JPH09326514A - 超電導量子干渉素子回路装置 - Google Patents

超電導量子干渉素子回路装置

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JPH09326514A
JPH09326514A JP8142593A JP14259396A JPH09326514A JP H09326514 A JPH09326514 A JP H09326514A JP 8142593 A JP8142593 A JP 8142593A JP 14259396 A JP14259396 A JP 14259396A JP H09326514 A JPH09326514 A JP H09326514A
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superconducting
circuit
axis oriented
junction
wave
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JP8142593A
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English (en)
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Yoichi Enomoto
陽一 榎本
Yoshiyasu Ishimaru
喜康 石丸
Toshiyuki Usagawa
利幸 宇佐川
Shoji Tanaka
昭二 田中
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KOKUSAI CHODENDO SANGYO GIJUTSU KENKYU CENTER
Fujitsu Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
KOKUSAI CHODENDO SANGYO GIJUTSU KENKYU CENTER
Fujitsu Ltd
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超電導量子干渉素子回路装置に関し、簡単な
回路構成で集積化が容易なノット回路を実現する。 【解決手段】 電極のうち少なくとも1つが超電導波動
関数の位相が角度依存性を有する超電導体1,2から構
成されるジョセフソン接合4,5を2個以上含む超電導
リングからなるノット回路を、超電導量子干渉素子回路
装置内に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超電導量子干渉素子
回路装置に関するものであり、特に、s−d波接合を使
用したNOT回路を含む超電導量子干渉素子論理回路装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、超電導回路装置を構成する各種の
超電導デバイスが開発されており、特に、その中心的デ
バイスとしてジョセフソン接合素子の研究が成されてき
たが、近年、液体窒素温度で動作可能な高温超電導体を
用いて各種の電子デバイスを形成することも試みられて
おり、医療用の超電導量子干渉素子(SQUID)、デ
ジタルデバイス、或いは、高周波デバイスにおいて、従
来の半導体デバイスを凌駕する性能が期待されている。
【0003】従来の金属系超電導体は、BCS理論で記
述可能であり、このようなBCS超電導体では超電導状
態を記述する基本的パラメータである超電導ギャップが
等方的であり、即ち、超電導波動関数の位相が角度依存
性を持たず、s波対称性を有していることが知られてい
る。
【0004】図8(a)及び(b)参照 図8(a)はこの様な従来のs−s波接合型のジョセフ
ソン接合素子を概念的に示す図であり、また、図8
(b)は制御線42に制御電流(Ibias)を流すことに
よって、ジョセフソン接合41を流れる超電導臨界電流
(Ic )の変化を示すもので、図から明らかな様に、制
御電流が0の0磁場において、最大の超電導電流が流
れ、制御電流、即ち、磁場を増加するに連れて超電導臨
界電流は減少し、ある特定の制御電流値で0となる。
【0005】さらに、制御電流を増加させると、超電導
臨界電流値は再び増加し、その後また減少する振動を繰
り返すことになり、この様な特性を利用することによっ
て、外部磁界或いは制御電流により、適当に電流をバイ
アスしたジョセフソン接合41において、超電導−常電
導スイッチを行うことができる。
【0006】また、この様なジョセフソン接合を含む超
電導リングを構成して超電導量子干渉素子(SQUI
D)を形成すると、超電導リング内の超電導電子対の干
渉を用いて、単一磁束量子という限界の微弱磁場を高感
度で検出できることが知られており、地磁気や生体磁気
のセンサーとして実用化されている。
【0007】そして、このジョセフソン接合素子或いは
SQUIDと、制御線との組合せは、電磁リレーと同じ
機能を持つので、これを基本素子として論理演算が可能
となり、しかも、0抵抗で外部磁場に高感度であること
から、高速低消費電力の特性が要求される将来の高速論
理素子の基本になるものと期待されている。
【0008】図9(a)及び(b)参照 図9(a)はこの様な従来のs−s波接合型のSQUI
Dを用いた論理回路を概念的に示す図であり、また、図
9(b)は制御線A43及び制御線B44に制御電流
(IA ,IB )を流した場合のジョセフソン接合41を
流れる超電導臨界電流(Ic )の変化を示すもので、図
から明らかな様に、制御電流が0の0磁場において、最
大の超電導電流が流れ、制御電流の増加に伴って振動す
る。
【0009】したがって、ジョセフソン接合41をバイ
アスする電流を適当に設定すると共に、制御電流IA
制御電流IB を適当に設定することによって、AND回
路或いはOR回路のいずれにも使用することができる。
【0010】一方、層状構造を有する酸化物超電導体で
は、超電導ギャプが等方的でなく異方性を有すること、
即ち、超電導波動関数の位相が角度依存性を有し、d波
対称性を有することが指摘されており、最近、Woll
man等によって、層状構造の酸化物超電導体の超電導
ギャップがd波対称性を有することを前提として、従来
のs波対称性を有する金属系超電導体との間でs−d波
接合を形成したことが報告されている(例えば、D.
A.Wollman,D.J.Van Harling
en,J.Giapintzakis,and D.
M.Ginsberg,Physical Revie
w Letters,Vol.74,No.5,199
5,p.797−800参照)。
【0011】図10(a)参照 図10(a)は、層状構造の酸化物超電導体であるYB
2 Cu3 7-x (YBCO)単結晶のa面にAuから
なるAuトンネル層を介してs波対称性を有するPb膜
を設けて形成したs−d波接合型のジョセフソン接合素
子を概念的に示す図である。
【0012】なお、図において、s−d波接合型ジョセ
フソン接合45を表す記号は、従来のs−s波接合型の
ジョセフソン接合と区別するために、本発明者等が考案
した新規な記号で示してある。
【0013】図10(b)参照 また、図10(b)は制御線46に制御電流(Ibias
を流すことによって、s−d波接合型ジョセフソン接合
45を流れる超電導臨界電流(Ic )の変化を示すもの
で、図から明らかな様に、制御電流が0の0磁場におい
て、超電導電流が最小となり、制御電流、即ち、磁場を
増加するに連れて超電導臨界電流は増加し、ある特定の
制御電流値で最大となる。
【0014】さらに、制御電流を増加させると、超電導
臨界電流値は再び減少し、その後また増加する振動を繰
り返すことになり、この様な特性を利用することによっ
て、従来のs−s波接合のジョセフソン接合素子と同様
に超電導−常電導スイッチを行うことがでる。
【0015】また、この様なジョセフソン接合を利用し
てSQUIDを構成することも提案(例えば、D.A.
Wollman,D.J.Van Harlinge
n,W.C.Lee,D.M.Ginsberg,an
d A.J.Leggett,Physical Re
view Letters,Vol.71,No.1
3,1993,p.2134−2137参照)されてい
るので、この様なSQUIDを図11を参照して説明す
る。
【0016】図11(a)参照 図11(a)は、YBa2 Cu3 7-x (YBCO)単
結晶47のa面及びb面にAuからなるAuトンネル層
48,49を介してs波対称性を有するPb膜50を設
けて超電導リングを形成したものである。
【0017】図11(b)参照 また、図11(b)は図11(a)に示す構成の等価回
路を示すものであり、YBCO単結晶47/Auトンネ
ル層48,49/Pb膜50からなるs−d波接合型ジ
ョセフソン接合を符号51,52で示している。
【0018】図11(c)参照 さらに、図11(c)は、超電導臨界電流の磁場依存性
を示す図であり、0磁場で超電導臨界電流は最小値とな
り、このため、s−d波接合型ジョセフソン接合51,
52は低いバイアス電流値においても電圧状態となって
おり、磁場を増加するにつれて、超電導臨界電流値も増
加し、適当なバイアス電流値で超電導状態となる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかし、論理演算を行
う場合には真理表で逆の機能を有するNOT回路が必要
になるが、ジョセフソン接合素子は2端子素子であるた
め、従来のs−s波接合のジョセフソン接合によるSQ
UIDを用いた論理回路においては、単純な回路構成で
はNOT回路を実現することができなかった。
【0020】このため、NOT回路を実現するために、
交流を使う動作方法や、2重配線パターン等を用いるこ
とが提案されているが、いずれも回路構成が複雑にな
り、再現性良く作製するのが困難であり、且つ、安定し
た動作も困難であった。
【0021】また、図11に示すYBCO単結晶/Au
トンネル層/Pb膜を用いたs−d波接合型ジョセフソ
ン接合の場合は、その動作温度は金属系超電導体の転移
温度で決定されるため、極低温での動作しか期待できな
いものであり、液体窒素温度(77°K)での動作が可
能な高温超電導体を用いた他の超電導デバイスとの集積
化ができない等の問題がある。
【0022】さらに、図11に示すSQUIDの場合に
は、d波対称性を有する超電導体として単結晶のYBC
Oを用いているので、この点でも他の薄膜超電導体を用
いた超電導デバイスとの集積化ができないという問題が
ある。
【0023】そこで、最近、本発明者等は、金属系超電
導体の問題を解決するために、層状構造の酸化物超電導
体のみを用いることによって、s−d波接合型ジョセフ
ソン接合素子を形成することを提案している(例えば、
Y.Ishimaru,J.Wen,K.Hayash
i,Y.Enomoto and N.Koshizu
ka,Japanese Journal of Ap
plied Physics,Vol.34,No.1
1B,1995,p.L1532−1535、及び、特
願平7−278560号参照)。
【0024】これは、(100)面を主面とするMgO
単結晶基板上に、YBCO薄膜を堆積させた場合、c軸
配向YBCO膜中にa軸配向YBCO結晶粒が混在し、
c軸配向YBCO膜とのa/c界面におけるa軸配向Y
BCO結晶粒の接合面が{001}面からなり、且つ、
c軸配向領域の接合面が{110}面からなる結晶粒を
選択することにより、a/c界面がs−d波接合特性を
示すことを利用したものである。
【0025】しかし、この様な層状構造の酸化物超電導
体を用いたs−d波接合型ジョセフソン接合素子におい
ても、NOT回路を含む具体的な回路構成は提案されて
おらず、依然として、簡単な回路構成による論理回路の
実現は困難であった。
【0026】したがって、本発明は、簡単な回路構成で
集積化が容易なノット回路の具体的構成を提供すること
を目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。なお、図1
(a)はs−d波接合型ジョセフソン接合を用いたSQ
UIDの概念的構成図であり、また、図1(b)はその
等価回路図であり、さらに、図1(c)は上記SQUI
Dの超電導臨界電流の磁場依存性を示す図である。
【0028】図1(a)及び(b)参照 (1)本発明は、超電導量子干渉素子回路装置におい
て、少なくとも1つの電極が超電導波動関数の位相が角
度依存性を有する超電導体1,2から構成されるジョセ
フソン接合4,5を2個以上含む超電導リングからなる
ノット回路を有することを特徴とする。
【0029】この様に、少なくとも1つの電極が超電導
波動関数の位相が角度依存性を有する超電導体1,2か
ら構成されるジョセフソン接合4,5、即ち、s−d波
接合型ジョセフソン接合4,5によってSQUIDを構
成することによって、簡単にノット(NOT)回路を構
成することができる。
【0030】(2)また、本発明は、上記(1)におい
て、ジョセフソン接合4,5を構成する超電導波動関数
の位相が角度依存性を有する超電導体1,2がc軸配向
結晶膜からなり、且つ、超電導波動関数の位相が角度依
存性を持たない超電導体3がc軸配向結晶膜と同じ超電
導材料のa軸配向結晶粒からなり、a軸配向結晶粒とc
軸配向結晶膜との間のa/c界面を接合面とすると共
に、a軸配向領域の接合面が{001}面からなり、且
つ、c軸配向領域の接合面が{110}面からなること
を特徴とする。
【0031】この様に、a軸配向領域の接合面が{00
1}面からなり、且つ、c軸配向領域の接合面が{11
0}面からなる、a軸配向結晶粒とc軸配向結晶膜との
間のa/c界面を接合面とすることによって、簡単な製
造方法で集積化が容易なs−d波接合を実現することが
できる。
【0032】(3)また、本発明は、上記(1)または
(2)において、ノット回路を構成する超電導リング
が、0磁場において超電導臨界電流が0となることを特
徴とする。
【0033】図1(c)参照 s−d波接合型ジョセフソン接合4,5を用いたSQU
IDは、0磁場で超電導臨界電流が0となり、小さなバ
イアス電流値においてもジョセフソン接合4,5は電圧
状態となっており、磁場を増加するにつれて超電導臨界
電流値も増加して、適当なバイアス電流値において超電
導状態となるので、磁場の入力、即ち、制御電流の入力
に対して、真理表における逆の出力が得られる。
【0034】例えば、磁場が0であれば、電圧状態とな
って出力は1となり、逆に、磁場がある程度の値の時
(即ち、1の時)に、超電導状態となって出力は0とな
る。
【0035】(4)また、本発明は、上記(1)乃至
(3)のいずれかにおいて、ノット回路を構成する超電
導リングの他に、両方の電極とも超電導波動関数の位相
が角度依存性を持たない超電導体から構成されるジョセ
フソン接合を2個以上含む超電導リングも有することを
特徴とする。
【0036】この様に、ノット回路と、両方の電極とも
超電導波動関数の位相が角度依存性を持たない超電導体
から構成されるジョセフソン接合、即ち、s−s波接合
型のジョセフソン接合を2個以上含む超電導リングとを
組合せることによって、NAND回路等を簡単な回路構
成によって形成することができる。
【0037】(5)また、本発明は、上記(1)乃至
(4)のいずれかにおいて、超電導波動関数の位相が角
度依存性を有する超電導体1,2及び超電導波動関数の
位相が角度依存性を持たない超電導体3として、銅系酸
化物超電導体を用いたことを特徴とする。
【0038】この様に、超電導量子干渉素子回路装置を
構成する超電導体として、YBa2Cu3 7-x 或いは
NdBa2 Cu3 7-x 等の銅系酸化物超電導体を用い
ることにより、液体窒素温度以上で動作する高速論理回
路の実現が可能となり、また、堆積時にa軸配向結晶粒
がc軸配向結晶膜中に自然に混在して形成されることに
なる。
【0039】
【発明の実施の形態】図2乃至図4を参照して本発明の
第1の実施の形態であるs−d波接合型のジョセフソン
接合を用いたSQUIDを説明することにする。まず、
図2を参照して第1の実施の形態の製造工程を説明する
が、各図における下側の図は、上側の図のA−Bを結ぶ
一点鎖線に沿った断面図である。
【0040】図2(a)参照 まず、主面が(100)面のMgO単結晶基板11上
に、波長が248nmのKrFレーザを用いたパルスレ
ーザデポジッション法(レーザアブレーション法)によ
って、厚さ100〜500nm、好適には27分間の成
長時間で300nmのYBa2 Cu3 7-x (YBC
O)薄膜を堆積させる。
【0041】なお、この場合の堆積条件は、ターゲット
としてYBa2 Cu3 7-x 多結晶体を用い、基板温度
が750〜800℃、好適には790℃であり、酸素分
圧が100〜300mTorr、好適には100mTo
rrの酸化性雰囲気であり、さらに、レーザパワーが
1.0〜7.0J/cm2 、好適には5.0J/cm2
である。
【0042】この堆積されたYBCO薄膜は、c軸配向
YBCO結晶粒からなるc軸配向YBCO膜12が主体
であり、このc軸配向YBCO膜12中に、その長軸が
MgO単結晶基板11の〈001〉方向のa軸配向YB
CO結晶粒13、〈010〉方向のa軸配向YBCO結
晶粒14、及び、〈011〉方向のa軸配向YBCO結
晶粒15が混在している。
【0043】なお、このa軸配向YBCO結晶粒13〜
15の大きさは、長軸方向の大きさが5〜20μmであ
り、また、短軸方向の大きさが0.05〜0.2μmで
あるが、この様なa軸配向YBCO結晶粒13〜15が
形成される理由は、堆積温度とMgO単結晶基板11表
面に存在する10Åオーダーの微細な段差構造によると
考えられる。
【0044】図2(b)参照 次いで、フォトレジストマスク(図示せず)を用いて、
引き出し電圧を350〜500V、好適には450V、
Ar圧力を0.01〜0.1Pa、好適には0.02P
aとした条件のArイオンを用いたイオンミーリング法
によって、MgO単結晶基板11の〈011〉方向と平
行なa軸配向YBCO結晶粒15を横切り、且つ、幅5
μmで30μm×30μmの大きさの超電導リングパタ
ーン16を形成するようにYBCO薄膜をパターニング
する。
【0045】次いで、図示しないものの、メタルマスク
を用いたスパッタリング法でAu膜を選択的に堆積させ
ることによって、Au電極を形成して超電導リングが完
成する。
【0046】図3(a)参照 図3(a)は、この様にして形成したSQUIDの詳細
な構成を説明するもので、MgO単結晶基板11の〈0
11〉方向と平行なa軸配向YBCO結晶粒15を用い
ることによって、c軸配向YBCO膜12の(110)
面とa軸配向YBCO結晶粒14の(001)面とによ
って接合が形成され、これは、上述の本発明者等の提案
によるs−d波接合17,18となっている。
【0047】図3(b)参照 また、図3(b)は、本発明の第1の実施の形態の等価
回路を示すもので、図から明らかな様にrf−SQUI
Dが構成されている。
【0048】図4参照 また、図4は、第1の実施の形態に用いた試料の電気抵
抗の温度依存性を示す図であり、図から明らかなよう
に、88K以下で超電導となっており、良質の薄膜rf
−SQUIDが形成されていることがわかる。
【0049】次に、図5を参照して本発明の第2の実施
の形態を説明する。 図5(a)参照 まず、上記の第1の実施の形態と全く同様な方法によっ
てYBCO薄膜を堆積させたのち、同じく第1の実施の
形態と同様にArイオンを用いたイオンミーリング法に
よって、MgO単結晶基板11の〈011〉方向と平行
なa軸配向YBCO結晶粒15を選択し、a軸配向YB
CO結晶粒15の一端に超電導リングパターン16を形
成すると共に、他端に電極パターン19を形成する。
【0050】この場合、a軸配向YBCO結晶粒15
と、超電導リングパターン16及び電極パターン19を
構成するc軸配向YBCO膜との間にs−d波接合1
7,18,20,21が形成されるが、s−d波接合2
0,21が実効的には電極として機能し、s−d波接合
17,18がジョセフソン接合と機能して超電導リング
パターン16と共にSQUIDを構成する。
【0051】図5(b)参照 また、図5(b)は、図5(a)に示す本発明の第2の
実施の形態の等価回路を表すもので、図から明らかな様
にdc−SQUIDが構成されている。
【0052】図5(c)参照 また、図5(c)は、本発明の第2の実施の形態のdc
−SQUIDの超電導臨界電流の磁場依存性を示す図で
あり、制御電流が0の0磁場において、超電導電流が最
小となり、制御電流、即ち、磁場を増加するにつれて超
電導臨界電流は増加し、ある特定の制御電流値で最大と
なる周期的パターンが観測され、この磁場の大きさの周
期は超電導リングの面積と単一磁束量子の関係から求め
られる値に一致する。
【0053】したがって、従来の0磁場において超電導
臨界電流が最大となるs−s波接合によるSQUID
と、この従来のSQUIDと相補関係を有する本発明の
SQUIDとを同一基板に集積化することによって各種
の高速論理回路装置を構成することができる。
【0054】次に、図6及び図7を参照して、本発明の
第3の実施の形態を説明する。 図6(a)参照 図6(a)は、第3の実施の形態のNAND回路を示す
図であり、まず、上記の第1の実施の形態と全く同様な
方法によってYBCO薄膜を堆積させたのち、同じく第
1の実施の形態と同様にArイオンを用いたイオンミー
リング法によって、MgO単結晶基板11の〈011〉
方向と平行なa軸配向YBCO結晶粒15を用いて、超
電導リングパターン16、それに接続する出力部22、
及び、電極パターン23を形成する。
【0055】この場合、超電導リングパターン16とa
軸配向YBCO結晶粒15との界面のs−d波接合1
7,18がSQUIDを構成するジョセフソン接合とし
て機能し、電極パターン23との間に形成されるs−d
波接合24は単に電極の一部として機能するものであ
る。
【0056】また、このs−d波接合17,18を用い
たSQUIDに隣接して、MgO単結晶基板11の〈0
01〉方向と平行なa軸配向YBCO結晶粒13を用い
て、超電導リングパターン25、それに接続する出力部
28、及び、電極パターン29を形成すると共に、制御
線31,32を形成する。
【0057】この場合、超電導リングパターン25とa
軸配向YBCO結晶粒13との界面は従来のジョセフソ
ン接合と同様のs−s波接合26,27となり、したが
って、s−s波接合26,27で構成されるSQUID
も従来の特性を示す。なお、電極パターン29との間に
形成されるs−s波接合30も単に電極の一部として機
能するものである。
【0058】図6(b)参照 図6(b)は、図6(a)に示す超電導量子干渉素子回
路装置の等価回路であり、従来のSQUIDと制御線3
1,32とによってAND回路、または、OR回路が構
成されており、また、s−d波接合17,18を用いた
SQUIDによってNOT回路が構成されている。
【0059】このAND回路、または、OR回路の出力
は出力部28を介して、NOT回路を構成するSQUI
Dの制御電流(A及びB)或いは磁場として印加され、
超電導リングパターン16に接続する出力部22にから
出力(OUT)が取り出される。なお、従来のSQUI
Dと制御線31,32がAND回路を構成するか、OR
回路を構成するかは、上述の図9の論理回路と同様であ
る。
【0060】図7参照 図7は、図6に示す超電導量子干渉素子回路装置の動作
特性を示す図であり、制御線31の制御電流A及び制御
線32の制御電流Bに対して得られる出力OUTの関係
は、(0,0)=1、(1,1)=0、(0,1)=
1、及び、(1,0)=1というNANDの真理表の関
係が得られており、従来のs−s波接合を用いたSQU
IDがAND回路を構成し、s−d波接合17,18を
用いたSQUIDがNOT回路を構成していることがわ
かる。
【0061】この様に、本発明の各実施の形態によれ
ば、(100)面のMgO単結晶基板11上にYBCO
薄膜を堆積した場合に自然に混在して形成されるMgO
単結晶基板11の〈011〉方向と平行に延在するa軸
配向結晶粒15を利用したs−d波接合のジョセフソン
接合によってSQUIDを構成することにより、従来の
s−s波接合型のSQUIDに対して相補的特性を得る
ことができ、この特性を利用することによって、従来、
簡単な回路構成で実現が困難であったNOT回路を形成
することができる。
【0062】また、このNOT回路を従来のs−s波接
合型のSQUIDと集積化することによって、NAND
回路やNOR回路等を簡単に構成することができ、全て
の論理演算が可能な高速論理回路を、液体窒素温度以上
の高温で動作させることが可能になる。
【0063】なお、本発明の実施の形態におけるパター
ニングは、フォトレジストマスクを用いたイオンミーリ
ング法で行っているが、設計パターンと実際のパターン
にずれが生じた場合には、集束イオンビーム装置(FI
B)を用いて、30keVに加速した50nmのビーム
径で0.1mAのビーム電流のGa+ イオンビームを基
板に照射することによって、パターンを修正することも
できる。
【0064】また、上記の各実施の形態においては、各
SQUIDを構成するジョセフソン接合は2個である
が、2個に限られるものでなく、3個以上のジョセフソ
ン接合で構成されるSQUIDを用いても良いものであ
る。
【0065】また、従来のs−s波接合型のSQUID
を構成する場合には、MgO単結晶基板11の〈00
1〉方向と平行に延在するa軸配向結晶粒13以外に、
〈010〉方向と平行に延在するa軸配向結晶粒14を
利用しても良いものであり、通常のs−s波接合になる
か、s−d波接合になるかは、接合面を形成する結晶面
の面指数に依存するものである。
【0066】また、上記の実施の形態の説明において
は、酸化物超電導体としてYBCO(YBa2 Cu3
7-x )を用いているが、NBCO(NdBa2 Cu3
7-x )を用いてもYBCOと同様の結果が得られてお
り、このYBCO及びNBCO以外にも、このYBCO
及びNBCOと同様の層状構造の高温酸化物超電導体で
ある、SmBa2 Cu3 7-x 、EuBa2 Cu3
7-x 、DyBa2 Cu3 7- x 、GdBa2 Cu3
7-x 、HoBa2 Cu3 7-x 、ErBa2 Cu3 7-
x 、TmBa2 Cu3 7-x 、或いは、YbBa2 Cu
3 7-x 等を用いても良いものである。
【0067】また、上記の各実施の形態においては、基
板として(100)面のMgO単結晶基板11を用いて
いるが、(100)面に限られるのでものではなく、
(100)面と等価な{100}面であれば良い。
【0068】また、a軸配向YBCO結晶粒13〜15
の方位や、a/c界面の接合面の面指数も、実施の形態
に示した結晶方位或いは結晶面指数に限られるものでは
なく、結晶学的にそれと等価な結晶方位或いは結晶面指
数であれば良い。
【0069】また、上記の各実施の形態においては、超
電導波動関数の位相が角度依存性を持たない超電導体
を、超電導波動関数の位相が角度依存性を有する超電導
体となるc軸配向結晶膜中に混在する矩形状のa軸配向
結晶粒として説明しているが、YBCO等の層状構造の
酸化物超電導体においては、a軸とb軸の区別が実質的
にできないものであるので、本明細書におけるa軸と
は、b軸も含むものである。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、s−d波結合型のジョ
セフソン接合素子によりSQUIDを形成したので、従
来のSQUIDと逆位相のSQUIDが得られ、このs
−d波接合型のSQUIDをNOT回路等として従来の
s−s波接合型のSQUIDと一体に集積化することに
よって、各種の低消費電力の高速論理回路装置を簡単な
構成で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の製造工程の説明図
である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の詳細な構成の説明
図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に用いた試料の電気
抵抗の温度依存性の説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の説明図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の説明図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態の動作特性の説明図
である。
【図8】従来のs−s波接合型のジョセフソン接合素子
の説明図である。
【図9】従来のs−s波接合型のSQUIDの説明図で
ある。
【図10】従来のs−d波接合型のジョセフソン接合素
子の説明図である。
【図11】従来のs−d波接合型のSQUIDの説明図
である。
【符号の説明】
1 トンネル接合面に関して超電導波動関数の位相が角
度依存性を有する超電導体 2 トンネル接合面に関して超電導波動関数の位相が角
度依存性を有する超電導体 3 トンネル接合面に関して超電導波動関数の位相が角
度依存性を持たない超電導体 4 ジョセフソン接合 5 ジョセフソン接合 6 ジョセフソン接合 11 MgO単結晶基板 12 c軸配向YBCO膜 13 a軸配向YBCO結晶粒 14 a軸配向YBCO結晶粒 15 a軸配向YBCO結晶粒 16 超電導リングパターン 17 s−d波接合 18 s−d波接合 19 電極パターン 20 s−d波接合 21 s−d波接合 22 出力部 23 電極パターン 24 s−d波接合 25 超電導リングパターン 26 s−s波接合 27 s−s波接合 28 出力部 29 電極パターン 30 s−s波接合 31 制御線 32 制御線 41 ジョセフソン接合 42 制御線 43 制御線A 44 制御線B 45 s−d波接合型ジョセフソン接合 46 制御線 47 YBCO単結晶 48 Auトンネル層 49 Auトンネル層 50 Pb膜 51 s−d波接合型ジョセフソン接合 52 s−d波接合型ジョセフソン接合
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榎本 陽一 東京都江東区東雲1−14−3 財団法人国 際超電導産業技術研究センター 超電導工 学研究所内 (72)発明者 石丸 喜康 東京都江東区東雲1−14−3 財団法人国 際超電導産業技術研究センター 超電導工 学研究所内 (72)発明者 宇佐川 利幸 東京都江東区東雲1−14−3 財団法人国 際超電導産業技術研究センター 超電導工 学研究所内 (72)発明者 田中 昭二 東京都江東区東雲1−14−3 財団法人国 際超電導産業技術研究センター 超電導工 学研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの電極が超電導波動関数
    の位相が角度依存性を有する超電導体から構成されるジ
    ョセフソン接合を2個以上含む超電導リングからなるノ
    ット回路を有することを特徴とする超電導量子干渉素子
    回路装置。
  2. 【請求項2】 上記ジョセフソン接合を構成する超電導
    波動関数の位相が角度依存性を有する超電導体がc軸配
    向結晶膜からなり、且つ、超電導波動関数の位相が角度
    依存性を持たない超電導体が前記c軸配向結晶膜と同じ
    超電導材料のa軸配向結晶粒からなり、前記a軸配向結
    晶粒と前記c軸配向結晶膜との間のa/c界面を接合面
    とすると共に、a軸配向領域の接合面が{001}面か
    らなり、且つ、c軸配向領域の接合面が{110}面か
    らなることを特徴とする請求項1記載の超電導量子干渉
    素子回路装置。
  3. 【請求項3】 上記ノット回路を構成する超電導リング
    が、0磁場において超電導臨界電流が0となることを特
    徴とする請求項1または2に記載の超電導量子干渉素子
    回路装置。
  4. 【請求項4】 上記ノット回路を構成する超電導リング
    の他に、両方の電極とも超電導波動関数の位相が角度依
    存性を持たない超電導体から構成されるジョセフソン接
    合を2個以上含む超電導リングを有することを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれか1項に記載の超電導量子干
    渉素子回路装置。
  5. 【請求項5】 上記超電導波動関数の位相が角度依存性
    を有する超電導体及び超電導波動関数の位相が角度依存
    性を持たない超電導体として、銅系酸化物超電導体を用
    いたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に
    記載の超電導量子干渉素子回路装置。
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