすることもできる。
【0096】また、上記第1〜第3の実施形態では何れ
も、タイヤの空気圧を推定し、その空気圧が低下した場
合に警告を発する装置について説明した。しかし、先の
図4に信号処理装置20を例にとって破線矢印を併せ示
したように、それら推定される空気圧をタイヤ空気圧信
号として例えばブレーキ制御用コンピュータやトラクシ
ョン制御用コンピュータに送り、それら制御における補
正装置として同装置を利用することもできる。
【0097】例えばこれらブレーキ制御やトラクション
制御にあっては、前記各車輪の車輪速度の最大値をもっ
て当該車両の車速とすることがある。一方それら車輪に
おいて、タイヤ空気圧が減るとその車輪半径は小さくな
り、ひいてはその車輪速度が見かけ上速くなる。したが
って、上記タイヤ空気圧信号に基づいて、この見かけ上
速くなった車輪速度を補正することとすれば、誤った車
速に基づいてブレーキ制御やトラクション制御が行われ
ることもなくなる。
【0098】その他、タイヤ空気圧は路面の摩擦係数等
とも深い係わりがある。したがって上記タイヤ空気圧信
号は、この摩擦係数等を補正するための信号として利用
することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】タイヤ空気圧推定装置の第1の実施形態を示す
ブロック図。
【図2】同実施形態の車輪速度センサの構成を模式的に
示す略図。
【図3】同実施形態の表示器の概略構成を示す平面図。
【図4】同実施形態の信号処理装置の概略構成を示すブ
ロック図。
【図5】タイヤ空気圧推定における物理モデルを示すブ
ロック図。
【図6】同実施形態の共振点検出部の構成例を示すブロ
ック図。
【図7】共振周波数の外気温度特性を示すグラフ。
【図8】外気温度による共振周波数の補正態様を示すグ
ラフ。
【図9】外気温度による共振周波数の補正量を示すグラ
フ。
【図10】第2の実施形態の共振点検出部の構成例を示
すブロック図。
【図11】共振周波数の車輪速度特性を示すグラフ。
【図12】車輪速度による共振周波数の補正量を示すグ
ラフ。
【図13】第3の実施形態の共振点検出部の構成例を示
すブロック図。
【図14】共振周波数と路面入力の大きさとの関係を示
すグラフ。
【図15】路面の大きさによる共振周波数の補正量を示
すグラフ。
【図16】共振周波数とタイヤ空気圧との関係を示すグ
ラフ。
【符号の説明】
1…車輪、10(10FR,10FL,10RR,10
RL)…車輪速度センサ、11…ロータ、12…歯(被
検出体)、13…電磁ピックアップ、20…信号処理装
置、200…マイクロコンピュータ、201…CPU、
202…ROM、203…RAM、21(21FR,2
1FL,21RR,21RL)…共振点検出部、211
…車輪速度演算部、212…フィルタ部、213…共振
周波数抽出部、214(214a、214b、214
c)…共振周波数補正部、215…空気圧推定部、22
(22FR,22FL,22RR,22RL)…判定
部、30(30FR,30FL,30RR,30RL)
…表示器、31(31FR,31FL,31RR,31
RL)…警告ランプ、40…外気温度センサ。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の走行時にタイヤの振動成分を含む信
    号を出力する振動成分出力手段と、 この出力されるタイヤの振動成分を含む信号から同振動
    成分の共振周波数を抽出する共振周波数抽出手段と、 この抽出される共振周波数に基づいて前記タイヤの空気
    圧を推定する空気圧推定手段と、 前記抽出される共振周波数に影響を及ぼす外部要因の影
    響量を抽出する外部要因影響量抽出手段と、 この抽出される外部要因の影響量に応じて前記抽出され
    る共振周波数若しくは前記推定される空気圧を補正する
    補正手段と、 を具えることを特徴とするタイヤ空気圧推定装置。
  2. 【請求項2】前記外部要因影響量抽出手段は、前記タイ
    ヤ若しくはその周囲の温度を検出する温度センサであ
    り、 前記補正手段は、該検出される温度情報に基づいて前記
    抽出される共振周波数若しくは前記推定される空気圧を
    補正する請求項1記載のタイヤ空気圧推定装置。
  3. 【請求項3】前記補正手段は、前記抽出される共振周波
    数を補正するものであって、該補正対象となる共振周波
    数をf、前記検出される温度情報をTemp、同温度情
    報Tempに基づく共振周波数fの補正量をΔf(Te
    mp)とするとき、 【数1】 としてその補正共振周波数f’を算出し、 前記空気圧推定手段は、該算出された補正共振周波数
    f’に基づいて前記タイヤの空気圧を推定する請求項2
    記載のタイヤ空気圧推定装置。
  4. 【請求項4】前記外部要因影響量抽出手段は、当該車両
    の車輪速度を検出する車輪速度検出手段であり、 前記補正手段は、該検出される車輪速度情報に基づいて
    前記抽出される共振周波数若しくは前記推定される空気
    圧を補正する請求項1記載のタイヤ空気圧推定装置。
  5. 【請求項5】前記補正手段は、前記抽出される共振周波
    数を補正するものであって、該補正対象となる共振周波
    数をf、前記検出される車輪速度をv、同車輪速度vに
    基づく共振周波数fの補正量をΔf(v)とするとき、 【数2】 としてその補正共振周波数f’を算出し、 前記空気圧推定手段は、該算出された補正共振周波数
    f’に基づいて前記タイヤの空気圧を推定する請求項4
    記載のタイヤ空気圧推定装置。
  6. 【請求項6】前記外部要因影響量抽出手段は、前記タイ
    ヤが路面から受ける振動の大きさを抽出する手段であ
    り、 前記補正手段は、該抽出されるタイヤが路面から受ける
    振動の大きさに基づいて前記抽出される共振周波数若し
    くは前記推定される空気圧を補正する請求項1記載のタ
    イヤ空気圧推定装置。
  7. 【請求項7】前記補正手段は、前記抽出される共振周波
    数を補正するものであって、該補正対象となる共振周波
    数をf、前記抽出されるタイヤが路面から受ける振動の
    大きさをJ、同路面から受ける振動の大きさJに基づく
    共振周波数fの補正量をΔf(J)とするとき、 【数3】 としてその補正共振周波数f’を算出し、 前記空気圧推定手段は、該算出された補正共振周波数
    f’に基づいて前記タイヤの空気圧を推定する請求項6
    記載のタイヤ空気圧推定装置。
  8. 【請求項8】前記外部要因影響量抽出手段は、前記タイ
    ヤ若しくはその周囲の温度を検出する温度センサ、及び
    当該車両の車輪速度を検出する車輪速度検出手段、及び
    前記タイヤが路面から受ける振動の大きさを抽出する手
    段の何れか2つ若しくは全てを具えて構成され、 前記補正手段は、該検出若しくは抽出される温度情報、
    及び車輪速度情報、及びタイヤが路面から受ける振動の
    大きさの何れか2つ若しくは全てに基づいて前記抽出さ
    れる共振周波数若しくは前記推定される空気圧を補正す
    る請求項1記載のタイヤ空気圧推定装置。
  9. 【請求項9】前記共振周波数抽出手段は、前記振動成分
    出力手段から出力されるタイヤの振動成分を含む時系列
    信号に対して同振動に関する線形予測モデルを導入し、
    該導入した線形予測モデルのパラメータを同定して当該
    振動成分の共振周波数を抽出する線形予測手段を具えて
    構成される請求項1〜8の何れかに記載のタイヤ空気圧
    推定装置。
  10. 【請求項10】前記線形予測手段は、 サンプリング回数をk、タイヤの振動成分を含む時系列
    信号をy(k)、外乱をm(k)とするとき、前記振動
    に関する線形予測モデルとして、 【数4】 を導入してその各パラメータc1,c2を同定するパラ
    メータ同定手段と、 これら同定されるパラメータc1,c2に基づいて前記
    共振周波数を演算する共振周波数演算手段と、 を具えて構成される請求項9記載のタイヤ空気圧推定装
    置。
  11. 【請求項11】前記パラメータ同定手段は、最小2乗法
    にて前記パラメータc1,c2を同定するものである請
    求項10記載のタイヤ空気圧推定装置。
  12. 【請求項12】前記共振周波数抽出手段は、 前記振動成分出力手段から出力されるタイヤの振動成分
    を含む信号に対し高速フーリエ変換(FFT)演算を行
    うFFT演算手段と、 このFFT演算によって得られる周波数スペクトルの重
    心を演算する重心演算手段と、 を具えて構成される請求項1〜8の何れかに記載のタイ
    ヤ空気圧推定装置。
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