JPH09324219A - 耐水素脆性に優れた高強度ばねの製造方法 - Google Patents

耐水素脆性に優れた高強度ばねの製造方法

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JPH09324219A
JPH09324219A JP14332096A JP14332096A JPH09324219A JP H09324219 A JPH09324219 A JP H09324219A JP 14332096 A JP14332096 A JP 14332096A JP 14332096 A JP14332096 A JP 14332096A JP H09324219 A JPH09324219 A JP H09324219A
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spring
less
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hydrogen embrittlement
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JP14332096A
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Masaki Shimotsusa
正貴 下津佐
Nobuhiko Ibaraki
信彦 茨木
Takenori Nakayama
武典 中山
Takashi Iwata
多加志 岩田
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼入焼戻後の強度が1900MPa以上で硬
さHRC52以上の高強度・高硬度を有すると共に、耐
水素脆性を飛躍的に向上させることができる高強度ばね
の製造方法を提供する。 【解決手段】 C:0.30〜0.60%及びSi:
1.0〜3.0%を含有する鋼を用い、下式(1)を満
足する温度に抑制して焼戻しする方法である。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の弁ばね
や懸架ばね等に使用される高強度ばねの製造方法に関
し、特に、重要なばね特性である焼入焼戻後の引張強さ
(硬さ)を充分満足すると共に、水素雰囲気下における
耐水素脆性にも優れた高強度ばねを効率良く製造する方
法に関するものである。尚、本明細書において鋼材と
は、ばね状に加工する前の原料である棒や線材、および
ばね状に加工された最終製品としてのばねを包含するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ばねを製造するには、JIS G356
5〜3567及び4801等に規定されるばね用鋼を用
い、該鋼材から製造した熱間圧延線材(以降、圧延材と
呼ぶ)を、所定の線径まで引抜加工しオイルテンパー処
理してからばね加工(冷間加工)したり、或いは、該圧
延材を引抜加工またはピーリング加工した後加熱してば
ね成形してから焼入焼戻を行う(熱間加工)等の方法が
採用されている。
【0003】近年では、軽量化の為にばねの高応力化に
対する要望が益々強くなり、その為には、焼入焼戻後の
強度が1900MPa以上の高強度ばね用鋼が必要であ
る。ところが、一般にばね用鋼が硬くなると欠陥が発生
し易く、周囲の環境にも影響され易くなる。特に腐食環
境下では、ばねの腐食疲労寿命は著しく低下する傾向に
あり、早期切損を起こすことが懸念されている。腐食疲
労寿命が低下する原因としては、表面に生成する腐食ピ
ットが応力集中源となり、疲労亀裂の発生を促進するこ
とが考えられる。更に、腐食反応により水素が発生する
が、高強度材になる程水素により脆化し易くなり、それ
に伴う腐食疲労亀裂の促進、更には腐食疲労亀裂伝播時
の粒界破壊等により早期切損を一層促進することが懸念
されている。
【0004】この様な腐食疲労寿命や耐水素脆性の低下
を防止するには、素材の靭性向上を目指して、鋼の低炭
素化を図ると共にSi,Cr,Ni等を添加する必要が
ある。しかし、これらの添加元素は焼入性向上効果も大
きいため、多量に添加すると圧延材中に過冷却組織(マ
ルテンサイトやベイナイト等)が生成して焼鈍等の軟化
熱処理が必要となり、工程数の増加やそれに伴なう製造
コストの増大および生産性の低下といった問題が生じ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであって、その目的は、ばね特性の
一つである焼入焼戻後の強度が1900MPa以上で硬
さHRC52以上の高強度・高硬度を有すると共に、耐
水素脆性を飛躍的に向上させることができる高強度ばね
の製造方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し得た本
発明に係わる耐水素脆性に優れた高強度ばねの製造方法
とは、C:0.30〜0.60%(質量%、以下同じ)
及びSi:1.0〜3.0%を含有する鋼を用い、下式
(1)を満足する温度に抑制して焼戻しするところに要
旨を有するものである。
【0007】
【数2】
【0008】上記鋼において、 Mn:0.1〜1.0%及びCr:0.5〜2.0%
を含有すると共に、Ti:0.005〜0.5%及び/
又はNb:0.005〜0.5%を含有し、残部:Fe
および不可避不純物を満足するものは、上記特性を著し
く向上させる点で本発明の好ましい実施態様であり、更
に、一層優れた特性を得ることを目的として N :150ppm以下に抑制したり、或いは Cu:1.0%以下及び/又はNi:1.0%以下 V :1.0%以下及び/又はAl:0.5%以下 Mo:1.0%以下 を積極的に添加すること(いずれの元素も0を含まな
い)が推奨される。
【0009】更に、熱間圧延線材に対して焼鈍等の軟化
熱処理を行わずに引抜加工やピーリング加工を行う場合
には、下式(2)を満足する様、成分調整することによ
ってコストの低減を図ることが可能である。 2.5≦(FP)≦4.5 … (2) 上記において、鋼材が熱間圧延によって得られる棒・線
材である場合は、熱間圧延後の直径をD(mm)とした
とき、下式(3)の関係を満たす様に成分調整すること
によって、その性能を一層確実に発揮させることができ
る。 2.0≦(FP/log D)≦4.0 … (3)
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記目的を達成す
る為に、即ち、従来のばねの腐食疲労寿命や耐水素脆性
を改善すると共に、熱間圧延線材に対して焼鈍等の軟化
熱処理を行わずに引抜加工やピーリング加工を行うこと
を目的として、種々のばね用鋼を既に開示している。例
えば特開平7−173577号公報は、鋼材の化学成分
を特定すると共に、殊に熱間圧延時の過冷却組織を抑制
するという観点から上式(2)および(3)の関係を定
めることにより耐食性の向上を図るものであり、また、
特願平7−280931号公報は、Ti,Nbの炭・窒
・硫化物からなる粗大介在物のサイズや個数を特定する
ことにより耐食性や耐水素脆性の向上を目指すものであ
る。これらのばね用鋼は、いずれも0.30〜0.60
%程度の低炭素鋼をベースとするものであるが、本発明
では、この様な低炭素ばね用鋼を用いてばねを製造する
場合に当たり、より優れた特性を得る為の製造条件につ
いて鋭意検討した結果、本発明を完成したのである。即
ち、本発明では、低炭素ばね用鋼材に対し、上式(1)
を満足する温度で焼戻しを行うことにより、焼入焼戻後
の旧オーステナイト結晶粒度No.8.5以上、引張強度
1900MPa、硬さHRC52以上の高強度・高硬度
を有し、しかも、これと同等の硬さを有する従来鋼(S
UP7)に比べて、耐腐食疲労性・耐水素脆性の両特性
を飛躍的に改善できることを見出したのである。
【0011】この様に、本発明は、耐食性・耐水素脆性
に優れたばねを製造するに当たり、低炭素ばね用鋼を使
用した場合における最適な焼戻温度[T(K),以下略
記する場合がある]を見出した点に最大の特徴を有する
ものである。具体的には、上式(1)に示す関係を満足
するものであれば良いが、安定した耐水素脆性を得る為
には、その焼戻温度を、右辺の式で算出される値よりも
25K以上低く設定することが好ましく、より好ましく
は50K以上である。ここで、焼戻時間(t)は、ばね
の製造に当たり通常採用される時間であれば特に限定さ
れず、熱間成形ばねの場合は概ね30分〜2時間、冷間
成形ばねの場合は概ね1時間以内である。
【0012】更に、焼戻温度を規定する上式(1)の右
辺には、鋼中の元素としてCおよびSiが含まれてい
る。即ち、所望の焼戻温度でばねを製造するには、鋼中
のC量およびSi量を適切に制御することが必要であ
る。各元素の限定理由は以下の通りである。
【0013】C:0.30〜0.60% Cは焼入焼戻後の強度(硬さ)を確保するために必要な
元素であり、0.30%未満では強度が不足する。好ま
しくは0.35%以上である。一方、0.60%を超え
て過剰に添加すると焼入焼戻後の靭性・延性が劣化する
のみならず、耐食性にも悪影響を及ぼす様になるので、
その上限を0.60%にした。好ましくは0.55%以
下である。
【0014】Si:1.0〜3.0% Siは固溶強化元素として有用であり、1.0%未満で
はマトリックスの強度が不十分になる。好ましくは1.
2%以上である。しかしながら、3.0%を超えて過剰
に添加すると、焼入れ加熱時における炭化物の溶け込み
が不十分になる為、均一にオーステナイト化させるには
高温での加熱が必要になり、その結果、表面に過度の脱
炭が生じてばねの疲労特性が悪くなる。好ましくは2.
5%以下である。
【0015】本発明では、焼戻温度の設定に係わる上記
元素の含有量のみを特定するものであり、他の元素につ
いては、本発明の作用を損なわない範囲で適宜添加され
得るが、好ましい成分含有量について以下に記載する。
【0016】Mn:0.1〜1.0% Mnは焼入れ性向上元素として有用であり、この様な作
用を有効に発揮させるには0.1%以上の添加が好まし
い。しかし、1.0%を超えて添加すると、焼入れが入
り過ぎて圧延時に過冷組織が出現し易くなるので、その
上限を1.0%以下にすることが好ましい。更に、Mn
は耐食性や耐水素脆性に悪影響を及ぼすことを考慮すれ
ば、0.5%以下に制御することが推奨される。
【0017】Cr:0.5〜2.0% Crは耐食性向上作用を有すると共に、上記Mnと同
様、焼入れ性の向上に寄与する元素である。この様な作
用を有効に発揮させるには0.5%以上の添加が好まし
い。しかし、2.0%を超えて添加すると焼入れが入り
過ぎて、圧延後に過冷組織が出現するので2.0%以下
にすることが好ましい。
【0018】Ti:0.005〜0.5%及び/又はN
b:0.005〜0.5% Tiは炭窒化物を形成し、拡散性水素のトラップサイト
として作用する為、耐水素脆性の向上に有用である。更
に、結晶粒度を微細化して耐力比やへたり性を向上させ
る作用も有する。この様な作用は0.005%以上(よ
り好ましくは0.01%以上)の添加によって有効に発
揮される。しかし、0.5%を超えると粗大な炭窒化物
を生成し易くなり、その結果、耐疲労寿命が低下する。
より好ましくは0.3%以下である。
【0019】Nbも、上記Tiと同様、結晶粒度を微細
化して耐力比を向上させ、へたり性を高める作用を有す
る。その効果は0.005%以上(より好ましくは0.
01%以上)の添加によって有効に発揮される。しか
し、0.5%を超えて含有させてもそれ以上の効果は得
られず、むしろ焼入れ加熱時に粗大な化合物が生成して
耐疲労寿命を劣化させる。より好ましくは0.3%以下
である。
【0020】更には、本発明による作用を一段と高める
ことを目的として、N量を抑制したり、或いはCu及び
/又はNi;V及び/又はAl;Moを積極的に含有す
ることが可能である(いずれの元素も0を含まない)。
これら元素の好ましい含有量は以下の通りである。
【0021】N:150ppm以下 Nは、Ti等と結合して窒化物を形成し疲労寿命に悪影
響を及ぼす他、焼入焼戻後の素材靭性を低下させる為、
その上限を150ppm以下にすることが好ましい。よ
り好ましくは80ppm以下である。
【0022】Cu:1.0%以下 Cuは電気化学的に見て鉄より貴な元素であり、耐食性
を高める作用を有する。この様な作用は0.1%以上の
添加により有効に発揮されるが、1.0%を超えて含有
させてもそれ以上の効果は得られず、むしろ熱間圧延時
に素材の脆化を招く恐れがある。より好ましくは0.5
%以下である。
【0023】Ni:1.0%以下 Niは焼入焼戻後の素材靭性および耐食性を向上させる
作用を有すると共に、重要なばね特性であるへたり特性
を大幅に改善する作用も有する。これらの作用を有効に
発揮させるには、0.1%以上の添加が好ましく、更に
耐食性を向上させる為には、0.2%以上の添加が推奨
される。しかし、1.0%を超えて添加すると焼入性が
増大し、圧延後に過冷組織が出現し易くなる。
【0024】V:1.0%以下 Vは結晶粒度を微細化して耐力比を高め、耐へたり性を
改善するのに有効な元素である。この様な作用を有効に
発揮させるには0.01%以上(より好ましくは0.0
5%以上)の添加が好ましい。しかし、0.5%を超え
て添加すると、焼入れ加熱時に、オーステナイト中に固
溶しない合金炭化物の割合が増大し、大きな塊状物とな
って残存する為、疲労寿命が低下する。より好ましくは
0.3%以下である。
【0025】Al:0.5%以下 Alは、Nbと同様に結晶粒度を微細化して耐力比を向
上させ、へたり性の向上に寄与する元素である。その様
な効果は0.01%以上(より好ましくは0.05%以
上)の添加によって有効に発揮される。しかし、0.5
%を超えて添加してもそれ以上の効果は得られず、むし
ろ酸化物系介在物(Al23 等)が多量に生成して粗
大化してしまい、かえって耐疲労寿命が低下する。より
好ましくは0.3%以下である。
【0026】Mo:1.0%以下 Moは焼入性を向上させると共に、耐へたり性の向上作
用も有する。耐へたり性の向上作用を有効に発揮させる
には0.1%以上の添加が好ましい。しかし、1.0%
を超えて添加すると焼入性が増大し、コストが高くなる
等の不都合を招く。より好ましくは0.5%以下であ
る。更に、圧延後焼鈍等の軟化熱処理を省略して引抜加
工やピーリング加工を行うには、上式(2)や(3)の
要件を満たす様、成分調整を行うことが推奨される。
【0027】このうち式(2)において、FP<2.5
では、焼入焼戻時に焼きが均一に入らなくなり所定の強
度を得ることが不可能である。一方、FP>4.5で
は、圧延後に過冷組織が出現して圧延後の強度が135
0MPa以上になり、その後に行なわれる引抜加工等に
先立って軟化熱処理が必要となってしまう。
【0028】また、式(3)において、(FP/log
D)<2.0では、焼入焼戻時に均一な焼きが入らなく
なり、所定の強度を得ることが不可能になる。一方、
(FP/logD)>4.0では、圧延後に過冷組織が
出現し、その後に行われる引抜加工やピーリング加工の
為に、焼鈍等の軟化熱処理が更に必要になってくる。
【0029】尚、前記式(3)において圧延材の直径D
(mm)を鋼材の成分組成を決定する際の要素として組
み込んだのは、熱間圧延時の冷却速度、ひいては得られ
る圧延材の金属組織などに該圧延材の直径が少なからぬ
影響を及ぼすからであり、本発明者等が確認したところ
によると、(3)式で規定する(FP/logD)の値
が2.0〜4.0の範囲となる様に鋼材の成分組成をう
まくコントロールすれば、得られるばね用棒・線材の性
能を一段と安定したものにできることが確認された。
【0030】この様に、本発明法は、焼入れ後の焼戻し
温度を特定したところに最大特徴を有するものであり、
この方法を用いれば、熱間成形ばね・冷間成形ばねのい
ずれにおいても、所望の特性を発揮させることができ
る。
【0031】具体的には、熱間成形ばねを製造するに
は、上記ばね用鋼を加熱(900〜1000℃)し、熱
間成形によりばねを成形した後、油焼入れし、所定の温
度で焼戻ししてから均一線径ばねやテーパーばねを作製
するものであり、一方、冷間成形ばねを製造するには、
熱間成形と同様、上記ばね用鋼を加熱(900〜100
0℃)してから、油焼入れ・所定の焼戻しを行い、冷間
成形によりばねを成形した後、所望のばねを作製するも
のである。
【0032】以下本発明を実施例によってさらに詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変
更して実施することはいずれも本発明の技術的範囲に含
まれるものである。
【0033】
【実施例】表1及び表2に示す種々の化学成分からなる
鋼を溶製した後、鍛造により155mmの角ビレットを
製造し、熱間圧延により発明鋼においてはφ8mmまた
は14mm、比較鋼においてはφ14mmの各線材を作
製した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】このうちφ14mmに圧延した線材を用
い、φ12.5mmまで引抜加工を施した後、熱間圧延
を行った。次いで、各種試験に供する様、切出し試験を
行った後、焼入条件:925℃×10minで油焼入を
行い、焼戻温度(焼戻時間60min)を適宜調整する
ことにより試験片の硬さをHRC54〜53に調整し
た。
【0037】この試験片を用いて、引張強度および旧オ
ーステナイト結晶粒度を測定した。尚、旧オーステナイ
ト結晶粒度は、JIS G0551の方法に準じて測定
した。また耐食性は、8hrの塩水噴霧に続いて16h
r放置(35℃,60%RH)する工程を1サイクルと
し、これを7サイクル行った後、試験片表面の腐食ピッ
ト深さを測定し、極値解析にて最大腐食ピット深さを推
定することにより評価した。
【0038】水素脆性試験の場合には、熱間板圧延を行
い、上記焼入焼戻を施した後、機械加工により板状水素
脆性試験片(15mm×60mm×2mm)を作製し、
以下の環境下で、4点曲げによる陰極チャージ試験に供
した。
【0039】[水素脆性試験環境] 試験溶液:H2 SO4 (0.5 mol/L )およびKSCN
(0.01mol/L )の混合液 陰極電位:−700mV 更に、圧延後の材質を確認する為に、各圧延材における
引張試験および組織観察を行った。これらの結果を表3
〜5に示す。尚、表3中のNo.2*は、No.2の組成か
らなる鋼を用い、冷間成形ばねをシミュレートしたもの
(焼戻時間15min)である。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】表4より、従来鋼(JIS SUP7)で
は硬度をHRC50から順次高めていくと破断寿命が顕
著に低下する傾向が認められることから、この従来鋼を
用いて所望の特性を得るには限界があることが分かる。
【0044】これに対して、本発明の要件を満足する本
発明鋼は、HRC54程度の高硬度を有するにもかかわ
らず、HRC50を有する上記従来鋼に比べても、優れ
た破断寿命を有することが分かる。尚、No.25は、T
iやNbを含有しない本発明例であり、No.1〜16
は、Ti及び/又はNbを含有する本発明例であるが、
TiやNbを添加することにより水素脆性試験での破断
寿命を格段に向上し得ることが分かる。なかでも、No.
10及びNo.14を除く鋼は、いずれも(1)式の右辺
で算出される数値が、焼戻温度に比べて25K以上大き
いものであり、破断寿命が著しく向上することが分か
る。
【0045】また、No.2とNo.16は、N量以外はほ
ぼ同じ化学組成を有するものであるが、No.2に比べて
N量の多いNo.16は破断寿命が低下することから、N
量をできるだけ抑制することが好ましいことが分かる。
更に、本発明鋼は、耐食性(腐食ピット深さ)について
も従来鋼に比べて優れていることも確認できる。
【0046】また表5より、本発明鋼においてFP値や
(FP/logD)値が本発明の好ましい要件を満足す
るものは、圧延後に焼鈍等の軟化熱処理を施さなくと
も、引抜加工が可能であることが分かる。
【0047】更に、No.2とNo.2*を対比すると、い
ずれも良好な特性が得られることから、本発明法は、熱
間成形ばね・冷間成形ばねのいずれに成形加工した場合
にも有用であることを確認できた。
【0048】これに対して、本発明の要件を満足しない
比較鋼(No.17〜26)では、夫々以下の様な不具合
を伴っている。このうちNo.17/No.18は、C量が
多い/少ない為に本発明で規定する焼戻条件を満足しな
い例である。No.17は、SUP7と同様、破断寿命に
劣り且つ耐食性も悪いものであり、逆にNo.18の様に
C量が少ないと焼入焼戻後の引張強度が低下する。
【0049】また、No.19/No.20は、Si量が多
い/少ない為に本発明で規定する焼戻条件を満足しない
例である。No.19の様にSi量が多くなると、オース
テナイト化が不十分な為、所望の機械的性質が得られ
ず、No.20の如くSi量が少ない場合も焼入焼戻後に
所望の機械的性質が得られない。尚、No.18〜20
は、本発明で要求される強度(1900MPa以上)を
満足しない為、水素脆性試験での破断寿命や腐食ピット
の深さ、γ粒度については、一部測定しなかったものが
ある(表4中「−」で示す)。
【0050】No.21/No.22は、Mn量が多い/少
ない例である。No.21の様にMn量が多いと破断寿命
が低下し、FP値も非常に高くなるので、圧延材中に過
冷組織が出現してしまう。逆にNo.22の如くMn量が
少ないとFP値が低い為焼入性が小さく、焼入焼戻後に
所望の機械的性質が得られない。No.23/No.24
は、Cr量が多い/少ない例である。No.23の様にC
r量が多いと破断寿命が低下し、逆にNo.24の様にC
r量が少なくなると耐食性が低下する。
【0051】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、C
量およびSi量を調整する等して所定の温度で焼戻しを
行うことにより、旧オーステナイト結晶粒度No.8.5
以上、引張強度1900MPa以上若しくは硬さHRC
52以上を有すると共に、耐食性および耐水素脆性に優
れたばねを効率よく提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 多加志 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C :0.30〜0.60%(質量%、以
    下同じ),及びSi:1.0〜3.0%を含有する鋼を
    用い、 下式(1)を満足する温度に抑制して焼戻しすることを
    特徴とする耐水素脆性に優れた高強度ばねの製造方法。 【数1】
  2. 【請求項2】 前記鋼が、更にMn:0.1〜1.0
    %,及びCr:0.5〜2.0%を含有すると共に、 Ti:0.005〜0.5%,及び/又はNb:0.0
    05〜0.5%を含有し、 残部:Feおよび不可避不純物を満足するものである請
    求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 更に、 N:150ppm以下に抑制されたものである請求項1
    または2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 更に、 Cu:1.0%以下(0%を含まない),及び/又はN
    i:1.0%以下(0%を含まない)を含有する請求項
    1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 更に、 V :1.0%以下(0%を含まない),及び/又はA
    l:0.5%以下(0%を含まない)を含有する請求項
    1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 更に、 Mo:1.0%以下(0%を含まない)を含有する請求
    項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 更に、下式(2)の要件を満たす様に成
    分調整のなされたものである請求項1〜6のいずれかに
    記載の製造方法。 2.5≦(FP)≦4.5 … (2) 式中、FP=(0.23[C]+0.1) ×(0.7[Si]+1) ×(3.5[Mn]
    +1) × (2.2[Cr]+1)×(0.4[Ni]+1) ×(3[Mo]+1) (但し、[元素]は各元素の質量%を表わす)
  8. 【請求項8】 鋼材が棒・線材であり、熱間圧延後の直
    径をD(mm)としたとき、下式(3)の要件を満たす
    様に成分調整のなされたものである請求項1〜7のいず
    れかに記載の製造方法。 2.0≦(FP/log D)≦4.0 … (3) 式中、FP=(0.23[C]+0.1) ×(0.7[Si]+1) ×(3.5[Mn]
    +1) × (2.2[Cr]+1)×(0.4[Ni]+1) ×(3[Mo]+1)
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