JPH0943243A - 糖蛋白質糖鎖染色時の前処理方法及び染色方法 - Google Patents

糖蛋白質糖鎖染色時の前処理方法及び染色方法

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JPH0943243A
JPH0943243A JP7211149A JP21114995A JPH0943243A JP H0943243 A JPH0943243 A JP H0943243A JP 7211149 A JP7211149 A JP 7211149A JP 21114995 A JP21114995 A JP 21114995A JP H0943243 A JPH0943243 A JP H0943243A
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JP7211149A
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Naoyuki Kono
直幸 河野
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Wako Pure Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】糖蛋白質の糖鎖部分を特異的に染色するための
前処理方法の提供。 【解決手段】電気泳動後の糖蛋白質を、酸化剤を含有す
る酸性溶液であって、酸化還元電位が約1000〜1300mVの
溶液で直接処理するか、または該処理の後、更にカルボ
ン酸溶液で処理することを特徴とする、糖蛋白質糖鎖染
色時の前処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糖蛋白質の電気泳
動画分を特異的に検出するための、電気泳動後の糖蛋白
質の前処理方法、及び該糖蛋白質糖鎖の特異的染色方法
の改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】糖蛋白質は糖と蛋白質からなる複合蛋白
質の総称であり、あらゆる生物の全ての細胞に存在する
ことが知られている。生体内にも多種多様な糖蛋白質が
存在し、血漿蛋白のうちアルブミン以外の殆どの成分が
糖蛋白質である。また、動物細胞表面には糖蛋白質、糖
脂質、プロテオグリカン等の、糖鎖を持つ物質が存在し
ており、該糖鎖は夫々複雑な構造をしている。こうした
糖鎖は、細胞の増殖、癌化、各種疾病との間に関連が見
出されている。以上のようなことから、糖鎖研究報告は
年々増大しており、糖鎖の染色方法はその基礎研究に必
要な技術である。糖蛋白質を検出・確認するための糖鎖
の染色方法としては、従来過ヨウ素酸−シッフ染色法
(Periodic acid-Schiff 染色法、以下、PAS染色法
と略記する。)、銀染色法等が、その代表的なものとし
て挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、PAS染色法
は操作に熟練を要し、慣れないとバックグラウンドが高
くなってしまい、目的の糖蛋白質のバンドが不明瞭とな
ってしまうという問題がある。また、一般にPAS染色
法は検出感度が低いという欠点もある。一方、銀染色法
は測定感度が高いことが知られているが、糖鎖を持たな
い蛋白質も染色してしまうという問題がある。また、糖
鎖部分のバンドが特異的に染色されるといっても、該バ
ンドが黄色がかって染色されているため、目視による確
認が比較的難しいという欠点も有している。例えばAna
l.Bioghem.Vol.226,371-374(1995)に記載された銀染色
法によれば、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
後の糖蛋白質を担持した担体を、先ず10%トリクロール
酢酸で固定化後、5%酢酸で洗浄し、次いで1%過ヨウ素
酸で酸化処理を行う。次いで酢酸、エタノール等で洗浄
した後、該ゲルをメタ重亜硫酸カリウム処理、アルシア
ンブルー染色、銀染色を順次行なうことにより、従来法
に比較して10倍以上の感度で糖蛋白質を検出できたとし
ている。しかしながら、該方法でも糖蛋白質でない牛血
清アルブミン(BSA)も染色されてしまうという問題点
を有していた。本発明は、このように高感度で特異的な
染色及び検出が困難であった糖蛋白質の糖鎖部分を特異
的に染色するための前処理方法、及び該方法を用いた糖
蛋白質糖鎖の特異的、高感度染色方法を提供するもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、以下の構成より成る。 「電気泳動後の糖蛋白質を、酸化剤を含有する酸性溶
液であって、酸化還元電位が約1000〜1300mVの溶液で直
接処理することを特徴とする、該糖蛋白質の前処理方
法。 電気泳動後の糖蛋白質を、酸化剤を含有する酸性溶液
であって、酸化還元電位が約1000〜1300mVの溶液で直接
処理した後、カルボン酸溶液で更に処理することを特徴
とする、該糖蛋白質の前処理方法。 a)電気泳動後の糖蛋白質を、酸化剤を含有する酸性
溶液であって、酸化還元電位が約1000〜1300mVの溶液で
直接処理する工程、及び b)上記a)の工程を経た糖蛋白質を染色する工程、を含
んで成る、該糖蛋白質糖鎖の染色方法。 a)電気泳動後の糖蛋白質を、酸化剤を含有する酸性
溶液であって、酸化還元電位が約1000〜1300mVの溶液で
直接処理する工程、 b)上記a)の工程を経た該糖蛋白質をカルボン酸溶液で
更に処理する工程、及び c)上記b)の工程を経た糖蛋白質糖鎖を染色する工程、
を含んで成る、該糖蛋白質糖鎖の染色方法。」
【0005】即ち、本発明者らは上記目的を達成すべく
鋭意研究を重ねた結果、従来行われていた電気泳動後の
糖蛋白質の染色時の前処理方法、例えばトリクロル酢
酸、アルコール類、酢酸、グルタルアルデヒド等による
固定化処理を行った後に過ヨウ素酸による酸化処理を行
う前処理方法が、糖鎖を持たない蛋白質を非特異的に染
色させる原因であることを突きとめた。そして、電気泳
動後の糖蛋白質を、トリクロル酢酸、アルコール類、酢
酸、グルタルアルデヒド等による固定化処理を行わず
に、酸化剤を含有する酸性溶液であって、酸化還元電位
が約1000〜1300mVの溶液(以下、本発明の前処理液と略
記する。)で直接処理した後に糖蛋白質の糖鎖部分の染
色を行えば、糖蛋白質以外の蛋白質の染色が殆どなく
(バックグラウンドが殆どなく)、糖蛋白質糖鎖を特異
的に染色することができることを見出し、本発明を完成
するに到った。
【0006】本発明の前処理方法に係る酸化剤は、本発
明の前処理液として調製した場合に、25℃前後、pH5以
下の時に銀/塩化銀電極で測定した酸化還元電位が約10
00〜1300mVとなるような酸化剤であれば良く、特に限定
されないが、具体的には例えば過ヨウ素酸又はその塩、
メタ過ヨウ素酸又はその塩、四酢酸鉛、クロム酸等が挙
げられる。また、過ヨウ素酸、メタ過ヨウ素酸の塩とし
ては例えば過ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸ナトリウ
ム、メタ過ヨウ素酸カリウム、メタ過ヨウ素酸ナトリウ
ム等のアルカリ金属塩等が挙げられる。また、本発明の
前処理液中の酸化剤の濃度としては、25℃前後、pH5以
下の時に酸化還元電位が約1000〜1300mVとなるような濃
度範囲であれば良く、酸化剤の種類によって若干変動す
るが、通常0.005〜0.3M、好ましくは 0.008〜0.2Mの範
囲から適宜選択される。より具体的には、例えば過ヨウ
素酸又はその塩を酸化剤として用いる場合、溶液の最終
濃度として、通常0.001〜0.15M、好ましくは0.008〜0.1
M程度、より好ましくは0.03〜0.07M程度の範囲から適宜
選択される。本発明の前処理液のpHは、通常5以下、好
ましくは1〜5であればよく、要すれば例えば塩酸、硝
酸、酢酸等の酸を用いてpHを調整すればよい。また、
本発明の前処理液にはエタノール、メタノール、イソプ
ロパノール等のアルコール類、例えば硝酸、酢酸等の酸
類、界面活性剤等、通常この分野で用いられるものが共
存していても差し支えないが、これらの共存により本発
明の前処理液の酸化還元電位が約1000〜1300mVの範囲か
ら外れることがないようにしなければならないことは言
うまでもない。これらのことを考慮すると、界面活性剤
としては、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオ
レエート等の非イオン性のものがより好ましく、その濃
度としては、本発明の前処理液中の濃度として0.025〜
0.15W/V%、より好ましくは0.05W/V%程度である。
【0007】本発明に係る糖蛋白質としては、例えばα
1-グロブリン,α2ーグロブリン,βーグロブリン,γーグ
ロブリン,フェチュイン等の血清蛋白質、コラーゲン等
の繊維蛋白質、ゴナドトロピン,甲状腺刺激ホルモン,
ヒト絨毛性腺刺激ホルモン(hCG),黄体形成ホルモン
(LH),卵胞刺激ホルモン(FSH),甲状腺刺激ホルモ
ン(TSH)等のホルモン類、リボヌクレアーゼ,タカア
ミラーゼ,γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT
P),アルカリ性ホスファターゼ,コリンエステラー
ゼ,リゾチーム等の酵素類、フィブロネクチン,プロテ
オグリカン等の細胞間物質、α1ー酸性糖蛋白質、α1ーア
ンチトリプシン、α2-マクログロブリン、α2ーHS糖蛋白
質、トランスフェリン、ハプトグロビン、セルロプラス
ミン、癌胎児性抗原(CEA)、αフェトプロイテイン、
免疫グロブリン(IgG,IgM,IgA,IgD,IgE)、補体成
分(C1,C1q,C1r,C1s,C4,C2,C3,C5,C6,C7,C
8,C9)、インターフェロン、血液凝固因子(フィブリ
ノーゲン,プロトロンビン,V因子,VII因子,IX因子,
X因子,XI因子,XII因子,XIII因子等)、アンチトロン
ビンIII、エリスロポエチン等が挙げられる。
【0008】本発明に係わる糖蛋白質は、電気泳動処理
後、電気泳動用支持体に担持されたまま、本発明の前処
理及び染色処理に供すれば良い。本発明の方法により処
理し得る電気泳動用支持体としては、通常この分野で使
用されているものであれば特に限定されないが、本発明
の目的が糖蛋白質糖鎖を特異的に染色することから、支
持体自体は糖を含有しないことが好ましい。そのような
もの例としては、例えばポリアクリルアミドゲル等が好
ましく挙げられる。
【0009】本発明の前処理方法は、電気泳動後の糖蛋
白質担持支持体を、直接本発明の前処理液、即ち酸化剤
を含有する酸性溶液であって、酸化還元電位が約1000〜
1300mVの溶液に所定時間振盪浸漬するだけで実施でき
る。その際、本発明の前処理液の液量は、通常該支持体
の体積の5〜10倍前後が好ましく用いられる。また、本
発明の前処理液による該支持体の振盪浸漬時間(前処理
時間)としては、前処理液中の酸化剤濃度により自ずか
ら異なるが、通常5〜60分、好ましくは15〜30分程度で
ある。尚、このようにして処理された該支持体は、通常
水洗されて次の処理に供される。
【0010】また、電気泳動後の支持体を、本発明の前
処理液で直接処理した後、更にカルボン酸溶液で処理す
ると、染色処理を行った際の糖蛋白質のバンドがより鮮
明(銀染色法で染色した場合には茶色〜黒)になるので
望ましい。このような目的のために使用されるカルボン
酸としては、カルボン酸であれば特に限定されないが、
例えばシュウ酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、ギ酸等
の脂肪族カルボン酸、例えば安息香酸、サリチル酸等の
芳香族カルボン酸等が挙げられる。これらカルボン酸の
処理溶液中に於ける濃度としては、上記した如き目的の
ために使用し得る濃度であれば特に限定されないが、通
常5〜25W/V%程度の範囲から適宜選択される。尚、これ
らカルボン酸は、単独で用いても二種以上適宜混合して
用いても何れにても良い。また、該支持体のカルボン酸
溶液による処理は、該支持体を、該支持体の体積の5〜1
0倍量のカルボン酸溶液中で通常10〜40分間、好ましく
は10〜20分間振盪浸漬処理することにより行えば良い。
また、カルボン酸溶液による処理は2回以上繰り返して
行っても良く、また、その際の濃度は上記範囲内であれ
ば適宜処理毎に変動させても良い。尚、このように処理
された該支持体は、通常水洗されて次の処理に供され
る。
【0011】該カルボン酸溶液にはカルボン酸以外に界
面活性剤が含まれていても良く、その濃度は溶液中の濃
度として0.02〜0.5W/V%程度である。尚、界面活性剤が
荷電を有するものの場合、次の染色処理での染色に影響
がある場合もあるので、界面活性剤としては例えばポリ
オキシエチレンソルビタンモノオレエート等の非イオン
性界面活性剤であることが好ましい。
【0012】本発明の前処理方法(カルボン酸処理を行
っていないもの、行っているもの何れをも含む。)を行
った糖蛋白質は、その後通常の糖鎖染色操作を行なうこ
とにより糖鎖のバンドが染色される。本発明の染色方法
は、上記した如き本発明の前処理方法と自体公知の糖鎖
の染色方法とを組み合わせることから成る。本発明の前
処理方法と組み合わせる染色方法としては、例えばPA
S染色法、銀染色法等、この分野で通常用いられている
自体公知の染色法は全て挙げられる。これらの染色法の
操作方法については、例えば、銀染色法はAnal.Bioche
m.,Vol.119,325-329(1982)等に記載された方法に従っ
て、また、PAS法は「生物化学実験法」,第20巻,多糖
の分離・精製法,120〜121頁,松田和雄編,学会出版セン
ター,1987年,初版、等に記載された方法に従って夫々行
えば良い。
【0013】より具体液には、例えば銀染色法の場合
は、本発明の前処理液による処理を行った糖蛋白質担持
支持体を、硝酸銀を含有する銀染色液に振盪処理する。
次いで水洗後、該支持体をホルムアルデヒド,クエン酸
等を含む現像液中で振盪処理し、染色像が見えてきて、
適当な濃度まで染色されたらクエン酸,酢酸等の停止液
を現像液中に添加して、現像を停止させる。またPAS
染色法の場合は、本発明の前処理液による処理を行った
糖蛋白質担持支持体を、シッフ試薬を含有する染色液中
で振盪処理する。次いで亜硫酸ナトリウムを含有する脱
色液中で数回振盪処理してバックグラウンドの脱色を行
う。
【0014】これらの染色方法に添加される試薬等もこ
の分野に於ける自体公知のものを適宜選択して用いれば
良い。また、これら染色法用の夫々各種キットも市販さ
れているので、これらを適宜用いて染色操作を行っても
良い。尚、本発明の前処理方法及び染色方法に於て、各
種処理液の処理時の温度が20℃以下になると最終的な染
色感度が低下する傾向があるので、本発明の前処理液に
よる処理工程、カルボン酸溶液による処理工程、染色工
程を通じて、各工程で使用される溶液の液温は、20℃以
下にならないようにしておくことが望ましい。
【0015】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって更に本発明
を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何等限定
されるものでない。尚、以下の実施例等に於て、酸化剤
を含有する酸性溶液の酸化還元電位は金属(ORP)電極(銀
/塩化銀電極、6861-10Cc型、(株)堀場製作所製)を用い
て、また酸化剤を含有する酸性溶液のpHは、(株)堀場
製作所製の卓上pHメーター、M-13型を用いて測定し
た。
【0016】実施例1 糖蛋白質(アシアロフェチュイン及びリボヌクレアー
ゼ)、分子量マーカー及び牛血清アルブミン(糖鎖及び
糖蛋白質を含まない)を電気泳動させて得たポリアクリ
ルアミドゲルを、直接1.5W/V%(0.066M)過ヨウ素酸を含
む溶液中で15分間振盪処理した。次いで、該ゲルを蒸留
水で5分間ずつ3回振盪処理し、水洗した。これを、10%
酢酸を含有する溶液で10分間振盪処理し、次いで蒸留水
で10分間振盪処理して水洗した後、市販の銀染色キット
(銀染色キットワコー、和光純薬工業(株)製)の標準操
作法に従って銀染色処理以降の操作を行い、該ゲルを染
色した(尚、実施例に於ては該キット中の固定液及び増
感液による処理は行っていない。以下同じ。)。得られ
た染色像はバックグラウンドが低い、茶褐色〜黒色の鮮
明なものであった。また、アシアロフェチユイン及びリ
ボヌクレアーゼのバンドは染色されたが、糖鎖を含まな
い牛血清アルブミンのバンドは染色されなかったことか
ら、本発明の前処理方法で処理した後に銀染色を行うこ
とにより、糖蛋白質の糖鎖を特異的に染色し得ることが
判る。
【0017】実施例2 糖蛋白質(アシアロフェチュイン及びリボヌクレアー
ゼ)、分子量マーカー及び牛血清アルブミンを電気泳動
させて得たポリアクリルアミドゲルを、直接1.5W/V%
(0.066M)過ヨウ素酸を含む溶液中で15分間振盪処理し
た。次いで該ゲルを蒸留水で5分間ずつ3回振盪処理し、
水洗した。これを、10%乳酸を含有する溶液で10分間振
盪処理し、次いで蒸留水で10分間振盪処理して水洗した
後、市販の銀染色キット(銀染色キットワコー、和光純
薬工業(株)製)の標準操作法に従って、銀染色処理以降
の操作を行い、該ゲルを染色した。得られた染色像はバ
ックグラウンドが低い、茶褐色〜黒色の鮮明なものであ
った。また、アシアロフェチユイン及びリボヌクレアー
ゼのバンドは染色されたが、糖鎖を含まない牛血清アル
ブミンのバンドは染色されなかったことから、本発明の
前処理方法で処理した後に銀染色を行うことにより、糖
蛋白質の糖鎖を特異的に染色し得ることが判る。
【0018】実施例3 糖蛋白質(アシアロフェチュイン及びリボヌクレアー
ゼ)、分子量マーカー及び牛血清アルブミンを電気泳動
させて得たポリアクリルアミドゲルを、直接1.5W/V%
(0.066M)過ヨウ素酸を含む溶液中で15分間振盪処理し
た。次いで該ゲルを蒸留水で5分間ずつ3回振盪処理し、
水洗した。これを、10%マレイン酸を含有する溶液で10
分間振盪処理し、次いで蒸留水で10分間振盪処理して水
洗した後、市販の銀染色キット(銀染色キットワコー、
和光純薬工業(株)製)の標準操作法に従って、銀染色処
理以降の操作を行い、ゲルを染色した。得られた染色像
はバックグラウンドが低い、茶褐色〜黒色の鮮明なもの
であった。また、アシアロフェチユイン及びリボヌクレ
アーゼのバンドは染色されたが、糖鎖を含まない牛血清
アルブミンのバンドは染色されなかったことから、本発
明の前処理方法で処理した後に銀染色を行うことによ
り、糖蛋白質の糖鎖を特異的に染色し得ることが判る。
【0019】実施例4 糖蛋白質(アシアロフェチュイン及びリボヌクレアー
ゼ)、分子量マーカー及び牛血清アルブミンを電気泳動
させて得たポリアクリルアミドゲルを、直接1.5W/V%
(0.066M)過ヨウ素酸を含む溶液中で15分間振盪処理し
た。次いで該ゲルを蒸留水で5分間ずつ3回振盪処理し、
水洗した。これを、10%ギ酸を含有する溶液で10分間振
盪処理し、次いで蒸留水で10分間振盪処理して水洗した
後、市販の銀染色キット(銀染色キットワコー、和光純
薬工業(株)製)の標準操作法に従って、銀染色処理以降
の操作を行い、該ゲルを染色した。得られた染色像はバ
ックグラウンドが低い、茶褐色〜黒色の鮮明なものであ
った。また、アシアロフェチユイン及びリボヌクレアー
ゼのバンドは染色されたが、糖鎖を含まない牛血清アル
ブミンのバンドは染色されなかったことから、本発明の
前処理方法で処理した後に銀染色を行うことにより、糖
蛋白質の糖鎖を特異的に染色し得ることが判る。
【0020】実施例5 糖蛋白質(アシアロフェチュイン及びリボヌクレアー
ゼ)、分子量マーカー及び牛血清アルブミンを電気泳動
させて得たポリアクリルアミドゲルを、直接0.75W/V%
(0.032M)過ヨウ素酸を含む溶液中で30分間振盪処理し
た。次いで該ゲルを蒸留水で5分間ずつ3回振盪処理し、
水洗した。これを、10%酢酸を含有する溶液で10分間振
盪処理し、次いで蒸留水で10分間振盪処理して水洗した
後、市販の銀染色キット(銀染色キットワコー、和光純
薬工業(株)製)の標準操作法に従って銀染色処理以降の
操作を行い、該ゲルを染色した。得られた染色像はバッ
クグラウンドが低い、茶褐色〜黒色の鮮明なものであっ
た。また、アシアロフェチユイン及びリボヌクレアーゼ
のバンドは染色されたが、糖鎖を含まない牛血清アルブ
ミンのバンドは染色されなかったことから、本発明の前
処理方法で処理した後に銀染色を行うことにより、糖蛋
白質の糖鎖を特異的に染色し得ることが判る。
【0021】実施例6 糖蛋白質(アシアロフェチュイン及びリボヌクレアー
ゼ)、分子量マーカー及び牛血清アルブミンを電気泳動
させて得たポリアクリルアミドゲルを、直接1.5W/V%
(0.066M)過ヨウ素酸を含む溶液中で15分間振盪処理し
た。次いでこれを、蒸留水で5分間ずつ3回振盪処理して
水洗した後、市販の銀染色キット(銀染色キットワコ
ー、和光純薬工業(株)製)の標準操作法に従って、銀染
色処理以降の操作を行い、該ゲルを染色した。得られた
染色像は、バックグラウンドが低い、黄〜茶色の鮮明な
ものであった。また、アシアロフェチユイン及びリボヌ
クレアーゼのバンドは染色されたが、糖鎖を含まない牛
血清アルブミンのバンドは染色されなかったことから、
本発明の前処理方法で処理した後に銀染色を行うことに
より、糖蛋白質の糖鎖を特異的に染色し得ることが判
る。尚、本実施例により得られた糖蛋白質糖鎖のバンド
の色は黄〜茶色であり、従来の糖蛋白質糖鎖銀染色法に
より得られるものよりは鮮明であったが、銀染色操作の
前にカルボン酸溶液処理した場合ほどは鮮明ではなかっ
た。
【0022】比較例1(従来の銀染色法1) 糖蛋白質(アシアロフェチュイン及びリボヌクレアー
ゼ)、分子量マーカー及び牛血清アルブミンを電気泳動
させて得たポリアクリルアミドゲルを、10W/V%トリク
ロル酢酸を含む溶液中で10分間振盪処理した。次いで該
ゲルを蒸留水で15秒振盪処理し、水洗した。これを0.2W
/V%(0.085M)過ヨウ素酸を含有する溶液中で15分間振盪
処理した後、該ゲルを蒸留水で5分間ずつ、3回振盪処理
して水洗した。次いで、市販の銀染色キット(銀染色キ
ットワコー、和光純薬工業(株)製)の標準操作法に従っ
て、増感処理以降の操作を行って該ゲルを染色した。上
記の染色方法により得られた染色像に於ては、糖蛋白質
のバンドだけでなく、牛血清アルブミンのバンドも染色
されたため、この染色方法では糖鎖に特異的な染色像は
得られないことが判った。
【0023】比較例2(従来の銀染色法2) 糖蛋白質(アシアロフェチュイン及びリボヌクレアー
ゼ)、分子量マーカー及び牛血清アルブミンを電気泳動
させて得たポリアクリルアミドゲルを、50W/V%メタノ
ールと10W/V%酢酸を含む溶液中で10分間振盪処理し
た。次いで該ゲルを蒸留水で15秒振盪処理し、水洗し
た。これを1.0W/V%過ヨウ素酸を含有する溶液中で15分
間振盪処理した後、該ゲルを蒸留水で5分間ずつ、3回振
盪処理して水洗した。更に該ゲルを蒸留水で10分間振盪
処理した後、市販の銀染色キット(銀染色キットワコ
ー、和光純薬工業(株)製)の標準操作法に従って、銀染
色処理以降の操作を行い、該ゲルを染色した。上記の染
色方法により得られた染色像に於ては、糖蛋白質のバン
ドだけでなく、牛血清アルブミンのバンドも染色された
ため、この染色方法では糖鎖に特異的な染色像は得られ
ないことが判った。
【0024】比較例3(従来の銀染色法3) 糖蛋白質(アシアロフェチュイン及びリボヌクレアー
ゼ)、分子量マーカー及び牛血清アルブミンを電気泳動
させて得たポリアクリルアミドゲルを、25W/V%イソプ
ロパノールと10W/V%酢酸を含む溶液中で12時間振盪処
理した。次いで該ゲルを7.5W/V%酢酸で30分間振盪処理
し、更に0.2W/V%過ヨウ素酸を含む溶液中で60分間振盪
処理した。該ゲルを蒸留水で3時間振盪処理して水洗し
た後、市販の銀染色キット(銀染色キットワコー、和光
純薬工業(株)製)の標準操作法に従って、銀染色処理以
降の操作を行った。上記の染色方法により得られた染色
像に於ては、糖蛋白質のバンドだけでなく、牛血清アル
ブミンのバンドも染色されたため、この染色方法では糖
鎖に特異的な染色像は得られなかった。
【0025】
【発明の効果】本発明は、糖蛋白質の糖鎖を特異的に染
色し得る、電気泳動後の糖蛋白質担持支持体の前処理方
法及び糖蛋白質糖鎖の染色方法を提供するものであり、
本発明の方法によれば、従来法に於ける、糖鎖を有さな
い蛋白質も染色される(バックグラウンドが高い。)と
いう問題を生じさせることなく、糖蛋白質の糖鎖を特異
的に、高感度に且つ目視にて確認可能に染色し得るとい
う効果を奏するので、斯業に貢献するところ極めて大な
る発明である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/68 G01N 27/26 301Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気泳動後の糖蛋白質を、酸化剤を含有す
    る酸性溶液であって、酸化還元電位が約1000〜1300mVの
    溶液で直接処理することを特徴とする、該糖蛋白質の前
    処理方法。
  2. 【請求項2】電気泳動後の糖蛋白質を、酸化剤を含有す
    る酸性溶液であって、酸化還元電位が約1000〜1300mVの
    溶液で直接処理した後、カルボン酸溶液で更に処理する
    ことを特徴とする、該糖蛋白質の前処理方法。
  3. 【請求項3】a)電気泳動後の糖蛋白質を、酸化剤を含
    有する酸性溶液であって、酸化還元電位が約1000〜1300
    mVの溶液で直接処理する工程、及び b)上記a)の工程を経た糖蛋白質糖鎖を染色する工程、
    を含んで成る、該糖蛋白質糖鎖の染色方法。
  4. 【請求項4】a)電気泳動後の糖蛋白質を、酸化剤を含
    有する酸性溶液であって、酸化還元電位が約1000〜1300
    mVの溶液で直接処理する工程、 b)上記a)の工程を経た該糖蛋白質をカルボン酸溶液で
    更に処理する工程、及び c)上記b)の工程を経た糖蛋白質糖鎖を染色する工程、
    を含んで成る、該糖蛋白質糖鎖の染色方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006170725A (ja) * 2004-12-14 2006-06-29 Advance Co Ltd 蛋白質の染色法、脱色法および保存法、また、染色液、脱色液および脱色後の保存液
JP2011214997A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Sumitomo Bakelite Co Ltd 糖鎖測定用基材とその検出方法
JP2013152132A (ja) * 2012-01-25 2013-08-08 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 糖タンパク質又は多糖類の検出方法
CN105259006A (zh) * 2014-07-16 2016-01-20 温州医科大学 4H-[1]-苯并吡喃[4,3-b]噻吩-2-甲酸酰肼及其衍生物在糖蛋白特异性荧光预染检测法中的应用

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