JPH09323963A - N−ビニルホルムアミドの精製方法 - Google Patents

N−ビニルホルムアミドの精製方法

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JPH09323963A
JPH09323963A JP8052297A JP8052297A JPH09323963A JP H09323963 A JPH09323963 A JP H09323963A JP 8052297 A JP8052297 A JP 8052297A JP 8052297 A JP8052297 A JP 8052297A JP H09323963 A JPH09323963 A JP H09323963A
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Hiroshi Izumikawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粗N−ビニルホルムアミド、特にホルムア
ミド含量が1〜10重量%の粗N−ビニルホルムアミド
の蒸留による精製、特に精留塔を用いる連続蒸留法にお
いて、塔内での重合を抑制しつつ、収率よく高純度、特
には純度97重量%以上のN−ビニルホルムアミドを安
定に取得する。 【解決手段】 粗N−ビニルホルムアミドを精製して高
純度のN−ビニルホルムアミドを得るに際し、粗N−ビ
ニルホルムアミド中のアセトン不溶成分の含量を400
ppm以下とし、これを連続的に精留塔に供給すること
を特徴とするN−ビニルホルムアミドの精製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はN−ビニルホルムア
ミドの蒸留精製方法に関する。詳しくは、N−ビニルホ
ルムアミドの熱重合物による蒸留装置の閉塞を防止した
高純度のN−ビニルホルムアミドの精製方法に関する。
N−ビニルホルムアミドは、重合性に富んだ化合物であ
り、ポリビニルアミンをはじめとする水溶性ポリマーの
原料、あるいは有機薬品の中間体として有用であること
が知られており、より高純度のN−ビニルホルムアミド
が求められている。
【0002】
【従来の技術】N−ビニルホルムアミドの代表的な製造
法としては、N−(α−アルコキシエチル)ホルムアミ
ドからアルコールを脱離させる方法(米国特許第3,9
14,304号)、ホルミルアラニンニトリルからシア
ン化水素を脱離させる方法(特開昭61−13435
9)及びエチリデンビスホルムアミドを熱分解する方法
(米国特許第4,490,557号、同4,578,5
15号)などが知られている。これらの方法は、いずれ
も、減圧下、100℃以上の高温で熱分解して、N−ビ
ニルホルムアミドを得るものである。該熱分解反応液か
らは、軽沸分等をを蒸留除去して通常80重量%以上の
純度の粗N−ビニルホルムアミドが回収できる。この粗
N−ビニルホルムアミドには、通常、前駆体の脱離分子
であるアルコール類やホルムアミドが含まれる。また、
熱分解時に副生する種々の酸性物質及び塩基性物質を含
むことも多い。これらの不純物はその後の精製工程にお
いて収率を低下させたり、重合あるいは反応工程におい
て、分子量を低下させるなどの悪影響を及ぼすことがあ
り、製品の品質を著しく損なう。
【0003】粗N−ビニルホルムアミドを精製して高純
度のN−ビニルホルムアミドを得るためには、粗N−ビ
ニルホルムアミドを精留塔を用いて連続蒸留する方法が
最も効果的であると考えられる。しかしながら、N−ビ
ニルホルムアミドは、反応性が非常に高いため、蒸留の
際に熱分解反応や熱重合反応などの好ましくない副反応
を伴う危険性がある。特に、熱重合反応は多くの場合、
不溶不融の高分子物質を生成し、蒸留装置の閉塞を引き
起こす。その結果、蒸留回収率が極端に低下したり、蒸
留の継続が困難となる。かかる問題は、工業的規模の連
続蒸留の操作条件として蒸留の塔頂圧力が通常0.1〜
3KPaの減圧下、即ち、塔頂温度として50〜100
℃程度に対応する比較的穏和な条件下においても同様で
ある。
【0004】従来、N−ビニルホルムアミドを安定に蒸
留する方法として、粗N−ビニルホルムアミドのpHを
予め調整して蒸留する方法(特開昭62−19535
2、特開平6−122661)、粗N−ビニルホルムア
ミドに予め特定の安定剤を添加して蒸留する方法(特開
昭61−289068、特開平8−48657等)など
が提案されている。また、特開昭62ー190153号
公報には、1〜70%のホルムアミドを含む粗N−ビニ
ルホルムアミドを蒸留に供する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
N−ビニルホルムアミドを安定に蒸留する方法の多くは
実験室レベルの小規模の回分蒸留に基づく知見によるも
のであり、長期間の連続蒸留においては、熱重合の抑制
に関して未だ十分なものではなく、ときとして不溶不融
の重合物を生成することがあった。また、連続蒸留の実
施例も知られてはいるが(特開昭62ー190153、
特開平5−155829)、粗N−ビニルホルムアミド
中に多量のホルムアミドを含有するものであったり、あ
るいは、連続蒸留で回収したN−ビニルホルムアミドの
純度がなお十分でないという点に問題がある。
【0006】特に、前記の特開昭62ー190153号
公報の実施例を見ると、粗N−ビニルホルムアミド中に
は、通常、合成工程由来のホルムアミドが既に少量含ま
れているが、更に、多量のホルムアミドを添加し、ホル
ムアミドを約35%含む粗N−ビニルホルムアミドにつ
いて連続蒸留を実施している。かかる方法では、熱重合
の抑制には効果があっても、過剰に用いたホルムアミド
を回収精製する工程を別途持つ必要があり、工業的な実
施には必ずしも有利とはいえない。そこで、本発明の課
題は、N−ビニルホルムアミドの蒸留による精製、とく
に精留塔を用いる連続蒸留において、塔内での重合を抑
制しつつ、収率よく高純度のN−ビニルホルムアミドを
収率よく安定に取得する工業的に有利な方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意検討した結果、精溜塔を用いる粗N−ビニ
ルホルムアミドの精製に際し、粗N−ビニルホルムアミ
ド中に通常含まれている比較的高分子量と思われる微量
成分が、蒸留の際に熱重合をもたらす主要原因であるこ
とを見出し本発明に到達した。即ち、本発明は、粗N−
ビニルホルムアミドを精製して高純度のN−ビニルホル
ムアミドを得るに際し、粗N−ビニルホルムアミド中の
アセトン不溶成分の含量を400ppm以下とし、これ
を連続的に精留塔に供給して蒸留することを特徴とする
N−ビニルホルムアミドの精製方法に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で精製対象とする粗N−ビニルホルムアミドの製
法は特に限定はないが、通常、前記に例示したような方
法が例示される。しかしながら、N−ビニルホルムアミ
ドの収率が高く、また、シアン化水素等の有害物質の副
生がない点において、熱分解の方法としては、N−(α
−アルコキシエチル)−ホルムアミドからアルコールを
脱離させる方法が好ましい。
【0009】N−ビニルホルムアミドを含む反応液は、
N−ビニルホルムアミドの他に、副生するアルコールや
ホルムアミドを含有する混合物であるから、熱分解反応
液より、減圧留去法によりメタノール、エタノールなど
を低沸点のアルコールを効果的に除去することができ
る。従って、熱分解反応液をそのまま粗N−ビニルホル
ムアミドとして本発明の精製に供してもよいが、通常は
軽沸点成分を予め除去することが望ましい。軽沸点成分
を蒸発処理する方法としては、該混合物中の軽沸点成分
を減圧留去する方法が採用できる。例えば、N−(α−
アルコキシエチル)−ホルムアミドからアルコールを脱
離させる熱分解法により得られたN−ビニルホルムアミ
ドを含む反応液をかかる方法により、通常70重量%以
上、好ましくは80〜95重量%の純度であって、か
つ、ホルムアミド含量が1〜10重量%程度の粗N−ビ
ニルホルムアミドを比較的容易に得ることができる。
【0010】なお、本発明の精製対象となる粗N−ビニ
ルホルムアミドとは、本発明による精製を行った後より
も純度の低いN−ビニルホルムアミドを意味するもので
あって、上記のような反応液より軽沸点成分あるいは高
沸点成分をある程度除いたような液以外にも、一旦精製
していても長期保存により劣化した純度が低下したN−
ビニルホルムアミドなども含まれる。
【0011】次に、本発明でいう粗N−ビニルホルムア
ミド中のアセトン不溶成分とは、室温(25℃)条件下
で、軽沸成分等を除去した粗N−ビニルホルムアミドに
対して5重量倍量のアセトンを加えたときに沈殿として
生じる物質を言う。この物質は、IRスペクトル、NM
Rスペクトル及び液体クロマトグラフィー等の分析よ
り、主としてN−ビニルホルムアミドの重合物からなる
高沸点成分と同定される。該重合物は、粗N−ビニルホ
ルムアミドの製造において、例えば、N−(α−アルコ
キシエチル)ホルムアミドのような前駆体の熱分解工程
で副生するものである。また、N−ビニルホルムアミド
自体の反応性が高いがゆえに、精製されたN−ビニルホ
ルムアミドの移送、貯蔵中などにおいても自然に生成増
加してくるものである。このようなアセトン不溶成分
は、通常の状態では粗N−ビニルホルムアミド中に溶解
している。
【0012】本発明者らは、このようなアセトン不溶成
分が原料中に含まれていると、該成分を核として重合が
促進され、安定剤の存在下においてさえ、重合体の成長
は避けられないことを見いだした。蒸留塔においては、
充填物が液体によって均一に濡らされていないところで
不溶物が析出しやすい。不溶物がいったん析出すると、
それを核として重合物が成長し、やがて不溶不融の重合
体が蓄積していくものと推定される。このような現象
は、アセトン不溶成分が常に供給されている原料供給口
において、とくに顕著である。従って、本発明において
は、粗N−ビニルホルムアミド中のアセトン不溶成分
は、連続蒸留精製の際に予め常に極力除去しておくこと
が必要があり、粗N−ビニルホルムアミド中の高分子量
成分の含有量を400ppm以下、好ましくは200p
pm以下、特に好ましくは50ppm以下とする。
【0013】ところが、粗N−ビニルホルムアミド中の
ホルムアミド含量が高い原料を用いた場合には状況が異
なる。ホルムアミドはアセトン不溶成分についても溶解
力が高いために不溶物が析出し難く、容易に塔底へ運び
去られるため、このような問題は顕在化しにくかった。
アセトン不溶成分の影響は、粗N−ビニルホルムアミド
中のホルムアミド含量が10%以下の場合、特に顕著で
ある。粗N−ビニルホルムアミドは、通常、原料である
ホルムアミドを含んでいるが、原料原単位の面からはホ
ルムアミド含量を極力低くすることが望ましく、好まし
くは5%以下に制御する。このような粗N−ビニルホル
ムアミドにおいて、アセトン不溶成分が含まれている場
合には、精留塔内で熱重合が極めて起こりやすい。
【0014】以上のような粗N−ビニルホルムアミド中
のアセトン不溶成分を取り除く手段は特に限定されるも
のではないが、以下のような方法が例示できる。例え
ば、アセトン不溶成分は一般に高分子量であって蒸気圧
を持たないことから、蒸発によってN−ビニルホルムア
ミドとは容易に分離することが可能である。この場合、
蒸発に用いる装置は、予め含まれている、あるいは単位
操作中に生成する重合物に対して、閉塞などの不具合を
生じない型式の装置を用いるべきであり、薄膜蒸発器が
特に好ましい。
【0015】薄膜蒸発器は、混合液よりN−ビニルホル
ムアミドのような熱安定性の高くない対象物を蒸発分離
させるのに適当である。その構造は市販の装置と同様な
ものであって特別の構造を有する必要はなく、回転型薄
膜式、プレート型流下薄膜式、チューブ型流下薄膜式、
ワイパー型薄膜式、遠心型薄膜式等の形式のものが例示
されるが、好ましくは回転型薄膜式、ワイパー型薄膜
式、遠心型薄膜式等のような機械的に薄膜を形成させる
形式のものである。薄膜蒸発の操作条件としては、通常
0.1〜3KPa、好ましくは0.3〜2KPaの減圧
下、蒸気温度として、通常70〜150℃、好ましくは
80〜130℃、液の平均滞留時間が通常30秒〜10
分、好ましくは1〜5分が示される。かかる条件下で薄
膜蒸発することにより、N−ビニルホルムアミドを含む
液の通常80%以上、好ましくは85%以上を蒸発分と
して回収する。一方、残りの未蒸発分、即ち、残りの高
沸点成分は薄膜蒸発器に循環させることなく、系外に除
去する。
【0016】また、アセトン不溶成分はアセトンの他に
もメタノールなどに不溶であるから、このような貧溶媒
を加えて沈殿分離し、その後、溶媒を留去してアセトン
不溶成分を含まない粗N−ビニルホルムアミドを得ても
よい。なお、N−ビニルホルムアミドは熱変化に非常に
敏感である性質上、一端アセトン不溶分を除去できたと
しても、薄膜蒸発器で回収される粗N−ビニルホルムア
ミドを含む蒸気成分が冷却凝縮する際や、粗N−ビニル
ホルムアミドを精留塔で直ちに供給して精製するのでは
なく、一時的に保存するような場合も含めてアセトン不
溶分が再生しやすいので格別の注意が必要である。
【0017】一般的な有機物を薄膜蒸発させる場合、蒸
発分を冷却して一旦凝縮液として回収することが多い
が、N−ビニルホルムアミドの場合は、凝縮の際の気液
接触の時間が長くなるとアセトン不溶分が再生しやすい
ので注意が必要である。また、この凝縮液を精留塔に供
給する場合、一般的有機物を精留する場合においては、
精留塔塔内の熱負荷をできるだけ軽減するために予め予
備加熱して精留塔に供給する方法が通常望ましいが、N
−ビニルホルムアミドではあまり加温し過ぎるとアセト
ン不溶成分の再生が顕著となるのであまり好ましくな
く、加温しても通常50℃以下、好ましくは40℃以下
に留めるべきである。
【0018】また、アセトン不溶成分の再生を回避して
精留塔に供給するため、粗N−ビニルホルムアミドを薄
膜蒸発器に供給し、未蒸発分を除去し、一方、N−ビニ
ルホルムアミドを含む蒸発分を凝縮させることなく精留
塔に供給する方法が好ましい。この際、蒸発分の通常9
0%以上は凝縮させることなく供給し、好ましくは実質
的に全量を蒸気で精留塔に供給する。このためには、薄
膜蒸発器から精留塔に至るラインの保温状態を維持する
必要がある。
【0019】本発明では、以上のようなアセトン不溶成
分を除いた粗N−ビニルホルムアミドの精製を、精留塔
を用いた連続蒸留によって実施し、その結果として通常
97重量%以上、特に98重量%以上の高純度N−ビニ
ルホルムアミドを得る。塔の構造は一般的な蒸留塔の場
合と同様であり、充填式、棚段式等が例示される。精留
塔の粗N−ビニルホルムアミド液の供給口は、塔の中段
であって、塔の下から通常1/5〜4/5の位置に設置
される。蒸留の操作条件には特に制限はないが、工業的
に実施しやすい条件として、塔の理論段数は通常3〜3
0、好ましくは5〜20であり、精留塔の塔頂圧力が通
常0.1〜3KPa、好ましくは0.3〜2KPaであ
り、対応する塔頂温度が通常50〜100℃、好ましく
は70〜95℃であり、塔底温度が通常80〜120
℃、好ましくは85〜100℃である。また、塔頂より
留出させるNービニルホルムアミドは、精留塔に供給さ
れる粗N−ビニルホルムアミド中のN−ビニルホルムア
ミド成分は好ましくは90重量%以下とする。90重量
%を越えるようにするには塔内温度を高くする必要があ
るのでN−ビニルホルムアミドの分解が進むので好まし
くない。なお、本発明において、塔頂とは広義の意味で
あって、塔頂そのものとその近傍も含まれる。即ち、塔
頂より微量の軽沸点不純物を除去し、塔頂近傍より目的
とするN−ビニルホルムアミドに富む成分を留出させる
方法も可能である。
【0020】更に、本発明の精製系においては、精留塔
あるいは薄膜蒸発器に粗N−ビニルホルムアミドを供給
する際に、N−ビニルホルムアミドの熱重合防止に関し
て有効な安定剤を使用してもよい。有効な安定剤として
は、たとえば、キノン類、キノン類のアルカリ変性物、
フェノール系化合物、芳香族アミン系化合物、チオ尿素
系化合物などであり、その添加量は通常50〜1000
0ppm、好ましくは100〜5000ppmである。
【0021】安定剤として特に好ましいのはキノン類の
アルカリ変性物であり、キノン類の化合物としては、p
−ベンゾキノン、o−ベンゾキノンなどのベンゾキノン
類や、ナフトキノン類、アントラキノン類が例示される
が、これらのキノン類のアルカリ変性物を調製する場合
には、N−ビニルホルムアミドとの蒸留分離が容易なメ
タノール、エタノール、水、トルエン、ベンゼン等の溶
媒、あるいは、N−ビニルホルムアミドに、キノン類を
通常5〜150g/lとなるように溶解し、これに苛性
ソーダ、苛性カリ、炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ等のアル
カリを添加して、室温ないし加温下に撹拌すればよい。
アルカリの添加量は10-4〜10-2モル/l程度で十分
である。キノン類は一般には重合禁止剤として作用する
が、更にこのキノン類のアルカリ変性物は不揮発性であ
るので、連続蒸留を通じて精製N−ビニルアミドホルム
アミドと容易に分離することができる。
【0022】
【実施例】以下に実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施
例に限定されるものではない。なお、以下の実施例にお
いて「%」は「重量%」、「ppm」は「重量ppm」
を示す。また、実施例において、N−ビニルホルムアミ
ド中のアセトン不溶成分の分析方法は以下の通りであ
る。 (アセトン不溶成分の分析方法)室温(25℃)条件
下、試料のN−ビニルホルムアミド50gにアセトン2
50gを添加混合し、析出物を0.5μのテフロン製フ
ィルターで濾取した。これを60℃で恒量になるまで減
圧乾燥し、該量を測定して高分子量成分の含有量(単
位:ppm)を(不溶物の乾燥重量/50)×106
表示した。
【0023】実施例1 N−(α−メトキシエチル)ホルムアミドの熱分解反応
液からメタノールの大部分を減圧蒸留により留去し、粗
N−ビニルホルムアミド(N−ビニルホルムアミド92
%、ホルムアミド4%、その他有機物4%)を得た。こ
の粗N−ビニルホルムアミド中にはアセトン不溶成分が
1000ppm含まれていた。これを薄膜蒸発器を用い
て0.4KPaの減圧下、70℃の蒸気温度で蒸発さ
せ、導入管の外側をヒーターで100℃に加熱保温し、
該蒸気を全く凝縮させることなく、蒸気のまま精留塔に
供給して以下に示す条件で連続蒸留を50時間行った。
蒸留後、塔内に不溶性の重合物はまったく生成していな
かった。
【0024】(精留塔での蒸留条件)精留塔での蒸留
(精溜)は、長さ1m、直径5cmの塔に規則充填体
(住友スルーザーラボパッキン)を充填した装置を用い
た。この塔の中段に、熱安定剤としてパラベンゾキノン
のアルカリ変性物を1000ppm含む粗N−ビニルホ
ルムアミドを連続的に供給しながら蒸留した。蒸留中
は、塔頂から熱安定剤としてパラベンゾキノンのアルカ
リ変性物の0.5%含む粗N−ビニルホルムアミドを、
塔の中段から供給する粗N−ビニルホルムアミドに対し
て1000ppmの割合で連続的に供給し、精留塔に供
給したN−ビニルホルムアミドの50%を塔頂から留出
する条件として、塔頂より純度99.5%のN−ビニル
ホルムアミドを連続的に回収した。
【0025】実施例2 実施例1のアセトン不溶成分1000ppmの粗N−ビ
ニルホルムアミドを薄膜蒸発器を用いて0.4KPaの
減圧下、70℃の蒸気温度で蒸発させ、該蒸気を凝縮さ
せアセトン不溶成分が50ppmの粗N−ビニルホルム
アミドを得た。これを原料として精留塔を用い、実施例
1と同様の条件で連続蒸留を50時間行った。蒸留後、
塔内に不溶性の重合物はまったく生成していなかった。 実施例3 実施例1のアセトン不溶成分1000ppmの粗N−ビ
ニルホルムアミドを5重量倍量のアセトンを加え、析出
したアセトン不溶成分を0.5μのテフロン製フィルタ
ーを用いて濾過することによって除去した。その後、減
圧下、室温でアセトンを留去し、アセトン不溶成分を含
まない粗N−ビニルホルムアミドを得た。これを原料と
して精留塔を用い、実施例1と同様の条件で連続蒸留を
50時間行った。蒸留後、塔内に不溶性の重合物はまっ
たく生成していなかった。
【0026】比較例1 実施例1でのアセトン不溶成分1000ppmの粗N−
ビニルホルムアミドを精留塔を用い、実施例1と同様の
条件で連続蒸留を行った。蒸留開始20時間後に既に不
溶性の重合物の生成を認めた。 比較例2 実施例1でのアセトン不溶成分1000ppmの粗N−
ビニルホルムアミドをを薄膜蒸発器を用いて0.4KP
aの減圧下、70℃の蒸気温度で蒸発させ、該蒸気を凝
縮させアセトン不溶成分が50ppmの粗N−ビニルホ
ルムアミドを得た。該凝縮液を供給管の外部を100℃
で加熱することにより加温しながら精留塔に供給した。
精留塔入口での液中のアセトン不溶成分は760ppm
であった。そして、実施例1と同様の条件で連続蒸留を
50時間行った。蒸留開始40時間後に不溶性の重合物
の生成を認めた。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、粗N−ビニルホルムア
ミドの蒸留による精製、特に精留塔を用いる連続蒸留法
において、塔内での重合を抑制しつつ、収率よく高純度
のN−ビニルホルムアミドを安定に取得することができ
る。
フロントページの続き (72)発明者 田中 明彦 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱化学株式会社黒崎開発研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗N−ビニルホルムアミドを精製して高
    純度のN−ビニルホルムアミドを得るに際し、粗N−ビ
    ニルホルムアミド中のアセトン不溶成分の含量を400
    ppm以下とし、これを連続的に精留塔に供給すること
    を特徴とするN−ビニルホルムアミドの精製方法。
  2. 【請求項2】 粗N−ビニルホルムアミドを薄膜蒸発器
    に供給し、未蒸発分を除去することにより、粗N−ビニ
    ルホルムアミド中のアセトン不溶成分の含量を400p
    pm以下とすることを特徴とする請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 粗N−ビニルホルムアミドを薄膜蒸発器
    に供給し、未蒸発分を除去し、一方、N−ビニルホルム
    アミドを含む蒸発分を凝縮させることなく蒸気で供給す
    ること特徴とする請求項2の方法。
  4. 【請求項4】 貧溶媒を用いた沈殿分離法によって粗N
    −ビニルホルムアミド中のアセトン不溶分を除去するこ
    とにより、粗N−ビニルホルムアミド中のアセトン不溶
    成分の含量を400ppm以下とすることを特徴とする
    請求項1の方法。
  5. 【請求項5】 精留塔に供給される粗N−ビニルホルム
    アミド中のN−ビニルホルムアミドの90%以下を塔頂
    より留出させることを特徴とする請求項1ないし4のい
    ずれかの方法。
  6. 【請求項6】 粗N−ビニルホルムアミド中のアセトン
    不溶成分の含量を200ppm以下とすることを特徴と
    する請求項1ないし5のいずれかの方法。
  7. 【請求項7】 精留塔の塔頂圧力を0.1〜3KPaで
    蒸留することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか
    の方法。
  8. 【請求項8】 粗N−ビニルホルムアミドのホルムアミ
    ド含量が1〜10重量%であることを特徴とする請求項
    1ないし7のいずれかの方法。
  9. 【請求項9】 粗N−ビニルホルムアミドの純度が80
    重量%以上であることを特徴とする請求項1ないし8の
    いずれかの方法。
  10. 【請求項10】 N−ビニルホルムアミドの純度を97
    重量%以上に精製することを特徴とする請求項1ないし
    9のいずれかの方法。
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