JPH0935343A - 光磁気記録媒体及び該媒体の情報再生方法 - Google Patents

光磁気記録媒体及び該媒体の情報再生方法

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JPH0935343A
JPH0935343A JP18426395A JP18426395A JPH0935343A JP H0935343 A JPH0935343 A JP H0935343A JP 18426395 A JP18426395 A JP 18426395A JP 18426395 A JP18426395 A JP 18426395A JP H0935343 A JPH0935343 A JP H0935343A
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Takeshi Okada
岡田  健
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 面内磁化膜を用いた超解像型光磁気記録媒体
において、再生パワーの低減を図る。 【解決手段】 基板側誘電体層の膜厚、屈折率を使用す
るレーザー光の波長により調整することによって再生パ
ワーを低減する。 波長500nm〜600nmの場合、 屈折率2.0以上2.3以下 膜厚40nm以上60nm以下 波長600nm〜730nmの場合、 屈折率2.0以上2.3以下 膜厚40nm以上70nm以下 波長730nm〜850nmの場合、 屈折率2.1以上2.3以下 膜厚50nm以上90nm以下

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気光学効果を利
用してレーザー光により情報の記録再生を行う光磁気記
録媒体に関し、媒体の高密度化を可能とする光磁気記録
媒体及び光磁気再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】書き換え可能な高密度記録媒体として、
半導体レーザーの熱エネルギーを用いて、磁性薄膜に磁
区を書き込んで情報を記録し、磁気光学効果を用いて、
この情報を読み出す光磁気記録媒体が注目されている。
又、近年、この光磁気記録媒体の記録密度を高めて更に
大容量の記録媒体とする要求が高まっている。
【0003】この光磁気記録媒体等の光ディスクの線記
録密度は、再生光学系のレーザー波長λ、対物レンズの
開口数NAに大きく依存する。即ち、再生光波長と対物レ
ンズの開口数が決まるとビームウエストの径が決まるた
め、最短マーク長はλ/2NA程度が再生可能な限界となっ
てしまう。
【0004】一方トラック密度は、主として隣接トラッ
ク間のクロストークによって制限され、最短マーク長と
同様に再生ビームのスポット径に依存している。
【0005】従って、従来の光ディスクで高密度化を実
現するためには、再生光学系のレーザー波長を短くする
か、対物レンズの開口数NAを大きくする必要がある。し
かしながら、レーザーの波長を短くするのはレーザー素
子の効率、発熱などの問題で容易ではなく、又、対物レ
ンズの開口数を大きくするとレンズの加工が困難になる
だけでなく、レンズとディスクの距離が近づき過ぎてデ
ィスクと衝突する等の機械的問題が発生する。このた
め、記録媒体の構成や読み取り方法を工夫し、記録密度
を改善する技術が開発されている。
【0006】例えば、特開平3-93056号公報に開示され
た光磁気再生方法では、図14に示すような媒体構成が
提案されている。図14(a)は、超解像技術の一例であ
る光ディスクの断面図を示している。基板20は通常ガラ
スあるいはポリカーボネートの様な透明な材料であり、
基板20上に干渉層34、再生層31、中間層32、メモリ層3
2、保護層35の順に積層する。干渉層34はカー効果を高
めるため、保護層35は磁性層の保護のために用いられる
ものである。磁性層中の矢印は、膜中の磁化もしくは原
子磁気モーメントの向きを表す。再生層、中間層、メモ
リ層の構成の媒体に光スポットを照射し、その際に生じ
る媒体の温度分布のうち、高温部分(Tth以上の温度領
域)の再生層とメモリ層の磁気的結合をキュリー温度の
低い中間層により切断し、外部磁界により前記磁気的結
合が切断された部分の再生層の磁化を一方向にそろえ
て、光スポット内のメモリ層の磁区情報を一部マスクす
ることにより、光の回折限界以下の周期の信号を再生可
能とし、線記録密度の向上を試みている。
【0007】又、特開平3-93058号公報及び特開平4-255
946号公報に開示された超解像再生方法では、第15図に
示すように再生層31、中間層32とメモリ層33からなる媒
体を用いる。情報再生に先立って初期化磁界21により再
生層31の磁化の向きを一方向に揃えてメモリ層33の磁区
情報をマスクした後に光スポット2を照射し、その際に
生じる媒体の温度分布のうち、低温領域(Tth以下の温
度領域)では再生層31に初期化状態を維持させ(フロン
トマスク4を形成する)、中間層32のキュリー温度Tc2以
上の高温領域では再生層31を再生磁界22の方向に強制的
に配向させ(リアマスク5を形成する)、中温領域のみ
でメモリ層33の磁区情報が転写されるようにして再生ス
ポットの実効的な大きさを小さくすることにより、光の
回折限界以下の記録マーク1を再生可能とし、線密度の
向上を図っている。
【0008】又、特開平6-124500号公報に開示された光
磁気記録媒体では、再生光の光学的な分解能以上の記録
密度を実現する超解像技術として、図16に示すような
媒体構成が提案されている。
【0009】図16(a)は、超解像技術の一例である光
ディスクの断面図を示している。磁性膜中の矢印は膜中
の鉄族元素副格子磁化の向きを表す。
【0010】メモリ層42は例えばTbFeCoやDyFeCoなどの
垂直磁気異方性の大きい膜で、記録情報はこの層の磁区
が膜面に対して上向きか下向きかによって磁区を形成し
保持される。再生層41は室温では面内磁化膜だが温度が
上昇してTl-maskになると垂直磁化膜となる。
【0011】このような媒体構成のディスクに基板20側
から情報再生用の光を照射すると、データトラック中心
での温度勾配は図16(c)に示すようになり、これを基
板20側から見ると、図16(b)の様にスポット内に
Tl-maskの等温線が存在することになる。すると、先述
のようにTl-mask以下の部分では再生層41は面内磁化膜
となるため極カー効果には寄与せず(フロントマスク4
を形成する)、メモリ層42に保持された記録磁区はマス
クされて見えなくなる。一方、Tl-mask以上の部分は再
生層41が垂直磁化膜になり、且つ磁化の向きはメモリ層
42からの交換結合により記録情報と同じ向きとなる。結
果として、スポット2の大きさに比べて小さいアパーチ
ャ3の部分だけにメモリ層42の記録磁区が転写されるの
で、超解像が実現する。
【0012】これらの公知の超解像方式では、低温領域
でのフロントマスク4が隣接するトラックの方向にのび
ているために、線記録密度と同時にトラック密度の向上
を図れる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
3-93056号公報に開示された方法では信号品質を落とさ
ずに解像力を上げられる反面、再生磁界を印加する必要
があり、さらに特開平3-93058号公報及び特開平4-25594
6号公報に開示された方法では情報再生に先立って再生
層31の磁化を一方向に揃えなければならず、そのための
初期化磁石21を従来の装置に追加することが必要とな
る。又、特開平6-124500号公報に開示された超解像再生
方法ではフロントマスク4のみを用いるために、解像度
を上げるためにマスクの領域を広げるとアパーチャ3の
位置がスポット中心から外れ、信号品質が劣化するなど
の問題があった。
【0014】以上のように、従来の超解像再生方法は、
解像力が十分上げられなかったり、光磁気記録再生装置
が複雑化し、コストが高くなる、小型化が難しい等の問
題点を有していた。
【0015】また、これらの超解像技術を用いる再生方
法では、再生時に温度勾配を用いて、情報の再生を行う
ため、超解像技術を用いずに再生を行う場合に比べて、
再生パワーが高くなるという問題がある。再生パワーが
高くなると再生耐久性の悪化、消費電力の上昇、記録感
度の上限は半導体レーザのパワーの上限で決まるため、
再生パワーのマージンが狭くなるなどの問題が生じるこ
とから再生パワーは低く抑えることが望ましい。
【0016】本発明は、このような問題点の解決を図る
ものとして、光の回折限界以下の記録マークを、低い再
生パワーで高い信号品質で再生可能とする光磁気記録媒
体及び該媒体を用いた光学的情報再生方法の提供を目的
とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的は、第1の誘電
体層と、室温で面内磁化膜で、室温とキュリー温度の間
で垂直磁化膜となる第1磁性層と、前記第1磁性層より
大きな保磁力と低いキュリー温度を有する記録情報が蓄
積される垂直磁化膜からなる第2磁性層と、前記第1磁
性層及び第2磁性層間に設けられ、それらの磁性層のキ
ュリー温度より低いキュリー温度を有する第3磁性層
と、第2の誘電体層とを順次透明基板上に積層してなる
光磁気記録媒体において、前記媒体に記録された情報を
再生するために用いるレーザー光の波長を500nm以
上600nm未満とした場合、第1の誘電体層の屈折率
を2.0以上2.3以下、膜厚を40nm以上60nm
以下としたことによって達成される。
【0018】又、第1の誘電体層と、室温で面内磁化膜
で、室温とキュリー温度の間で垂直磁化膜となる第1磁
性層と、前記第1磁性層より大きな保磁力と低いキュリ
ー温度を有する記録情報が蓄積される垂直磁化膜からな
る第2磁性層と、前記第1磁性層及び第2磁性層間に設
けられ、それらの磁性層のキュリー温度より低いキュリ
ー温度を有する第3磁性層と、第2の誘電体層とを順次
透明基板上に積層してなる光磁気記録媒体において、前
記媒体に記録された情報を再生するために用いるレーザ
ー光の波長を600nm以上730nm未満とした場
合、第1の誘電体層の屈折率を2.0以上2.3以下、
膜厚を40nm以上70nm以下としたことによって達
成される。
【0019】又、第1の誘電体層と、室温で面内磁化膜
で、室温とキュリー温度の間で垂直磁化膜となる第1磁
性層と、前記第1磁性層より大きな保磁力と低いキュリ
ー温度を有する記録情報が蓄積される垂直磁化膜からな
る第2磁性層と、前記第1磁性層及び第2磁性層間に設
けられ、それらの磁性層のキュリー温度より低いキュリ
ー温度を有する第3磁性層と、第2の誘電体層とを順次
透明基板上に積層してなる光磁気記録媒体において、前
記媒体に記録された情報を再生するために用いるレーザ
ー光の波長を730nm以上850nm未満とした場
合、第1の誘電体層の屈折率を2.1以上2.3以下、
膜厚を50nm以上90nm以下としたことによって達
成される。
【0020】又、上記各媒体にレーザー光を照射し、レ
ーザー光照射によって生ずる温度分布により、光スポッ
ト内に、主に面内に磁化が配向してメモリ層の磁化情報
を光学的にマスクする部分と、第1磁性層をレーザー光
照射で昇温することにより垂直磁化膜とし前記第2磁性
層に記録された磁気信号を第1磁性層に転写する部分
と、垂直磁化膜となった第1磁性層の記録磁区が反転し
て磁化が消去方向に配向する部分とを生ぜしめ、前記レ
ーザー光の反射光を検出することにより前記媒体に記録
された情報を再生することによって達成される。
【0021】詳しくは御述の実施例にて説明する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の光磁
気記録媒体及び該媒体を用いた情報再生方法について詳
しく説明する。本発明の光磁気記録媒体の基本構成は、
図1に示されるように第1、第2の保護誘電体層、第1
磁性層、及び第1磁性層より保磁力の大きい垂直磁化膜
である第2磁性層、キュリー温度が第1、第2磁性層よ
りも低い第3磁性層とからなる。以下、この媒体を用い
て説明を行う。尚、第1磁性層を再生層、第2磁性層を
メモリ層、第3磁性層を中間層と称する。
【0023】再生層は、メモリ層に保持した磁化情報の
再生を担う層で中間層、メモリ層に比べて光の入射に近
い側に位置し、再生時にカー回転角が劣化しないように
キュリー温度を中間層、メモリ層より高くする。また再
生層の保磁力はメモリ層よりも小さいことが必要であ
る。好ましくは、磁気異方性が小さいもの、室温で面内
磁化膜で、高温で垂直磁化膜となり、室温とキュリー温
度の間に補償温度があるものが良い。再生層の材料とし
ては、例えば希土類−鉄族非晶質合金、例えばGdFeCo,G
dTbFeCo,GdDyFeCo,NdGdFeCoなどGdFeCoを主に含む材料
がキュリー温度が高く、保持力が低く、高温領域での記
録磁区の収縮が容易に起きるので望ましい。
【0024】中間層は主にメモリ層から再生層への交換
結合力を、部分的に媒介し部分的に低減もしくは切断す
る目的で設けている。そこで中間層は、再生層とメモリ
層の間に位置し、キュリー温度を室温より高く、再生層
及びメモリ層のキュリー温度より低くする。中間層のキ
ュリー温度は、光スポット内の中温部、高温部で再生層
にメモリ層からの交換結合力を媒介できる程度に大き
く、最高温度部で交換結合力を切断できる程度に小さ
く、具体的には80℃以上で220℃以下が良く、より
望ましくは110℃以上で180℃以下が良い。中間層
の材料としては、例えば希土類−鉄族非晶質合金、例え
ば、GdFe,GdFeCo,GdTbFeCo,GdDyFeCoなどが良い。
【0025】メモリ層は、記録情報を保存する層で、磁
区を安定に保持できることが必要である。記録の材料と
しては、垂直磁気異方性が大きく安定に磁化状態が保持
できるもの、例えばTbFeCo,DyFeCo,TbDyFeCoなどの希土
類ー鉄族非晶質合金、ガーネット、あるいは、白金族ー
鉄族周期構造膜、例えば、Pt/Co,Pd/Co 白金族−鉄族合
金、例えばPtCo,PdCoなどであっても良い。
【0026】再生層と中間層とメモリ層には、Al,Ti,P
t,Nb,Crなどの耐食性改善のための元素添加を行なって
も良い。
【0027】第1、第2の誘電体層は光の干渉効果、及び
保護性能を高めるために設けられている。誘電体層とし
てはSiNx、AlOx,TaOx、BiOx、SiO
x等が適している。保護性能とは化学的な防食効果で、
膜厚が厚いほど効果的であり、40nm未満の膜厚では
不十分である。そこで本発明の超解像媒体においては第
1誘電体層は40nm以上であることが望ましい。
【0028】次に、本発明の主眼である再生パワーの低
減について説明する。再生パワーを低減するためには、
磁性層の物性すなわち中間層のキュリー温度や再生層が
メモリ層の磁化を転写する温度および、再生層がメモリ
層の磁化をマスクする温度を変化させることにより、再
生パワーを低減することも可能であるが、その場合に
は、図2に示すように再生層の磁化がメモリ層に転写す
る温度Tl−maskが低下し、温度勾配の緩やかな部
分で転写が生じることとなる。そのため、アパーチャ領
域とフロントマスク領域との間に生じる磁化遷移領域
(面内磁化から垂直磁化に磁化が遷移する領域)が大き
くなり、その結果、その部分が再生信号のノイズ成分と
なり信号品位の低下、クロストークの増加などの問題を
生じる。
【0029】本発明ではこのため媒体の反射率を調整す
ることによって媒体上の温度分布を変えずに再生パワー
を低減している。尚、媒体の反射率を下げることによ
り、メモリ層がキュリー温度に達し、磁化情報が破壊さ
れる再生パワー限界も低くなり、再生パワーマージンが
小さくなることも考えられるが、その場合にはメモリ層
の組成を変化させることによりメモリ層のキュリー温度
を上げることによりその問題は解決できる。
【0030】光磁気記録媒体において、実用的な再生パ
ワーとなりなおかつ安定なトラッキングが行えるように
するには光磁気記録媒体の盤面内の平坦部において透明
基板側からの入射光に対する反射率が15〜22%であるよ
うに、第1誘電体層の屈折率及び膜厚が選ばれなければ
ならない。
【0031】図9〜11はポリカーボネイト基板上に第
1誘電体層としてSiNx、再生層としてGdFeC
o、中間層としてGdFeCo、メモリ層としてTbF
eCo、第2誘電体層として、SiNxとした場合のポ
リカーボネイト側から入射した光に対する反射率の第1
誘電体層の膜厚依存性を示した図である。レーザーの波
長および第1誘電体層のSiNxの屈折率を変化させて
いる。
【0032】このとき、反射率の測定には、溝のないデ
ィスク上に上述の誘電体層と磁性層を成膜し、その反射
率を光度計等で測定しても良い。あるいは、溝付ディス
ク上に上述の誘電体層と磁性層を成膜し、そのディスク
の鏡面部における反射率を測定しても良い。鏡面部を持
たないディスクで測定する場合には、案内溝部による反
射率の低下を考慮して設計する必要がある。
【0033】再生に使用するレーザーの波長が730nm以
上850nm未満の場合、屈折率は2.1以上でないと反射率を
22%以下にすることができない(図11参照)。逆に前
述した材料について屈折率を2.3より大きくした場合、
膜質、製造マージン、保護性能等に問題が生じるため、
屈折率は2.3以下にすることが望ましい。また、反射率
が極小値となる膜厚付近にすることにより再生パワーが
低減し、なおかつ、θkが大きくなることから膜厚は5
0nm以上90nm以下にする。特に、屈折率が2.1以
上2.3以下の範囲において、常に反射率が極小となる6
0nm以上80nm以下にすることにより第1誘電体層
の製造マージンが広がる。
【0034】同様にレーザー波長600nm以上730nm未満の
範囲では図10より屈折率は2.0以上2.3以下であ
って、膜厚が40nm以上70nm以下であることによ
り再生パワーの低減が実現する。より望ましくは膜厚は
50nm以上60nm以下とすることにより保護性能も
十分に得られ、θk増大によりC/Nも増加する。
【0035】500nm以上600nm未満の範囲では図9より屈
折率は2.0以上2.3以下であって、膜厚が40nm
以上60nm以下であることにより再生パワーの低減が
実現する。より望ましくは膜厚は50nm以上60nm
以下とすることにより保護性能も十分に得られる。
【0036】熱伝導性改良のためAl,AlTa,AlTi,AlCr,Cu
などの熱伝導性の良い層を設けても良い。また、光変調
オーバーライトを行なうために磁化を一方向に揃えた初
期化層、交換結合力または静磁結合力を調節するための
記録補助、再生補助のための補助層を設けても良い。更
に保護膜として前記誘電体層や高分子樹脂からなる保護
コートを付与しても良い。
【0037】次に上記媒体の記録、再生プロセスを説明
する。
【0038】先ず、本発明の光磁気記録媒体のメモリ層
にデータ信号に応じて記録磁区を形成する記録プロセス
についていくつか説明する。
【0039】第1の記録方法として、一度消去した後
に、記録方向に磁界を印加しながらレーザーパワーを変
調して行う。第2の記録方法として、外部磁界を印加し
ながらレーザーパワーを変調して旧データのうえに新デ
ータをオーバーライト記録する。これらの光変調記録の
場合、光スポット内の所定領域のみがメモリ層のキュリ
ー温度近傍になる様に記録媒体の線速度を考慮してレー
ザー光の強度を決定すれば、光スポットの径以下の記録
磁区が形成でき、その結果、光の回折限界以下の周期の
信号を記録できる。又は、第3の記録方法として、メモ
リ層がキュリー温度以上になるようなパワーのレーザー
光を照射しながら外部磁界を変調してオーバーライト記
録をする。この場合は変調速度を線速度に応じて高速に
すれば光スポットの径以下の記録磁区が形成でき、その
結果、光の回折限界以下の周期の信号を記録できる。ま
た、後述のメカニズムから明らかなように、本発明の超
解像が安定して機能するためには、記録マークの周囲の
磁化がマークと逆の方向を向いている必要がある。
【0040】最も一般的な第1の記録方法では、まず一
定の磁界を印加した状態でレーザパワーをハイパワーで
一定とし、記録しようとするトラックの磁化を初期化
(消去動作)し、その後磁界の向きを反転した状態でレ
ーザパワーを強度変調して所望の記録マークを形成す
る。その時、記録マークの周囲に磁化の向きがランダム
な部分があると、再生の際ノイズの原因となるため、再
生信号品質を上げるためには記録マークよりも広い幅で
消去しておくことが一般に行われている。したがって、
記録された磁区の周囲の磁化は必ず磁区と逆を向いてい
ることになるため、この記録方法においては、本発明の
超解像は安定に動作する。
【0041】また、第2の記録方法では、特開昭62−
175948に記載されているような構成の媒体(この
媒体は記録情報を保持するメモリ層の他に、記録に先立
って磁化が一方向に向けられている、メモリ層よりキュ
リー温度が高く、保磁力の小さな磁性層を備えてい
る。)を用い、記録に先立つ消去動作を必要としないが
この媒体に記録を行う場合には、書き込み層とは逆向き
の一定の磁界を印加しながら記録情報に応じてレーザ強
度をPh,Pl(Ph>Pl)の間で変調する。媒体が
Phに相当する温度Thまで昇温すると、Thは書き込
み層のTcとほぼ等しく設定されているのでメモリ層と
書き込み層の磁化は外部磁界の方向を向いて磁区を形成
し、媒体がPl相当の温度Tlまでしか昇温しないと磁
化の向きは書き込み層と同じ向きとなる。このプロセス
はあらかじめ記録されていた磁区とは無関係に起こる。
ここで、媒体にPhのレーザを照射した時を考えると、
記録磁区を形成する部分はThに昇温しているが、この
時の温度分布は2次元的に広がった形となっているの
で、レーザをPhまで上げたとしても磁区の周囲には必
ずTlまでしか昇温しない部分が生じる。したがって記
録磁区の周囲には反対向きの磁化を持った部分が存在す
ることになる。即ち、この記録方法においても本発明の
超解像は安定に動作する。
【0042】さらに別の記録方法として先述の外部磁界
の向きを交番状に変化させる磁界変調記録が挙げられ
る。これは、レーザをハイパワーでDC照射しながら磁
界変調するものであるが、前に記録されていた磁区の履
歴を残さずに新たな情報を記録するためには、磁区を形
成する幅は常に一定にしなければならない。従って、こ
の場合は何らかの処置を施さなければ記録磁区の周囲に
磁化の向きがランダムな領域が存在してしまい、本発明
の超解像は安定に動作しないことになる。従って、磁界
変調記録を行う場合には、媒体の出荷時あるいは一回目
の記録に先立って、通常の記録パワーよりも大きいパワ
ーで初期化動作を行っておくか、ランド、グルーブの両
方に対して予め全面的に磁化の初期化を行う必要があ
る。
【0043】次に本発明の媒体の再生プロセスについて
説明する。
【0044】図2は本発明の光ディスクにレーザ光を照
射しながら、向かって右にディスクが移動したときのス
ポットの様子及び各磁性層の磁化状態を示している。こ
の時ディスクはおよそ9m/s程度で移動しており、レ
ーザ照射による熱の蓄積があるために、膜温度が最大と
なる位置はレーザスポットの中心よりも後ろ側になる。
【0045】先ず、スポット2の進行方向に対して前縁
側では、媒体の温度は室温からそれほど上がっていな
い。再生層11と中間層12の飽和磁化Msは、スポッ
ト中の低温領域ではどちらの層も飽和磁化Msが大きく
垂直磁気異方性Kuが小さい。この時、再生層11の垂
直磁気異方性Ku1 、飽和磁化Ms1 、中間層12
を介してメモリ層13からの交換結合力によって再生層
11の磁化を垂直方向に向けるエネルギーをEw13と
すると、 (数1)2πMs2>Ku+Ew13 が成り立つ場合には、再生層11の磁化は膜面内を向く
ことになる。特に、中間層12の飽和磁化は再生層11
よりもさらに大きく面内異方性が強いので、垂直磁化膜
であるメモリ層13と面内磁化膜である再生層11の間
の界面磁壁エネルギーを中間層12で吸収する作用があ
る。従って中間層12を入れることにより、中間層12
がない場合に比べて、再生層11の膜厚を薄くした場合
でも磁化の向きが膜面内になり、メモリ層13の磁化は
転写されずにフロントマスク4を形成する。
【0046】次に、スポット2 の照射により媒体温度
が上がってくると、再生層11、中間層12の飽和磁化
Msは次第に小さくなっていく。そこで、図8に示すよ
うに媒体が所定温度Tl-maskに到達し、 (数2)2πMs2<Ku+Ew13 になると、再生層11は垂直磁化膜となると同時にメモ
リ層13と交換結合するので、メモリ層13に保持され
た磁区が再生層11に転写されてアパーチャ3を形成す
る。さらに温度が上がって中間層12のキュリー温度T
c2よりも高くなると、再生層11とメモリ層13との
間の交換結合力がなくなる。この温度で再生層11は希
土類元素副格子磁化優勢であり、メモリ層13が鉄族元
素副格子磁化優勢になるようにあらかじめ組成を調整し
ておく(即ち、アンチパラレル)と、Tc2以下の温度
で再生層11に転写されていた磁区は、磁区を保持して
いたメモリ層13からの交換結合力がなくなると同時
に、メモリ層13からの静磁結合力が逆の方向に加わる
ことになる。また再生層11も補償温度に近いために再
生層11自身の反磁界の影響も少ないので、メモリ層1
3から転写されていた再生層11の磁区はブロッホ磁壁
エネルギーに抵抗しきれずに収縮して反転してしまう。
即ち、スポット2内において中間層12のキュリー温度
Tc2以上に昇温した部分では、再生層に磁区が存在で
きずに同一方向に揃ってしまう領域が生じる。この部分
が即ち、リアマスク5である。このリアマスク5の形成
過程は、各磁性層間の相互作用に関するエネルギーのバ
ランス変化から生じるものなので、特に再生用に外部磁
界を加えずともマスクが形成される。
【0047】このアパーチャ部からリアマスクに移る過
程での、再生層11に転写された磁区の振る舞いについ
てさらに詳細に述べる。
【0048】図3は、メモリ層13から転写された再生
層11の記録磁区(以下、単に記録磁区と称する)が、
光スポットが移動する際に高温領域で収縮する過程を示
した平面図と断面図である。簡便のため図3では1つの
記録磁区の収縮過程を図示している。
【0049】又、図3では磁性材料に希土類鉄族フェリ
磁性体を想定しており、白抜き矢印30は全体の磁化
を、黒矢印31は鉄族副格子磁化を示し、再生層11は
REリッチの磁性層、メモリ層13はTMリッチの磁性
層を例として記載した。媒体の温度分布は熱伝導度に限
界があるため、光スポット中心から光スポットの移動と
反対方向にずれる。
【0050】図3(a)は、記録磁区1がアパーチャ領
域にある状態を示している。この記録磁区1には、メモ
リ層13からの交換結合力による実効的磁界Hwi以外
に、ブロッホ磁壁エネルギーによる実効的磁界Hwb、
媒体内部からの静磁界Hdが印加されている。Hwiは
再生層の記録磁区1を安定に保持するように働くが、H
wb、Hdは記録磁区を広げたり収縮させる方向に力が
働く。よって再生層11が安定的にメモリ層13の磁化
を転写するためには、記録磁区1が高温領域5に達する
までに、(数3)の条件が必要である。 (数3) |Hwb−Hd|<Hc1+Hwi (T<Th−mask) 再生層11の保磁力Hc1 は、メモリ層13からの交
換結合力によって、見かけ上大きくなるため、容易に
(数3)は成立し、安定的にメモリ層13の磁化情報を
転写して正確に記録情報を再生することが可能となる。
Hwiは、再生層11とメモリ層13の界面磁壁エネル
ギーをσwi、再生層11の記録磁区1の飽和磁化をM
s1、再生層の膜厚をh1とすると(数4)で表される
が、さらに光スポット (数4) Hwi=σwi/2Ms1h1 が移動して高温領域5に入ると、Hwiは中間層12の
キュリー温度付近に到達してσwiは急激に小さくなり
Hwiは減少する。よって再生層11が本来の保磁力の
小さい状態に戻って(数5)となり、記録磁区1のブロ
ッホ磁壁8は容易に移動するようになる。 (数5) |Hwb−Hd|>Hc1+Hwi (T>Th−mask) Hwbは再生層11のブロッホ磁壁エネルギーをσw
b、再生層11の記録磁区1の半径をrとすると(数
6)で表され、記録磁区1を収縮させる方向に働く(図
4)。 (数6)Hwb=σwb/2Ms1r よってHwbーHdが正(符号が+ )に優勢となって
(数7)となれば、記録磁区1は収縮する。 (数7)Hwb−Hd>Hc1+Hwi (T>Th−mask) こうして、図3(b)に示すように記録磁区1は高温領
域5にはいると収縮して反転し、最終的に図3(c)に
示すように、磁化はすべて消去方向に配向する。
【0051】即ち、図2に示すように、光スポット2内
の高温領域5においては、再生層11は常に消去方向に
配向した垂直磁化膜となるので、光学的なマスク(リア
マスク5)として機能する。よって図2に示したように
光スポット2は、見かけ上、高温領域5および低温の面
内磁化膜の領域(フロントマスク)を除いた狭い領域に
絞られることとなり、それ以外の領域では、アパーチャ
ー領域3となり、検出限界以下の周期の記録磁区(記録
マーク)が検出可能となる。
【0052】尚、従来の超解像方法は、特開平4−25
5947に記載されているように外部磁界Hrを用いて
(数8)の関係によってマスクを形成する。 (数8)Hr>Hc1+Hwi 本発明では外部磁界Hrの代わりに媒体内部の実効的磁
界Hw−Hdの大きさを変化させることによってマスク
を形成するため外部磁界が不要となる。
【0053】次に、高温で実効的磁界Hw−Hdを正に
優勢とさせる、即ち、記録磁区1を収縮させる方法につ
いてさらに具体的に述べる。(数7)のHdは周囲の消
去磁化からの漏洩磁界Hleak、メモリ層13の磁化
からの静磁界Hstなどからなり(数9)で表される。 (数9) Hd=Hleak±Hst このうちHleakは図4で示すように記録磁区1を拡
大させる方向に働く。高温領域で記録磁区1をより容易
に収縮させる第1の方法は、Hleakを小さくして記
録磁区1の反転を妨げる磁界を減少させる方法である。
Hleakは消失させる記録磁区周辺の再生層11の飽
和磁化をMs1”、記録磁区1の半径をrとするとおお
まかに(数10)で表される。 (数10)Hleak=4πMs1”h1/(h1+3/2r) (数10)のうち記録磁区半径rと再生層膜厚h1は、
容易には変更できないのでMs1”を小さくすることが
必要となる。このような場合、再生層に室温とキュリー
温度の間に補償温度のある材料を選択すればよい。補償
温度では磁化が小さくなるので、Hleakを小さくす
ることができる。
【0054】例として再生層11にGdFeCoを用い
た場合について述べる。図6は、それぞれ補償温度の異
なるGdFeCoのMsの温度依存性であるが、再生時
の媒体上の最高温度は再生パワーによって異なるが一般
的に図に示した最高温度はおおよそ160〜220℃に
達し、中温領域はそれより20〜60℃程度低い領域で
あるので図6のX=21のような場合にはMs1”は大き
い。このため、Hleakは大きくなってしまう。図8
(a)のように補償温度が室温とキュリー温度の間にあ
る組成を再生層11に用いると、中温および高温領域の
Msが低減してHdを減少させることができる。GdF
eCoを再生層11に用いた場合、補償温度は図7のよ
うに特に希土類元素(Gd)の組成に強く依存するの
で、主にGdFeCoを含む磁性層を再生層11に用い
た場合、Gd量を25〜35at%に設定するのが望ま
しい。
【0055】第2の方法は、メモリ層13からの静磁界
Hstを負に大きくして記録磁区1の反転を促す方法で
ある。(数7)のうちHstは、交換結合領域から高温
領域に入った時点で再生層11とメモリ層13がパラレ
ルタイプかアンチパラレルタイプかによって記録磁区1
が収縮する方向に働くかそのまま保たれるように働くか
が決まる。これは以下の理由による。
【0056】図5に示したように交換結合力は交換力の
強いTM副格子磁化の向きにならい、静磁結合力は全体
の磁化の向きにならう。図5(a)は再生層11がRE
リッチでメモリ層13がTMリッチであるアンチパラレ
ルタイプを示しているが、この場合、中間層12がキュ
リー温度付近に達して交換結合が切断するとメモリ層1
3との静磁結合力によって記録磁区1は磁化反転しよう
とする(Hstは負となる)。逆に図5(b)に示した
ようにパラレルタイプ(図では両層ともTMリッチの場
合を示している)の場合には静磁結合力は交換結合状態
を持続する方向に働く(Hstは正となる)。よって記
録磁区1を反転させるためには、アンチパラレルタイプ
の構成にすることが望ましい。
【0057】具体的には、例えば再生層11とメモリ層
13をフェリ磁性として、優勢な副格子磁化の種類をお
互いに逆にすれば良い。例えば再生層11及びメモリ層
13を希土類(RE)鉄族(TM)元素合金から構成
し、再生層11が希土類元素副格子磁化優勢(REリッ
チ)な磁性層で、メモリ層13が室温で鉄族元素副格子
磁化優勢(TMリッチ)の構成とする。尚このアンチパ
ラレルの構成は少なくとも記録磁区1が収縮する時点の
温度(上述の中温〜高温領域5において)で達成される
ことが必要である。
【0058】又、Hstの値は、円筒形磁区を想定し記
録磁区1の半径、メモリ層13の磁区からの距離、メモ
リ層の磁化Ms2を用いて大まかに、計算することがで
きる(名古屋大学博士論文、1993.3月.”希土類
−鉄族非晶質合金薄膜及びその複合膜の磁性と磁気光学
効果に関する研究”小林正のP40〜41参照)。Hs
tは、メモリ層の飽和磁化Ms2に比例する(数1
1)。 (数11) Hst ∝ Ms2
【0059】そのため、Ms2は記録情報の安定性が悪
化しない程度、消去磁化が反転しない程度に大きくする
のが望ましい。
【0060】又、上述のメモリ層13からの静磁界Hs
tは、消去方向の磁化にも働く。しかし消去方向の磁化
は、Hstによって反転した場合、高温領域5の広範囲
にわたって磁壁が形成されるため磁壁エネルギーが大き
く上昇する。従って磁化反転せずに同じ消去方向の磁化
を保つ。このため高温領域5においては常に消去方向に
磁化配向した領域が生成し、ここがリアマスク5とな
る。消去磁化が反転した場合のブロッホ磁壁エネルギー
の実効的磁界Hwb’は、反転磁区半径をRとすると
(数12)で表される。 (数12)Hwb’=σwb/2Ms1R よって消去磁化がHstによって反転しない条件は(数
13)となる。 (数13)Hwb’>Hst 以上の記録磁区1を容易に反転させて消去状態にする2
つの方法―Hleakを低減する方法及びHstを負に
大きくする方法―は、どちらか片方の方法のみを用いて
も良いが、2つの方法を併用する場合に最もよく超解像
効果を発揮する。以上のように本発明の光磁気記録媒体
を用いれば 再生時に外部磁界を印加せずに光スポット
の高温領域5で一様な方向に磁化配向させることがで
き、メモリ層13の磁化を光学的にマスクすることがで
きる。
【0061】以上説明したようなメカニズムにより、本
発明の光磁気記録媒体においては最も効率の良い超解
像、即ち、情報再生用スポットの中心付近のみが情報再
生に寄与するため高い再生信号品質が期待でき、又さら
に膜特性を最適化することでフロントマスクが形成で
き、隣接トラックからのクロストークにも強い超解像方
式が、外部磁界など従来の再生装置に新たな部品を加え
ることなしに実現できるものである。
【0062】以上、アパーチャ部において、再生層とメ
モリ層が交換結合する超解像媒体について説明したが、
本発明は再生層3が垂直磁化膜に遷移する際の、メモリ
層5との静磁結合による磁区の転写を利用してアパーチ
ャを形成するタイプの媒体にも適用できる。その際のフ
ロントマスク、リアマスクの生成のメカニズムは交換結
合によりアパーチャを形成するタイプの場合と同じであ
る。
【0063】以下に実験例をもって本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
験例に限定されるものではない。
【0064】(実験例1〜10)直流マグネトロンスパ
ッタリング装置に、Si、Gd,Tb,Fe,Coの各
タ−ゲットを取り付け、直径130mmのガラス基板及
びプリグルーブ付きのポリカーボネイト基板をタ−ゲッ
トからの距離が150mmになる位置に設置された基板
ホルダーに固定した後、1×10ー5Pa以下の高真空
になるまでチャンバ−内をクライオポンプで真空排気し
た。真空排気をしながらArガスを0.4Paとなるま
でチャンバ−内に導入した後、SiN干渉層、GdFe
Co再生層、GdFe中間層、TbFeCoメモリ層
を、SiN保護層を70nmを、各々順々に成膜して図
1の構成の本発明の光磁気記録媒体を得た。各SiN誘
電体層成膜時には、Arガスに加えてN2 ガスを導入
し、その混合比を調節しながら屈折率を表1に示すよう
に変化させて、反応性スパッタにより成膜した。GdF
e中間層のキュリー温度を表1に示す。
【0065】この光磁気記録媒体を用いて、キャリア及
びノイズの再生パワー依存性を測定し、リアマスクが生
成し、キャリアが急峻に立ち上がるパワーを最小再生パ
ワーPrmin、メモリ層がキュリー温度に達し、磁化
情報が破壊され、キャリアが低下する再生パワーを最大
再生パワーPrmaxと定義する。測定は、対物レンズ
のN.A.は0.55、レーザー波長は780nmと
し、記録パワーは7〜13mWの範囲内で、C/N比が
最も高くなるように設定した。線速度は9m/sとし
た。初めに、媒体の全面を消去した後に記録層に10M
Hzのキャリア信号(マーク長0.40μmに相当す
る)を記録して、C/N比の再生パワー依存性を調べ
た。図12にその一例を示す。
【0066】尚、実験例1〜5で中間層のキュリー温度
を異ならせている。表1にPrmin,Prmaxを測
定した結果を示す。Prminは中間層のTcが上昇す
るに従い、増加しているが中間層のTcが210℃で
も、Prminは2.2mWに抑えられている。中間層
のTcと再生パワーの関係を図13に示す。
【0067】実験例6〜7では中間層のTcは185℃
とし、メモリ層のTcをそれぞれ290℃、310℃と
した。Prminは変わらず、Prmaxのみがメモリ
層のTcが高くなるに従い、増加するため、再生パワー
マージンが広くなった。
【0068】実験例8〜9では第一誘電体層の膜厚を変
化させることにより、Prminの変化を調べた。
【0069】実験例10では第1誘電体層としてTaO
xを用いて、ディスクを作成した。
【0070】屈折率と膜厚が本発明の範囲であれば、再
生パワーはいずれの場合にも低く抑えられ、2.2mW
以下となり実用に供されるレベルである。
【0071】(比較例1〜5)比較例1〜5は実験例と
同様に中間層のキュリー温度が異なる再生磁界、初期化
磁界を必要としないタイプの超解像媒体である。屈折
率、膜厚及び反射率を表1に示す。実験例と同様に中間
層のTcが上昇するに従い、Prminは増加してい
る。中間層のTcを155℃にしても、Prminは
2.3mW以上必要となる。又、中間層のTcを下げる
と低温部のマスクが不完全となるため、クロストークも
悪化する。
【0072】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の光
磁気記録媒体及び該媒体の情報再生方法を用いれば、光
の回折限界以下の記録マークを、低い再生パワーで高い
信号品質で再生することが可能となる。
【0073】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体の磁性層の基本構成を
示す図。
【図2】本発明の光磁気記録媒体の他の形態における情
報再生方法を示した図。(a)は媒体の板面上の光スポ
ット内のマスク領域とアパーチャー領域を示す図。
(b)は各層の磁化方向状態を示す図。(c)はトラッ
ク方向の温度分布を示す図
【図3】(a)(b)(c)は本発明の光磁気記録媒体
における光スポット内の高温領域がマスクされる原理を
説明する図。
【図4】再生層に転写された記録磁区にかかる静磁界H
leak,Hst及びブロッホ磁壁エネルギーによる実
効的磁界Hwbを示した図。
【図5】(a)はアンチパラレルタイプの層構成につい
て交換結合力及び静磁結合力夫々が支配的な時の安定な
磁化状態を示す図。(b)はパラレルタイプの層構成に
ついて交換結合力、静磁結合力が支配的な時の安定な磁
化状態を示す図。
【図6】磁化の温度変化を補償温度の異なるGdFeC
oについて示した図。
【図7】GdFeCoの補償温度とキュリー温度の組成
依存性を示した図。
【図8】本発明の光磁気記録媒体の再生層の反磁界エネ
ルギー2πMs2と垂直磁気異方性定数Kuの温度特性
の例を示す図。
【図9】第1誘電体層の膜厚と反射率の関係を示した図
(波長530nm)。
【図10】第1誘電体層の膜厚と反射率の関係を示した
図(波長680nm)。
【図11】第1誘電体層の膜厚と反射率の関係を示した図
(波長780nm)。
【図12】C,Nの再生パワー依存性を本発明実験例4
と比較例4について比較した図。
【図13】再生パワーと中間層のTc,メモリ層のTc
との関係を示した図。
【図14】公知例の超解像方法を示した図。
【図15】公知例の超解像方法を示した図。
【図16】公知例の超解像方法を示した図。
【符号の説明】
1 記録磁区 2 光スポット 3 アパーチャ 4 フロントマスク 5 高温領域 6a,b グルーブ 7 ランド 8 ブロッホ磁壁 11 再生層 12 中間層 13 メモリ層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の誘電体層と、室温で面内磁化膜
    で、室温とキュリー温度の間で垂直磁化膜となる第1磁
    性層と、前記第1磁性層より大きな保磁力と低いキュリ
    ー温度を有する記録情報が蓄積される垂直磁化膜からな
    る第2磁性層と、前記第1磁性層及び第2磁性層間に設
    けられ、それらの磁性層のキュリー温度より低いキュリ
    ー温度を有する第3磁性層と、第2の誘電体層とを順次
    透明基板上に積層してなる光磁気記録媒体において、 前記媒体に記録された情報を再生するために用いるレー
    ザー光の波長を500nm以上600nm未満とした場
    合、第1の誘電体層の屈折率を2.0以上2.3以下、
    膜厚を40nm以上60nm以下としたことを特徴とす
    る光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 第1の誘電体層と、室温で面内磁化膜
    で、室温とキュリー温度の間で垂直磁化膜となる第1磁
    性層と、前記第1磁性層より大きな保磁力と低いキュリ
    ー温度を有する記録情報が蓄積される垂直磁化膜からな
    る第2磁性層と、前記第1磁性層及び第2磁性層間に設
    けられ、それらの磁性層のキュリー温度より低いキュリ
    ー温度を有する第3磁性層と、第2の誘電体層とを順次
    透明基板上に積層してなる光磁気記録媒体において、 前記媒体に記録された情報を再生するために用いるレー
    ザー光の波長を600nm以上730nm未満とした場
    合、第1の誘電体層の屈折率を2.0以上2.3以下、
    膜厚を40nm以上70nm以下としたことを特徴とす
    る光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 第1の誘電体層と、室温で面内磁化膜
    で、室温とキュリー温度の間で垂直磁化膜となる第1磁
    性層と、前記第1磁性層より大きな保磁力と低いキュリ
    ー温度を有する記録情報が蓄積される垂直磁化膜からな
    る第2磁性層と、前記第1磁性層及び第2磁性層間に設
    けられ、それらの磁性層のキュリー温度より低いキュリ
    ー温度を有する第3磁性層と、第2の誘電体層とを順次
    透明基板上に積層してなる光磁気記録媒体において、 前記媒体に記録された情報を再生するために用いるレー
    ザー光の波長を730nm以上850nm未満とした場
    合、第1の誘電体層の屈折率を2.1以上2.3以下、
    膜厚を50nm以上90nm以下としたことを特徴とす
    る光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、3において、 前記第1、第2、第3磁性層は、室温と第3磁性層のキ
    ュリー温度の間の一部の温度領域で交換結合すると共に
    前記第1磁性層の磁化は、前記第3磁性層のキュリー温
    度以上の温度領域では一方向に揃えられる。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3において、 前記媒体の盤面内の平坦部において、透明基板側から入
    射した光の反射率が15〜22%である。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3に記載された光磁気記
    録媒体にレーザー光を照射し、レーザー光照射によって
    生ずる温度分布により、光スポット内に、主に面内に磁
    化が配向してメモリ層の磁化情報を光学的にマスクする
    部分と、第1磁性層をレーザー光照射で昇温することに
    より垂直磁化膜とし前記第2磁性層に記録された磁気信
    号を第1磁性層に転写する部分と、垂直磁化膜となった
    第1磁性層の記録磁区が反転して磁化が消去方向に配向
    する部分とを生ぜしめ、前記レーザー光の反射光を検出
    することにより前記媒体に記録された情報を再生するこ
    とを特徴とする情報再生方法。
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