【発明の詳細な説明】
内部循環流動床燃焼システム
発明の背景
本発明は、燃焼システム、さらに詳述すれば、品質及び水分含量が異なる各種
の燃料、特に高水分含量の木材廃棄物及び紙脱インク固状物の燃焼に適する流動
床燃焼システムに係る。
多くの国では、森林は、木材、パルプ及び紙の資源以上のものである。森林は
これらの国の景色及び環境の重要な要素でもある。さらに、これらの国の多くの
コミュニティーの経済的バックボーンを含むと共に、これらの国のための相対的
な優位性及び対外交易の主な資源を構成する。
1990年代のパルプ及び紙工業は、環境問題に対して、特に流出物の放出を低減
させることに対して多大の費用をついやし続けることが予想される。これに関連
して、二次的な流出物の処理がスラッジ(多くの製紙工場によって発生されてい
る)の量を増大させる原因となっている。一般的に、このようなスラッジは、現
在のところ、埋立されるか又は焼却されている。
上述の事実に加えて、パルプ及び紙工業に関する今日の大きな市場では、この
市場分野における急激な成長に反映されるように、リサイクル紙製品が求められ
ている。現在多くの製紙工場でオンサイト(on−site)発生されつつあるスラッ
ジの量及び特性の問題の上に、さらに、このような紙のリサイクル及びこれに関
連する脱インク操作の問題が加わることが予測される。
このため、現在、紙のリサイクル技術は成長期間にあり、この間に多くの技術
開発及び発展が促進されるであろう。さらに、リサイクル及び脱インク設備の設
置は、世界中の消費者が関心をよせる製品を製造することを可能にするであろう
。このように、パルプ及び紙工業が直面している目標は、真に廃棄の問題以上に
脱インク法の副生物を考察することである。
現在、最も一般的に使用されている脱インク法は、紙廃棄物を洗浄及びNaOHで
処理する浮選である。この処理は、繊維の膨潤を生じさせ、これにより、紙廃棄
物中に含有されるインク粒子及びコーティング物質を放出させる。ついで、繊維
を漂白又は「白色化」し、インク粒子を分散させるために過酸化物(H2O2)及び
界面活性剤を添加する。この工程でインク粒子は疎水性となり、上昇しつつある
気泡に付着し、これにより、インク粒子を泡の形で除去することが可能となる。
除去されたインク粒子は、除去されるコーティング物質及びリジェクト及び水と
共に、一般に「脱インクスラッジ」と称される湿ったマスを形成する。現在の機
械的な脱水技術は、その中に含まれる廃棄繊維のスポンジ効果のため、脱インク
スラッジの水分含量を40〜
60%に低減させるにすぎない。250トン/日の能力の代表的な脱インクプラン
トでは、紙のリサイクル及び脱インク操作の副生物として、脱インクスラッジか
ら約20(乾燥)トン/日の紙脱インク固状物が生じている。
これらの紙脱インク固状物によって何ができるかという点に注目が集まってい
るため、各種のオプションが考えられている。たとえば、少なくとも1つの製紙
工場では、紙脱インク固状物を土壌のコンディショニング添加剤として使用して
いる地方の農場に、脱水固状物を輸送するとのプログラムが始まっている。一方
、脱水した紙脱インク固状物の埋立は、その廃棄の最も安価な方法であると見ら
れている。しかしながら、規則又は経済性により、紙脱インクスラッジの他の廃
棄方法の開発が求められると共に、これ以降数年間にわたって紙脱インク固状物
スラッジが生ずることが予測されている。
紙脱インク固状物の他の廃棄方法の1つとして焼却が考えられる。これに関連
して、焼却法が有していると認められる利点は、紙脱インク固状物の無機成分を
再使用のために回収できることである。
従来技術では、物質の焼却に適する燃焼システムが提供されてきた。さらに詳
述すれば、異なる種類の多数の物質を焼却するために使用される各種燃焼システ
ムの例が多数存在する。これに関連して、上述の燃焼
システムの個々のものの間には、構造上の認識できる差異が存在することが認め
られる。このような差異の存在は、主として、当該燃焼システムが使用される各
用途に応ずる多様な機能的要求によるものである。たとえば、特別な用途に使用
する特殊なタイプの燃焼システムの選択に当たり配慮されなければならない主な
ファクターの1つは、燃焼システムを使用して焼却する物質の性質である。
廃棄物は、その焼却のために燃焼システムが使用されてきた対象物の1つであ
る。さらに、流動床燃焼システムは、これに関連して使用されている燃焼システ
ムの1形態である。具体例として制限されることなく例示すれば、廃棄物の焼却
のために使用されてきた流動床燃焼システムの従来形式の1例は、英国特許第1,
299,125号(発明の名称「流動床焼却における改良」;1972年12月6日公告)
の目的物を構成するものである。英国特許第1,299,125号の教示によれば、熱い
粒状耐火性物質の床が焼却容器(床の1領域の上方に第1開口を及び第1領域か
ら水平方向に離れた第2領域の床の基底部に近接して第2開口を有する)内で形
成されるような可燃性ごみの焼却を行う方法及び装置が提供される。熱い粒状耐
火性物質の床は、第1領域よりも第2領域において床の撹拌度が大きくなり、こ
れにより、焼却容器内における第1領域から下方に第2領域に向かう方向で床の
物質が循環するよう不均一な
態様で流動化される。第1開口を介して、熱い粒状耐火性物質の床の表面に可燃
性及び非可燃性のごみの混合物を導入して、ごみの可燃性成分を床内で燃焼させ
、ごみの非可燃性成分を第2開口を介して取り出す。
具体例として制限されることなく例示すれば、廃棄物の焼却にこれまで使用さ
れてきた流動床燃焼システムの他の例は、米国特許第4,419,330号(発明の名称
「流動床タイプの熱反応器」;1983年12月6日発行)の目的物を構成するもの
である。この米国特許第4,419,330号の教示によれば、都市ごみの焼却を行う流
動床タイプの焼却装置が提供される。この流動床タイプの焼却装置はブロワー(
焼却装置の下方部に配置された拡散手段を介して焼却装置内に上方に向かって流
動化ガスを供給し、これによってプレート手段上で流動媒体及び砂を流動化させ
る)を包含する。流動媒体は、上方に向かって注入されたガスによって焼却装置
の側壁に近接して上方に強制的に移動され、これによって、媒体の流れは傾斜し
た偏向壁に対向して向けられ、ここで回転する流動流と共に、回転流の間に降下
する床が形成される。回転する流動流及び降下する床の存在のため、都市ごみは
、焼却装置への充填前に予め破断されない場合であっても、流動が妨げられるこ
となく充分に焼却される。
具体例として制限されることなく例示すれば、廃棄物の焼却にこれまで使用さ
れてきた流動床燃焼システ
ムの従来技術による形態のさらに他の例は、米国特許第4,823,740号(発明の名
称「熱反応器」;1989年4月25日発行)の目的物を構成するものである。この
米国特許第4,823,740号の教示によれば、その内部で流動媒体が実質的に2つの
循環領域A及びB(これらの間に降下する床が存在する)を形成するような都市
廃棄物の焼却を行うための流動床型熱反応器が提供される。さらに、降下する床
で燃焼される物質は、逆方向で循環する領域A及びBの存在のため、ここに同伴
される。加えて、当該熱反応器は、循環領域A及びBの各々の最外壁上にチャン
バーを具備し、これによって流動床の一部をこれらチャンバーの各々に向かわせ
、ここを通過する加熱された流動媒体から熱エネルギーを回収することが可能に
なる。
具体例として制限されることなく例示すれば、廃棄物の焼却にこれまで使用さ
れてきた流動床燃焼システムの従来技術による形態のさらに他の例は、米国特許
第4,879,958号(発明の名称「2つの領域燃焼を伴う流動床反応器」;1989年1
1月14日発行)の目的物を構成するものである。この米国特許第4,879,958号
の教示によれば、循環する耐火性物質及び燃料が1対の流動床(各々はサイド・
バイ・サイドで回転する)を形成するような流動床熱反応器が提供される。この
流動床熱反応器も、熱反応器を上方燃焼領域及び下方燃焼領域に分画するよう機
能する中空体を包含し、反
応器の基底部を通るガス流を選択し、中空体の偏向表面を選択的に配置すること
によって耐火性物質及び燃料の所望の流れ方向、すなわち、反応器の中心では上
方へ、その外方端では上方及び下方への流れが形成される。
具体例として限定されることなく例示すれば、廃棄物の焼却にこれまで使用さ
れてきた流動床燃焼システムの従来技術による形態のさらに他の例は、米国特許
第5,138,982号(発明の名称「内部循環流動床型ボイラー及び該ボイラーの制御
法」;1992年4月18日発行)の目的物を構成するものである。この米国特許第
5,138,982号の教示によれば、可燃物供給装置によって提供される側壁に近い部
分の流動媒体が激しく上下に動くことがなく、弱い流動を呈する移動床を形成す
るような循環型流動床焼却装置が提供される。移動床の幅は、各空気チャンバー
から注入される空気の質量流量の相違のため、その上方部で狭く、下方部で広い
。すなわち、移動床のテール端は選ばれる空気チャンバーの上に拡がり、これに
より、流動媒体はこれらのチャンバーからの大きな質量流量によって上方に向か
って吹付けられて、ここから移動し、残る空気チャンバー上の移動床の一部は重
力によって降下する。このような流動床の一部の下方への移動によって、流動媒
体は移動床の上方部へ向かう循環流を伴って流動床から補充され、これを繰返す
ことにより、全体として循環
流動床が移動する。
上述の特許の教示に従って構成された流動床燃焼システムは、これまでのとこ
ろ、実際の操作条件下において所望の目的に適した性能を発揮しているが、これ
に変更を加えたいとの要求がある。さらに詳述すれば、従来技術において、特に
高い水分含量(すなわち60%未満)及び従来技術による燃焼装置の使用によっ
ては燃焼を困難なものとするアッシュ含量を有する木材廃棄物/スラッジ(すな
わち木材廃棄物/紙脱インク固状物)混合物の焼却に適する新規かつ改良された
流動床燃焼システムについての要求が明らかになりつつある。さらに、特に多数
の点で特徴づけられる新規かつ改良された流動床燃焼システムに関する要求があ
る。このため、新規かつ改良された流動床システムが望ましくは有するべき特性
の1つは、一般に不均一な高水分含量の木材廃棄物/スラッジ(すなわちバイオ
マス)混合物を計量し、新規かつ改良された流動床燃焼システムに高い信頼性で
導入できることである。新規かつ改良された流動床燃焼システムが望ましくは有
するべき他の特性は、バイオマス混合物を最少の固体粒子キャリーオーバーかつ
最少の電力消費で乾燥させうることである。新規かつ改良された流動床燃焼シス
テムが望ましくは有するべき第3の特性は、増大された固状物の内部循環(これ
により、流動床の幅/深さ/高さ、アーチの幾何形状/位置、床のスロープ、流
動化空気
の速度、流動化空気ノズルの間隔及び床の粒径分布が最適化される)を提供でき
ることである。新規かつ改良された流動床燃焼システムが望ましくは有するべき
第4の特性は、新規かつ改良された燃焼システムへの導入の際、バイオマス混合
物を熱い固状物で覆うことができると共に、その後、床の固状物の内部循環を介
してバイオマス混合物の横方向への分散を行うことができることである。新規か
つ改良された流動床燃焼システムが望ましくは有するべき第5の特性は、不活性
物質/トランプ(tramp)物質を流動床の最下部で分離して、非機械式の床浄化
装置によってその除去を可能にすることである。新規かつ改良された流動床燃焼
システムが望ましくは有するべき第6の特性は、冷却の間に不活性物質/トラン
プ物質から回収された熱を、新規かつ改良された流動床燃焼システムに戻すこと
ができることである。新規かつ改良された流動床燃焼システムが望ましくは有す
るべき第7の特性は、不活性物質/トランプ物質に加えて大きい粒径の固状物を
非機械式の床浄化装置によって新規かつ改良された流動床燃焼システムから除去
できることである。新規かつ改良された流動床燃焼システムが望ましくは有する
べき第8の特性は、活発な固状物の内部循環を提供し、これによって、アグロメ
レーションが床/フリーボード遷移区域において壁から除去されるため、アグロ
メレーションが床内で破壊されるため及び不充分な固状
物の混合による局部的なホットポイントの発生を最少にできるため、バイオマス
混合物の大きなアグロメレーションが生ずる機会を減少できることである。新規
かつ改良された流動床燃焼システムが望ましくは有するべき第9の特性は、全体
の配置がコンパクトであり、既存の蒸気発生器への改装に申し分なく適合するこ
とである。新規かつ改良された流動床燃焼システムが望ましくは有するべき第1
0の特性は、床温度の維持及びオーバーファイアー空気制御が簡単な制御装置に
よって可能であることである。新規かつ改良された流動床燃焼システムが望まし
くは有するべき第11の特性は、従来技術による形式の流動床燃焼システムでは
、負荷の減少につれて、流動床の不調を回避するために過剰空気を増大させ、オ
ーバーファィァー空気を減少させなければならないのに対して、負荷が減少する
際、流動床の選ばれた部分に対する空気流量を減少させることによって、過剰空
気のレベルを比較的一定に維持できることである。要約すれば、従来技術では、
廃棄物、及び特に木材廃棄物/スラッジ(すなわち、主に紙及びパルプ工業にお
いて行われる紙リサイクル及び脱インク操作の副生物として発生する木材廃棄物
/紙脱インク固状物)の焼却に特に適用される新規かつ改良された流動床燃焼シ
ステムについての要求があった。
従って、本発明の目的は、特に廃棄物の焼却に適する新規かつ改良された燃焼
システムを提供することに
ある。
本発明の他の目的は、流動床タイプであることによって特徴づけられる廃棄物
焼却用の新規かつ改良された燃焼システムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、廃棄物がバイオマス物質でなるものである際、当
該廃棄物の焼却に特に適する新規かつ改良された流動床燃焼システムを提供する
ことにある。 本発明の他の目的は、バイオマス物質が、紙及びパルプ工業によ
って行われる紙のリサイクル及び脱インク操作の副生物として発生された木材廃
棄物/紙脱インク固状物でなるものである際、当該バイオマス物質の焼却に特に
適する新規かつ改良された流動床燃焼システムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、木材廃棄物/紙脱インク固状物を焼却前に乾燥処
理することを特徴とする当該木材廃棄物/紙脱インク固状物焼却用の新規かつ改
良された流動床燃焼システムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、木材廃棄物/紙脱インク固状物の乾燥と共に、流
動床燃焼システムに導入され際、当該木材廃棄物/紙脱インク固状物を熱い固状
物で覆うことを特徴とする木材廃棄物/紙脱インク固状物焼却用の新規かつ改良
された流動床燃焼システムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、木材廃棄物/紙脱インク固状物に同伴される各種
の不活性物質/トランプ物
質及び大きい粒径の固状物を分離し、その後、流動床燃焼システムから除去する
ことを特徴とする新規かつ改良された流動床燃焼システムを提供することにある
。
本発明のさらに他の目的は、冷却の間に不活性物質/トランプ物質及び大きい
粒径の固状物の両方から熱を回収し、ついで流動床燃焼システムに再循環するこ
とを特徴とする木材廃棄物/紙脱インク固状物焼却用の新規かつ改良された流動
床燃焼システムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、焼却が環境に対して効果的かつ有効な態様で行わ
れる木材廃棄物/紙脱インク固状物焼却用の新規かつ改良された流動床燃焼シス
テムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、従来の用途だけでなく、新たな用途での使用にも
等しく適していることを特徴とする新規かつ改良された流動床燃焼システムを提
供することにある。
本発明のさらに他の目的は、使用が容易であること、操作が信頼できるもので
あること、しかも比較的安価であることによって特徴づけられる木材廃棄物/紙
脱インク固状物焼却用の新規かつ改良された流動床燃焼システムを提供すること
にある。
発明の要約
本発明の1態様によれば、特に高い水分含量を有するバイオマス物質の焼却を
行うための流動床燃焼シス
テムが提供される。目的の流動床燃焼システムは、高水分含量のバイオマス物質
の焼却が行われる流動床燃焼器を包含する。流動床燃焼器は、床固状物でなりか
ついくつかの制御された流動速度区域を体現する流動床を包含する。これらの制
御された流動速度区域の1つは、比較的高い流動速度及び比較的低い流動床密度
を有し、これら制御された流動速度区域の他の1つは、比較的低い流動速度及び
比較的高い流動床密度を有する。比較的高い流動速度をもつ制御された流動速度
区域は、床固状物を方向案内するバッフル(床固状物方向案内バッフル)によっ
て限定されている。この床固状物方向案内バッフルは、流動床内に隠れる部分及
び流動床上に延びる残りの部分を有し、床固状物方向案内バッフルの傾斜角度に
沿って床固状物方向案内バッフルの端に達するまでの上方への床固状物/ガス混
合物の流動床内でのモメンタムを最大にするため、流動床に導入される空気によ
って生ずる気泡の流動床の床固状物/ガス混合物内での成長を促進するように設
計されており、これにより、気泡の破壊によって生じる力と共に、床固状物/ガ
ス混合物によって所有されるモメンタムが、床固状物/ガス混合物から流動床の
反対側へ床固状物を放出させる(放出された床固状物は流動床上にふりそそぐ)
ように機能する。比較的低い床密度を有する比較的高い流動速度区域における床
固状物の上方への動きは、床固状物の上方への動きによ
って生じたボイドの結果として、流動床の比較的低い流動速度区域(比較的高い
床密度を有する)から流動床の比較的高い流動速度区域へと床固状物を取り出す
ように機能する。このようにして、流動床内において床固状物の循環が形成され
る。すなわち、床固状物方向案内バッフルに沿った床固状物/ガス混合物の動き
、つづく、床固状物の流動床の他の側(すなわち比較的低い速度区域)への放出
、及び自然流動現象を介しての流動床の比較的低い流動速度区域から比較的高い
流動速度区域へ(すなわち、比較的高い床密度部分から比較的低い床密度部分へ
)のこれら床固状物の最終的な戻りが生ずる。つづいて述べれば、目的の流動床
燃焼システムは、さらに当該流動床燃焼システムを介して焼却されるバイオマス
物質に同伴される不活性物質/トランプ物質及び大きい粒径の固状物の分離及び
つづく流動床燃焼器からの除去を行うよう機能する分離及び除去手段を包含する
。加えて、目的の流動床燃焼システムは、焼却されるべきバイオマス物質の流動
床燃焼器への導入を行うよう機能する物質供給手段を包含する。このため、この
物質供給手段は、燃焼されるバイオマス物質を流動床の比較的低い流動速度区域
上で流動床燃焼器に導入するよう機能する。物質供給手段によって導入されたバ
イオマス物質は、初めに比較的低い流動速度区域内の流動床の頂部で浮遊するか
又は重力の作用によって直ちに流動床に引き込まれる。
いずれにしても、ある程度までは、バイオマス物質は初めに流動床の頂部で浮遊
し、まもなく流動床の他の側(すなわち比較的高い流動速度区域)から放出され
た後にふりそそぐ熱い床固状物によって覆われるようになる。これらの熱い床固
状物によって覆われた結果、バイオマス物質はこれらと混合するだけでなく、迅
速に乾燥処理を受け、つづいて燃焼され、その間に水蒸気及び揮発性物質が同時
にバイオマス物質から放出される。このようなバイオマス物質の乾燥及び燃焼は
、バイオマス物質が熱い床固状物及び流動床燃焼器からの放射熱、燃焼ガス及び
熱い床固状物からの対流熱及びふりそそぐ熱い床固状物(流動床内でバイオマス
物質と混合する)との直接接触を受けることによって生じる。
本発明の他の態様によれば、特に高い水分含量を有するバイオマス物質の焼却
用の流動床燃焼システムを作動させる方法が提供される。目的の流動床燃焼シス
テムの運転法は、床固状物でなる流動床を体現する流動床燃焼器を提供し;流動
床内の一方の側で第1の制御された流動速度区域(比較的高い流動速度及び比較
的低い流動床密度を有する)を確立し;流動床内の他の側で第2の制御された流
動速度区域(比較的低い流動速度及び比較的高い流動床密度を有する)を確立し
;流動床の第1の制御された流動速度区域内の床固状物/ガス混合物内での気泡
の成長を促進し;気泡の破
壊によって生ずる力と共に、床固状物/ガス混合物によって所有されるモメンタ
ムの結果として、床固状物を流動床の第1の流動速度区域から流動床の他の側に
放出させ;焼却されるべき物質を流動床の第2の制御された流動速度区域上で流
動床燃焼器に導入し;このように導入された焼却されるべき物質を、第1の制御
された流動速度区域から第2の制御された流動速度区域に放出された後ふりそそ
ぐ熱い床固状物によって覆い;熱い床固状物及び流動床燃焼器からの放射熱、熱
い床固状物から及び物質の燃焼によって発生した燃焼ガスからの副射熱及び物質
とふりそそぐ熱い床固状物との直接接触(これにより、物質は流動床内で混合さ
れる)を受けることによって物質の乾燥及びつづく燃焼を行い;流動床内で床固
状物の循環を生じさせ(熱い床固状物は、流動床の第1の制御された流動速度区
域から流動床の第2の制御された速度区域に放出され、自然流動現象を介して流
動床の第2の制御された流動速度区域から流動床の第1の制御された流動速度区
域に戻される);及び焼却のため流動床燃焼器に導入される物質に同伴される不
活性物質/トランプ物質及び大きい粒径の固状物の分離及びその後の流動床燃焼
器からの除去を行う各工程を包含する。
図面の簡単な説明
図1は、本発明に従って構成された流動床燃焼システムの1具体例の概略縦断
面図であり;
図2は、本発明に従って構成された流動床燃焼システムの他の具体例の概略縦
断面図であり;
図3は、本発明に従って構成された流動床燃焼システムに設置されうるプレ乾
燥手段の概略縦断面図であり;及び 図4は、本発明に従って構成された流動床
燃焼システムに設置されうる除去手段の他の具体例の概略縦断面図である。
好適な具体例の説明
次に、図面、特に図1を参照すると、この図には、本発明に従って構成された
流動床燃焼システム(参照符号10で示される)が図示されている。図1に示さ
れたように、流動床燃焼システム10の主な部材は、流動床燃焼器12、物質供
給手段14及び除去手段16である。
流動床燃焼システム10の上記部材の各々について詳細に説明する。初めに流
動床燃焼器12について述べる。流動床燃焼器12は、図1に示されたように、
上方部分18及び下方部分20を包含する。後にさらに充分に説明するが、流動
床燃焼器12の下方部分20では、流動床燃焼器12に導入された燃焼されるべき
物質の燃焼(すなわち焼却)のいくらかが行われる。流動床燃焼器12の下方部
分20での物質の燃焼から生じた熱いガスは流動床燃焼器12内を上昇する。流
動床燃焼器12における上昇の間に、熱い燃焼ガスは、流動床燃焼器の壁22を
構成する管群(図面における
説明の明確さを維持するために図示していない)を通過する流体に熱を与える。
その後、熱い燃焼ガスは流動床燃焼器12の上方部分18から出る。熱い燃焼ガ
スが流動床燃焼器12の壁22を構成する管群を通過する流体に熱を付与する例
では、このような熱は、管群を通過する流体(すなわち水)を水蒸気に変換させ
るよう機能する。ついで、この水蒸気自体は、発電に限定されることなく、工業
的プロセスにおける加熱等を含む各種の目的に使用される。
流動床燃焼器12の説明を続けると、図1を参照して最もよく理解されるよう
に、流動床燃焼器12は、その下方部分20において流動床24を具備している
。流動床24は床固状物(本発明の最良の具体例によれば、好ましくは砂でなる
)でなる。容易にするため、流動床24の上方レベルを、図1において参照符号
26で示している。流動床24は、図1において破線で示す空気分配器28上に存
在している。空気分配器28は各種の形状をとりうる。すなわち、空気分配器2
8は、本発明の本質を逸脱することなく、格子、分配プレート等で構成される。
後に述べる部分でも参照するが、図1を参照して最もよく理解されるように、空
気分配器は、比較的傾斜度の大きい第1部分28a、傾斜度の小さい部分28b
及び傾斜度のさらに小さい部分28cを包含する。
図1に示す本発明の1具体例によれば、空気分配器
28の下に3つのアンダーベッド空気プレナム30、32、34が設けられてい
る。図1には3つのアンダーベッド空気プレナム30、32及び34が図示され
ているが、本発明の本質を逸脱することなく、その数は3より大又は3より小で
あってもよいことが理解されなければならない。アンダーベッド空気プレナム3
0、32及び34は、流動床24をいくつかの制御された流動速度区域に分画す
るよう機能する。このため、アンダーベッド空気プレナム30、32及び34か
ら予め選択された速度で流動床に空気が注入される。図面には示していないが、
アンダーベッド空気プレナム30、32及び34の各々は流体流動関係で外部に
設置された流体源(ここから、流動化空気の所望速度での流動床24への注入を
行うように、アンダーベッド空気プレナム30、32及び34に流動化空気を供
給する)に接続されていることが理解されなければならない。さらに詳述すれば
、空気は、たとえば0.6〜0.9m/秒(2〜3フィート/秒)の比較的低い流動速
度でアンダーベッド空気プレナム30から流動床24に注入され、一方、アンダー
ベッド空気プレナム34からは、たとえば1.5〜3.6m/秒(5〜12フィート/
秒)の比較的高い流動速度で空気が流動床24に注入される。これにより、アン
ダーベッド空気プレナム30の上の流動床24内で比較的低い流動速度が、アン
ダーベッド空気プレナム34の上の流動床24内で
は比較的高い流動速度が確立される。このような流動床24内での比較的低い及
び比較的高い流動速度区域の確立に付随して、流動床24において、比較的高い
床密度の区域及び比較的低い床密度の区域も確立される。すなわち、アンダーベ
ッド空気プレナム30の上の流動床24(比較的低い流動速度区域が存在する)
内の床密度は比較的高く、一方、アンダーベッド空気プレナム34の上の流動床
24(比較的高い流動速度区域が存在する)内の床密度は比較的低い。
図1を参照して最もよく理解されるように、流動床24の比較的高い流動速度
区域の一部はバッフル36で限定される。このため、バッフル36は流動床燃焼
器12の外壁22の一部の傾斜部分を構成する。このように、バッフル36は、
流動床24のレベル26より下の部分36a及び流動床24のレベル26より上
の部分36bを有するよう構成されている。本発明の最も好適な具体例によれば
、バッフル36の傾斜角度は、好ましくは水平面から30〜45°である。さら
に、図1に示すバッフル36は、好ましくは、従来の耐火物タイプの物質(かか
る目的での使用に適する)でなるライナー38を具備している。
説明を続けると、バッフル36は、流動床24の比較的高い流動速度区域内で
床固状物の方向案内を行うよう機能するものである。さらに詳述すれば、バッフ
ル36は、床固状物/ガス混合物(この混合物は、ア
ンダーベッド空気プレナム34から空気分配器28を通る流動化空気の注入によ
って流動床24の比較的高い流動速度区域で生成される)と関連する気泡の成長
を促進する。流動床24の比較的高い流動速度区域内での床固状物/ガス混合物
と関連する気泡の成長は、バッフル36の傾斜に沿ってバッフル36の長さの端
までの床固状物/ガス混合物のモメンタムを最大にするため促進される。床固状
物/ガス混合物のモメンタム自体は、流動床24のレベル26よりも上にあるバ
ッフル36の端に達した際の床固状物/ガス混合物のモメンタムが、気泡の破壊
によって生ずる力と共に、床固状物/ガス混合物の床固状物の流動床燃焼器12
の他の側への放出を行い、重力の影響下にあるこれら床固状物が流動床24の比
較的低い流動速度区域(アンダーベッド空気プレナム30の上に位置する)にふ
りそそぐに充分であるように最大とされる。このような床固状物の放出は、図1
において、参照符号40で示す矢印によって表示されている。流動床24の比較
的高い流動速度区域(比較的低い床密度を有する)内における床固状物/ガス混
合物の上方への移動は、このような上方への移動によって生じた空隙へ流動床24
の比較的低い流動速度区域(比較的高い床密度を有する)から床固状物を引き込
むように働く。その結果、流動床24内で流動床固状物の循環が生ずる。すなわ
ち、床固状物/ガス混合物は、流動床24の比較的高
い流動速度区域内、ついでバッフル36の長さに沿って上方に移動し、ついで、
床固状物が流動床燃焼器12の幅を横切って放出され、流動床24の比較的低い流
動速度区域上にふりそそぎ、最後に、自然流動現象を介して流動床24の比較的
低い流動速度区域から比較的高い流動速度区域に戻され、かかるプロセスが再度
繰返される。
次に、本発明の流動床燃焼システム10の物質供給手段14について説明する
。この目的のため再度図1を参照する。図1を参照すると、流動床燃焼器12内
で焼却(すなわち燃焼)されるべき物質(図中、矢印42で示す)(たとえば、
木材廃棄物/スラッジ、木材廃棄物/紙脱インク固状物等のバイオマス物質)は
、好ましくはビン44から供給される。図1に示すように、ビン44には協働す
るようにスクリュー手段46が組合されている。スクリュー手段46の大きいシ
ャンク径のスクリューフィーダーの作動を介して物質42がビンから供給され、ス
クリュー手段46のスクリュー先端に達したところで、ここから排出され(図中
、参照符号42aで示す)、ロータリーエアロック手段48に達する。ロータリ
ーエアロック手段は、図1に示すように、スクリュー手段46とシュート50と
の間に介在する。公知の如く、ロータリーエアロック手段48は、当該ロータリ
ーエアロック手段48からシュート50に物質(図中、参照符号42bで示す)
を
排出する複数個のロータリーフィーダーを有する。シュート50は、図1を参照
して理解されるように、急勾配で傾斜しており、好ましくは耐火材料でライニン
グされる(図面では説明の明確性を維持するため図示していない)。さらに、シ
ュート50は、図中、矢印51で示すように、その各種の位置で、シュート50
内での物質42bの流下を助けるため流動化空気及び/又は循環ガスが好ましく
は供給される。ついで、物質42は、シュート50の比較的急勾配の斜面によっ
て生ずる物質42bに対する重力の影響及びシュート50に注入される流動化空
気51の援助のためシュート50を通って流下される。
物質供給手段14の説明を続けると、図1を参照して最もよく理解されるよう
に、シュート50は流動床24の真上、さらに詳しくは、その比較的低い流動速
度区域の上で開口している。このため、物質42bは、流動床24の比較的低い
流動速度区域上に導入(すなわち注入)され、これにより、物質42bは、初め
に流動床の比較的低い流動速度区域内の流動床24の頂部で浮遊するか、又はた
とえば重力の影響によって流動床24に直ちに引き込まれる。さらに、ある程度
は、物質42bは初めに流動床24の頂部で浮遊し、流動床24の他の側(すな
わち比較的高い流動速度区域)から放出された後にふりそそぐ熱い床固状物によ
って速やかに覆われるようになる。これらの熱い床固状物
に覆われる結果、物質42bは混合されるだけでなく、迅速に乾燥、つづいて燃
焼(すなわち焼却)され、この間に、水蒸気及び揮発性物質が同時に物質42b
から放出される。物質42bのこのような乾燥及び燃焼(すなわち焼却)は、当
該物質42bが熱い床固状物及び/又は流動床燃焼器12からの放射熱、供給さ
れた物質42bと当該物質42bの燃焼から生じた燃焼ガスの相互作用からの副
射熱及び流動床24内に存在するものの上にふりそそぐ熱い床固状物との直接接
触を受けることによって生ずる。自然流動現象に従い、物質42bは、流動床2
4内で、その比較的低い流動速度区域から比較的高い流動速度区域へ移動するた
め、物質42bは乾燥、揮発性物質の除去及び燃焼を受けつづける。比較的高い
速度区域に注入される空気の量の結果として流動床24の比較的高い流動速度区
域内で利用できる酸素比率が高いため及び物質42bが流動床24の比較的高い
流動速度区域に達する時まで物質42bは乾燥される(必ずしも完全ではない)
との事実により、物質42bの燃焼は流動床24の比較的高い流動速度区域内で
増大された率で進行する。流動床24内での物質42bの燃焼から生じた微粉は
、流動床燃焼器12の上方部分18に飛散するため燃焼しつづける。流動床燃焼
システム10の図示した具体例によれば、流動床燃焼器12の上方部分18にお
いて、流動床燃焼器12の上方部分18に飛散する物質42b
を完全に燃焼させるため、二次空気52が流動床燃焼器12の対向する壁22か
ら導入(すなわち注入)される。二次空気52は、熱い床固状物の流動床燃焼器
12の上方部分18への飛散を防止するためのカーテンとしても働く。
次に、流動床燃焼システム10の除去手段16について説明する。このため、
図1を再び参照する。図1を参照して最もよく理解されるように、本発明の最良
の具体例によれば、空気分配器28は、好ましくは、流動床24の比較的低い流
動速度区域の下にある部分28aから流動床24の比較的高い流動速度区域の下
にある部分28cに向かって下向きに傾斜している。区域分配器28のこのよう
な下向きの傾斜は、流動化空気を空気分配器28を介して流動床24に注入する
流動ノズル(図面の説明の明確性を維持するため図示していない)が空気分配器
28が傾斜する方向で配置されていることと共に、不活性物質/トランプ物質及
び大きい粒径の固状物(流動しにくいが、物質42b中に同伴される)を除去手
段16に向かって運ぶように機能する。
説明を続けると、図示した具体例による除去手段16はシールループ54の形状
をもつ。シールループ54は、その一方の端に形成されたドレーン開口を有する
第1脚54aを包含し、このドレーン開口は空気分配器28と並列関係で配置さ
れており、不活性物質/ト
ランプ物質及び大きい粒径の固状物を空気分配器28から受けとる。シールルー
プ54の第1脚54aは空気分配器28から空気プレナム34を通って流動床燃
焼器12の外部まで延び、ここでこの第1脚54aはシールループ54の第2脚
54bと接続している。好ましくは、シールループの第1脚54aに排出された
(すなわち、シールループ54の第1脚54aの端に設けられたドレーン開口を
通って流入した)不活性物質/トランプ物質及び大きい粒径の固状物と混合され
た微粉の流動/分級を行うため、流動/分級用空気56をシールループ54の第2
脚54bに導入(すなわち注入)する。流動/分級用空気によって分級された微
粉58は、シールループ54の第2脚54bに導入された空気60によって、再
注入のため流動床燃焼器12の下方部分20に再循環される(図示していない)か
、矢印62で示すように再注入のため物質供給手段14に再循環される。一方、
残る不活性物質/トランプ物質及び大きい粒径の固状物(すなわち微粉以外のす
べて)は、矢印64で示すように、シールループ54から、実際の廃棄前に、た
とえば冷却/熱回収ユニット(図示していない)(水中スクレーパーコンベア、
水冷中空フライトスクリューコンベアのようなものでもよい)又は熱回収流動床
に排出される。
このように、本発明に従って構成される流動床燃焼システム10の主な特性の
いくつかを要約すれば、こ
のような特性の1つは、バッフル36(流動床24内の部分36a及び流動床2
4よりも上に延びる部分36bを有する)が流動床24の比較的高い流動速度区
域を限定し、これにより、バッフル36の傾斜角度に沿って、図1に見られるよ
うに、バッフル36の上端に達するまでに床固状物/ガス混合物の上方向へのモ
メンタムを最大として、床固状物/ガス混合物及び気泡の破壊によって生ずるモ
メンタムが床固状物を流動床24の反対側に放出させ、流動床24の比較的低い
流動速度区域の頂部にふりそそぐようにする点にある。流動床24に存在する速
度の差によって生ずる流動床24の比較的低い流動速度区域と比較的高い流動速
度区域との間に存在する可変の床密度は、流動床24内における比較的低い流動速
度区域から比較的高い流動速度区域への床固状物の循環を促進する。
本発明に従って構成される流動床燃焼システム10の第2の特性は、物質42
(又はその一部)が流動床24の比較的低い流動速度区域の頂部に落下されるか
、又はその内部に運ばれる点にある。このため、床固状物の下方への動きは、物
質42のいくらかを流動床24の比較的低い流動速度区域に引き込み、ここで物質
を乾燥、部分的に熱分解し、さらに燃焼させるため流動床24の比較的高い流動
速度区域に向かって分散させる。物質42bの軽質部分(流動床24の比較的低
い流動速度区域の頂部上で浮遊する)は、流動床のバッ
フルで限定された比較的高い流動速度区域から放出された後ふりそそぐ熱い床固
状物で覆われ/混合する。流動床24の比較的低い流動速度区域にふりそそぐ熱
い床固状物は、流動床24から流動床燃焼器12の上方部分18に微粉が飛散す
る度合を低減させるためのカーテンとしても作用する。また、流動床24の比較
的低い流動速度区域内の低い速度は、微粉及び床固状物のここからの飛散を減少
にし、これにより、流動床燃焼器12のフリーボードにおける熱の放出を低減し
、物質42bの燃焼効率を増大させる。このように、このアプローチは流動床2
4における物質42bの燃焼を促進し、フリーボード燃焼を、流動床24上にふ
りそそぐ床固状物内に限定し、これによって、床固状物の滞留時間がより長い流
動床燃焼システムを提供する。
本発明に従って構成される流動床燃焼システム10の第3の特性は、オーバー
ファイアー空気と組合せてバッフルによって限定された比較的高い流動速度区域
を使用することにより、流動床24において低い化学量論量の空気による燃焼を
可能にし、これにより流動床の面積を小形化させることである。このような特性
は、流動床燃焼システム10によって既存の蒸気発生器(限られた利用空間を有
する)を改装するためには大いに必要である。さらに、流動床燃焼システム10
が流動床燃焼器12の上方部分への固状物のキャリーオーバーが比較的少ないこ
とによって特徴づけられる
との事実のため、既存の蒸気発生装置の上方部分及び下流の熱交換器を、かかる
蒸気発生装置を流動床燃焼システム10によって改装する際、最大限そのままに
しておくことが可能である。
本発明に従って構成される流動床燃焼システム10の第4の特性は、流動床2
4の上で注入される空気を使用するため、燃焼効率を犠牲にすることなく、NOx
の発生を低減させることが可能なままで流動床24において過剰空気を低減させ
ることができる点にある。流動床燃焼器12の上方部分18から注入される空気
についての最適速度及び分散のため、流動床24から流動床燃焼器12の上方部
分18への粒子の飛散が当該粒子を流動床24へ戻るように偏向させることによ
って最少になる。
本発明に従って構成される流動床燃焼システム10の第5の特性は、空気分配
器28と関連する流動化空気ノズルが、空気分配器28の頂部に存在する不活性
物質/トランプ物質又はクリンカーの流動化が困難なほど重いアグロメレーショ
ンをドレーン開口(シールループ54の第1脚54aに設けられている)に向か
って連続して運ぶような方向で配置されている点である。床固状物の高い内部循
環率も、オーバーサイズの物質のドレーン開口(シールループ54の第1脚54a
に設けられている)に向かう動きを促進し、このようにして、クリンカーの蓄積
及び流動床24の脱流動化
の危険を最少にする。
本発明に従って構成される流動床燃焼システム10の第6の特性は、除去装置
16により、微細粒子及び顕熱を、通過する不活性物質/トランプ物質及び大き
い粒径の固状物から回収できることにある。このように、除去装置16は、アッ
シュの処理を目的として一般的に使用されているタイプの熱回収装置の必要性を
最少又は解消する可能性を有する。
本発明に従って構成される流動床燃焼システム10の第7の特性は、流動床燃
焼システム10について、発泡床装置で使用されるものと同様のマルチ・ゾーン
・スタートアップ法を利用でき、これにより、流動床燃焼システム10が設けら
れる装置のスタートアップに関して多大の融通性を提供できることである。しか
しながら、これに関して、スタートアップ率は、使用する耐火絶縁体を温めるこ
とが必要であるとの事実及び又はその壁の厚さが大きいため、これに関連する蒸
気補助装置によって制限される。
本発明に従って構成される流動床燃焼システム10の第8の特性は、流動床2
4内での可変の速度区域の使用が、従来の単一速度流動床を越えるターンダウン
の利点を有することである。これは、流動床24内の速度区域間における空気及
び/又は負荷要求、物質42bの性質及び床固状物のサイズ分布に応じて流動床
24の上に注入される空気の分配に関して融通性が
あることによる。
本発明に従って構成される流動床燃焼システム10の第9の特性は、床固状物
のサイズ分布が、流動床24の比較的低い流動速度区域において好ましい流動化を
生じ、流動床24のバッフルで限定された比較的高い流動速度区域からその比較
的低い流動速度区域への床固状物の飛翔を最大とするように選択されることであ
る。
本発明に従って構成される流動床燃焼システム10の第10の特性は、非常に
高い水分含量の物質に適応でき、各種特性の異なる物質を同様に取扱うことがで
きることである。
図1に示す流動床燃焼システム10のサイズをスケールアップする必要がある
場合、これを達成する1つの方法が図2に示されている。すなわち、この目的の
ため、流動床燃焼システム10に、これ自体の鏡像を設置できる。参照を容易に
するため、図2の具体例の部材について、図1で使用しているものと同じ参照符
号の頭に1を付けて使用しており、これら部材の各機能は、頭に1のない参照符
号で図1に示す対応の部材と同じものである。
図2を参照して最もよく理解されるように、大きいサイズの装置にスケールア
ップするため、本発明に従って構成される流動床燃焼システム10を、それ自体
の鏡像を具備するように変更し、この結果、図2にお
いて参照符号110によって示すような流動床燃焼システムが形成される。図2の
流動床燃焼システム110は1つの操作様式を体現し、これにより、その内部にお
いて、流動床燃焼器112の中心に向かうバッフルによって限定された流動床固状
物/ガスの動きが生ずる。この目的のため、図2を参照して最もよく理解される
ように、流動床燃焼システム110はパント−レッグ(pant−leg)タイプの配置6
6を有する。
図2の流動床燃焼システム110の説明を続ければ、その操作の様式に応じて、
物質が物質供給手段114によって流動床燃焼器112に供給され、これにより、図2
を参照して最もよく理解されるように、図1の流動床燃焼器12の場合の如く、
物質は、流動床燃焼器112の側部よりもむしろ中心から均一に導入される。さら
に、このような物質の均一な導入は、デュアル非圧密スクリュー146によって行
われる。デュアル非圧密スクリュー146自体は、図1のビン44と構成及び様式
の点で同様の2つの底部ビン(図示していない)から供給を受ける。デュアル非
圧密スクリュー146は2つのロータリーエアロック148に物質を供給し、その後、
物質142bはここからシュート150を通って、それぞれ、流動床124の比較的低い
流動速度区域の頂部に排出される。その後、物質142bの上に熱い床固状物がふ
りそそぎ、これにより、新たに供給された物質142bを覆い/混合する。傾斜す
るルーフ68(この
下にデュアル非圧密スクリュー146が収容されている)は、熱い床固状物が、流
動床124の各々の比較的高い流動速度区域から比較的低い流動速度区域に放出さ
れている間に、このルーフ68上に達した際、ここから滑り落ちるよう機能し、
ルーフ68上における熱い床固状物の蓄積を回避する。
要約すると、大きいサイズの装置にスケールアップするためには、スプリット
(すなわちパント−レッグ)タイプの流動床燃焼器112内に鏡像のバッフル限定
流動床124を設けることによって、スケールアップの不確実性を低減できる。こ
のような配置では、特徴的に、流動床燃焼器112の中心から供給される物質の開
口を有する内方の比較的低い流動速度区域及び流動床燃焼器112の外方側に位置
する対称のバッフルで限定された比較的高い流動速度区域がある。さらに、流動
床固状物/ガス混合物は、バッフルで限定された比較的高い流動速度区域から流
動床燃焼器112の中心に配置された比較的低い流動速度区域へ向かって移動する
。加えて、床固状物の動きは、比較的高い流動速度区域と比較的低い流動速度区
域との間の床密度の差によって制御される。
図2の流動床燃焼器112の他の特性は、そのパント−レッグタイプの配置によ
り、物質がシュート150を介して共通の開口溝を通って下方の分離された流動床1
24に均一に排出されることである。このように、開
口溝は流動床燃焼器112の分離された下方部分120間の圧力バランスを維持するよ
うに機能する。
物質42の比較的高い水分含量のため、そのプレ乾燥を行うことが望まれる場
合には、かかるプレ乾燥は図3に示す態様で行われる。このため、図3によれば
、プレ乾燥手段70は物質供給手段14と流動床燃焼器12の流動床24との間
に配置される。参照を容易にするため、図1に示した物質供給手段14の部材の
いくつかについては説明の明確性の維持のため省略している。
図3に示す本発明の具体例の説明を続ければ、物質42はビン44に供給され
、ここからスクリュー手段46の作動によって排出される。さらに詳述すれば、
図3を参照して最もよく理解されるように、物質42はスクリュー手段46によ
ってその先端近くまで排出され、自由にプレ乾燥手段70上に落下する。本発明
の最良の形態の具体例によれば、プレ乾燥手段70は、急勾配で傾斜する固定(
すなわち静止)格子72を包含する。格子72は、好ましくは、流動床燃焼器1
2内で乾燥機セクションを形成する。
さらに参照すると、本発明の最良の形態の具体例によれば、急勾配で傾斜する
格子72は、集合して気密膜を形成する水冷管群でなる。物質42bは、重力及
び図3中の矢印74で示すガス(格子72の表面を通って入る)の援助によって
格子上を降下する。このた
め、ガスプレナム76が格子72の下に配置されている。ガス74は管群(格子
72を構成する)間の開口(図示せず)を介して格子72の表面を通過し、方向
偏向プレート78の使用によって特定方向に誘導され、ガス74中の物質42b
の微細フラクションの同伴を最少にしながら、格子72の表面上での物質42b
の移動を助ける。
乾燥格子72に供給されるガス74は、空気(高温に予熱される)又は煙道ガ
ス(流動床燃焼器12から好適な温度で取出される)である。これに関して、煙
道ガスは52における流動床燃焼器12への注入用空気を節約し、このため、燃
焼に必要な空気の全体の量を低減し、過剰空気による熱損失の低減及び同時に流
動床燃焼システム10についての高い熱効率を達成できるため煙道ガスの使用が
好適である。ガス74は、好ましくは、399℃(750°F)以下の温度及び15in
.wg.以下の圧力、表面格子速度0〜1.5m/秒(0〜5フィート/秒)を生ず
る量で乾燥格子72に供給される。
プレ乾燥手段70の説明を続ければ、格子72の表面上のトラベリングマット
又はベッドに落ち着いた物質42bは迅速に乾燥し始め、水蒸気80を放出する
。乾燥は3つのメカニズム(すなわち、流動床燃焼器12からの放射熱の吸収、格
子72の下に導入されたガス74からの副射熱の吸収及び流動床24から放出さ
れ
た熱い固状物との直接接触)を介して行われる。移動の速度及び格子72上にお
ける物質42bの移動床の深さは、大部分は格子72の傾斜角度によって、いく
らかは格子72の通るガス74の表面速度によって決定される。格子72の傾斜
角度は、物質42bの休止角度より大きくなるよう選択される。多くのバイオマ
ス物質については水平面から35〜600°の角度が好適である。物質42bの
移動床は格子72を降下し、その微細フラクションがガス化し始めて格子72の
上の領域に、図3中の矢印82で示す可燃性の揮発性成分を放出する。乾燥格子
72は、物質42bの移動床のバルク水分含量を流動床24内で連続的な自力燃
焼が維持される程度に低下させるものである。物質42bは乾燥格子72を出て、
流動床24に入る。図3中の矢印84で示すガスは、プレナム86によって乾燥
格子72の最も低い部位に導入される。格子72から流動床24上に物質42b
を放出することを援助するため、冷たい空気を圧力15〜40in.wg.でプレナ
ム86に導入する。
次に図4(本発明の本質から逸脱することなく流動床燃焼システム10で使用
できる除去手段の他の具体例(参照符号200で示す)を示す)を参照する。好ま
しくは、除去手段200は、断続的操作のためのバッチ式で作動する。除去手段200
の作動様式によれば、不活性物質/トランプ物質/クリンカーは、空気分配器
28の傾斜及び指向性流動ノズルの使用によって流動床24の最も低い部分に向
けて運ばれ、ここでドレーン202内で集められる。ドレーン202は、流動床燃焼器
12の外に配置された各床の分級チャンバー204に接続されている。床固状物は
、弁206を開放すると共に、弁208を閉じることによって外部分級チャンバー204
に定期的に導入される。図4中の矢印210で示す冷たい流動化空気を、床固状物
を同伴させると共に、外部分級チャンバー204内の不活性物質/トランプ物質/
クリンカーを放出させるに充分な量でプレナム212に導入する。このようにして
同伴された床固状物は、図4中の矢印214で示すように、流動床燃焼器12に戻
る。不活性物質/トランプ物質/クリンカーが外部分級チャンバー204内に保持
されている滞留時間は、ここから弁208の開放によって除去される前に、冷却の
ほとんどが行われるように調節される。このようにして除去された物質(矢印21
6で示される)はさらに熱回収手段に送給されるか、又は直接排出される。 除
去手段200の利点は、アッシュを除去するための水冷式スクリュー及び物質の分
級用の振動スクリューを除外できることによって操作が簡単なことである。他の
特徴は、不活性物質/トランプ物質/クリンカーから回収された熱のすべてを流
動床燃焼器12に戻すことができることにある。最後に、ドレーン202、分級チ
ャンバー204及び弁206及び208を、流動床から大きい粒径
の固状物を排除できるように選択できる。しかしながら、除去手段200を使用す
る定義は、大きく成長しすぎてドレーン202内に流入しなくなる前にこれらを除
去することによって、大きなアグロメレーションが形成されないようにすること
である。このようにして、除去手段200は、床固状物の積極的な内部循環(流動
床24内でアグロメレーションを破壊し、成長しすぎる前に流動床/フリーボー
ド界面近くの壁からアグロメレーションを除去し、局部的な高温領域(流動床が
良好に混合されない場合に生ずる)によるアグロメレーションの形成を防止する
)を行わせるものである。
このように、本発明によれば、特に廃棄物の焼却に適する新規かつ改良された
燃焼システムが提供される。さらに、本発明によれば、流動床タイプであること
によって特徴づけられる廃棄物を焼却するための新規かつ改良された燃焼システ
ムが提供される。さらに、本発明によれば、廃棄物がバイオマス物質でなるもの
である場合、当該廃棄物の焼却に特に適する新規かつ改良された燃焼システムが
提供される。さらに、本発明によれば、バイオマス物質が、紙及びパルプ工業で
行われるタイプの紙リサイクル及び脱インク操作の副生物として発生する木材廃
棄物/紙脱インク固状物でなるものである場合、当該バイオマス物質の焼却に特
に適する新規かつ改良された燃焼システムが提供される。さらに、本発明によれ
ば、木材廃棄物/紙脱インク固
状物を焼却前に乾燥処理に供することを特徴とする木材廃棄物/紙脱インク固状
物を焼却するための新規かつ改良された燃焼システムが提供される。さらに、本
発明によれば、木材廃棄物/紙脱インク固状物の乾燥を、木材廃棄物/紙脱イン
ク固状物を流動床燃焼システムに導入しつつある際に、この木材廃棄物/紙脱イ
ンク固状物を熱回収物で覆うことによって達成することを特徴とする木材廃棄物
/紙脱インク固状物を焼却するための新規かつ改良された流動床燃焼システムが
提供される。さらに、本発明によれば、木材廃棄物/紙脱インク固状物に同伴さ
れる各種の不活性物質/トランプ物質及び大きい粒径の固状物を分離し、その後
、流動床燃焼システムから除去できることを特徴とする木材廃棄物/紙脱インク
固状物を焼却するための新規かつ改良された流動床燃焼システムが提供される。
また、本発明によれば、冷却の間及びついで流動床燃焼システムへの再循環の間
に、不活性物質/トランプ物質及び大きい粒径の固状物から熱を回収できること
を特徴とする木材廃棄物/紙脱インク固状物を焼却するための新規かつ改良され
た流動床燃焼システムが提供される。さらに、本発明によれば、焼却が環境に対
して有効かつ効果的に行われる木材廃棄物/紙脱インク固状物を焼却するための
新規かつ改良された流動床燃焼システムが提供される。さらに、本発明によれば
、従来の用途だけでなく新たな用途での使用にも等しく
好適であることを特徴とする木材廃棄物/紙脱インク固状物を焼却するための新
規かつ改良された流動床燃焼システムが提供される。最後に、本発明によれば、
使用が容易であり、操作に信頼性があるが、比較的安価に提供できることを特徴
とする木材廃棄物/紙脱インク固状物を焼却するための新規かつ改良された流動
床燃焼システムが提供される。
本発明のいくつかの具体例を示したが、その変更(そのいくつかについては上
記記載に示唆されている)は当業者によって容易になされるところである。従っ
て、示唆されている変更及び本発明の精神内の他の変更も請求の範囲内に含まれ
る。
【手続補正書】
【提出日】1996年6月21日
【補正内容】
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(72)発明者 ウオン スティーブ ワイ
カナダ国 オンタリオ ケー2アイ 3ワ
イ7 カナタ ロウ ドライブ 54
(72)発明者 チウ ジョン エッチ
アメリカ合衆国 コネチカット 06117
ウエスト ハートフォード パーソンズ
ドライブ 49
(72)発明者 ハーグローブ マイケル ゼー
アメリカ合衆国 コネチカット 06096
ウインザー ロックス チャーチ ストリ
ート 55
(72)発明者 ジュッコラ グレン ディー
アメリカ合衆国 コネチカット 06033
グラストンバリー シャグバーク ロード
55