JPH0944162A - 楽音信号発生装置及び楽音信号発生方法 - Google Patents

楽音信号発生装置及び楽音信号発生方法

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JPH0944162A
JPH0944162A JP7212541A JP21254195A JPH0944162A JP H0944162 A JPH0944162 A JP H0944162A JP 7212541 A JP7212541 A JP 7212541A JP 21254195 A JP21254195 A JP 21254195A JP H0944162 A JPH0944162 A JP H0944162A
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JP
Japan
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waveform
waveform data
tone signal
data
strong
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Application number
JP7212541A
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English (en)
Inventor
Jiro Tanaka
二朗 田中
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Kawai Musical Instruments Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instruments Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、少ないメモリ容量であるにも拘わら
ず、弱打音から強打音に至るまで、より自然楽器に近い
音質の音を得ることのできる楽音信号発生装置及び楽音
信号発生方法を提供することを目的とする。 【構成】ディケイ部分のエンベロープの立ち下がりが、
強打により発生される強音波形のディケイ部のエンベロ
ープの立ち下がりに比べて緩やかになるように変更され
た2次強音波形を記憶する2次強音波形メモリ10と、
該強音波形と該2次強音波形との差分波形データを記憶
する差分波形メモリ11と、該差分波形メモリから読み
出された差分波形データの大きさを、打鍵強度に応じて
変更する振幅変更手段12、14と、該振幅変更手段か
らの差分波形データと該2次強音波形メモリから読み出
された2次強音波形データとを混合する混合手段15、
とを備え、該混合手段の出力に基づき楽音信号を発生す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば電子楽器や、音
源ボード等に好適な楽音信号発生装置及び楽音信号発生
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、パルスコード変調(PCM)方式
の楽音信号発生装置が知られている。この楽音信号発生
装置では、例えば自然楽器の楽音波形をパルスコード変
調し、このパルスコード変調により得られた波形データ
を予め波形メモリに記憶しておく。そして、発音指令に
応じて、波形メモリから波形データを順次読み出して楽
音信号を発生する。かかる楽音信号発生装置において
は、例えばアコースティックピアノ、その他の自然楽器
の音を忠実に模擬するために、種々の技術が適用されて
いる。
【0003】例えば、発音される音に含まれる倍音の数
を打鍵の強さに応じて変動させることにより、自然楽器
の音に近づける技術(第1の技術)が知られている。
【0004】一般に、アコースティックピアノでは、打
鍵の強さが大きい時(強打時)と小さい時(弱打時)と
では、音質がかなり相違することが知られている。これ
は、強打時の音には、かなり高次までの倍音が含まれる
のに対し、弱打時の音には低次の倍音しか含まれないこ
とに起因している。そこで、かかる自然楽器の特性に着
目し、この第1の技術に係る楽音信号発生装置において
は、次のような手順で楽音信号を発生する。先ず、強打
時の楽音波形(以下、「強音波形」という。)をパルス
コード変調して得られた波形データを予め波形メモリに
記憶しておく。そして、打鍵がなされた場合に、楽音信
号発生装置は、打鍵の強さ(以下、「タッチ」とい
う。)を検出すると共に、波形メモリから波形データの
読み出しを開始する。波形メモリから順次読み出された
波形データはフィルタでフィルタリングされる。そし
て、フィルタリングされた波形データに基づいて楽音信
号が発生される。このフィルタリングにおいては、上記
で検出されたタッチに応じたフィルタ係数が発生されて
フィルタに供給される。このフィルタ係数は、タッチに
応じてフィルタのカットオフ周波数を変動させるために
使用される。より詳しくは、強打時はフィルタのカット
オフ周波数を高くし、弱打時はフィルタのカットオフ周
波数を低くするようなフィルタ係数が発生される。
【0005】このように、第1の技術に係る楽音信号発
生装置によれば、楽音に含まれる倍音数をタッチに応じ
て変えるので、より自然楽器に近い音質の楽音を発生す
ることができる。しかも、予め用意すべき波形データは
強音波形の波形データだけで済むので、波形メモリの容
量を小さくできるという利点がある。
【0006】また、自然楽器の音を忠実に再生するため
の他の技術(第2の技術)として、以下のような技術が
知られている。即ち、強音波形をパルスコード変調して
得られた波形データと弱音波形(弱打時の音の波形をい
う。)をパルスコード変調して得られた波形データと
を、それぞれ波形メモリに記憶しておく。そして、打鍵
に応じてタッチが検出された場合に、楽音信号発生装置
は、そのタッチに応じて強音波形又は弱音波形の何れか
の波形データを順次読み出す。そして、この順次読み出
した波形データに基づいて楽音信号を発生する。この場
合、上述したと同様に、波形メモリから読み出した波形
データを更にフィルタを通すことにより、発生される楽
音に含まれる倍音の数を制御するように構成される場合
もある。この第2の技術に係る楽音信号発生装置によれ
ば、上記第1の技術に係る楽音信号発生装置に比べ、よ
り自然楽器に近い楽音を発生することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した第1の技術が
適用された楽音信号発生装置によれば、音に含まれる倍
音の多寡という点では自然楽器に近い音が得られる。し
かし、この第1の技術が適用された楽音信号発生装置に
おいては、音のエンベロープの形状という点では必ずし
も自然楽器に近いものとは言えなかった。特にピアノ音
のような減衰系の音では次のような不自然さが目立っ
た。即ち、ピアノの強打時の音のエンベロープは、図6
のエンベロープE1に示すように、ディケイ部に急峻な
立ち下がりを有するが、弱打時の音のエンベロープは、
同図のエンベロープE2に示すように、緩やかな立ち下
がりを有する。ところが、上記の楽音信号発生装置で
は、強打時のエンベロープE1をタッチに応じて相対的
に圧縮したエンベロープE3が作られている。従って、
ディケイ部の立ち下がりは若干緩やかになるものの、弱
打時の音の立ち下がりに比べ、急峻さが依然として残っ
ていた。これにより、弱打音であるにも拘わらず強打音
の感じが残ってしまうという問題を生じていた。
【0008】また、上記第2の技術によれば、上記第1
の技術の場合に比べて、より自然な弱打音が得られる
が、強音波形と弱音波形といった2種類の波形データを
備えておく必要があるので、大容量のメモリが必要であ
るという欠点があった。更に、弱打の場合と強打の場合
とで異なる波形データが用いられるので、弱打の場合の
音質と強打の場合の音質との連続感が損なわれ、不自然
になってしまうという問題があった。
【0009】本発明は、かかる諸問題を解消するために
なされたもので、少ないメモリ容量であるにも拘わら
ず、弱打音から強打音に至るまで、より自然楽器に近い
音質の音を得ることのできる楽音信号発生装置及び楽音
信号発生方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の楽音信号発生装
置は、上記目的を達成するために、ディケイ部のエンベ
ロープの立ち下がりが、強打により発生される強音波形
のディケイ部のエンベロープの立ち下がりに比べて緩や
かになるように変更された2次強音波形の波形データ
(以下、「2次強音波形データ」という。)を記憶する
2次強音波形メモリと、該強音波形と該2次強音波形と
の差分波形の波形データ(以下、「差分波形データ」と
いう。)を記憶する差分波形メモリと、該差分波形メモ
リから読み出された差分波形データの大きさを、打鍵強
度に応じて変更する振幅変更手段と、該振幅変更手段か
らの差分波形データと該2次強音波形メモリから読み出
された2次強音波形データとを混合する混合手段、とを
備え、該混合手段の出力に基づき楽音信号を発生するこ
とを特徴とする。
【0011】上記2次強音波形メモリ及び差分波形メモ
リは、例えば、リードオンリメモリ(以下、「ROM」
という。)、ランダムアクセスメモリ(以下、「RA
M」という。)、その他の記憶装置で構成することがで
きる。
【0012】2次強音波形データは、例えばコンピュー
タ処理によって、次の手順で作ることができる。先ず、
例えば図2の実線で示すような強打によって発生された
強音波形を録音し、これをデジタル化してコンピュータ
に取り込む。このデジタル化は、パルスコード変調によ
って行うことができる。次いで、コンピュータ上で周知
の所定の処理を行うことにより、この強音波形の立ち下
がり部分(ディケイ部)が緩やかになるようにエンベロ
ープに変更を加えた波形を作る。これを「2次強音波
形」と呼び、その例を図3に示す。この際、図2の波線
で示すように、波形の立ち上がり部分(アタック部)の
最大値のレベルを低くすると共に最大値に達するまでの
時間を一定とし、この最大値から減衰が開始されてディ
ケイ部が形成されるような波形を作製することができ
る。このようにして作製された2次強音波形データは、
2次強音波形メモリに格納される。上記のような2次強
音波形データは、ピアノ、チェンバロ等といった複数の
音色の複数の音域(鍵域)のそれぞれに対して作製する
ことができる。
【0013】差分波形メモリに記憶される差分波形デー
タは、上記と同様にコンピュータ上で所定の処理を行う
ことにより、強音波形の波形データと2次強音波形デー
タとの差をとって作ることができる。図4は、図2に示
した強音波形の波形データから2次強音波形データを減
算して作られた差分波形データに対応する差分波形の一
例を示す。
【0014】上記振幅変更手段は、例えば乗算器と重み
係数発生器で構成することができる。この乗算器及び重
み係数発生器は、CPU又はデジタルシグナルプロセッ
サ(DSP)による演算処理によって実現してもよい
し、ハードウエアによって実現してもよい。重み係数発
生手段は、打鍵強度に応じた重み係数を発生するように
構成できる。この振幅変更手段は、差分波形メモリから
読み出された差分波形データに、重み係数発生器で発生
された重み係数を乗算することにより、差分波形データ
の大きさ(振幅)を変更する。この振幅変更手段からの
差分波形データは混合手段に供給される。
【0015】上記混合手段は、例えば加算器で構成する
ことができる。この加算器は、CPU又はDSPの演算
処理によって実現してもよいし、ハードウエアによって
実現してもよい。混合手段は、2次強音波形メモリから
読み出された2次強音波形データと、上記振幅変更手段
からの差分波形データとを加算する。この混合手段から
の波形データに基づいて楽音信号が発生される。
【0016】なお、上記混合手段は、2次強音波形メモ
リから読み出された波形データに対し、打鍵強度に応じ
て所定の加工が施されたデータと、上記振幅変更手段か
らの差分波形データとを混合するように構成することも
できる。
【0017】また、本発明の楽音信号発生装置は、打鍵
強度を検出する打鍵強度検出手段を更に備え、前記振幅
変更手段は、該打鍵強度検出手段で検出された打鍵強度
に応じて、前記差分波形メモリから読み出された差分波
形の波形データの大きさを変更するように構成できる。
この打鍵強度検出手段は、例えば、異なる押圧深さでそ
れぞれオンになる2つのキースイッチを各鍵に備えた2
接点方式の鍵盤装置で構成することができる。この場
合、打鍵に応じて一方のキースイッチがオンになってか
ら他方のキースイッチがオンになるまでの時間を計測
し、この計測された時間に対応するデータを打鍵強度を
表すデータとして用いることができる。
【0018】また、打鍵強度検出手段は、例えば外部装
置から打鍵強度を表すデータを入力する入力装置で構成
することができる。この場合、入力装置は、外部から送
られてきた例えばMIDIメッセージ中のベロシティデ
ータを抽出し、この抽出されたベロシティデータを打鍵
強度を表すデータとして用いることができる。
【0019】本発明の楽音信号発生装置は、前記混合手
段からの波形データをフィルタリングするフィルタ手段
と、前記打鍵強度が大きくなるに連れて該フィルタ手段
のカットオフ周波数を高くするようなフィルタ係数を発
生して該フィルタ手段に供給するフィルタ係数発生手段
とを更に備え、該フィルタ手段の出力に基づき楽音信号
を発生するように構成することができる。フィルタ手段
としては、例えばローパスフィルタを用いることができ
る。また、フィルタ係数発生手段は、音色及び音域によ
って異なるフィルタ特性が形成されるようなフィルタ係
数をフィルタ手段に供給するように構成できる。
【0020】本発明の楽音信号発生方法は、(A)ディ
ケイ部のエンベロープの立ち下がりが、強打により発生
される強音波形のディケイ部のエンベロープの立ち下が
りに比べて緩やかになるように変更された2次強音波形
の波形データを作製し、(B)該強音波形と該2次強音
波形との差分波形の波形データを作製し、(C)打鍵強
度に応じて該差分波形の波形データの大きさを変更し、
(D)該変更された差分波形の波形データと該2次強音
波形の波形データとを混合し、該混合された波形データ
に基づき楽音信号を発生するように構成されている。
【0021】上記工程(A)及び(B)における2次強
音波形データ及び差分波形データは、上述した楽音信号
発生装置の場合と同様にして作ることができる。また、
上記工程(C)における打鍵強度は、上記楽音信号発生
装置の場合と同様に、例えば2接点方式の鍵盤装置か
ら、又はMIDIメッセージ中のベロシティデータから
得るように構成できる。また、この工程(C)において
は、差分波形データに、打鍵強度を表すデータを例えば
乗算することにより、差分波形データの大きさ(振幅)
を変更するように構成できる。なお、2次強音波形デー
タに対して打鍵強度に応じた所定の加工を施し、この加
工が施された2次強音波形データと上記変更された差分
波形データとを混合するように構成してもよい。
【0022】また、本発明の楽音信号発生方法は、前記
工程(D)で混合された波形データを、更に、打鍵強度
が大きくなるに連れて高いカットオフ周波数でフィルタ
リングし、該フィルタリングされた波形データに基づき
楽音信号を発生するように構成することができる。
【0023】
【作用】本発明の楽音信号発生装置においては、ディケ
イ部のエンベロープの立ち下がりが、強音波形のディケ
イ部のエンベロープの立ち下がりに比べて緩やかになる
ように変更された2次強音波形データと、上記強音波形
と2次強音波形との差分波形との差分波形データとを、
それぞれ予め2次強音波形メモリと差分波形メモリとに
記憶しておく。そして、楽音信号を発生する場合は、差
分波形メモリから差分波形データを読み出し、この読み
出された差分波形データの大きさ(振幅)を打鍵強度に
応じて変更する。そして、この大きさが変更された差分
波形データと上記2次強音波形メモリから読み出された
2次強音波形データとを混合して出力する。
【0024】上記差分波形データは、強音波形及び2次
強音波形の各ディケイ部の差を表すデータであるので、
差分波形データには、アタック部及びディケイ部に対応
する部分のみにデータが存在する。従って、上述した従
来の第2の技術に係る楽音信号発生装置と比較すると、
強音波形の波形データを必要とするのは同じであるが、
弱音波形の波形データの代わりに差分波形データを備え
ておけばよいので、波形データの量を少なくすることが
できる。また、強打時と弱打時とで使用する波形データ
を切り換える必要がないので、弱打の場合の音質と強打
の場合の音質との連続感が保たれ、不自然さを解消でき
る。
【0025】更に、打鍵強度に応じた大きさを有する差
分波形データを、2次強音波形データに混合して楽音信
号を発生するので、弱打時はディケイ部のエンベロープ
の立ち下がりが緩やかな波形、強打時はディケイ部のエ
ンベロープの立ち下がりが急峻な波形の楽音信号が発生
される。これにより、自然楽器に近いエンベロープが実
現され、自然楽器に近い音質の楽音を発生させることが
できる。また、上記混合された波形データを、更にフィ
ルタ手段を通して倍音数を制御することにより、更に自
然楽器に近い音質の楽音を発生できる。
【0026】また、本発明の楽音信号発生方法において
は、ディケイ部のエンベロープの立ち下がりが、強音波
形のディケイ部のエンベロープの立ち下がりに比べて緩
やかになるように変更された2次強音波形データを作製
し、該強音波形と該2次強音波形との差分で成る差分波
形データを作製しておき、楽音信号を発生する際には、
2次強音波形データに、打鍵強度に応じて大きさが変更
された差分波形データを混合し、この混合された波形デ
ータに基づき楽音信号を発生するので、上記楽音信号発
生装置の場合と同様に、予め用意すべき波形データの量
を少なくすることができる。また、上記楽音信号発生装
置の場合と同様に、強打時と弱打時とで使用する波形デ
ータを切り換える必要がないので、弱打の場合の音質と
強打の場合の音質との連続感が保たれ、不自然さを解消
できる。更に、上記楽音信号発生装置の場合と同様に、
弱打時はディケイ部のエンベロープの立ち下がりが緩や
かな波形、強打時はディケイ部のエンベロープの立ち下
がりが急峻な波形の楽音信号が発生されるので、自然楽
器に近いエンベロープが実現され、自然楽器に近い音質
の音を発生することができる。また、このようにして発
生された楽音信号をフィルタ手段でフィルタリングして
倍音数を制御することにより、更に自然楽器に近い音質
の音を発生できる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の楽音信号発生装置及び楽音信
号発生方法の実施例につき図面を参照しながら詳細に説
明する。
【0028】図1は、本発明の楽音信号発生装置の実施
例の構成を示すブロック図である。この楽音信号発生装
置は、2次強音波形メモリ10、差分波形メモリ11、
重み係数発生器12、フィルタパラメータ発生器17、
エンベロープジェネレータ19、フィルタ16、乗算器
13、14及び18、並びに加算器15により構成され
ている。
【0029】2次強音波形メモリ10は、本実施例で
は、ROMで構成されているものとする。この2次強音
波形メモリ10には、複数の音色の複数の音域毎に作製
された複数の2次強音波形データが記憶されている。各
2次強音波形データは、既に説明したような方法で作製
されたものである。「複数の音色」としては、例えばア
コースティックピアノの音色、チェンバロの音色等が用
いられている。これら複数の音色の中から1つの音色を
選択するために、音色データが用いられる。また、各音
色の「音域」としては、例えば1音、2〜数音、1オク
ターブ等で区切られた音域が用いられる。複数の音域の
中から1つの音域を選択するために、音域データが用い
られる。これら音色データ及び音域データは、例えば図
示しない中央処理装置(以下、「CPU」という。)か
ら本楽音信号発生装置に与えられる。
【0030】上記音色データ及び音域データは、2次強
音波形メモリ10に対するアドレスデータとして与えら
れる。そして、これら音色データ及び音域データによっ
てアドレッシングされた1つの2次強音波形データが2
次強音波形メモリ10から読み出される。この2次強音
波形データは、乗算器13に供給される。
【0031】なお、2次強音波形メモリ10はRAMで
構成することもできる。この場合は、楽音信号を発生さ
せるに先だって、2次強音波形データを2次強音波形メ
モリ10にロードしておく必要がある。ロードは、例え
ば電源投入直後になされる初期化処理において、例えば
磁気ディスク、光ディスク、ICカード等の記憶媒体に
予め記憶されている複数の2次強音波形データを2次強
音波形メモリ10に転送することによって実現できる。
【0032】差分波形メモリ11は、本実施例ではRO
Mで構成されているものとする。この差分波形メモリ1
1には、上記2次強音波形メモリ10に記憶された複数
の2次強音波形データに対応する複数の差分波形デー
タ、即ち、複数の音色の複数の音域毎に作製された複数
の差分波形データが記憶されている。各差分波形データ
は、既に説明したような方法で作製されたものである。
この差分波形メモリ11からは、上述した音色データ及
び音域データでアドレッシングされた1つの差分波形デ
ータが読み出される。この差分波形データは、乗算器1
4に供給される。
【0033】なお、この差分波形メモリ11はRAMで
構成することもできる。この場合は、上記2次強音波形
メモリ10と同様に、楽音信号を発生させるに先だっ
て、差分波形データを差分波形メモリ11にロードして
おく必要がある。ロードは、例えば電源投入直後になさ
れる初期化処理において、例えば磁気ディスク、光ディ
スク、ICカード等の記憶媒体に予め記憶されている複
数の差分波形データを差分波形メモリ11に転送するこ
とによって実現できる。
【0034】重み係数発生器12は、本発明の楽音信号
発生装置の振幅変更手段の一部に対応し、2次強音波形
データに対する重み係数C1及び差分波形データに対す
る重み係数C2を発生する。重み付けの対象となる2次
強音波形データ及び差分波形データは、音色データ及び
音域データによって特定される。この重み係数発生器1
2で発生される重み係数C1及びC2は、例えば図5に
示すように、タッチデータに応じて変化するデータであ
る。なお、図5においては、1つの2次強音波形データ
及び1つの差分波形データに対する重み係数のみを示し
ているが、実際には、複数の2次強音波形データ及び複
数の差分波形データのそれぞれ対応して重み係数C1及
びC2が発生される。重み係数発生器12は、例えば図
5に示すように、タッチデータが大きくなるに連れて増
加率が大きくなるような特性の重み係数C1及びC2を
発生する。また、重み係数発生器12は、タッチデータ
に比例して増加する特性の重み係数C1及びC2(図示
しない)を発生するように構成できる。更に、タッチデ
ータに対して、その他の種々の特性で変化する重み係数
C1及びC2を発生するように構成することもできる。
【0035】この重み係数発生器12は、例えばROM
で構成されている。このROMには、タッチデータの各
値に対応する重み係数C1及びC2が予め例えばテーブ
ル形式で記憶されている。また、この重み係数発生器1
2はRAMで構成することもできる。この場合は、上記
2次強音波形メモリ10をRAMで構成する場合と同様
に、楽音信号を発生させるに先だって、重み係数C1及
びC2をRAMにロードしておく必要がある。ロード
は、例えば電源投入直後になされる初期化処理におい
て、例えば磁気ディスク、光ディスク、ICカード等の
記憶媒体に予め記憶されている重み係数C1及びC2を
RAMに転送することによって実現できる。また、重み
係数発生器12は、関数発生器によって構成することも
できる。この場合、タッチデータを変数として、例えば
図5に示すような特性の重み係数を出力するような関数
が用いられる。この関数発生器は、CPU又はDSPの
演算処理によって実現してもよいし、ハードウエアによ
って実現してもよい。
【0036】この重み係数発生器12は、音色データ及
び音域データによって特定される1つの2次強音波形デ
ータ及び差分波形データに対する重み係数C1及びC2
を発生する。この重み係数発生器12で発生された重み
係数C1及びC2は、それぞれ乗算器13及び乗算器1
4に供給される。
【0037】乗算器13は、2次強音波形メモリ10か
らの2次強音波形データと、上記重み係数発生器12か
らの重み係数C1とを乗算する。この乗算により、発生
すべき楽音に混合する2次強音波形の割合を制御するこ
とができる。この乗算器13の出力は加算器15に供給
される。なお、この乗算器13は、本発明の楽音信号発
生装置においては、必要に応じて除去することもでき
る。この場合は、後述する加算器15において、2次強
音波形メモリ10から読み出された2次強音波形データ
自体に差分波形データが加算されることになる。また、
この乗算器13が除去された構成の場合は、上記重み係
数発生器12では、重み係数C1を発生する必要がない
ので、重み係数発生器12の構成が簡単になる。
【0038】乗算器14は、本発明の振幅変更手段の他
の一部に対応する。この乗算器14は、差分波形メモリ
11からの差分波形データと、上記重み係数発生器12
からの重み係数C2とを乗算する。ここに、重み係数C
2はタッチデータの大きさに応じた値である。従って、
この乗算により、差分波形の大きさ(振幅)がタッチデ
ータに応じて変更される。この乗算器14の出力は、加
算器15に供給される。
【0039】加算器15は、本発明の楽音信号発生装置
の混合手段に対応する。この加算器15は、乗算器13
からの波形データと乗算器14からの波形データとを加
算する。この加算により、タッチに応じた波形データが
作製される。この加算器15の出力はフィルタ16に供
給される。
【0040】例えば、図5に示した特性に従った重み係
数C1及びC2が発生される場合は、最強タッチを表す
タッチデータが供給されると、重み係数C1として
「1」、重み係数C2として「1」がそれぞれ発生され
る。従って、加算器15からは、2次強音波形データ
(図3参照)に差分波形データ(図4参照)がそのまま
加算された波形データ、即ち、図2の実線で示したよう
な、ディケイ部のエンベロープの立ち下がりが急峻な波
形データが出力される。これにより、録音時と同様の強
打音が発生される。
【0041】一方、最弱タッチを表わすタッチデータが
供給されると、重み係数C1として「0」から「1」の
間の値、重み係数C2として「0」が発生される。従っ
て、加算器15からは、2次強音波形データ(図3参
照)に重み係数C1が乗算された波形データが出力され
る。この加算器15の出力は、2次強音波形が相対的に
圧縮された波形データであるので、ディケイ部のエンベ
ロープの立ち下がりは緩やかなままである。従って、弱
音であるにも拘わらず強音感が残るという従来の楽音信
号発生装置の欠点は除去される。
【0042】更に、最強タッチと最弱タッチとの間であ
ることを表わすタッチデータが供給されると、タッチデ
ータに応じた重み係数C1及びC2(0<C1<1、0
<C2<1)が発生される。従って、加算器15から
は、2次強音波形データ(図3参照)に重み係数C1が
乗算された波形データと、重み係数C2に応じて大きさ
が変更された差分波形データとが加算された波形データ
が出力される。この場合は、ディケイ部のエンベロープ
の立ち下がりの緩急は、上述した最強タッチと最弱タッ
チの場合の中間になる。
【0043】フィルタ16は、本発明の楽音信号発生装
置のフィルタ手段に対応する。このフィルタ16として
は、例えばローパスフィルタが用いられている。このフ
ィルタ16は、加算器15からの波形データを、フィル
タパラメータ発生器17からのフィルタパラメータに応
じてフィルタリングして出力する。このフィルタパラメ
ータとしては、カットオフ周波数を指定するためのデー
タが用いられる。
【0044】フィルタパラメータ発生器17は、本発明
の楽音信号発生装置のフィルタ係数発生手段に対応す
る。このフィルタパラメータ発生器17は、2次強音波
形データ及び差分波形データに対するフィルタパラメー
タを発生する。フィルタリングの対象となる2次強音波
形データ及び差分波形データは、音色データ及び音域デ
ータによって特定される。このフィルタパラメータ発生
器17で発生されるフィルタパラメータは、例えば、タ
ッチデータに応じて変化する。即ち、タッチデータが大
きくなればカットオフ周波数を大きくするためのパラメ
ータが発生され、逆に、タッチデータが小さくなればカ
ットオフ周波数を小さくするためのパラメータが発生さ
れる。この構成により、従来の楽音信号発生装置のよう
に、強打の場合は楽音に含まれる倍音数が多くなり、逆
に、弱打の場合は楽音に含まれる倍音数が少なくなっ
て、より自然楽器に近い音質の楽音が発生される。
【0045】エンベロープジェネレータ19は、音色及
び音域に固有のエンベロープ形状であって、タッチに応
じた振幅を有するエンベロープデータを発生する。この
エンベロープジェネレータ19の出力は乗算器18に供
給される。
【0046】乗算器18は、フィルタ16からの波形デ
ータとエンベロープジェネレータ19からのエンベロー
プデータとを乗算する。この乗算により、音色及び音域
に固有の波形データに、同じく音色及び音域に固有のエ
ンベロープが付加された楽音信号が発生される。この楽
音信号が、本楽音信号発生装置の出力として、外部に出
力される。
【0047】以上の実施例においては、音色データ、音
域データ及びタッチデータは、外部から本楽音信号発生
装置に供給されるものとして説明したが、これらのデー
タは、例えば、電子楽器の鍵盤装置、操作パネル又はM
IDIインタフェース等から得ることができる。
【0048】例えば、音色データは、電子楽器の操作パ
ネルに設けられた音色選択スイッチから得ることができ
る。また、音域データ及びタッチデータは、電子楽器の
鍵盤装置から得ることができる。この場合、鍵盤装置と
しては、異なる押圧深さでそれぞれオンになる2つのキ
ースイッチを各鍵に備えた2接点方式の鍵盤装置が用い
られる。そして、打鍵がなされた鍵のキーナンバに基づ
くデータが音域データとして用いられる。また、打鍵に
応じて一方のキースイッチがオンになってから他方のキ
ースイッチがオンになるまでの時間を計測し、この計測
された時間に対応するデータが打鍵強度を表すタッチデ
ータとして用いられる。
【0049】また、MIDIインタフェースを備える電
子楽器では、受信したプログラムチェンジメッセージに
含まれる音色ナンバを音色データとして用いることがで
きる。また、ノートオンメッセージに含まれるノートナ
ンバに基づくデータを音域データ、ベロシティをタッチ
データとして、それぞれ用いることができる。
【0050】なお、上記フィルタパラメータ発生器1
7、エンベロープジェネレータ19、フィルタ16、乗
算器13、14及び18、並びに加算器15は、CPU
又はDSPの演算処理によって実現してもよいし、ハー
ドウエアで構成してもよい。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
少ないメモリ容量であるにも拘わらず、弱打音から強打
音に至るまで、より自然楽器に近い音質の音を得ること
のできる楽音信号発生装置及び楽音信号発生方法を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の楽音信号発生装置の実施例の構成を示
すブロック図である。
【図2】本発明の実施例で使用する2次強音波形データ
及び差分波形データの作製過程を説明するための図であ
る。
【図3】本発明の実施例で使用する2次強音波形の一例
を示す図である。
【図4】本発明の実施例で使用する差分波形の一例を示
す図である。
【図5】本発明の実施例で使用する重み係数を説明する
ための図である。
【図6】従来の楽音信号発生装置の動作を説明するため
の図である。
【符号の説明】
10 2次強音波形メモリ 11 差分波形メモリ 12 重み係数発生器 13 乗算器 14 乗算器 15 加算器 16 フィルタ 17 フィルタパラメータ発生器 18 乗算器 19 エンベロープジェネレータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディケイ部のエンベロープの立ち下がり
    が、強打により発生される強音波形のディケイ部のエン
    ベロープの立ち下がりに比べて緩やかになるように変更
    された2次強音波形の波形データを記憶する2次強音波
    形メモリと、 該強音波形と該2次強音波形との差分波形の波形データ
    を記憶する差分波形メモリと、 該差分波形メモリから読み出された差分波形の波形デー
    タの大きさを、打鍵強度に応じて変更する振幅変更手段
    と、 該振幅変更手段からの差分波形の波形データと該2次強
    音波形メモリから読み出された2次強音波形の波形デー
    タとを混合する混合手段、とを備え、 該混合手段の出力に基づき楽音信号を発生することを特
    徴とする楽音信号発生装置。
  2. 【請求項2】 打鍵強度を検出する打鍵強度検出手段を
    更に備え、前記振幅変更手段は、該打鍵強度検出手段で
    検出された打鍵強度に応じて、前記差分波形メモリから
    読み出された差分波形の波形データの大きさを変更する
    ことを特徴とする請求項1に記載の楽音信号発生装置。
  3. 【請求項3】 前記混合手段からの波形データをフィル
    タリングするフィルタ手段と、前記打鍵強度が大きくな
    るに連れて該フィルタ手段のカットオフ周波数を高くす
    るようなフィルタ係数を発生して該フィルタ手段に供給
    するフィルタ係数発生手段とを更に備え、 該フィルタ手段の出力に基づき楽音信号を発生すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の楽音信号発
    生装置。
  4. 【請求項4】(A)ディケイ部のエンベロープの立ち下
    がりが、強打により発生される強音波形のディケイ部の
    エンベロープの立ち下がりに比べて緩やかになるように
    変更された2次強音波形の波形データを作製し、(B)
    該強音波形と該2次強音波形との差分波形の波形データ
    を作製し、(C)打鍵強度に応じて該差分波形の波形デ
    ータの大きさを変更し、(D)該変更された差分波形の
    波形データと該2次強音波形の波形データとを混合し、 該混合された波形データに基づき楽音信号を発生するこ
    とを特徴とする楽音信号発生方法。
  5. 【請求項5】 前記工程(D)で混合された波形データ
    を、更に、打鍵強度が大きくなるに連れて高いカットオ
    フ周波数でフィルタリングし、 該フィルタリングされた波形データに基づき楽音信号を
    発生することを特徴とする請求項4に記載の楽音信号発
    生方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021005062A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 カシオ計算機株式会社 電子楽器、方法およびプログラム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021005062A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 カシオ計算機株式会社 電子楽器、方法およびプログラム

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Effective date: 20031107