JPH0937787A - Dna塩基配列に含まれるベクター部の自動除去方法および装置 - Google Patents
Dna塩基配列に含まれるベクター部の自動除去方法および装置Info
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Abstract
DNAからベクターの一部の塩基配列としてのベクター
部を高精度で除去し、正確な構造を持つ、クローニング
目的のDNA断片を得ることを目的とする。 【構成】 ベクター切断時と目的DNA断片生成用とに
使用された制限酵素とベクターとに応じて、クローニン
グ結果のDNAの塩基配列からベクター部を検索するた
めの検索キーを作成し、該作成された検索キーを用いて
ベクター部を特定し、特定されたベクター部の自動除去
を行うように構成する。
Description
すべき遺伝子を含んだDNAの断片を、ベクターと呼ば
れる環状DNA分子に化学的に結合させ、そのベクター
を例えば大腸菌などの細胞内で増殖させることにより、
目的のDNAの断片を増産するDNAクローニングにお
いて、増産後のベクターから目的のDNA断片を取り出
す時、取り出される断片の内部に含まれるベクターの一
部を自動的に除去するベクター部自動除去方法に関す
る。
このヌクレオチドは塩基、糖、リン酸の3成分が結合し
たものである。ヌクレオチドはヌクレオシドにリン酸が
結合したものでもあり、リン酸はヌクレオシドをはしか
けして、ポリマーが作られ、DNA(レオキシリボ核
酸)とRNA(リボ核酸)のいずれかが形成される。
ミジン塩基の2種類があり、プリン塩基にはアデニンA
とグアニンGがあり、またピリミジン塩基にはシトシン
CとチミンTがある。
持つDNAは、前述の4つの塩基アデニンA、グアニン
G、シトシンC、およびチミンTが一列に並んだ細長い
糸のような構造を持っており、例えば1個のヒトの細胞
の染色体からDNAを引き出し、それらを繋ぎ合わせる
と1mにもおよび、この上に30億個の塩基が並んでい
ると言われる。
鎖状に結合した塩基一次配列の構造を持ち、その鎖は一
般的に非常に長いが、遺伝子工学においては、多種類の
遺伝子を持つDNAを切断して、切断結果としての多数
のDNA断片の中から特定の遺伝子情報を持つものを選
び出し、選び出されたDNA断片、すなわち目的DNA
断片を多量に生成させる必要があることが多い。
をベクターと呼ばれるDNA、一般に環状のDNAに化
学結合によって連結させ、目的DNA断片とベクターD
NAの結合物である組替えDNAを大腸菌などの適当な
細胞に取り込ませ、その細胞を増殖させることにより組
替えDNAを多量に生成し、結果として目的DNA断片
を大量に生成するクローニングと言う操作が行われる。
NA断片はその量が微量であることが多く、この目的D
NA断片(DNAフラグメント)をベクターに組み込ん
でクローニングが行われる。ベクターは一般的に環状の
二重らせん構造のDNAであり、この二重らせん構造の
ある特定の箇所を制限酵素と呼ばれる酵素で切断し、そ
の切断箇所に目的DNAフラグメントが組み込まれる。
制限酵素によるDNAの切断について説明するために、
まずDNAの構造について更に説明する。
わち鎖状に結合した塩基一次配列の構造を持っている。
このDNA鎖には向きがあり、ATGCACGA→とA
TGCACGA←(すなわちAGCACGTA→)とは
別のものである。
称がついており、糖の3′の位置に水酸基がついた末端
は3′末端と呼ばれ、また他方の末端、すなわち糖の
5′の位置にリン酸基がついた末端は5′末端と呼ばれ
る。そしてDNA鎖を記述する際には、一般に5′末端
が左、3′末端が右となるように記述する。
本の塩基配列がくっついた二重鎖の状態で存在する。こ
の時2本の塩基配列において、お互いに向かい合う塩基
の間には一定の関係があり、アデニンAはチミンTと、
またグアニンGはシトシンCと向き合うようになってい
る。この例を次に示す(上下の塩基がペアとなってい
る)。
塩基配列が組となって1つの遺伝的意味を持つが、制限
酵素はこのような塩基配列のうちの4〜6個の塩基から
成る塩基配列であって、その制限酵素に特有の塩基配列
を識別し、その箇所でDNAを切断する。図21はこの
制限酵素によるDNA塩基配列の切断の説明図である。
同図において、例えばHpaIと呼ばれる制限酵素は、D
NAの2本鎖の同一の位置でDNAを切断するが、Eco
RIなどの場合は2本の鎖の切断位置が異なっている。
が識別するヌクレオチド配列は塩基対6個であり、この
識別領域、すなわち制限酵素サイトにおける2本の鎖の
ヌクレオチド配列は逆向きに同一である。多くの制限酵
素は、それが切断する2本の鎖の切断位置が異なり、互
い違いの末端、すなわちコヒーシブ末端を作り出すこと
になる。
NA断片が組み込まれる。図22はこの目的DNA断片
のベクターへの組み込みの説明図である。同図におい
て、環状のプラスミドDNA分子が制限酵素によって切
断され、コヒーシブ末端を持つ直線状プラスミドDNA
分子となる。ここでプラスミドとは、例えばバクテリア
などの中に含まれ、染色体DNAとは異なって自律的に
増殖する環状DNAである。この直線状プラスミドDN
A分子と、目的DNA断片、すなわち染色体DNAを同
じ制限酵素で切断して作った多種類のDNA断片の1つ
とが、塩基対形成、すなわちコヒーシブ末端のアニーリ
ングによって環状のDNAとして結合しやすくなる。
ーシブ末端は組替えDNA技術にとって重要であり、同
じ制限酵素で切断することによりどんなDNA断片でも
繋ぎ合わせることができる。最後に2本鎖DNAの1本
鎖切断部を修復する酵素であるDNAリガーゼを作用さ
せることにより、直線状プラスミドDNA分子と目的D
NA断片とが結合され、染色体DNAを組み込んだプラ
スミドDNA分子が作られる。
A分子は細菌、または酵母の中で殖やすことができる。
これがDNAクローニングである。このDNAクローニ
ングに用いられるベクターと、そのベクター内で多種の
制限酵素によってそれぞれ切断される多くの制限酵素サ
イトが集中しているマルチクローニングサイトの例を図
23に示す。同図では異なるマルチクローニングサイト
を持つ2種のベクターが示されている。
に生成されたプラスミドDNA分子から目的DNA断片
を切り出す場合には、クローニングされたDNA断片の
ヌクレオチド配列を正確に決定し、不必要な部分の塩基
を削除して、正確な構造を持つDNA断片を取り出す必
要がある。このDNA断片のヌクレオチド配列を決定す
るために、DNA塩基配列を自動的に読み取る装置とし
てのDNAシーケンサが用いられる。
列順序を知ることは、すなわち遺伝情報を解明すること
につながり、この塩基配列を決めるシーケンス技術は他
の分野の技術と互いに関連しながら進歩しており、その
発展は制限酵素や核酸関連酵素の発見、DNAのクロー
ニング、核酸化学などの技術分野の発展と大いに関連し
ている。
の1つとして活用され、人間の能力を越えた膨大なデー
タの入力や蓄積が可能となり、塩基配列の決定にとって
コンピュータは必須の道具として用いられるようになっ
ている。
であるDNAシーケンサにおいては、ジデオキシ法、ま
たはサンガ法と呼ばれる方法が塩基配列決定のために用
いられる。一般にDNAの二重鎖の一方の相補鎖の一部
分を、DNA合成のきっかけとなるプライマーとしてD
NA合成を行う際に、ジデオキシヌクレオチドと言うヌ
クレオチドが取り込まれると、そこでDNA合成がスト
ップし、様々な長さのDNAの断片(フラグメント)が
得られるが、プライマーを用いたDNA合成反応の際
に、G,A,T、およびCの各塩基に対応するジデオキ
シヌクレオチドを加えることにより、それぞれの塩基の
位置で鎖の伸びがストップした様々な長さのDNA断片
が得られる。
デニンAの所で切断されてできるDNA断片の作り方の
説明図である。この場合にはDNA鎖から1個のヌクレ
オチド、すなわちアデニンAを取り除く程度の穏やかな
化学処理が行われ、5′末端にリン酸基を持つ左側の断
片のみが放射性の断片となり、これらの断片をゲル電気
泳動させることにより、放射性の断片のみはその断片の
長さ、例えば分子量に対応する位置で検出される。
応生成物としてのDNA断片が蛍光標識され、その結果
としての蛍光標識されたいろいろの長さの鎖を持つDN
A断片が、ゲル電気泳動によって分離される。ゲル内を
泳動されてくるDNA断片に対してゲル上のある位置に
おいてレーザ照射により蛍光色素を励起発光させ、この
蛍光を光検出器で検出する。電気泳動と同時に経時的に
蛍光を検出していくことにより、G,A,T、およびC
の各塩基に対応するDNA断片の泳動パターンのデータ
を得ることができる。このようにして得られたデータが
コンピュータによって解析され、塩基配列データに変換
される。
DNA塩基配列そのものと、配列の決定に使われた波形
データがある。この波形データはゲル電気泳動パターン
のデータに対応し、G,A,T、およびCの各波形にお
いて波形の蛍光強度のピークの位置がその塩基の存在す
る位置に対応する。
の塩基配列における塩基の個数は非常に多いので、DN
Aシーケンサによって一度に塩基配列の全てを決定する
ことはできず、一般に配列を決定したいDNAを複数の
断片にフラグメント化して、各フラグメントの塩基配列
を決定し、それらの塩基配列を結合することによって全
体の塩基配列を決定する方法がとられている。
NA断片をベクターに組み込み、DNAクローニングを
行った後にDNAシーケンサを用いて塩基配列を決定
し、不必要な塩基を削除して正確な目的DNA断片を生
成することになるが、一般にシーケンサの出力としての
シーケンス結果には、目的DNA断片に加えてクローニ
ングに用いたベクターの一部の塩基配列が含まれ、その
一部の塩基を削除することが困難であると言う問題点が
あった。
ベクター部は、シーケンス結果の5′末端部、および
3′末端部に混入する可能性が高く、正確な目的DNA
フラグメントを生成するためには、これらのベクター部
を確実に取り除く必要がある。従来は、目的DNAフラ
グメント塩基配列の前後にくる可能性があるベクター部
の塩基配列を用いて、全ての塩基が完全に一致しなくて
も検索結果を出力する検索法としての、ホモロジーサー
チを用いてベクター部を削除していた。しかしながら混
入したベクター部の塩基配列が短かったり、3′末端側
でのミスシーケンシング等の影響により混入したベクタ
ー部を的確に見つけ出すことができず、正しい構造の目
的DNAフラグメントを生成することができないという
問題点があった。
たベクター部を高い確率で検索し、その検索結果からベ
クター部を自動的に削除することを目的とする。
機能ブロック図である。同図はベクター、例えば環状プ
ラスミドDNA分子を切断し、その切断箇所に目的のD
NA断片を組み込んでクローニングを行う、DNAクロ
ーニング結果のDNA塩基配列からベクター内の塩基配
列の一部としてのベクター部を除去するベクター部自動
除去方法の機能ブロック図である。
ターの切断時に使用された制限酵素、および目的DNA
断片を得るために使用された制限酵素とに応じて、クロ
ーニング結果のDNA塩基配列からベクター部塩基配列
を検索するための検索キーとなる塩基配列が作成され、
2でその作成された検索キーを用いてベクター部塩基配
列が特定され、特定されたベクター部塩基配列の自動除
去が行われる。
キーと後部検索キーとが用いられる。これらの検索キー
は、クローニング結果としてのDNA塩基配列のうち
で、ベクター部と目的DNA断片とのそれぞれが対応す
る制限酵素によって切断された末端部を含み、かつベク
ター部と目的DNA断片のそれぞれの接合前の制限酵素
サイトに対応する塩基配列を含む領域であって、目的D
NA断片の前にあるものが前部検索キー、後にあるもの
が後部検索キーである。
配列に対する前部検索キーおよび後部検索キーを用いた
検索において、あらかじめ設定された類似度以上となる
ことを条件としてホモロジー検索が行われ、その検索結
果がベクター・目的DNA断片接合部候補として求めら
れる。このベクター・目的DNA断片接合部候補のうち
前部検索キーに対応するものが5′側境界部位の1次候
補とされ、後部検索キーに対応するものが3′側境界部
位の1次候補とされる。
1次候補は一般にそれぞれ複数となる可能性があるた
め、本発明においては更に第2の前部検索キーおよび第
2の後部検索キーを用いた検索が行われる。第2の前部
検索キー、第2の後部検索キーは、ベクターのマルチク
ローニングサイト内で前述の前部検索キー、または後部
検索キーに対してそのキーの前または後で隣接すべき部
分が追加されたものであり、この第2の前部検索キーと
第2の後部検索キーとに対応して前述と同様にしてホモ
ロジー検索が行われ、その検索結果を含んで検索結果の
以前、または以後の全ての領域がベクター部の候補とし
て特定される。
断片の前および後でそれぞれ1つのみであり、かつ前の
ベクター部候補と後のベクター部候補とがオーバーラッ
プしていない時、その特定されたベクター部候補がベク
ター部として自動除去される。
酵素サイトの塩基配列が前部検索キー、および後部検索
キーとして用いられて境界部位の1次候補が求められ、
更に前部検索キー、後部検索キーのそれぞれ前、後の塩
基配列の一部が追加された第2の前部検索キー、および
第2の後部検索キーに基づくホモロジー検索によってベ
クター部の候補が求められ、求められたベクター部候補
が適当である時にベクター部の自動除去が行われる。
本処理フローチャートである。同図において、まずステ
ップS6で使用されたベクターの種類がベクターリスト
の中から選択されてベクターの入力が行われ、ステップ
S7で使用された制限酵素が制限酵素リストの中から選
択されて制限酵素の入力が行われ、ステップS8でベク
ターと制限酵素の情報から検索キーが作成されてベクタ
ー部が検索される。すなわち検索キーとマルチクローニ
ングサイトとのホモロジーがチェックされ、ベクター部
の絞り込みを行うベクター部特定プログラムが実行さ
れ、ステップS9でこのベクター部特定プログラムによ
って特定されたベクター部が除去されて処理を終了す
る。
全体フローチャートである。同図は、DNAシーケンサ
を用いて読み取られたDNA塩基配列、すなわちフラグ
メントからベクター部を自動的に削除する、ベクター部
自動除去処理の全体フローチャートである。
ター部自動除去の対象となるクローン(DNAフラグメ
ント)が選択され、ステップS12で例えばディスプレ
イ上に表示されたメニューからユーザによってベクター
部自動除去が選択され、それによってベクター部自動除
去ダイアログ(対話形式メニュー)が表示され、ステッ
プS13でそのダイアログを用いて、使用されたベクタ
ーがベクターリストから選択される。
て、ステップS14〜S17でベクターの前部、後部の
切断部、目的DNAの前部、後部の切断部の作成に使用
された制限酵素、一般的には4種類の制限酵素が選択さ
れ、ステップS18でベクター部特定・除去プログラム
が実行され、処理を終了する。
ログラムの詳細を説明する前に、その他のステップにお
ける処理を具体的に説明する。まずステップS11で
は、メインウィンドウに表示されたクローンのうちでベ
クターの自動除去を行うべきクローンが選択され、ステ
ップS12でディスプレイ上に表示されたメニュー項目
の中からベクター部自動除去メニューがユーザによって
選択されると、ベクター・制限酵素選択用のダイアログ
が開く。このダイアログにはすでにベクターデータベー
スに登録されているベクター名がリストとして表示され
ており、ステップS13において実際に使用されたベク
ターがこのベクターリストから選択される。
ているベクター名リストの例である。同図において本実
施例ではPUC18が選択されたものとする。ベクター
が選択されると、選択されたベクターのマルチクローニ
ングサイトにおける塩基配列のデータ、および制限酵素
サイトのデータが抽出され、マルチクローニングサイト
の中に存在する制限酵素サイトに対応する制限酵素の名
が表示される。
いるPUC18の塩基配列を示す。同図において、塩基
配列の第5行目の最後から2番目のAから、第6行目の
後から26番目のCまでの部分(アンダーライン部)
が、マルチクローニングサイトである。
こではPUC18についてデータベースから、マルチク
ローニングサイトとその前後、それぞれ5つの塩基を含
む塩基配列が抽出される。これは検索キーの文字列を少
しでも多くしておくためである。またデータベースから
は、このマルチクローニングサイトに含まれる制限酵素
サイトのそれぞれに対応して、制限酵素情報、すなわち
制限酵素の名称、塩基配列、制限酵素サイトの位置、お
よび切断箇所のデータが抽出される。図5はこのように
して抽出されたマルチクローニングサイトと、制限酵素
情報の例である。
ーが選択され、マルチクローニングサイトと制限酵素情
報が抽出された後に、ステップS14〜S17でベクタ
ーと目的DNA断片のそれぞれについて、5′側と3′
側でDNA鎖の切断に使用された制限酵素4つが選択さ
れる。この選択は、図7に示されるような制限酵素リス
トの中から、使用された制限酵素を指定することによっ
て成される。図7はベクターとしてPUC18が選択さ
れた場合の制限酵素のリストを示し、これはベクターの
マルチクローニングサイトに含まれる制限酵素サイトを
切断する制限酵素のリストである。
選択されると、ステップS18のベクター部特定プログ
ラムにおいてベクター部削除のための検索に用いられる
検索キーが特定される。一般的にはベクター側とDNA
断片側とで異なる制限酵素を用いてDNA鎖の切断を行
うことができるが、ここでは簡単のためベクター側とD
NA断片側で同一の制限酵素を使用した場合を考える。
すなわち本実施例ではベクターとDNA断片のそれぞれ
5′側で同一の制限酵素としてHIND IIIを使用し、
またベクターとDNA断片の3′側で同一の制限酵素、
XBA Iを使用したものとする。これにより、図22で
示したように、ベクターとDNA断片との結合部におけ
る塩基配列は、制限酵素サイトの塩基配列と同じにな
る。
ター部特定プログラムの全体フローチャートである。同
図において処理が開始されると、まずステップS21で
検索キーの塩基配列が決定される。すなわちベクターの
種類と制限酵素のデータから、5′側と3′側の2つの
検索キー、すなわち前部検索キーと後部検索キーが作成
され、ステップS22で前部検索キーと後部検索キーを
用いたホモロジー検索が行われ、5′側と3′側でそれ
ぞれベクターとDNA断片の境界を示す境界部位の1次
候補のリストが作成される。一般にこの境界部位の1次
候補は、5′側と3′側とでそれぞれ複数となることが
多い。
補のリストの作成が行われる。すなわち5′側の境界部
位1次候補を含み、その前の領域、および3′側境界部
位の1次候補を含み、その後の領域と、前部,後部検索
キーを含むマルチクローニングサイトとのホモロジーチ
ェックが行われ、境界部位の2次候補が求められる。ス
テップS24でそれぞれの境界部位の2次候補がユニー
ク(1つのみ)であることと、5′側の2次候補と3′
側の2次候補との位置関係が調べられ、例えば位置関係
に矛盾がなければステップS25で境界部位の2次候補
が切断部位として決定されて処理を終了する。
酵素サイト内の領域の説明図である。制限酵素による制
限酵素サイトの切断形式としては、一般的に二重鎖の同
一の位置で切断されるとは限らず、(a) に示すように1
本鎖領域が3′側についている場合と、(c) に示すよう
に1本鎖領域が5′側についている場合と、(b) に示す
ように二重鎖が同じ位置で切断される場合とに分類され
る。なおここで1本鎖領域が3′側についているという
ことは、前述の二重鎖のうちA鎖で考えて、(a) におい
て領域B3は切断後に3′側に残るということを意味す
る。5′側についているという表現も含めて、以下同様
の意味である。
で5′側に二重鎖の状態で残る部分を領域A(B鎖につ
いても同様)、3′側に二重鎖の状態で残る部分を領域
C、1本鎖として5′側についている部分を領域B5、
1本鎖として3′側についている部分を領域B3と呼ぶ
ことにする。一般的に、ベクターと目的DNA側で異な
る制限酵素を用いて切断が行われても、領域Bの塩基配
列が等しければベクターと目的DNAとを結合すること
ができる。なお図9は切断前の制限酵素サイトを説明す
るものである。
例を用いて更に説明する。前述のように一般的にはDN
A二重鎖はA鎖1本で表され、例えば次のようになる。 ACTA^GT(^は切断個所を示す) この表現ではA鎖とB鎖が次のように切断されることが
表されている。
領域B5、GTが領域Cに該当し、領域B3に該当する
ものは存在しない。
形式を示す。 これは図9(a) に相当し、Aが領域A、CTAGが領域
B3、Tが領域Cに相当し、領域B5に相当するものは
存在しない。
際しては、目的DNA断片の作成時の切断箇所、前後2
箇所、およびベクターの切断箇所、前後2箇所、合計4
箇所の制限酵素サイトが使用される。一般的には4箇所
の切断箇所に対する制限酵素はそれぞれ独立に選択され
ることになり、切断された後の1本鎖領域がついている
側と、それに対応して結合されるべき1本鎖領域の塩基
配列が等しければ、2つの断片の末端部を結合すること
ができる。
本鎖領域の塩基配列は“TA”と同じであるために、結
合ができる。
が、1本鎖領域のついている側が異なっているため、断
片末端部を結合することはできない。
合された状態における制限酵素サイト同士の接合部の説
明図である。同図ではベクター5側をV1、ベクター
3′側をV2、目的DNA断片5′側をF1、目的DN
A断片3′側をF2と呼び、例えばベクターの5′側の
切断部の制限酵素サイトのA領域であればV1Aという
記号で表している。
基配列のうちで5′側の結合部配列は、1本鎖領域がベ
クター側にある場合[V1A]+[V1B5]+[F1
C]、1本鎖領域が存在しない場合[V1A]+[F1
C]、1本鎖領域が目的DNA断片側にある場合[V1
A]+[F1B3]+[F1C]となる。また3′側の
結合部配列は、1本鎖領域が目的DNA側にある場合
[F2A]+[F2B5]+[V2C]、1本鎖領域が
存在しない場合[F2A]+[V2C]、1本鎖領域が
ベクター側にある場合[F2A]+[V2B3]+[V
2C]となる。
部塩基配列と3′側結合部塩基配列が、それぞれ5′側
(前部)検索キー、3′側(後部)検索キーとして使用
される。
チャートである。同図において処理が開始されると、ま
ずステップS30でベクター5′側の制限酵素サイトの
1本鎖領域が存在するか否か、存在する場合にはその1
本鎖領域が5′側と3′側のいずれについているかが判
定される。5′側についている場合には、ステップS3
1で目的DNA断片5′側の制限酵素サイトの1本鎖領
域が5′側に存在するか否かが判定され、存在する場合
にはステップS32でそれぞれの1本鎖領域の塩基配列
[V1B5]と[F1B5]とが(5′側から読んで)
等しいか否かが判定され、等しい場合は切断箇所の接合
が可能となり、ステップS33で5′側検索キーが[V
1A]+[V1B5]+[F1C]と決定されて、処理
を終了する。
断片5′側の1本鎖領域が5′側に存在しない場合、お
よび5′側に存在してもステップS32で1本鎖領域の
塩基配列が等しくないと判定された場合には、ステップ
S34で制限酵素の選択ミスと判定され、制限酵素選択
処理に戻り、処理が繰り返される。
領域が存在しないと判定されると、ステップS35で目
的DNA断片5′側の制限酵素サイトの1本鎖領域も存
在しないか否かが判定され、存在しない場合にはステッ
プS36で5′側検索キーが[V1A]+[F1C]と
決定されて処理を終了する。またステップS35で目的
DNA断片の1本鎖領域が存在すると判定されると、ス
テップS34で制限酵素の選択ミスと判定され、制限酵
素選択処理に戻り、処理が繰り返される。
についているとS30で判定されると、ステップS37
で目的DNA断片5′側の制限酵素サイトの1本鎖領域
が3′側に存在するか否かが判定され、存在する場合に
はステップS38で1本鎖領域の塩基配列[V1B3]
と[F1B3]が等しいか否かが判定され、等しい場合
にはステップS39で5′側検索キーが[V1A]+
[V1B3]+[F1C]として決定され、処理を終了
する。これに対してステップS37で1本鎖領域が3′
側に存在しない場合、または存在してもステップS38
で1本鎖領域の2つの配列が等しくないと判定された時
には、ステップS34で制限酵素の選択ミスと判定さ
れ、制限酵素選択処理へ戻り、処理が繰り返される。
チャートである。このフローチャートは5′側に対する
図11とほぼ同様であるので詳細な説明を省略するが、
ベクター3′側と目的DNA断片3′側の制限酵素サイ
トの1本鎖領域が共に5′側についている場合には[F
2A]+[F2B5]+[V2C]が、また3′側の1
本鎖領域が共に存在しない場合には[F2A]+[V2
C]が、また共に3′側についている場合には[F2
A]+[V2B3]+[V2C]が3′側検索キーとし
て決定される。
ムの詳細について、具体例を用いて更に説明する。図1
3は本実施例における前部検索キー、および後部検索キ
ーの説明図である。ここでは図6で説明したベクターP
UC18のマルチクローニングサイト内に目的DNA断
片が組み込まれた場合を具体例として説明する。
の5′側で同一の制限酵素としてHIND IIIが使用さ
れ、またベクターと目的DNAの両方の3′側で同一の
制限酵素としてXBA Iが使用されたものとする。この
場合、図13に示されるようにベクターと目的DNAと
の結合部における制限酵素サイトに依存する塩基配列は
制限酵素サイトの塩基配列と全く同じになる。従って前
部検索キー、すなわち5′側検索キーは制限酵素サイト
HIND IIIの塩基配列と等しくなり、後部検索キー、
すなわち3′側検索キーは制限酵素サイトXBA Iの塩
基配列と等しくなる。また図6に示したマルチクローニ
ングサイトのうちで、目的DNA断片によって置き替え
られた以外の部分を本実施例では残留マルチクローニン
グサイトと呼ぶことにする。
た5′側境界部位1次候補の検索処理のフローチャート
である。同図において処理が開示されると、ステップS
51で5′側検索キーを用いた対象クローンの塩基配列
中のホモロジー検索が行われ、そしてステップS52で
検索キーと一定値以上のホモロジー(例えば6個の塩基
のうちで何個が一致するか)を示す領域として検索され
た結果が、境界部位の1次候補のリストとして獲得さ
れ、処理を終了する。
理のフローチャートである。同図を図14と比較する
と、検索キーとして後部検索キー、すなわち3′側検索
キーを用いた検索が行われ、3′側の境界部位1次候補
のリストが獲得される点のみが異なっている。
位1次候補、一般には複数の1次候補の中から2次候補
を絞り込む、2次候補検索処理のフローチャートであ
る。同図において処理が開始されると、まずステップS
61でベクターのマルチクローニングサイトの中で5′
側の切断に使用された制限酵素サイトを含み、この制限
酵素サイトから5′側の領域が5′側残留マルチクロー
ニングサイト5MCSとして定義される。図13ではこ
の5MCSは5′側検索キーと同一となる。
ベース内にマルチクローニングサイト以外の塩基配列も
含まれる場合、すなわち図13のように5′側検索キ
ー、ここでは5′側残留マルチクローニングサイトより
も5′側に更に5個の塩基の配列が含まれているが、こ
のような場合には5MCSの5′側の5つの塩基を5M
CSに追加したものが5′側残留ベクター領域5VAと
して定義される。図13ではこの5VAは塩基配列GT
GCCAAGCTTである。ベクターデータベース内に
マルチクローニングサイトの塩基配列のみしか含まれな
い場合には5VAは5MCSと同一とされるが、一般的
にはデータベース内にマルチクローニングサイトの前後
の塩基配列は必ずといってよい程含まれるので、次に述
べるホモロジーチェックが有効となる。
られた後に、図14によって求められた境界部位の1次
候補のリストの要素全てについてステップS63〜S6
6の処理が行われ、ホモロジーチェックが実行される。
まずステップS63で境界部位1次候補(LIST5)
の各候補を含み、各候補より5′側のDNA塩基配列の
配列領域がその候補に対するホモロジーチェック領域5
HCAとして定義され、ステップS64で5VAの塩基
数と、5HCAの塩基数、および20が比較され、一番
少ない塩基数がホモロジーチェックのための塩基数HC
Bとして求められる。ステップS65で5VAの3′側
からHCBの数だけの塩基が取り出され、5HCAの
3′側からHCBの数だけの塩基とのホモロジーのチェ
ックが行われ、一定値以上のホモロジーが得られた場合
に、ステップS66でDNA塩基配列側のHCBの数だ
けの塩基が5′側境界部位2次候補とされて、処理を終
了する。なお、このHCBを求めるときに比較される2
0は多くも少なくもない一定数を意味し、その値自体に
は特別の意味はない。
索処理としてのホモロジーチェックの説明図である。同
図において、クローンの塩基配列のうちで5′側境界部
位1次候補を含み、それより5′側の領域がホモロジー
チェックの対象となる領域5HCAとして定義され、そ
の中で例えば5VAの塩基数と一致するHCBの個数の
塩基が取り出され、ホモロジーチェックが行われて境界
部位2次候補が決定される。
の決定処理のフローチャートであり、図19は3′側に
おける2次候補検索処理の説明図である。これらは図1
6、および図17とほぼ同様であるので、その詳細な説
明を省略する。
的な切断部位の決定処理のフローチャートである。同図
において処理が開始されると、まずステップS81で
5′側と3′側の境界部位の2次候補がそれぞれ1つで
あるかどうかが判定され、それぞれ1つである場合には
ステップS82で5′側の2次候補と3′側の2次候補
がクローン塩基配列上でその相互の位置関係に矛盾がな
いか、すなわち3′側の2次候補が5′側の前にくると
いうような矛盾がないか、また2つの2次候補がお互い
にオーバーラップするというような矛盾がないか否かが
判定され、矛盾がない場合にはステップS83で5′側
の2次候補と3′側の2次候補とがそれぞれ切断部位と
して決定されて、処理を終了する。
2次候補がそれぞれ1つでない場合、またはステップS
82で2つの2次候補の位置関係に矛盾がある場合に
は、ステップS84でベクター部の特定は不可能である
として処理を終了する。
図3のステップS18におけるベクター部除去プログラ
ムが実行される。このベクター部除去プログラムにおい
ては、図20で決定された切断部位を含んでベクター部
が除去される。すなわち切断部位として決定された5′
側境界部位2次候補を含む5′側の塩基配列と、3′側
境界部位2次候補を含む3′側塩基配列とが共にベクタ
ー部として除去される。
サイトの塩基配列を全て含む部位を削除するのでなく、
制限酵素サイトについては制限酵素による切断位置から
ベクター部を除去することも可能であり、具体的な発明
の実施方法が以上の記述に限定されないことは当然であ
る。
えば境界部位1次候補の検索結果や、境界部位2次候補
の検索結果など、各種の検索結果をディスプレイ上で識
別可能とし、削除すべきベクター部の同定を容易にする
ことも可能である。
ればベクター部と目的DNA断片との境界部のごく短い
塩基配列を検索キーとしてホモロジー検索を行うことに
より、一般に複数の境界部位1次候補を求め、その1次
候補について更にその前後でのホモロジーチェックを行
うことによりベクター部の確実な特定が可能となる。特
に一般的にシーケンサの出力において3′末端部側にシ
ーケンシングミスが起こることがあるが、本発明によっ
て3′末端部側に混入したベクター部を正確に削除する
ことが可能となる。また検索結果をそれぞれ区別できる
形式でディスプレイ上に表示することにより、自動削除
できなかった部分に対してもユーザによるマニュアル削
除の可能性を残すことができ、比較的短時間の検索によ
りベクター部の検索を高精度で行うことが可能となる。
ローチャートである。
チャートである。
ターリストの例を示す図である。
る。
トと制限酵素情報を説明する図である。
示す図である。
ャートである。
明図である。
ある。
ある。
モロジー検索用検索キーを説明する図である。
ャートである。
ャートである。
ャートである。
クの説明図である。
ャートである。
クの説明図である。
フローチャートである。
明する図である。
に結合させる操作を説明する図である。
示す図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 ベクターに目的DNA断片を組み込んで
クローニングを行う、DNAクローニングの結果として
のDNA塩基配列から、ベクター内の塩基配列の一部と
してのベクター部塩基配列を除去するベクター部の自動
除去方法において、 前記ベクターと、該ベクターの切断時に使用した制限酵
素と、目的DNA断片を得るために使用した制限酵素と
に応じて、前記ベクター部を前記クローニング結果のD
NA塩基配列から検索するための検索キーとなる塩基配
列を作成し、 該作成された検索キーを用いて前記ベクター部塩基配列
を特定し、該特定されたベクター部塩基配列の自動除去
を行うことを特徴するDNA塩基配列に含まれるベクタ
ー部の自動除去方法。 - 【請求項2】 前記DNAクローニング結果としてのD
NA塩基配列がDNAの塩基配列決定用シーケンサの出
力であることを特徴とする請求項1記載のDNA塩基配
列に含まれるベクター部の自動除去方法。 - 【請求項3】 前記検索キーが、前記クローニング結果
としての正確なDNA塩基配列のうちで、前記目的DN
A断片の前および後にあり、前記ベクター部と目的DN
A断片とのそれぞれが対応する制限酵素によって切断さ
れた末端部を含み、かつ該ベクター部と目的DNA断片
のそれぞれの接合前の制限酵素サイトに相当する塩基配
列を含む領域としての、前部検索キーおよび後部検索キ
ーであることを特徴とする請求項1記載のDNA塩基配
列に含まれるベクター部の自動除去方法。 - 【請求項4】 ベクターデータベースに登録されている
ベクターの塩基配列データ、該ベクター内のマルチクロ
ーニングサイトのデータ、および該マルチクローニング
サイトにおける制限酵素サイトのデータを用いて、前記
前部検索キーおよび後部検索キーの塩基配列を作成する
ことを特徴とする請求項3記載のDNA塩基配列に含ま
れるベクター部の自動除去方法。 - 【請求項5】 前記クローニング結果としてのDNA塩
基配列に対する前記検索キーを用いた検索において、対
応する塩基の一致の割合を示す類似度があらかじめ設定
された一定値以上となることを条件としてホモロジー検
索を行い、該検索結果をベクター・目的DNA断片接合
候補として求めることを特徴とする請求項1記載のDN
A塩基配列に含まれるベクター部の自動除去方法。 - 【請求項6】 前記前部検索キーまたは後部検索キーに
対して、前記ベクターのマルチクローニングサイト内で
前または後に隣接すべき部分を追加して第2の前部検索
キーまたは第2の後部検索キーを作成し、前記クローニ
ング結果としてのDNA塩基配列において前記ベクター
・目的DNA断片接合部を含み、該第2の前部検索キー
または第2の後部検索キーに対応する部分を対象とし
て、対応する塩基の一致の割合を示す類似度があらかじ
め設定された一定値以上となることを条件としてホモロ
ジー検索を行い、該検索結果を含み、該検索結果の以前
または以後の全ての領域をベクター部候補として特定す
ることを特徴とする請求項5記載のDNA塩基配列に含
まれるベクター部の自動除去方法。 - 【請求項7】 前記ベクター内で、前記マルチクローニ
ングサイトの更に前または後で該マルチクローニングサ
イトに隣接すべき部分を更に追加して、前記第2の前部
検索キーまたは第2の後部検索キーを作成することを特
徴とする請求項6記載のDNA塩基配列に含まれるベク
ター部の自動除去方法。 - 【請求項8】 前記特定されたベクター部候補が、前記
目的DNA断片の前および後でそれぞれ1つのみであ
り、かつ該目的DNA断片の前のベクター部候補と後の
ベクター部候補がオーバーラップしていない時、該特定
されたベクター部候補を除去することを特徴とする請求
項6、または7記載のDNA塩基配列に含まれるベクタ
ー部の自動除去方法。 - 【請求項9】 ベクターに目的DNA断片を組み込んで
クローニングを行う、DNAクローニングの結果として
のDNA塩基配列から、ベクター内の塩基配列の一部と
してのベクター部塩基配列を除去するベクター部の自動
除去装置において、 前記ベクターと、該ベクターの切断時に使用した制限酵
素と、目的DNA断片を得るために使用した制限酵素と
に応じて、前記ベクター部を前記クローニング結果のD
NA塩基配列から検索するための検索キーとなる塩基配
列を作成する手段と、 該作成された検索キーを用いて前記ベクター部塩基配列
を特定し、該特定されたベクター部塩基配列の自動除去
を行う手段とを備えることを特徴するDNA塩基配列に
含まれるベクター部の自動除去装置。
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