JPH0932876A - 弾塑性ダンパ装置 - Google Patents

弾塑性ダンパ装置

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JPH0932876A
JPH0932876A JP20655795A JP20655795A JPH0932876A JP H0932876 A JPH0932876 A JP H0932876A JP 20655795 A JP20655795 A JP 20655795A JP 20655795 A JP20655795 A JP 20655795A JP H0932876 A JPH0932876 A JP H0932876A
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plastic
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絢一郎 大亦
Takaya Taniguchi
貴也 谷口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性が高く,振動変位の大小にかかわらず
一定の制振効果をもたらす。 【解決手段】 中心軸をほぼ平行とする同径の二つの巻
取りローラ2,4と、これら巻取りローラ2,4を同一
平面上で回転自在に保持する枠体6と、各巻取りローラ
2,4に同軸上で固定されたピニオン12,14と、こ
れら双方のピニオン12,14に係合する一つのラック
と、このラックとの一体的な移動が自在に枠体6に装備
された往復ロッド16と、二つの巻取りローラ2,4間
に架設した可塑性を備える金属からなる棒状の架設部材
8とを備え、棒状の架設部材8を,各巻取りローラ2,
4の外周部上に幾分巻回させてから各両端をそれぞれ当
該各外周部上に固定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾塑性ダンパ装置
に係り、特に、震災時の制振装置として好適な弾塑性ダ
ンパ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から弾塑性ダンパ装置は、摩擦ダン
パ装置,粘性ダンパ装置等の数あるダンパ装置と比較し
て、構造が簡単で安価である,維持管理が容易である,
経年変化が少ない等の理由により、震災時における構造
物の応答振動の軽減等の制振装置として用いられ、ま
た、自動車等の衝突時に内部乗員へ緩衝効果を促す緩衝
装置として用いられている。
【0003】図7に一従来例を示す。この従来の弾塑性
ダンパ装置50は、建造物の下部に配設された建物基礎
部分Tと直接地面上に設けられた地盤基礎部分Jとの間
に直立方向で配設された金属製の棒状部材51と、この
棒状部材51と建物基礎部分T及び地盤基礎部分Jに配
設された球面軸受け52とにより構成されている。
【0004】この従来の弾塑性ダンパ装置50は、震災
等の原因で地盤基礎部分J側に大きな振動が発生する
と、金属製の棒状部材51を介して建物基礎部分Tに振
動が伝達される。この時,金属製の棒状部材51に塑性
変形が生じ、これにより、建物基礎部分T側の振動エネ
ルギが吸収されると共に建物基礎部分T側に伝達される
振動が低減され、この従来の弾塑性ダンパ装置50によ
り制振が行われる。
【0005】さらに、図8に他の従来の弾塑性ダンパ装
置60を示す。この弾塑性ダンパ装置60は、花弁状を
した無端の金属部材61と、この金属部材61の図8
(A)における中央部分で図8(B)における上下にそ
れぞれ取り付けられた固定治具62とから構成される。
この金属部材61は、中央部分で直交する形状に成形さ
れたリング状部材であり、この直交部分に上下の隔たり
をもたせている。即ち、この隔たりが押し縮められるこ
とにより、金属部材61に塑性変形が生じる。そして、
この塑性変形により、この弾塑性ダンパ装置60の上下
方向の振動エネルギが吸収される構造となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
従来例にあっては、棒状部材及び金属部材(以下、可塑
性素材とする)に塑性変形を発生せしめて制振し、特
に、弾塑性ダンパ装置50の場合には、この塑性変形が
二箇所に集中的に発生する構造であるため、繰り返しの
振動に際しては、可塑性素材に破断が発生し、耐久性が
低くなっていた。
【0007】さらに、従来の各弾塑性ダンパ装置は、ダ
ンパ装置に加えられる変位の大きさにより、制振効果が
変化し、一定の性能とならなかった。即ち、可塑性素材
は外力により変形する際の変化が小さい場合には、塑性
変形ではなく弾性変形が発生するため、従来の各弾塑性
ダンパ装置は、制振装置として使用する場合に、外部か
ら加えられる振動がある一定の変位より小さいと本来の
制振効果が得られなかった。
【0008】また、従来の各弾塑性ダンパ装置は、変形
によって可塑性素材の形状が変化し、抵抗力特性が変化
するので、制振装置として使用する場合に、外部から加
えられる振動がある一定の変位を越えると、やはり本来
の制振効果が得られなかった。
【0009】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、特に、耐久性が高く,微小変形時から抵抗力
を発揮し,変位が変化しても一定の制振効果を供給する
弾塑性ダンパ装置を提供することを、その目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、中心軸をほぼ平行とする同径の二つの巻取りローラ
と、これら巻取りローラを同一平面上で回転自在に保持
する枠体と、各巻取りローラに同軸上で固定されたピニ
オンと、これら双方のピニオンに係合する一つのラック
と、このラックとの一体的な移動が自在に枠体に保持さ
れた往復ロッドと、二つの巻取りローラ間に架設された
可塑性を備えた金属製の棒状の架設部材とを備え、この
棒状の架設部材を各巻取りローラの外周部上に幾分巻回
させてから各両端をそれぞれ当該各外周部上に固定して
いる。
【0011】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明と同様の構成に加えて、往復ロッドに往復動作を所
定位置で規制するストッパを設けている。
【0012】請求項3記載の発明では、請求項1記載の
発明と同様の構成に加えて、金属製の棒状の架設部材
を、両端からそれぞれ少なくとも巻取りローラの外周部
を4分の1周以上巻回した状態で配設している。
【0013】請求項4記載の発明では、請求項1記載の
発明と同様の構成に加えて、各巻取りローラの外周部上
に、一又は二以上の金属製の棒状の架設部材を着脱自在
に保持する装着部材を付設している。これらの構成によ
り前述した目的を達成しようとするものである。
【0014】上記構成により、枠体に対して一定の方向
に往復自在に装備された往復ロッドを,この一定の方向
に移動させると、この往復ロッドと共にラックが移動す
る。そして、ラックの移動動作に合わせてこのラックに
係合する二つのピニオンがそれぞれ回転し、これと同時
に二つの巻取りローラが回転する。
【0015】そして、これらの巻取りローラの外周部上
に両端を固定された棒状の架設部材は、一方の巻取りロ
ーラから他方の巻取りローラへと巻取られる。このと
き、棒状の架設部材の一方の端部は,巻取り側の巻取り
ローラの外周部に沿って塑性変形し、また他方の端部は
巻取りローラの外周部上に沿って湾曲した形状から巻取
り側の巻取りローラ側に向かう直線状に塑性変形する。
【0016】即ち、往復ロッドの往復動作が行われる
と、それと同時に、棒状の架設部材の両端部における塑
性変形が行われる構造となっている。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図1乃至
図5に基づいて説明する。
【0018】本実施形態は、中心軸をほぼ平行とする同
径の二つの巻取りローラ2,4と、これら巻取りローラ
2,4を同一平面上で回転自在に装備する枠体6と、各
巻取りローラ2,4に同軸で固定されたピニオン12,
14と、これら双方のピニオン12,14に係合するラ
ックを側面に有する往復ロッド16と、二つの巻取りロ
ーラ2,4間に架設されると共に可塑性を備える金属か
らなる棒状の架設部材8とを備える弾塑性ダンパ装置1
0である。
【0019】以下、各部を詳説すると、まず、枠体6
は、略直方体形状の箱体に形成されており、図1(A)
における両側壁6A,6Bは、この枠体6の上下方向長
さよりやや短めに形成されている。これらの両側壁6
A,6Bは、互いに平行状態を保持し,図示しないボル
ト等の固定手段を用いて着脱自在に固定されている。そ
して、これらの両側壁6A,6Bの間には、後述する二
つの巻取りローラ2,4の回転軸2B,4Bが軸受け2
a,4aを介して回転自在に挟持されている。
【0020】また、上述したように、両側壁6A,6B
は、枠体6の全体的な構成から着脱自在であるために、
側壁6A,6Bのどちらか一方を取り外すことにより、
巻取りローラ2,4は、枠体6から取り外せる構成とな
っている。さらに、これにより、巻取りローラ2,4の
外周部上に架設される棒状の架設部材8の交換が容易と
なっている。
【0021】各巻取りローラ2,4は、それぞれ、円筒
状部材2A,4Aと回転軸2B,4Bとにより構成さ
れ、これらの円筒状部材2A,4Aと回転軸2B,4B
とは、各々が固定され、同軸で回転する構造となってい
る。
【0022】円筒状部材2A,4Aの外周部上には棒状
の架設部材8の一端と他端とをそれぞれ固定する装着部
材22,24が設けられている。これら装着部材22,
24は、互いに同一の構造を有しているので、以下、装
着部材22のみ詳説する。即ち、この装着部材22は、
巻取りローラ2の外周部との間で棒状の架設部材8の一
端を挟持する挟持部22Aと、この挟持部22Aを巻取
りローラ側に押圧する二つのボルト22Bとから構成さ
れている。このボルト22Bを締めることにより、棒状
の架設部材8の一端の挟持が行われる。
【0023】また、挟持部22Aは、巻取りローラ2の
軸方向幅とほぼ同一の幅を有しており、この幅の許容す
る範囲内で、軸方向に棒状の架設部材8を複数並列させ
て固定することができる。
【0024】ここで、巻取りローラ2,4の外周部上に
は、棒状の架設部材8の位置決めを行う溝を円周方向に
設けても良い。さらに、上述したように装着部材22に
複数の棒状の架設部材8を固定装備する場合を考慮し
て、この位置決め用の溝は、軸方向に並列させて複数設
けても良い。これにより、架設部材8が、浅溝の位置に
良好に固定され,ズレが防止される。
【0025】巻取りローラ2,4の回転軸2B,4B上
に同軸で連動回転するように固定されたピニオン12,
14は、図1(A)に示すように筒状部材2A,4Aの
左右側にそれぞれ二つずつ設けられている。以下、巻取
りローラ2,4の左側のピニオンをそれぞれ12L,1
4Lとし、右側のピニオンをそれぞれ12R,14Rと
する。また、同様にして、ピニオン12L,14Lに係
合するラックを備えた往復ロッドを16L、ピニオン1
2R,14Rに係合するラックを備えた往復ロッドを1
6Rとする。
【0026】巻取りローラ2,4は、それぞれ両側方の
ピニオン12L,12R,14L,14Rを介して往復
ロッド16L,16Rから回転力を付勢されるために、
バランス良く良好に回転が行われる。即ち、左右のどち
らか一方側のみから回転力が付勢される場合と比べる
と、筒状部材2A,4Aとピニオン12,14との間で
回転軸2B,4Bに生じるねじり応力の発生を防止でき
るため、回転軸2B,4Bの長寿命化が図ることがで
き、弾塑性ダンパ装置10全体の保守性の向上となる。
【0027】ピニオン12L,12R,14L,14R
と係合する左右の往復ロッド16L,16Rは、それぞ
れ同じ構造を備えているため、以下、一方の往復ロッド
16Rについて説明する。
【0028】前述したように、往復ロッド16Rは、ピ
ニオン12R,14Rに係合するラックを側面に備えた
丸棒状の架設部材である。図1(B)に示すように、こ
の往復ロッド16Rは、上下に配設された二つのピニオ
ン12R,14Rの同じ側から係合しているため、これ
らのピニオン12R,14Rは往復ロッド16Rの上下
動により、同方向の回転が付勢される。
【0029】また、この往復ロッド16Rは、枠体6の
上下方向に貫通しており、枠体6の上下の貫通部分に
は、それぞれリニアベアリング16Ra,16Rbを配
設している。このリニアベアリング16Ra,16Rb
により、往復ロッド16Rの上下動を円滑にすると共
に,枠体6との摩擦の発生を防止している。
【0030】往復ロッド16L,16Rは、互いの上下
端がそれぞれ連結部材18A,18Bにより連結されて
いる。これらの連結部材18A,18Bは、往復ロッド
16L,16Rを連動させると共に、往復ロッド16
L,16Rの上下動を制限するストッパとしての機能を
も有している。
【0031】また、連結部材18Aの上面には、弾塑性
ダンパ装置10を使用箇所に取り付けるためのリング状
の配設部材20が設けられている。
【0032】前述した枠体6の下部には、4本のアーム
23を介して底板25が設けられている。このアーム2
3は、往復ロッド16の下降時に底板25が衝突しない
長さに設定されており、底板25の下面には、弾塑性ダ
ンパ装置10を使用箇所に取り付ける為の配設部材20
と同じ構造の配設部材26が設けられている。
【0033】前述した、巻取りローラ2,4の間には、
両端をそれぞれ装着部材22,24に固定された状態で
棒状の架設部材8が架設されている。さらに、この棒状
の架設部材8は、図1(B)に示すように、各両端を装
着部材22,24から巻取りローラ2,4の筒状部材2
A,4Aの外周部に4分の1周以上巻回されると共に,
巻取りローラ2,4の間を弛みのない状態で配設されて
いる。
【0034】この棒状の架設部材8は、可塑性を有する
金属(例えば、軟鋼,銅,アルミ等)を素材としてお
り、比較的細い丸棒状に形成されている。この構成によ
り、例えば、往復ロッド16に下降動作が付勢される
と、巻取りローラ2,4の回転が行われ、この棒状の架
設部材8の一端側で巻取りローラ2にさらに巻回されて
筒状部材2Aの外周部に応じて湾曲し,また他端側で巻
取りローラ4に巻回状態にあった部分が直線状に延ばさ
れ、両端で塑性変形が発生する。これにより、往復ロッ
ド16の往復動作に、一定の抵抗力が発生する。
【0035】上述の抵抗力は、径の異なる棒状の架設部
材8に交換することによって変えることが可能である
が、この場合、巻取りローラ2,4の筒状部材2A,4
Aの径との兼ね合いによっては(例えば、架設部材8の
太さに対して巻取りローラ2,4の径の大きさが小さす
ぎる場合等)、棒状の架設部材8が筒状部材2A,4A
の外周部上に沿って好適に塑性変形を生じない場合があ
り、係る場合、この棒状の架設部材8の耐久性を著しく
損なう恐れがある。
【0036】一方、前述したように装着部材22,24
が,この棒状の架設部材8を複数取り付けることを可能
に形成されているため、抵抗力の調節を行うには、むし
ろ、棒状の架設部材8の取付本数を増減させることによ
って調節することが望ましい。特に、本実施形態では、
架設部材8が比較的小さい径の棒状であるために、一定
の幅を有する装着部材22の挟持部22Aに比較的多数
の架設部材8を固定することができ、これにより、弾塑
性ダンパ装置10の使用可能な荷重の領域を広くするこ
とが可能である。
【0037】上記実施形態の動作を図1乃至図3に基づ
いて説明する。図3は、弾塑性ダンパ装置10をパイプ
の配管設備等の構造物の制振装置として適用した場合を
示している。即ち、符号Pは、内側に流体が流動する配
管用のパイプであり、このパイプPは、地表に打設され
たコンクリート等により形成された土台D上に、支持台
Kを介して配設されている。そして、パイプPは図に示
すように途中部分で屈曲しており、この屈曲部を挟んで
ほぼ等距離で二つの支持台Kに固定支持されている(一
端側の支持台Kは図示を省略)。
【0038】仮に、弾塑性ダンパ装置10が設けられて
いない図3と同構造の配管設備で,地震等の発生によ
り,このパイプPにより形成される振動系の固有振動数
に近い上下振動が加えられた場合、パイプPは、屈曲部
を中心とした激しい振動が発生し、支持台K側の根元或
いは屈曲部に近い部分から当該パイプPが破断すること
が予想される。
【0039】そこで、図3に示すパイプPの配管設備で
は、弾塑性ダンパ装置10は、制振装置として,振動の
中心となるパイプPの屈曲部の下方に配設されている。
通常、弾塑性ダンパ装置10は、往復ロッド16がその
往復範囲のほぼ中間となる状態で配置される(図1の状
態)。このとき、配設部材20側をパイプPに固定し,
底板25側を土台D側に固定する。
【0040】そして、地震が発生すると、パイプPの上
下振動が往復ロッド16に伝達される。図2は、下降方
向の振動の変位が生じた場合を示している。パイプPの
下降に応じて、往復ロッド16に下降動作が付勢され、
これに伴い往復ロッド16の側面部に設けられたラック
からピニオン12,14を介して巻き取りローラ2,4
にそれぞれ図2における時計方向の回転力が伝達され
る。
【0041】これにより、巻取りローラ2の筒状部材2
Aの外周部上では、架設部材8の一端部側が図1の状態
からさらに巻回され、筒状部材2Aの外周部の形状に応
じて塑性変形する。
【0042】一方、巻取りローラ4の筒状部材4Aの外
周部上では、巻回され筒状部材4Aの外周面上に応じて
湾曲状態にあった架設部材の他端部側が、巻取りローラ
2側に引き寄せられ、直線状に塑性変形する。
【0043】往復ロッド16の下降動作に伴い、上記の
塑性変形が行われるため、パイプPの下降方向の振動に
対して一定の抵抗力が加えられる。即ち、パイプPの下
降における振動エネルギが、架設部材8の両端部に生じ
る塑性変形で消費され、下降方向の振動が抑制される。
【0044】また、パイプPの上昇方向の振動の場合に
は、往復ロッド16に上方への移動力が付勢され、架設
部材8の一端部側が巻取りローラ4に巻回され、他端部
側が巻回状態から巻取りローラ4側に直線状に塑性変形
が行われる。即ち、前述の下降方向の振動とほぼ同等の
抵抗力がパイプP側に伝達され、同様にして上昇方向の
振動が抑制される。
【0045】地震による振動が継続する間、上記の弾塑
性ダンパ装置10による各上下方向の振動の抑制が行わ
れ、これにより、パイプPの屈曲部に生じる振動が抑制
され、例えば、パイプPにより形成される振動系におけ
る固有振動数の振動が発生した場合でも、パイプPの破
断が有効に防止される。
【0046】さらに、弾塑性ダンパ装置10では、巻取
りローラ2,4により、架設部材8が巻回され或いは巻
回状態から直線状に引き延ばされて塑性変形が行われる
ために、架設部材8の一点に変形箇所が集中することが
なく、例えば、巻回される一端部側では、巻回が行われ
る全ての領域で一様に塑性変形が行われ、また同様にし
て、直線状に引き延ばされる他端部側では、引き延ばし
が行われる全ての領域で一様に塑性変形が行われる。
【0047】また、このとき、架設部材8の両端部にお
いて一様に塑性変形が行われるために、この架設部材8
の塑性変形領域の任意の一点に生じる塑性変形の変位
が、過大になることを防止し、これにより、架設部材8
の繰り返し使用回数が従来ある弾塑性ダンパ装置と比べ
て著しく増大化し、弾塑性ダンパ装置10の保守性の向
上となる。特に、外的要因からの振動による往復ロッド
16の大変位時に対しても、架設部材8には、一定の変
位しか生じないために、その寿命が増大し、装置全体の
保守性は向上する。
【0048】また、本実施形態では、連結部材18A,
18Bが往復ロッド16L,16Rの往復動作を制限す
るストッパとしての機能を有しているために、この往復
ロッド16L,16Rの過剰な振幅の発生を防止してい
る。これにより、図4に示すように、架設部材8に、一
方の巻取りローラ側で過剰に巻回されることにより他方
の巻き取りローラ側で異常な塑性変形が生じたり,過大
な張力の発生による破断等が発生する事態を有効に防止
することができる。
【0049】ここで、本実施形態では、上述した各構成
に限定されず、同様に作用する他の構造を用いても良
い。具体的には、棒状の架設部材8に替えて、平板状の
架設部材を使用しても良い。
【0050】また、往復ロッド16L,16Rをより長
く設定し且つラック部分をより長く形成して、弾塑性ダ
ンパ装置10をより大きな振幅の振動に対応することが
できるように形成しても良い。このとき、架設部材8は
より長いものを使用し、予め、両端部は、巻取りローラ
2,4に余分に巻回させておく。
【0051】また、上述した弾塑性ダンパ装置10にお
いて、巻取りローラ2,4と各巻取りローラ2,4に併
設されたピニオン12,14とは、一方向のみ連動する
構造としても良い。即ち、回転軸12B,14Bと筒状
部材12A,14Aとの間に、それぞれ一方向の回転の
みを伝達する軸受け(ワンウェイクラッチ等)を設け、
図5の矢印に示すように、ピニオン12からの回転力
は、巻取りローラ2の筒状部材2Aには、時計方向のみ
の回転力が伝達され、一方、ピニオン14からの回転力
は、巻取りローラ4の筒状部材4Aには、反時計方向の
みの回転力が伝達される構造とする。
【0052】そしてさらに、筒状部材12A,14Aの
外周部の,架設部材8の巻回動作を妨げない位置に当接
して適度に摩擦力を与える摺動部材2C,4Cをそれぞ
れ設ける。これらの構成により、例えば、往復ロッド1
6が下降する際には、巻取りローラ2の筒状部材2Aの
みに回転力が付勢され、筒状部材2Aに架設部材8の一
端部が巻回されると共に、巻回状態にあった架設部材8
の巻取りローラ4側部分が巻取りローラ2側に張力を受
けて、直線状に塑性変形が行われる。
【0053】一方、往復ロッド16が上昇する際には、
巻取りローラ4の筒状部材4Aのみに回転力が付勢さ
れ、架設部材8は、一端部が巻取りローラ4の筒状部材
4Aに巻回されると共に、他端部が巻取りローラ2の筒
状部材2Aから巻取りローラ4側に張力を受けて直線状
に塑性変形が行われる。
【0054】このとき、往復ロッド16から回転力が付
勢されない側の巻取りローラは、摺動部材により、適度
の摩擦力を受けるため、架設部材8は、二つの巻取りロ
ーラ2,4の間でたるむことが防止される。即ち、上記
構成により、架設部材8に気温変化,使用時の変形等の
原因で伸びが生じ,二つの巻取りローラ2,4間のたる
みにより弾塑性ダンパ装置10に加えられた上下振動に
対して本来の反力を与えることができなくなる事態を有
効に排除すると共に、摺動部材2C,4Cによる摩擦力
は、架設部材8の塑性変形による抵抗力に加算される効
果をもつ。
【0055】ここで、他の実施形態を図6に示す。この
図6に示す弾塑性ダンパ装置30は、巻取りローラが一
つである点において図1に開示した弾塑性ダンパ装置1
0とその構成が異なっており、他の部分は同一のものか
ら構成されている。
【0056】即ち、巻取りローラ32は、筒状部材32
Aとこの筒状部材32Aの回転中心となる回転軸32B
とからなり、筒状部材32Aの図6(A)における左右
には、回転軸32Bを回転中心としてピニオン12L,
12Rが設けられている。筒状部材32Aは、これらの
ピニオン12L,12Rのピッチ円と同径に設定されて
いる。そして、筒状部材32Aの外周面部には、架設部
材8の一端部が幾分巻回された状態で固定されている。
【0057】一方、架設部材8の他端部は、往復ロッド
16L,16Rの双方に架設固定されると共にこの往復
ロッド16L,16Rと共に往復動作を行う往動部材3
1に固定されている。
【0058】この弾塑性ダンパ装置30は、往復ロッド
16が下降する場合には、この往復ロッド16に固定さ
れた往動部材31も同様に下降し、同時に巻取りローラ
32にピニオン12を介して図6(B)における時計方
向の回転力が付勢され、架設部材8の巻取りローラ32
に巻回されていた部分が直線状に塑性変形する。このと
き、巻取りローラ32の筒状部材32Aがピニオン12
のピッチ円と同径であるため、往復ロッド16の下降移
動距離と筒状部材32Aの回転移動距離とが等しくなる
ため、架設部材8はたるむことがない。
【0059】また、往復ロッド16が上方移動する場合
には、この往復ロッド16に固定された往動部材31も
同様に上方移動し、同時に巻取りローラ32にピニオン
12を介して図6(B)における反時計方向の回転力が
付勢され、架設部材8は巻取りローラ32に巻回され,
筒状部材32Aの外周面に応じた形状に塑性変形する。
往復ロッド16の下降動作の際と同様にして、架設部材
8はたるむことがない。
【0060】上記の動作により、弾塑性ダンパ装置30
は、往復ロッド16の上下動に際して、架設部材8が常
に塑性変形を行うために、往復ロッド16の往復動作の
際には、常に一定の抵抗力が発生し、弾塑性ダンパ装置
10とほぼ同様にして、往復ロッド16が固定された振
動系に対して制振効果を得ることができる。また、この
弾塑性ダンパ装置30は、一つの巻取りローラ32から
構成されているために、部品点数を低減することがで
き、これにより、生産コストを低減することができる。
【0061】
【発明の効果】本発明は、枠体に対して往復ロッドが往
復動作を行う際に、この往復動作に連動して可塑性を有
する金属からなる棒状の架設部材の両端部をそれぞれ巻
取りローラの外周面の形状に合わせて塑性変形を施すか
或いは巻取りローラに巻回された状態から直線状に引き
延ばすことにより塑性変形を施す構成となっている。こ
れにより、往復ロッドの往動には、一定の抵抗力が伴わ
れ、例えば、振動体に往復ロッドを連結することによ
り、この振動体の運動に抵抗力が作用し、この振動体の
振動が抑制される。
【0062】また、本発明は、架設部材が、巻取りロー
ラにより巻回される一端部側では,巻回が行われる全て
の領域で一様に塑性変形が行われ、また,直線状に引き
延ばされる他端部側では,引き延ばしが行われる全ての
領域で一様に塑性変形が行われる。このため、架設部材
の一点に変形箇所が集中することがなく、架設部材の繰
り返しの使用に対する高い耐久性を得ることができる。
【0063】また、架設部材の塑性変形が円周面に沿っ
て行われるために、この架設部材の塑性変形領域の任意
の一点に生じる塑性変形の変位は過大になることを防止
し、このため、外的要因により過大な変位の振動が往復
ロッドに加えられた場合にも、架設部材の随所に生じる
塑性変形の変位は一定となり、これにより、大変位時の
振動に対しても架設部材は高い耐久性を維持することが
でき、従来の弾塑性ダンパ装置と比べて、本発明に係る
弾塑性ダンパ装置は高い保守性を有する構造となってい
る。
【0064】さらに、本発明は、往復ロッドに生じる往
復動作方向の変位の大小により架設部材の塑性変形が生
じる範囲は大きくなり、この塑性変形の生じる領域にお
ける各点毎の変位は常に一定であるために、従来のよう
にその変位の大きさによって抵抗力が変化してしまう事
態を有効に回避し、往復ロッドの変位の大きさにかかわ
らず常に一定の抵抗力を発生させることができる。
【0065】即ち、往復ロッドに生じる変位が微小な場
合でも、架設部材には塑性変形が生じ、これにより、往
復ロッドの往復動作には、常に一定の抵抗力の発生を生
じせしめることが可能である。また、同様にして、往復
ロッドに過大に変位が生じた場合でも、可塑性素材に特
有な過大変位による抵抗力特性の変化を架設部材に生じ
せしめることはなく、架設部材は一定の変位で塑性変形
を行い,一定の抵抗力を供給する。
【0066】また、往復ロッドの往復動作を制限するス
トッパを設けた構成の場合、この往復ロッドの過大な振
幅の発生を防止し、これにより、架設部材に、一方の巻
取りローラ側で過剰に巻回されることにより他方の巻き
取りローラ側で異常な塑性変形が生じたり,過大な張力
の発生による破断等が発生する事態を有効に防止するこ
とができ、架設部材を保守することができる。
【0067】また、一又は二以上の架設部材を着脱自在
の装着部材を巻取りローラに設けた構成の場合は、架設
部材の装着本数を替えることにより、往復ロッドの往復
動作時に生じる抵抗力を調節することが可能となり、こ
れにより、本発明を制振装置として使用する場合に、適
当な制振効果が得られるように予め振動の強弱に応じて
この抵抗力を調節しておくことができる。
【0068】上述のように本発明は、従来にない優れた
弾塑性ダンパ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す図であり、図1
(A)は一部省略した正面図であり、図1(A)は一部
省略した側面図である。
【図2】図1に開示した一実施形態の動作を示す説明図
である。
【図3】図1に開示した一実施形態を配管設備に設置し
た状態を示す説明図である。
【図4】巻取りローラの回転が過剰に行われた場合の架
設部材の状態を示す説明図である。
【図5】図1に開示した一実施形態の二つの巻取りロー
ラをそれぞれ一方向にのみ回転力を付勢させる場合を示
す説明図である。
【図6】他の実施形態を示しており、図6(A)は一部
省略した正面図であり、図6(B)は図6(A)のX−
X線に沿った一部省略した断面図である。
【図7】従来の弾塑性ダンパ装置を示す説明図である。
【図8】他の従来の弾塑性ダンパ装置を示す図であり、
図8(A)は平面図であり、図8(B)は正面図であ
る。
【符号の説明】
2 巻取りローラ 6 枠体 8 架設部材 10 弾塑性ダンパ装置 12,14 ピニオン 16 往復ロッド 18A,18B 連結部材(ストッパ) 22,24 装着部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心軸をほぼ平行とする同径の二つの巻
    取りローラと、これら巻取りローラを同一平面上で回転
    自在に保持する枠体と、前記各巻取りローラに同軸上で
    固定されたピニオンと、これら双方のピニオンに係合す
    る一つのラックと、このラックとの一体的な移動が自在
    に枠体に装備された往復ロッドと、前記二つの巻取りロ
    ーラ間に架設した可塑性を備える金属からなる棒状の架
    設部材とを備え、 前記棒状の架設部材を,前記各巻取りローラの外周部上
    に幾分巻回させてから各両端をそれぞれ当該各外周部上
    に固定したことを特徴とする弾塑性ダンパ装置。
  2. 【請求項2】 前記往復ロッドに往復動作を所定の位置
    で規制するストッパを設けたことを特徴とする請求項1
    記載の弾塑性ダンパ装置。
  3. 【請求項3】 前記棒状の架設部材を、両端からそれぞ
    れ少なくとも前記各巻取りローラの外周部を4分の1周
    以上巻回した状態で配設することを特徴とする請求項1
    記載の弾塑性ダンパ装置。
  4. 【請求項4】 前記各巻取りローラの外周部上に、少な
    くとも一又は二以上の前記棒状の架設部材を着脱自在に
    保持する装着部材を付設したことを特徴とする請求項1
    記載の弾塑性ダンパ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105484384A (zh) * 2016-01-25 2016-04-13 北京工业大学 双齿条驱动转动式方形内槽齿轮铅阻尼器

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