JPH09329088A - 圧縮機の制御装置及び制御方法 - Google Patents

圧縮機の制御装置及び制御方法

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JPH09329088A
JPH09329088A JP8149583A JP14958396A JPH09329088A JP H09329088 A JPH09329088 A JP H09329088A JP 8149583 A JP8149583 A JP 8149583A JP 14958396 A JP14958396 A JP 14958396A JP H09329088 A JPH09329088 A JP H09329088A
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JP
Japan
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state
compressor
air conditioner
conditioner switch
capacity
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Application number
JP8149583A
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English (en)
Inventor
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
Yuji Kubo
裕司 久保
Yoshihiro Makino
善洋 牧野
Takeshi Mizufuji
健 水藤
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)
  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)
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  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各摺動部分の潤滑状態を良好に保つことが可
能な圧縮機の制御装置及び制御方法を提供すること。 【解決手段】 制御コンピュータ81は、車両エンジン
20の起動時にエアコンスイッチ87がオン状態である
場合、それ以降に同スイッチ87が操作されたとして
も、所定時間Timeの間は受け付けない。そして、同所定
時間Time中は、圧縮機の内部循環状態を解除するととも
に吐出容量を最大容量として、外部冷媒回路76上にお
ける冷媒循環を許容する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両空調システム
等に用いられる圧縮機に関し、特に、同圧縮機の制御装
置及び制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の圧縮機としては、車両エンジン
との間の動力伝達系に電磁クラッチ等のクラッチ機構を
介在させる必要のない、所謂、クラッチレス圧縮機が存
在する。電磁クラッチを無くすことにより、圧縮機全体
の軽量化及びコストの低減を図り得るし、同電磁クラッ
チのオン・オフショックによる体感フィーリングの悪さ
を解消できる等の利点がある。
【0003】このような圧縮機においては、車両エンジ
ンの動作時には常に駆動されるため、冷房不要時の吐出
容量の多少或いは外部冷媒回路上の蒸発器におけるフロ
ストの発生が問題となる。そこで、従来から本出願人
は、冷房不要時或いはフロスト発生のおそれがある場合
に、外部冷媒回路上の冷媒循環を停止する構成の圧縮機
を種々提案している。同圧縮機において冷媒循環の停止
は、吐出容量を変更する斜板が最小傾角位置に移動した
場合に達成され、冷房不要時における吐出容量を最小と
して動力損失の低減を図っている。
【0004】そして、前記構成の圧縮機を備えた車両空
調システムにおいては、エアコンスイッチが車室内に備
えられている。制御装置は同エアコンスイッチのオン状
態、つまり、使用者の冷房要求により、車室温度を要求
温度に近づけるように各種パラメータに基づいて斜板を
最大傾角と最小傾角との間で変更する。また、同制御装
置は、エアコンスイッチのオフ状態、つまり、使用者の
冷房不要の要求により、斜板を最小傾角として吐出容量
を最小とするとともに、外部冷媒回路上の冷媒循環を停
止するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、例えば、車
両エンジンが長期間停止状態にあると、内部の冷媒ガス
の液化や外部冷媒回路からの液冷媒の流入により、圧縮
機内部は多量の液冷媒が停留された状態となる。この状
態でエンジンが起動されると、回転軸や斜板等の回転に
より液冷媒が掻き回されてフォーミングが発生し、泡立
った液冷媒により各摺動部分に付着された潤滑油が洗い
流されていた。
【0006】ここで、エンジンの起動時にエアコンスイ
ッチがオン状態にあり、特に、冷房負荷のある状況下に
おいては、エンジンの起動と略同時に斜板が最小傾角か
ら離脱するように制御され、外部冷媒回路上の冷媒循環
が許容される。従って、圧縮機の圧縮動作により、多量
の潤滑油が泡立った液冷媒とともに外部冷媒回路に持ち
出され、圧縮機内部がオイルレス状態となっていた。な
お、オイルレス状態とは、圧縮機内部の潤滑油の量が、
各摺動部分を良好に潤滑し得るに満たない状態を意味
し、圧縮機内部から完全に潤滑油が無くなる状態のみを
意味するものではない。
【0007】ここで、エンジンの起動時から所定時間の
間、冷房負荷がなくならず、エアコンスイッチもオフ状
態に切換操作されずに、外部冷媒回路上の冷媒循環状態
が継続されたとする。この場合、前述したフォーミング
により圧縮機の内部は一旦オイルレス状態となる。しか
し、エンジンの起動から所定時間が経過された後には、
圧縮機内部から持ち出された潤滑油が、外部冷媒回路上
を循環して吸入冷媒ガスとともに帰還される。このた
め、圧縮機内部のオイルレス状態は、実質的に各摺動部
分に不具合を生じない短時間で済む。
【0008】ところが、エンジンの起動から所定時間が
経過されないうちに、冷房負荷がなくなったり、エアコ
ンスイッチがオフ状態に切換操作されると、外部冷媒回
路上の冷媒循環が阻止される。従って、外部冷媒回路か
らの冷媒ガスの吸入、つまり、圧縮機内部から持ち出さ
れた潤滑油の帰還は不能となる。このため、圧縮機内部
のオイルレス状態が解消されず、それが長時間であると
各摺動部分の潤滑に不具合を生じることとなっていた。
【0009】また、上記のような問題は、車両エンジン
との間に電磁クラッチ等のクラッチ機構が介在されるタ
イプの圧縮機においても生じていた。つまり、エンジン
起動時にエアコンスイッチがオン状態にあるか、或い
は、起動後にオン状態に切換操作されたとする。この場
合、冷房負荷がある状況下では電磁クラッチが接続制御
され、圧縮機内部の潤滑油がフォーミングされた液冷媒
により洗い流されて、さらには、圧縮動作により外部冷
媒回路に多量に持ち出されていた。
【0010】そして、電磁クラッチの接続から所定時間
が経過されないうちに、冷房負荷がなくなるか、エアコ
ンスイッチがオフ状態に切換操作されると、電磁クラッ
チが解離制御される。従って、圧縮機の圧縮動作が停止
されて外部冷媒回路上の冷媒循環が停止され、圧縮機内
部から持ち出された潤滑油の帰還は不能となる。このた
め、次回の圧縮機の起動がオイルレス状態からとなる場
合があり、各摺動部分の潤滑に不具合を生じることとな
っていた。
【0011】本発明は、上記従来技術に存在する問題点
に着目してなされたものであって、その目的は、各摺動
部分の潤滑状態を良好に保つことが可能な圧縮機の制御
装置及び制御方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明では、エアコンスイッチがオン状態の
時には、冷房負荷等に応じて前記傾角変更手段を制御す
ることにより吐出容量の変更を行い、オフ状態の時には
傾角変更手段を制御して吐出容量を最小容量とする通常
制御手段と、圧縮機の起動時に、エアコンスイッチがオ
ン状態である場合には、それ以降のエアコンスイッチの
状態に関わらず、冷媒循環阻止手段を制御して、外部冷
媒回路上の冷媒循環状態を所定時間継続させる起動制御
手段とを備えた制御装置である。
【0013】請求項2の発明では、前記起動制御手段
は、傾角変更手段を制御することにより吐出容量を非最
小容量とするものである。請求項3の発明では、エアコ
ンスイッチがオン状態の時には、冷房負荷等に応じて前
記クラッチ機構の接続・解離を行い、オフ状態の時には
クラッチ機構を解離して圧縮機を停止させる通常制御手
段と、外部駆動源の起動を基準として、エアコンスイッ
チが最初のオン状態にある場合には、それ以降のエアコ
ンスイッチの状態に関わらず、クラッチ機構を制御して
接続状態を所定時間継続させる起動制御手段とを備えた
制御装置である。
【0014】請求項4の発明では、前記圧縮機は、吐出
容量を最大容量と最小容量との間で変更するための容量
変更手段を備えるものである。請求項5の発明では、前
記起動制御手段は、容量変更手段を制御することにより
圧縮機の吐出容量を非最小容量とするものである。
【0015】請求項6の発明では、エアコンスイッチが
オン状態にある場合には、冷房負荷等に応じて前記傾角
変更手段を制御することにより吐出容量を変更し、エア
コンスイッチがオフ状態にある場合には、傾角変更手段
を制御して吐出容量を最小容量とし、さらには、圧縮機
の起動時にエアコンスイッチがオン状態である場合に
は、それ以降のエアコンスイッチの状態に関わらず、冷
媒循環阻止手段を制御して外部冷媒回路上の冷媒循環を
許容するとともに、同冷媒循環状態を所定時間継続させ
るようにした制御方法である。
【0016】請求項7の発明では、エアコンスイッチが
オン状態である場合には、冷房負荷等に応じてクラッチ
機構の接続・解離を行い、エアコンスイッチがオフ状態
である場合には、クラッチ機構を解離して圧縮機を停止
させ、さらには、外部駆動源の起動を基準として、エア
コンスイッチが最初のオン状態にある場合には、それ以
降のエアコンスイッチの状態に関わらず、クラッチ機構
を制御して接続状態を所定時間継続させるようにした制
御方法である。
【0017】(作用)上記構成の請求項1及び6の発明
においては、外部駆動源の駆動による回転軸の回転にと
もない斜板が回転される。同斜板の回転運動がピストン
の往復運動に変換されて、冷媒ガスの圧縮がなされる。
ここで通常制御手段は、エアコンスイッチがオン状態に
ある場合、冷房負荷等に応じて傾角変更手段を制御する
ことで、吐出容量を最大容量と、零ではない最小容量と
の間で変更する。また、通常制御手段は、エアコンスイ
ッチがオン状態であっても冷房負荷がない場合や、エア
コンスイッチがオフ状態にある場合、傾角変更手段を制
御して吐出容量を最小容量とする。同最小容量状態にお
いて、冷媒循環阻止手段により外部冷媒回路上の冷媒循
環が阻止され、冷房不要時における蒸発器のフロスト発
生防止や動力損失の低減が図られる。
【0018】さて、前記圧縮機の起動時、エアコンスイ
ッチがオン状態にあるとする。この場合、起動制御手段
は前記冷媒循環阻止手段を制御して、それ以降にエアコ
ンスイッチが切換操作されたとしても受け付けず、外部
冷媒回路上における冷媒循環を所定時間継続させる。こ
こで、例えば、圧縮機内部に多量の液冷媒が停留された
状態にあるとする。この場合、圧縮機の起動によりフォ
ーミングが発生し、各摺動部分に付着された潤滑油が、
泡立った液冷媒により外部冷媒回路に多量に持ち出され
て圧縮機内部は一旦オイルレス状態となる。しかし、外
部冷媒回路上の冷媒循環状態が所定時間継続されること
により、やがては持ち出された潤滑油が外部冷媒回路を
循環して圧縮機に帰還され、オイルレス状態は解消され
る。
【0019】請求項2の発明において起動制御手段は、
傾角変更手段を制御して圧縮機の吐出容量を非最小容量
状態とする。従って、最小容量状態と比較して圧縮機の
吐出量が大きくなると同時に、外部冷媒回路からの冷媒
ガスの吸入量も多くなる。その結果、持ち出された潤滑
油の外部冷媒回路における循環が速やかになされ、オイ
ルレス状態が速やかに解消される。
【0020】請求項3及び7の発明において通常制御手
段は、エアコンスイッチがオン状態の場合に、冷房負荷
等に応じてクラッチ機構を接続・解離する。そして、冷
房負荷がある状況下でクラッチ機構が接続され、圧縮機
構が動作されて冷媒ガスの圧縮が行われる。また、通常
制御手段は、エアコンスイッチがオン状態であっても冷
房負荷がない場合や、エアコンスイッチがオフ状態に切
換操作されると、クラッチ機構を解離する。従って、外
部駆動源からの動力伝達が停止され、圧縮機構による冷
媒ガスの圧縮動作が停止される。
【0021】さて、外部駆動源の起動時にエアコンスイ
ッチがオン状態にあるか、同外部駆動源の起動後、エア
コンスイッチが最初にオン状態に切換操作されたとす
る。この場合、起動制御手段は前記クラッチ機構を制御
して、それ以降にエアコンスイッチが切換操作されたと
しても受け付けず、同クラッチ機構の接続状態を保持し
て圧縮機構による圧縮動作を所定時間継続させる。この
ため、圧縮機の起動時に液冷媒のフォーミングが発生さ
れた場合、各摺動部分に付着された潤滑油が泡立った冷
媒とともに外部冷媒回路に持ち出されて、圧縮機内部は
一旦オイルレス状態となる。しかし、圧縮機構による圧
縮動作が所定時間継続されることにより、やがては持ち
出された潤滑油が外部冷媒回路を循環して圧縮機に帰還
され、オイルレス状態は解消される。
【0022】請求項4の発明においては、冷房負荷等に
応じて、容量変更手段により圧縮機の吐出容量が最大容
量と最小容量との間で変更される。請求項5の発明にお
いて起動制御手段は、容量変更手段を制御して圧縮機の
吐出容量を非最小容量状態とする。従って、最小容量状
態と比較して圧縮機からの圧縮冷媒ガスの吐出量が多く
なると同時に、外部冷媒回路からの冷媒ガスの吸入量も
多くなる。その結果、持ち出された潤滑油の外部冷媒回
路における循環が速やかになされ、オイルレス状態は速
やかに解消される。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、本発明の制御装置及び制御方法
をクラッチレスタイプの可変容量型圧縮機において具体
化した第1実施形態について説明する。
【0024】図1に示すように、フロントハウジング1
1はシリンダブロック12の前端に接合されている。リ
ヤハウジング13は、シリンダブロック12の後端にバ
ルブプレート14を介して接合固定されている。クラン
ク室15は、フロントハウジング11とシリンダブロッ
ク12とにより囲まれて空間形成されている。回転軸1
6は、同クランク室15内を通るようにフロントハウジ
ング11とシリンダブロック12との間に回転可能に架
設支持されている。被動プーリ17は、フロントハウジ
ング11にアンギュラベアリング18を介して回転可能
に支持されている。同被動プーリ17は、前記回転軸1
6のフロントハウジング11からの突出端部に連結され
ており、その外周部に巻き掛けられたベルト19を介し
て外部駆動源としての車両エンジン20に、電磁クラッ
チ等のクラッチ機構を介することなく直結されている。
【0025】リップシール21は、回転軸16の前端側
とフロントハウジング11との間に介在され、クランク
室15を圧縮機外部よりシールしている。回転支持体2
2は、クランク室15内において前記回転軸16に止着
されている。斜板23は回転軸16に対して、同回転軸
16の軸線L方向へスライド可能かつ傾動可能に支持さ
れている。支持アーム24は回転支持体22に突設され
ており、そのガイド孔24aを以て前記斜板23に設け
られたガイドピン25の球状部25aに係合されてい
る。そして、前記斜板23は、支持アーム24とガイド
ピン25との連係により、回転軸16の軸線L方向へ傾
動可能かつ同回転軸16と一体的に回転可能となってい
る。同斜板23の傾動は、ガイド孔24aと球状部25
aとの間のスライドガイド関係、回転軸16のスライド
支持作用により案内される。斜板23の半径中心部がシ
リンダブロック12側に移動されると、同斜板23の傾
角が減少される。傾角減少バネ26は、前記回転支持体
22と斜板23との間に介在されている。同傾角減少バ
ネ26は、斜板23を傾角の減少方向に付勢する。傾角
規制突部22aは回転支持体22の後面に形成され、斜
板23の最大傾角を規制する。
【0026】図2に示すように、収容孔27は、シリン
ダブロック12の中心部において回転軸16の軸線L方
向に貫設されている。冷媒循環阻止手段を構成する遮断
体28は筒状をなし、収容孔27内にスライド可能に収
容されている。同遮断体28は、収容孔27の内周面に
案内される大径部28aと、同大径部28aの後部に設
けられた小径部28bとからなっている。吸入通路開放
バネ29は、収容孔27の端面と遮断体28の大径部2
8aと小径部28bとの段差部分に介在され、同遮断体
28を斜板23側へ付勢している。
【0027】前記回転軸16は、その後端部を以て遮断
体28の内部に挿入されている。ラジアルベアリング3
0は、回転軸16の後端部と遮断体28の大径部28a
の内周面との間に介在されている。同ラジアルベリング
30は、サークリップ31によって遮断体28からの抜
けが阻止されており、同遮断体28とともに回転軸16
に対して軸線L方向へスライド移動可能である。このよ
うに、回転軸16の後端部は、ラジアルベアリング30
及び遮断体28を介して収容孔27の内周面で回転可能
に支持されている。
【0028】吸入圧領域を構成する吸入通路32は、リ
ヤハウジング13及びバルブプレート14の中心部に形
成されている。同吸入通路32は前記収容孔27に連通
されており、そのバルブプレート14の前面に表れる開
口周囲には、位置決め面33が形成されている。遮断面
34は、前記遮断体28における小径部28bの先端面
に形成され、同遮断体28の移動により前記位置決め面
33に接離される。同遮断面34が位置決め面33に当
接されることにより、両者間33,34のシール作用で
吸入通路32と収容孔27の内空間との連通が遮断され
る。
【0029】スラストベアリング35は斜板23と遮断
体28との間に介在され、回転軸16上にスライド移動
可能に支持されている。同スラストベアリング35は、
吸入通路開放バネ29に付勢されて、常には斜板23と
遮断体28の大径部28aとの間で挟持されている。
【0030】そして、前記斜板23が遮断体28側へ傾
動するのに伴い、同斜板23の傾動がスラストベアリン
グ35を介して遮断体28に伝達される。従って、同遮
断体28が吸入通路開放バネ29の付勢力に抗して位置
決め面33側に移動され、同遮断体28は遮断面34を
以て位置決め面33に当接される。同遮断面34が位置
決め面33に当接された状態にて、斜板23のそれ以上
の傾動が規制され、この規制された状態にて同斜板23
は、0°よりも僅かに大きな最小傾角となる。斜板23
の回転は、スラストベアリング35の存在によって遮断
体28への伝達を阻止される。
【0031】シリンダボア12aは前記シリンダブロッ
ク12に貫設形成され、片頭ピストン(以下、単にピス
トンとする)36は同シリンダボア12a内に収容され
ている。前記斜板23はシュー37を介してピストン3
6に係合されており、同斜板23の回転運動がピストン
36の前後往復運動に変換される。
【0032】吸入圧領域を構成する吸入室38及び吐出
圧領域を構成する吐出室39は、前記リヤハウジング1
3内にぞれぞれ区画形成されている。吸入ポート40、
同吸入ポート40を開閉する吸入弁41、吐出ポート4
2、同吐出ポート42を開閉する吐出弁43は、それぞ
れ前記バルブプレート14に形成されている。そして、
吸入室38内の冷媒ガスは、ピストン36の復動動作に
より吸入ポート40及び吸入弁41を介してシリンダボ
ア12a内に吸入される。同シリンダボア12a内に流
入された冷媒ガスは、ピストン36の往動動作により吐
出ポート42及び吐出弁43を介して吐出室39に吐出
される。なお、同吐出弁43の開度は、バルブプレート
14に形成されたリテーナ91により規定される。
【0033】スラストベアリング44は、前記回転支持
体22とフロントハウジング11との間に介在されてい
る。同スラストベアリング44は、ピストン36及び斜
板23を介して回転支持体22に作用される、冷媒圧縮
時の圧縮反力を受け止める。
【0034】前記吸入室38は通口45を介して収容孔
27に連通されている。そして、前記遮断体28がその
遮断面34を以て位置決め面33に当接されると、通口
45は吸入通路32から遮断される。
【0035】通路46は回転軸16内に形成され、その
入口46aは回転軸16の前端側においてリップシール
21付近で、出口46bは遮断体28の内部でそれぞれ
開口されている。放圧通口47は前記遮断体28の周面
に貫設され、同放圧通口47を介して遮断体28の内空
間と収容孔27の内空間とが連通されている。
【0036】圧力供給通路48は前記吐出室39とクラ
ンク室15とを接続し、同通路48上には傾角変更手段
及び冷媒循環阻止手段を構成する容量制御弁49が介在
されている。検圧通路50は、前記吸入通路32と容量
制御弁49との間に形成されている。
【0037】前記容量制御弁49は、バルブハウジング
51とソレノイド部52とが中央付近において接合され
ている。弁室53は、バルブハウジング51とソレノイ
ド部52との間に区画形成されている。弁体54は同弁
室53内に収容されている。弁孔55は、前記弁室53
においてバルブハウジング51の軸線上に形成され、弁
体54と対向するように開口されている。強制開放バネ
56は、弁体54と弁室53の内壁との間に介在され、
弁孔55を開放する方向に弁体54を付勢している。弁
室53は、弁室ポート57及び圧力供給通路48を介し
て吐出室39に連通されている。
【0038】感圧室58は、バルブハウジング51の上
部に区画形成されている。同感圧室58は、吸入圧導入
ポート59及び検圧通路50を介して吸入通路32に連
通されている。ベローズ60は前記感圧室58内に収容
されている。感圧ロッドガイド61は感圧室58と弁室
53との間に形成され、前記弁孔55に連続されてい
る。感圧ロッド62は、同感圧ロッドガイド61内に摺
動可能に挿通されている。前記弁体54とベローズ60
は、同感圧ロッド62によって作動連結されている。ま
た、同感圧ロッド62の弁体54側部分は、弁孔55内
の冷媒ガスの通路を確保するために小径となっている。
【0039】ポート63は、バルブハウジング51にお
いて弁室53と感圧室58との間に形成され、前記弁孔
55と直交されている。同ポート63は、圧力供給通路
48を介してクランク室15に連通されている。つま
り、弁室ポート57、弁室53、弁孔55及びポート6
3は、前記圧力供給通路48の一部を構成している。
【0040】固定鉄芯64は、前記ソレノイド部52の
収容室65の上方開口部に嵌合され、同固定鉄芯64に
よってソレノイド室66が区画形成されている。略有蓋
円筒状をなす可動鉄芯67は、同ソレノイド室66内に
往復動可能に収容されている。追従バネ68は、可動鉄
芯67と収容室65の底面との間に介装されている。な
お、同追従バネ68は、前記強制開放バネ56よりも弾
性係数が小さいものが使用されている。ソレノイドロッ
ドガイド69は前記固定鉄芯64に形成され、ソレノイ
ド室66と弁室53とを連通している。ソレノイドロッ
ド70は前記弁体54と一体形成されており、ソレノイ
ドロッドガイド69内に摺動可能に挿通されている。ソ
レノイドロッド70の可動鉄芯67側端は、前記強制開
放バネ56及び追従バネ68の付勢力によって可動鉄芯
67に当接される。そして、可動鉄芯67と弁体54と
は、ソレノイドロッド70を介して作動連結されてい
る。
【0041】前記ソレノイド室66は、固定鉄芯64の
側面に形成された連通溝71、バルブハウジング51に
形成された連通孔72及び容量制御弁49の装着状態に
おいてリヤハウジング13の内壁面との間に形成される
小室73を介して前記ポート63に連通されている。つ
まり、ソレノイド室66内は、ソレノイドロッド70及
び弁体54を介して対向する弁孔55内と同じ圧力環境
下、ここではともにクランク室圧力となるように構成さ
れている。
【0042】円筒状をなすソレノイド74は、前記固定
鉄芯64及び可動鉄芯67の外側において、両鉄芯6
4,67を跨ぐようにして配置されている。以上構成の
圧縮機は、その吸入室38に冷媒ガスを導入する通路と
なる吸入通路32と、吐出室39から冷媒ガスを排出す
る吐出フランジ75とが外部冷媒回路76により接続さ
れている。凝縮器77、膨張弁78及び蒸発器79は、
同外部冷媒回路76上に介在されている。そして、図示
しないが、前記圧縮機、凝縮器77、膨張弁78及び蒸
発器79は車両に搭載されて、車両空調システムが構築
されている。
【0043】次に、上記構成の圧縮機の制御装置につい
て説明する。図4に示すように、通常制御手段及び起動
制御手段としての制御コンピュータ81は、記憶部81
a及びタイマ回路81bを備えている。蒸発器温度セン
サ82、車室温度センサ84、エアコンスイッチ87、
車室温度設定器88及び前記容量制御弁49のソレノイ
ド74は、同制御コンピュータ81に接続されている。
エアコンスイッチ87及び車室温度設定器88は車室内
に配設されている。前記制御コンピュータ81は、同エ
アコンスイッチ87のオンにより使用者が車室内の冷房
を要求しているものとみなし、また、オフにより使用者
が冷房を必要としていないものとみなしている。車室温
度設定器88は、制御コンピュータ81の制御目標とな
る車室の設定温度を、使用者が任意に変更するためのも
のである。
【0044】前記制御コンピュータ81の記憶部81a
には、通常の圧縮機の制御を行うためのプログラムの他
に、圧縮機の起動時における、オイルレス状態を回避す
るための手順となるプログラムが記憶されている。ま
た、同記憶部81aには、タイマ回路81bにより計測
される時間Tに対応する所定時間Timeが記憶されてい
る。同所定時間Timeは、圧縮機が最小容量に近い吐出容
量でかつエンジン20がアリドリング付近の極低回転状
態において起動された場合に、外部冷媒回路76に持ち
出された潤滑油が、外部冷媒回路76を循環して再び圧
縮機内部に帰還するのに要する時間である。同所定時間
Timeは、試験等に基づいて各タイプの車両空調システム
毎に予め設定される。
【0045】そして、前記制御コンピュータ81は各セ
ンサ82,84による検出値、エアコンスイッチ87の
オン・オフ信号、車室温度設定器88による設定温度信
号等の入力値に基づいて入力電流値を決定し、ソレノイ
ド74へ出力する。また、同制御コンピュータ81は、
圧縮機の起動時においてエアコンスイッチ87のオン・
オフ信号に基づいて起動制御を行うか否かを決定し、同
起動制御を行うと決定されたのなら、一定の入力電流値
を所定時間Timeの間、ソレノイド74へ出力する。
【0046】次に、前記制御コンピュータ81による圧
縮機の通常の制御について説明する。制御コンピュータ
81は、エアコンスイッチ87がオン状態の下で、車室
温度センサ84の検出値が車室温度設定器88の設定温
度以上である場合に、ソレノイド74の励磁を指令す
る。そして、ソレノイド74に所定の電流が供給され、
図2に示すように、両鉄芯64,67間に入力電流値に
応じた吸引力が生じる。この吸引力は、強制開放バネ5
6の付勢力に抗して、弁開度が減少する方向の力として
ソレノイドロッド70を介して弁体54に伝達される。
一方、ベローズ60は、吸入通路32から検圧通路50
を介して感圧室58に導入される吸入圧の変動に応じて
変位する。そして、同ベローズ60はソレノイド74の
励磁状態において吸入圧に感応し、その変位が感圧ロッ
ド62を介して弁体54に伝達される。容量制御弁49
の弁開度は、ソレノイド部52からの付勢力、ベローズ
60からの付勢力及び強制開放バネ56の付勢力のバラ
ンスにより決定される。
【0047】冷房負荷が大きい場合には、例えば車室温
度センサ84によって検出された車室温度と、車室温度
設定器88の設定温度との差が大きい。制御コンピュー
タ81は、車室温度と設定温度とに基づいて設定吸入圧
を変更するようにソレノイド74への入力電流値を制御
する。制御コンピュータ81は車室温度と設定温度との
差が大きいほど入力電流値を大きくする。従って、固定
鉄芯64と可動鉄芯67との間の吸引力が強くなり、弁
体54の弁開度が小さくなる方向の付勢力が増大する。
そして、より低い吸入圧にて、弁体54の開閉が行われ
る。従って、容量制御弁49は、入力電流値が増大され
ることにより、より低い吸入圧を保持するように作動さ
れる。
【0048】弁体54の弁開度が小さくなれば、吐出室
39から圧力供給通路48を経由してクランク室15へ
流入する冷媒ガス量が少なくなる。この一方で、クラン
ク室15内の冷媒ガスは、通路46及び放圧通口47を
経由して吸入室38へ流出している。このため、クラン
ク室15内の圧力が低下する。また、冷房負荷が大きい
状態では、シリンダボア12a内の吸入圧も高く、クラ
ンク室15内の圧力とシリンダボア12a内の吸入圧と
の差が小さくなる。従って、斜板23の傾角が大きくな
る。
【0049】圧力供給通路48における通過断面積が
零、つまり容量制御弁49の弁体54が弁孔55を完全
に閉止した状態になると、吐出室39からクランク室1
5への高圧冷媒ガスの供給は行われない。そして、クラ
ンク室15内の圧力は、吸入室38内の圧力と略同一に
なり、斜板23の傾角は最大となる。
【0050】逆に、冷房負荷が小さい場合には、例え
ば、車室温度と設定温度との差は小さい。制御コンピュ
ータ81は車室温度が低いほど入力電流値を小さくする
ように指令する。このため、固定鉄芯64と可動鉄芯6
7との間の吸引力は弱く、弁体54の弁開度が小さくな
る方向の付勢力が減少する。そして、より高い吸入圧に
て、弁体54の開閉が行われる。従って、容量制御弁4
9は、入力電流値が減少されることにより、より高い吸
入圧を保持するように作動する。
【0051】弁体54の弁開度が大きくなれば、吐出室
39からクランク室15へ流入する冷媒ガス量が多くな
り、クランク室15内の圧力が上昇する。また、この冷
房負荷が小さい状態では、シリンダボア12a内の吸入
圧が低く、クランク室15内の圧力とシリンダボア12
a内の吸入圧との差が大きくなる。従って、斜板23の
傾角が小さくなる。
【0052】冷房負荷がない状態に近づいてゆくと、蒸
発器79における温度がフロスト発生をもたらす温度に
近づいてゆく。制御コンピュータ81は、蒸発器温度が
フロスト判定温度以下になるとソレノイド74の消磁を
指令する。同フロスト判定温度は、蒸発器79において
フロストが発生しそうな状況を反映する。そして、ソレ
ノイド74は電流供給の停止により消磁され、固定鉄芯
64と可動鉄芯67との吸引力が消失する。このため、
図3に示すように、弁体54は、強制開放バネ56の付
勢力により、可動鉄芯67及びソレノイド74を介して
作用する追従バネ68の付勢力に抗して下方に移動され
る。そして、弁体54が弁孔55を最大に開いた弁開度
位置に移行する。このため、吐出室39内の高圧冷媒ガ
スが多量に圧力供給通路48を介してクランク室15へ
供給され、同クランク室15内の圧力が高くなる。クラ
ンク室15内の圧力上昇により、斜板23の傾角が最小
傾角へ移行する。
【0053】また、制御コンピュータ81は、エアコン
スイッチ87がオフ状態に切換操作されるとソレノイド
74を消磁し、それに応じて斜板23が最小傾角に傾動
される。
【0054】このように、容量制御弁49の開閉動作
は、ソレノイド74に対する入力電流値の大小に応じて
変化される。入力電流値が大きくなると低い吸入圧にて
開閉が実行され、入力電流値が小さくなると高い吸入圧
にて開閉動作が行われる。圧縮機は設定された吸入圧を
維持すべく、斜板23の傾角を変更し、その吐出容量を
変更する。つまり、前記容量制御弁49は、入力電流値
を変えて設定吸入圧を変更する役割、及び、吸入圧に関
係なく最小容量運転を行う役割を担っている。このよう
な容量制御弁49を具備することにより、圧縮機は冷凍
回路の冷凍能力を変更する役割を担っている。
【0055】前述した斜板23に連動する遮断体28
は、同斜板23の最小傾角側への傾動により吸入通路3
2の通過断面積を徐々に減少していく。この緩慢な通過
断面積変化による絞り作用が、吸入通路32から吸入室
38への冷媒ガス流入量を徐々に減少させる。このた
め、吸入室38からシリンダボア12a内へ吸入される
冷媒ガス量も徐々に減少してゆき、吐出容量が徐々に減
少していく。従って、吐出圧が徐々に減少していき、圧
縮機における負荷トルクが短時間で大きく変動すること
はない。その結果、最大吐出容量から最小吐出容量に至
る間の圧縮機における負荷トルクの変動が緩慢になり、
負荷トルクの変動による衝撃が緩和される。
【0056】斜板23の傾角が最小となると、遮断体2
8はその遮断面34を以て位置決め面33に当接され、
吸入通路32が遮断される。この状態では、吸入通路3
2における通過断面積が零となり、外部冷媒回路76か
ら吸入室38への冷媒ガスの流入が阻止される。同斜板
23の最小傾角は、0°よりも僅かに大きくなるように
設定されている。この最小傾角状態は、遮断体28が吸
入通路32と収容孔27との連通を遮断する閉位置に配
置されたときにもたらされる。遮断体28は、前記閉位
置とこの位置から離間された開位置とへ斜板23に連動
して切り換え配置される。
【0057】斜板23の最小傾角は0°ではないため、
最小傾角状態においても、シリンダボア12aから吐出
室39への冷媒ガスの吐出は行われている。シリンダボ
ア12aから吐出室39へ吐出された冷媒ガスは、圧力
供給通路48を通ってクランク室15へ流入する。クラ
ンク室15内の冷媒ガスは、通路46及び放圧通口47
を通って吸入室38へ流入する。吸入室38内の冷媒ガ
スは、シリンダボア12a内へ吸入されて、再度吐出室
39へ吐出される。すなわち、最小傾角状態では、吐出
圧領域である吐出室39、圧力供給通路48、クランク
室15、通路46、放圧通口47、収容孔27、吸入圧
領域である吸入室38、シリンダボア12aを経由する
循環通路が圧縮機内に形成されている。そして、吐出室
39、クランク室15及び吸入室38の間では、圧力差
が生じている。従って、冷媒ガスが前記循環通路を循環
し、冷媒ガスとともに流動する潤滑油が圧縮機内の各摺
動部を潤滑する。
【0058】エアコンスイッチ87がオン状態にあっ
て、斜板23が最小傾角位置にある状態において、車室
温度が上昇して冷房負荷が増大すると、車室温度センサ
84によって検出された車室温度が車室温度設定器88
の設定温度を越える。制御コンピュータ81は、この車
室温度の変位に基づいてソレノイド74を励磁し、圧力
供給通路48が閉じられる。従って、クランク室15の
圧力は通路45及び放圧通口47を介した放圧に基づい
て減圧される。この減圧により、吸入通路開放バネ29
が図3の縮小状態から伸長する。そして、遮断体28の
移動により遮断面34と位置決め面33とが離間され、
斜板23の傾角が図3の最小傾角状態から増大する。遮
断体28の離間に伴い、吸入通路32における通過断面
積が緩慢に増大していき、吸入通路32から吸入室38
への冷媒ガス流入量は徐々に増えていく。従って、吸入
室38からシリンダボア12a内へ吸入される冷媒ガス
量も徐々に増大してゆき、吐出容量が徐々に増大してゆ
く。そのため、吐出圧が徐々に増大してゆき、圧縮機に
おける負荷トルクが短時間で大きく変動することはな
い。その結果、最小吐出容量から最大吐出容量に至る間
の圧縮機における負荷トルクの変動が緩慢になり、負荷
トルクの変動による衝撃が緩和される。
【0059】車両エンジン20が停止すれば、圧縮機の
運転も停止、つまり斜板23の回転も停止し、容量制御
弁49のソレノイド74への通電も停止される。このた
め、ソレノイド74が消磁されて、圧力供給通路48が
開放され、斜板23の傾角は最小となる。圧縮機の運転
停止状態が続けば、圧縮機内の圧力が均一化するが、斜
板23の傾角は傾角減少バネ26の付勢力によって小さ
い傾角に保持される。従って、車両エンジン20の起動
によって圧縮機の運転が開始されると、斜板23は、負
荷トルクの最も少ない最小傾角状態から回転開始し、圧
縮機の起動時のショックもほとんどない。
【0060】さて、圧縮機は回転軸16の回転数が大き
いほど、単位時間当たりの吐出容量が大きくなる。従っ
て、外部冷媒回路76内に供給される冷媒ガス量が多く
なって、冷房能力が増大する。外部冷媒回路76内の冷
媒ガスの流量は、蒸発器79の出口側の冷媒ガス温度の
変動に応じて、膨張弁78により制御されている。つま
り、冷房負荷が一定であれば、蒸発器79で気化され圧
縮機に供給される冷媒ガス量も一定となる。この状態
で、回転軸16の回転数が上昇されると、シリンダボア
12a内への冷媒ガスの吸入量が増大され、吸入圧が低
下する。このため、容量制御弁49の感圧室58に導入
される吸入圧が低くなって、ベローズ60が伸長する。
このベローズ60の変位が、感圧ロッド62を介して弁
体54に伝達されて圧力供給通路48の開度が増大され
る。そして、吐出室39からクランク室15への高圧の
冷媒ガスの供給量が増大され、斜板23の傾角が減少さ
れて、吐出容量が減少される。つまり、回転軸16の回
転数が上昇するほど、シリンダボア12a内への冷媒ガ
スの吸入量が増大されて、圧縮機の吐出容量が自動的に
減少される。
【0061】次に、本実施形態の特徴点である、起動制
御用のプログラムに基づく制御コンピュータ81の動作
について、図5のフローチャートに従って説明する。エ
ンジン20(圧縮機)の起動と略同時にプログラムがス
タートし、エアコンスイッチ判定手段としてのステップ
201において、エアコンスイッチ87のオン・オフ状
態が判定される。同ステップ201においてエアコンス
イッチ87がオフ状態であると判定されたのなら起動制
御は行わず、本プログラムは終了される。つまり、エア
コンスイッチ87がオフ状態であれば、外部冷媒回路7
6上の冷媒循環は阻止された状態にあり、例え、エンジ
ン20の起動時に液冷媒のフォーミングが発生されたと
しても、潤滑油の外部冷媒回路76への持ち出し量は少
ないからである。また、本圧縮機はエンジン20の動作
時には常に回転軸16が回転駆動される。このため、同
回転軸16、回転支持体22或いは斜板23の回転によ
り摩擦熱が発生し、同摩擦熱による液冷媒の気化で潤滑
油が冷媒から分離される。従って、次回にエアコンスイ
ッチ87がオン状態に切換操作され、冷房負荷がある状
態において、同潤滑油の外部冷媒回路76への持ち出し
量を抑えることができるからである。
【0062】前記ステップ201においてエアコンスイ
ッチ87がオン状態であると判定されたのなら、起動制
御を行うことが決定される。つまり、例えば、冷房負荷
がある状況下では、エンジン20の起動と略同時に斜板
23が最小傾角から離脱するように制御されるため、従
来技術で述べたように圧縮機内部の潤滑油が、液冷媒の
フォーミングにより外部冷媒回路76に多量に持ち出さ
れてしまう可能性があるからである。そして、同ステッ
プ201からステップ202に移行されてタイマ回路8
1bが作動され、さらには、ステップ203に移行され
て起動制御が行われる。
【0063】すなわち、前記ステップ203において
は、冷房負荷等やその後のエアコンスイッチ87の操作
とは無関係に、容量制御弁49のソレノイド74への入
力電流値を最大として、弁体54により弁孔55を閉止
させる。従って、クランク室15内の圧力は、放圧によ
り吸入室38内の圧力と略同一になり、斜板23の傾角
は最大となる。その結果、圧縮機は最大容量で運転され
る。
【0064】そして、ステップ204において、タイマ
回路81bが計測する時間Tが所定時間Timeと判定され
るまでの間、エアコンスイッチ87がオフ状態に切換操
作されたとしてもそれを受け付けず、前述した起動制御
が継続される。このような圧縮機の運転では、液冷媒の
フォーミングにより多量の潤滑油が外部冷媒回路76に
持ち出されて、圧縮機内部は一旦オイルレス状態となる
可能性がある。しかし、所定時間Timeが経過された後に
は持ち出された潤滑油が外部冷媒回路76を循環して吸
入冷媒ガスとともに帰還され、再び、圧縮機内部には各
摺動部分の潤滑に十分な潤滑油が存在する状態となる。
従って、圧縮機内部のオイルレス状態は、実質的に各摺
動部分の潤滑に影響を与えない短時間で済む。
【0065】前記ステップ204において、時間Tが所
定時間Time以上であると判定されたのなら、ステップ2
05に移行されて起動制御は終了される。そして、タイ
マ回路81bがリセットされるとともに本プログラムは
終了される。なお、本プログラムの終了後は、上述した
各種パラメータに基づく圧縮機の通常制御が行われる。
【0066】上記構成の本実施形態においては、次のよ
うな効果を奏する。 (1)制御コンピュータ81は、圧縮機の起動時にエア
コンスイッチ87がオン状態である場合、前述した起動
制御を実行する。そして、それ以降にエアコンスイッチ
87がオフ状態に切換操作されたとしてもそれを受け付
けず、起動制御を所定時間Time継続させるようになって
いる。従って、圧縮機がオイルレス状態のまま最小容量
運転(外部冷媒回路76上の冷媒循環阻止)に移行され
るような状況を積極的に回避でき、ピストン36、スラ
ストベアリング35、44或いはラジアルベアリング3
0等の各摺動部分の良好な潤滑を確実に確保できる。そ
の結果、圧縮機の信頼性が向上される。
【0067】(2)前記起動制御は、圧縮機の内部循環
状態の解除と共に斜板23を最大傾角に制御して吐出容
量を最大とする。従って、圧縮機内部から持ち出された
潤滑油の外部冷媒回路76上における循環が速やかにな
され、圧縮機内部のオイルレス状態を短時間で解消する
ことができる。つまり、エアコンスイッチ87を受け付
けないという、使用者の要求に合わない圧縮機の動作を
短時間で済ますことができる。
【0068】(第2実施形態)図6及び図7においては
第2実施形態を示す。上記第1実施形態において斜板2
3の傾角制御は、クランク室15と吸入室38との間の
差圧を容量制御弁49により調整することで行われてい
た。本実施形態においてもその概念は同様ではあるが、
上記第1実施形態のようにクランク室15の調圧を行う
のではなく、吸入室38の調圧を行うことにより、斜板
23の傾角を制御するようになっている。
【0069】すなわち、第1導入通路101は、シリン
ダブロック12に形成されている。前記収容孔27とク
ランク室15とは、同第1導入通路101により連通さ
れている。そして、吸入通路32から収容孔27内に供
給される冷媒ガスは、この第1導入通路101を介して
クランク室15内に導入される。
【0070】第2導入通路102は、前記クランク室1
5と吸入室38との間に貫通形成され、同第2導入通路
102を介して、冷媒ガスがクランク室15から吸入室
38内に導入されるようになっている。同第2導入通路
102は、前記通路46と、シリンダブロック12から
バルブプレート14及びリヤハウジング13にかけて形
成された調整通路103とを備えている。同調整通路1
03は、遮断体28に貫設された連通孔104を介して
同遮断体28の内部に連通されている。
【0071】弁室105は、前記第2導入通路102に
おける調整通路103の途中に形成され、その前端には
テーパ状の弁孔106が形成されている。スプール弁1
07は、弁室105内に移動可能に収容されている。同
スプール弁107は、その前端に弁孔106の通路断面
積を調整するためのテーパ状の絞り弁部107aを有し
ている。バネ108は、スプール弁107と弁室105
の前端との間に介装され、スプール弁107を弁孔10
6から離間する方向に付勢する。
【0072】制御通路109はリヤハウジング13に形
成され、吐出室39とスプール弁107の背面側に形成
された制御室105aとを連通している。連通路110
はリヤハウジング13、バルブプレート14及びシリン
ダブロック11にかけて形成され、前記弁室105をク
ランク室15に連通させている。
【0073】そして、前記容量制御弁49と同様な構成
の容量制御弁111は、前記制御通路109の途中位置
に介在されている。つまり、同容量制御弁111のポー
ト63は、制御通路109を介して制御室105aに連
通され、弁室ポート57は、制御通路109を介して吐
出室39に連通されている。
【0074】さて、容量制御弁111による制御通路1
09の開放時には、その開放量に応じて吐出室39の圧
力が、制御通路109を介して制御室105aに供給付
与される。従って、図7に示すように、同制御室105
a内の昇圧により、スプール弁107がバネ108に抗
して前方側に移動されて、絞り弁部107aの絞り度が
大きくなる方向に弁孔106の通路断面積が調整され
る。そして、同絞り弁部107aの絞り度に応じて、第
2導入通路102を介してクランク室15から吸入室3
8に供給される冷媒ガスの流量が変更されて、吸入室3
8の調圧が行われる。
【0075】そして、本実施形態においても第1実施形
態と同様に、車両エンジン20の起動時に制御コンピュ
ータ81は、図5のフローチャートに示すプログラムに
従って動作される。従って、本実施形態においても第1
実施形態と同様な効果を奏する。
【0076】(第3実施形態)以下、本発明の制御装置
及び制御方法をクラッチ付きの可変容量型圧縮機におい
て具体化した第3実施形態について説明する。なお、本
実施形態においては、上記第1実施形態との相違点につ
いてのみ説明し、同一又は相当部材には同じ番号を付し
て説明を省略する。
【0077】図8に示すように、本実施形態において
は、上記第1実施形態の被動プーリ17に代えて、クラ
ッチ機構としての電磁クラッチ115が車両エンジン2
0と回転軸16との間の動力伝達系に介在されている。
すなわち、同電磁クラッチ115を構成するロータ11
6は、フロントハウジング11の前壁面にアンギュラベ
アリング18を介して回転可能に支持されている。同ロ
ータ116の外周にはベルト19が巻き掛けられてい
る。ハブ117はその中央部を以て回転軸16の突出端
部に止着されている。アーマチャ118は同ハブ117
に板バネ119を介して固定されている。コア120は
前記ロータ116内に収容配置されており、同コア12
0が励磁されることにより、アーマチャ118がそれを
支持する板バネ119のバネ力に抗してロータ116と
圧接される。従って、車両エンジン20の駆動力が回転
軸16に伝達される。また、コア120が消磁されるこ
とにより、アーマチャ118が板バネ119のバネ力に
よりロータ116から離間されて駆動力の伝達が遮断さ
れる。
【0078】前述したように電磁クラッチ115が、車
両エンジン20と回転軸16との間に介在されている。
このため、冷房不要時或いは蒸発器79においてフロス
トが発生しそうな場合には、同電磁クラッチ115を解
離して車両エンジン20からの動力伝達を遮断すれば良
い。従って、本圧縮機においては、上記第1実施形態に
おいて必要であった、外部冷媒回路76上における冷媒
循環を阻止するための機構(遮断体28等)が削除され
ており、回転軸16の後端部はラジアルベアリング12
2を介してシリンダブロック12に直接支持されてい
る。なお、斜板23の零ではない最小傾角を規定するた
めに、回転軸16の外周面には斜板23に当接されてそ
れ以上の傾動を規制するサークリップ121が配設され
ている。
【0079】そして、容量変更手段としての電磁開閉弁
123は、吐出室39とクランク室15とを連通する圧
力供給通路48上に介在されている。同電磁開閉弁12
3のソレノイド124が励磁或いは消励されることによ
り、スプール125がポート126を閉鎖或いは開放、
つまり、圧力供給通路48が閉鎖或いは開放される。
【0080】そして、前記電磁開閉弁123の励消磁に
よる圧力供給通路48の開閉により、前記ピストン36
の前後に作用されるクランク室15内の圧力とシリンダ
ボア12a内の圧力との差圧が調整されて、斜板23の
傾斜角が制御される。
【0081】つまり、圧力供給通路48が閉鎖された状
態においてクランク室15内の圧力は、回転軸16の軸
心位置に形成された通路127及びシリンダブロック1
2からリヤハウジング13にかけて形成された通路12
8を介して吸入室38に放圧されるのみで、同吸入室3
8の低圧力に近づいていく。よって、斜板23の傾角が
最大傾角に保持されてピストンストロークが大きくな
り、吐出容量が大きくなる。また、圧力供給通路48が
開放された状態においては、吐出室39内の高圧力がク
ランク室15に導入され、同クランク室15内の圧力上
昇により斜板23の傾角が最小傾角に移行される。従っ
て、吐出容量は小さくなる。
【0082】図9に示すように、前記構成の圧縮機を制
御するための制御装置としては、上記第1実施形態の容
量制御弁49のソレノイド74に代えて、前記電磁クラ
ッチ115のコア120及び電磁開閉弁123のソレノ
イド124が接続されている。なお、記憶部81aに
は、上記第1実施形態とは別の通常制御用のプログラ
ム、及び起動制御を実行するまでの手順となる起動制御
用のプログラムが記憶されている。
【0083】次に、本実施形態の特徴点である、起動制
御用のプログラムに基づく制御コンピュータ81の動作
について、図10のフローチャートに従って説明する。
エンジン20(圧縮機)の起動と略同時にプログラムが
スタートし、エアコンスイッチ判定手段としてのステッ
プ301において、エアコンスイッチ87のオン・オフ
状態が判定される。ステップ301においてエアコンス
イッチ87がオフ状態であると判定されたのなら、エア
コンスイッチ87がオン状態に切換操作されるまで同ス
テップ301が繰り返される。つまり、本実施形態の圧
縮機は、上記第1実施形態の圧縮機とは異なり、エアコ
ンスイッチ87がオフ状態ではエンジン20からの駆動
力が伝達されず回転軸16が停止された状態にある。従
って、回転軸16や斜板23或いは回転支持体22等の
回転による摩擦熱の発生は期待できず、上述した液冷媒
が気化されることによる潤滑油の持ち出し量を低減する
効果が奏され難いからである。
【0084】前記ステップ301においてエアコンスイ
ッチ87がオン状態であると判定されたのなら、ステッ
プ302に移行されてタイマ回路81bが作動され、ス
テップ303に移行されて起動制御が行われる。すなわ
ち、コア120が冷房負荷等やその後のエアコンスイッ
チ87の状態とは無関係に励磁されて電磁クラッチ11
5が接続されるとともに、電磁開閉弁123のソレノイ
ド124が励磁されて圧力供給通路48を完全に閉止さ
せる。従って、クランク室15内の圧力は、通路12
7,128を介した放圧により吸入室38内の圧力と略
同一になり、斜板23の傾角は最大となる。その結果、
圧縮機は最大容量で運転される。
【0085】そして、ステップ304において、タイマ
回路81bが計測する時間Tが所定時間Timeと判定され
るまでの間、エアコンスイッチ87がオフ状態に切換操
作されたとしてもそれを受け付けず、前述した起動制御
が継続される。従って、圧縮機内部の潤滑油は、例え
ば、フォーミングにより泡立った液冷媒とともに外部冷
媒回路76に持ち出され、一旦はオイルレス状態とな
る。しかし、所定時間Timeが経過された後には、持ち出
された潤滑油が再び圧縮機内部に帰還される。その結
果、圧縮機内部のオイルレス状態は、実質的に各摺動部
分に影響を与えない短時間で解消される。
【0086】そして、ステップ304において、時間T
が所定時間Time以上であると判定されたのなら、ステッ
プ305において起動制御は終了され、タイマ回路81
bがリセットされるとともに本プログラムは終了され
る。本プログラムの終了後は、通常制御用のプログラム
に基づく圧縮機の制御が行われる。
【0087】上記構成の本実施形態においては次のよう
な効果を奏する。 (1)制御コンピュータ81は、車両エンジン20の起
動を基準として最初にエアコンスイッチ87がオン状態
にある場合、前述した起動制御を実行する。そして、そ
れ以降にエアコンスイッチ87がオフ状態に切換操作さ
れたとしても所定時間Timeの間は受け付けず、起動制御
を所定時間Time継続させるようになっている。従って、
内部がオイルレス状態のまま電磁クラッチ115が解離
されて圧縮機が停止されるような状況を積極的に回避で
き、次回の起動時においてもピストン36、スラストベ
アリング35、44或いはラジアルベアリング30等の
各摺動部分の良好な潤滑を確実に確保できる。その結
果、圧縮機の信頼性が向上される。
【0088】(2)前記起動制御は、斜板23を最大傾
角に制御して吐出容量を最大とする。従って、圧縮機内
部から持ち出された潤滑油の外部冷媒回路76上におけ
る循環が速やかになされ、圧縮機内部のオイルレス状態
を短時間で解消することができる。つまり、エアコンス
イッチ87を受け付けないという、使用者の要求に沿わ
ない起動制御を短時間で済ますことができる。
【0089】なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で
以下の態様でも実施できる。 (1)斜板23の傾角を変更するのにあたり上記第1及
び第3実施形態においては、吐出室39内の圧力のクラ
ンク室15内への導入量を調整することにより同クラン
ク室15内の調圧を行っていた。これを変更し、クラン
ク室15と吐出室29とは常に連通させておき、同クラ
ンク室15から吸入圧領域への圧力の逃がし量を調整す
ることにより、同クランク室15内の調圧を行うように
しても良い。
【0090】(2)上記第1及び第2実施形態におい
て、起動制御時のソレノイド74への入力電流値を小さ
くして、同制御時に吐出容量を最大容量ではない非最小
容量とすること。
【0091】(3)上記第3実施形態とは別のクラッチ
付きの可変容量型圧縮機として、ワブルタイプの圧縮機
において具体化しても良い。 (4)上記実施形態においては可変容量型圧縮機におい
て具体化されていたが、固定容量型圧縮機において具体
化しても良い。固定容量型圧縮機としては、固定斜板型
の両頭或いは片頭ピストン式圧縮機、ウエーブカム型圧
縮機、スクロール型圧縮機等が上げられる。
【0092】(5)上記第3実施形態において、車両エ
ンジン20の起動時にエアコンスイッチ87がオン状態
にある場合にのみ、上述した起動制御を行うようにする
こと。つまり、ステップ301においてオフ状態と判定
されたのなら、起動制御用のプログラムを終了するよう
に構成すること。
【0093】上記実施形態から把握できる技術的思想に
ついて記載する。 (1)前記起動制御手段81は、傾角変更手段49を制
御することにより吐出容量を最大容量とする請求項1に
記載の制御装置。
【0094】このようにすれば、圧縮機内部から持ち出
された潤滑油の帰還が早まり、オイルレス状態が解消さ
れるまでの時間が短縮される。 (2)前記起動制御手段81は、容量変更手段123を
制御することにより圧縮機の吐出容量を最大容量とする
請求項4に記載の制御装置。
【0095】このようにすれば、圧縮機内部から持ち出
された潤滑油の帰還が早まり、オイルレス状態が解消さ
れるまでの時間が短縮される。 (3)前記圧縮機は、シリンダブロック12に形成され
たシリンダボア12a内には片頭ピストン36が往復運
動可能に収容され、ハウジング11〜13内に配設され
た回転軸16には回転支持体22が止着されるととも
に、同回転支持体22には、その回転にともなってピス
トン36を往復動させるための斜板23が傾動可能に支
持され、容量変更手段としての傾角変更手段123によ
り同斜板23の傾角を変更することで、吐出容量を最大
容量と最小容量との間で変更可能な構成である請求項4
に記載の制御装置。
【0096】このようにすれば、各摺動部分の良好な潤
滑を確実に確保できる。
【0097】
【発明の効果】上記構成の請求項1及び6の発明によれ
ば、圧縮機内部がオイルレス状態のまま、外部冷媒回路
上における冷媒循環が阻止されるような状況を積極的に
回避できる。従って、各摺動部分の良好な潤滑を確実に
確保できるとともに、引いては、圧縮機の信頼性が向上
される。
【0098】請求項2及び5の発明によれば、圧縮機内
部から持ち出された潤滑油の帰還を早めることができ、
オイルレス状態が積極的に解消されるまでの時間が短縮
される。
【0099】請求項3、4及び7の発明によれば、圧縮
機内部がオイルレス状態のままクラッチ機構が解離され
ることを防止でき、次回の圧縮機の起動がオイルレス状
態からとなることを積極的に回避できる。従って、各摺
動部分の良好な潤滑を確実に確保できるとともに、引い
ては、圧縮機の信頼性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の可変容量型圧縮機の縦断面
図。
【図2】 図1の要部拡大図。
【図3】 圧縮機の動作を説明する要部拡大図。
【図4】 制御装置の電気的構成を示すブロック図。
【図5】 制御コンピュータの動作を示すフローチャー
ト。
【図6】 第2実施形態の可変容量型圧縮機の縦断面
図。
【図7】 圧縮機の動作を説明する図。
【図8】 第3実施形態の可変容量型圧縮機の縦断面
図。
【図9】 制御装置の電気的構成を示すブロック図。
【図10】 制御コンピュータの動作を示すフローチャ
ート。
【符号の説明】
11…ハウジングとしてのフロントハウジング、12…
シリンダブロック、12a…シリンダボア、16…回転
軸、22…回転支持体、23…斜板、28…冷媒循環阻
止手段を構成する遮断体、36…片頭ピストン、49…
傾角変更手段及び冷媒循環阻止手段を構成する容量制御
弁、76…外部冷媒回路、81…通常制御手段及び起動
制御手段を構成する制御コンピュータ、87…エアコン
スイッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水藤 健 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダブロックに形成されたシリンダ
    ボア内にはピストンが往復運動可能に収容され、ハウジ
    ング内に配設された回転軸にはその回転にともなってピ
    ストンを往復動させるための斜板が傾動可能に支持さ
    れ、傾角変更手段により同斜板の傾角を変更すること
    で、吐出容量を最大容量と、零ではない最小容量との間
    で変更可能であり、さらには、冷媒循環阻止手段によ
    り、最小容量状態では外部冷媒回路上の冷媒循環を阻止
    するようにした圧縮機において、 エアコンスイッチがオン状態の時には、冷房負荷等に応
    じて前記傾角変更手段を制御することにより吐出容量の
    変更を行い、オフ状態の時には傾角変更手段を制御して
    吐出容量を最小容量とする通常制御手段と、 圧縮機の起動時に、エアコンスイッチがオン状態である
    場合には、それ以降のエアコンスイッチの状態に関わら
    ず、冷媒循環阻止手段を制御して、外部冷媒回路上の冷
    媒循環状態を所定時間継続させる起動制御手段とを備え
    た制御装置。
  2. 【請求項2】 前記起動制御手段は、傾角変更手段を制
    御することにより吐出容量を非最小容量とする請求項1
    に記載の制御装置。
  3. 【請求項3】 クラッチ機構を介して外部駆動源に作動
    連結され、同外部駆動源の駆動により圧縮機構が動作さ
    れることで冷媒ガスの圧縮を行う圧縮機において、 エアコンスイッチがオン状態の時には、冷房負荷等に応
    じて前記クラッチ機構の接続・解離を行い、オフ状態の
    時にはクラッチ機構を解離して圧縮機を停止させる通常
    制御手段と、 外部駆動源の起動を基準として、エアコンスイッチが最
    初のオン状態にある場合には、それ以降のエアコンスイ
    ッチの状態に関わらず、クラッチ機構を制御して接続状
    態を所定時間継続させる起動制御手段とを備えた制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記圧縮機は、吐出容量を最大容量と最
    小容量との間で変更するための容量変更手段を備える請
    求項3に記載の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記起動制御手段は、容量変更手段を制
    御することにより圧縮機の吐出容量を非最小容量とする
    請求項4に記載の制御装置。
  6. 【請求項6】 シリンダブロックに形成されたシリンダ
    ボア内にはピストンが往復運動可能に収容され、ハウジ
    ング内に配設された回転軸にはその回転にともなってピ
    ストンを往復動させるための斜板が傾動可能に支持さ
    れ、傾角変更手段により同斜板の傾角を変更すること
    で、吐出容量を最大容量と、零ではない最小容量との間
    で変更可能であり、さらには、冷媒循環阻止手段によ
    り、最小容量状態では外部冷媒回路上の冷媒循環を阻止
    するようにした圧縮機において、 エアコンスイッチがオン状態にある場合には、冷房負荷
    等に応じて前記傾角変更手段を制御することにより吐出
    容量を変更し、 エアコンスイッチがオフ状態にある場合には、傾角変更
    手段を制御して吐出容量を最小容量とし、 さらには、圧縮機の起動時にエアコンスイッチがオン状
    態である場合には、それ以降のエアコンスイッチの状態
    に関わらず、冷媒循環阻止手段を制御して外部冷媒回路
    上の冷媒循環を許容するとともに、同冷媒循環状態を所
    定時間継続させるようにした制御方法。
  7. 【請求項7】 クラッチ機構を介して外部駆動源に作動
    連結され、同外部駆動源の駆動により圧縮機構が動作さ
    れることで冷媒ガスの圧縮を行う圧縮機において、 エアコンスイッチがオン状態である場合には、冷房負荷
    等に応じてクラッチ機構の接続・解離を行い、 エアコンスイッチがオフ状態である場合には、クラッチ
    機構を解離して圧縮機を停止させ、 さらには、外部駆動源の起動を基準として、エアコンス
    イッチが最初のオン状態にある場合には、それ以降のエ
    アコンスイッチの状態に関わらず、クラッチ機構を制御
    して接続状態を所定時間継続させるようにした制御方
    法。
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