JPH0940895A - インクジェット記録用マイクロカプセルインク組成物及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録用マイクロカプセルインク組成物及びその製造方法

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JPH0940895A
JPH0940895A JP19466895A JP19466895A JPH0940895A JP H0940895 A JPH0940895 A JP H0940895A JP 19466895 A JP19466895 A JP 19466895A JP 19466895 A JP19466895 A JP 19466895A JP H0940895 A JPH0940895 A JP H0940895A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 染料で染着された自己水分散性樹脂、例
えば酸価が50以上280以下のスチレン(メタ)アク
リル酸共重合体の酸基の60モル%以上が中和された自
己水分散性の染着樹脂によって、カーボンブラック、シ
リカ等の無彩色顔料が内包された着色樹脂粒子(マイク
ロカプセル)が、水性媒体中に分散したインクジェット
記録用マイクロカプセルインク組成物。 【効果】 本発明のインクジェット記録用マイクロカプ
セルインクは、優れた発色性、耐光性を有し、また長期
にわたって安定な微分散を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
用マイクロカプセルインク組成物及びその製造方法に関
し、更に詳しくは、染料が染着した自己水分散性樹脂に
よって無彩色顔料が内包された着色樹脂粒子をマイクロ
カプセル成分として含んでなることを特徴とするインク
ジェット記録用マイクロカプセルインク組成物及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェット記録用インクのう
ち、染料インクは高い発色が得られるが、耐水・耐光性
が悪くかつ印刷における文字の滲みが大きいという欠点
を有していた。一方顔料インクは、耐水・耐光性・文字
の滲みが良好であるが、カラーの発色が染料インキと比
較して悪いという欠点を有していた。また黒色インクで
使用している顔料は一般的にはカ−ボンブラックである
ため、やや赤茶けた色相にならざるを得なかった。
【0003】上記欠点を解決するために、ポリマー粒子
を染料で着色するという提案がなされており、具体例と
しては、特開昭58−45272号公報では染料を含有
したウレタンポリマーラテックスを含むインク組成物、
特開昭62−95366号公報では水不溶性有機溶媒中
にポリマーと油性染料を溶解し、さらに表面活性剤を含
む水溶液と混合して乳化させた後に溶媒を蒸発してポリ
マー粒子中に内包された染料を含むインクジェット組成
物の調整方法が提案されている。しかし芯材がないこと
から微粒子で分散安定性に優れた着色粒子が得にくいと
いう欠点を有していた。またポリマーを染料を用いて着
色しているため、必ずしも耐光性に優れていなかった。
【0004】一方、特開平3−160069号公報で
は、エマルジョン粒子の表面に染料または顔料を吸着さ
せる画像記録用インクが提案されているが、未吸着の染
顔料が多くブリード等の染顔料に起因する特性劣化が避
けられなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、発色性、耐光性に優れ、また微粒子で分散
安定性に優れたインクジェット記録用マイクロカプセル
インク組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を解
決するに至った。
【0007】即ち本発明は、染料が染着した自己水分散
性樹脂(A)によって無彩色顔料が内包された着色樹脂
粒子(B)が、水を必須成分とする水性媒体(C)中に
分散していることを特徴とするインクジェット記録用マ
イクロカプセルインク組成物を提供するにある。
【0008】また本発明は、中和により自己水分散しう
る、酸基を有する合成樹脂(1)と前記酸基を中和しうる
塩基(2)と染料(3)と無彩色顔料(4)とを有機溶剤(5)の存
在下に混合して得た該樹脂(1)の少なくとも一部の酸基
を中和してなる自己水分散性の着色樹脂溶液と、水を必
須成分とする水性媒体(C)とを混合して転相乳化を行
い、染料(3)が染着した自己水分散性樹脂(A)で無彩
色顔料(4)を内包した着色樹脂粒子(B)を水性媒体
(C)中に分散させ、次いで得られた水性分散液から前
記有機溶媒(5)を除去することを特徴とするインクジェ
ット記録用マイクロカプセルインク組成物の製造方法を
提供するにある。
【0009】本発明においてマイクロカプセルを形成し
ている自己水分散性樹脂(A)、いわゆるマイクロカプ
セルの殻材樹脂には、中和により自己水分散性を示す、
酸基を有する合成樹脂(1)において当該酸基の少なくと
も一部が塩基(2)で中和された自己水分散性樹脂を用い
る。このような樹脂は無彩色顔料との濡れが良く、かつ
染料との相溶性も良好で好ましい。
【0010】合成樹脂(1)が有する酸基としてはカルボ
ン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基等であって特に
限定されるものではないが、このうちカルボン酸基が一
般的である。
【0011】当該合成樹脂(1)の酸価は50以上280
以下が好ましい。合成樹脂(1)の酸価が50未満の時は
得られた着色樹脂粒子の水分散安定性が十分ではなく、
また酸価が280を越える場合には有機溶媒に溶解した
水分散性樹脂の塩基による中和の際に凝集を生じ易く、
また水に添加した際に一部の樹脂が溶解することによっ
てノズル目詰まりを生じ易いことから、用いる合成樹脂
(1)の酸価は、50以上280以下の範囲で、好ましく
は70〜250の範囲である。
【0012】このような合成樹脂(1)としては、カルボ
ン酸基を有するビニル共重合体がよく、例えばスチレン
あるいはα−メチルスチレンのような置換スチレン、ア
クリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、
アクリル酸ブチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキ
シルエステル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メ
チルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリ
ル酸ブチルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシル
等のメタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも一つ
以上のモノマー単位と、アクリル酸、メタクリル酸から
選ばれる少なくとも一つ以上のモノマー単位を含むビニ
ル共重合体が好ましく、さらに好ましくは必須モノマー
成分としてスチレンモノマー、アクリル酸モノマー、メ
タアクリル酸モノマーを用いるビニル共重合体である。
これらのモノマーを用いたビニル共重合体はその分子構
造中に、光、熱、溶剤等によって分断され易い基例えば
エステル結合等を有していないので極めて安定な樹脂と
言える。特にこれらの必須モノマー成分構成比率がスチ
レンモノマー60〜90モル%、アクリル酸モノマー5
〜15モル%、メタアクリル酸モノマー5〜25モル%
である場合にはインクジェット記録用としてノズル目詰
まりのない優れた着色樹脂粒子(着色マイクロカプセル
粒子)を可能とする。
【0013】前記した合成樹脂(1)の分子量範囲につい
ても特に制限はないが、1000以上10万以下の分子
量のものがより好ましい。勿論、かかる樹脂(1)が後記
する水性媒体(C)との組み合わせで安定なマイクロカ
プセルを形成するものであれば、これらに特に限定され
るものではなく、同時に2種類以上を混合して使用して
も良い。
【0014】また当該合成樹脂(1)のガラス転移温度
は、50℃未満であっても記録紙への印刷後の文字の定
着性は良好であるが、ノズル目詰まりや貯蔵安定性を更
に高めることを考慮するとガラス転移温度が好ましくは
50℃以上、より好ましくは60℃以上のものがインク
ジェット記録用として好適である。
【0015】塩基(2)による中和、即ちアルカリ性中和
剤による中和は、合成樹脂(1)が水に溶解しない程度に
中和する必要があり、溶解しない程度であれば塩基(2)
を過剰に加えても良い。合成樹脂(1)の酸基の60モル
%以上を中和するのが好ましい。中和率が60モル%以
上であると、得られる着色樹脂粒子(B)は微粒でかつ
分散安定性に優れている。
【0016】かかる自己水分散性樹脂(A)の水性媒体
(C)中での含有量としては、本発明における効果を達
成すれば特に規定されないが、最終的に得られる水性イ
ンキ組成物中で0.5〜20重量%となるような量が好
ましい。
【0017】塩基(2)としては、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属
の水酸化物、アンモニア、トリエチルアミン、モルホリ
ン等の塩基性物質の他、特にトリエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等の
アルコールアミンが使用可能であるが、特にアルコール
アミンの使用が好ましい。アルコールアミンであると、
より着色樹脂粒子(B)の分散安定性に優れ、また水分
や有機溶剤の蒸発に伴う粒子凝集によるノズル目詰まり
が改良されたインクジェット記録用インクが得られる。
【0018】本発明で使用される酸基を有する合成樹脂
(1)にかかる塩基(2)を添加して中和する方法としては、
予め合成樹脂(1)の有機溶媒溶液に添加するか、該合成
樹脂(1)の有機溶媒溶液と水性媒体(C)とを混合する
際に水性媒体中に添加するか等の方法があるが、その採
用については最も良い条件を選択すればよい。
【0019】一方、本発明において用いる顔料は無彩色
の顔料であって、このようなものとしては黒色顔料、白
色顔料があり、黒色顔料としてはカーボンブラックが、
白色顔料としては、チタンホワイトのほかシリカ、酸化
亜鉛、アルミナ等の体質顔料も本発明ではこの中に包含
する。前記した白色顔料の場合、一般的にはそのままで
使用されるが、必要によっては前記白色顔料に染料を表
面吸着させた着色顔料の形態にて用いてもよい。
【0020】また染料としては、特に制限はないが、好
ましくは有機溶剤に溶解可能な染料がよい。代表的なも
のとして例えばモノアゾ・ジスアゾ等のアゾ染料、金属
錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、イン
ジゴ染料、カーボニウム染料、キノイミン染料、シアニ
ン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベ
ンゾキノン染料、ナフトキノン染料、ナフタルイミド染
料、ペリノン染料、フタロシアニン染料、トリアリルメ
タン系等を例示することができるが、これらの例に限定
されるものではない。これらの染料は一部分散する形で
存在しても良いが、マイクロカプセルを形成している殻
材樹脂に溶解するものを選択することが好ましい。
【0021】本発明におけるマイクロカプセルでは、こ
れら無彩色顔料・染料は、染料が染着した自己水分散性
樹脂によって無彩色顔料が内包された着色樹脂粒子とし
て存在する。この着色樹脂粒子(着色マイクロカプセル
粒子)は分散安定性に優れており、しかも耐水性、耐光
性が良好で文字の滲みがない、カラーの発色が良好であ
る等の効果も発揮する。さらに色彩の点からも種々の有
用性を示す。
【0022】例えば、異種顔料同士の着色と異なり異色
の粒子の混在が少なくて印刷物の色別れがなく、顔料の
みでは沈みがちな発色と比べ染料の併用によって発色性
の改良効果が得られる、また染料のみでは耐光性に弱い
が顔料の併用によって紫外線の散乱・吸収効果によって
耐光性が大幅に向上するという利点がある。更にまた、
芯材の無彩色顔料がシリカやアルミナのような屈折率が
小さい体質顔料の場合は、透明性が高く、染料が染着し
た自己水分散性樹脂によって透明で明るい発色が得られ
る。チタンホワイトのような屈折率が大きい白色顔料
は、染料が染着した自己水分散性樹脂によって明るくか
つ隠蔽性の高い発色が得られる等の利点が挙げられる。
一方、芯材が黒色顔料のカーボンブラックである場合に
は染料による染着は調色を主たる目的にすることが出来
る。特に顔料がカーボンブラックで、染料が黒色染料及
び/又は青色染料である組み合わせる場合には、従来の
カーボンブラックにない、高級感のある漆黒の色相の再
現が可能となる。
【0023】本発明において使用する染料と無彩色顔料
の総使用量は、本発明における効果を達成すれば特に規
定されないが、最終的に得られる水性インキ中で0.5
〜20重量%となるような量が好ましい。本発明におけ
る効果を達成するには、無彩色顔料に対する染料の重量
比率は、1重量%以上50%重量以下の範囲にて用いる
ことが望ましい。
【0024】本発明における着色マイクロカプセルは、
染料による樹脂の染着と同時に無彩色顔料のマイクロカ
プセル化を行う、染料で樹脂を染着した後に同顔料のマ
イクロカプセル化を行う、同顔料を内包した樹脂粒子
(マイクロカプセル粒子)を染料で染着する、等の手段
によって形成される。
【0025】形成された着色マイクロカプセル成分を含
む本発明組成物、即ち染料が染着した自己水分散性樹脂
によって無彩色顔料が内包された着色マイクロカプセル
を水性媒体中に分散した本発明のインクジェット記録用
組成物は、例えば合成樹脂(1)の有機溶剤溶液に染料及
び無彩色顔料を添加し、攪拌機や分散装置を用いて溶解
・分散を行ってよく混合した後、塩基(2)の存在下でそ
れと水性溶媒(C)とを混合することによって調製出来
る。
【0026】より具体的に説明すると、一般に転相乳化
法と呼ばれるマイクロカプセル化方法によって調製する
ことで本発明のインクジェット記録用マイクロカプセル
インク組成物は容易に製造可能である。転相乳化法によ
る製造は、基本的には第1段階として有機溶剤に可溶で
中和によって自己水分散性を合成樹脂(1)を有機溶剤に
溶解させ、更に無彩色顔料及び染料を当該樹脂溶液中に
分散、溶解させる工程(ミルベース工程)、第2段階と
してその溶液を塩基(2)の存在下で過剰量の水性媒体と
混合させることにより、染料が染着した水分散性樹脂に
よって無彩色顔料を内包した樹脂粒子を得る工程(カプ
セル化工程)からなり、場合により、第3段階として、
第1段階のミルベース工程で用いた有機溶剤を除去する
工程(脱溶剤工程)を入れても良い。
【0027】前記のマイクロカプセルインク組成物の製
造に際して、染料・無彩色顔料は、両方とも予め水性媒
体中に分散する前の自己水分散性樹脂中に分散または溶
解せしめておくことが好ましい。
【0028】また前記転相乳化法を用いてカプセル化を
行う場合、第1段階で使用する有機溶剤はアセトン、ジ
メチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の
アルコール系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等
のエーテル系溶剤;クロロホルム、塩化メチレン等の塩
素系溶剤;ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤;酢酸
エチルエステル等のエステル系溶剤;エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエ
ーテル等のグリコールエーテル系溶剤;アミド類等、樹
脂を溶解させるものであれば使用可能であるが、前記合
成樹脂(1)を用いた転相乳化法の場合、ケトン系溶剤と
アルコール系溶剤から選ばれる少なくとも1種類以上の
組み合わせが良好なマイクロカプセルを与え、この組み
合わせは好適である。
【0029】本発明においては、分散剤、可塑剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を必要に応じて有機溶
剤、樹脂、染料・顔料と共に用いても良い。第2段階の
カプセル化は、上記溶剤に樹脂と染料・無彩色顔料を混
合し、攪拌機や分散装置を用いて溶解・分散を行い、得
られた有機溶剤溶液と水を必須成分とする水性媒体とを
混合することにより行う。
【0030】第2段階のマイクロカプセル化では、第1
段階で得たミルベースに塩基(2)の存在下、水又は水溶
液を混合してカプセル化を行うが、使用する無彩色顔料
や染料によってはカプセル同士の緩い凝集を生ずること
があるため、カプセル化後に水又は水溶液を追加し混合
分散を行うことが好ましい。この工程では、水を必須成
分とする水性媒体中に、自己水分散性樹脂を含む着色溶
液を加えても良いが、逆に当該樹脂を含む着色溶液中に
水性媒体を加えるほうが、均一な粒子径の水性分散液が
得られる点で好ましい。必要によっては界面活性剤を併
用して、強制的に乳化させて得ることもできる。しかし
ながら界面活性剤や保護コロイドは最終的に得られる粒
子の物性を低下させる傾向があるので用いないことが好
まれる。
【0031】塩基(2)はミルベースまたは水溶液に添加
する。また水性媒体において用いられる水は、イオン交
換水以上のグレードが好ましい。第3段階として、カプ
セル化が終了した後に第1段階のミルベース工程で用い
た合成樹脂(1)を溶解する有機溶剤を除去する脱溶剤工
程を経ることにより、着色マイクロカプセルの膨潤・凝
集を押さえて安定した水分散液が得られ、これはインク
ジェット記録用水性インクに適している。この脱溶媒工
程において必要ならば水を除去してもよい。また勿論、
この第3段階の工程は場合によっては省くこともある。
【0032】着色マイクロカプセル含む本発明組成物を
インクジェット記録用インク組成物として実用に供する
には、乾燥防止のための水溶性有機溶剤を添加剤として
用いることが好ましい。乾燥防止剤としては従来知られ
ているエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセ
リン等の多価アルコール類またはそれらのアルキルエー
テル類、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン
等のピロリドン類、アミド類、ジメチルスルホオキサイ
ド、イミダゾリジノン等があり、これらに限定されるも
のではない。
【0033】また必要に応じて浸透性付与のための水溶
性有機溶剤を加えてもよく、エタノール、イソプロピル
アルコール等の低級アルコール、ジエチレングリコール
−N−ブチルエーテル等のグリコールエーテル等を用い
ることができるがこれらに限定されるものではない。そ
の他必要に応じて水溶性樹脂、pH調整剤、分散・消泡
・紙への浸透のための界面活性剤、防腐剤、キレート剤
等の添加剤を加えることができる。
【0034】これらの添加剤は、第1段階から最終段階
までの適当な工程で加えることができるが、好ましくは
最終ろ過後の添加剤の添加は避けたほうがよい。最終の
組成の調整が終了した後、フィルターろ過や遠心分離等
で大粒径粒子を除去し、本発明の水性インクとすること
が好ましい。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施の形態を転相
乳化法によって製造する場合を例にして説明すると次の
通りである。
【0036】合成樹脂として、スチレン、置換スチレ
ン、(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれ
る少なくとも一つのモノマーと、(メタ)アクリル酸と
を共重して得られる、酸価が50以上280以下、分子
量1000以上10万以下のビニル共重合体を有機溶媒
に溶解した合成樹脂溶液と、無彩色顔料と、染料として
前記合成樹脂に溶解し得る染料とを混合し練肉して着色
ミルベースを得る。顔料に対する染料の重量比率は1重
量%以上50%重量以下の範囲とする。この着色ミルベ
ースに前記合成樹脂の酸基を中和しうる塩基を加え、攪
拌混合し、更に攪拌下に水を含む水性媒体を滴下し混合
して転相乳化を行うことにより、染料が染着した自己水
分散性樹脂によって無彩色顔料が内包された着色樹脂粒
子が水性媒体中に分散した着色マイクロカプセルの水分
散液を得る。この際、アルカリ中和剤としての塩基の添
加量は、酸基の60モル%以上を中和する量を範囲とす
る。使用する無彩色顔料や染料によってカプセル同士の
緩い凝集を生じた場合は、カプセル化後に水又は水溶液
を追加混合して再度分散する。さらに合成樹脂の溶解に
用いた有機溶媒を減圧蒸留を行って除去し、インクジェ
ット記録用インク組成物を得る。
【0037】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。なお、以下の実施例中における
「部」は『重量部』を表わす。
【0038】(実施例1) カ−ボンブラック 20部 スチレンアクリル酸樹脂 20部 (スチレン/アクリル酸2−エチルヘキシル/アクリル
酸=77/10/13;酸価100、分子量4万) 油性フタロシアニン染料 2部 メチルエチルケトン 49部 の配合物を直径0.2mmのガラスビーズを用いてペイ
ントシェーカーで4時間練肉し、 メチルエチルケトン 40部 イソプロピルアルコール 40部 を加えて内容物を取り出し、ミルベース溶液171部を
得た。
【0039】前記ミルベース171部にトリエタノール
アミン5.3部(樹脂の中和率100%相当)を加えて
攪拌しながら、グリセリン50部とイオン交換水120
部の混合液を毎分5mlの速度で滴下し、着色マイクロ
カプセル組成物を得た。得られた着色マイクロカプセル
組成物を衝突式分散装置ナノマイザー(ナノマイザー株
式会社製)を用いて1500kg/cm2の圧力で再度
分散処理を行った。得られた処理液にグリセリン80部
とイオン交換水300部の混合液を毎分5mlの速度で
滴下した後、ロータリーエバポレーターを用いてメチル
エチルケトンとイソプロピルアルコールを留去し、最終
の着色マイクロカプセル水分散物を得た。
【0040】この水分散物を1.5μmフィルターを用
いてろ過を行い、インクジェット記録用マイクロカプセ
ルインクとした。得られたインク中のマイクロカプセル
は0.1μmの平均粒子径を有しており、凝集物もなく
長期にわたって安定な分散を示し、インクジェットプリ
ンターを用いた印字は安定しており、得られた印刷物は
漆黒の色調を有しており、滲みもなく、耐水耐光性に優
れていた。
【0041】(比較例1)実施例1のミルベースから油
性フタロシアニン染料を除いた配合で同様にしてインク
ジェット記録用マイクロカプセルインクを得た。得られ
た印刷物はやや褐色を帯び、良好な色調とはいえなかっ
た。
【0042】(実施例2) コロイダルシリカ 2部 スチレンアクリル酸樹脂 40部 (スチレン/アクリル酸2−エチルヘキシル/アクリル
酸/メタアクリル酸=72/5/10/13;酸価15
5、分子量4万5千) 油性マゼンタ染料 4部 メチルエチルケトン 50部 ガラスビーズ 150部 の配合物をペイントシェーカーで4時間練肉し、 メチルエチルケトン 40部 イソプロピルアルコール 40部 を加えて内容物を取り出し、ミルベース溶液176部を
得た。
【0043】前記ミルベース176部にトリエタノール
アミン16.5部(樹脂の中和率100%相当)を加え
て攪拌しながら、グリセリン65部とイオン交換水21
0部の混合液を毎分5mlの速度で滴下し、着色マイク
ロカプセル組成物を得た。
【0044】得られた得られた着色マイクロカプセル液
を衝突式分散装置ナノマイザー(ナノマイザー株式会社
製)を用いて1500kg/cm2の圧力で再度分散処
理を行った。得られた処理液にグリセリン75部とイオ
ン交換水210部の混合液を毎分5mlの速度で滴下し
た後ロータリーエバポレーターを用いてメチルエチルケ
トンとイソプロピルアルコールを留去し、最終の着色マ
イクロカプセル水分散物を得た。
【0045】この水分散物を1.5mフィルターを用い
てろ過を行い、インクジェット記録用マイクロカプセル
インク組成物とした。得られたインク中のマイクロカプ
セルは0.086μmの平均粒子径を有しており、凝集
物もなく長期にわたって安定な分散を示し、インクジェ
ットプリンターを用いた印字は安定しており、得られた
印刷物は明るいマゼンタ色の色調を有しており、滲みも
なく、耐水耐光性に優れていた。
【0046】(比較例2) スチレンアクリル酸樹脂 40部 (スチレン/アクリル酸2−エチルヘキシル/アクリル
酸/メタアクリル酸=72/5/10/13;酸価15
5、分子量4万5千) 油性マゼンタ染料 4部 メチルエチルケトン 90部 イソプロピルアルコール 40部 の実施例2の配合からコロイダルシリカを除いた配合物
を攪拌機で溶解し、ミルベース溶液174部を得た。
【0047】前記ミルベース174部にトリエタノール
アミン16.5部(樹脂の中和率100%相当)を加え
て攪拌しながら、グリセリン65部とイオン交換水21
0部の混合液を毎分5mlの速度で滴下し、着色樹脂乳
化物を得た。
【0048】得られた得られた着色樹脂乳化物を衝突式
分散装置ナノマイザー(ナノマイザー株式会社製)を用
いて1500kg/cm2の圧力で再度分散処理を行っ
た。得られた処理液にグリセリン75部とイオン交換水
210部の混合液を毎分5mlの速度で滴下した後ロー
タリーエバポレーターを用いてメチルエチルケトンとイ
ソプロピルアルコールを留去し、最終の着色樹脂乳化物
を得た。この着色樹脂乳化物は5mフィルターでもろ過
が出来ず、インクジェット記録用マイクロカプセルイン
ク組成物が得られなかった。着色樹脂乳化物は0.22
μmの平均粒子径を有していたが、1μm以上の粗大粒子
が約2%存在していた。
【0049】(実施例3)実施例2のスチレンアクリル
樹脂に代えてスチレンアクリル酸樹脂(スチレン/アク
リル酸/メタアクリル酸=65/10/25;酸価22
1、分子量4万5千)を用い、更に当該樹脂の中和率1
00%に相当する量のトリエタノールアミンを用いる以
外は実施例2と同様な方法でインクジェット記録用マイ
クロカプセルインク組成物を調製した。得られたインク
中のマイクロカプセルは0.060μmの平均粒子径を
有しており、凝集物もなく長期にわたって安定な分散を
示し、インクジェットプリンターを用いた印字は安定し
ており、得られた印刷物は明るいマゼンタ色の色調を有
しており、滲みもなく、耐水耐光性に優れていた。
【0050】
【発明の効果】染料が染着した自己水分散性樹脂で無彩
色顔料を内包した着色樹脂粒子が水性媒体(C)中に分
散した本発明のインクジェット記録用マイクロカプセル
インク組成物は、優れた発色性、耐光性を有し、また長
期にわたって安定な分散を可能にする。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 染料が染着した自己水分散性樹脂(A)
    によって無彩色顔料が内包された着色樹脂粒子(B)
    が、水を必須成分とする水性媒体(C)中に分散してい
    ることを特徴とするインクジェット記録用マイクロカプ
    セルインク組成物。
  2. 【請求項2】 無彩色顔料が、白色顔料である請求項1
    記載のインクジェット記録用マイクロカプセルインク組
    成物。
  3. 【請求項3】 白色顔料が、チタンホワイト、シリカ、
    酸化亜鉛、アルミナから選ばれる少なくとも1種である
    請求項2記載のインクジェット記録用マイクロカプセル
    インク組成物。
  4. 【請求項4】 無彩色顔料が、カーボンブラックである
    請求項1記載のインクジェット記録用マイクロカプセル
    インク組成物。
  5. 【請求項5】 顔料がカーボンブラックであり、染料が
    黒色染料及び/又は青色染料である請求項4記載のイン
    クジェット記録用マイクロカプセルインク組成物。
  6. 【請求項6】 顔料に対する染料の重量比率が、1%〜
    50%の範囲である請求項1または5記載のインクジェ
    ット記録用マイクロカプセルインク組成物。
  7. 【請求項7】 自己水分散性樹脂(A)が、酸基を有す
    る合成樹脂(1)の少なくとも一部の酸基が塩基(2)で中和
    された自己水分散性樹脂である請求項1記載のインクジ
    ェット記録用水性インク。
  8. 【請求項8】 合成樹脂(1)が、カルボン酸基を有する
    ビニル共重合体である請求項7記載のインクジェット記
    録用水性インク。
  9. 【請求項9】 合成樹脂(1)が、スチレン、置換スチレ
    ン、(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれ
    る少なくとも一つのモノマーと、(メタ)アクリル酸と
    のビニル共重合体である請求項8記載のインクジェット
    記録用水性インク。
  10. 【請求項10】 塩基(2)が、アルコールアミンである
    請求項7記載のインクジェット記録用マイクロカプセル
    インク組成物。
  11. 【請求項11】 中和により自己水分散しうる、酸基を
    有する合成樹脂(1)と前記酸基を中和しうる塩基(2)と染
    料(3)と無彩色顔料(4)とを有機溶剤(5)の存在下に混合
    して得た該樹脂(1)の少なくとも一部の酸基を中和して
    なる自己水分散性の着色樹脂溶液と、水を必須成分とす
    る水性媒体(C)とを混合して転相乳化を行い、染料
    (3)が染着した自己水分散性樹脂(A)で無彩色顔料(4)
    を内包した着色樹脂粒子(B)を水性媒体(C)中に分
    散させ、次いで得られた水性分散液から前記有機溶媒
    (5)を除去することを特徴とするインクジェット記録用
    マイクロカプセルインク組成物の製造方法。
  12. 【請求項12】 合成樹脂(1)が、カルボン酸基を有す
    るビニル共重合体である請求項11記載のインクジェッ
    ト記録用水性インクの製造方法。
  13. 【請求項13】 合成樹脂(1)が、スチレン、置換スチ
    レン、(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ば
    れる少なくとも一つのモノマーと、(メタ)アクリル酸
    とのビニル共重合体である請求項12記載のインクジェ
    ット記録用水性インクの製造方法。
  14. 【請求項14】 塩基(2)が、アルコールアミンである
    請求項11記載のインクジェット記録用マイクロカプセ
    ルインク組成物の製造方法。
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