【発明の詳細な説明】
ビニルエーテル官能性樹脂を含む研磨製品
技術分野
本発明は、支持体処理剤、バリアコートまたはメークコートが本質的に電磁線
硬化性ビニルエーテル官能性樹脂からなる研磨製品に関する。
発明の背景
現在、研磨製品は、自動車塗装表面のような水研ぎ用途に用いられることがで
きる。これらの用途において、紙支持体材料は材料に耐水性を付与するための処
理が施される。このような処理はラテックス含浸剤での支持体の含浸を含む。紙
支持体が含浸された後に幾つかの追加の処理工程は支持体に適切な取扱性を付与
するように用いられ、生産コストが高くなる。
現在の技術の欠点は、現在の紙支持体が生来的に粗い表面を有することである
。紙支持体材料の粗さは微細グレードの砥粒の粒径よりも大きいことができ、そ
して全ての砥粒が必ずしも単一平面内に存在しないこととなり、それ故、使用の
間に全ての砥粒が加工物に接触できない。それ故、このような表面では、薄い均
質な無機物プロファイルを有する微細グレードの研磨製品を製造することが困難
である。
研磨剤バインダーとしてのエポキシ樹脂のカチオン硬化は米国特許第4,997,71
7号に記載されており、そして化学線の初期照射後に1〜10分間の50〜200℃の熱
硬化を必要とする。この方法は光開始剤として有機金属錯体カチオンのイオン性
塩を必要とする。
米国特許第4,985,340号は研磨製品のバインダーとして用いられることができ
るポリマー前駆体を記載している。このポリマー前駆体は(1)所望により、ビニ
ルエーテルモノマーと組み合わされてよい少なくとも1種のエチレン系不飽和モ
ノマーおよび有機金属塩とオニウム塩とを含む硬化剤からなる群より選ばれる。
米国特許第5,191,101号はカチオン重合性材料および触媒有効量の有機金属錯
体カチオンのイオン性塩を重合開始剤として含むエネルギー重合性系を開示して
いる。
本発明の要旨
本発明の1つの態様において、研磨製品は、次の順序で、1種以上のビニルエー
テルモノマーおよび/またはオリゴマーの耐水性で100%固体分の電磁線硬化され
た樹脂で処理された支持体材料、メークコート、複数の砥粒およびサイズコート
を含んで提供される。
1種以上のビニルエーテルモノマーおよび/またはオリゴマーの樹脂で紙支持
体材料を処理しまたは含浸することは特に有利である。ビニルエーテル樹脂は紙
繊維に良好に付着し、そして(硬化時に)支持体材料に良好な柔軟性、耐水性お
よび様々なメークコート樹脂との適合性を提供する。このような適合性は剥離に
耐性の界面を提供する。
更に、ビニルエーテル樹脂を用いることは紙支持体にラテックス含浸を用いる
現在の技術よりも経済的である。アクリレートと比較すると、ビニルエーテル樹
脂は汚臭が少なく、毒性が低く、そして酸素禁止されない(不活性雰囲気下で硬
化させる必要がない)。カチオン硬化したエポキシドと比較して、ビニルエーテ
ルは速く硬化し、良好な耐水性および低い脆化性を紙支持体材料に付与する。
本発明の別の態様において、研磨製品は、防水性支持体材料、1
種以上のビニルエーテルモノマーおよび/またはオリゴマーの100%固体分の電磁
線硬化性樹脂のバリアコート層、メークコート、複数の砥粒およびサイズコート
を含んで提供される。
有利には、硬化したビニルエーテル樹脂のバリア層は滑らかな表面を提供し、
そして微細な砥粒の適用を容易にする。更に、研磨製品が水研ぎ用途に用いられ
るときには、層は水に対するバリアを提供する。
本発明の更に別の態様において、メークコート層またはサイズコート層は、本
質的に、1種以上のビニルエーテルモノマーおよび/またはオリゴマーの100%固
体分の電磁線硬化性樹脂からなることができる。メークコートおよびサイズコー
ト層の組成物は充填剤、研磨助剤、繊維、酸化防止剤、潤滑剤、湿潤剤、界面活
性剤、顔料、色素、カップリング剤、可塑剤および懸濁剤を含めた添加剤を更に
含むことができる。これらの添加量は従来の既知の特性を提供するように選ばれ
る。しかし、これらの添加剤を含むことは本発明の基本的特性および新規の特性
に実質的に影響を及ぼさない。
有利には、ビニルエーテル樹脂をメークコートおよび/またはサイズコート層
として用いるときには、特定の用途により、改善された研削性(メークコート)
または滑らかな表面仕上を残す(サイズコート)等の幾つかの利点を達成する。
本明細書中で用いるときに、
「モノマーおよび/またはオリゴマー」とはモノマー、オリゴマーまたはそれ
らのブレンドであることができる硬化性液体樹脂を意味し、
「処理された」とは紙支持体材料が収着した硬化性ビニルエーテル樹脂を有し
、且つ、樹脂を硬化させるために電磁線源に暴露されたことを意味する。
「ビニルエーテル樹脂」とは1種以上のビニルエーテルモノマーおよび/また
はオリゴマーの100%固体分の電磁線硬化性ビニルエーテル樹脂を意味する。
好ましい態様の説明
本発明は、電磁線源に暴露することにより急速に硬化する100%固体分の電磁線
硬化性ビニルエーテル樹脂を提供することにより可撓性耐水性研磨製品を提供す
る。このビニルエーテル樹脂は、あまり複雑でない製造法を用いながら現在の技
術よりもコスト効率のよい防水性支持体を製造するために、紙含浸剤として適用
されることができる。別には、ビニルエーテル樹脂は、事前に含浸されたまたは
防水性の研磨剤紙支持体に薄い層として適用されることができる。樹脂の紙支持
体材料へのゆっくりとした浸入は改善された滑らかさおよび良好な取扱性を有す
るメークコート側面をもたらす。
本発明の1つの態様において、研磨製品は、1種以上のビニルエーテルモノマー
および/またはオリゴマーの防水性の100%固体分の電磁線硬化した樹脂で処理さ
れた紙支持体、メークコート、複数の砥粒およびサイズコートを含む。
本発明の別の態様は、支持体材料が、予備含浸され、または、さもなければ硬
化したビニルエーテル樹脂の薄い膜により被覆されて防水性にされている研磨製
品である。
更に別の態様において、本発明の研磨製品は、本質的に1種以上のビニルエー
テルモノマーおよび/またはオリゴマーの100%固体分の電磁線硬化性樹脂からな
るメークおよび/またはサイズコート層を用いて製造されることができる。
考えられるコンフィグレーションの他の制限しない例は、
(1) ビニルエーテル樹脂で含浸された支持体材料、およびビニルエ
ーテル樹脂のバリアコート、
(2) ビニルエーテル樹脂で含浸された支持体材料、およびビニルエーテル樹脂の
メークコート層、
(3) ビニルエーテル樹脂で含浸された支持体材料、およびビニルエーテル樹脂の
サイズコート層、
(4) ビニルエーテル樹脂で含浸された支持体材料、ビニルエーテル樹脂のバリア
コート、メークコートおよびサイズコート層、
(5) ビニルエーテル樹脂のメークコートおよびサイズコート層、
を有する研磨製品を含む。
有用な紙支持体材料は、少なくとも10%含浸率にまでビニルエーテル樹脂含浸
剤を吸収するために充分な多孔度を有する孔質紙であり、そして制限しない例は
、Mosinee Paper Co.による化学パルプ法(♯2406-A)により製造されたユリア-
ホルムアルデヒド湿潤強さ添加剤を含む漂白された78g/m2グレード紙(A重量)、
または、Mosinee Paper Co.による化学パルプ法(18426-B MF 2062-SP)により製
造された無漂白の107g/m2グレード紙(C重量)を含むことができる。
ビニルエーテル樹脂がバリアコート、メークコートまたはサイズコート層とし
て用いられるときに、支持体材料は紙、ポリマーフィルム、布、綿バルカンファ
イバーウェブ、不織布ウェブ、それらの組み合わせまたは複合材或いはこれらの
処理されたものを含むことができる。
有用な防水性の支持体材料は、いずれかの処理剤で処理された上記の基材のい
ずれか、例えば、Kammerer GmbHから供給され、そして当業者に知られている紙
を含む。
紙支持体材料は、ビニルエーテル樹脂で含浸されているか、または、ビニルエ
ーテル樹脂の薄い層が、予備含浸されたまたは防水の支持体材料上に被覆されて
いるかいずれかである。ビニルエーテル
樹脂は100%固体分であり、且つ、電磁線硬化性である。硬化性樹脂組成物はビニ
ルエーテルおよびカチオン硬化剤を含む。ビニルエーテル樹脂がバリアコートと
して用いられるときには、乾燥塗膜重量は通常、5〜25g/m2の範囲である。ビニ
ルエーテル樹脂が支持体材料を含浸するために用いられるならば、紙の含浸剤吸
収重量の範囲は10〜60%である。もし吸収率が10%未満であるならば、紙は充分に
防水性でないであろう。60%を有意に越える含浸剤の吸収重量では、コスト効率
が悪くなる。紙上の%含浸剤吸収率は次の等式から導かれることができる。
(式中、%SPUは支持体材料の%含浸剤吸収率であり、PDは乾燥した含浸された支
持体の重量であり、PBWは支持体材料の基本重量である。)。基本重量は紙支持
体材利の単位面積当たりの乾燥重量である。
ビニルエーテルは容易にカチオン重合を経験する。典型的なカチオン硬化剤は
欧州特許出願第109,581号、米国特許第4,740,577号および米国特許第5,059,701
号に記載のような有機金属錯体カチオン塩であり、そして、例えば、市販のIrga
cure(商標)261(Ciba-Geigy)を含む。硬化剤の別の例は米国特許第4,985,340号
に記載のように、有機金属錯体カチオン塩およびオニウム塩の混合物である。有
用なオニウム塩は、米国特許第3,565,906号、第3,712,920号、第3,759,989号お
よび第3,763,187号並びに第4,256,828号に記載の芳香族ヨードニウムカチオン、
および、芳香族スルホニウム塩、
特に、米国特許第4,256,828号に記載のようなトリアリール置換されたスルホニ
ウム化合物を含む。好ましい電磁線活性化される硬化剤系はIrgacure(商標)26
1とトリアリールスルホニウム塩(3MおよびUnion Carbideから市販)の混合物で
ある。
本発明において用いてよいビニルエーテルは、ビニルアルキルエーテル、例え
ば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルn-ブチルエーテル、
ビニル2-クロロエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルおよびビニル2-エチ
ルヘキシルエーテル;ビニルアリールエーテル、例えば、ビニルフェニルエーテ
ル;置換脂肪族アルコールのビニルエーテル、例えば、1,3-ジ(エテノキシ)ブ
タン、ビニル4-ヒドロキシブチルエーテルを含む。好ましいビニルエーテルは1,
4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビ
ニルエーテル、炭酸プロピレンプロペニルエーテル、ジビニルエーテル官能基を
有する液体の脂肪族エステル樹脂、トリレンジイソシアネートの4-ヒドロキシブ
チルビニルエーテル、および、ジビニルエーテル、特に、ポリエーテル若しくは
ポリエステルジオールのジビニルエーテルおよびウレタン若しくはジイソシアネ
ートのジビニルエーテルを含む。
ビニルエーテル樹脂は、塗膜層として用いられるときに、当業者に知られてい
る塗布技術を用いて支持体材料に適用されることができ、それはディップコーテ
ィング、ロールコーティング、ナイフコーティング等を含む。
塗布後に塗膜層を硬化させるために、塗膜層は、塗膜厚さ、砥粒のサイズおよ
び任意の添加剤のタイプおよび量によって、特定の時間および強度の電磁線源に
暴露される。時間、波長および強度を含めたこのような硬化条件は当業者により
容易に確かめられる。エネルギー源は電子ビーム、紫外線または可視光を含む。
支持体材料は、一般に「メークコート」と呼ばれている接着剤の第一層により
被覆されることができ、そしてその後、砥粒が適用される。通常、得られる接着
剤/砥粒の組み合わせまたは複合材は支持体材料に砥粒を付着させるように部分
的に硬化され、それにより、接着剤の第二層(サイズコート)が適用されること
ができる。一般に、サイズコートは、被覆された研磨製品を更に強化する。一度
、サイズコートが硬化されまたは固化されると、得られた被覆された研磨製品は
様々な用途に便利な形状、例えば、シート、ロール、ベルトおよびディスクに加
工されることができる。通常に、サイズコートおよびメークコートは同一である
が、このことは必須ではない。
有用なメークコートおよびサイズコート組成物の例は当業界において知られて
おり、そして2つのクラスの熱硬化性樹脂、縮合硬化性樹脂および付加重合性樹
脂を含む。好ましいコート組成物前駆体(以下、前駆体とも呼ぶ)は付加重合性
樹脂である。電磁線エネルギーへの暴露により容易に硬化されるからである。付
加重合性樹脂はカチオン機構またはフリーラジカル機構により重合することがで
きる。用いるエネルギー源および前駆体の化学的性質により、硬化剤、開始剤ま
たは触媒は重合の開始を援助するために時々好ましい。メークおよびサイズコー
トの乾燥塗膜重量は用いる砥粒のサイズにより変化することができ、そして通常
には、メークコートでは4g/m2〜310g/m2およびサイズコートでは12g/m2〜550g/m2
の範囲である。
前駆体の制限しない例はフェノール樹脂(例えば、Occidential ChemicalのDur
ezおよびAshland ChemicalsのAerofene);ユリア-ホルムアルデヒド樹脂;メラミ
ン-ホルムアルデヒド樹脂;アクリル化ウレタン(例えば、Morton International
のUvithane 782);エチレン系不飽和化合物(例えば、メチルアクリレート、エチ
ルアク
リレート);ペンダント不飽和カルボニル基を有するアミノプラスト誘導体(例え
ば、米国特許第4,903,440号に記載);少なくとも1個のペンダントアクリレート基
を有するイソシアヌレート誘導体および少なくとも1個のペンダントアクリレー
ト基を有するイソシアネート誘導体(例えば、米国特許第4,652,274号に記載);エ
ポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル);およびそれらの
混合物および組み合わせを含むことができる。用語「アクリレート」はアクリレ
ートおよびメタクリレートを含む。
塗膜層の機能または目的に応じた、当業者に知られているような追加の塗膜層
を有することは本発明の範囲内である。例えば、支持体材料がビニルエーテル樹
脂で含浸されたときでさえ、特に、微細グレードの研磨剤(グレード400以上の
微細性)を用いるときに、紙支持体材料の生来のテキスチャー表面を滑らかにす
るためのバリアコートを提供することが望ましいであろう。支持体材料の裏面、
即ち、砥粒が適用される面と反対面に適用されるバックサイズコートは、支持体
に腰を与え、そして摩耗から支持体材料を保護する。サブサイズコートは含浸コ
ートと同様であるが、それは事前に処理された支持体に適用される。スーパーサ
イズコート、即ち、サイズコート上に適用される塗膜層は、研磨を補助し、およ
び/または、負荷防止塗膜として、即ち、砥粒の負荷を抑制するために加えられ
ることができる。
一般に用いられている砥粒は、フリント、ザクロ石、エメリー、炭化珪素、酸
化アルミニウム、セラミック酸化アルミニウム、アルミナジルコニアまたは多粒
粒子を含む。砥粒粒子径は0.1マイクロメートル(μm)〜2000マイクロメートル
(μm)(12〜2500グレード)であることができ、そして通常には、1〜500μm、好ま
しくは1〜100μmである。砥粒のための塗膜の重量は、用いる結合系、
砥粒を適用するための方法および砥粒のサイズに依存し、そして通常には5.0〜1
,350g/m2の範囲である。
次の制限しない実施例は本発明を更に例示する。全ての比は特に指示のないか
ぎり重量基準である。次の材料の名称を用いる。
用語
A-1100 アミノシランカップリング剤(Union CarbideからA-1100の商品
名で市販)
CHVE 1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(Internatio
nal Specialty ProductsからRAPI-CURE CHVEの商品名で市販)
D 230 アミン末端ポリプロピレングリコール(Texaco Chemical Co.か
らJeffamine D-230の商品名で市販)
DVE-3 トリエチレングリコールのジビニルエーテル(International Sp
ecialty ProductsからRAPI-CURE DVE-3の商品名で市販)
EDR 148 アミン末端ポリエチレングリコール(Texaco Chemical Co.からJ
effamine EDR-148の商品名で市販)
EM-1 ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(Shell Chemical Co.
から商品名EPON 828で市販)
HBVE 1,4-ヒドロキシブチルビニルエーテル(International Specialt
y ProductsからRAPI-CURE HBVEの商品名で市販)
IW-33 ノニオン界面活性剤(Interstab Chemicals,New Brunswick,Ne
w JerseyからINTERWET 33の商品名で市販)
MEK メチルエチルケトン
P5018 脂肪族四官能性ポリエステルアクリレートオリゴマー(Henkel C
orporationからPhotomer 5018の商品名で市販)
Paper 1 漂白された78g/m2グレード紙(A重量)であって、ユリ
ア-ホルムアルデヒド湿潤強さ添加剤を含み、Mosinee Paper Co.により化学パ
ルプ法により製造された(♯2406-A)
Paper 2 無漂白の107g/m2グレード紙(C重量)であって、Mosinee Paper Co
.により化学パルプ法により製造された(♯1842-B MF2062-SP)
PEPC 炭酸プロピレンのプロペニルエーテル(International Specialt
y ProductsからRAPI-CURE PEPCの商品名で市販)
PH-1 70%固体分のレゾール樹脂
RD-2 ブチルグリシジルエーテル(CibaからAraldite RD-1の商品名で
市販)
RD-1 ブタンジオールジグリシジルエーテル(CibaからAraldite RD-2
の商品名で市販)
SL-7604 Union Carbide,Danbury,CTからSILWET L-7604の商品名で市販
の界面活性剤
UVI-6990 トリアリールスルホニウム塩の光触媒(Union CarbideからCyrac
ure UVI-6990の商品名で市販)
V2010 ジビニルエーテル官能基を有する液体芳香族ウレタン樹脂(Alli
ed-Signal,Inc.からVECTOMER 2010の商品名で市販)
V2020 ジビニルエーテル官能基を有する液体脂肪族ウレタン樹脂(Alli
ed-Signal,Inc.からVECTOMER 2020の商品名で市販)
V4010 ジビニルエーテル官能基を有する液体芳香族エステル樹脂(Alli
ed-Signal,Inc.からVECTOMER 4010の商品名で市販)
V2020 ジビニルエーテル官能基を有する液体脂肪族エステル樹脂(Alli
ed-Signal,Inc.からVECTOMER 4030の商品名で市販)
試験手順
引張試験
被覆研磨製品の紙支持体の例を2.5cmx17.8cmのストリップに加工
した。ストリップをSintech機械に取り付け、そして引張試験を行った。引張強
さの測定値はストリップを破壊するために必要な力の量である。機械方向(MD)ス
トリップは機械方向、即ち、紙支持体の垂直方向から取られた。横方向(CD)スト
リップは横方向、即ち、紙支持体と水平方向から取られた。各場合に、ASTM D16
82、方法2C-Tにより試験を行った。
湿潤シーファー(Schiefer)試験
この試験は、湿潤条件下での被覆研磨製品の研削物(加工物から除去される材
料)および仕上(研磨された表面の相対的品質)の測定を行った。10.2cm直径の
円形試料を試験される研磨材料から切断し、そして、水中への浸漬により予備条
件調節されたバックアップパッドに感圧接着剤で固定した。研磨材料を、その後
、水に浮かべることにより予備湿潤化させた。湿潤試験を行うシーファー研磨試
験機(Frazier Precision Companyから入手可能)の駆動プレートにバックアップ
パッドを固定した。10.2cm直径x1.3cm厚さの、Seelye Plastics,Bloomington,
MNから商品名POLYCASTアクリルプラスティックとして市販の円形アクリルプラス
ティック加工物を用いた。各加工物の初期重量は研磨試験機の加工物ホルダーに
取り付ける前の最も近いミリグラムで記録した。水の滴下速度は60(+/-6)g/分に
設定された。4.5gの錘を研磨試験機の錘プラットフォーム上に置き、そして取り
付けられた研磨試料を加工物上まで下げた。機械を500サイクル運転しその後、
自動的に停止するように設定した。試験の各500サイクルの後、水と屑がなくな
るまで加工物を拭き取り、そして重量測定した。各500サイクルの試験の累積研
削量は初期重量と各試験の後の重量の差異であった。試験の最終ポイントは被覆
研磨ディスクの2,500回転またはサイクルであった。
加工物の仕上を測定するならば、Rank Taylor-Hobson,Leiceste
r,Englandから入手可能なRank Surtronic 3プロフィロメーターの試料ホルダー
に研磨された加工物を取り付け、そして表面形状を測定した。5回の試験長さか
ら得られた、最大のピークから谷の値の平均値であるRtmを各試験について記録
した。Raはマイクロインチでのスクラッチサイズの算術平均である。
ヌープ硬度くぼみ試験
有機/ポリマー塗膜のこのくぼみ硬度測定はASTM D 1474-85(方法-A)におい
て記載されている。約0.38mmの塗膜は硬質表面上、好ましくは顕微鏡用スライド
ガラス上に適用された。次に、塗膜を乾燥し、エネルギー源により硬化した。方
法は、特定の面角を有するピラミッド形状のダイアモンドの手段により塗膜の表
面に100gの荷重を加えること、および、得られた永久くぼみの長さ測定値をヌー
ブ硬度数(KHN)に変換することからなる。Tukun Hardness Testerモデル200を測
定のために用いた。それはWilson Instruments入手可能である。含浸剤に関して
は、KHNは10未満であることができる。メークコートに関する許容されるKHN値は
7〜14であり、サイズコートについては少なくとも15である。
しわ試験
10cmx15cmの研磨試料を水中に1時間浸漬した。表面を内側にして(即ち、砥粒
面を内側に)製品をくしゃくしゃに丸めて硬いボールにする。その後、製品を平
らに広げて次の欠陥を調べた。
(1) フェースクラック-メークコートと支持体との間の研磨剤の結合における亀
裂および折り目に沿って起こりうる無機物の損失
(2) 剥離-紙支持体材料からの砥粒の剥離または脱離、および、
(3) 紙破壊-紙支持体材料の引き裂き、亀裂または孔トリレンジイソシアネート
とのHBVEの反応
1リットルの3つ口丸底フラスコ、乾燥空気インレット、メカニ
カルスターラーおよび滴下漏斗を全て炉乾燥し、そして窒素下で組み立てた。そ
の後、フラスコに、232.3g(2.0モル)のHBVEを入れた。滴下漏斗に174.2g(1.0モ
ル)のトリレンジイソシアネート(Aldrich Chemicalからの80% 2,4-異性体および
20% 2,6-異性体)を入れた。それを攪拌されているフラスコ内容物へ、滴下して
加え、ゆっくりとした滴下工程の間に65℃オイルバス中でそれを温めた。この添
加には2時間を要した。添加完了後、オイルバスの温度を1時間にわたって75℃に
上げ、そして75℃でのこの1時間の前に取った試料の赤外線スペクトルは殆どイ
ソシアネート吸収を示さなかった。温かい生成物をパイントジャーに入れ、TDI-
VEのラベルを付けた。
イソホロンジイソシアネートとのHBVEの反応
乾燥チューブ、メカニカルスターラーおよび滴下漏斗を具備した炉乾燥した1
リットルの3つ口フラスコに232.3g(2.0モル)のHBVEおよび1.0gのジブチル錫ジラ
ウレート触媒を入れた。滴下漏斗にイソホロンジイソシアネート(222.3g、1.0
モル、Aldrich Chemical Co.)を入れ、それを滴下して反応混合物に加え、それ
をオイルバスにより70℃に温めた。完全な添加に90分以上を要し、そして攪拌し
ながら70℃の条件を更に2時間続けた。赤外線スペクトルはイソシアネート吸収
がないことを示した。温かい生成物をパイントジャーに注ぎ、そしてIP-VEのラ
ベルを付けた。
紙含浸剤(PS)の調製
比較例CPSAおよび例PSB〜PSD
ビニルエーテルオリゴマーを最初に100℃に加熱し、そしてガラスジャーに計
量して入れた。これに、モノマーを加え、そして完全に混合した。この混合物を
約15分間100℃で加熱した。約60〜70℃に冷却後、光開始剤を加え、そして樹脂
中に混合した。
これらの例に記載される紙は、ステンレススチールトップロール
および硬質ゴムボトムロールを用いたロールコーティングにより含浸された。コ
ーター速度6.1m/分およびニップ圧力250kPaで均質な含浸が達成された。120ワッ
ト/cmのFusion SystemsのUVランプの下に19.0m/分の速度で各面を8パスまで露光
することにより、含浸紙支持体の完全な硬化は達成された。120℃での30分間の
更なる熱硬化は完全な硬化を確実にした。
表1は紙含浸の例のために用いた樹脂配合物(CPSAおよびPSB-PSD)を要約する。
異なるビニルエーテル物質(オリゴマーおよびモノマーの両方の反応性希釈剤)
を含浸紙に異なる最終特性を付与することを調べた。PSBおよびPSDはビニルエー
テル成分を含み、それは完全に硬化したときに、比較的に軟質で、可撓性のまま
であった。PSCはより硬質の剛性の架橋されたマトリックスを形成した急速に硬
化するビニルエーテル成分を含んでいた。PSAは比較のエポキシのみの配合物で
あった。
これらの紙含浸剤の効率を決定するために、乾燥および湿潤引張強さを測定し
た。表2は表1に要約した4種の樹脂で別個に含浸した2種の異なる紙支持体につい
ての機械方向および横方向の結果を要約する。UVおよび熱で完全に硬化したとき
に、エポキシ含浸剤(CPSA)はPaper1に含まれるときには幾つかの良好な乾燥およ
び湿潤強さを提供した。しかし、この紙は非常に低い%伸び率で壊滅的に粉砕す
る(表2のコラム2参照)傾向があるから、非常に脆かった。この樹脂も、非常に
低い結合の紙(Paper2)に含浸したときに、機械方向において測定して3.1kgの湿
潤引張強さを有する劣った挙動を示した。ビニルエーテル樹脂、PSBおよびPSCは
様々な紙支持体の優れた引張強さを脆性を有せず示した。PSCの機械方向の湿潤
引張強さはPaper1を用いてエポキシ配合物と同等(13.9kgと14.2kg)であったが、
Paper2を用いて明らかに優れていた(6.5kgと3.1kg)。更
に、ビニルエーテル樹脂含浸紙の%伸び率は有意に大きく、特に横方向において
大きかった。
湿潤しわ試験の性能はビニルエーテル樹脂含浸剤を用いることの利点を更に示
す。ビニルエーテル含浸剤(PSB〜PSD)を評価したときに、研磨紙は許容できる柔
軟性を有した。CPSA含浸研磨紙は脆性のためにしわ試験で不合格であった。
被覆研磨製品を調製するための一般手順1
エチレンアクリル酸で下塗りした76μm(3.0ミル)ポリエステルフィルムに、ゴ
ムロール上の10cm幅のダイコーターを用いて、メーク樹脂を3.7g/m2の塗膜重量
で適用した。グレードP320の酸化アルミニウム無機物を73g/m2の塗膜重量で湿潤
メーク樹脂に静電塗装した。直ぐに、ウェブを1個の120ワット/cmのランプで照
射した。あるメーク樹脂は120℃で30分間の追加の熱による予備硬化を必要とし
た。172kPaの圧力で、9.1m/分の線速度でロールコーターによ
りサイズコート樹脂を適用し、38g/m2のサイズコートの乾燥塗膜重量とした。最
終の硬化は120℃で70分間であった。
被覆研磨製品を調製するための一般手順2
この手順は次のサイズコート適用および硬化条件を除いては手順1と同一であ
った。ステンレススチールトップロールおよび硬質ゴムボトムロールを有するロ
ールコーターによりサイズ樹脂を適用した。690kPaの圧力で0.5m/分での塗布に
より30g/m2の乾燥重量のサイズコートが生じた。ビニルエーテル構造体は30.5m/
分の速度で、115℃で25分間および125℃で25分間、120ワット/cmのFusion Syste
ms D-bulbの下での6パスを必要とした。
比較例C1〜C4および例1〜4
P320グレードの構造体中でのメークおよびサイズコート層としてのビニルエー
テル樹脂の使用により、被覆研磨製品中でのビニルエーテル樹脂の有効性を更に
示す。カチオン硬化したメークまたはサイズコートを比較例として与えた。表3
は例の構造体で用いたメークコート配合物(配合物E、FおよびG)およびサイズコ
ート配合物(HおよびI)を要約する。表4は熱的に硬化したフェノール/アミンサイ
ズコート配合物を記載するものである。
期待製品性能の基礎として、2種の市販のグレードP320被覆研磨製品を用いた
。比較例C1はMinnesota Mining and Manufacturing Companyから市販のグレード
P320 255 Production Frecut Filmであった。Frecutのスーパーサイズをシーフ
ァー試験の前に溶剤により除去した。C2もMinnesota Mining and Manufacturing
Companyから市販のグレードP320 213Q Imperial Wetordy Production Paper A
重量であった。
表5はシーファー研削性および仕上データを要約する。例1〜2およびC3は電磁
線硬化性メークコート(樹脂E、FおよびG)並びに
熱硬化性フェノールサイズコート(樹脂J)でできていた。全ての3種の例はC1およ
びC2について測定された研削量の間にある研削性能を有した。しかし、C3は許容
される性能を達成するために更なる熱硬化工程(120℃で30分間)が必要であった
。更に、表面仕上(RaおよびRtm)は2種のビニルエーテルメークコート(例1および
2)と比較してエポキシの試料では有意に劣っていた。
例3〜4およびC4において、メークおよびサイズ樹脂はカチオン硬化性配合物で
あった。研削物のいずれも市販の製品ほどには高くなかったが、構造体は研磨さ
れた加工物に非常に滑らかな仕上を残した。更に、ビニルエーテル構造体(例3お
よび4)は更なる熱処理を必要としなかった。エポキシ構造体(C4)は最も低い研磨
性を有し、そして、長い熱処理時間の欠点(115℃で25分)を有した。メークコー
トおよびサイズコートの両方において、カチオン硬化したエポキシの利点はない
であろう。というのは、この研磨製品は全てのフェノール構造体と同じ位多くの
熱処理を必要とするであろうからである。
表6は、表1および3に記載の電磁線硬化性樹脂で得られたヌープ硬度データを
要約する。これらのデータは被覆研磨製品構造体の異なる部分(含浸剤、メーク
コートまたはサイズコート)において、様々な硬化した樹脂の硬度要求ガイドラ
インとして用いられることができる。
例5
バリアコートの例
本例はビニルエーテル樹脂から調製したバリアコートの使用を示す。バリアコ
ート組成物は以下の配合を有する。15重量%のPEPC、35重量%のHBVE、50重量%のV
2020および2.5重量%のUVI-6990。メークコートの配合物は米国特許第5,178,636
号の表20、コラム33に記載のレゾールフェノールおよびジアクリレートモノマー
のブレンドであった。この記載を本明細書中に参照により取り入れる。サイズコ
ートの配合物は表4の樹脂Jであった。支持体材料はKammerer GmbHのAbrasive Pa
per-Waterproof,Grey 010,115g/m2、719073であった。
バリアコートは17.0g/m2の乾燥塗膜重量にまで被覆され、メークコートは9.0g
/m2の乾燥塗膜重量を有し、そしてサイズコートは7.5g/m2の乾燥塗膜重量を有し
た。
バリアコートは0.025mm深さを有するMeyerバーで15x25cmの紙試料に適用され
た。120ワット/cmのFusion Systems D-bulbの下に15.5m/分の速度で8回、塗膜を
通過させることにより硬化を行った。メークコートもMeyerバーで適用し、そし
てUV-bulbに32.0m/分で1回、通過させることにより部分的に硬化させた。グレー
ド1200炭化珪素無機物(Fujimi)をメークコートにドロップコートし、約24.0g/m2
の無機物重量を提供した。メークコートを116℃で30分間加熱することにより熱
硬化させた。被覆研磨製品を調製するための一般手順2に見られる記載により、
ロールコートした。研磨製品を、その後、70℃で120分間硬化した。
ビニルエーテル樹脂のバリア層を研磨製品に含めたときに、仕上は特に影響が
なかったが、研削性は大きく改善した。
本発明の様々な改良は本発明の範囲および原理を逸脱することなく当業者に明
らかであろう。そして、本発明は上記の例示の態様に過度に制限されるべきでな
いことが理解されるべきである。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
B32B 27/30 102 9633−4F B32B 27/30 102
(72)発明者 ラーソン,エリック ジー.
アメリカ合衆国,ミネソタ 55133―3427,
セント ポール,ポスト オフィス ボッ
クス 33427(番地なし)