JPH0936402A - 変換効率向上処理を施した薄膜太陽電池および変換 効率向上手段を付加した薄膜太陽電池アレイ - Google Patents

変換効率向上処理を施した薄膜太陽電池および変換 効率向上手段を付加した薄膜太陽電池アレイ

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JPH0936402A
JPH0936402A JP7206712A JP20671295A JPH0936402A JP H0936402 A JPH0936402 A JP H0936402A JP 7206712 A JP7206712 A JP 7206712A JP 20671295 A JP20671295 A JP 20671295A JP H0936402 A JPH0936402 A JP H0936402A
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JP
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thin film
solar cell
film solar
conversion efficiency
compound semiconductor
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JP7206712A
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Katsumi Kushiya
勝巳 櫛屋
Tetsuo Arai
哲郎 新居
Makoto Konagai
誠 小長井
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Showa Shell Sekiyu KK
Original Assignee
Showa Shell Sekiyu KK
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光照射又はバイアス電圧印加のような簡単な
前処理または変換効率向上手段を用いて薄膜太陽電池お
よび薄膜太陽電池アレイの変換効率を向上する。 【構成】 光吸収層として供されるp形の第1の多元化
合物半導体薄膜4と窓層として供されるn形の第2の金
属酸化物半導体薄膜6との間の界面層5としてII-VI 族
化合物半導体の中からイオウ含有混晶化合物薄膜、ZnSe
薄膜等からなる薄膜太陽電池1に光照射又は順バイアス
電圧印加のような簡単な前処理を施すことにより薄膜太
陽電池1の変換効率が向上する。または光照射又は順バ
イアス電圧印加による変換効率向上手段を付加すること
により薄膜太陽電池アレイの変換効率が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多元化合物半導体薄
膜を光吸収層として使用したヘテロ接合薄膜太陽電池、
特に光吸収層としてCu-III-VI2族カルコパイライト半導
体、例えばニセレン化銅インジウム(CIS) 、ニセレン化
銅インジウム・ガリウム(CIGS)あるいはニセレン・イオ
ウ化銅インジウム・ガリウム(CIGSS) のようなp形半導
体の光吸収層と、窓層としてn形の半導体透明導電膜と
を用い、これら光吸収層と窓層の界面に界面層(または
バッファー層)として透明で高抵抗を有する、主にII−
VI族化合物半導体薄膜を前記p形半導体の光吸収層上に
作製した薄膜太陽電池および該薄膜太陽電池を複数個直
列または並列に接続した薄膜太陽電池及び薄膜太陽電池
アレイに関する。
【0002】
【従来の技術】前記タイプの薄膜太陽電池は広範囲に実
用化可能であるとみなされ、米国特許第4335226 号明細
書(Michelsen 他による、1982年6月15日発行)に記載
され、かつ高い変換効率の薄膜太陽電池を提供するため
にCIS からなる光吸収層上にII−VI族化合物半導体薄膜
である硫化カドミウム(CdS) 層を成長することを開示し
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光照射効果について
は、II−VI族化合物半導体薄膜の中で、ZnSeを界面層
(あるいはバッファー層)として使用したpnヘテロ接
合を有するCIGS薄膜太陽電池についての報告(例えば、
Japanese Journal of Applied Physics 33, No12 (199
4) 、Kushiya 他、)がある。ここでは、このように光
照射により薄膜太陽電池の出力特性が改善される場合
は、pnヘテロ接合界面に何らかの問題があるというこ
とを指標している旨述べ、pnヘテロ接合界面を改善す
ることで、このような光照射効果を示さない薄膜太陽電
池を作製することが重要であると結論している。
【0004】ここ数年来、CIS 系薄膜太陽電池の変換効
率は大幅な向上を見せて来た。また、この材料系の薄膜
太陽電池からカドミウムのような有害性のある物質を原
則的に排除しようという試みが積極的に提案され実施さ
れて来た。しかしながら、カドミウム等の有害性のある
物質を含まない CIS系薄膜太陽電池で高い変換効率の薄
膜太陽電池を作製する試みは、ヘテロ接合界面の制御が
うまくできず成功していなかった。
【0005】また、界面層は、50nm以下と非常に薄い
こともあり、単膜での評価は難しく、同時にそのような
評価はあまり意味を持たない。そこでこの界面層の良否
を判定する方法としては、この層を光吸収層であるp形
の半導体薄膜上に形成した薄膜太陽電池を作製し、この
薄膜太陽電池の出力特性を測定し評価することが一般的
に行われている。
【0006】更に、界面層自体の高品質化およびp形の
半導体薄膜光吸収層上に界面層を作製した時のその界面
状態を最適化するためには、界面層自体の作製方法の開
発、薄膜光吸収層と界面層または窓層と界面層の間の界
面の接合状態における特性や効果を把握することが必要
であり、このような薄膜太陽電池は複雑な積層構造を有
するので、界面層のみを抽出して最適化するためには太
陽電池を構成する界面層以外の各層を安定に再現性良く
均一に作製することが必要である。
【0007】しかしながら、安定に再現性良く均一に作
製する薄膜太陽電池の作製技術の開発、複雑に積層され
た薄膜太陽電池の構造の設計と最適化、接合界面状態の
特性や効果の分析または把握等、前記課題を解決するに
は多大な開発項目、開発コストおよび時間を要するとい
う問題があった。
【0008】本発明の課題は、光照射あるいはバイアス
電圧印加のような簡単な変換効率向上のための前処理工
程および変換効率向上手段を用いることで、カドミウム
を含む CIS系薄膜太陽電池と同程度の変換効率を得るカ
ドミウムを含まないヘテロ接合薄膜太陽電池および該薄
膜太陽電池を複数個直列または並列に接続した薄膜太陽
電池モジュールを提供することである。
【0009】本発明のもう一つの課題は、経済性に優
れ、再現性および歩留りの良い大量生産に適用可能な C
IS系薄膜太陽電池および高変換効率 CIS系薄膜太陽電池
モジュールを提供することである。
【0010】本発明のもう一つの課題は、高い開放電圧
( VOC )を有する薄膜太陽電池を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するため、金属裏面電極層と、当該裏面電極層上の
p形の導電形を有しかつ光吸収層として供される第1の
多元化合物半導体薄膜と、前記第1の多元化合物半導体
薄膜上の第1の導電形と反対の導電形を有し窓層として
供される禁制帯幅が広くかつ透明で導電性を有する第2
の金属酸化物半導体薄膜と、前記第1の多元化合物半導
体薄膜と第2の金属酸化物半導体薄膜の間の界面に成長
した透明で高抵抗を有する主にII−VI族化合物半導体薄
膜を有する構造からなる薄膜太陽電池であって、変換効
率向上のための前処理を施したことを特徴とする。
【0012】更に、本発明は、前記変換効率向上のため
の前処理が、ソーラーシュミレーター(地表の太陽光に
相当する人工光を作製する装置)下において光照射する
ことを特徴とする。
【0013】更に、本発明は、前記変換効率向上のため
の前処理が、ソーラーシュミレーター(地表の太陽光に
相当する人工光を作製する装置)下において、照射時間
1時間以上、エアーマス(AM)1.5 、照射強度100mW/cm
2 の人工光を光照射することを特徴とする。
【0014】更に、本発明は、前記変換効率向上のため
の前処理が、光を当てない暗状態で該薄膜太陽電池の開
放電圧を越えるとともに1V以下の順バイアス電圧を印加
することを特徴とする。
【0015】更に、本発明は、前記変換効率向上のため
の前処理が、該薄膜太陽電池の開放電圧を越えるととも
に1V以下の順バイアス電圧を光を当てていない暗状態で
15分以上加えることを特徴とする。
【0016】更に、本発明は、第1の導電形と反対の導
電形を有し窓層として供される透明で導電性を有する第
2の金属酸化物半導体薄膜が酸化亜鉛からなることを特
徴とする。
【0017】更に、本発明は、第1の多元化合物半導体
薄膜と第2の金属酸化物半導体薄膜の間の界面に成長し
た透明で高抵抗を有する、主にII−VI族化合物半導体薄
膜(界面層あるいはバッファー層)が、硫化カドミウ
ム、セレン化亜鉛あるいは酸素、イオウ及び水酸基を含
んだ亜鉛混晶化合物等からなることを特徴とする。
【0018】更に、本発明は、第1の多元化合物半導体
薄膜が、銅-III-VI2族カルコパイライト化合物半導体の
1つからなることを特徴とする。
【0019】更に、本発明は、光吸収層として供される
第1の多元化合物半導体薄膜がニセレン化銅インジウ
ム、ニセレン化銅インジウム・ガリウムあるいはニセレ
ン・イオウ化銅インジウム・ガリウムからなることを特
徴とする。
【0020】更に、本発明は、金属裏面電極層と、当該
裏面電極層上のp形の導電形を有しかつ光吸収層として
供される第1の多元化合物半導体薄膜と、前記第1の多
元化合物半導体薄膜上の第1の導電形と反対の導電形を
有し窓層として供される禁制帯幅が広くかつ透明で導電
性を有する第2の金属酸化物半導体薄膜と、前記第1の
多元化合物半導体薄膜と第2の金属酸化物半導体薄膜の
間の界面に成長した透明で高抵抗を有する主にII−VI族
化合物半導体薄膜を有する構造からなる薄膜太陽電池あ
るいは該薄膜太陽電池を複数個直列または並列に接続し
た構造の薄膜太陽電池アレイ(またはパネル)であっ
て、前記薄膜太陽電池にアレイ(またはパネル)変換効
率向上手段を付加したことを特徴とする。
【0021】更に、本発明は、前記変換効率向上手段
が、前記薄膜太陽電池を直列または並列に接続した数個
に応じて発生する開放電圧を越えるとともに概ね1V以
下の順バイアス電圧を光を当てていない暗状態で15分以
上加えることを特徴とする。
【0022】更に、本発明は、前記変換効率向上手段
が、太陽の日の出時刻または太陽光が所定の照度に到達
する時刻より少なくとも15分前に起動する自動起動手段
を有することを特徴とする。
【0023】更に、本発明は、前記変換効率向上手段
が、エアーマス(AM)1.5 、照射強度100mW/cm2 の人工
光を照射時間1時間以上、光照射するものであることを
特徴とする。
【0024】更に、本発明は、前記変換効率向上手段
が、太陽の日の出時刻または太陽光が所定の照度に到達
する時刻より少なくとも1時間前に起動する自動起動手
段を有することを特徴とする。
【0025】更に、本発明は、前記変換効率向上手段の
電源として、薄膜太陽電池により発電した電力を蓄電す
る2次電池を用いることを特徴とする。
【0026】
【実施例】次に図面を参照して、本発明の実施の形態を
説明する。
【0027】図1に、本発明の薄膜太陽電池の構造例を
示す。薄膜太陽電池1は1〜3mm厚さを有するガラス基
板2上に形成される。裏面電極3は、前記ガラス基板上
作製される1〜2ミクロンの厚さのモリブデンあるいは
チタン等の金属である。光吸収層4として供される第1
の半導体薄膜は、p形の導電形を有するCu-III-VI2族カ
ルコパイライト構造の厚さ1〜3ミクロンの薄膜、例え
ば、CIS 、CIGS、CIGSS 等の多元化合物半導体薄膜であ
る。この薄膜上に、以下に記載するような高抵抗の主に
II-VI 族化合物半導体薄膜5が界面層(あるいはバッフ
ァー層)として形成される。その上に、窓層6として供
されるn形の導電形を有する禁制帯幅が広くかつ透明で
導電性を有する厚さ0.5〜3ミクロンの酸化亜鉛から
なる第2の金属酸化物半導体薄膜が形成される。上部電
極あるいはスクライブライン7は、n形酸化亜鉛の露出
表面に場合により作製される。
【0028】前記本発明の薄膜太陽電池においては、光
吸収層であるp形のCu-III-VI2族カルコパイライト構造
を有する第1の半導体薄膜と窓層であるn形の第2の半
導体透明導電膜との界面に、界面層としてII-VI 族系化
合物半導体の中から、特に、亜鉛化合物、即ち「イオウ
を含んだ亜鉛混晶化合物薄膜」、「ZnSe薄膜」等を光吸
収層であるp形の第1の半導体薄膜上に形成する過程で
界面に欠陥(または再結合準位)が発生し、この欠陥
(または再結合準位)が薄膜太陽電池の開放電圧および
変換効率の低下に影響しているものと推測される。従っ
て、この欠陥(または再結合準位)を消滅させることが
必要である。
【0029】前記本発明の薄膜太陽電池に、予め光照射
または順バイアス電圧を印加することにより、少数キャ
リアである電子が発生し、この電子が前記光吸収層と界
面層の接合界面付近に存在する欠陥(または再結合準
位)に入り込みそれを埋めることで欠陥(または再結合
準位)の数を大幅に減少または消滅させる。その結果、
界面での欠陥(または再結合準位)が電気的特性に顕著
な悪影響を与え難い界面即ち、欠陥(または再結合準
位)の数が少ない界面を使用した薄膜太陽電池と同等の
変換効率を得ることを発見した。
【0030】次に、前記薄膜太陽電池に光照射および順
バイアス電圧を印加した場合の薄膜太陽電池の特性(開
放電圧VOC、曲性因子FFおよび変換効率EF )につい
て述べる。
【0031】イオウ含有亜鉛混晶化合物半導体薄膜界面
層(あるいはバッファー層)を、溶液成長法で作製した
CIS系薄膜太陽電池(図1参照)にソーラーシュミレ
ーター下においてエアーマス(AM)1.5 、照射強度100m
W/cm2 の人工光を所定時間光照射した後、ソーラーシュ
ミレーター下においてエアーマス(AM)1.5 、照射強度
100mW/cm2 の人工光を光照射して測定した場合の出力特
性を図2に示す。これより、光照射効果によりCIS系
薄膜太陽電池の開放電圧VOCおよび曲性因子FF等の出
力特性が大きく改善され、その結果、光照射時間が60
分間では12%程度の高い変換効率EF が得られる。
【0032】ZnSe界面層(あるいはバッファー層)
を有するCIGS薄膜太陽電池にソーラーシュミレータ
ー下においてエアーマス(AM)1.5 、照射強度100mW/cm
2 の人工光を光照射した後、ソーラーシュミレーター下
においてエアーマス(AM)1.5 、照射強度100mW/cm2
人工光を光照射して測定した場合の出力特性を図3に示
す。これより、光照射効果により前記薄膜太陽電池の開
放電圧VOCおよび曲性因子FF等の出力特性が大きく改
善され、その結果、光照射時間60分間では12%程度
の高い変換効率EF が得られる。
【0033】同じくZnSe界面層(あるいはバッファ
ー層)を有するCIGS薄膜太陽電池に光を照射しない
暗状態で0.5Vの順バイアス電圧を印加した後、ソー
ラーシュミレーター下においてエアーマス(AM)1.5 、
照射強度100mW/cm2 の人工光を光照射して測定した場合
の出力特性を図4に示す。これより、バイアス電圧の印
加により前記薄膜太陽電池の変換効率EF はその印加時
間とともに向上し、前記印加時間が30分間乃至60分
間で11%を超える高い変換効率が得られる。
【0034】以上のように、前記本発明においては、図
5に示すように薄膜太陽電池1に予め人工光源52によ
り光照射するか、または図6に示すように薄膜太陽電池
1に2次電池(または直流電源)62により順バイアス
電圧を印加するという、変換効率向上のための前処理工
程または変換効率向上手段を付加することにより、前記
光吸収層と界面層の接合界面付近に欠陥(または再結合
準位)が一定量以上存在する薄膜太陽電池の変換効率が
向上し、欠陥(または再結合準位)の数が少ない界面を
使用した薄膜太陽電池と同等の変換効率を得ることがで
きる。
【0035】変換効率向上のための前処理工程または変
換効率向上手段の付加による効果は、光吸収層であるp
形のCu-III-VI2カルコパイト構造を有する第1の半導体
薄膜と窓層であるn形の第2の半導体透明導電膜との界
面に、界面層としてII-VI 族系化合物半導体の中から、
特に、亜鉛化合物即ち、「イオウを含んだ亜鉛混晶化合
物薄膜」、「ZnSe薄膜」等を光吸収層であるp形のCu-I
II-VI2カルコパイト構造を有する第1の半導体薄膜上に
形成した構造の薄膜太陽電池において顕著に現れる。
【0036】前記変換効率向上のための前処理工程また
は変換効率向上手段の付加において、光照射の場合は、
通常の人工光であるエアーマス(AM)1.5 、照射強度10
0mW/cm2 の光量を30〜60分間程度、有利には60分
間照射することが好ましい。同じく、順バイアス電圧の
印加の場合には、0.5〜1.0V、有利には0.5V
を印加したまま暗状態で15分間放置することが好まし
い。
【0037】本発明の薄膜太陽電池は、ソーラーシュミ
レーター下においてエアーマス(AM)1.5 、照射強度10
0mW/cm2 の人工光を1時間以上光照射するか、あるいは
1V以下の順バイアス電圧を光を照射しない暗状態で1
5分以上印加する段階を経た後、ソーラーシュミレータ
ー下において1時間以上エアーマス(AM)1.5 、照射強
度100mW/cm2 の人工光を光照射して太陽電池の出力特性
を測定した時、主に開放電圧VOCと曲性因子FFの改善
により変換効率EF が大きく向上することを特徴とす
る。
【0038】前記実施の形態においては、前記変換効率
向上のための前処理工程または変換効率向上手段とし
て、光照射または順バイアス電圧の印加による効果をを
夫々単独に用いたが、他の方法としてこれら光照射およ
び順バイアス電圧の印加を組み合わせることにより太陽
電池の出力特性向上することもできる。
【0039】また、前記変換効率向上のための効果を用
いた薄膜太陽電池は、可逆的にこの性質が現れる特性を
利用した光量測定用センサーおよび光照射による電流あ
るいは電圧の変化を利用した受光スイッチング装置素子
としての応用も可能である。
【0040】次に、他の実施の形態として、前記図1に
示した本発明の薄膜太陽電池をを複数個直列または並列
接続した太陽電池モジュールに変換効率向上手段を付加
した太陽電池アレイまたはパネルについて図7を用いて
説明する。前記薄膜太陽電池からなる単位素子は、前述
のように、光吸収層であるp形のCu-III-VI2族カルコパ
イライト構造を有する第1の半導体薄膜と窓層層である
n形の第3の半導体透明導電膜との界面に、界面層とし
てII-VI 族系化合物半導体の中から、特に、亜鉛化合
物、即ち「イオウを含んだ亜鉛混晶化合物薄膜」、「Zn
Se薄膜」等を光吸収層であるp形の第1の半導体薄膜上
に形成する過程で界面に欠陥(または再結合準位)が発
生し、この欠陥(または再結合準位)が薄膜太陽電池の
開放電圧および変換効率の低下に影響していると推測さ
れ、前記薄膜太陽電池に予め光照射または順バイアス電
圧を印加することにより少数キャリアである電子が発生
し、この電子が前記光吸収層と界面層の接合界面付近に
存在する欠陥(または再結合準位)に入り込みそれを埋
めることで欠陥(または再結合準位)の数が大幅に減少
または消滅し、薄膜太陽電池の変換効率を向上すること
ができることから、前記単位素子における変換効率向上
の手法を前記薄膜太陽電池モジュールに応用したのがこ
の実施の形態である。
【0041】前記単位素子は、金属裏面電極層と、当該
裏面電極層上のp形の導電形を有しかつ光吸収層として
供される第1の多元化合物半導体薄膜と、前記第1の多
元化合物半導体薄膜上の第1の導電形と反対の導電形を
有し窓層として供される禁制帯幅が広くかつ透明で導電
性を有する第2の金属酸化物半導体薄膜と、前記第1の
多元化合物半導体薄膜と第2の金属酸化物半導体薄膜の
間の界面に成長した透明で高抵抗を有する主にII−VI族
化合物半導体薄膜を有する構造からなる薄膜太陽電池1
であり、薄膜太陽電池アレイまたはパネル51はこれを
複数個直列(または並列)接続したものである。
【0042】この実施の形態は、この薄膜太陽電池アレ
イまたはパネル71に変換効率向上手段72を付加した
ものであり、前記変換効率向上手段72は、昼間の太陽
光による発電電力を蓄電する2次電池721と、太陽の
日の出時刻にオン信号を発生し所定時間(変換効率向上
に必要な時間、即ち、前記欠陥(または再結合準位)の
数が大幅に減少または消滅するのに必要な時間、例え
ば、15分以上)後オフ信号を発生しまたは前記薄膜太陽
電池モジュールの発電起動時刻より所定時間(前記所定
時間と同じ)前にオン信号を発生し前記所定時間後にオ
フ信号を発生するタイマー722と、このタイマー72
2のオンまたはオフ信号によりオンまたはオフするスイ
ッチ723と、前記2次電池721の出力電圧を所望の
電圧に調整する電圧調整回路724とから構成される。
【0043】次に、前記薄膜太陽電池モジュールの動作
を説明する。太陽の日の出時刻または所望の発電起動時
刻になると、タイマー722はオン信号を発生し、スイ
ッチ723がオンとなり、2次電池721からの出力電
圧は電圧調整回路724により単位素子に必要な電圧
(例えば、1V以下)の整数倍(直列接続の場合は接続さ
れた単位素子の数)の電圧に調整されて、薄膜太陽電池
アレイまたはパネル71に印加され、この電圧印加が所
定時間(前記所定時間と同じ)継続された後、タイマー
722のオフ信号の発生によりスイッチ723がオフと
なり前記電圧印加が停止される。その時点では、薄膜太
陽電池アレイまたはパネル71の個々の薄膜太陽電池1
は欠陥(または再結合準位)の数が大幅に減少または消
滅し、変換効率は最高の状態となっている。
【0044】なお、前記変換効率向上手段の他の実施の
形態として、人工光を照射する方法があり、この場合こ
の光源用の電源は前記2次電池を用い、人工光源からエ
アーマス(AM)1.5 、照射強度100mW/cm2 の人工光を前
記実施の形態と同様のタイマーを用いて1時間以上光照
射することにより前記実施の形態と同様の状態になる。
【0045】更に、前記変換効率向上手段の他の実施の
形態として、太陽光を照射する方法があり、太陽光の照
射量が少ない場合には、フランネルレンズ、凹面鏡等の
集光装置を用いる方法もある。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、従来か
らの硫化カドミウムをその構成材料として含むCIS系
薄膜太陽電池のカドミウムの有害性に関係した課題が解
決し、簡単かつ安価な変換効率向上のための前処理工程
または変換効率向上手段の付加により高変換効率の薄膜
太陽電池または薄膜太陽電池アレイ(またはパネル)を
得ることが可能になり、薄膜太陽電池または薄膜太陽電
池アレイ(またはパネル)を製造する際の歩留りも向上
し、その結果、薄膜太陽電池自体のコストを低減するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における薄膜太陽電池の構
成を示す断面図である。
【図2】イオウ含有亜鉛混晶化合物半導体薄膜界面層を
有する CIS系薄膜太陽電池の特性に及ぼす光照射効果を
示す図である。
【図3】ZnSe界面層を有するCIGS薄膜太陽電池
の特性に及ぼす光照射効果を示す図である。
【図4】ZnSe界面層を有するCIGS薄膜太陽電池
の特性に及ぼすバイアス電圧印加による効果を示す図で
ある。
【図5】本発明の第1の実施の形態における変換効率向
上のための前処理として人工光を照射した薄膜太陽電池
の概略構成図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における変換効率向
上のための前処理としてバイアス電圧を印加した薄膜太
陽電池の概略構成図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における変換効率向
上手段としてバイアス電圧印加手段を付加した太陽電池
アレイまたはパネルの概略構成図である。
【符号の説明】
1 薄膜太陽電池 2 基板 3 裏面電極 4 光吸収層(p形半導体) 5 界面層(あるいはバツファー層) 6 窓層(n形半導体) 7 上部電極あるいはスクライブライン

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属裏面電極層と、当該裏面電極層上の
    p形の導電形を有しかつ光吸収層として供される第1の
    多元化合物半導体薄膜と、前記第1の多元化合物半導体
    薄膜上の第1の導電形と反対の導電形を有し窓層として
    供される禁制帯幅が広くかつ透明で導電性を有する第2
    の金属酸化物半導体薄膜と、前記第1の多元化合物半導
    体薄膜と第2の金属酸化物半導体薄膜の間の界面に成長
    した透明で高抵抗を有する主にII−VI族化合物半導体薄
    膜を有する構造からなる薄膜太陽電池であって、変換効
    率向上のための前処理を施したことを特徴とする薄膜太
    陽電池。
  2. 【請求項2】 前記変換効率向上のための前処理が、ソ
    ーラーシュミレーター(地表の太陽光に相当する人工光
    を作製する装置)下において光照射することを特徴とす
    る請求項1記載の薄膜太陽電池。
  3. 【請求項3】 前記変換効率向上のための前処理が、ソ
    ーラーシュミレーター(地表の太陽光に相当する人工光
    を作製する装置)下において、照射時間1時間以上、エ
    アーマス(AM)1.5 、照射強度100mW/cm2 の人工光を光
    照射することを特徴とする請求項2記載の薄膜太陽電
    池。
  4. 【請求項4】 前記変換効率向上のための前処理が、光
    を当てない暗状態で該薄膜太陽電池の開放電圧を越える
    とともに1V以下の順バイアス電圧を印加することを特徴
    とする請求項1記載の薄膜太陽電池。
  5. 【請求項5】 前記変換効率向上のための前処理が、該
    薄膜太陽電池の開放電圧を越えるとともに1V以下の順バ
    イアス電圧を光を当てていない暗状態で15分以上加える
    ことを特徴とする請求項4記載の薄膜太陽電池。
  6. 【請求項6】 第1の導電形と反対の導電形を有し窓層
    として供される透明で導電性を有する第2の金属酸化物
    半導体薄膜が酸化亜鉛からなることを特徴とする請求項
    1、2または4記載の薄膜太陽電池。
  7. 【請求項7】 第1の多元化合物半導体薄膜と第2の金
    属酸化物半導体薄膜の間の界面に成長した透明で高抵抗
    を有する、主にII−VI族化合物半導体薄膜(界面層ある
    いはバッファー層)が、硫化カドミウム、セレン化亜鉛
    あるいは酸素、イオウ及び水酸基を含んだ亜鉛混晶化合
    物等からなることを特徴とする請求項1、2または4記
    載の薄膜太陽電池。
  8. 【請求項8】 第1の多元化合物半導体薄膜が、銅-III
    -VI2族カルコパイライト化合物半導体の1つからなるこ
    とを特徴とする請求項1、2または4記載の薄膜太陽電
    池。
  9. 【請求項9】 光吸収層として供される第1の多元化合
    物半導体薄膜がニセレン化銅インジウム、ニセレン化銅
    インジウム・ガリウムあるいはニセレン・イオウ化銅イ
    ンジウム・ガリウムからなることを特徴とする請求項8
    記載の薄膜太陽電池。
  10. 【請求項10】 金属裏面電極層と、当該裏面電極層上
    のp形の導電形を有しかつ光吸収層として供される第1
    の多元化合物半導体薄膜と、前記第1の多元化合物半導
    体薄膜上の第1の導電形と反対の導電形を有し窓層とし
    て供される禁制帯幅が広くかつ透明で導電性を有する第
    2の金属酸化物半導体薄膜と、前記第1の多元化合物半
    導体薄膜と第2の金属酸化物半導体薄膜の間の界面に成
    長した透明で高抵抗を有する主にII−VI族化合物半導体
    薄膜を有する構造からなる薄膜太陽電池あるいは該薄膜
    太陽電池を複数個直列または並列に接続した構造の薄膜
    太陽電池であって、前記薄膜太陽電池に変換効率向上手
    段を付加したことを特徴とする薄膜太陽電池アレイ。
  11. 【請求項11】 前記変換効率向上手段が、前記薄膜太
    陽電池を直列または並列に接続した数個に応じて発生す
    る開放電圧を越えるとともに概ね1V以下の順バイアス
    電圧を光を当てていない暗状態で15分以上加えることを
    特徴とする請求項10記載の薄膜太陽電池アレイ。
  12. 【請求項12】 前記変換効率向上手段が、太陽の日の
    出時刻または太陽光が所定の照度に到達する時刻より少
    なくとも15分前に起動する自動起動手段を有することを
    特徴とする請求項11記載の薄膜太陽電池アレイ。
  13. 【請求項13】 前記変換効率向上手段が、エアーマス
    (AM)1.5 、照射強度100mW/cm2 の人工光を照射時間1
    時間以上、光照射するものであることを特徴とする請求
    項10記載の薄膜太陽電池アレイ。
  14. 【請求項14】 前記変換効率向上手段が、太陽の日の
    出時刻または太陽光が所定の照度に到達する時刻より少
    なくとも1時間前に起動する自動起動手段を有すること
    を特徴とする請求項13記載の薄膜太陽電池アレイ。
  15. 【請求項15】 前記変換効率向上手段の電源として、
    薄膜太陽電池により発電した電力を蓄電する2次電池を
    用いることを特徴とする請求項10乃至14記載の薄膜
    太陽電池アレイ。
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