JPH0948683A - 炭化硼素被覆炭素材料、その製造法及びプラズマ対向材 - Google Patents

炭化硼素被覆炭素材料、その製造法及びプラズマ対向材

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JPH0948683A
JPH0948683A JP7199657A JP19965795A JPH0948683A JP H0948683 A JPH0948683 A JP H0948683A JP 7199657 A JP7199657 A JP 7199657A JP 19965795 A JP19965795 A JP 19965795A JP H0948683 A JPH0948683 A JP H0948683A
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boron carbide
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carbon fiber
thickness
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JP7199657A
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Takayuki Suzuki
孝幸 鈴木
Yoshihiro Kikuchi
好洋 菊池
Yasuo Hyakki
康夫 百鬼
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱伝導率の低下を抑えた耐熱性に優れる炭化
硼素被覆炭素材料を提供する。 【解決手段】 炭素マトリックスと炭素繊維を含む炭素
繊維強化炭素材料の表面を炭化硼素に転化してなる炭素
材料において、前記表面は垂直又はほぼ垂直に配向する
1種類以上の炭素繊維を有する面であり、その少なくと
も1種類の炭素繊維部分における炭化硼素に転化した厚
さが炭素マトリックス部分における炭化硼素に転化した
厚さより薄いものである炭化硼素被覆炭素材料、その製
造法及びプラズマ対向材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面を炭化硼素で
被覆した、特に核融合炉のプラズマ対向材に好適な炭化
硼素被覆炭素材料及びその製造法に関する。また、本発
明は、核融合炉の部材として好適に用いられるプラズマ
対向材に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素材料は優れた耐熱性を有し、特に炭
素繊維強化炭素複合材料(C/C複合材)は高温下で使
用される各種の部材として極めて有用である。しかしな
がら、炭素材料は高温での耐酸化性に欠ける、酸素・水
素プラズマによる化学腐食が大きい等の化学安定性に問
題がある。そこで、この様な炭素材料の欠点を補うため
に、炭素材料の表面を炭化硼素で被覆することが行われ
ている。炭化硼素は耐熱性に優れ(融点約2400
℃)、化学的にも安定であり、更に耐摩耗性にも優れ
る。このため、炭化硼素で被覆した炭素材料は、核融合
炉のプラズマ対向材を始めとして、宇宙・航空用の耐熱
材、各種摺動材等に有用である。
【0003】炭化硼素を炭素材料の表面に被覆する方法
としては、一般にCVD法、プラズマ溶射法等が知られ
ている。しかし、これらの手法で形成した炭化硼素被膜
は、炭化硼素と炭素材料との熱膨張率が異なることか
ら、熱応力による亀裂の発生、更には被膜の剥離が生じ
易いという問題がある。
【0004】これに対し本発明者らは、特開平5−20
1781号公報において転化法による炭化硼素の被膜を
形成する方法を提案した。この方法は、硼素化合物を炭
素材料表面に化学反応させ、表面の炭素を炭化硼素に転
化するものである。この方法では、炭素材料の表面から
内部に向い順次炭化硼素が生成され、炭化硼素被膜と炭
素材料との間の熱膨張率差が緩和されるので耐熱衝撃性
に優れるものである。
【0005】しかしながら炭化硼素は炭素材料に比べ熱
伝導率が1桁低いため、短時間に高い熱負荷を受けた場
合、炭素基材への放熱が追いつかず温度が上昇し、熱負
荷が著しい場合には表面の温度は炭化硼素の融点を越
え、炭化硼素の溶融が生じる。炭化硼素表面が溶融した
場合、冷却時に炭化硼素の再結晶が生じるが、溶融及び
冷却のサイクルを繰り返すうちに、表面の平滑性が損わ
れるという欠点がある。特に、核融合炉のプラズマ対向
材においては、表面の平滑性が損なわれ凸部が生じる
と、プラズマからの熱負荷を受けやすくなり、平滑性が
さらに悪くなるという悪循環を繰返すことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した問題
に鑑み、種々検討を重ねた結果なされたものである。請
求項1記載の発明は、熱伝導率の低下を抑えた耐熱性に
優れる炭化硼素被覆炭素材料を提供するものである。請
求項2記載の発明は、熱伝導率の低下を抑えた耐熱性に
優れる炭化硼素被覆炭素材料を製造できる方法を提供す
るものである。請求項3記載の発明は、熱伝導率の低下
を抑えた耐熱性に優れる炭化硼素被覆炭素製の、表面の
平滑性が損なわれないプラズマ対向材を提供するもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭素マトリッ
クスと炭素繊維を含む炭素繊維強化炭素材料の表面を炭
化硼素に転化してなる炭素材料において、前記表面は垂
直又はほぼ垂直に配向する1種類以上の炭素繊維を有す
る面であり、その少なくとも1種類の炭素繊維部分にお
ける炭化硼素に転化した厚さが炭素マトリックス部分に
おける炭化硼素に転化した厚さより薄いものである炭化
硼素被覆炭素材料に関する。また本発明は、炭素マトリ
ックスと炭素マトリックスよりも黒鉛化度の高い炭素繊
維を含む炭素繊維強化炭素材料の、前記炭素繊維が垂直
又はほぼ垂直に配向している表面を、炭化硼素に転化す
ることを特徴とする炭化硼素被覆炭素材料の製造法に関
する。さらに本発明は、炭素マトリックスと炭素繊維を
含む炭素繊維強化炭素材料の表面を炭化硼素に転化して
なるプラズマ対向材において、前記表面は垂直又はほぼ
垂直に配向する1種類以上の炭素繊維を有する面であ
り、その少なくとも1種類の炭素繊維部分における炭化
硼素に転化した厚さが炭素マトリックス部分における炭
化硼素に転化した厚さより薄いものであるプラズマ対向
材に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の炭化硼素被覆炭素材料及
びその製造法について説明する。基材としては、炭素マ
トリックスと炭素繊維を含む炭素繊維強化炭素材料(C
/C複合材)を用いる。含まれる炭素繊維は1種類でも
2種類以上でもよい。C/C複合材の炭素繊維の配列
は、1次元、2次元及び3次元のいずれでもよく、特に
限定されるものではないが、C/C複合材の熱伝導率は
異方性があり、炭素繊維の配向する方向に優れているの
で、なかでも1次元が好ましい。但し本発明において
は、C/C複合材中の炭化硼素に転化する面は、1種類
以上の炭素繊維が垂直に又はほぼ垂直に配向する平面で
ある。これ以外では得られる炭化硼素被覆炭素材料の熱
伝導性が低下する。なお、ほぼ垂直とは、平面と炭素繊
維の配向方向との最小角度が好ましくは70度以上、よ
り好ましくは80度以上であることをいう。前記C/C
複合材は、一般に、(1)炭素繊維の成形体に熱硬化性
樹脂、タールピッチ等を含浸し、これを炭化するという
工程を繰り返して炭素マトリックスを充填する方法、
(2)炭素繊維の成形体に熱分解炭素を炭素マトリック
スとして充填する方法などにより得られる。
【0009】前記(1)の方法における熱硬化性樹脂と
しては、フェノール樹脂、フラン樹脂等を用いるのが好
ましい。また、炭化は700度以上で行うことが好まし
く、さらに最終的に900〜3000℃の温度で熱処理
するのが好ましい。また(2)の方法においては、メタ
ン、プロパン、ベンゼン、アセチレン等の炭化水素のガ
スを、必要に応じてアルゴン、窒素等のキャリアガスと
ともに、減圧下又は常圧下においた炭素繊維の成形体に
吹き込み、温度を700〜3000℃として熱分解炭素
にして前記成形体に充填することができる。さらに必要
に応じて、含浸後に900〜3000℃の温度で熱処理
を行うのが好ましく、前記(1)の方法と組み合わせて
も良い。
【0010】使用する炭素繊維は、PAN(ポリアクリ
ロニトリル)系、ピッチ系、レーヨン系等のいずれでも
良く、その特性も特に限定されるものではない。プラズ
マ対向材に適した高熱伝導率のC/C複合材を得るため
には、高熱伝導率の炭素繊維又はC/C複合材の黒鉛化
処理により高熱伝導率になる炭素繊維を使用するのが好
ましい。C/C複合材中の炭素繊維の体積率(繊維体積
率)は、10〜70体積%が好ましく、20〜70体積
%がより好ましく、35〜65体積%がさらに好まし
い。繊維体積率が10体積%未満では炭素繊維を複合化
した効果が小さい傾向にあり、70体積%を超えると炭
化水素の充填が困難になる傾向にある。なお、繊維体積
率は、C/C複合材の成形体を作成する際の繊維の占有
体積(繊維の実質体積とその内部空間の体積の合計をさ
す。例えば、成形体型枠に繊維を詰めた場合は成形体型
枠の内容積。)に対する、繊維の実質体積(繊維の重量
とその繊維の真比重から計算できる)の百分率から求め
ることができる。
【0011】炭素マトリックスは、炭素繊維間に生じる
気孔が少ない方がC/C複合材の特性がよいので好まし
く、具体的には開気孔率で0〜30体積%となるように
充填するのが好ましく、0〜20体積%がより好まし
い。なお、開気孔率(体積%)は、W1:乾燥重量
(g)、W2:水中重量(g)、W3:飽水重量(g)
を測定し、次式より算出する(水中置換法)。
【数1】開気孔率 P=100×(W3−W1)/(W
3−W2)
【0012】本発明においては、前記C/C複合材の表
面を炭化硼素に転化して炭化硼素転化層を形成する。本
発明においては、前記炭化硼素転化層は、その表面に垂
直又はほぼ垂直に配向する少なくとも1種類の炭素繊維
部分における炭化硼素に転化した厚さが炭素マトリック
ス部分における炭化硼素に転化した厚さより薄いもので
あることが必要である。全ての炭素繊維部分における転
化した炭化硼素の厚さが、炭素マトリックス部分におけ
る転化した炭化硼素の厚さと同じであると、本発明の高
い耐熱性は得られない。また、全て均一な厚さの炭化硼
素転化層を有するC/C複合材を使用した場合、アーク
放電が生じ、表面温度が急上昇して炭化硼素が溶融する
ことがある。これに対し、本発明における転化層の場
合、被覆層全体の電気比抵抗を下げることができるた
め、アーク放電の発生を防ぎ溶融を防止することが出来
る。
【0013】前記の場合の炭化硼素被覆炭素材料の模式
的断面図の一例を図1に示す。図1は、全ての炭素繊維
部分における転化した炭化硼素の厚さが炭素マトリック
ス部分における転化した炭化硼素の厚さより浅い場合で
ある。炭化硼素転化層は、炭素マトリックス1の炭化硼
素転化部分より、炭素繊維束2の炭化硼素転化部分の方
が浅いことが示される。炭素繊維部分が転化した炭化硼
素の厚さが炭素マトリックス部分が転化した炭化硼素の
厚さより薄い部分を有する割合は、炭化硼素転化後にそ
のような状態を形成しうる炭素繊維の体積をもって決定
することができる。この炭素繊維とは、後述するよう
に、炭素マトリックスよりも黒鉛化度の高い炭素繊維で
あり、その割合は繊維体積率をもって定義することがで
きる。このような炭素繊維の割合は、高い熱伝導率を得
るために、C/C複合材の体積に対する繊維体積率で、
5〜70体積%が好ましく、10〜60体積%がより好
ましく、10〜55体積%がさらに好ましい。
【0014】前記の炭素繊維部分の転化した炭化硼素の
厚さは、熱伝導率の低下を防止する観点から、炭素マト
リックス部分の転化した炭化硼素の厚さより10μm以
上薄いのが好ましく、30μm以上薄いのがより好まし
い。また、前記炭素繊維の転化した炭化硼素の厚さは、
熱伝導率と転化層の寿命の点から、10〜800μmが
好ましく、20〜500μmがより好ましい。一方、炭
素マトリックス部分の転化した炭化硼素の厚さ自体は、
やはり熱伝導率と転化層の寿命の点から20〜1000
μmが好ましく、50〜800μmがより好ましい。
【0015】このような炭化硼素被覆炭素材料の製造法
は特に制限されないが、炭素マトリックスよりも黒鉛化
度の高い炭素繊維を少なくとも1種類含むC/C複合材
を基材として用いて、その黒鉛化度の高い炭素繊維が垂
直又はほぼ垂直に配向する表面を炭化硼素に転化するこ
とを特徴とする方法で製造するのが比較的簡易に優れた
特性の炭化硼素被覆炭素材料が得られるので好ましい。
これは、炭素材料が炭化硼素へ転化する表面からの厚さ
が、炭素材料の反応性により変化し、この反応性は炭素
材料の黒鉛結晶の結晶性すなわち黒鉛化度に依存するか
らである。従って、黒鉛化度の異なる2種類以上の炭素
を構成要素とすると、炭化硼素転化反応に選択性が生
じ、転化厚さが一様でない炭化硼素被膜を得ることがで
きる。黒鉛化度の高い方が、転化厚さが浅くなる。な
お、黒鉛化度の比較は、原料の炭素繊維と、炭素マトリ
ックスとなるピッチ等の炭化物をC/C複合材の製造と
同じ温度で黒鉛化した試料の、X線回折図形を測定し、
比較して黒鉛結晶の発達の度合を分析することにより行
うことができる。
【0016】前記製造法においては、炭素マトリックス
よりも黒鉛化度の高い少なくとも1種類の炭素繊維を含
むC/C複合材を基材として用いる。このようなC/C
複合材を炭化硼素に転化した場合、炭素繊維よりも黒鉛
化度の低い炭素マトリックスの方が転化反応を生じやす
いため、マトリックス炭素が炭化硼素に転化した厚さよ
りも炭素繊維が転化した厚さは薄いか、場合によっては
全く炭化硼素に転化しない炭素繊維が生じる。すなわ
ち、マトリックス炭素が転化した炭化硼素の部分に、未
反応の炭素繊維が存在する組織となる。炭素繊維の熱伝
導率は炭化硼素よりも1桁高いため、炭化硼素中に未反
応の炭素繊維を残した場合には、炭化硼素のみの場合に
比べ熱伝導率の向上が可能となる。炭素繊維の黒鉛化度
が高いほど、熱伝導率は高くなり転化反応性は悪くなる
ため、より熱伝導率の高い炭化硼素転化炭素材料を得る
ことが出来るので好ましい。
【0017】また、C/C複合材として、黒鉛化度の異
なる2種類以上の炭素繊維で構成されたC/C複合材を
用いてもよい。この場合、炭素繊維の黒鉛化度により反
応性に差があるため、炭化硼素に転化した部分の表面か
らの厚さが繊維の種類により異なる。すなわち、黒鉛化
度が高い繊維が炭化硼素に転化した厚さは、黒鉛化度が
低い繊維が転化した厚さよりも浅くなる。従って、複数
種の炭素繊維を用いて、その配合を変えることにより、
炭化硼素層中の未反応の炭素繊維の体積を制御すること
が出来る。この方法は、C/C複合材中の炭素繊維の総
体積率を減少させずに、炭化硼素層の熱伝導率を制御す
ることが出来るため、機械的強度を保持する点で好まし
い。
【0018】用いるC/C複合材における黒鉛化度が炭
素マトリックスの黒鉛化度より高く、表面に垂直又はほ
ぼ垂直に配向している炭素繊維の割合は、高い熱伝導率
を得るために、C/C複合材の体積に対して、この繊維
の繊維体積率で5〜70体積%が好ましく、10〜60
体積%がより好ましく、10〜55体積%含まれるのが
さらに好ましい。なお、炭素マトリックスと炭素繊維の
黒鉛化度が著しく異なる場合、炭化硼素転化の反応条件
によっては、炭素マトリックスのみが炭化硼素に転化
し、炭素繊維が部分的に未反応のまま残ることもある
が、これも本発明の範囲内である。C/C複合材の表面
を炭化硼素に転化するには、C/C複合材と硼素化合物
を反応させて炭化硼素を生成する方法を用いるのが好ま
しい。具体的には(a)酸化硼素のガスとC/C複合材
を反応させる方法、(b)酸化硼素と炭素粉との混合物
中にC/C複合材を配置し反応を行う方法等が好ましい
方法として挙げられる。
【0019】前記のC/C複合材と硼素化合物を反応さ
せて炭化硼素を生成する方法において、転化反応により
生成する炭化硼素転化層の厚さと黒鉛化度の相違による
反応の選択性の関係は、反応条件によって影響される。
反応温度が高いと転化反応速度が大きくなり炭化硼素転
化層は厚くなるが、黒鉛化度の相違による反応の選択性
は小さくなる。本発明の目的とする、C/C複合材中の
構成要素により炭化硼素への転化厚さが異なる組織を得
るためには、反応温度を低く抑えて転化反応速度を制限
し、反応の選択性を大きくした条件で処理を行うことが
好ましい。また、炭化硼素転化層中の未反応の炭素繊維
は、見かけ上炭化硼素に転化していなくても硼素が拡散
している。炭素繊維中への硼素の拡散は、繊維の熱伝導
率を低下させる。硼素の拡散による熱伝導率の低下は、
温度が高いほど大きくなるため、この点からも反応温度
を低く抑えることが好ましい。以上の理由から、炭化硼
素への転化反応温度は2100℃以下であることが好ま
しく、1600〜2000℃であるのがより好ましい。
【0020】なお、炭化硼素転化層の厚さ自体は、反応
原料の量、反応時間等を変化させることにより制御する
こともできる。また、転化する反応の雰囲気は、アルゴ
ン等の不活性ガス雰囲気、減圧雰囲気などの外部から酸
素の侵入を防止した雰囲気が好ましい。また、炭化硼素
転化層の厚さを制御する別の方法として、まず最初に高
い反応温度(好ましくは1800〜2300℃)で一様
にかつ完全に炭化硼素に転化した炭化硼素転化層を形成
し、次いで、温度を下げ(好ましくは1600〜200
0℃)、前記層の下に炭化硼素に転化した炭素マトリッ
クス中に未反応の炭素繊維が存在する(即ち炭素マトリ
ックスの炭化硼素に転化した部分の厚さよりも炭素繊維
の転化部分の厚さが薄い)層を形成する方法をとっても
よい。
【0021】なお、高い熱伝導率を優先させる場合に
は、前記炭化硼素の被覆を形成した後、機械加工等によ
り表面から炭化硼素を除去して、炭素繊維が炭化硼素に
転化した部分の厚さを薄くしても良いし、場合により、
完全にこの部分を除去して炭素繊維を表面に露出させて
も良い。本発明でいう炭化硼素に転化した部分の厚さと
は、炭化硼素が実質的になくなる所までの厚さをいい、
得られた炭化硼素被覆炭素材料を表面と炭素繊維の配向
方向に沿って、表面に直角に切断しその断面を走査型電
子顕微鏡(SEM)により観察するか又はX線マイクロ
アナライザー(XMA)等を用いて測定することができ
る。厚さは、炭素繊維が炭化硼素に転化した部分の厚さ
と、炭素マトリックスが転化した部分の厚さを、それぞ
れの部分においてほぼ等間隔に10か所以上の点で測定
しその平均値として求めることができる。なお、炭素繊
維を2種類以上含む場合は、その種類ごとにそれぞれ前
記方法で厚さを求める。一般に炭素繊維と炭素マトリッ
クスは、断面に交互に表われるので、その場合は、とな
り合うそれぞれの部分の厚さを交互に各10か所以上測
定するのが好ましく、この方法は結局、それぞれの部分
においてほぼ等間隔に10か所以上の点で測定すること
となる。
【0022】以上のようにして製造される炭化硼素被覆
炭素材料は、核融合炉の部材として有用なプラズマ対向
材とすることができる。プラズマ対向材においては、プ
ラズマ対向面を炭化硼素に転化するのであり、この面に
おける炭素繊維部分の炭化硼素に転化した厚さが炭素マ
トリックス部分の炭化硼素に転化した厚さより薄いもの
であるとする。この場合、目的とするプラズマ対向材に
適した大きさと形状に炭素繊維強化炭素材料を加工して
から前記転化処理を行うのが好ましい。また、プラズマ
対向面は、炭素繊維が表面に対して全体として垂直又は
最も垂直に近い角度で配向している面とし、ここへ前記
炭化硼素転化処理を行うのが好ましい。
【0023】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。 実施例1〜3及び比較例1〜4 高熱伝導率のピッチ系炭素繊維(商品名 カーボニック
HM−50、(株)ペトカ製、熱伝導率約150W/m
K)の繊維束(フィラメント数6000本)を一方向
(1次元)に配向させ、繊維体積率が55体積%となる
よう金属製の治具で固定し、真空引きの下、300〜3
50℃の温度で石油系ピッチの含浸を行い、1000℃
での焼成を行なった。その後、治具を取りはずし、前記
の含浸、焼成を5回繰り返した後、2800℃で黒鉛化
処理を行ってC/C複合材を作成し基材とした。開気孔
率は8体積%であった。なお、原料の炭素繊維及びピッ
チの炭化物をC/C複合材と同じ温度で黒鉛化した試料
のX線回折図形を測定したところ、(002)回折線及
び(004)回折線ともに炭素繊維の方が鋭いピークを
示し、黒鉛結晶が発達していた。即ち、炭素繊維の方が
炭素マトリックスよりも黒鉛化度は高いことがわかっ
た。
【0024】このC/C複合材を40mm×20mm×
20mmに加工して高周波誘導炉内に配置し、表1に示
した温度に加熱した。一方、これとは別の加熱炉内で、
酸化硼素粉と黒鉛粉の混合物(混合重量比1:1)を1
700℃に加熱して酸化硼素ガスを発生させ、Arガス
とともに前述の高周波誘導炉内に導入し、それぞれ表1
に示す処理時間の間保持した。冷却後炉内から取り出し
た試料の表面層は炭化硼素に転化していた。なお、炭化
硼素転化を行った面は炭素繊維の配向方向に垂直な面で
ある。これらの試料を切断し、その断面を走査型電子顕
微鏡(SEM)及びX線マイクロアナライザー(XM
A)で分析した。転化表面に垂直な方向で、炭素繊維束
の部分とマトリックスの部分について、硼素と炭素の組
成を線分析して、硼素の原子数百分率が1%以下になる
ところの表面からの距離を求めた。それぞれの部分は断
面に交互に表われたので、となり合うそれぞれの部分の
厚さを交互に、それぞれほぼ等間隔に各10か所測定
し、これを平均して炭化硼素転化厚さの平均値とした。
また、これらの試料の炭化硼素転化面を加工して、直径
10mmで炭化硼素転化面からの厚さ3mmの円板状試
験片とし、レーザーフラッシュ法により熱伝導率を測定
した。その結果を合わせて表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】実施例4〜6及び比較例5〜8 前記と同様の高熱伝導率のピッチ系炭素繊維(熱伝導率
約150W/mK、炭素繊維1とする)の繊維束(フィ
ラメント数6000本)とPAN系の炭素繊維(東レ
(株)製、T−300、熱伝導率約6W/mK、炭素繊
維2とする)の繊維束(フィラメント数6000本)を
それぞれ一方向に配向させ、金属製の治具で固定し、実
施例1と同様に石油系ピッチの含浸と1000℃での焼
成を行なった。この後、治具を取り外し、さらに含浸・
焼成の工程を6回繰り返し、2800℃で黒鉛化処理を
行ってC/C複合材を作成し基材とした。繊維体積率は
それぞれの種類の繊維とも30体積%、開気孔率は10
体積%であった。なお、前記実施例1と同様の方法によ
りX線回折図形を測定したところ、黒鉛化度はピッチ系
炭素繊維、炭素マトリックス、PAN系炭素繊維の順に
高かった。この試料を40mm×20mm×20mmに
加工し、高周波誘導炉内に配置した。同時に炉内の離れ
た部分に酸化硼素を配置したあと、Arガス雰囲気でそ
れぞれ表2に示した温度、時間の条件で保持した。冷却
後炉内から取り出した試料の表面層は炭化硼素に転化し
ていた。なお、炭化硼素転化を行った面は炭素繊維の配
向方向に垂直な面である。これらの試料を切断、加工
し、実施例1と同様に転化厚さの分析及び熱伝導率の測
定を行った。その結果を合わせて表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】請求項1記載の炭化硼素被覆炭素材料
は、高熱伝導率で耐熱性に優れ、核融合炉等のプラズマ
対向材に好適なものである。また、被覆層全体の電気比
抵抗を下げることができるため、アーク放電の発生を防
ぎ溶融を防止することが出来る。請求項2記載の炭化硼
素被覆炭素材料の製造法は、高熱伝導率で耐熱性に優
れ、核融合炉等のプラズマ対向材に好適な炭化硼素被覆
炭素材料を簡易に製造できるものである。請求項3記載
のプラズマ対向材は、高熱伝導率で耐熱性に優れる。ま
た、被覆層全体の電気比抵抗を下げることができるた
め、アーク放電の発生を防ぎ溶融を防止することが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炭化硼素被覆炭素材料の一例の模式的
断面図である。
【符号の説明】
1…炭素マトリックス 2…炭素繊維束 3…炭化硼素転化層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素マトリックスと炭素繊維を含む炭素
    繊維強化炭素材料の表面を炭化硼素に転化してなる炭素
    材料において、前記表面は垂直又はほぼ垂直に配向する
    1種類以上の炭素繊維を有する面であり、その少なくと
    も1種類の炭素繊維部分における炭化硼素に転化した厚
    さが炭素マトリックス部分における炭化硼素に転化した
    厚さより薄いものである炭化硼素被覆炭素材料。
  2. 【請求項2】 炭素マトリックスと炭素マトリックスよ
    りも黒鉛化度の高い炭素繊維を含む炭素繊維強化炭素材
    料の、前記炭素繊維が垂直又はほぼ垂直に配向している
    表面を、炭化硼素に転化することを特徴とする炭化硼素
    被覆炭素材料の製造法。
  3. 【請求項3】 炭素マトリックスと炭素繊維を含む炭素
    繊維強化炭素材料の表面を炭化硼素に転化してなるプラ
    ズマ対向材において、前記表面は垂直又はほぼ垂直に配
    向する1種類以上の炭素繊維を有する面であり、その少
    なくとも1種類の炭素繊維部分における炭化硼素に転化
    した厚さが炭素マトリックス部分における炭化硼素に転
    化した厚さより薄いものであるプラズマ対向材。
JP7199657A 1995-08-04 1995-08-04 炭化硼素被覆炭素材料、その製造法及びプラズマ対向材 Pending JPH0948683A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002088249A (ja) * 2000-09-12 2002-03-27 Polymatech Co Ltd 熱伝導性高分子組成物及び熱伝導性成形体
JP2018104250A (ja) * 2016-12-28 2018-07-05 東海カーボン株式会社 一方向性炭素繊維強化炭素複合材の製造方法

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