JPH093660A - ホーロー被覆鋼板及びその製造方法 - Google Patents
ホーロー被覆鋼板及びその製造方法Info
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- JPH093660A JPH093660A JP17685795A JP17685795A JPH093660A JP H093660 A JPH093660 A JP H093660A JP 17685795 A JP17685795 A JP 17685795A JP 17685795 A JP17685795 A JP 17685795A JP H093660 A JPH093660 A JP H093660A
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Landscapes
- Coating With Molten Metal (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ホーロー前処理を必要とせず、しかもホーロ
ー密着性に優れたホーロー被覆鋼板を得る。 【構成】 溶融亜鉛めっき直後の表面亜鉛層を加熱し、
Fe−Zn系金属間化合物のうちでδ1 相及びζ相をめ
っき層の表面まで成長させる合金化処理を施し、次いで
合金化亜鉛めっき鋼板のめっき層上の片面又は両面にホ
ーロー層を形成する。焼成には、350〜550℃でホ
ーローを焼き付けることが好ましい。 【効果】 熱歪みに起因する変形が抑制され、耐食性に
優れたホーロー被覆鋼板が得られ、片面ホーローを施す
こともできる。
ー密着性に優れたホーロー被覆鋼板を得る。 【構成】 溶融亜鉛めっき直後の表面亜鉛層を加熱し、
Fe−Zn系金属間化合物のうちでδ1 相及びζ相をめ
っき層の表面まで成長させる合金化処理を施し、次いで
合金化亜鉛めっき鋼板のめっき層上の片面又は両面にホ
ーロー層を形成する。焼成には、350〜550℃でホ
ーローを焼き付けることが好ましい。 【効果】 熱歪みに起因する変形が抑制され、耐食性に
優れたホーロー被覆鋼板が得られ、片面ホーローを施す
こともできる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、密着性を改善したホー
ロー被覆鋼板及びその製造方法に関する。
ロー被覆鋼板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ホーロー製品は、流し台,洗面化粧台,
調理用レンジ等の家庭用品や外壁材,内壁材等の建築用
材料を始めとして広範な分野で使用されている。このホ
ーロー製品は、ガラス質のホーロー層を金属板上に形成
したものであるが、金属板とホーロー層との密着性を改
善するために煩雑なホーロー前処理や高温焼成が採用さ
れている。しかし、ホーロー前処理では廃液処理の問題
があり、高温焼成では製品に変形を発生させること等が
問題とされている。金属板として鋼板を使用したホーロ
ー鋼板では、アルカリ脱脂,酸洗,ニッケル置換処理等
のホーロー前処理後にホーロー掛けし、800〜900
℃で焼成している。この焼成によって鋼板とホーロー層
との界面にFe−Ni−Ti系の中間層が形成され、ホ
ーロー層に密着性が付与される。なお、Tiは、フリッ
ト成分である。
調理用レンジ等の家庭用品や外壁材,内壁材等の建築用
材料を始めとして広範な分野で使用されている。このホ
ーロー製品は、ガラス質のホーロー層を金属板上に形成
したものであるが、金属板とホーロー層との密着性を改
善するために煩雑なホーロー前処理や高温焼成が採用さ
れている。しかし、ホーロー前処理では廃液処理の問題
があり、高温焼成では製品に変形を発生させること等が
問題とされている。金属板として鋼板を使用したホーロ
ー鋼板では、アルカリ脱脂,酸洗,ニッケル置換処理等
のホーロー前処理後にホーロー掛けし、800〜900
℃で焼成している。この焼成によって鋼板とホーロー層
との界面にFe−Ni−Ti系の中間層が形成され、ホ
ーロー層に密着性が付与される。なお、Tiは、フリッ
ト成分である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ホーロー掛け
に先立つアルカリ脱脂,酸洗,ニッケル置換処理等の工
程で多量の廃液が発生する。そのため、廃液処理に多大
のコストがかかり、結果としてホーロー製品のコストを
上昇させる。また、高温で焼成することから、熱歪みに
よって鋼板が変形し易くなる。変形した部品を使用して
製品を組み立てるとき、変形を手作業によって矯正する
ことが要求される。熱歪みに起因する変形を抑制するた
めには、板厚が通常0.7〜0.9mm程度の厚板を使
用することが必要となり、製品重量が増加する。更に、
鋼板ホーローでは、焼成温度で非ホーロー面がスケール
化すること,鋼板自体の耐食性が不足すること等から、
常に鋼板の両面にホーロー層を形成することが必要とな
る。その結果、不要部に対してもホーロー掛けすること
になり、作業時間が長くなるばかりでなく、フリットの
消費量も多くなる。
に先立つアルカリ脱脂,酸洗,ニッケル置換処理等の工
程で多量の廃液が発生する。そのため、廃液処理に多大
のコストがかかり、結果としてホーロー製品のコストを
上昇させる。また、高温で焼成することから、熱歪みに
よって鋼板が変形し易くなる。変形した部品を使用して
製品を組み立てるとき、変形を手作業によって矯正する
ことが要求される。熱歪みに起因する変形を抑制するた
めには、板厚が通常0.7〜0.9mm程度の厚板を使
用することが必要となり、製品重量が増加する。更に、
鋼板ホーローでは、焼成温度で非ホーロー面がスケール
化すること,鋼板自体の耐食性が不足すること等から、
常に鋼板の両面にホーロー層を形成することが必要とな
る。その結果、不要部に対してもホーロー掛けすること
になり、作業時間が長くなるばかりでなく、フリットの
消費量も多くなる。
【0004】この点、溶融Alめっき鋼板を原板とする
アルミめっきホーローでは、酸洗,ニッケル置換処理等
の化学的なホーロー前処理は必要とされない。しかし、
付着オイルの除去,アルミ層とホーロー層との密着性改
善等の観点から、アルミめっき表層の酸化皮膜を厚くす
るため、空焼きと称されるホーロー前処理が行われてい
る。すなわち、焼成温度と同程度の550〜600℃で
5〜10分間加熱する空焼きの後、冷却してホーロー掛
けし、再度550〜600℃の温度に加熱して焼成す
る。そのため、空焼き,焼成と2度の加熱が必要とな
り、熱消費量が多くなる。また、焼成温度は、鋼板ホー
ローに比較して低く、熱歪みによる変形は少ないもの
の、鋼板の板厚が0.6mm以下になると変形が目立っ
てくる。本発明は、このような問題を解消すべく案出さ
れたものであり、鋼板表面に設けた亜鉛めっき層の合金
化度を調整することにより、従来のホーロー前処理を必
要とせず、しかもホーロー層の密着性を改善したホーロ
ー被覆鋼板を得ることを目的とする。
アルミめっきホーローでは、酸洗,ニッケル置換処理等
の化学的なホーロー前処理は必要とされない。しかし、
付着オイルの除去,アルミ層とホーロー層との密着性改
善等の観点から、アルミめっき表層の酸化皮膜を厚くす
るため、空焼きと称されるホーロー前処理が行われてい
る。すなわち、焼成温度と同程度の550〜600℃で
5〜10分間加熱する空焼きの後、冷却してホーロー掛
けし、再度550〜600℃の温度に加熱して焼成す
る。そのため、空焼き,焼成と2度の加熱が必要とな
り、熱消費量が多くなる。また、焼成温度は、鋼板ホー
ローに比較して低く、熱歪みによる変形は少ないもの
の、鋼板の板厚が0.6mm以下になると変形が目立っ
てくる。本発明は、このような問題を解消すべく案出さ
れたものであり、鋼板表面に設けた亜鉛めっき層の合金
化度を調整することにより、従来のホーロー前処理を必
要とせず、しかもホーロー層の密着性を改善したホーロ
ー被覆鋼板を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のホーロー被覆鋼
板は、その目的を達成するため、溶融Znめっき直後の
加熱処理により表面までδ1 相及びζ相を成長させため
っき層をもち、該めっき層の片面又は両面にホーロー層
が形成されていることを特徴とする。このホーロー被覆
鋼板は、溶融亜鉛めっき直後の表面亜鉛層を加熱し、F
e−Zn系金属間化合物のうちでδ1 相及びζ相をめっ
き層の表面まで成長させる合金化処理を施し、次いで合
金化亜鉛めっき鋼板のめっき層上の片面又は両面にホー
ロー層を形成することにより製造される。また、焼成温
度350〜550℃でホーローを焼き付けるとき、鋼板
の熱変形が抑制され、寸法精度の高いホーロー被覆鋼板
が得られる。
板は、その目的を達成するため、溶融Znめっき直後の
加熱処理により表面までδ1 相及びζ相を成長させため
っき層をもち、該めっき層の片面又は両面にホーロー層
が形成されていることを特徴とする。このホーロー被覆
鋼板は、溶融亜鉛めっき直後の表面亜鉛層を加熱し、F
e−Zn系金属間化合物のうちでδ1 相及びζ相をめっ
き層の表面まで成長させる合金化処理を施し、次いで合
金化亜鉛めっき鋼板のめっき層上の片面又は両面にホー
ロー層を形成することにより製造される。また、焼成温
度350〜550℃でホーローを焼き付けるとき、鋼板
の熱変形が抑制され、寸法精度の高いホーロー被覆鋼板
が得られる。
【0006】
【作用】本発明者等は、従来の問題があるホーロー前処
理を必要とせず、優れたホーロー密着性を得る方法につ
いて種々調査検討した。その結果、溶融亜鉛めっき鋼板
をめっき直後に加熱し、亜鉛めっき層をFe−Zn系合
金めっき層に変質させた合金化亜鉛めっき鋼板をホーロ
ー原板として使用するとき、ホーロー前処理なしでも優
れた密着性が得られることを見い出した。更に、低温焼
成用フリットを使用すると、熱歪みに起因する製品の変
形も抑制され、板厚が0.2〜0.5mm程度の薄鋼板
であってもホーロー原板として使用できることが判っ
た。合金化亜鉛めっき鋼板は、通常の亜鉛めっき鋼板を
めっき直後に加熱することによって亜鉛めっき層をFe
−Zn系合金めっき層に変質させたものである。Fe−
Zn系合金としては、表1に示すようにΓ相(Fe5 Z
n21),δ1 相(FeZn7 ),ζ相(FeZn13),
η相(Zn)とよばれるものが存在する。本発明では、
これら金属間化合物のうち、亜鉛めっき層のZn相をδ
1 相(FeZn7 )及びζ相(FeZn13)に変質させ
たものである。このような合金化亜鉛めっき鋼板は、通
常の溶融亜鉛めっき鋼板の製造ラインにおいてめっき直
後の鋼板を加熱することにより連続的に製造される。合
金化Znめっき鋼板をホーロー用原板として用いる場
合、ホーロー密着性の点からは合金化度(換言すれば、
めっき層中のFe濃度)を高め、表面祖度を大きくする
ことが有利である。反面、ホーロー用製品部材への成形
面からすると、過度に合金化度を高くするとめっき層が
パウダリングし、成形性が低下する。このようなことか
ら、ホーロー用部材の成形度合いによって異なるが、め
っき層中のFe濃度7〜15重量%程度の合金化度が好
ましい。このとき、加熱条件は、めっき層中のFe濃度
を蛍光X線等で管理しながら連続的に制御することが好
ましい。
理を必要とせず、優れたホーロー密着性を得る方法につ
いて種々調査検討した。その結果、溶融亜鉛めっき鋼板
をめっき直後に加熱し、亜鉛めっき層をFe−Zn系合
金めっき層に変質させた合金化亜鉛めっき鋼板をホーロ
ー原板として使用するとき、ホーロー前処理なしでも優
れた密着性が得られることを見い出した。更に、低温焼
成用フリットを使用すると、熱歪みに起因する製品の変
形も抑制され、板厚が0.2〜0.5mm程度の薄鋼板
であってもホーロー原板として使用できることが判っ
た。合金化亜鉛めっき鋼板は、通常の亜鉛めっき鋼板を
めっき直後に加熱することによって亜鉛めっき層をFe
−Zn系合金めっき層に変質させたものである。Fe−
Zn系合金としては、表1に示すようにΓ相(Fe5 Z
n21),δ1 相(FeZn7 ),ζ相(FeZn13),
η相(Zn)とよばれるものが存在する。本発明では、
これら金属間化合物のうち、亜鉛めっき層のZn相をδ
1 相(FeZn7 )及びζ相(FeZn13)に変質させ
たものである。このような合金化亜鉛めっき鋼板は、通
常の溶融亜鉛めっき鋼板の製造ラインにおいてめっき直
後の鋼板を加熱することにより連続的に製造される。合
金化Znめっき鋼板をホーロー用原板として用いる場
合、ホーロー密着性の点からは合金化度(換言すれば、
めっき層中のFe濃度)を高め、表面祖度を大きくする
ことが有利である。反面、ホーロー用製品部材への成形
面からすると、過度に合金化度を高くするとめっき層が
パウダリングし、成形性が低下する。このようなことか
ら、ホーロー用部材の成形度合いによって異なるが、め
っき層中のFe濃度7〜15重量%程度の合金化度が好
ましい。このとき、加熱条件は、めっき層中のFe濃度
を蛍光X線等で管理しながら連続的に制御することが好
ましい。
【0007】
【表1】
【0008】亜鉛めっき層をδ1 相及びζ相に変質させ
ることにより、熱拡散現象に伴って合金化Znめっき層
の表面粗さが図1に示すように5〜15μmになる。こ
のような表面粗さをもつ合金化亜鉛めっき層上にホーロ
ー層を形成すると、表面粗さに起因するアンカー効果に
よって優れたホーロー密着性が発現する。また、亜鉛め
っき層をδ1 相及びζ相に変質させることにより、めっ
き層の溶融温度は亜鉛めっき層の約420℃からδ1 相
の溶融温度(約620℃)及びζ相の溶融温度(約49
5℃)に上昇し、ホーロー焼成が容易になる。しかも、
良好な密着性が付与されるため、Alめっき鋼板で実施
されている空焼き,鋼板ホーローで行われている高温焼
成によりFe−Ni−Ti系の中間層を生成させる工程
等が不要となり、低温焼成でも十分に密着性,耐食性及
び耐久性が優れたホーロー鋼板が得られる。このように
前処理不要で密着性が付与されるため、焼成温度範囲が
異なる種々のフリットが適用でき、結果として光沢,鮮
映性等の種々のホーロー性能の付与が可能となる。
ることにより、熱拡散現象に伴って合金化Znめっき層
の表面粗さが図1に示すように5〜15μmになる。こ
のような表面粗さをもつ合金化亜鉛めっき層上にホーロ
ー層を形成すると、表面粗さに起因するアンカー効果に
よって優れたホーロー密着性が発現する。また、亜鉛め
っき層をδ1 相及びζ相に変質させることにより、めっ
き層の溶融温度は亜鉛めっき層の約420℃からδ1 相
の溶融温度(約620℃)及びζ相の溶融温度(約49
5℃)に上昇し、ホーロー焼成が容易になる。しかも、
良好な密着性が付与されるため、Alめっき鋼板で実施
されている空焼き,鋼板ホーローで行われている高温焼
成によりFe−Ni−Ti系の中間層を生成させる工程
等が不要となり、低温焼成でも十分に密着性,耐食性及
び耐久性が優れたホーロー鋼板が得られる。このように
前処理不要で密着性が付与されるため、焼成温度範囲が
異なる種々のフリットが適用でき、結果として光沢,鮮
映性等の種々のホーロー性能の付与が可能となる。
【0009】
実施例1:板厚0.4mmの鋼板に0.15重量%Al
−残部Znの溶融Znめっきを施し、表面亜鉛層が凝固
しないうちに加熱により合金化処理し、合金化亜鉛めっ
き鋼板を製造した。得られた合金化亜鉛めっき鋼板のめ
っき層は、δ1 相及びζ相で構成されており、合金化に
よるめっき層中の平均Fe濃度は約10重量%であっ
た。この合金化亜鉛めっき鋼板をホーロー原板として使
用した。ホーロー掛けには、PbO,B2 O3 ,SiO
2 Al2 O3 等を含み軟化点365℃,線膨張係数11
0×10-7/℃のフリットに懸濁剤,止め薬,水等を添
加したスリップを使用した。ホーロー前処理なしで合金
化亜鉛めっき鋼板に乾燥膜厚が80μmとなるようにス
リップを塗布し、軟化点近傍の温度360℃に10分間
加熱し、次いでめっき層の溶融温度以下で焼成する二段
階焼成を施した。2段目の焼成は、400〜600℃の
範囲にある各温度で、保持時間を5分及び10分に設定
した。その結果、めっき層中の平均Fe濃度は、図2に
示すように焼成によって約10重量%から20重量%に
増加した。また、600℃で焼成されたホーロー被覆鋼
板のめっき層は、δ1 相及びζ相で構成されており、鋼
素地側に僅かにΓ相が析出していた。
−残部Znの溶融Znめっきを施し、表面亜鉛層が凝固
しないうちに加熱により合金化処理し、合金化亜鉛めっ
き鋼板を製造した。得られた合金化亜鉛めっき鋼板のめ
っき層は、δ1 相及びζ相で構成されており、合金化に
よるめっき層中の平均Fe濃度は約10重量%であっ
た。この合金化亜鉛めっき鋼板をホーロー原板として使
用した。ホーロー掛けには、PbO,B2 O3 ,SiO
2 Al2 O3 等を含み軟化点365℃,線膨張係数11
0×10-7/℃のフリットに懸濁剤,止め薬,水等を添
加したスリップを使用した。ホーロー前処理なしで合金
化亜鉛めっき鋼板に乾燥膜厚が80μmとなるようにス
リップを塗布し、軟化点近傍の温度360℃に10分間
加熱し、次いでめっき層の溶融温度以下で焼成する二段
階焼成を施した。2段目の焼成は、400〜600℃の
範囲にある各温度で、保持時間を5分及び10分に設定
した。その結果、めっき層中の平均Fe濃度は、図2に
示すように焼成によって約10重量%から20重量%に
増加した。また、600℃で焼成されたホーロー被覆鋼
板のめっき層は、δ1 相及びζ相で構成されており、鋼
素地側に僅かにΓ相が析出していた。
【0010】このときのめっき層中の平均Fe濃度をホ
ーロー密着性との関係を図3に示す。なお、ホーロー密
着性は、加重300gを約50cmの高さから落下させ
る衝撃試験によって測定した相対値である。図3にみら
れるように、平均Fe濃度が18重量%を超えるとホー
ロー密着性が低下する傾向がみられた。この平均Fe濃
度は、図2から焼成温度550℃以上に相当する。ま
た、600℃の焼成温度では平均Fe濃度が20重量%
近くになり、ホーロー密着性が大幅に低下した。このホ
ーロー密着性の低下は、めっき層自体の加工性がFe含
有量の増加に伴って低下したこと及び鋼素地側に特に加
工性が劣るΓ相が析出したことに起因するものと推察さ
れる。このようにδ1 相及びζ相で構成されためっき層
をもつ合金化亜鉛めっき鋼板をホーロー原板として使用
するとき、ホーロー前処理なしで良好なホーロー密着性
が得られることが判った。このとき、図2及び図3に示
した結果から、めっき層中の平均Fe濃度が約20重量
%以下で、鋼素地側に加工性の劣るΓ相が析出しない焼
成条件、具体的には焼成温度550℃以下が望ましい。
焼成温度の下限は、焼成後のホーロー層の光沢,耐食性
等の実用性から定められ、焼成温度350℃以上で実用
性を満足するホーロー被覆鋼板が得られた。
ーロー密着性との関係を図3に示す。なお、ホーロー密
着性は、加重300gを約50cmの高さから落下させ
る衝撃試験によって測定した相対値である。図3にみら
れるように、平均Fe濃度が18重量%を超えるとホー
ロー密着性が低下する傾向がみられた。この平均Fe濃
度は、図2から焼成温度550℃以上に相当する。ま
た、600℃の焼成温度では平均Fe濃度が20重量%
近くになり、ホーロー密着性が大幅に低下した。このホ
ーロー密着性の低下は、めっき層自体の加工性がFe含
有量の増加に伴って低下したこと及び鋼素地側に特に加
工性が劣るΓ相が析出したことに起因するものと推察さ
れる。このようにδ1 相及びζ相で構成されためっき層
をもつ合金化亜鉛めっき鋼板をホーロー原板として使用
するとき、ホーロー前処理なしで良好なホーロー密着性
が得られることが判った。このとき、図2及び図3に示
した結果から、めっき層中の平均Fe濃度が約20重量
%以下で、鋼素地側に加工性の劣るΓ相が析出しない焼
成条件、具体的には焼成温度550℃以下が望ましい。
焼成温度の下限は、焼成後のホーロー層の光沢,耐食性
等の実用性から定められ、焼成温度350℃以上で実用
性を満足するホーロー被覆鋼板が得られた。
【0011】実施例2:板厚0.4mmの鋼板に、約
0.15重量%−残部Znの溶融亜鉛めっきを付着量4
5g/m2 で施した。溶融亜鉛めっき層が凝固しないう
ちに加熱し、合金化亜鉛めっき鋼板を製造した。形成さ
れためっき層は、δ1 相及びζ相で構成されており、合
金化によるめっき層中の平均Fe濃度は約10重量%,
線膨張係数は145×10-7/℃であった。この合金化
亜鉛めっき鋼板をホーロー原板として使用した。ホーロ
ー掛けには、スリップI〜III を使用した。スリップI
は、PbO,B2 O3 ,Bi2 O3 ,ZnO,CuO,
Fe2 O3,F2 等を含み軟化点295℃,線膨張係数
140×10-7/℃のフリットに懸濁剤,止め薬,水等
を添加することにより調製した。
0.15重量%−残部Znの溶融亜鉛めっきを付着量4
5g/m2 で施した。溶融亜鉛めっき層が凝固しないう
ちに加熱し、合金化亜鉛めっき鋼板を製造した。形成さ
れためっき層は、δ1 相及びζ相で構成されており、合
金化によるめっき層中の平均Fe濃度は約10重量%,
線膨張係数は145×10-7/℃であった。この合金化
亜鉛めっき鋼板をホーロー原板として使用した。ホーロ
ー掛けには、スリップI〜III を使用した。スリップI
は、PbO,B2 O3 ,Bi2 O3 ,ZnO,CuO,
Fe2 O3,F2 等を含み軟化点295℃,線膨張係数
140×10-7/℃のフリットに懸濁剤,止め薬,水等
を添加することにより調製した。
【0012】スリップIIは、PbO,B2 O3 ,SiO
2 ,Al2 O3 等を含み軟化点365℃,線膨張係数1
10×10-7/℃のフリットに懸濁剤,止め薬,水等を
添加することにより調製した。スリップIII は、P2 O
5 ,Al2 O3 ,Sb2 O,Na2 O,B2 O3 ,Li
2 O等を含み軟化点483℃,線膨張係数120×10
-7/℃のフリットに懸濁剤,止め薬,水等を添加するこ
とにより調製した。ホーロー前処理なしで合金化亜鉛め
っき鋼板に乾燥膜厚が80μmとなるように各スリップ
I〜III を塗布した。焼成は、それぞれのフリットの軟
化点近傍の温度に10分間加熱し、次いで表2に示す各
温度で焼成した。焼成後のホーロー被覆鋼板について、
実施例1と同じ衝撃試験でホーロー密着性を調査した。
そして、ホーロー層の剥離が5%以下のものを◎,5〜
10%程度剥離したものを○,10〜50%程度剥離し
たものを△,50%以上剥離したものを×として評価し
た。また、ホーロー層の光沢を、75度鏡面反射率で測
定した。これら調査結果を、表2に併せ示す。
2 ,Al2 O3 等を含み軟化点365℃,線膨張係数1
10×10-7/℃のフリットに懸濁剤,止め薬,水等を
添加することにより調製した。スリップIII は、P2 O
5 ,Al2 O3 ,Sb2 O,Na2 O,B2 O3 ,Li
2 O等を含み軟化点483℃,線膨張係数120×10
-7/℃のフリットに懸濁剤,止め薬,水等を添加するこ
とにより調製した。ホーロー前処理なしで合金化亜鉛め
っき鋼板に乾燥膜厚が80μmとなるように各スリップ
I〜III を塗布した。焼成は、それぞれのフリットの軟
化点近傍の温度に10分間加熱し、次いで表2に示す各
温度で焼成した。焼成後のホーロー被覆鋼板について、
実施例1と同じ衝撃試験でホーロー密着性を調査した。
そして、ホーロー層の剥離が5%以下のものを◎,5〜
10%程度剥離したものを○,10〜50%程度剥離し
たものを△,50%以上剥離したものを×として評価し
た。また、ホーロー層の光沢を、75度鏡面反射率で測
定した。これら調査結果を、表2に併せ示す。
【0013】
【表2】
【0014】表2から明らかなように、本発明に従って
得られたホーロー被覆鋼板では、ホーロー前処理を施さ
なくても、優れたホーロー密着性が得られていた。しか
し、焼成温度が低い比較例12では、ホーロー密着性が
不足しており、また光沢も著しく低いものであった。他
方、焼成温度が高い比較例13〜15では、合金化亜鉛
めっき層中のFe濃度が適正量を超え、めっき層の加工
性が著しく低下していた。その結果として、ホーロー密
着性が劣っていた。
得られたホーロー被覆鋼板では、ホーロー前処理を施さ
なくても、優れたホーロー密着性が得られていた。しか
し、焼成温度が低い比較例12では、ホーロー密着性が
不足しており、また光沢も著しく低いものであった。他
方、焼成温度が高い比較例13〜15では、合金化亜鉛
めっき層中のFe濃度が適正量を超え、めっき層の加工
性が著しく低下していた。その結果として、ホーロー密
着性が劣っていた。
【0015】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、δ1 相及びζ相を主体とする合金化めっき層をもつ
鋼板をホーロー原板とすることにより、ホーロー前処理
を必要とすることなく、密着性に優れたホーロー層が形
成される。その結果、従来のホーロー前処理で発生して
いた廃液の処理が不要になり、また低温焼成が可能であ
ることからホーロー被覆鋼板の熱歪みによる変形が抑制
され、ホーロー原板として薄鋼板を使用することも可能
になる。更に、合金化亜鉛めっき鋼板は、優れた耐食性
を呈することから、ホーロー被覆を片面だけに施すこと
もできる。このようにして得られたホーロー被覆鋼板
は、その優れた長所を活用して外装材,内装材,厨房用
家具,調理用器具等として広範な用途に使用される。
は、δ1 相及びζ相を主体とする合金化めっき層をもつ
鋼板をホーロー原板とすることにより、ホーロー前処理
を必要とすることなく、密着性に優れたホーロー層が形
成される。その結果、従来のホーロー前処理で発生して
いた廃液の処理が不要になり、また低温焼成が可能であ
ることからホーロー被覆鋼板の熱歪みによる変形が抑制
され、ホーロー原板として薄鋼板を使用することも可能
になる。更に、合金化亜鉛めっき鋼板は、優れた耐食性
を呈することから、ホーロー被覆を片面だけに施すこと
もできる。このようにして得られたホーロー被覆鋼板
は、その優れた長所を活用して外装材,内装材,厨房用
家具,調理用器具等として広範な用途に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき層の表面
粗さ
粗さ
【図2】 めっき層中の平均Fe濃度に及ぼす焼成温度
の影響
の影響
【図3】 めっき層中の平均Fe濃度とホーロー密着性
との関係
との関係
Claims (3)
- 【請求項1】 溶融Znめっき直後の加熱処理により表
面までδ1 相及びζ相を成長させためっき層をもち、該
めっき層の片面又は両面にホーロー層が形成されている
ホーロー被覆鋼板。 - 【請求項2】 溶融亜鉛めっき直後の表面亜鉛層を加熱
し、Fe−Zn系金属間化合物のうちでδ1 相及びζ相
をめっき層の表面まで成長させる合金化処理を施し、次
いで合金化亜鉛めっき鋼板のめっき層上の片面又は両面
にホーロー層を形成することを特徴とするホーロー被覆
鋼板及びその製造方法。 - 【請求項3】 焼成温度350〜550℃でホーローを
焼き付ける請求項1記載の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17685795A JPH093660A (ja) | 1995-06-20 | 1995-06-20 | ホーロー被覆鋼板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17685795A JPH093660A (ja) | 1995-06-20 | 1995-06-20 | ホーロー被覆鋼板及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH093660A true JPH093660A (ja) | 1997-01-07 |
Family
ID=16021044
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17685795A Withdrawn JPH093660A (ja) | 1995-06-20 | 1995-06-20 | ホーロー被覆鋼板及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH093660A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0964078A1 (en) * | 1998-06-12 | 1999-12-15 | Enamels and Ceramic Coatings International C.V. | Enamelling of zinc or zinc-alloy precoated steel surfaces |
-
1995
- 1995-06-20 JP JP17685795A patent/JPH093660A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0964078A1 (en) * | 1998-06-12 | 1999-12-15 | Enamels and Ceramic Coatings International C.V. | Enamelling of zinc or zinc-alloy precoated steel surfaces |
| WO1999066103A1 (en) * | 1998-06-12 | 1999-12-23 | Enamels And Ceramic Coatings International C.V. | Enamelling of zinc or zinc-alloy precoated steel surfaces |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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