JPH0942439A - 車両用直結クラッチのスリップ制御装置 - Google Patents

車両用直結クラッチのスリップ制御装置

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JPH0942439A
JPH0942439A JP19627295A JP19627295A JPH0942439A JP H0942439 A JPH0942439 A JP H0942439A JP 19627295 A JP19627295 A JP 19627295A JP 19627295 A JP19627295 A JP 19627295A JP H0942439 A JPH0942439 A JP H0942439A
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亨 松原
Kunihiro Iwatsuki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スリップ制御の追従性の低下を抑制できる車
両用直結クラッチのスリップ制御装置を提供する。 【構成】 制御圧PSLU が制限圧PLMに制限された場合
には、フィードバック制御中止手段200によって、フ
ィードバック制御が中止されてフィードバック制御出力
値DFBがその際の値DFBi に保持される一方、フィ
ードバック制御の中止が否定された場合にはフィードバ
ック制御再開手段206によってフィードバック制御出
力値DFBの算出が再開される。そのため、制御圧P
SLU が制限圧PLMに制限された状態においては、フィー
ドバック制御出力値DFBが負側に増大することが抑制
される一方、その算出が再開された場合には、比較的大
きい値に保持されていたフィードバック制御出力値DF
i を初期値としてフィードバック制御出力値DFBが
算出されて制御圧発生弁SLU が制御される。したがって
制御圧PSLU の増大の遅れが抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用直結クラッ
チのスリップ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジンと自動変速機とを直結する直結
クラッチを備えた車両において、直結クラッチのスリッ
プ量を制御するための制御圧を発生させる制御圧発生弁
を備える形式の車両用直結クラッチのスリップ制御装置
が知られている。例えば、特開平7−63259号公報
に記載されたスリップ制御装置がそれである。
【0003】上記従来の車両用直結クラッチのスリップ
制御装置においては、例えば、前記直結クラッチを解放
させる解放側油室へ作動油を供給するオフ側位置と直結
クラッチを係合させる係合側油室へ作動油を供給するオ
ン側位置とに切り換えられるロックアップリレー弁と、
前記解放側油室からロックアップリレー弁を通して排出
される作動油の排出量を調節することにより直結クラッ
チのスリップ量を制御するロックアップコントロール弁
とが備えられており、前記制御圧発生弁は、所定の方向
に変化するに伴って、そのロックアップリレー弁をオン
側位置へ切り換え、前記スリップ量が減少するようにロ
ックアップコントロール弁の作動を制御する制御圧を発
生する。上記のロックアップリレー弁は前記制御圧が第
1の圧力値αを越えると係合(オン)側に切り換えられ
る一方、制御圧がその第1の圧力値αよりも低い第2の
圧力値βを下回ると解放(オフ)側へ切り換えられ、ロ
ックアップコントロール弁は、ロックアップリレー弁が
係合(オン)側に切り換えられているときのみ、上記制
御圧の増加に伴って直結クラッチの解放側油室の作動油
の圧力を低下させて直結クラッチのスリップ量を減少さ
せるようになっている。
【0004】ところで、上記のような従来の車両用直結
クラッチのスリップ制御装置における直結クラッチのス
リップ制御では、目標スリップ量に実際のスリップ量を
一致させるためにそれらの偏差に応じて制御圧の大きさ
が決定される。例えば、その偏差を解消するためのフィ
ードバック制御出力値DFBとエンジン出力トルクに応
じて決定されるフィードフォワード制御出力値DFWD
とに基づいて、下記 (1)式に従って駆動デューティ比D
SLU(%)が算出され、スリップ制御手段によってそ
の駆動デューティ比DSLUに従って前記制御圧発生弁
が制御されて偏差に応じた制御圧が発生させられるので
ある。なお、フィードバック制御出力値DFBおよびフ
ィードフォワード制御出力値DFWDは、何れもデュー
ティ比であり単位は%である。 DSLU=DFWD+DFB ・・・ (1)
【0005】しかしながら、上記従来のスリップ制御で
は、例えば、伝達トルクが小さい走行状態であるために
制御圧が前記第1の圧力値α付近の比較的低い領域で制
御される場合には、上記偏差を解消するための制御圧の
変化に関連してロックアップリレー弁が解放(オフ)側
と係合(オン)側との間で切り換えられ、それに伴う直
結クラッチの完全解放とスリップが発生し、スリップ制
御のハンチング現象が発生して制御が不安定となる可能
性がある。
【0006】すなわち、例えば図5に示すように、スリ
ップ制御中において、制御圧PSLUは、通常は第1の圧
力値αよりも高い値であるが、図のa点に示す第1の圧
力値α付近において目標スリップ量よりも実際のスリッ
プ量が少ない場合(すなわち、偏差が負である場合)に
は、フィードバック制御出力値DFBが小さくされて前
記 (1)式に従って小さくされた駆動デューティ比DSL
Uに従って低下させられる。このとき、その制御圧P
SLU が図のb点に示す位置まで低くされて第2の圧力値
βよりも低くされると、ロックアップリレー弁が解放
(オフ)側へ切り換えられて直結クラッチの解放側油圧
off は図のc点に示す位置とされて直結クラッチが完
全解放状態となり、実際のスリップ量が目標スリップ量
を簡単に超えてしまう。このため、上記制御圧PSLU
実際のスリップ量を減少させるために直ちに増加させら
れて前記第1の圧力値αよりも高くなると、ロックアッ
プリレー弁が係合(オン)側へ切り換えられて直結クラ
ッチの係合が開始されるが、直結クラッチの解放側油圧
off は図のd点から前記a点へ急激に減少するので、
スリップ量が急激に減少して、再び制御圧PSLU が急速
に低くされるという繰り返しが発生し得るのである。
【0007】そこで、前記特開平7−63259号公報
に記載されたスリップ制御装置においては、制御圧P
SLU がロックアップリレー弁をオフ側位置へ切り換える
値よりも小さくならないように、すなわち直結クラッチ
を解放側へ切り換える値よりもクラッチ解放側の値に変
化しないように、その制御圧PSLU を前記第2の圧力値
βよりも高い制限圧PLMに制限する制御圧制限手段が設
けられている。すなわち、前記 (1)式に従って算出され
た駆動デューティ比DSLUが、制限圧PLMに対応する
下限ガード値DLM(デューティ比)を下回る場合に
は、その駆動デューティ比DSLUに代えて下限ガード
値DLMを用いて制御圧発生弁を制御することにより、
上記のように制御圧PSLU が前記第1の圧力値α付近の
比較的低い領域で制御された状態で、実際のスリップ量
と目標スリップ量との偏差が負である場合にも、ロック
アップリレー弁が係合(オン)側に保持されて直結クラ
ッチが完全解放状態になることが抑制され、スリップ制
御のハンチング現象が防止されるのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に制御圧PSLU の最小値が制限圧PLMに制限されている
状態においては、解放側油室から排出される作動油の排
出量がロックアップコントロール弁によって変化させら
れない結果、目標スリップ量と実際のスリップ量との間
の負の偏差が解消されない状態が継続する。しかしなが
ら、この間も上記駆動デューティ比DSLUを算出する
ために、実際のスリップ量と目標スリップ量との偏差に
基づきフィードバック制御出力値DFBが繰り返し算出
される。例えば、このフィードバック制御出力値DFB
は、今回の制御サイクルにおいて偏差に基づいて算出さ
れたフィードバック制御値DFBOi と前回の制御サイ
クルにおいて算出されたフィードバック制御値DFBO
i-1 との差分DDFBOを、前回のフィードバック制御
出力値DFBi-1 に加算することにより、下記 (2)式に
従って、今回のフィードバック制御出力値DFBi とし
て算出される。 DFBi =DFBi-1 +DDFBO ・・・ (2) 但し、DDFBO=DFBOi −DFBOi-1
【0009】そのため、上述のように負の偏差が解消さ
れない状態が継続すると、差分DDFBOすなわちフィ
ードバック制御値DFBOの累積的加算によってフィー
ドバック制御出力値DFBが図11に示されるように負
側に次第に大きくなる。したがって、時刻ti 以降にお
いて、スロットル弁開度の増大等によって増大させられ
たエンジン出力トルクに応じてフィードフォワード制御
出力値DFWDが増大させられても、フィードバック制
御出力値DFBが偏差に応じた適切な大きな値へ復帰す
ることが遅れて駆動デューティ比DSLUすなわち制御
圧PSLU の増大が遅れると共に、エンジン回転数の増大
に起因して実際のスリップ量が一時的に目標スリップ量
を大きく越えることとなって、スリップ制御の追従性が
低下するという問題があった。
【0010】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、スリップ制御の
追従性の低下を抑制できる車両用直結クラッチのスリッ
プ制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、エンジンと自動変速
機とを直結する直結クラッチを備えた車両において、前
記直結クラッチのスリップ量を制御するための制御圧を
発生させる制御圧発生弁と、前記直結クラッチの実際の
スリップ量と目標スリップ量との差を解消するためのフ
ィードバック制御出力値とエンジン出力トルクに応じて
決定されるフィードフォワード制御出力値とに基づいて
前記制御圧発生弁を制御するスリップ制御手段と、前記
制御圧が予め設定された制限圧よりもクラッチ解放側へ
変化しないようにその制御圧を制限圧に制限する制御圧
制限手段とを備える形式の車両用直結クラッチのスリッ
プ制御装置であって、(a) 前記制御圧制限手段により前
記制御圧が前記制限圧に制限されたときには、前記フィ
ードバック制御出力値の算出を中止するフィードバック
制御中止手段と、(b) 所定の条件に基づいて前記フィー
ドバック制御出力値の算出を再開するフィードバック制
御再開手段とを、含むことにある。
【0012】
【発明の効果】このようにすれば、制御圧が制限圧に制
限されたときには、フィードバック制御中止手段によっ
て、フィードバック制御出力値の算出が中止される一
方、所定の条件に基づいてフィードバック制御再開手段
によってフィードバック制御出力値の算出が再開され
る。そのため、制御圧の最小値が制限圧に制限されるこ
とによって実際のスリップ量と目標スリップ量との負の
偏差が解消されない状態においては、フィードバック制
御出力値が負側に増大することが抑制される一方、所定
条件が成立した場合(例えばフィードバック制御値の負
側への増大が生じなくなった場合)にはフィードバック
制御出力値の算出が再開される。したがって、制御圧制
限手段による制御圧の制限圧への制限が解除された場合
に、フィードバック制御出力値が負側に増大しているこ
とによる制御圧の増大の遅れや実際のスリップ量の一時
的な増大が抑制されて、スリップ制御の追従性の低下が
抑制される。
【0013】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記車両用直結
クラッチのスリップ制御装置は、(c) 前記制御圧が前記
制限圧よりも小さいか否かを判断し、その判断が否定さ
れた場合には前記フィードバック制御出力値の算出中止
を否定する制御圧判断手段を更に含むものである。すな
わち、前記フィードバック制御再開手段の前記所定の条
件は、その制御圧判断手段による判断が否定されたとき
に満足される。このようにすれば、制御圧が制限圧より
も大きくなった場合にはフィードバック制御出力値の算
出が再開される。このような場合には、算出されたフィ
ードバック制御出力値に基づいて実際のスリップ量と目
標スリップ量との偏差が大きく(すなわち絶対値が小さ
く)されてフィードバック制御出力値が次第に正の値に
向かわせられるため、フィードバック制御出力値の保持
をする必要がないのである。
【0014】また、好適には、前記車両用直結クラッチ
のスリップ制御装置は、(d) 前記実際のスリップ量と前
記目標スリップ量との間の偏差が予め定められた第1判
断基準値よりも大きいか否かを判断し、その判断が肯定
された場合には前記フィードバック制御出力値の算出中
止を否定する第1偏差判断手段を更に含むものである。
すなわち、前記フィードバック制御再開手段の前記所定
の条件は、その第1偏差判断手段による判断が肯定され
たときに満足される。このようにすれば、エンジン出力
トルクの増大によって実際のスリップ量と目標スリップ
量との間の負の偏差が十分に大きく(絶対値が十分に小
さく)なった場合に、フィードバック制御出力値の算出
が再開される。このような場合には、偏差が十分に大き
い(絶対値が小さい)ことからフィードバック制御出力
値が負側に殆ど増大しないため、フィードバック制御出
力値の算出を中止する必要がないのである。
【0015】また、好適には、前記車両用直結クラッチ
のスリップ制御装置は、(e) 前記実際のスリップ量と目
標スリップ量との間の負の偏差を、前記第1判断基準値
よりも小さい値に予め定められた負の第2判断基準値と
比較し、その偏差が第2判断基準値よりも小さい(絶対
値が大きい)と判断した場合に前記フィードバック制御
中止手段によるフィードバック制御出力値の算出中止を
許可する第2偏差判断手段を更に含むものである。この
ようにすれば、前記制御圧が前記制限圧に制限され、且
つ偏差が第2判断基準値よりも小さく(負側に大きく)
なった場合にフィードバック制御出力値の算出が中止さ
れる。したがって、上記第2判断基準値は第1判断基準
値よりも小さい値に設定されていることから、偏差が前
記第1判断基準値よりも大きいと判断されてフィードバ
ック制御出力値の算出が再開された後に、直ちに偏差が
第2判断基準値よりも小さいと判断されてフィードバッ
ク制御出力値の算出が中止されるという繰り返しが抑制
されて、スリップ制御の安定性が高められる。
【0016】また、好適には、(f) 前記フィードバック
制御中止手段は、前記フィードバック制御出力値を前記
制御圧制限手段により前記制御圧が前記制限圧に制限さ
れたときの値、すなわちフィードバック制御が中止され
たときの値に保持するフィードバック制御出力値保持手
段を含むものであり、(g) 前記フィードバック制御再開
手段は、前記フィードバック制御出力値保持手段による
フィードバック制御出力値の保持を解除する保持解除手
段を含むものである。このようにすれば、フィードバッ
ク制御が中止されたときには、フィードバック制御出力
値保持手段によって、フィードバック制御出力値がその
ときの値に保持される一方、フィードバック制御再開手
段によってフィードバック制御が再開されるときには、
保持解除手段によってフィードバック制御出力値の保持
が解除される。そのため、フィードバック制御の再開時
には、比較的大きい値(絶対値が小さい負の値)に保持
されていたフィードバック制御出力値を初期値として算
出されるフィードバック制御出力値とフィードフォワー
ド制御出力値とに基づき制御圧発生弁が制御されること
となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0018】図1は、本発明の一実施例の油圧制御装置
により変速制御される車両用自動変速機を示す骨子図で
ある。図において、エンジン10の出力は、トルクコン
バータ12を介して自動変速機14に入力され、図示し
ない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝達され
るようになっている。
【0019】上記トルクコンバータ12は、エンジン1
0のクランク軸16と連結され、外周部において断面U
字状に曲成されると共にエンジン10側へ向かう方向成
分を有する作動油の流れを発生させる羽根を有するポン
プインペラ18と、自動変速機14の入力軸20に固定
され、ポンプインペラ18の羽根に対抗する羽根を有
し、そのポンプインペラ18からの作動油を受けて回転
させられるタービンランナー22と、軸方向に移動可能
且つ相対回転不能にタービンランナー22のハブ軸に嵌
合されたピストン23を介して上記入力軸20に連結さ
れ、それらポンプインペラ18およびタービンランナー
22の間を直結するロックアップクラッチ24と、一方
向クラッチ26によって一方向の回転が阻止されている
ステータ28とを備えている。
【0020】上記自動変速機14は、ハイおよびローの
2段の切り換えを行う第1変速機30と、後進ギヤ段お
よび前進4段の切り換えが可能な第2変速機32を備え
ている。第1変速機30は、サンギヤS0、リングギヤ
R0、およびキャリヤK0に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされて
いる遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置34と、サ
ンギヤS0とキャリヤK0との間に設けられたクラッチ
C0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0および
ハウジング41間に設けられたブレーキB0とを備えて
いる。
【0021】第2変速機32は、サンギヤS1、リング
ギヤR1、およびキャリヤK1に回転可能に支持されて
それらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わさ
れている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置36
と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリヤK
2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリ
ングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成
る第2遊星歯車装置38と、サンギヤS3、リングギヤ
R3、およびキャリヤK3に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされて
いる遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置40とを備
えている。
【0022】上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに
一体的に連結され、リングギヤR1とキャリヤK2とキ
ャリヤK3とが一体的に連結され、そのキャリヤK3は
出力軸42に連結されている。また、リングギヤR2が
サンギヤS3に一体的に連結されている。そして、リン
グギヤR2およびサンギヤS3と中間軸44との間にク
ラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS
2と中間軸44との間にクラッチC2が設けられてい
る。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止
めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング41
に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤ
S2とハウジング41との間には、一方向クラッチF1
およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方
向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が
入力軸20と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合
させられるように構成されている。
【0023】キャリヤK1とハウジング41との間には
ブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウ
ジング41との間には、ブレーキB4と一方向クラッチ
F2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF
2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合さ
せられるように構成されている。
【0024】以上のように構成された自動変速機14で
は、例えば図2に示す作動表に従って変速比I(=入力
軸20の回転速度/出力軸42の回転速度)がそれぞれ
異なる後進1段および前進5段のギヤ段が切り換えられ
る。図2において○印は係合状態を示し、×印は非係合
状態を示している。この図2からも明らかなように、ブ
レーキB3は、第1速ギヤ段から第2速ギヤ段へ切り換
える変速に際して係合させられるとともに、第2速ギヤ
段から第3速ギヤ段へ切り換える変速に際して解放され
るものであり、ブレーキB2は、第2速ギヤ段から第3
速ギヤ段へ切り換える変速に際して係合させられるもの
である。上記図2において、「1st」,「2nd」,「3
rd」,「4th」,「5th」はそれぞれ前進側の第1速ギ
ヤ段、第2速ギヤ段、第3速ギヤ段、第4速ギヤ段、第
5速ギヤ段を表しており、上記変速比Iは、第1速ギヤ
段から第5速ギヤ段に向かうに従って順次小さくなる。
なお、上記トルクコンバータ12および自動変速機14
は、軸線に対して対称的に構成されているため、図1に
おいては、入力軸20および出力軸42等の回転軸線の
下側を省略して示している。
【0025】図3に示すように、車両のエンジン10の
吸気配管には、アクセルペダル50によって操作される
第1スロットル弁52とスロットルアクチュエータ54
によって操作される第2スロットル弁56とが設けられ
ている。また、エンジン10の回転速度すなわちポンプ
インペラ18の回転速度を検出するエンジン回転速度セ
ンサ58、エンジン10の吸入空気量を検出する吸入空
気量センサ60、吸入空気の温度を検出する吸入空気温
度センサ62、上記第1スロットル弁52の開度TAを
検出するスロットルセンサ64、出力軸42の回転速度
out 等から車速Vを検出する車速センサ66、エンジ
ン10の冷却水温度を検出する冷却水温センサ68、ブ
レーキの作動を検出するブレーキスイッチ70、シフト
レバー72の操作位置を検出する操作位置センサ74等
が設けられており、それらのセンサから、エンジン回転
速度Ne 、吸入空気量Q、吸入空気温度THa 、第1ス
ロットル弁の開度TA、車速V、エンジン冷却水温TH
w 、ブレーキの作動状態BK、シフトレバー72の操作
位置Pshを表す信号がエンジン用電子制御装置76およ
び変速用電子制御装置78それぞれ直接また間接的に供
給されるようになっている。また、タービンランナ22
の回転速度を検出するタービン回転速度センサ75から
タービン回転速度NT を表す信号が変速用電子制御装置
78に供給される。また、エンジン用電子制御装置76
と変速用電子制御装置78とは通信インターフェイスを
介して相互連結されており、入力信号等が必要に応じて
相互に供給される。
【0026】エンジン用電子制御装置76は、CPU、
RAM、ROM、入出力インターフェースを備えた所謂
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、種々のエンジン制御を実
行する。例えば、燃料噴射量制御では燃焼状態を最適と
するために燃料噴射弁80を制御し、点火時期制御では
遅角量を適切とするためにイグナイタ82を制御し、ア
イドルスピード制御のために図示しないバイパス弁を制
御し、トラクション制御では駆動輪のスリップを防止し
て有効な駆動力および車両の安定性を確保するためにス
ロットルアクチュエータ54により常時全開状態の第2
スロットル弁56を制御し、フューエルカット制御で
は、スロットルセンサ64のアイドルスイッチによって
第1スロットル弁52が閉じられたことが検出されてい
る惰行走行において、エンジン回転速度Ne が予め設定
されたフューエルカット回転速度NCUT を上まわる期間
だけ燃料噴射弁80を閉じることによりエンジン10に
供給される燃料を遮断して燃費が高められる。
【0027】変速用電子制御装置78も、上記と同様の
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROM79に記憶されたプロ
グラムに従って入力信号を処理し、油圧制御回路84の
各電磁弁或いはリニヤソレノイド弁を駆動する。例え
ば、変速用電子制御装置78は、第1スロットル弁52
の開度TAに対応した大きさの出力圧PSLT を発生させ
るためにリニヤソレノイド弁SLT を、アキュム背圧を制
御するためにリニヤソレノイド弁SLN を、ロックアップ
クラッチ24のスリップ量Nslipを制御するためにリニ
ヤソレノイド弁SLU をそれぞれ駆動する。また、変速用
電子制御装置78は、予め記憶された変速線図から実際
のスロットル弁開度TAおよび車速Vに基づいて自動変
速機14のギヤ段やロックアップクラッチ24の係合状
態を決定し、この決定されたギヤ段および係合状態が得
られるように電磁弁S1、S2、S3を駆動し、エンジ
ンブレーキを発生させる際には電磁弁S4を駆動する。
【0028】変速用電子制御装置78は、さらにロック
アップクラッチ24の係合制御およびスリップ制御を実
行し、自動変速機14の第1速ギヤ段および第2速ギヤ
段ではロックアップクラッチ24を解放するが、第3速
ギヤ段および第4速ギヤ段ではスロットル弁開度TA、
車速(変速機出力軸回転速度)Vに基づいて解放、スリ
ップ、係合のいずれかの領域を判定し、解放或いは係合
領域であれば、ロックアップクラッチ24を解放或いは
係合させる。また、スリップ領域であれば、変速用電子
制御装置78はロックアップクラッチ24のスリップ制
御を実行する。このスリップ制御では、運転性を損なう
ことなく燃費を可及的に良くすることを目的として、エ
ンジン10の回転変動を吸収しつつ連結させてトルクコ
ンバータ12の回転損失を可及的に抑制するために、ロ
ックアップクラッチ24がスリップ状態に維持される。
また、車両の減速惰行走行中でもフューエルカット制御
の制御域を拡大することを目的として、ロックアップク
ラッチのスリップ制御が実行される。この場合には、ス
ロットル弁開度TAが零であるので専ら車速Vにより何
れの領域にあるか判定される。
【0029】上記のスリップ制御においては、図示しな
いスリップ制御ルーチンに従って、実スリップ量Nslip
(=Ne −NT )が算出され、予め設定された目標スリ
ップ量Nslip T と実スリップ量Nslipとが一致するよう
に、例えば下記 (1)式(再掲)に従ってリニヤソレノイ
ド弁SLU の駆動電流ISLU すなわち駆動デューティ比D
SLU(%)が算出され、リニヤソレノイド弁SLU から
出力される制御圧PSL U が調節される。 DSLU=DFWD+DFB ・・・ (1)
【0030】上記 (1)式において、DFWDは例えばエ
ンジン10の出力トルクの関数であるフィードフォワー
ド制御出力値であり、DFBは例えば上記目標スリップ
量N slip T と実スリップ量Nslipとの間の偏差ΔE(=
slip−Nslip T )を解消するためのフィードバック制
御出力値である。これらDFWD、DFBは、デューテ
ィ比に換算された量であってその単位は%である。上記
フィードバック制御出力値DFBは、今回の制御サイク
ルにおいて下記 (3)式から算出されたフィードバック制
御値DFBOi と、前回の制御サイクルにおいて算出さ
れたフィードバック制御値DFBOi-1 との差分DDF
BOを、前回のフィードバック制御出力値DFBi-1
加算することにより、下記 (2)式(再掲)に従って今回
のフィードバック制御出力値DFBi として算出され
る。なお、 (3)式において、KP は比例ゲイン、T1
積分時間、TD は微分時間である。
【0031】
【数1】
【0032】図4は、油圧制御回路84の要部を示して
いる。図において、制御圧発生弁として機能するリニヤ
ソレノイド弁SLU は、モジュレータ圧PM を元圧とする
減圧弁であって、変速用電子制御装置78から出力され
る駆動デューティ比DSLUの駆動電流ISLU に対応し
た大きさの制御圧PSLU を出力し、ロックアップリレー
弁98およびロックアップコントロール弁100へ供給
する。
【0033】ロックアップリレー弁98は、互いに当接
可能であり且つ両者間にスプリング102が介在させら
れた第1スプール弁子104および第2スプール弁子1
06と、その第1スプール弁子104の軸端側に設けら
れ、第1スプール弁子104および第2スプール弁子1
06を係合(ON)側の位置へ付勢するために制御圧P
SLU を受け入れる油室108と、第1スプール弁子10
4および第2スプール弁子106を解放側位置へ付勢す
るために第2ライン圧PL2を受け入れる油室110とを
備えている。第1スプール弁子104がその解放(OF
F)側位置に位置すると、入力ポート112に供給され
た第2ライン圧PL2が解放側ポート114からトルクコ
ンバータ12の解放側油室116へ供給されると同時
に、トルクコンバータ12の係合側油室118内の作動
油が係合側ポート120から排出ポート122を経てク
ーラバイパス弁124或いはオイルクーラ126へ排出
させられる。反対に、第1スプール弁子104がその係
合側位置に位置すると、入力ポート112に供給された
第2ライン圧PL2が係合側ポート120からトルクコン
バータ12の係合側油室118へ供給されると同時に、
トルクコンバータ12の解放側油室116内の作動油が
解放側ポート114から排出ポート128、ロックアッ
プコントロール弁100の制御ポート130、排出ポー
ト132を経て排出されるようになっている。
【0034】したがって、上記制御圧PSLU が所定値β
以下の場合には、第1スプール弁子104はスプリング
102および第2ライン圧PL2に基づく推力に従って図
4の中心線より右側に示す解放側(OFF)位置に位置
させられてロックアップクラッチ24が解放されるが、
制御圧PSLU が上記所定値βよりも高い所定値αを超え
ると、第1スプール弁子104は制御圧PSLU に基づく
推力に従って図4の中心線より左側に示す係合側(O
N)位置に位置させられてロックアップクラッチ24が
係合或いはスリップ状態とされる。第1スプール弁子1
04および第2スプール弁子106の受圧面積、スプリ
ング102の付勢力はこのように設定されているのであ
る。このようにロックアップリレー弁98が係合側に切
り換えられたときのロックアップクラッチ24の係合或
いはスリップ状態は、制御圧PSLUの大きさに従って作
動するロックアップコントロール弁100により制御さ
れる。
【0035】ロックアップコントロール弁100は、ロ
ックアップリレー弁98が係合側位置にあるときに制御
圧PSLU に従ってロックアップクラッチ24のスリップ
量N slipを制御するためのものであって、スプール弁子
134と、このスプール弁子134に当接して図4の中
心線より右側に示す排出側位置へ向かう推力を付与する
プランジャ136と、スプール弁子134に図4の中心
線より左側に示す供給側位置へ向かう推力を付与するス
プリング138と、スプリング138を収容し且つスプ
ール弁子134を供給側位置へ向かって付勢するために
トルクコンバータ12の係合側油室118内の油圧PON
を受け入れる油室140と、プランジャ136の軸端側
に設けられ、スプール弁子134を排出側位置へ向かっ
て付勢するためにトルクコンバータ12の解放側油室1
16内の油圧POFF を受け入れる油室142と、プラン
ジャ136の中間部に設けられ、制御圧PSLU を受け入
れる油室144とを備えている。
【0036】このため、上記スプール弁子134がその
排出側位置に位置させられると、制御ポート130と排
出ポート132との間が連通させられるのでロックアッ
プクラッチ24の係合トルクが増加させられるが、反対
に供給側位置に位置させられると、第1ライン圧PL1
供給されている供給ポート146と制御ポート130と
が連通させられるので、第1ライン圧PL1がトルクコン
バータ12の解放側油室116内へ供給されてロックア
ップクラッチ24の係合トルクが減少させられる。
【0037】ロックアップクラッチ24を解放させる場
合には、制御圧PSLU が前記所定値βよりも小さい値と
なるようにリニヤソレノイド弁SLU が変速用電子制御装
置78により駆動される。反対に、ロックアップクラッ
チ24を係合させる場合には、制御圧PSLU が最大値と
なるようにリニヤソレノイド弁SLU が変速用電子制御装
置78により駆動され、ロックアップクラッチ24がス
リップさせられる場合には、制御圧PSLU が前記所定値
βと最大値との間となるようにリニヤソレノイド弁SLU
が変速用電子制御装置78により駆動される。すなわ
ち、ロックアップコントロール弁100では、図5に示
すように、トルクコンバータ12の係合側油室118内
の油圧Ponと解放側油室116内の油圧Poff とが制御
圧PSLU に従って変化させられるので、それら油圧Pon
およびPoff の差圧(Pon−Poff)に対応するロック
アップクラッチ24の係合トルクも制御圧PSLU に従っ
て変化させられてスリップ量Nslipが制御されるのであ
る。
【0038】なお、上記図5において、上側に位置する
破線はロックアップクラッチ24が係合またはスリップ
させられるオン側位置から解放させられるオフ側位置に
なるために必要なロックアップリレー弁98の油圧特性
を示したものであり、下側に位置する破線はオフ側位置
からオン側位置になるために必要なロックアップリレー
弁98の油圧特性を示したものである。これらの破線の
傾きは、ロックアップリレー弁98を作動させるための
第1スプール弁子104および第2スプール弁子106
の受圧部の面積の大きさ、供給される油圧やスプリング
102の特性に応じて決定される。
【0039】ソレノイドリレー弁170は、ロックアッ
プリレー弁98の油室108に接続された出力ポート1
72と、ドレンポート174と、リニヤソレノイド弁SL
U からの制御圧PSLU が供給される入力ポート176
と、出力ポート172をドレンポート174に連通させ
るロックアップ解放位置と出力ポート172を入力ポー
ト176に連通させるロックアップ許可位置とに切り換
えられるスプール弁子178と、このスプール弁子17
8をロックアップ許可位置に向かって付勢するスプリン
グ180と、上記スプリング180を収容し、且つスプ
ール弁子178をロックアップ許可位置に向かって付勢
するために第3速ギヤ段以上のギヤ段において発生させ
られるブレーキB2の係合圧PB2をオリフィス181を
介して受け入れる油室182と、スプール弁子178を
ロックアップ解放位置に向かって付勢するために第1ラ
イン油圧PL1を受け入れる油室184とを備えている。
これにより、ロックアップリレー弁98は、第3速ギヤ
段以上のギヤ段においてのみ、上記制御圧PSLU がその
油室108に供給され得、その制御圧PSLU に従って係
合(ON)側の位置へ切り換えられ得るようになってい
る。前記第2ライン圧PL2は上記第1ライン圧PL1を減
圧することにより調圧されたものであるから、第1ライ
ン圧PL1は常時第2ライン圧PL2よりも高圧である。
【0040】そして、リニヤソレノイド弁SLU とロック
アップコントロール弁100の油室144との間には油
路186が設けられており、リニヤソレノイド弁SLU か
ら出力される制御圧PSLU が上記ソレノイドリレー弁1
70を経ないでロックアップコントロール弁100の油
室144へ直接供給されるようになっている。この油路
186は、第2速ギヤ段以下でも制御圧PSLU によりロ
ックアップコントロール弁100を作動させてロックア
ップリレー弁98が係合側に位置する異常を検出可能と
するために設けられている。
【0041】図6は、変速用電子制御装置78のスリッ
プ制御における制御機能の要部を説明する機能ブロック
線図である。図において、ロックアップクラッチ24を
解放させるオフ側位置と係合させるオン側位置とに切り
換えられるロックアップリレー弁98と、そのロックア
ップリレー弁98を通して排出される作動油の排出量を
調節することによりロックアップクラッチ24のスリッ
プ量を制御するロックアップコントロール弁100と、
増加するに伴って、ロックアップリレー弁98をオン側
位置へ切り換え、前記スリップ量が減少するようにその
ロックアップコントロール弁100の作動を制御する制
御圧PSLU を発生する制御圧発生弁として機能するリニ
ヤソレノイド弁SLU と、前記 (1)式に基づいてスリップ
制御を実行するスリップ制御手段188が備えられてい
る。
【0042】上記のスリップ制御手段188は、フィー
ドフォワード制御出力値決定手段190により決定され
た前記フィードフォワード制御出力値DFWDと、フィ
ードバック制御出力値算出手段192により算出された
前記フィードバック制御出力値DFBとに基づいて、前
記 (1)式に従って算出された駆動デューティ比DSLU
に基づき、リニヤソレノイド弁SLU を制御するものであ
る。また、制御圧PSL U がロックアップリレー弁98を
オフ側位置へ切り換える値βよりもクラッチ係合側の値
(高い側の値)に設定された制限圧PLMは、変速用電子
制御装置78のROM79の一部の記憶領域に対応する
制限圧記憶手段194に予め記憶されており、制御圧P
SLU が制限圧PLMよりもクラッチ解放側の値(低い側の
値)とならないように、制御圧制限手段196によりそ
の最小値が上記制限圧PLMに制限される。
【0043】上記の制御圧制限手段196によって制御
圧PSLU の最小値が制限圧PLMに制限され、かつ第2偏
差判断手段198により実スリップ量Nslipが目標スリ
ップ量Nslip T よりも十分に小さいと判断されたときに
は、フィードバック制御中止手段200によって上記フ
ィードバック制御出力値算出手段192によるフィード
バック制御出力値DFBの算出が中止されて、そのとき
の値DFBi に保持される。すなわち、フィードバック
中止手段200はフィードバック制御出力値DFBを記
憶するフィードバック制御値保持手段201を含むもの
である。このフィードバック制御出力値DFBの算出中
止は、制御圧判断手段202によって制御圧PSLU すな
わち駆動デューティ比DSLUが下限圧PLMすなわち下
限ガード値DLMよりも大きいと判断されたとき、或い
は第1偏差判断手段204によって実スリップ量Nslip
と目標スリップ量Nslip T との偏差(Nslip
slip T )が十分に大きい(負側の大きい値ではない)
と判断されたとき等、フィードバック制御出力値DFB
の算出を中止する必要がなくなった場合に、フィードバ
ック制御再開手段206によって解除される。このと
き、再開されるフィードバック制御は保持されていたフ
ィードバック制御出力値DFBi を初期値として実行さ
れる。したがって、フィードバック制御再開手段206
は保持解除手段207を含んで構成されている。
【0044】図7および図8は、スリップ制御中におけ
る変速用電子制御装置78のスリップ制御作動の要部、
すなわち、駆動デューティ比出力ルーチンおよび駆動デ
ューティ比算出ルーチンをそれぞれ示しており、それら
のルーチンは相互に直列的或いは並列的に繰り返し、実
質的に同時に実行される。図示しないフローチャートに
よる制御サイクルにおいて、図9に示すスリップ制御領
域であることが判断され、更にスロットル弁開度TAや
車速V等からスリップ制御実施条件が満足していること
が判断されると、スリップ制御が開始されて上記図7お
よび図8のルーチンが実行される。
【0045】図7のステップSA1においては、制御圧
SLU が変速用電子制御装置78のROM79に予めに
記憶された制限圧である下限圧PLMよりも小さいか否
か、すなわち前記 (1)式に従って算出されて変速用電子
制御装置78からリニヤソレノイド弁SLU に供給される
駆動デューティ比DSLUが、その下限圧PLMに対応す
る下限ガード値DLMよりも小さいか否かが判断され
る。この下限圧PLMは、例えば図5に示すように、前記
所定値βよりも所定値だけ高い圧に設定されている。制
御圧PSLU が比較的大きい通常のスリップ制御では、上
記ステップSA1の判断が否定されるので、ステップS
A2においてリニヤソレノイド弁SLU に算出された値D
SLUが出力されて本ルーチンが終了させられる。そし
て、図示しない制御ルーチンにおいて上記の駆動デュー
ティ比DSLUに従って、実スリップ量Nslipが例えば
50rpm 程度の目標スリップ量Nslip T と一致するよう
に制御圧PSLU が調節される。
【0046】ところが、スリップ制御中において、スロ
ットル弁開度TAが比較的小さくエンジン10の出力ト
ルクが低い領域では、実スリップ量Nslipを目標スリッ
プ量Nslip T に一致させるために制御圧PSLU が比較的
低くされる場合があり、このような場合には上記ステッ
プSA1の判断が肯定されるので、続くステップSA3
では、リニヤソレノイド弁SLU に算出された値DSLU
に代えて下限ガード値DLMが出力される。すなわち、
リニヤソレノイド弁SLU の駆動デューティ比DSLUが
その下限ガード値DLMに設定され、実質的に制御圧P
SLU がその下限値PLMに制限される。本実施例では、上
記ステップSA1およびSA3が前記制御圧制限手段1
96に対応している。なお、本ルーチンは更に詳しく
は、前記特開平7−63259号公報の図7に記載され
ているようなフローチャートによって処理されるが、本
実施例の図7に示されている以外のステップについて
は、本実施例の理解には必ずしも必要ではないため省略
する。
【0047】図8のステップSB1においては、前記図
7のステップSA1と同様な判断が行われ、この判断が
否定されると、すなわち駆動デューティ比DSLUが下
限ガード値DLMよりも大きいと判断されると、ステッ
プSB2に進む。ステップSB2においてはフィードバ
ック演算が実施され、ステップSB3においては、その
フィードバック演算の結果が今回のフィードバック制御
出力値DFBi として記憶される。例えばステップSB
2においては、前記 (2), (3)式に従って実スリップ量
slipと目標スリップ量Nslip T との偏差に基づいてフ
ィードバック制御値DFBO、差分DDFBOが算出さ
れ、ステップSB3においては、前記 (2)式に従ってフ
ィードバック制御出力値DFBが算出されるのである。
そして、続くステップSB4においてフラグF1の内容
が「0」にリセットされた後、ステップSB5におい
て、前記 (1)式に従って駆動デューティ比DSLUが算
出されて本ルーチンが終了させられる。本実施例におい
ては、上記ステップSB2,SB3が前記フィードバッ
ク制御出力値算出手段192(すなわちフィードバック
制御手段)に対応している。
【0048】前記図7のステップSA1の場合と同様
に、駆動デューティ比DSLU≦下限ガード値DLMと
なると、ステップSB1の判断が肯定されてステップS
B6に進む。このステップSB6では、フラグF1の内
容が「1」であるか否かが判断される。このフラグF1
はその内容が「1」であるときに、スリップ制御中にお
いてフィードバック演算が停止させられていること、す
なわちフィードバック制御が中止されてフィードバック
制御出力値DFBが一定値に保持されていることを示す
ものである。当初は、ステップSB6の判断が否定され
るので、ステップSB7において実スリップ量Nslip
目標スリップ量Nslip T との偏差DNSLP(=Nslip
−Nslip T )が所定値TDNSLEよりも小さいか否か
が判断される。この所定値TDNSLEは、例えば -20
r.p.m.程度の小さい値であって、偏差DNSLPが十分
に小さい状態、すなわち偏差DNSLPが負側に十分大
きい状態を判定するものである。本実施例においては、
上記所定値TDNSLEが第2判断基準値に相当し、ス
テップSB7が前記第2偏差判断手段198に対応す
る。
【0049】上記ステップSB7の判断が否定された場
合は、ステップSB2に進んで前記ステップSB1の判
断が否定された場合と同様にフィードバック演算が実施
(すなわちフィードバック制御が実行)されるが、肯定
された場合には、ステップSB8においてフラグF1の
内容が「1」にセットされた後、ステップSB9におい
てフィードバック演算が停止される。すなわち、例え
ば、フィードバック制御中止手段200によってフィー
ドバック制御値DFBOの更新が禁止されてDFBOi
=DFBOi-1 とされて、前記 (2)式においてDDFB
O=0とされ、フィードバック制御出力値保持手段20
1によってフィードバック制御出力値DFBがDFBi
=DFBi-1 に保持される。そして、ステップSB5に
おいて、この保持されたフィードバック制御出力値DF
i とフィードフォワード制御出力値DFWDとから駆
動デューティ比DSLUが算出されるのである。すなわ
ち、本実施例においては、上記ステップSB9がフィー
ドバック制御中止手段200およびフィードバック制御
出力値保持手段201に対応する。
【0050】上記のようにフラグF1の内容が「1」に
セットされると、次の制御サイクルにおけるステップS
B6の判断が肯定されるので、ステップSB10におい
て偏差DNSLPが所定値TDNSLSよりも大きいか
否かが判断される。この所定値TDNSLSは、前記ス
テップSB7において偏差DNSLPと比較される負の
所定値TDNSLE(= -20r.p.m.)よりも大きい値、
例えば 0r.p.m.程度の値であって、偏差が十分に大きい
か否か、すなわち、負である偏差の絶対値が十分に小さ
い状態となったか否かを判定するものである。このステ
ップSB10の判断が否定された場合は、偏差DNSL
Pが未だ負側に大きいため、ステップSB9に進んでフ
ィードバック演算が停止させられた状態、すなわちフィ
ードバック制御が中止されてフィードバック制御出力値
DFBが保持された状態が継続される。なお、上記のよ
うに、所定値TDNSLSと前記所定値TDNSLEと
が異なるものとされていることから、一旦ステップSB
7の判断が肯定されてフィードバック制御が中止された
後は、偏差DNSLPが僅かに大きくなっても(すなわ
ちDNSLP>0とならない限り)中止状態が継続され
る。
【0051】しかし、例えば、スロットル弁開度TAが
増大させられてエンジン10の出力トルクが増大させら
れることにより、実スリップ量Nslipが増大して偏差D
NSLPが正となった場合には、この判断が肯定されて
ステップSB2に進み、保持解除手段207によってフ
ィードバック制御出力値DFBの保持が解除され、フィ
ードバック制御再開手段206によってフィードバック
演算の実施、すなわちフィードバック制御出力値DFB
の算出が再開される。すなわち、本実施例においては、
上記ステップSB10が前記第1偏差判断手段204に
対応し、所定値TDNSLSが第1判断基準値に相当す
る。また、ステップSB2がフィードバック制御再開手
段206および保持解除手段207を兼ねている。
【0052】一方、上記ステップSB10の判断が否定
されるうちは、上記各ステップが繰り返し実行される
が、例えばスロットル弁開度TAの増大等によって、フ
ィードフォワード制御出力値DFWDが増大させられる
と、フィードバック制御が中止されてフィードバック制
御値DFBが保持されているにも拘らず、前記 (1)式に
従って駆動デューティ比DSLUが増大させられる。こ
れにより、駆動デューティ比DSLU>下限ガード値D
LMとなってステップSB1の判断が否定されると、こ
の場合にも、ステップSB2に進んでフィードバック演
算の実施が再開されることとなる。本実施例において
は、上記のステップSB1が制御圧判断手段202に対
応する。
【0053】図10は上記の図7および図8に示される
ルーチンに従ってスリップ制御が実行された場合のフィ
ードバック制御出力値DFB等の変化を示すタイムチャ
ートである。時刻t0 において、駆動デューティ比DS
LUが下限ガード値DLMよりも十分大きい状態でスリ
ップ制御が実行されており、実スリップ量Nslipは目標
スリップ量Nslip T に略一致させられている。そのた
め、前記図7のステップSA1および図8のステップS
B1の判断が否定されて、各ステップが繰り返し実行さ
れている。時刻t1 になると、スロットル弁開度TAが
小さくされるため、フィードフォワード制御出力値DF
WDが小さくされて、駆動デューティ比DSLUが次第
に低下させられる。このとき、エンジン出力トルクの低
下に伴って実スリップ量Nslipが低下させられて目標ス
リップ量Nslip T との負の偏差が生じることから、それ
まで正の値であったフィードバック制御出力値DFBも
時刻t2 以降次第に低下させられることとなる。
【0054】その後、スロットル弁開度TAが更に小さ
くされると、駆動デューティ比DSLUが更に小さくな
るが、時刻t3 において駆動デューティ比DSLUが下
限デューティ比DLM以下になると、前記ステップSA
1の判断が肯定されるため、ステップSA3に進んで駆
動デューティ比DSLUがその下限デューティ比DLM
に制限される。そのため、実スリップ量Nslipと目標ス
リップ量Nslip T との偏差DNSLPが解消されなくな
るが、この時刻t3 においては、図から明らかように、
偏差DNSLP<所定値TDNSLEとなっているた
め、ステップSB7の判断が肯定されて、ステップSB
9においてフィードバック演算が停止されてフィードバ
ック制御出力値がDFBi に保持される。したがって、
その時刻t 3 以降では、偏差DNSLPが解消されない
にも拘らず、フィードバック制御出力値DFBは負側に
増大しない。
【0055】そして、時刻t4 からスロットル開度TA
が次第に大きくされると、エンジン出力トルクが増大さ
せられることから、その関数であるフィードフォワード
制御出力値DFWDが次第に増大させられると共に、ポ
ンプインペラ18の回転数の増大によって実スリップ量
slipが増大させられて、偏差DNSLPが負の値から
次第に大きくされる(正に向かわせられる)。そして、
時刻t5 において、偏差DNSLP=0となると、ステ
ップSB10の判断が肯定されるため、ステップSB2
においてフィードバック演算の実施が再開されることと
なる。このとき、保持されていたフィードバック制御出
力値DFBi は、実際の偏差DNSLPに対応した値よ
りも比較的小さく(すなわち負側に大きく)なっている
ため、フィードバック制御出力値DFBの算出が繰り返
されることにより次第に大きくされる(正に向かわせら
れる)。そして、時刻t6 において、そのフィードバッ
ク制御出力値DFBが十分に大きくなると、駆動デュー
ティ比DSLUが下限値DLMよりも大きくなって、ス
テップSA1の判断が否定され、実際に算出された駆動
デューティ比DSLUにより制御圧発生弁SLU が駆動さ
れる。
【0056】上述のように、本実施例によれば、制御圧
SLU が制限圧PLMに制限された場合には、フィードバ
ック制御中止手段200およびフィードバック制御出力
値保持手段201に対応するステップSB9によって、
フィードバック制御が中止されてフィードバック制御出
力値DFBがそのときの値DFBi に保持される一方、
所定の条件に基づき、すなわちステップSB1の判断が
否定され或いはステップSB10の判断が肯定されたと
きに、フィードバック制御再開手段206および保持解
除手段207に対応するステップSB2によって、フィ
ードバック制御出力値DFBの保持が解除されて算出が
再開される。そのため、制御圧PSLU が制限圧PLMに制
限されることによって実スリップ量Nslipと目標スリッ
プ量Nsl ipとの負の偏差DNSLPが解消されない状態
においては、フィードバック制御出力値DFBが負側に
増大することが抑制される一方、フィードバック制御出
力値の保持が解除された場合には、比較的大きい値に保
持されていたフィードバック制御出力値DFBi を初期
値としてフィードバック制御出力値DFBが算出され、
そのフィードバック制御出力値DFBとフィードフォワ
ード制御出力値DFWDとに基づき制御圧発生弁SLU が
制御される。したがって、制御圧制限手段196による
制御圧PSLU の制限圧PLMへの制限が解除された場合
に、フィードバック制御出力値DFBが負側に大きな値
となったことによる制御圧PSLU の増大の遅れや実スリ
ップ量Nslipの一時的な増大が抑制されて、スリップ制
御の追従性の低下が抑制される。
【0057】また、本実施例によれば、制御圧PSLU
制限圧PLMよりも小さいか否かを判断し、その判断が否
定された場合には前記フィードバック制御出力値の算出
中止を否定する制御圧判断手段202が更に備えられて
いるため、制御圧PSLU が制限圧PLMよりも大きくなっ
た場合にはフィードバック制御出力値DFBの保持が解
除されて算出が再開される。このような場合には、算出
されたフィードバック制御出力値DFBに基づいて実ス
リップ量Nslipと目標スリップ量Nslip T との偏差DN
SLPが大きくされてフィードバック制御出力値DFB
が次第に正の値に向かわせられるため、フィードバック
制御を中止する必要がないのである。
【0058】また、本実施例によれば、実スリップ量N
slipと目標スリップ量Nslip T との偏差DNSLPが予
め定められた所定値TDNSLSよりも大きいか否かを
判断し、その判断が肯定された場合にはフィードバック
制御出力値の算出中止を否定する第1偏差判断手段20
4を更に含むため、エンジン出力トルクの増大によって
偏差DNSLPが十分に大きく(負の値が十分に小さ
く)なった場合に、フィードバック制御出力値DFBの
算出中止が解除される。このような場合には、偏差DN
SLPが十分に大きい(絶対値が十分に小さい)ことか
らフィードバック制御出力値DFBが負側に殆ど増大し
ないため、フィードバック制御を中止する必要がないの
である。
【0059】また、本実施例によれば、実スリップ量N
slipと目標スリップ量Nslip T との偏差DNSLPを、
所定値TDNSLSよりも小さい値に予め定められた負
の所定値TDNSLEと比較し、その偏差DNSLPが
所定値TDNSLEよりも小さい(絶対値が大きい)と
判断した場合にフィードバック制御中止手段200によ
るフィードバック制御出力値DFBの算出中止を許可す
る第2偏差判断手段198を含むため、制御圧PSLU
制限圧PLMに制限され、且つ偏差DNSLPが所定値T
DNSLEよりも小さくなった場合にフィードバック制
御出力値DFBの算出が禁止される。したがって、上記
所定値TDNSLE(=-20r.p.m. )は所定値TDNS
LS(=0)よりも小さい値に設定されていることか
ら、偏差DNSLPが所定値TDNSLSよりも大きい
と判断されてフィードバック制御出力値DFBの算出が
再開された後に、直ちに偏差DNSLPが所定値TDN
SLEよりも小さいと判断されてフィードバック制御出
力値DFBの算出が禁止されるという繰り返しが抑制さ
れて、スリップ制御の安定性が高められる。
【0060】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することも
できる。
【0061】例えば、前述の実施例の制御圧PSLU は、
零から増加するに伴ってロックアップリレー弁98をオ
ン側へ切り換えるとともに、その後ロックアップクラッ
チ24の差圧(Pon−Poff )を増加させ、ついにはロ
ックアップクラッチ24を係合させていたが、反対に、
最大値から減少するに伴ってロックアップリレー弁98
がオン側へ切り換えられるとともに、その後ロックアッ
プクラッチ24の差圧(Pon−Poff )を増加させ、つ
いにはロックアップクラッチ24を係合させるように、
ロックアップリレー弁98やロックアップコントロール
弁100等が構成されていてもよいのである。
【0062】また、前述の実施例のステップSA1およ
びSB1では、リニヤソレノイド弁SLU の駆動デューテ
ィ比DSLUが実質的に制御圧PSLU を表すものとして
用いられていたが、油圧センサによって検出された制御
圧PSLU が用いられてもよい。
【0063】また、前述の図8においては、偏差DNS
LPが所定値TDNSLEよりも小さいか否かを判断す
るステップSB7は、必ずしも設けられなくても良い。
すなわち、ステップSB1において駆動デューティ比D
SLUが下限ガード値DLMよりも小さいと判断された
場合に、常にフィードバック演算を停止するように構成
されていても良い。
【0064】また、前述の図8においては、ステップS
B1において駆動デューティ比DSLUが下限ガード値
DLMよりも大きいと判断された場合、およびステップ
SB10において偏差DNSLPが所定値TDNSLS
よりも大きいと判断された場合に、フィードバック演算
停止を解除(フィードバック制御出力値の保持を解除)
し、フィードバック演算の実施を再開するように構成さ
れていたが、ステップSB10は必ずしも設けられなく
とも良い。制御デューティ比DSLUが下限ガード値D
LMよりも小さい場合にフィードバック演算が停止され
れば本発明の効果が得られるからである。
【0065】また、前述の図8においては、ステップS
B1において駆動デューティ比DSLUが下限ガード値
DLMよりも大きいと判断された場合には常にフィード
バック演算の実施を再開するように構成されていたが、
例えば、そのステップSB1とステップSB2との間に
ステップSB10と同様な内容の判断ステップを設け
て、駆動デューティ比DSLU>下限ガード値DLM、
且つ、偏差DNSLP>所定値TDNSLSの場合にフ
ィードバック演算の実施が再開されるように構成されて
も良い。
【0066】また、実施例においては、所定値TDNS
LEが -20r.p.m.に、所定値TDNSLSが0にそれぞ
れ設定されていたが、これらの値は適宜変更され、例え
ば、所定値TDNSLEを0に、所定値TDNSLSを
+20r.p.m.程度に設定しても良い。但し、フィードバッ
ク演算の停止および実施の頻繁な繰り返しを避けるため
に、前者の値が後者の値よりも十分に小さくされている
ことが好ましい。
【0067】また、実施例においては、フィードバック
制御中止手段200がフィードバック制御出力値保持手
段201を含み、フィードバック制御再開手段206が
フィードバック制御出力値保持手段201によるフィー
ドバック制御出力値の保持を解除する保持解除手段20
7を含むように構成されていたが、フィードバック制御
出力値保持手段201および保持解除手段207は必ず
しも設けられていなくとも良い。例えば、フィードバッ
ク制御を中止したときのフィードバック制御出力値DF
Bを記憶せず、フィードバック制御再開条件成立時、或
いは再開条件成立後の実スリップ量Nslipと目標スリッ
プ量Nslip T との偏差(ΔE)からフィードバック制御
出力値DFBが算出されても良く、または、再開条件成
立時に予め設定された所定の値を出力し、その値を初期
値としてフィードバック制御を再開するように構成され
ていても良い。すなわち、フィードバック制御が再開さ
れる際に、負側に大きく増大したフィードバック制御出
力値DFBが初期値として用いられなければ本発明の効
果が得られるのである。
【0068】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の油圧制御装置によってギヤ
段が制御される車両用自動変速機の構成を説明する骨子
図である。
【図2】図1の自動変速機における、複数の摩擦係合装
置の作動の組合わせとそれにより成立するギヤ段との関
係を示す図表である。
【図3】図1の自動変速機を制御する油圧制御回路およ
び電気制御回路を含むブロック線図である。
【図4】図3の油圧制御回路の要部を説明する図であ
る。
【図5】図4の油圧制御回路における制御圧PSLU とロ
ックアッップクラッチの係合側油圧Ponおよび解放側油
圧Poff との関係を示す特性図である。
【図6】図3の変速用電子制御装置のスリップ制御機能
の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図7】図3の変速用電子制御装置のスリップ制御作動
の要部を説明するフローチャートである。
【図8】図3の変速用電子制御装置のスリップ制御作動
の要部を説明するフローチャートである。
【図9】上記スリップ制御において領域判定のために用
いられる図である。
【図10】図7および図8のフローチャートに従って制
御が行われた場合の実スリップ量やフィードバック制御
出力値等の変化を示すタイムチャートである。
【図11】従来のスリップ制御における図10に対応す
る図である。
【符号の説明】
10:エンジン 14:自動変速機 24:ロックアップクラッチ(直結クラッチ) 98:ロックアップリレー弁 100:ロックアップコントロール弁 116:解放側油室 118:係合側油室 188:スリップ制御手段 192:フィードバック制御出力値算出手段 194:制限圧記憶手段 196:制御圧制限手段 200:フィードバック制御値保持手段 206:保持解除手段 SLU:リニヤドレノイド弁(制御圧発生弁)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンと自動変速機とを直結する直結
    クラッチを備えた車両において、前記直結クラッチのス
    リップ量を制御するための制御圧を発生させる制御圧発
    生弁と、前記直結クラッチの実際のスリップ量と目標ス
    リップ量との差を解消するためのフィードバック制御出
    力値とエンジン出力トルクに応じて決定されるフィード
    フォワード制御出力値とに基づいて前記制御圧発生弁を
    制御するスリップ制御手段と、前記制御圧が予め設定さ
    れた制限圧よりもクラッチ解放側へ変化しないように該
    制御圧を該制限圧に制限する制御圧制限手段とを備える
    形式の車両用直結クラッチのスリップ制御装置であっ
    て、 前記制御圧制限手段により前記制御圧が前記制限圧に制
    限されたときには、前記フィードバック制御出力値の算
    出を中止するフィードバック制御中止手段と、 所定の条件に基づいて前記フィードバック制御出力値の
    算出を再開するフィードバック制御再開手段とを、含む
    ことを特徴とする車両用直結クラッチのスリップ制御装
    置。
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