JPH0944902A - 光学的情報記録用媒体 - Google Patents

光学的情報記録用媒体

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JPH0944902A
JPH0944902A JP7187132A JP18713295A JPH0944902A JP H0944902 A JPH0944902 A JP H0944902A JP 7187132 A JP7187132 A JP 7187132A JP 18713295 A JP18713295 A JP 18713295A JP H0944902 A JPH0944902 A JP H0944902A
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JP7187132A
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Michikazu Horie
通和 堀江
Haruo Kunitomo
晴男 国友
Takashi Ono
孝志 大野
Natsuko Nobukuni
奈津子 信國
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザー光等の照射により、高速かつ高密度
に情報を記録、消去、再生可能な光学的情報記録用媒体
を提供する。 【構成】 基板上に少なくとも記録層と記録層を挟む保
護層を設けてなる相変化型光学的情報記録用媒体であっ
て、該保護層が記録層の融点より400℃以上高い融点
及び分解点を有する誘電体化合物または半導体化合物の
少なくとも2種類以上を含む混合物からなり、かつ、そ
の密度が下記の理論式(1)で決まるバルク状態密度の
80%以上、かつ、固有応力が0.5GPa以下、JI
SZ2251法におけるヌープ硬度が300以上であ
り、さらに、該記録層の密度が、それを構成する各元素
のバルク状態の密度と組成比から決まる下式(2)で表
される理論上の密度の86%以上で、かつ、その固有応
力が結晶/非結晶状態のいずれにおいても0.2GPa
以下であることを特徴とする光学的情報記録用媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザー光等の照射によ
り、高速かつ高密度に情報を記録、消去、再生可能な光
学的情報記録用媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報量の増大、記録・再生の高密
度・高速化の要求にこたえる記録媒体として、レーザー
光線を利用した光ディスクが開発されている。光ディス
クには、一度だけ記録が可能な追記型と、記録・消去が
何度でも可能な書換え型がある。
【0003】書換え型光ディスクとしては、光磁気効果
を利用した光磁気記録媒体や、可逆的な結晶状態の変化
を利用した相変化媒体があげられる。相変化媒体は、外
部磁界を必要とせず、レーザー光のパワーを変調するだ
けで、記録・消去が可能である。さらに、消去と再記録
を単一ビームで同時に行う、1ビームオーバーライトが
可能であるという利点を有する。
【0004】1ビームオーバーライト可能な相変化記録
方式では、記録膜を非晶質化させることによって記録ビ
ットを形成し、結晶化させることによって、消去を行う
場合が一般的である。このような、相変化記録方式に用
いられる記録層材料としては、カルコゲン系合金薄膜を
用いることが多い。
【0005】例えば、Ge−Te系、Ge−Te−Sb
系、In−Sb−Te系、Ge−Sn−Te系合金薄膜
等があげられる。なお、書換え型とほとんど同じ材料・
層構成により、追記型の相変化媒体も実現できる。この
場合、可逆性が無いという点でより長期にわたって情報
を記録・保存でき、原理的にはほぼ半永久的な保存が可
能である。
【0006】追記型として相変化媒体を用いた場合、孔
あけ型と異なりビット周辺にリムと呼ばれる盛り上がり
が生じないため信号品質に優れ、また、記録層上部に空
隙が不要なため、エアーサンドイッチ構造にする必要が
ないという利点がある。一般に、書換え型の相変化記録
媒体では、相異なる結晶状態を実現するために、2つの
異なるレーザー光パワーを用いる。
【0007】この方式を、非晶質ビットと結晶化された
消去・初期状態で記録・消去を行う場合を例にとって説
明する。結晶化は、記録層の結晶化温度より十分高く、
融点よりは低い温度まで記録層を加熱することによって
なされる。この場合、冷却速度は結晶化が十分なされる
程度に遅くなるよう、記録層を誘電体層で挟んだり、ビ
ームの移動方向に長い楕円形ビームを用いたりする。
【0008】一方、非晶質化は記録層を融点より高い温
度まで加熱し、急冷することによって行う。この場合、
上記誘電体層は十分な冷却速度(過冷却速度)を得るた
めの放熱層としての機能も有する。さらに、上述のよう
な、加熱・冷却過程における記録層の溶融・体積変化に
伴う変形や、プラスチック基板への熱的ダメージを防い
だり、湿気による記録層の劣化を防止するためにも、上
記誘電体層からなる保護層は重要である。
【0009】保護層材料の材質は、レーザー光に対して
光学的に透明であること、融点・軟化点・分解温度が高
いこと、形成が容易であること、適度な熱伝導性を有す
るなどの観点から選定される。十分な耐熱性及び機械的
強度を有する保護層としては、まず、金属の酸化物や窒
化物等の誘電体薄膜があげられる。
【0010】これらの誘電体薄膜とプラスチック基板と
は熱膨張率や弾性的性質が大きく異なるため、記録・消
去を繰り返すうちに、基板から剥がれてピンホールやク
ラックを生じる原因となる。また、プラスチック基板
は、湿度によって反りを生じやすいが、これによっても
保護膜の剥がれが生じることがある。
【0011】本発明者らは、上記保護膜について、種々
の材料を用いて検討を行い、特に密度が7.25g/c
m3以上と高密度の酸化タンタルを保護層として用いる
ことにより記録層に対して十分な耐熱性・機械的強度に
優れる保護層材料を見いだしている(特開平4−251
452号公報)。これにより繰り返しオーバーライトに
よる劣化は著しく改善され、10万回以上にわたってノ
イズや欠陥の増加を抑制できた。
【0012】一方、新規な誘電体保護層として、ZnS
を主成分とし、SiO2やY2O3等を混入させたものが
提案されている(特開昭62−167090、63−1
02048、63−276724各号公報)。これらの
複合化合物保護膜は純粋な酸化物あるいは窒化物誘電体
膜に比べ、記録層としてよく使われるGeSbTe等の
カルコゲナイド系合金薄膜に対する密着性に優れてい
る。
【0013】このため、繰り返しオーバーライトに対す
る耐久性に加え、加速試験における膜剥離が少なく相変
化媒体の信頼性をいっそう向上させている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複合化
合物は単に混合すれば良い特性を発揮するという訳では
ない。組成範囲、複合膜の物性によっては、個々の純粋
化合物を用いる場合よりかえって信頼性を低下させる場
合もある。
【0015】従来、カルコゲナイド系元素を含む化合物
である、ZnS、CdS等に酸化物、窒化物、弗化物、
炭化物等を混合させた保護膜については数多くの先願が
存在するが、一部に於いて最適な組成範囲を記載するの
みであり、その組成の混合物を用いても、必ずしももと
の純粋な化合物単体からなる保護層より優れた特性が得
られなかった。
【0016】これは、上記複合物の物性がそれを構成す
る化合物とは大きく異なるため、製造法その他による物
性変化が予測不可能であったためである。例えば、上記
複合化合物からなる保護層を形成するにあたりスパッタ
法が広く用いられているが、複合物ターゲットを用いる
場合と、個々の化合物ターゲットを用いて同時スパッタ
する場合とでは、当然得られる複合化合物保護膜の物性
は異なってくる。
【0017】また、同一製造法でも、スパッタ時の圧力
等により、物性が変化するのは周知の事実である。こう
した、保護膜物性のばらつきの存在するなかで、いかに
相変化媒体に適した複合化合物保護膜を見いだすかが課
題であった。同様のことは記録層についても言える。す
なわち、保護層物性だけに注目して改善しても、それに
見合った記録層物性が得られなければならないが、どの
物性に注目し、定量的にどう評価すべきかについては、
必ずしも明らかではなかった。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明における光学的情
報記録用媒体は、基板上に少なくとも記録層と記録層を
挟む保護層を設けてなる相変化型光学的情報記録用媒体
であって、該保護層が記録層の融点より400℃以上高
い融点及び分解点を有する誘電体化合物または半導体化
合物の少なくとも2種類以上を含む混合物からなり、か
つ、その密度が下記の理論式(1)で決まるバルク状態
密度の80%以上、かつ、固有応力が0.5GPa以
下、JISZ2251法におけるヌープ硬度が300以
上であり、さらに、該記録層の密度が、それを構成する
各元素のバルク状態の密度と組成比から決まる下式
(2)で表される理論上の密度の86%以上で、かつ、
その固有応力が結晶/非結晶状態のいずれにおいても
0.2GPa以下であることを特徴とする光学的情報記
録用媒体に存する。
【0019】 理論密度=Σ{(構成化合物のバルク状態の密度)×(mol%で表した組成 )} (1) 理論密度=Σ{(構成元素のバルク状態の密度)×(mol%で表した組成) } (2) 特に、ここで述べた物性は成膜条件に依存するものであ
り、特定の材料を用いて、成膜プロセスを構築する場合
に、成膜条件を最適化するための重要な指針を与えるも
のである。
【0020】次に、本発明による光学的記録用媒体の構
成について述べる。本発明における光学的情報記録用媒
体は基本的には、基板/保護層/記録層/保護層/ハー
ドコート層の構成からなる。基板としては、ポリカーボ
ネート、アクリル、ポリオレフィンなどの透明樹脂、あ
るいはガラスを用いることができる。
【0021】保護層の厚みは、各々10nmから500
nmの範囲であることが望ましい。保護層の厚みが10
nm以下であると、基板や記録膜の変形防止効果が不十
分であり、保護層としての役目をなさない恐れがあり、
500nm以上では、保護層自体の内部応力や基板との
弾性特性の差が顕著になって、クラックが発生しやすく
なる。
【0022】本発明においては、保護層として、結晶粒
径を制御し、クラックの伝搬を抑制するために、2種以
上の異なる化合物の混合物からなる層を用いる。化合物
そのものは公知の物質を用いて良い。具体的には、Zn
S、ZnO、CdS、ZnSe等のカルコゲン元素を含
む誘電体または半導体を一方の化合物とし、これとS
i、Ta、Y、Zr、Ti等の金属酸化物、窒化物また
は炭化物あるいは、MgF2等の弗化物を他方の化合物
として混合した材料が用いられる。
【0023】その混合比は、例えばZnSに他の酸化
物、窒化物、炭化物、弗化物を混合する場合、ZnS以
外の成分を10〜60mol%とするのが望ましい。し
かしながら、これら化合物を適量に混合して保護膜とし
ただけでは、繰り返し記録及び経時変化に対して必ずし
も良好な特性は得られない。本発明ではさらに混合物保
護層の密度を前記のように規定することで、繰り返し記
録及び経時変化に対する耐久性を著しく向上させる。
【0024】上記規定は、混合物保護膜における化合物
が分子レベルで隙間なく混合され、極めて緻密な膜にな
っていることを示す定量的な目安である。異なる化合物
が理想的に緻密に混合されているならば、そのバルク密
度はほぼ前述の(1)式で表される。このことは、上記
混合物保護層の成膜に際して用いた混合物ターゲットの
製造過程から実験的に確認された。
【0025】例えばZnS(単体での密度4.1g/c
m3)とY2O3(単体での密度4.84g/cm3)の粉体
を混合し、ホットプレス法によって種々の混合比(Y2
O3が20.40.60.80.100mol%)のタ
ーゲットを得た。粉体混合物の体積はホットプレス時に
印加する圧力と熱によって収縮し、ある値で飽和して一
定となる。
【0026】この状態に於いて最も緻密なバルク混合物
が得られた。そのバルク密度の実測値と上記理論値の組
成依存性を確認したがいずれもバルク理論密度の95%
以上の値が得られ、緻密な混合物のバルクの密度は上記
計算式で予測出来ることが確認された。薄膜状態での密
度はガラス基板上に保護層の成膜を行い、成膜による基
板の重量変化と面積、膜厚とから計算できる。この方法
は以下で述べる記録層の密度測定にも用いられる。すな
わち、 膜密度=(ガラス基板の重量変化)/{(基板面積)×(膜厚)} (3) 上記高密度、高硬度の保護層は低圧でスパッタ法により
成膜することによって得られる。
【0027】これは、いわゆるアトミックピーニング効
果によるものであり、スパッタ法における成膜では一般
的に確認されている事項である(例えばJ.A.Tho
rnton,J.Vac.Sci.Technol.,
A4(1986),3059ページの総説、D.M.M
attox,J.Vac.Sci.Technol.,
A7(1989),1105ページの総説)。
【0028】スパッタ法は安定放電が維持される限り低
圧で行われるのが望ましい。アトミックピーニング効果
により高密度、高硬度の保護層を得る場合、同時に膜内
部の固有応力が非常に大きな圧縮応力となりやすい。固
有圧縮応力が0.5GPaを越すと、保護層と記録層、
あるいは保護層と基板との間で剥離が生じやすいので好
ましくない。
【0029】この問題は、高温高湿下の加速試験で顕著
に現れ、剥離によるクラック、膨れが記録媒体の欠陥に
なりやすい。従って、保護層圧縮応力は0.5GPa以
下、さらに望ましくは0.2GPa以下であることが望
ましい。本発明において混合物を使用するのは、純粋な
金属酸化物や弗化物を保護層として用いると、高密度な
膜は0.5GPaを越える圧縮応力を生じやすいためで
ある。
【0030】これは共有結合性あるいはイオン結合性を
有する化合物では、化学結合が堅くなるためヤング率が
増大し、たとえスパッタ時のArイオン衝突(アトミッ
クピーニング効果)による膜表面への圧力が同じでも、
生じる応力が大きくなってしまうためである。薄膜のヤ
ング率やスパッタ時の入射Arエネルギーの測定は困難
であるから、結果として得られた膜の固有応力で評価す
るのが最も現実的な方法である。
【0031】なお、保護層の固有応力 は、下記で述べ
る記録層と同様に、ヤング率等公知の基板上に成膜した
場合の基板のそり量によって計算できる。すなわち
【0032】
【数1】 δ={Es/6(1ーνs)}{h2/l}{1/R0} (4) ここで、Es、νsはそれぞれ基板のヤング率とポアッ
ソン比でSiの場合 Es/(1ーνs)=1.81×1011Pa(hは基板
の厚み。l(エル)は膜厚。R0は基板の反りの曲率半
径)。
【0033】さて、保護層は記録層に非晶質ビットを形
成する際に記録層の融点よりはるかに高温に加熱され
る。例えばGe1Sb2Te4近傍組成の記録層の融点は
約600℃であるが、記録時には計算上は1000℃程
度まで昇温される。従って、保護層の融点は少なくとも
記録層融点より400℃以上高くなければならず、さら
に望ましくは500℃以上高くなければならない。
【0034】その他の記録層材料に関しても、記録層は
記録時にその融点より300〜400℃高い温度まで昇
温される。そうしないと、繰り返しオーバーライトによ
り破壊されたり、化合物が分解されたりする。相変化型
の記録層の厚みは10nmから100nmの範囲に通常
選ばれる。
【0035】記録層の厚みが10nmより薄いと十分な
コントラストが得られない。また、結晶化速度が遅くな
る傾向があり、短時間での光学的記録消去が困難にな
る。一方100nmを越すとやはり光学的なコントラス
トが得にくくなり、また、クラックが生じ易くなるので
好ましくない。
【0036】なお、記録層及び保護層の厚みは多層構成
に伴う干渉効果も考慮して、レーザー光の吸収効率がよ
く、記録信号の振幅すなわち記録状態と未記録状態のコ
ントラストが大きくなるように選ばれる。記録層として
は、GeSbTe、SnGeTeやAgInSbTeと
いった合金がオーバーライト可能な材料として選ばれ
る。
【0037】これらの合金に0.1〜10原子%のS
n、In、Pb、As、Se、Si、Bi、Au、T
i、Cu、Ag、Pt、Pd、Co、Ni等のうちか
ら、一種またはそれ以上の元素を添加して結晶化速度、
光学定数、耐酸化性を改善することも有効である。記録
層はオーバーライトにより溶融・再凝固プロセスを繰り
返し短時間に経験する。
【0038】再凝固の際、記録層内の空隙(ボイド)は
記録層から析出され、いわゆるひけを生じる。記録マー
クの大きさと同じオーダーの大きさのひけが発生するこ
ともある。このひけは光学的に再生する際に反射率の微
小な乱れにつながり、ホワイトノイズの増加を引き起こ
す。
【0039】これを防止するには記録層内の空隙をなく
す、すなわち、記録層を高密度とするしかない。本発明
者らは、記録層密度が式(2)で示されるバルクの理論
密度の86%以上であれば、ひけの発生による著しいノ
イズ増加を抑制できることを確認した。なお、(2)式
でバルク理論密度を決定することの妥当性は、やはりホ
ットプレス法による緻密な試料の密度との比較により確
認できた。
【0040】一方、再凝固時に記録層が結晶化すると
き、通常、記録層体積は非晶質の体積より収縮する。繰
り返しオーバーライトを行った場合、この収縮により結
晶粒界に微小な隙間を生じやすいと考えられる。記録層
が結晶化の収縮により隙間を生じやすいかどうかは、記
録層全面を初期化により結晶化したときに、記録層に生
じる固有応力に注目すれば予測できる。
【0041】すなわち、全面初期化された記録層が大き
な引っ張り応力を示す場合には、結晶粒界にミクロな
(1μmより小)隙間が生じやすい。記録層の固有応力
が大きな圧縮応力となった場合、逆に膨れによる剥離が
生じやすい。記録層の場合、膨れの問題は経時安定性に
関わるのみならず、体積が増大した非晶質マーク周辺の
局所的な圧縮応力の増大による膨れ変形も生じる。
【0042】従って、本発明者らの検討によれば記録層
の固有応力は、結晶・非晶質状態いずれにあっても特に
小さいことが望ましく、圧縮・引っ張りいずれの場合に
も0.2GPa以下でなければならい。記録層の高密度
化及び応力の低減は主としてスパッタ成膜時の圧力制御
によって達成される。
【0043】高周波放電でも直流放電でも構わないが、
高密度化は放電が安定に維持される限り低圧でスパッタ
することによって、バルク密度の86%以上の値が得ら
れる。固有応力は、成膜後の非晶質状態の応力と全面結
晶化後の応力の両方が0.2GPa以下であることを要
する。
【0044】非晶質状態の応力はスパッタ時の圧力を低
圧にすることで圧縮の大きな値となるため、低圧化する
ことに下限がある。結晶化後の応力は、主として結晶粒
径に依存し、粒径が大きいと引っ張り応力が大きくなる
傾向がある。結晶化による引っ張り応力成分とアトミッ
クピーニング効果による圧縮応力成分とのバランスによ
り全面結晶化された記録層の固有応力が決まる。
【0045】結晶粒径は、記録層組成、結晶化条件によ
って制御できる。例えばGeTe−Sb2Te3疑似2元
合金近傍組成の場合、GeTe寄りでは数百nmの大き
な結晶粒径となりやすい。結晶化では、まず、ガラス転
移点以上の比較的低温に昇温して結晶核を多数生成させ
てから、融点近くまで昇温して結晶粒を成長させた方
が、いきなり融点近くで結晶化するよりも粒径が小さく
なる傾向がある。
【0046】以上で例示した記録層及び保護層材料のう
ちいくつかは既に公知であるが、本発明は前述のよう
に、該相変化型記録層に適した保護層及び記録層の物性
に関するものであって、特定の材料に限定されるもので
はなく、また、材料自体は公知であっても本発明の新規
性は損なわれない。通常は、保護層の上に熱変形防止の
ためのハードコート層を設けてあるが、接着層を設けて
保護基板あるいは、もう一枚の記録媒体と貼り合わせて
もよい。
【0047】さらに、保護層とハードコート層との間に
光学的反射層を設けてもよい。光学的反射層としては、
通常反射率の高い、Al、Au、Ag、Ni等の金属薄
膜が用いられる。この場合記録層及び保護層の厚みは、
反射層を含めた干渉効果を考慮して決定される。
【0048】また、反射層は、記録層が吸収した熱エネ
ルギーの拡散を促進する効果もある。
【0049】
【実施例】以下、実施例をもって本発明をより詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。 実施例1 保護層材料が(ZnS)80(SiO2)20である媒体を用
意した。
【0050】この保護層は上記組成の複合焼結体ターゲ
ットを用い、Ar圧力0.5Paで高周波(13.56
MHz)スパッタリングにより成膜した。得られた膜の
理論密度と実測密度及び理論密度に対する%を表1に示
した。尚、表1には以下の実施例1〜6及び比較例1〜
3における膜の密度、応力及びヌープ硬度の実測値も示
している。
【0051】尚、融点及び分解点については重量減少及
び示差走査型熱量計で1100℃まで測定し、変化がな
ければ1100℃以上であるとみなした。これらの保護
層を用い、ポリカーボネート樹脂基板上に4層構造の記
録媒体を作成した。各層の厚みは、下部保護層160n
m、記録層30nm、上部保護層30nm、Al合金反
射層100nmとした。
【0052】また記録層の組成はGe22.2Sb22.2Te
55.6(融点約600℃)である。記録層合金ターゲット
を用いRFスパッタにより成膜した。成膜時のArガス
圧力は0.3Pa、放電パワーは300Wである。記録
層の密度はバルク理論値6.3g/cm3に対して91
%であった。Siウエハー上に成膜した膜の非晶質状態
の固有応力は圧縮で0.05GPa、アニールによる結
晶化後の固有応力は引っ張りで0.15GPaであっ
た。
【0053】繰り返しオーバーライトは、780nm、
NA=0.55のいテスターを用い、線速10m/sに
て周波数4MHz、duty50%の方形波状に変調し
たレーザー光を照射して行った。オーバーライトは消去
パワーPe=6mWに、上記のように変調された記録パ
ワーPw=12mWを重畳して行った。
【0054】なおこのPe、Pwは保護層の種類により
微調整している。C/N比が3dB低下するオーバーラ
イト回数をもって耐久性を評価したところ、図1に示す
よう104回以上の耐久性を示した。すなわち、105
回後もC/N比の劣化が5dB未満であった。
【0055】実施例2 実施例1において保護層材料に(ZnS)80(Y2O3)20
(融点1100℃以上)を用いたこと以外は同様にして
ディスクを作成し、繰り返しオーバーライトを行った。
結果は図1に示すよう104回以上の耐久性を示した。
このときPe=6.5mW、Pw=13mWであった。
【0056】実施例3 実施例1において保護層材料に(TaS2)20(Ta2O5)
80(融点1100℃以上)を用いたこと以外は同様にし
てディスクを作成し、繰り返しオーバーライトを行っ
た。結果は図1に示すよう104回以上の耐久性を示し
た。このときPe=8.0mW、Pw=15mWであっ
た。また保護層成膜時に限りArガスの1/50の流速
で酸素ガスを流した。
【0057】実施例4 実施例1において保護層材料に(ZnS)80(SiO2)
10(SmF3)10(融点1100℃以上)を用いたこと以外
は同様にしてディスクを作成し、繰り返しオーバーライ
トを行った。結果は図2に示すよう105回以上の耐久
性を示した。このときPe=7.5mW、Pw=13m
Wであった。
【0058】実施例5 実施例1において保護層材料に(ZnS)80(LaF3)
20(融点1100℃以上)を用いたこと以外は同様にし
てディスクを作成し、繰り返しオーバーライトを行っ
た。結果は図2に示すよう104回以上の耐久性を示し
た。このときPe=6.5mW、Pw=12mWであっ
た。
【0059】実施例6 実施例1において保護層材料に(ZnSe)60(Si
O2)40(融点1100℃以上)を用いたこと以外は同様
にしてディスクを作成し、繰り返しオーバーライトを行
った。結果は図2に示すよう104回以上の耐久性を示
した。このときPe=6mW、Pw=9mWであった。
【0060】実施例7 実施例1の記録層成膜時のAr圧力を0.4Paとした
ところ、その密度はバルク密度の87%であった。ま
た、初期化後の応力は0.07GPaの引っ張り応力で
あった。実施例1と同様に繰り返しオーバーライトを行
ったところ、実施例1よりやや劣るが104回までは十
分C/Nは安定であった。
【0061】実施例8 実施例1の記録層組成をGe12Sb36Te52(融点約5
50℃)として同様の成膜を行ったところ、密度はバル
クの91%であった。また、初期化後の固有応力は0.
1GPaの引っ張り応力であった。実施例1と同様に繰
り返しオーバーライトを行ったところ、実施例1と同等
の良好な特性を得た。
【0062】比較例1 比較例として層構成及び記録層材料は実施例1と同一と
し、上下の保護層だけを(ZnSe)20(SiO2)80(融
点1100℃以上)に変更した媒体を用意した。この保
護層の密度は2.33g/cm3でありバルク密度の6
8%であり、本発明範囲外である。固有応力は圧縮で
0.3GPa、ヌープ硬度は340であった。繰り返し
オーバーライトを消去パワーPe=8mW、記録パワー
Pw=15mWで行ったところ、耐久性は103回で急
激にC/Nが低下した。
【0063】比較例2 比較例として層構成及び記録層材料は実施例1と同一と
し、上下の保護層だけを(ZnS)80(MoS2)20に変
更した媒体を用意した。この保護層のヌープ硬度は22
9で本発明範囲外である。融点については1000℃以
上であるが、800℃付近から分解によると思われる重
量減少が顕著であった。密度は4.16g/cm3でバ
ルク密度の97%、固有応力は圧縮で0.12GPaで
あった。繰り返しオーバーライトをPe=6.5mW、
Pw=11mWで行ったところ、102回で急激にC/
Nが低下した。
【0064】比較例3 比較例として層構成及び記録層材料は実施例1と同一と
し、上下の保護層だけを(ZnS)80(Ta2O5)20(融
点1100℃以上)に変更した媒体を用意した。この保
護層の固有応力は圧縮で0.65GPaであり、本発明
範囲外であった。密度は6.54g/cm3でバルク密
度の85%、ヌープ硬度は380であった。実施例1−
6及び比較例3の媒体を80℃、85%RHの加速条件
下で500時間環境テストを行ったところ、実施例1〜
6では膨れ欠陥の発生は全くなかっったのに対し、比較
例3では多数の膨れ欠陥が発生していた。
【0065】比較例4、5 実施例1の記録層の成膜時Ar圧力を変化させてその密
度を変化させた。比較例4はAr圧力0.65Paで密
度はバルクの85%、比較例5はAr圧力1.0Paで
80%であった。各々実施例1と同様の繰り返しオーバ
ーライトを行ったところ、比較例4では103回で、比
較例5では102回でC/Nが大幅に低下しはじめた。
【0066】比較例6 実施例1の記録層をGe45Sb10Te45(融点約700
℃)なる組成に置き換えた媒体を用意した。Si基板上
に成膜後の非晶質状態での応力は0.04GPaの圧縮
応力で、オーブン内のアニール(180℃、6時間)で
結晶化した後は、本発明の範囲外の0.28GPaの引
っ張り応力であった。
【0067】結晶化後の応力変化、ひいては体積収縮が
著しいことが予想される。実施例1と同様に繰り返しオ
ーバーライトを行ったところ、102回までにC/Nが
大幅に低下した。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】本発明により、高信頼性、長寿命の光学
的情報記録用媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例におけるC/N変化を示すグラフ
【図2】 実施例におけるC/N変化を示すグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 信國 奈津子 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に少なくとも記録層と記録層を挟
    む保護層を設けてなる相変化型光学的情報記録用媒体で
    あって、該保護層が記録層の融点より400℃以上高い
    融点及び分解点を有する誘電体化合物または半導体化合
    物の少なくとも2種類以上を含む混合物からなり、か
    つ、その密度が下記の理論式(1)で決まるバルク状態
    密度の80%以上、かつ、固有応力が0.5GPa以
    下、JISZ2251法におけるヌープ硬度が300以
    上であり、さらに、該記録層の密度が、それを構成する
    各元素のバルク状態の密度と組成比から決まる下式
    (2)で表される理論上の密度の86%以上で、かつ、
    その固有応力が結晶/非結晶状態のいずれにおいても
    0.2GPa以下であることを特徴とする光学的情報記
    録用媒体。 理論密度=Σ{(構成化合物のバルク状態の密度)×(mol%で表した組成 )} (1) 理論密度=Σ{(構成元素のバルク状態の密度)×(mol%で表した組成) } (2)
  2. 【請求項2】該記録層の理論密度が90%以上である請
    求項1記載の光学的情報記録用媒体。
JP7187132A 1995-03-31 1995-07-24 光学的情報記録用媒体 Pending JPH0944902A (ja)

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DE19612823A DE19612823C2 (de) 1995-03-31 1996-03-30 Optisches Aufzeichnungsverfahren
US08/626,029 US5848043A (en) 1995-03-31 1996-04-01 Modulation of laser power in accordance with a linear velocity by pulse division schemes
US08/869,999 US5818808A (en) 1995-03-31 1997-06-05 Optical recording process and optical recording system

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