JPH0947879A - 工作機械における案内構造の滑り面肉盛溶接方法および案内構造 - Google Patents

工作機械における案内構造の滑り面肉盛溶接方法および案内構造

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JPH0947879A
JPH0947879A JP7222615A JP22261595A JPH0947879A JP H0947879 A JPH0947879 A JP H0947879A JP 7222615 A JP7222615 A JP 7222615A JP 22261595 A JP22261595 A JP 22261595A JP H0947879 A JPH0947879 A JP H0947879A
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Akira Ochiai
合 ▲あきら▼ 落
Sadaji Hayama
山 定 治 羽
Kyoichi Sasaki
恭 一 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 形状の制約なく肉盛加工により、滑り面を形
成でき、自動化に適し、コスト削減に資する滑り面の肉
盛加工方法を提供する。 【解決手段】 不活性ガスにシールドされたプラズマア
ーク中に銅を主体とする組成成分の銅合金粉末を送給し
ながら軸受本体の鉄系材料からなる母材表面にプラズマ
・トランスファード・アーク溶接を施すことによって軸
受要素の滑り面材料を肉盛加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械の主軸や
テーブルなどの案内部の案内滑り面をプラズマ・トラン
スファード・アーク溶接により肉盛り加工してなる工作
機械における案内構造の滑り面肉盛溶接方法および案内
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械では、滑り運動をするテーブル
や主軸の荷重を支持するとともに、相対運動の方向に対
して生じる摩擦抵抗をできるだけ少なくして案内するた
めに、静圧型の軸受や、動圧型の軸受が設けられてい
る。ことに、高い精度の要求される精密加工用工作機械
では、運動精度の点で優れた特性を発揮する静圧型軸受
が多用されている。
【0003】図5は、従来の静圧軸受パッドを示す。こ
れは、工作機械において、テーブルなどの直線摺動運動
を案内する直線案内として用いられる静圧軸受である。
案内面にはリセス2が形成されており、このリセス2に
は、絞り3を介して潤滑油が供給される。移動体4は、
リセス2の周囲と移動体4との間の軸受隙間にある潤滑
油膜の静的圧力によって支持されるようになっている。
【0004】通常、この種の静圧軸受の設計では、剛性
を重視するか、滑り特性を重視するかによって、案内面
の材料の選定が異なってくる。剛性に重点を置いた場
合、鉄系材料を選ぶことが多く、滑り特性に重点を置く
と銅系材料が選ばれる。一般には、銅系単一材料の軸受
材料の場合、母材の剛性が低下する場合が多く、しかも
歪み量が鉄系材料に較べて二倍にもなることが問題とな
るので、滑り面としては銅合金の板材を加工したものを
用い、この板材を鉄系材料の母材に張り付ける方式が採
用されている。
【0005】また、軸受材料の欠点を補うため、母材の
表面を肉盛加工することによって、案内面を形成するこ
とも行なわれている。従来、この種の肉盛加工には、T
IG溶接、MIG溶接が応用されている。
【0006】一方、動圧型の軸受では、面接触による案
内面方式が、従来から最も秀でた滑り面とされる。しか
し、性能および価格の面からより安価なターカイト滑り
案内面を採用するのが一般的である。
【0007】ところで、最近では、プラズマ・トランス
ファード・アーク溶接が肉盛加工に応用されている。こ
のプラズマ・トランスファード・アーク溶接は、被加工
物(母材)と、タングステン電極との間に発生させたプ
ラズマアーク中に、合金粉末を投入して溶融し、被加工
物表面に溶着させる溶接技術であり、耐摩耗性が特に要
求される部品の表面処理肉盛加工などに応用されてい
る。その従来技術として、例えば、特開昭55−512
6号公報に記載されている発明を挙げることができる。
【0008】これによれば、不活性ガスでシールドされ
た鉄鋼母材と非消耗性電極の間に発生したアーク中に、
合金鋼粉末混合物を供給して鉄鋼母材表面に肉盛するこ
とにより、被溶接母材を大きく溶かすことなく、極めて
高い硬さで溶接割れの発生しない表面硬化肉盛層を加工
できるとされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】静圧軸受において、前
記した銅系材料の板材を張り付ける方式の場合、その板
材の材料は、一般鋼材よりもはるかに高価な材料であ
る。そのうえ、銅系材料の板材は、滑り面として必要と
される機能からすれば、数mmでよいものを数十mmも
の寸法の部材を使って加工しなければならないのがほと
んどであり、高価なものとなっている。しかも、張り付
け方式の静圧軸受の場合、軸受構造のコンパクト設計が
できず剛性が上がらないため、高精度化を妨げる要因と
なっている。
【0010】他方、図6に示すように、TIG溶接、M
IG溶接による肉盛加工で母材5へ肉盛り6をして案内
滑り面を形成する場合、肉盛材料の母材からの溶け込み
7が、約30%程度あり、それが滑り面の表面に析出し
てきて、かじりの原因となるという最大の欠点がある。
また、肉盛り6と母材5とを溶接境界で強固に溶着させ
るのが、ピンホール8や不純物の存在によって困難であ
った。
【0011】工作機械用の静圧軸受に必要とされる性能
の一つとして発熱の少ないことを挙げることができる。
この点、銅系材料からなる板材を張り付けた方式の静圧
軸受では、滑り速度で静圧油が剪断されたときに発生す
る熱を機械本体側に伝達しやすく、また、板材と機械本
体との間の線熱膨張係数の差が熱変位の大きな原因とな
っている。この熱変位があると、静圧隙間の変形を助長
し、油量の不足などの問題が生じる上に、熱による油の
劣化や、経年変化が生じる。さらには、熱変位を考慮し
た板材の加工は、従来、経験に頼る部分が多く、また、
板材の張り付け面には、エポキシ樹脂を接着材にして張
り合わせたり、Oリング溝を加工したりと、多くの組立
工数を必要としている。
【0012】他方、動圧軸受では、その案内方式にター
カイト滑り案内面を採用した場合に、高剛性を得る点に
おいて問題がある。また、面接触案内面方式の動圧軸受
では、優れた滑り面を得られる反面、加工や接着の難度
から高価なものとなる問題があった。
【0013】そこで、本発明の目的は、前記従来技術の
有する問題点を解消し、従来の板材張り付け方式や溶接
肉盛加工によるものに較べて強度的にも、また、滑り特
性においても優れた静圧滑り面を有する工作機械の案内
構造を提供することにある。
【0014】また、本発明の他の目的は、精密加工用の
工作機械の動圧滑り面として優れた性能を発揮するよう
にした工作機械の案内構造を提供することにある。
【0015】さらに、本発明の他の目的は、形状の制約
なく肉盛加工により、母材の溶け込みの少ない良好な滑
り面を形成でき、しかも、自動化に適し、コスト削減に
資する滑り面の肉盛加工方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、不活性ガスにシールドされたプラズマ
アーク中に銅を主体とする組成成分の銅合金粉末を送給
しながら軸受本体の鉄系材料からなる母材表面にプラズ
マ・トランスファード・アーク溶接を施すことによって
軸受要素の滑り面材料を肉盛加工することを特徴とする
ものである。
【0017】また、本発明は、相対滑り運動をする移動
体に運動方向への案内を与える工作機械の案内構造にお
いて、不活性ガスにシールドされたプラズマアーク中に
銅を主体とする組成成分の銅合金粉末を送給しながら軸
受本体の鉄系材料からなる母材表面にプラズマ・トラン
スファード・アーク溶接をすることによって肉盛加工し
た滑り面を有する静圧軸受要素を具備することを特徴と
する。
【0018】さらに、本発明は、相対滑り運動をする移
動体に運動方向への案内を与える工作機械の案内構造に
おいて、不活性ガスにシールドされたプラズマアーク中
に銅を主体とする組成成分の銅合金粉末を送給しながら
軸受本体の鉄系材料からなる母材表面にプラズマ・トラ
ンスファード・アーク溶接をすることによって肉盛加工
した滑り面を有する動圧軸受要素を具備することを特徴
とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て添付の図面を参照して説明する。
【0020】図1は、プラズマ・トランスファード・ア
ーク溶接による肉盛り加工を表わした図であり、銅合金
粉末10をプラズマアーク11に送給しながら、母材1
2の表面を肉盛する。図中、13は、タングステン電
極、14は直流アーク溶接電源で、母材12が陽極、タ
ングステン電極13が陰極となるように接続される。1
5は、シールドガスノズルで、不活性ガスとしてアルゴ
ンガスがプラズマアークを覆うように噴出される。タン
グステン電極13を収容する内筒17と、外筒18との
間が銅合金粉末10の供給通路となっている。従って、
母材12と、タングステン電極13の間にプラズマアー
ク11を発生させて、銅粉末合金10を供給すると、銅
粉末合金10は、アーク中で溶けて母材12の表面に肉
盛される。
【0021】図2は、静圧軸受のパッド材料をプラズマ
・トランスファード・アーク溶接により肉盛加工して形
成した実施形態である。なお、母材の鋼材には、JIS
G 3101 SS400を使い、銅粉末合金には、
銅を主体とする表1に示す粒径60〜200メッシュの
銅合金粉末を使用した。
【0022】
【表1】 プラズマ・トランスファード・アーク溶接による場合、
ランド部20のみを肉盛し、これによって結果的に中央
にリセス部21を形成できるので、従来の板材張り付け
方式に較べて、最小限の滑り面の肉盛に必要な材料で済
み、材料の節約になる。
【0023】また、プラズマ・トランスファード・アー
ク溶接による肉盛りの場合、強度の得られる鋼材と、滑
り面特性の良好な銅合金というように自由度を高く組み
合わせることが可能となり、二種類の材料の特性をとも
に活用して良好な静圧滑り面を得ることができる。
【0024】ここで、図7は、静圧軸受のパッド材料に
おける溶接境界の金属組織を200倍の倍率で写した顕
微鏡写真である。このうち、図7(a)は、本発明を実
施した静圧軸受パッド材料で、図7(b)はこれと対比
するため、従来のMIG溶接により肉盛したものの溶接
境界を示す。この写真を対比すれば、明らかなように、
本発明によれば、母材の溶け込みが従来のMIG溶接、
TIG溶接により肉盛したものと較べて少なく、さら
に、溶接境界でのピンホール、不純物の介在が少なく、
緻密な面で強固に溶着するため、生成した肉盛りの剥離
する問題を解消できることがわかった。
【0025】しかも、薄く肉盛るのが容易なため、従来
の張り付け方式に較べて、静圧軸受の構造のコンパクト
化とともに、高精度化、高減衰性につなげることができ
る。
【0026】次に、図3は、フライス軸22の内部に中
ぐり軸を移動可能に設ける中ぐり盤において、中ぐり軸
を案内する動圧滑り面23をプラズマ・トランスファー
ド・アーク溶接により形成した実施形態である。
【0027】この場合、プラズマ・トランスファード・
アーク溶接によれば、溶接トーチ24をフライス軸22
の軸孔に水平に挿入して肉盛り加工を行なえ、長手方向
の制約を受けずに自由度の高い肉盛り加工を施すことが
できる。また、プラズマ・トランスファード・アーク溶
接では、動圧滑り面23を面接触面として安価に加工で
きる。
【0028】以上、本発明について、実施形態を挙げて
説明したが、本発明は、種々の工作機械の静圧滑り面
や、動圧滑り面を有する案内機構に適用することができ
る。例えば、図4に示すように、研削盤の砥石軸25の
静圧滑り面26に適用しても同じように効果的である。
【0029】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載した発明によれば、プラズマ・トランスファー
ド・アーク溶接により、剥離の問題のないように緻密な
母材に対して溶接境界がしっかりと強固に溶着のないよ
うに緻密な母材に対して溶接境界がしっかりと強固に溶
着し、滑り面にピンホール、不純物のなくない剛性の高
い滑り面を形成できる。また、肉盛りを薄くし、必要最
小限の材料を直接母材に肉盛りできるので、材料の無駄
無く、しかも、加工上の制約が少なく、自由度の大きな
溶接が可能であるため、自動化による省力化に適し、工
作機械の滑り面材料の加工コストの低減化に資する。
【0030】また、請求項2に記載した発明によれば、
肉盛の方式がプラズマ・トランスファード・アークであ
り、低温溶接のため母材への溶け込みのない良好な滑り
面を有し、しかも、鋼材の母材に肉盛されてできた滑り
面は、銅合金の特徴を活かすことができ、強度を増強で
きる一方で、歪みを少なくすることができる。
【0031】さらに、請求項3に記載した発明によれ
ば、動圧滑り面を安価に構成できる面接触案内面とな
り、動剛性の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による滑り面肉盛り溶接方
法の説明図。
【図2】本発明を静圧軸受パッドに適用した実施形態の
説明図。
【図3】本発明をフライス軸の動圧滑り面に適用した実
施形態の説明図。
【図4】本発明を適用できる砥石軸の説明図。
【図5】従来の静圧軸受パッドの構成説明図。
【図6】従来の母材に肉盛り溶接した滑り面での母材の
溶け込みを示す説明図。
【図7】静圧軸受パッドの溶接境界を示す金属組織の顕
微鏡写真で、図7(a)は、本発明を実施した静圧軸受
パッド、図7(b)は、MIG溶接により肉盛り従来例
を示す。
【符号の説明】
10 銅合金粉末 11 プラズマアーク 12 母材 13 タングステン電極 16 アルゴンガス 20 ランド部 21 リセス部 22 フライス軸 23 動圧滑り面 24 溶接トーチ 25 砥石軸

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不活性ガスにシールドされたプラズマアー
    ク中に銅を主体とする組成成分の銅合金粉末を送給しな
    がら軸受本体の鉄系材料からなる母材表面にプラズマ・
    トランスファード・アーク溶接を施すことによって軸受
    要素の滑り面材料を肉盛加工することを特徴とする工作
    機械における案内構造の滑り面肉盛溶接方法。
  2. 【請求項2】相対滑り運動をする移動体に運動方向への
    案内を与える工作機械の案内構造において、 不活性ガスにシールドされたプラズマアーク中に銅を主
    体とする組成成分の銅合金粉末を送給しながら軸受本体
    の鉄系材料からなる母材表面にプラズマ・トランスファ
    ード・アーク溶接をすることによって肉盛加工した滑り
    面を有する静圧軸受要素を具備することを特徴とする工
    作機械における案内構造。
  3. 【請求項3】相対滑り運動をする移動体に運動方向への
    案内を与える工作機械の案内構造において、 不活性ガスにシールドされたプラズマアーク中に銅を主
    体とする組成成分の銅合金粉末を送給しながら軸受本体
    の鉄系材料からなる母材表面にプラズマ・トランスファ
    ード・アーク溶接をすることによって肉盛加工した滑り
    面を有する動圧軸受要素を具備することを特徴とする工
    作機械における案内構造。
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