JPH0933456A - 単結晶インゴットの方位測定方法 - Google Patents

単結晶インゴットの方位測定方法

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JPH0933456A
JPH0933456A JP20737295A JP20737295A JPH0933456A JP H0933456 A JPH0933456 A JP H0933456A JP 20737295 A JP20737295 A JP 20737295A JP 20737295 A JP20737295 A JP 20737295A JP H0933456 A JPH0933456 A JP H0933456A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固定金具を取り付けたインゴットを静止させ
ておいて、X線回折測定系の方を90°ずつ回転させる
ことによって、4方向において結晶格子面の偏差角に関
する情報を測定し、固定金具を基準とした偏差角関連情
報を得る。 【構成】 A点にX線管を、C点にX線検出器を配置し
て、X線回折測定系をE点を中心として、A・E・C点
を含む測角平面内で回動して、回折X線の検出できる回
動角度δ1を測定する。次に、X線回折測定系をインゴ
ット20の軸方向の回りに90°時計回りに回転して、
B点にX線管を、D点にX線検出器を配置し、回折X線
の検出できる回動角度δ2を測定する。次に、インゴッ
ト20と固定金具28をインゴット20の軸方向に一時
的に後退させて、X線回折測定系を時計方向に90°回
転する。インゴット20と固定金具28を元の測定位置
に戻して、回折X線の検出できる回動角度δ3を測定す
る。さらに、X線回折測定系を時計方向に90°回転し
て、回折X線の検出できる回動角度δ4を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シリコンなどの
単結晶インゴットの方位をX線回折測定を用いて測定す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】円筒形状の単結晶インゴットの方位測定
をするには、一般的に、インゴットの端面にX線を照射
してそこからの回折X線を検出している。この方位測定
は、インゴットの端面と結晶格子面とのなす角度(以
下、偏差角という。)とその傾斜方向とを測定するもの
である。シリコン単結晶インゴットを例にとると、この
インゴットは、その端面が、所定の結晶格子面と平行に
なるように、あるいは、所定の結晶格子面に対して一定
の偏差角となるように製造される。したがって、この結
晶格子面からの回折X線が検出できるようにX線回折測
定系を設定して、回折X線の予想検出位置と実際の検出
位置とのずれを測定することにより、上述の偏差角とそ
の傾斜方向とを求めることができる。
【0003】上述の偏差角と傾斜方向とを正確に求める
ためには、インゴットの端面において、合計で4方向か
ら回折X線を検出する必要がある。図7は従来の測定方
法を示す。図7(a)において、円筒形状のインゴット
10は、平行配置された1対のローラ12(あるいはV
ブロックでもよい。)の上に載っていて、このインゴッ
ト10はその軸線の回りに回転可能になっている。イン
ゴット10の端面上において、互いに直交するX軸とY
軸を設定する。インゴット10が回転すると、このX軸
とY軸も回転する。X線回折測定系の測角平面を水平に
配置して、F点にX線源を、G点にX線検出器を配置
し、これらが、目的の結晶格子面に対応した所定の回折
角2θの関係となるようにする。
【0004】まず、X軸の正方向が図面の右側を向くよ
うにインゴット10の回転位置を定める。そして、回折
X線が検出できるまで、X線源とX線検出器を、回折角
2θを保ったままで、水平面内で、インゴット端面上の
X線照射点を中心として回動させ、回折X線を検出した
ときの回動角度を測定する。次に、インゴット10をそ
の軸回りに180°回転して、図7(b)に示すよう
に、X軸の正方向が左側を向くようにする。そして、同
様に、回折X線を検出したときの回動角度を測定する。
これらの二つの情報の平均値から、X軸を含む平面内に
おいて、結晶格子面が端面に対してどれくらい傾斜して
いるかを求めることができる。
【0005】次に、インゴット10を90°だけ元に戻
すように回転して、図7(c)に示すように、Y軸の正
方向が右側を向くようにする。そして、同様に、回折X
線を検出したときの回動角度を測定する。さらに、イン
ゴット10を180°回転して、図7(d)に示すよう
に、Y軸の正方向が左側を向くようにする。そして、同
様に、回折X線を検出したときの回動角度を測定する。
これらの二つの情報の平均値から、Y軸を含む平面内に
おいて、結晶格子面が端面に対してどれくらい傾斜して
いるかを求めることができる。
【0006】以上のようにして、X軸を含む平面内にお
ける結晶格子面の偏差角成分と、Y軸を含む平面内にお
ける結晶格子面の偏差角成分とを求めることができる。
また、これらをもとにして、真の偏差角の値と、その傾
斜方向とを演算により求めることもできる。このような
測定方法は、厳密に言えば、円筒形状のインゴットの外
周面を基準として、端面に対する結晶格子面の偏差角を
求めているものである。
【0007】このようなシリコン単結晶インゴットは、
一般に、外周面にあらかじめオリフラ加工が施されてか
ら、上述のように方位測定される。方位測定を終えたシ
リコン単結晶インゴットは、その方位測定結果に基づい
てウェーハに切断される。なお、オリフラ加工をせずに
方位測定をする場合もあるが、その場合は、方位測定後
にオリフラ加工が施されて、ウェーハに切断される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】シリコン単結晶インゴ
ットをウェーハに切断加工する場合に、シリコン単結晶
インゴットの外周面に固定金具を取り付けて、この固定
金具を切断装置に固定してから、切断する方法がある。
このような切断方法では、シリコン単結晶インゴットの
外周面や端面を基準として偏差角を測定するよりも、こ
の固定金具の基準面を基準として偏差角を測定しておい
た方が、切断時に便利である。したがって、切断装置に
固定するための固定金具をシリコン単結晶インゴットに
固定した状態のままで、インゴットの端面での方位測定
を実施することが望まれる。このような固定金具は、マ
ルチブレードやマルチワイヤソーを使って多数のウェー
ハを一度に切り出す場合には、よく使われる。しかしな
がら、固定金具をインゴットに固定した状態では、従来
のようにインゴットを回転させる方法を採用するのは難
しい。さらに、ウェーハの大口径化に伴ってインゴット
が大型になり、この大型インゴットに固定金具を固定し
た状態でインゴットを回転させるのは、ますます困難に
なってきている。
【0009】そこで、この発明の目的は、切断装置にイ
ンゴットを固定するための固定金具を、インゴットの外
周面に固定した状態で、このインゴットの端面における
方位測定を実施できるような方位測定方法を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明のインゴット方
位測定方法は、固定金具を取り付けたインゴットを回転
させないで、X線回折測定系の方を90°ずつ回転させ
ることによって、4種類の測定方向において、結晶格子
面の偏差角に関する情報を測定している。その場合、最
初の二つの情報を測定したあとに、インゴットと固定金
具とをインゴットの軸方向に一時的に後退させてから、
X線回折測定系を回転することにより、回転時にX線回
折測定系と固定金具とが衝突しないようにしている。
【0011】X線回折測定系で測定される偏差角関連情
報は、インゴットの外形面(外周面や端面)を基準にす
るのではなくて、固定金具を基準として測定される。し
たがって、インゴットを固定した状態の固定金具を切断
装置に取り付けた場合、インゴットの外周面や端面の向
きを検出することなく、測定された偏差角関連情報をそ
のまま用いるだけで、結晶格子面に対して指定角度とな
るようにインゴットからウェーハを切り出すことができ
る。
【0012】
【実施例】図1は、この発明の測定方法の一例を示す斜
視図である。円筒形状のシリコン単結晶インゴット20
は、その外周面22と端面24が所定の精度で研削され
ている。このインゴット20の外周面22は、カーボン
などの中間材26に接着固定され、この中間材26が固
定金具28に接着固定されている。この固定金具28
は、方位測定装置にインゴットを取り付けるために使わ
れるが、切断装置にインゴットを取り付けるためにも使
われるものである。固定金具28の両端は、方位測定装
置に設けられた1対の支持腕30に引っ掛けることがで
き、これによって、インゴット20を方位測定装置に取
り付けることができる。この固定金具28において、支
持腕30に載せられる両端部分の下面27aと背面27
bが基準面となる。
【0013】インゴット20の一方の端面24に対向す
るようにX線回折測定系が配置される。このX線回折測
定系は、X線源と、X線検出器と、これらを移動させる
駆動機構とからなる。この実施例では、回折測定時に
は、X線源とX線検出器は、図1のA点、B点、C点、
D点のいずれかに位置し、X線源とX線検出器は互いに
対向するように配置される。例えば、X線源がA点にあ
るときは、X線検出器はC点にある。図2はこの状態を
示す正面図である。A点にあるX線管32からインゴッ
ト20の端面24上の照射点(E点)に向かう入射X線
は、端面24を含む平面31(図1参照)に対して角度
θをなし、もし結晶格子面が端面24と平行になってい
れば、回折X線が端面24に対して角度θで出ていっ
て、C点上のX線検出器34で検出される。図2におい
て、A点、E点、C点は測角平面内にあり、この測角平
面は、固定金具28の中心線29に対して45°だけ傾
斜している。固定金具28はインゴット20の上方に位
置しており、固定金具28の中心線29はインゴット2
0の中心を上下に通っている。したがって、X線回折測
定系の測角平面は、鉛直面に対して45°傾斜してい
る。
【0014】入射X線の照射点(E点)は、必ずしもイ
ンゴットの端面24の中心上にある必要はない。この方
位測定装置では、X線回折測定系の照射点高さは一定に
設定されていて、かつ、固定金具の取付位置も一定なの
で、測定しようとするインゴットの直径に応じて、イン
ゴットの端面上での照射点位置は異なる。図2に示すよ
うに、実線で示した直径12インチのインゴット20で
は、照射点(E点)は端面24のほぼ中心にくるが、一
点鎖線で示した直径8インチのインゴット21では、照
射点の位置はその端面の中心よりもかなり下方になる。
【0015】図4は、インゴット20の側方からインゴ
ットの端面24付近を見た側面図である。この側面図
は、測角平面に対して垂直な方向から見ている。入射X
線36が端面24に対して角度θとなるように、X線管
32は配置されており、また、端面24から角度θで反
射してきた回折X線38が検出できるように、X線検出
器34が配置されている。入射X線36に対する回折X
線38のなす角度(回折角)は2θである。X線の波長
と、測定したい結晶格子面の格子面間隔とが決まれば、
この回折角2θが定まる。もし、結晶格子面がインゴッ
トの端面24に完全に平行になっていれば、X線管32
とX線検出器34とがこの配置のときに、回折X線が検
出される。結晶格子面が端面24に対して傾斜していれ
ば、この状態では回折X線が検出されず、X線管32と
X線検出器34との相対関係を保ったまま(すなわち、
回折角2θを保ったまま)、端面24上のE点を中心と
して、測角平面内でX線管32とX線検出器34とを一
体で回動する。そして、回折X線の検出できる回動角度
δを測定する。この回動角度δが、結晶格子面の偏差角
に関する情報となる。
【0016】ところで、X線回折測定系の回動角度δの
原点調整は、実際は、インゴットの端面24に対してで
はなくて、固定金具28の基準面27a、27bに対し
てなされている。インゴットを固定金具28に固定する
ごとに、インゴットの端面24と固定金具28の基準面
27a、27bとの相対位置関係は変化してしまうの
で、そのたびにインゴットの端面24とX線回折測定系
との角度関係を微調整して、X線回折測定系の回動角度
の原点調整をするのは現実的ではない。したがって、固
定金具28の基準面27a、27bに対して、X線回折
測定系の回動角度の原点調整がなされている。すなわ
ち、固定金具28の基準面27a、27bに対して垂直
になるように仮想的なインゴット端面が想定され、この
仮想的なインゴット端面に対して、結晶格子面の偏差角
が測定される。
【0017】なお、結晶格子面の法線は、一般には、測
角平面内には存在しない。したがって、回折X線38
は、一般には、測角平面内には存在しない。ただし、結
晶格子面の偏差角が小さければ(例えば数度以内であれ
ば)、測角平面に対して垂直な方向に回折X線がずれて
いても、この回折X線をX線検出器で検出できるように
なっている。そして、測定するのは、あくまでも、測角
平面内での回動角度δである。
【0018】図3は、結晶格子面の偏差角情報を測定す
る手順を示した正面図である。図3(a)は、図2に示
した状態と同じ配置である。この状態で、回折X線の検
出できる回動角度δを測定し、これをδ1とする。次
に、(a)の状態からX線回折測定系(X線管32とX
線検出器34)を、インゴット20の軸方向(端面24
の法線方向)の回りに、端面24を正面に見て時計方向
に90°だけ回転して、図3(b)の状態にする。そし
て、同様に、回折X線の検出できる回動角度δを測定
し、これをδ2とする。次に、インゴット20と固定金
具28をインゴットの軸方向に後退させて、インゴット
の端面24をX線回折測定系から遠ざける。それから、
X線回折測定系を時計方向に90°回転して、図3
(c)の状態にする。そして、インゴット20と固定金
具28を軸方向に移動して、再び、端面24をX線回折
測定系の照射点に合わせるようにする。このように、一
時的にインゴット20と固定金具28を軸方向に後退さ
せたのは、図3(b)から図3(c)に移行するために
X線回折測定系を回転させたときに、X線検出器34が
固定金具28に衝突しないようにするためである。固定
金具28は、インゴット20の端面24よりも軸方向に
突き出しているので、もし固定金具28を後退させなけ
れば、X線検出器34が固定金具28に衝突する恐れが
ある。なお、図3(a)から図3(b)に移行すると
き、及び、図3(c)から図3(d)に移行するとき
は、X線回折測定系を90°回転しても、X線検出器3
4やX線管32は固定金具28の近くを通過しないの
で、固定金具28を後退させる必要はない。
【0019】図3(c)の状態で、回折X線の検出でき
る回動角度δを測定し、これをδ3とする。次に、X線
回折測定系を時計方向にさらに90°回転して、図3
(d)の状態にする。そして、回折X線の検出できる回
動角度δを測定し、これをδ4とする。以上のようにし
て、4方向での回動角度δが測定できたので、これらを
もとにして、結晶格子面の偏差角を演算することができ
る。回動角度δ1とδ3は、線分ACを含む測角平面内
における、結晶格子面の偏差角成分を表す。このδ1と
δ3は、原理的には、絶対値が同じで符号が反対にな
る。このδ1とδ3の絶対値の平均値を求めて、線分A
Cを含む測角平面内における偏差角成分としている。ま
た、この偏差角成分の符号は、例えば、δ1の符号を採
用すると決めておけばよい。また、回動角度δ2とδ4
は、線分BDを含む測角平面内における、結晶格子面の
偏差角成分を表し、やはり、原理的には、絶対値が同じ
で符号が反対になる。このδ2とδ4の絶対値の平均値
を求めて、線分BDを含む測角平面内における、結晶格
子面の偏差角成分としている。この偏差角成分の符号
は、例えば、δ2の符号を採用すると決めておけばよ
い。このように、互いに直交する二つの方向における偏
差角成分を求めることができ、これを方位角測定装置の
表示画面に表示するようにしている。この二つの偏差角
成分を用いることにより、切断装置において、結晶格子
面に対して指定角度となるようにインゴットからウェー
ハを切り出すことができる。
【0020】さらに、二つの偏差角成分を基にして、偏
差角の真の値とその傾斜方向とを演算で求めることもで
きる。互いに直交する平面内におけるそれぞれの偏差角
成分から、結晶格子面の真の偏差角とその傾斜方向と求
める具体的な方法は、例えば、「X線による水晶の方位
測定」(QIAJニュース別冊、全国水晶振動子工業組
合、1988年9月)に詳しく記載されている。
【0021】図5は上述の測定方法を実施するための方
位測定装置の一例を示す側面図である。インゴット20
は固定金具28に固定されており、この固定金具28
は、並進移動台40に固定された1対の支持腕30(図
1参照)に引っ掛けられて固定される。並進移動台40
は、図示しない並進駆動機構で駆動されて、ガイド棒4
2に沿って並進移動する。ガイド棒42は方位測定装置
のフレームに固定されている。
【0022】X線管32とX線検出器34とを含むX線
回折測定系は、扇形のゴニオメータ基台44に搭載され
ている。X線管32はX線管支持台46に載っていて、
このX線管支持台46は、ゴニオメータ基台44上で、
回転中心(E点)を中心として回動できる。X線検出器
34はX線検出器支持台48に載っていて、このX線検
出器支持台48も、ゴニオメータ基台44上で、回転中
心(E点)を中心として回動できる。ゴニオメータ基台
44は、モータ50の回転軸52に結合されていて、回
転軸52の中心線(上述のE点を通過する。)の回りを
回転できる。
【0023】この方位測定装置を用いて方位測定を行う
手順は、図3に示した通りである。この場合、図3
(b)から図3(c)に移行するときには、並進移動台
40を図5の左方向に一時的に後退させて、モータ50
によりX線回折測定系を90°回転させている。それか
ら、並進移動台40をまた元に戻している。図5におい
ては、並進移動台40と固定金具28とインゴット20
が後退したときの位置が実線で示されている。インゴッ
トの方位を測定するときの位置は一点破線54で示され
ている。このとき、インゴットの端面24上に照射点
(E点)が合っている。
【0024】インゴットの長さLはさまざまであるが、
短いインゴットの場合は、固定金具28や並進移動台4
0が、インゴット端面24から長く突き出すことにな
る。このような場合でも、図3(b)から図3(c)に
移行するときには、並進移動台が後退できるので、X線
回折測定系が回転しても固定金具28や並進移動台40
に衝突しない。
【0025】図5の方位測定装置の仕様を説明すると、
この装置はシリコン単結晶インゴットの方位測定をする
ものであり、シリコン単結晶インゴットの製造時の引き
上げ結晶軸は<100>を想定している。そして、X線
回折測定系は、(400)結晶格子面からの回折X線を
検出するように設定されている。測定できるインゴット
寸法は、直径8インチまたは12インチであり、測定可
能なインゴット最大長さは300mmである。X線検出
器34としては2インチのシンチレーションカウンタを
用いている。X線回折測定系の回動角度δの測定精度は
±1分である。なお、これらの具体的な仕様は変更可能
であり、例えば、測定可能なインゴット最大長さは相当
長く(例えば1mに)することもできる。
【0026】図6は、方位測定されたインゴットを切断
装置に取り付けるための構造を示す斜視図である。イン
ゴット20は固定金具28に固定された状態のままであ
り、この固定金具28が、切断装置側の受け金具56に
ボルトで固定される。インゴット20の方位測定では、
固定金具28を基準として結晶格子面の偏差角が測定さ
れているので、切断装置においては、これが有効に利用
される。すなわち、切断装置の受け金具56に固定金具
28が正確に位置決めされるので、切断装置側の座標系
において、固定金具28の位置が正確に定まり、この固
定金具28を基準として結晶格子面の偏差角が求まって
いることになる。したがって、インゴットの結晶格子面
に対して指定の切断角度でウェーハを切り出そうとする
場合に、切断装置側の座標系において上述の偏差角を考
慮するだけで切断角度を設定することができる。換言す
れば、切断装置とインゴットとの相対位置関係を計測す
る必要が全くなくなる。
【0027】上述の実施例では、方位測定装置のフレー
ムに対して、インゴットと固定金具をインゴットの軸方
向に並進移動させているが、その代わりに、インゴット
と固定金具を静止させておいて、X線回折測定系の方を
インゴットの軸方向に並進移動させてもよい。
【0028】なお、上述の実施例の説明では、その図面
において、インゴット20の外周面は単なる円筒面とし
て描かれているが、実際は、方位測定の前にあらかじめ
オリフラ加工(またはこれに代わるノッチ等)が外周面
に施されているのが一般的である。また、オリフラ加工
をせずに方位測定をする場合もあるが、その場合は、方
位測定の後にオリフラ加工とウェーハ切断が実施され
る。本発明は、オリフラ加工を施したインゴットについ
ても、施さないインゴットについても、どちらにも適用
できるものである。
【0029】
【発明の効果】この発明の単結晶インゴットの方位測定
方法は、インゴットに固定金具を取り付けた状態で、X
線回折測定系を回転させて4種類の方向から結晶格子面
の偏差角関連情報を測定することができる。その場合、
途中で、インゴットと固定金具とをインゴットの軸方向
に一時的に後退させてから、X線回折測定系を回転させ
ているので、X線回折測定系と固定金具とが衝突しな
い。また、偏差角関連情報は固定金具を基準として測定
されるので、方位測定をしたインゴットを取り付けたま
まの固定金具を切断装置に取り付ければ、切断装置とイ
ンゴットとの相対位置関係を計測することなく、偏差角
関連情報をそのまま用いるだけで、結晶格子面に対して
指定角度になるようにインゴットからウェーハを切り出
すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の測定方法の一例を示す斜視図であ
る。
【図2】一つの測定状態を示す正面図である。
【図3】結晶格子面の偏差角情報を測定する手順を示し
た正面図である。
【図4】インゴットの端面付近を見た側面図である。
【図5】方位測定装置の一例を示す側面図である。
【図6】インゴットを切断装置に取り付けるための構造
を示す斜視図である。
【図7】従来の測定方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
20 インゴット 24 端面 28 固定金具 30 支持腕 32 X線管 34 X線検出器 36 入射X線 38 回折X線 40 並進移動台 44 ゴニオメータ基台 50 モータ 52 回転軸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の各段階を備える単結晶インゴットの
    方位測定方法。 (イ)円筒形状の単結晶インゴットに固定金具を固定す
    る段階。 (ロ)前記固定金具を方位測定装置に取り付ける段階。 (ハ)前記インゴットの一方の端面上にX線回折測定系
    の照射点を合わせる段階。 (ニ)前記端面にX線を照射してそこからの回折X線を
    検出することにより、前記固定金具を基準としてインゴ
    ットの端面と結晶格子面とのなす角度(以下、偏差角と
    いう。)に関する第1の情報を得る段階。 (ホ)前記インゴットを静止したままで、X線回折測定
    系を前記インゴットの軸方向の回りに一定方向に90°
    回転する段階。 (ヘ)前記端面にX線を照射してそこからの回折X線を
    検出することにより、前記固定金具を基準として前記偏
    差角に関する第2の情報を得る段階。 (ト)前記インゴットと前記固定金具を前記X線回折測
    定系に対して前記インゴットの軸方向に相対的に移動さ
    せて、前記端面を前記X線回折測定系から遠ざける段
    階。 (チ)前記X線回折測定系を前記インゴットの軸方向の
    回りに前記一定方向に90°回転する段階。 (リ)前記インゴットを前記X線回折測定系に対して前
    記インゴットの軸方向に相対的に移動させて、前記端面
    上に前記照射点を合わせる段階。 (ヌ)前記端面にX線を照射してそこからの回折X線を
    検出することにより、前記固定金具を基準として前記偏
    差角に関する第3の情報を得る段階。 (ル)前記インゴットを静止したままで、X線回折測定
    系を前記インゴットの軸方向の回りに前記一定方向に9
    0°回転する段階。 (ヲ)前記端面にX線を照射してそこからの回折X線を
    検出することにより、前記固定金具を基準として前記偏
    差角に関する第4の情報を得る段階。
  2. 【請求項2】 前記第1の情報と第3の情報とに基づい
    て、前記偏差角の一方向での偏差角成分を得るととも
    に、前記第2の情報と第4の情報とに基づいて、前記一
    方向に垂直な他方向での偏差角成分を得て、これらの二
    つの偏差角成分をそれぞれ表示することを特徴とする請
    求項1記載の方位測定方法。
  3. 【請求項3】 前記二つの偏差角成分に基づいて、前記
    偏差角の値とその傾斜方向とを求めることを特徴とする
    請求項2記載の方位測定方法。
  4. 【請求項4】 前記インゴットの上方に前記固定金具が
    来るように前記固定金具を前記方位測定装置に取り付
    け、前記第1の情報を得る段階では前記X線回折測定系
    の測角平面が鉛直面に対して45°傾斜していることを
    特徴とする請求項1記載の方位測定方法。
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