JPH0937384A - 多チャンネル音声再生装置 - Google Patents

多チャンネル音声再生装置

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JPH0937384A
JPH0937384A JP7200288A JP20028895A JPH0937384A JP H0937384 A JPH0937384 A JP H0937384A JP 7200288 A JP7200288 A JP 7200288A JP 20028895 A JP20028895 A JP 20028895A JP H0937384 A JPH0937384 A JP H0937384A
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channel signal
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Sueaki Fukuhara
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 映像再生装置の画面の映像と音像とを容易に
一致させることができる多チャンネル音声再生装置を提
供する。 【構成】 映像再生装置5の左右に設置された左チャン
ネル用スピーカ2及び右チャンネル用スピーカ3を含む
複数のスピーカを具備し、映像再生装置と組合わせて使
用される多チャンネル音声再生装置において、4kHz
以上の周波数帯域の内の特定帯域のレベルを抑制したセ
ンターチャンネル信号を映像再生装置の上または下側に
位置するスピーカ1aで再生し、この特定帯域のセンタ
ーチャンネル信号を映像再生装置の左右に位置するスピ
ーカ1bで再生する。音声信号の内、4kHz以上の周
波数帯域の中の特定帯域、特に、6.3kHzを中心と
するほぼ1オクターブの帯域、のレベルを抑えた場合に
は、視聴者は音源の上下位置の認知が困難になる。ま
た、音像が曖昧で、音源位置が明確でないとき、視聴者
は注視している視覚の方向に音像があるように感じる
(視覚優先の効果)。この聴覚心理上の特性を利用して
映像と音像との一致を図っている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、映像再生装置と組合わ
せて使用される多チャンネル音声再生装置に関し、特
に、聴覚心理上の特性を利用して音像と映像との一致
や、効果的なサラウンドの再生を実現するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、一般家庭などでも、大型画面のテ
レビジョン(TV)と、ドルビープロロジック等の多チ
ャンネル音声信号を再生する音響再生装置とを組合せ
て、迫力ある映画などを再生して楽しむことが増えてき
ている。
【0003】こうした映像再生装置と組合わされる従来
の多チャンネル音声再生装置は、図10に示すように、
視聴者6の前方に置かれたTV5の左右両横に設置され
る左チャンネル信号の再生用スピーカ装置2と、右チャ
ンネル信号の再生用スピーカ装置3と、TV5の上側に
設置されるセンターチャンネル信号を再生するスピーカ
装置1と、視聴者6の横方向に設置されるサラウンド信
号再生用の2本のスピーカ装置4’とから構成される。
【0004】この多チャンネル音声再生装置では、スピ
ーカ装置2、3が左及び右チャンネルの音声信号を再生
し、スピーカ装置1が、主にTV画面の登場人物が喋る
セリフなどを再生する。このスピーカ装置1を設けるこ
とにより、セリフの定位感が大きく向上する。また、ス
ピーカ装置4’が残響音や反射音を表すサラウンドチャ
ンネル信号を再生し、これらのスピーカ装置から放音さ
れる音声により、臨場感溢れる音場が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の構成で
は、図11に示すように、センターチャンネルの信号は
TV5の上に設置されたスピーカ装置1から再生される
ため、音像が概ねBで示す位置に形成される。一方、映
像はスピーカ装置1の下のTV5で再生されるため、音
像位置と映像位置とに隔たりが生じ、視聴者に違和感を
与えるという問題点がある。
【0006】こうした点の解決方法として、図12に示
すように、センターチャンネル信号を再生する2本のス
ピーカ装置1’をTV5の左右両横に近接して設置する
ことが考えられる。このように構成すればセンターチャ
ンネル信号は左右のスピーカ装置1’から放射されて合
成され、音像が2本のスピーカ装置1’の中央部(C)
にできる。従って、映像と音像との位置が一致した再生
を行なうことが可能になる。
【0007】しかし、図12に示した構成では、例え
ば、視聴者が、6’に示すように、左にずれた位置で視
聴すると、センターチャンネルの音像もC’の位置にず
れてしまい、視聴者に違和感を与えるという問題点があ
る。また、スピーカ装置1’の外側に、更に左及び右チ
ャンネルの音声信号を再生するスピーカ装置2、3を設
置しなければならないから、TV5の左右に大きな設置
スペースが必要になるという問題点もある。また、画面
の左右に多数のスピーカがあると、視覚的に映像鑑賞の
妨げになりかねない。
【0008】こうした点を避けるために、特開平4−2
70600号公報には、図13に示すように、センター
チャンネル信号の再生を行なう2本のスピーカ装置1”
を、TV5の上下に配置することが記載されている。こ
のようにスピーカ装置1”を配置すれば音像はD’の位
置にできるため、音像と映像との位置が一致した再生を
行なうことができる。しかし、この構成では、TV5の
上側及び下側の両方に大きな設置スペースが必要となる
という問題が派生する。
【0009】また、サラウンドチャンネル信号について
見ると、この信号はモノラル信号ではあるが本来間接音
成分や残響音成分の信号であるから、サラウンドチャン
ネル信号の再生では、より広い空間にサラウンド音が放
射され、聴取者に対して圧迫感や定位感を与えないよう
にサラウンド再生されることが望ましい。
【0010】しかし、図10に示した従来のサラウンド
チャンネル用のスピーカ装置4’は、スピーカユニット
の主軸方向が概ね視聴者方向を向くように設置されるの
で、モノラルであるサラウンド信号が2本のスピーカ装
置4’から再生されたときに、音像が視聴者6の後頭部
にEのように形成され、視聴者6に音像定位感や圧迫感
を与えてしまい、サラウンド感が大きく損なわれるとい
う問題点がある。
【0011】この対策としては、図14のように、スピ
ーカ装置4’のスピーカユニット主軸方向が視聴者方向
を向かないように、角度を90°ずらし、スピーカユニ
ットの主軸方向と部屋の壁面とが平行になるように設置
することが考えられる。しかし、この場合には、サラウ
ンドチャンネル用スピーカを目立たなくするために壁に
埋め込むということが不可能になるし、また、このスピ
ーカを壁面に取り付けたときには、口径の大きいスピー
カユニットが取り付けられているバッフル面が視聴者か
ら見たキャビネの奥行き方向になるため、壁から突出す
るD寸法が長くなり、突起物として非常に目立ち、視覚
的に圧迫感を与え、部屋全体の美観を損ねるという問題
点がある。
【0012】本発明は、こうした従来の問題点を解決す
るものであり、映像再生装置の画面の映像と音像とを容
易に一致させることができ、また、スピーカの壁面から
の突出寸法を大きくすることなく、視聴者に効果的なサ
ラウンド感を与えることができる多チャンネル音声再生
装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、映
像再生装置の左右に設置する左チャンネル用スピーカ及
び右チャンネル用スピーカを含む複数のスピーカを具備
し、映像再生装置と組合わせて使用する多チャンネル音
声再生装置において、4kHz以上の周波数帯域の内の
特定帯域のレベルを抑制したセンターチャンネル信号を
映像再生装置の上または下側に位置するスピーカで再生
し、この特定帯域のセンターチャンネル信号を映像再生
装置の左右に位置するスピーカで再生している。
【0014】また、映像再生装置の左右の位置に、この
特定帯域のセンターチャンネル信号を専ら再生する副ス
ピーカを設けている。
【0015】また、映像再生装置の左右に位置する副ス
ピーカに、特定帯域のみを通過させる特定帯域通過手段
を介してセンターチャンネル信号を入力し、映像再生装
置の上または下側に位置するスピーカに、特定帯域の通
過を阻止する特定帯域阻止手段を介してセンターチャン
ネル信号を入力している。
【0016】また、この特定帯域のセンターチャンネル
信号を左チャンネル用スピーカ及び右チャンネル用スピ
ーカを通じて再生している。
【0017】また、この左チャンネル用スピーカに、左
チャンネル信号と特定帯域のセンターチャンネル信号と
を加算して入力し、右チャンネル用スピーカに、右チャ
ンネル信号と特定帯域のセンターチャンネル信号とを加
算して入力している。
【0018】また、視聴者のほぼ左右横方向に設置する
サラウンドチャンネル用スピーカを、4kHz以上の周
波数帯域の内の特定帯域のレベルを抑制したサラウンド
チャンネル信号を再生する主スピーカと、主スピーカの
主軸方向と凡そ90°異なる主軸方向を有し、特定帯域
のサラウンドチャンネル信号を再生する副スピーカとで
構成している。
【0019】また、この主スピーカの主軸方向が概ね視
聴者の方向を向くように、サラウンドチャンネル用スピ
ーカを設置している。
【0020】また、この副スピーカの主軸方向が概ね映
像再生装置の設置されている方向と反対方向を向くよう
に、サラウンドチャンネル用スピーカを設置している。
【0021】また、この副スピーカに、特定帯域のみを
通過させる特定帯域通過手段を介してサラウンドチャン
ネル信号を入力し、主スピーカに、特定帯域の通過を阻
止する特定帯域阻止手段を介してサラウンドチャンネル
信号を入力している。
【0022】また、この特定帯域を、凡そ6.3kHz
を中心とするほぼ1オクターブの帯域に設定している。
【0023】
【作用】音声信号の内、4kHz以上の周波数帯域の中
の特定帯域、特に、6.3kHzを中心とするほぼ1オ
クターブの帯域、のレベルを抑えた場合には、視聴者は
音源の上下位置の認知が困難になる。また、音像が曖昧
で、音源位置が明確でないときには、視聴者は注視して
いる視覚の方向に音像があるように感じる(視覚優先の
効果)。本発明では、こうした聴覚心理上の特性を利用
している。
【0024】本発明の多チャンネル音声再生装置では、
映像再生装置の上または下側に設置するセンターチャン
ネル用スピーカには、この特定帯域の信号を除いたセン
ターチャンネル信号を与えているため、視聴者はセンタ
ーチャンネルのスピーカの音源位置を認識しにくくな
り、その結果、視覚優位の効果により、映像再生装置の
画面上に音像があるように認識する。また、センターチ
ャンネル信号の特定帯域の信号は、画面の高さとほぼ同
じ位置にある左、右のスピーカで再生するため、特定帯
域の音像も映像再生装置の画面上に形成される。従っ
て、視聴者はセンターチャンネル信号の再生音全体とし
ての音源位置が画面上にあるように認識し、音像と画像
とが一致しているように感じる。
【0025】また、特定帯域を除く殆どのセンターチャ
ンネル信号が映像再生装置の上または下に設置したセン
ターチャンネル用スピーカで再生されるため、視聴位置
を左右にずらしたときでも、センターチャンネルの音像
が画面中央からずれることはない。
【0026】また、特定帯域のセンターチャンネル信号
の再生は、画面の左右に設けた専用の副スピーカや、左
及び右チャンネル用スピーカを利用して行なう。副スピ
ーカには小口径のスピーカが使用できるため、これを設
ける場合でも、大きな設置スペースは不要であり、視覚
的に映像鑑賞の妨げになるということもない。左及び右
チャンネル用スピーカを利用する場合は、回路構成を変
えるだけで、従来のスピーカ装置がそのまま使用でき
る。
【0027】また、サラウンドスピーカの主スピーカに
は、特定帯域を除いたサラウンドチャンネル信号を与え
ているため、サラウンドチャンネルの再生音の音像が曖
昧になり、視聴者の後頭部に音像が形成されにくい。ま
た、特定帯域のサラウンドチャンネル信号は、視聴者の
方向を向かないように配置された副スピーカから間接音
として再生されるため、視聴者に定位感を与えることが
ない。その結果、効果的なサラウンド再生が実現でき
る。
【0028】この副スピーカは、高域を再生するだけで
よいので、小口径のスピーカが使用できる。そのため、
キャビネットの前面に主スピーカを取付け、側面に副ス
ピーカを取付けた場合でも、スピーカ装置の奥行き寸法
がそれ程大きくならない。また、小口径の副スピーカが
壁面に埋もれない程度まで、このサラウンドスピーカ装
置を壁に埋め込むことができる。また、このサラウンド
スピーカを壁面に直接取り付けた場合でも、壁面からの
突出寸法は小さく、視覚的な圧迫感を与えたり、部屋の
美観を損ねたりすることがない。
【0029】また、副スピーカの主軸を映像再生装置と
反対方向に向けることにより、特定帯域の再生音が視聴
者の後方に放射され、サラウンドが効果的に広がる。
【0030】また、特定帯域を6.3kHzを中心とす
る1オクターブとすることにより、音像と画像との一致
感や効果的なサラウンド感が特に得られる。また、この
場合は、副スピーカに圧電素子からなる発音体を使用す
ることが可能になり、大きなコストを掛けずに、本効果
が実現できる。
【0031】
【実施例】
(第1実施例)本発明の多チャンネル音声再生装置で
は、映像と音像との一致を図るために、聴覚心理上の特
性を利用している。そこで、まず、この聴覚心理上の特
性について説明する。
【0032】これまで、音源認知に関する実験が数多く
なされ、種々報告されている。例えば、藤木、桝谷、丸
山らの「ステレオフォニックにおける正面虚音像につい
て」(電気音響研究会資料、EA81−16、198
1)や、黒澤、都木、山口らの「頭部伝達関数と方向弁
別能力について」(音響学会論文集、Vol38、4
3.66.Qp、1982)には、正中面、つまり正面
上下方向の音源認知は、約4kHz以上の高域周波数に
おける周波数特性の変化(この変化は頭部または耳介な
どがあるために生じる)を聴感することによってなされ
ていることが記載されている。従って、この高域周波数
の信号のない音源の場合には、正中面の上下位置が認知
されにくくなると言える。
【0033】これらの文献を参考にして、図7に示すよ
うに、被験者Tの前方正中面にスピーカSPを5台設置
して試聴実験を行なった。音源には、図8に示すよう
に、1オクターブバンドに渡って信号が除去されている
1オクターブバンドエリミネートノイズを用い、その1
オクターブバンドの中心周波数fcを異にする数種類の
信号を5台のスピーカSPのそれぞれからランダムに提
示し、被験者には、提示された音が5台のスピーカのど
の位置から聴こえるかを番号で回答させた。
【0034】図9は、この実験の結果を示すものであ
り、提示した音源の位置と異なる位置に回答した数(縦
軸)を、バンドエリミネートノイズの中心周波数fc
(横軸)毎にまとめたものである。同図から、fcを5
kHz以上に設定したときに、誤った回答数が増えてい
ることが分かる。その中でも、fcが6.3kHzのと
きに誤り回答数が最も多いことが分かる。
【0035】この結果から、上下方向の音源位置を認知
するためには約4kHz以上の高域周波数成分が必要で
あり、この帯域の信号がない場合には、上下方向の音源
認知が曖昧になることが分かった。特に6.3kHz付
近を中心とする帯域の信号がない場合には、上下方向の
音源認知が非常に困難になることが分かった。
【0036】また、小宮山、中林、二階堂らの「大画面
テレビ映像とステレオ音像の相互作用に関する基礎実験
−垂直方向の音像定位について−」(聴覚研究会資料、
H−81−33、1981)などに記載されているよう
に、視覚情報は聴覚情報に優先することが広く知られて
いる。つまり、音像は注視している視覚方向に引きつけ
られる傾向がある。これは、音像が曖昧で音源認知しに
くいほどその効果が大きくなる。
【0037】実際に、テレビジョンの上にスピーカ装置
を設置して、実ソースによる試聴実験を行なった結果で
は、スピーカ装置から放音する音声信号の4kHz以上
の信号成分を取り除いた場合には、音像と映像とが一致
し易くなることが分かった。更に、上下方向の音源認知
試聴実験で最も誤回答が多かった6.3kHz付近の信
号のみをディップ回路で取り除いた場合には、特に音像
と映像との一致感が得られ易くなることが分かった。こ
のときに得られた音像と画像との一致感は、視覚優先効
果によるものと考えられる。
【0038】本発明の多チャンネル音声再生装置は、こ
うした聴覚心理上の特性を構成に活かしている。第1実
施例の装置は、この多チャンネル音声再生装置における
センターチャンネル信号再生装置である。この装置は、
図1に示すように、TV5の上側に設置されたセンター
チャンネル用主スピーカ1aと、TV5の左右に設置す
る左及び右チャンネル用スピーカ装置2、3の前面に配
置されたセンターチャンネル用副スピーカ1bと、主ス
ピーカ1aに入力するセンターチャンネル信号から特定
の周波数帯域を取り除くディップ回路(特定帯域阻止手
段)1cと、副スピーカ1bに入力するセンターチャン
ネル信号を特定周波数帯域のみに絞るバンドパス回路
(特定帯域通過手段)1dとを備えている。
【0039】このセンターチャンネル用副スピーカ1b
はTV5の中央部の高さとほぼ同じ高さになる位置に設
けている。また、ディップ回路1cの通過阻止帯域の中
心周波数及びバンドパス回路1dの通過帯域の中心周波
数は約6.3kHzに設定している。このディップ回路
1cの周波数特性を図4にMとして示し、また、バンド
パス回路1dの周波数特性を同図にSとして示してい
る。
【0040】この装置では、センターチャンネル用主ス
ピーカ1aからの放射音の音像Aが1aの正面に形成さ
れる。しかし、主スピーカ1aからの再生音には、ディ
ップ回路1cによって、6.3kHz付近の音が除かれ
ているため、聴感上、主スピーカ1aからの放射音の上
下方向の音源認識は非常に困難になり、視覚優先効果に
よって心理的に映像に引きつけられ、音像がTV5の画
面上のA’の位置に認識される。
【0041】また、2つのセンターチャンネル用副スピ
ーカ1bから放射される6.3kHz付近の音は、画面
とほぼ同じ高さで再生され、画面のほぼ中央に音像Aa
が形成される。
【0042】その結果、センターチャンネル信号は、画
面上に認識される音像A’と、画面上に形成される音像
Aaとを合わせたものとして、優れた音質で、また、音
像と画像とが一致した状態で再生される。
【0043】また、センターチャンネル信号の殆どの帯
域は主スピーカ1aによって再生されるため、視聴位置
が左右にずれてもセンターチャンネル信号の音像は中央
付近に定位する。
【0044】また、副スピーカ1bは、高域のみを再生
できればよいため、小口径のスピーカユニットを使用す
ることができ、スピーカ装置2、3のサイズを大きくす
ることなく取り付けることができる。また、特定帯域を
6.3kHzを中心とする約1オクターブの帯域に設定
するときには、圧電素子を用いた低価格の発音体を副ス
ピーカに使用することが可能になり、コストの低減も可
能になる。
【0045】なお、センターチャンネル信号用主スピー
カ1aは、TVの上ではなく、TVの下側に設置するこ
とも可能であり、この場合でも同様の効果が得られる。
【0046】(第2実施例)第2実施例の多チャンネル
音声再生装置は、センターチャンネル用副スピーカに送
るべきセンターチャンネル信号を、回路的に左チャンネ
ル用スピーカ及び右チャンネル用スピーカに振り分ける
ことにより、センターチャンネル用副スピーカを用いる
ことなく、第1実施例と同じ効果を得ている。
【0047】この装置は、図2に示すように、回路構成
として、レーザディスクプレーヤやVTRなどからオー
ディオ信号が入力するオーディオ入力手段11と、入力す
る音声信号をL(左)、C(センター)及びR(右)信
号に分波するドルビープロロジックデコーダなどのチャ
ンネル分波手段12と、分波されたC信号の特定帯域の信
号C’のみを選択的に通過させる特定帯域通過手段13
と、C信号におけるその特定帯域と概ね同じ帯域のレベ
ルを制限する特定帯域阻止手段14と、信号C’のレベル
調整を行なう利得調整手段15と、レベル調整されたC’
信号をL信号と加算する加算手段16と、レベル調整され
たC’信号をR信号と加算する加算手段17と、センター
チャンネル用スピーカ装置1に入力する信号を増幅する
電力増幅手段18と、左チャンネル用スピーカ装置2に入
力する信号を増幅する電力増幅手段19と、右チャンネル
用スピーカ装置3に入力する信号を増幅する電力増幅手
段20とを備えている。
【0048】この特定帯域通過手段13は概ね4kHz以
上の帯域の信号だけを通し、特定帯域阻止手段14は概ね
4kHz以上の帯域の信号を制限する。
【0049】また、センターチャンネル用スピーカ装置
1は、図3に示すように、TV5上に設置され、左チャ
ンネル用スピーカ装置2と右チャンネル用スピーカ装置
3とは、TV5の左右に設置される。
【0050】この多チャンネル音声再生装置では、オー
ディオ入力手段11から入力した音声信号がチャンネル分
波手段12でL(左)、C(センター)及びR(右)信号
に分波された後、それぞれ信号処理され、各スピーカ装
置で再生される。センターチャンネル用スピーカ装置1
には、特定帯域阻止手段14によって特定帯域のレベルが
制限されたセンターチャンネル信号C”が、電力増幅手
段18で増幅された後に入力する。センターチャンネル用
スピーカ装置1は、この信号C”を再生して、音像Aを
スピーカ装置1の位置に形成する。しかし、信号C”
は、概ね4kHz以上の帯域の信号が特定帯域阻止手段
14によって制限されているため、第1実施例と同様、音
源位置が認識されにくい。そのため、視覚優先効果によ
って音像が映像に引きつけられ、視聴者は音像をA’の
位置に認識する。
【0051】また、センターチャンネル信号Cの特定帯
域通過手段13を通過した特定帯域の信号C’は、利得調
整手段15で利得調整された後、加算手段16及び加算手段
17に入力する。加算手段16は、利得調整されたC’信号
とLチャンネル信号とを加算して信号L’を出力し、ま
た、加算手段17は、利得調整されたC’信号とRチャン
ネル信号とを加算して信号R’を出力する。
【0052】信号L’は、電力増幅手段19で増幅された
後、左チャンネル用スピーカ装置2に入力し、左チャン
ネル用スピーカ装置2は、この信号L’を再生する。ま
た、信号R’は、電力増幅手段20で増幅された後、右チ
ャンネル用スピーカ装置3に入力し、右チャンネル用ス
ピーカ装置3は、この信号R’を再生する。この信号
L’及び信号R’に加算されたセンターチャンネル信号
C’は、TV5の左右に設置されたスピーカ装置2、3
で再生されるため、C’の音像Aaは画面中央に形成さ
れる。
【0053】その結果、第1実施例と同じように、セン
ターチャンネル信号Cは、優れた音質で、また、音像と
画像とが一致した状態で再生される。
【0054】この装置では、従来の構成のスピーカ装置
をそのまま使用することができ、また、電力増幅手段や
スピーカ装置の配線も従来のままでよいため、第1実施
例に比べて、より簡単に音像と画像との一致を実現する
ことができる。また、スピーカ装置の構成も簡単にな
り、低価格での提供が可能になる。
【0055】なお、センターチャンネル用スピーカ装置
1は、TVの下側に設置しても同様の効果が得られる。
【0056】(第3実施例)第3実施例の装置は、多チ
ャンネル音声再生装置において視聴者の横方向に設置さ
れるサラウンドチャンネルスピーカ装置に関する。
【0057】このサラウンドチャンネルスピーカ装置の
構成に当たっては、次の試聴実験の結果を利用してい
る。
【0058】TVの上に設置したセンタースピーカを実
ソースとして用いる試聴実験において、TVの映像を止
め、センタースピーカから放音する音声だけについて評
価した場合には、音声信号から概ね4kHz以上の帯
域、特に、6.3kHz付近の帯域の信号を取り除く
と、音像が大きくなり、さらに曖昧になるという所見が
被験者から得られている。このことから、上記周波数帯
域は、音源位置を認識するために必要であるだけでな
く、明確な音像形成や、音像定位感にも影響を及ぼして
いると考えられる。また、この試聴結果は、スピーカ装
置を正面に設置した場合だけでなく、横方向に設置した
場合にも、同じように現れ、音声信号から上記周波数帯
域を取り除くことによって、音像が大きくなり、曖昧に
なることが分かった。
【0059】この試聴実験の結果を踏まえて、第3実施
例のサラウンドチャンネルスピーカ装置には、図5に示
すように、視聴者方向を向くバッフル面に取り付けた主
スピーカユニット4aと、キャビネットの側面に取り付
けた副スピーカユニット4bと、主スピーカユニット4
aに入力するサラウンドチャンネル信号から特定の周波
数帯域を取り除くディップ回路4cと、副スピーカユニ
ット4bに入力するサラウンドチャンネル信号を特定周
波数帯域のみに絞るバンドパス回路4dとを設けてい
る。
【0060】このディップ回路4cの通過阻止帯域の中
心周波数及びバンドパス回路4dの通過帯域の中心周波
数は約6.3kHzに設定している。このディップ回路
4c及びバンドパス回路4dの周波数特性は、それぞれ
図4のMとSである。
【0061】このサラウンドチャンネルスピーカ装置4
は、図6に示すように、視聴者6の左右横方向に2個設
置する。サラウンドチャンネル信号は、視聴者方向に主
軸が向いている主スピーカユニット4a、及び主軸方向
が後方に向いている副スピーカユニット4bから再生さ
れる。主スピーカユニット4aからの再生音には、ディ
ップ回路4cの働きで、6.3kHz付近の信号が殆ど
含まれていない。そのため、サラウンドチャンネルの再
生音の音像が曖昧になり、視聴者は後頭部の音像を認識
しにくくなる。
【0062】一方、6.3kHz付近のサラウンドチャ
ンネル信号の再生音はキャビネット側面に設けられた副
スピーカユニット4bによって視聴者の後方に放射され
る。この再生音は間接音として再生されるため、視聴者
に音像定位感を与えることがない。
【0063】この音像が曖昧な主スピーカ4aからの再
生音と、後方に拡散された副スピーカ4bからの再生音
とによって、より広い音場ASが形成される。
【0064】その結果、視聴者に定位感や圧迫感を与え
ることなく、広がり感の優れたサラウンドを再生するこ
とができる。
【0065】このキャビネット側面に取り付けられる副
スピーカユニット4bは、高域のみを再生できればよい
ため、口径の小さいスピーカユニットが使用できる。従
って、キャビネットの奥行き寸法Dを小さくすることが
可能になり、このキャビネットを壁面に取り付けたとき
の突出寸法が小さくなる。
【0066】なお、各実施例では、多チャンネル音声再
生装置をテレビジョンと組合せる場合について説明して
きたが、本発明の多チャンネル音声再生装置は、映画な
ど、他の映像再生装置と組合せることも勿論可能であ
る。
【0067】
【発明の効果】以上の実施例の説明から明らかなよう
に、本発明の多チャンネル音声再生装置は、センターチ
ャンネル信号を、音像と映像とが一致する状態で、且
つ、優れた音質で再生することができる。また、聴取位
置が左右に移動した場合でも、センターチャンネル信号
の再生音はほぼ中央付近に定位する。
【0068】また、そのためにセンターチャンネル信号
の特定帯域を再生する副スピーカを右、左チャンネルス
ピーカ装置内に設ける場合でも、副スピーカとして小口
径のスピーカユニットや圧電素子の発音体が使用できる
ので、左、右チャンネルのスピーカ装置のサイズを大き
くしたり、設置スペースを大きく取ったりする必要がな
い。
【0069】また、信号処理によって、センターチャン
ネル信号の特定帯域の信号を左、右チャンネルの信号に
加算する装置では、スピーカの配置などを従来のままに
して音像と映像との一致を図ることができる。
【0070】また、サラウンドチャンネル信号の再生装
置では、キャビネットの奥行き寸法を大きくすることな
く、定位感や圧迫感のない、広がり感の優れたサラウン
ドを再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の多チャンネル音声再生装置の構成
を示す正面図、
【図2】第2実施例の多チャンネル音声再生装置の回路
構成を示すブロック図、
【図3】第2実施例の多チャンネル音声再生装置のスピ
ーカ配置を示す正面図、
【図4】各実施例の多チャンネル音声再生装置のスピー
カ及び信号の周波数特性図、
【図5】第3実施例の多チャンネル音声再生装置におけ
るサラウンドチャンネルスピーカ装置の構成を示す図、
【図6】第3実施例の多チャンネル音声再生装置におけ
るスピーカ配置を示す平面図、
【図7】上下方向音源認知実験方法を示す説明図、
【図8】上下方向音源認知実験に用いた信号の周波数特
性図、
【図9】上下方向音源認知実験の結果を示す説明図、
【図10】従来の多チャンネル音声再生装置のスピーカ
配置を示す平面図、
【図11】従来の多チャンネル音声再生装置での音像位
置を示す説明図、
【図12】従来の多チャンネル音声再生装置における他
のスピーカ配置を示す平面図、
【図13】従来の多チャンネル音声再生装置におけるそ
の他のスピーカ配置と音像位置とを示す説明図、
【図14】従来の多チャンネル音声再生装置における他
のサラウンドスピーカ配置を示す平面図である。
【符号の説明】
A センターチャンネル用主スピーカによる音像 A' 認知音像 Aa センターチャンネル用副スピーカによる音像 As、B'、E サラウンド音場 B、C、C'、D' センターチャンネル用スピーカによる
音像 SP1〜5 スピーカ T 被験者 1、1'、1" センターチャンネル用スピーカ 1a センターチャンネル用主スピーカ 1b センターチャンネル用副スピーカ 1c、4c ディップ回路 1d、4d バンドパス回路 2 左チャンネル用スピーカ 3 右チャンネル用スピーカ 4、4' サラウンドチャンネルスピーカ 4a サラウンドチャンネル用主スピーカユニット 4b サラウンドチャンネル用副スピーカユニット 5 テレビジョン 6、6' 視聴者 7 TV台 11 オーディオ入力手段 12 チャンネル分波手段 13 特性帯域通過手段 14 特性帯域阻止手段 15 利得調整手段 16、17 加算手段 18、19、20 電力増幅手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04S 1/00 H04S 1/00 B

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 映像再生装置の左右に設置する左チャン
    ネル用スピーカ及び右チャンネル用スピーカを含む複数
    のスピーカを具備し、前記映像再生装置と組合わせて使
    用する多チャンネル音声再生装置において、 4kHz以上の周波数帯域の内の特定帯域のレベルを抑
    制したセンターチャンネル信号を前記映像再生装置の上
    または下側に位置するスピーカで再生し、前記特定帯域
    のセンターチャンネル信号を前記映像再生装置の左右に
    位置するスピーカで再生することを特徴とする多チャン
    ネル音声再生装置。
  2. 【請求項2】 前記映像再生装置の左右の位置に、前記
    特定帯域のセンターチャンネル信号を専ら再生する副ス
    ピーカを設けたことを特徴とする請求項1に記載の多チ
    ャンネル音声再生装置。
  3. 【請求項3】 前記映像再生装置の左右に位置する副ス
    ピーカに、前記特定帯域のみを通過させる特定帯域通過
    手段を介して前記センターチャンネル信号を入力し、前
    記映像再生装置の上または下側に位置するスピーカに、
    前記特定帯域の通過を阻止する特定帯域阻止手段を介し
    て前記センターチャンネル信号を入力することを特徴と
    する請求項2に記載の多チャンネル音声再生装置。
  4. 【請求項4】 前記特定帯域のセンターチャンネル信号
    を前記左チャンネル用スピーカ及び右チャンネル用スピ
    ーカを通じて再生することを特徴とする請求項1に記載
    の多チャンネル音声再生装置。
  5. 【請求項5】 前記左チャンネル用スピーカに、左チャ
    ンネル信号と前記特定帯域のセンターチャンネル信号と
    を加算して入力し、前記右チャンネル用スピーカに、右
    チャンネル信号と前記特定帯域のセンターチャンネル信
    号とを加算して入力することを特徴とする請求項4に記
    載の多チャンネル音声再生装置。
  6. 【請求項6】 映像再生装置の左右に設置する左チャン
    ネル用スピーカ及び右チャンネル用スピーカを含む複数
    のスピーカを具備し、前記映像再生装置と組合わせて使
    用する多チャンネル音声再生装置において、 視聴者のほぼ左右横方向に設置するサラウンドチャンネ
    ル用スピーカを、 4kHz以上の周波数帯域の内の特定帯域のレベルを抑
    制したサラウンドチャンネル信号を再生する主スピーカ
    と、 前記主スピーカの主軸方向と凡そ90°異なる主軸方向
    を有し、前記特定帯域のサラウンドチャンネル信号を再
    生する副スピーカとで構成したことを特徴とする多チャ
    ンネル音声再生装置。
  7. 【請求項7】 前記主スピーカの主軸方向が概ね視聴者
    の方向を向くように、前記サラウンドチャンネル用スピ
    ーカを設置することを特徴とする請求項6に記載の多チ
    ャンネル音声再生装置。
  8. 【請求項8】 前記副スピーカの主軸方向が概ね映像再
    生装置の設置されている方向と反対方向を向くように、
    前記サラウンドチャンネル用スピーカを設置することを
    特徴とする請求項7に記載の多チャンネル音声再生装
    置。
  9. 【請求項9】 前記副スピーカに、前記特定帯域のみを
    通過させる特定帯域通過手段を介して前記サラウンドチ
    ャンネル信号を入力し、前記主スピーカに、前記特定帯
    域の通過を阻止する特定帯域阻止手段を介して前記サラ
    ウンドチャンネル信号を入力することを特徴とする請求
    項6に記載の多チャンネル音声再生装置。
  10. 【請求項10】 前記特定帯域が、凡そ6.3kHzを
    中心とするほぼ1オクターブの帯域であることを特徴と
    する請求項1、2、3、4、5、6または9に記載の多
    チャンネル音声再生装置。
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