【発明の詳細な説明】
ハウスダストダニからのアレルゲン蛋白質、
ペプチド及びそのための使用
発明の背景
約10%の人々が様々な環境において発生する抗原にさらされると過敏性(ア
レルギー)を示す。こうした抗原は即時型及び/又は遅延型過敏症を起こすアレ
ルゲンとして知られている(King,T.P.,(1976)、Adv.Immunol.,23:77-105)。アレ
ルゲンには草、木、雑草、動物の燐屑、昆虫、食品、薬品及び化学製品から発生
するものがある。枯れ草熱、喘息、発疹などに見れられるアトピー、アナフィラ
キー、といった即時型アレルギー反応には個人の遺伝的疾病体質が関わっている
とされている(Yang,R.P.et al,(1990),Clin.Sci.,79:19)。
アトピー性アレルギーに関与する抗体は、主にIgEクラスの免疫グロブリン
である。IgEは特異性の親和性の高いFceRIレセプターを通じて好塩基球
、肥満細胞、及び樹脂状細胞と結合する(Kinet.J.P.,(1990)Curr.Opin.Immunol.
,2:499-505)。アレルゲンがリガンドとしてそれに対応するIgEレセプターに
結合すると、IgEに結合したFceRIは細胞表面に架橋され、IgE−アレ
ルゲン間の生理学的相互作用が起きる。こうした生理学的変化には、他の物質の
放出もあるが特に
ヒスタミン、セロトニン、ヘパリン、好酸基性白血球走化性因子、及び/又はロ
イコトリエンC4、D4、E4の放出があり、気管支平滑筋細胞の収縮が延長さ
れる(Hood,L.E.at al,Immunology(2nd edition),TheBenjamin/Cumming Publi
shing Co.,Inc(1984))。従って、アレルゲンとIgEの相互作用が最終的にもた
らすのは、上記の媒介物放出によって起こる過敏症である。症状は全身性か又は
局部性のものであり、それは抗原の侵入経路や肥満細胞又は好塩基球上のIgE
付着パターンに左右される。一般に局部性のアレルギーは表皮表面上のアレルゲ
ン侵入部位に起こる。全身性のアレルギーは血管内を循環している抗原にIgE
−好塩基球が反応することによって起こり、アナフィラキシー(アナフィラキシ
ーショック)に至ることもある。
ダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)に対してアレルギーを持つ患者のうち
、80%がDer p I及びDer p IIに反応するIgEを産生すること
が精製アレルゲンの研究により明らかになった(Chapman,M.O.et al,J.Immuno
l.(1980)125:587-92;Lind P.,J.Allergy Clin.Immunol.(1985)75:753-61; Va
n der Zee; J.S.etal,J.Allergy Clin. Immunol.(1988)81:884-95)。約半
数の患者においては、IgE抗ダニ抗体の50%がこの特異性を示した。近頃ト
リプシンと判明したアレルゲンDer p III(Stuart,G.A.,et al,Immunolo
gy(1992)75:29-35)は同様の或いはそれ以上の頻度で反
応する(Stuart,G.A.,et al,上掲;Ford S.A.et al, Clin.Exp.Allergy(198
9)20:27-31)。しかし、今日までの定量的研究においてのみIgE結合のレベル
はDer p Iよりかなり下回ると報告されている。電気泳動(Ford,S.A.e
t al,上掲; Bengtsson,A.et al.,Int.Arch.Allergy Appl.Immunol.(1986)
80:383-90);Lind,P.et al,Scand,J.Immunol.(1983)17:263-73;Tovey E.R.
et al,J.Allergy Clin.Immunolo.(1987)79:93-102)によりほとんどの血清が
他のアレルゲンを識別することが分かっている。例えばFord他(上掲)の研
究においては、ウエスタンブロット上で8つの血清が1〜2のバンドと、6つの
血清が3〜6のバンドと、3つの血清の一つは最低13のバンドと反応する1つ
のものを含めてより多くのバンドと反応した。他の研究ではMΓ30,76,2
5Kにおいて、50%の血清と反応している成分があると報告されている(Baldo
et al.,Adv.Bioscience(1989)4:13-31)。アレルギー反応において特定の特異
性がどれだけ重要かを決定するには、定量的なIgE結合テストにおいて精製ア
レルゲンを使用し、その頻度とT細胞の反応性に対するリンホカインの関係を調
べる必要がある。
ハウスダストダニに過敏性を持つ患者に対して家庭のほこりの抽出物を増量し
て投与していくと、その治療中に潜在的アナフィラキシーが起きる可能性があり
、また臨床的な症状の消失を生じるに充分な許容性を獲得する
まで数年にわたる連続的な治療が必要となる可能性があるという問題がある。こ
れらの問題を回避する治療組成物及び方法があれば有益である。
発明の概要
本発明はDermatophagoides pteronyssinusまたはDermatophagoides farinaeの
蛋白質アレルゲンであるDer p VII又はDer f VIIの生物学的活性を少
なくとも一つ有するペプチドをコードする単離(分離)核酸に関する。核酸とし
て望まれるのは図3A、3B(SEQ ID NO:1)及び図6A、6B(S
EQ ID NO:6)に示されるヌクレオチド配列を持つDNAである。本発
明は更にこのようなcDNA(SEQ ID NO:1及びSEQ ID NO
:6)の全体又は一部にコードされ、且つDer p VII又はDer f VIIの
少なくとも1つの生物学的活性を有するペプチドに関するものである。更に対象
とされるのは、緊縮条件下(例えば20〜27℃、1MのNaCl中)において
図3A、3B(SEQ ID NO:1)または図6A、6B(SEQ ID
NO:6)に示されたヌクレオチド配列を有する核酸にハイブリダイズし、ある
いは図3A、3B(SEQ ID NO:2)(Der p VII)または図6A
、6B(SEQ ID NO:7)(Der f VII)に示されたヌクレオチド
配列を有するアミノ酸配列の全部又は一部を含むペプチドをコードする
単離核酸である。本発明はDer p VII又はDer f VII活性を有するペプ
チド及び図3A、3B(SEQ ID NO:2)(Der p VII)または図
6A、6B(SEQ ID NO:7)(Der f VII)に示される配列と少
なくとも50%の相同性を有するペプチドをコードする核酸も特徴とする。更に
、本発明の核酸の組み替え発現により得られるDer p VII又はDer f
VII活性を有するペプチド、又は化学合成により得られるDer p VII又はD er f
VII活性を有するペプチドも本発明の特徴である。望ましいペプチドは
T細胞反応を誘発することが可能である。これにはT細胞刺激(例えばT細胞増
殖やサイトカイン分泌により判断される)又はT細胞無反応(すなわち、抗原提
示細胞のペプチド又はペプチドとMHC分子の複合体と接触することによりT細
胞が刺激信号に無反応になるか又は増殖不可能になること)が含まれる。他に望
ましいペプチドとしてはT細胞反応の誘発能力いかんにかかわらず、ダストダニ
の産するアレルギー物質に対応する抗ダストダニIgEと結合可能なものがある
。このようなペプチドは患者のダストダニに対する過敏性を診断するのに有効で
ある。他に望ましいペプチドにはT細胞反応の誘発能力いかんにかかわらず、抗
ダストダニIgEとの結合能力を大幅に欠くものがある。このようなペプチドは
特に治療薬として有効である。
他の望ましいペプチドは図3A、3B(SEQ ID
NO:2)(Der p VII)または図6A、6B(SEQ ID NO:7
)(Der f VII)に示されるアミノ酸配列からなるものである。1具体例と
しては、Der p VIまたはDer f VII活性を有するペプチド及び図3A
、3B(SEQ ID NO:2)または図6A、6B(SEQ ID NO:
7)のアミノ酸配列を一部に有するペプチドを特徴とする。このようなペプチド
の長さは少なくとも8〜30アミノ酸、好ましくは1〜20アミノ酸、最も好ま
しくは1〜16アミノ酸で構成される。
本発明は他に、Der p VIまたはDer f VII活性を有するペプチドと
特異的に反応する抗体を特徴とする。Der p VIまたはDer f VII活性
を有するペプチドは薬投与に適した組成物の形で使用することが可能である。こ
のような組成物はダストダニアレルギーを持つ患者を治療する際に用いられるダ
ストダニ抽出物と同様の方法で使用可能である。本発明におけるDer p VI
またはDer f VII活性を有すペプチドはダストダニアレルギーに対する患者
の過敏症を診断するのにも使用可能である。
図面の簡単な説明
図1はアレルギー血清中のIgEのλgt11−HD6プラークとの結合頻度
を示す。
図2はIgE及びウサギ抗ハウスダストダニ抗体と、
pGEX−1にHD6を挿入して生成されたグルタチオン−S−転移酵素生成物
の反応度を示したものである。
図3Aと図3BはDer p VIIクローンHD6のヌクレオチド配列及び誘導
したアミノ酸配列を示したものである。
図4は8−18%SDS−PAGE上で電気泳動されたダストダニ抽出物をニ
トロセルロース上に電気ブロットし、それにpGEX−1ベクター対照を含む大
腸菌からの溶解物を吸収したアレルギー血清と反応させたもの(第1列)又はp
GEX−1HD6を含む大腸菌からの溶解物を吸収したアレルギー血清と反応さ
せたもの(第2列)を示す。
図5は抗HD−6抗体親和精製物とD.pteronyssinus抽出物の反応度を示した
ものである。ウサギ抗体をニトロセルロース上で親和精製し、ダニ抽出物のウエ
スタンブロットにおけるプローブを使用した。ウエスタンブロットは8−18%
SDS-PAGE上で、電気泳動を行い、125 I−プロテインAで検出した。
図6A及び6BはDer f VIIのヌクレオチド配列及びそれに由来するアミ
ノ酸配列を示したものである。
図7A、7B、7C、7D及び7EはDer f VII及びDer p VIIのヌ
クレオチド配列及びそれに由来するアミノ酸配列を比較したものである。点はD er f
VII及びDer p VII間のヌクレオチド配列が一致していることを示
す。Der f VIIl及びDer p
VII間で異なるヌクレオチド塩基を持つものは、それに対応したアミノ酸の違い
と共に示されている。
本発明の詳細
本発明は、それぞれDermatophagoides pteronyssinus及びDermatophagoides f
arinaet のアレルゲンであるDer p VII又はDer f VIIの生物学的活性
を少くとも1つ有するペプチドをコードする核酸分離物に係るものである。核酸
としては、図3A、3BA、3B(SEQ ID NO:1)(Der p VII
)または図6A、6B(SEQ ID NO:6)(Der f VII)に示され
るヌクレオチド配列からなるcDNAが望ましい。
図3A、3BA、3B(SEQ ID NO:1)に示されるcDNAは、塩
基68から塩基118によりコードされる17のアミノ酸リーダー配列を含むD er p
VIIペプチドをコードする。このリーダー配列は、塩基119から塩基
715によりコードされるDer p VII蛋白質完全体には見られない。このc
DNAに由来するDer p VIIのアミノ酸配列も又、図3A、3B(SEQ
ID NO:1)に示されている。
このcDNAは198残基ペプチドをコードするが、予測モル重量22,17
7Daであり、システインを含まず、N結合グリコシレーション部位を1箇所有
する。Der p VIIをコードするヌクレオチド配列を含む表
現ベクターにトランスフェクトされた宿主細胞は、1993年7月6日にブタペ
スト条約の下、American Type Culture Collect
ionに寄託され、受託番号69,348が割り当てられた。
図6A、6B(SEQ ID NO:6)に示されるcDNAはDer f V
IIペプチドをコードする。Der f VIIペプチドはこのcDNAの塩基43か
ら塩基681によりコードされる。このcDNAに由来するDer f VIIのア
ミノ酸配列は図6A、6B(SEQ ID NO:7)に示されている。Der p
VIIと同様に、このDer f VIIペプチドは自然界にある蛋白質にみられ
ないリーダー配列を含んでいる。
Der f VIIコードするヌクレオチド配列を含む表現ベクターにトランスフ
ェクトされた宿主細胞は、1994年3月10日、ブタペスト条約の下、Aus
tralian Government Analytical Labora
toriesに寄託され、受託番号N94/8705を割り当てられた。
従って、本発明は、Der p VII又はDer f VIIをコードするヌクレオ
チド配列からなる核酸単離(分離)物、その断片であってDer p VII又はD er f
VIIの生物学的活性を少くとも1つ有するペプチドをコードするもの、
及びこれらの核酸の同等物に関するものである。ここで核酸という語はそのよう
な断片や同等物を含むものとする。同等物という語はDer p
VII又はDer f VII蛋白質と機能上同等なものあるいはDer p VII又はDer f
VII活性を有するペプチドと機能上同等なものをコードするヌクレオ
チド配列を含むものとする。ここで定義されたように、Der p VII又はDe r f
VII活性を有するペプチドはDer p VII又はDer f VIIアレルゲ
ンの生物学的活性の少くとも1つを有する。同等のヌクレオチド配列には対立遺
伝子の変種のような1又はそれ以上のヌクレオチド置換、付加、欠失が含まれ、
更に遺伝コードの変性によって、図3A、3B(SEQ ID NO:1)又は
図6A、6B(SEQ ID NO:6)に示されるDer p VII又はDer f
VIIをコードするヌクレオチド配列と異なる配列も含まれる。同等物は、厳
重な条件下(すなわち、融解温度(Tm)以下の20°〜27℃、1Mの塩中と
同等の条件)における図3A、3B(SEQ ID NO:1)に示されるDe r p
VII又は図6A、6B(SEQ ID NO:6)に示されるDer f
VIIのヌクレオチド配列を混成するヌクレオチド配列を含む。
ここで参照されるDer p VII又はDer f VII活性あるいはDer p
VII又はDer f VIIの活性を有するペプチドはここで図3A、3B(SEQ
ID NO:2)又は図6A、6B(SEQ ID NO:7)に示されるD er p
VII又はDer f VIIアミノ酸配列の全体又は部分に実質上対応する
アミノ酸配列
を有するペプチドであって、Der p VII又はDer f VIIの生物学的活性
を少くとも1つ有するものと定義される。例えばDer p VII又はDer f
VII活性を有するペプチドは、Der p VII又はDer f VIIに特異的なT
細胞刺激等の反応(例えばT細胞増殖又はサイトカイン分泌)を誘発あるいはT
細胞無反応を誘発することができる。これに代わり又はこれに付加的にDer p
VII又はDer f VII活性を有するペプチドは、ダストダニ・アレルギー物
質に対する免疫グロブリンE(IgE)抗体と結合する(に識別される)ことが
可能である。IgEに結合するペプチドは患者のDer p VII又はDer f
VIIに対する過敏性を調べるのに有効である。IgEに結合しないペプチド、精
製された天然Der p VII又はDer f VII蛋白質よりも少ない程度にしか
IgEに結合しないペプチドは特に治療薬として有用である。
一つの具体例として、この核酸はDer p VII又はDer f VII活性を有
するペプチドもコードするcDNAである。好ましくは、この核酸は、図3A、
3B(SEQ ID NO:1)に示されるDer p VII又は図6A、6B(
SEQ ID NO:6)に示されるDer f VIIをコードするヌクレオチド
配列の少くとも一部を有するcDNA分子である。図3A、3B及び図6A、6
BのcDNA分子の好ましい部分は、分子のコード部分を含む。
他の具体例としては、本発明の核酸はDer p VII又はDer f VII活性
を有する図3A、3B(SEQ ID NO:2)又は図6A、6B(SEQ
ID NO:7)に示されるアミノ酸配列を有するペプチドをコードする。好ま
しい核酸は、Der p VII又はDer f VII活性を有する、図3A、3B(
SEQ ID NO:1)又は図6A、6B(SEQ ID NO:6)に示さ
れる配列と少くとも50%の相同性、より好ましくは少くとも60%の相同性、
最も好ましくは少くとも70%の相同性を有するペプチドをコードするものであ
る。Der p VII又はDer f VII活性を有する図3A、3B(SEQ I
D NO:2)(Der p VII)又は図6A、6B(SEQ ID NO:7
)(Der f VII)の配列と少くとも90%、より好ましくは少くとも95%
、最も好ましくは98〜99%の相同性を有するペプチドをコードする核酸も本
発明の対象とするところである。相同性とは、Der p VII又はDer f V
II活性を有する2つのペプチド間あるいは2つの核酸分子間における配列の類似
性のことを言う。相同性は、2配列を並べ、配列上の位置を比較することにより
決定される。比較された配列中の位置が同一の塩基又はアミノ酸で占められる場
合、分子はその位置において相同であると言える。配列間の相同の程度は2つの
配列により共有される一致した又は相同の位置の数の関数で表わされる。
本発明が他に提供するものとしては、様々な程度の緊縮条件下において図3A
、3B(SEQ ID NO:2)(Der p VII)又は図6A、6B(SE
Q ID NO:7)(Der f VII)に示されるアミノ酸配列全体又は一部
を有するペプチドをコードする核酸を混成(ハイブリダイズ)する核酸がある。
DNA混成を促進する緊縮条件の適当な例としては、約45℃での6.0×塩化
ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)とそれに続く50°での2.0×S
SCでの洗浄がこの方法として知られ、CurrentProtocol in
MolecularBiOlogy,John Wiley&Sons,NY
(1989)6.3.1−6.3.6)に記載されている。例えば、洗浄段階で
の塩濃度は低緊縮の50℃での2.0×SSCから高緊縮の50℃での0.2×
SSCから選ばれる。それに加え、洗浄段階での温度は低緊縮の室温(約22℃
)から高緊縮の約65℃から選ばれる。
ここで述べられたようなDer p VII又はDer f VII活性を有する、あ
るいは遺伝コードの変性により、図3A、3B(SEQ ID NO:1)、図
6A、6B(SEQ ID NO:6)に示されるヌクレオチド配列とは異なる
配列を有するペプチドをコードする分離核酸もこの発明の対象とする。このよう
な核酸は機能的同等のペプチド(すなわち、Der p VII又はDer f VII
活性を有するペプチド)をコードする
が、遺伝コードの変性により図3A、3B及び図6A、6Bの配列と異なる。例
えば、多くのアミノ酸は、1つ以上のトリプレットにより指定される。同一のア
ミノ酸を特定するコドン、又はシノニム(例えば、CAUとCACはヒスチジン
に対するシノニムである)は、Der p VII又はDer f VII蛋白質のアミ
ノ酸配列には影響を与えない“隠れた”突然変異である。しかし、Der p V
II又はDer f VIIのアミノ酸配列における変化を起こす多形性DNA配列が
、ダストダニ固体群の中に存在すると考えられる。当業者であればDer p V
II又はDer f VII活性を有するペプチドをコードする核酸でヌクレオチドが
1つかそれ以上(ヌクレオチドの約3〜4%まで)変化したものがダストダニ中
に自然対立遺伝子変性により存在することが分かるであろう。そのようなヌクレ
オチド変異すべてとそれによるアミノ酸多形体は発明の対象である。更に、De r p
VII又はDer f VIIの一種以上の同形体または関連した交差反応を起
こす同族も存在し得る。そのような同形体または同族体は、機能とアミノ酸配列
の点で、Der p VII又はDer f VIIに関連している蛋白質として定義さ
れているが、遺伝子の異なる座にある遺伝子によりコードされている。
Der p VII又はDer f VIIをコードする断片も本発明の対象である。
ここで使用されている、Der p VII又はDer f VIIをコードする核酸断
片と
は、Der p VII又はDer f VII蛋白質のアミノ酸配列全体をコードする
ヌクレオチド配列よりも少ないヌクレオチド配列であって、ここで定義されたD er p
VII又はDer f VII活性を有するペプチド(すなわちDer p V
II又はDer f VIIアレルゲン生物学的活性の少なくとも1つを有するペプチ
ド)をコードするヌクレオチド配列をいう。
好ましい核酸断片は少なくとも長さ約7アミノ酸、より好ましくは約13〜4
0、さらに好ましくは約16〜30アミノ酸のペプチドをコードする。少なくと
も長さ約30アミノ酸、少なくとも長さ約40アミノ酸、少なくとも長さ約60
アミノ酸、少なくとも長さ約80アミノ酸、少なくとも長さ約100アミノ酸、
少なくとも長さ約140アミノ酸、少なくとも長さ約140アミノ酸、或いは少
なくとも長さ約190アミノ酸、またはそれ以上のアミノ酸残基を有する、De r p
VIII 活性を有するペプチドをコードする核酸断片も本発明の対象である
。少なくとも長さ約30アミノ酸、少なくとも長さ約40アミノ酸、少なくとも
長さ約60アミノ酸、少なくとも長さ約80アミノ酸、少なくとも長さ約100
アミノ酸、少なくとも長さ約140アミノ酸、或いは少なくとも長さ約200ア
ミノ酸、またはそれ以上のアミノ酸残基を有する、Der f VIII 活性を有す
るペプチドをコードする核酸断片も本発明の対象である。一般に、形質転換(ト
ランスフォーム)された宿主中でのペ
プチドの表現型はペプチドの長さ約20アミノ酸以上が望まれる場合には最も都
合が良い。より短いペプチドは通常容易に化学合成できる。
本発明の対象とする核酸断片は高緊縮または低緊縮条件下でDer p VII又
はDer f VII、或いはDer p VII又はDer f VIIと交差反応を起こ
す他の動物の核酸と混成されるものを含む。一般にDer p VII又はDer f
VII活性を有するペプチドをコードする核酸は完全な蛋白質をコードする塩基
から選ばれるが、いくつかの例では、本発明の核酸のリーダ配列部分からペプチ
ドすべてまたは一部を選ぶのが望ましい場合がある。本発明の対象とする核酸は
更にリンカー配列、変性した制限エンドヌクレアーゼ作用部位、及びDer p
VII又はDer f VII活性を有する組換えペプチドの分子クローニング、発現
又は精製に有用な他の配列を含む。
Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチドをコードする該酸は
ダストダニDermatophagoides pteronyssinusまたはDermatophagoides farinaeの
mRNAから得られる。Der p VII又はDer f VIIをコードする核酸も
Dermatophagoides pteronyssinusまたはDermatophagoides farinaeのゲノムDN
Aから得られる筈である。例えばDer p VII又はDer f VIIをコードす
る遺伝子はここで詳述されている(例1、2参照)プロトコルに従い、cDNA
又はゲノムラ
イブラリーからクローン化できる。Der p VII又はDer f VIIをコード
するcDNAはDermatophagoides pteronyssinusの総mRNAを分離することに
より得られる。次いで2重らせんcDNAは総mRNAから準備できる。それに
続き、cDNAは多くの既知の方法を用いて適当なプラスミドやバクテリオファ
ージベクターに挿入することができる。Der p VII又はDer f VIIをコ
ードする遺伝子は又、本発明の提供するヌクレオチド配列の情報に従い、公知の
ポリメラーゼ連鎖反応すなわちPCR法(例4、5参照)によりクローン化でき
る。本発明の核酸はDNA又はRNAでありうる。望ましい核酸は図3A、3B
(SEQ ID NO:1)(Der p VII)又は図6A、6B(SEQ I
D NO:6)(Der f VII)に示された配列を持つDer p VII又はD er f
VIIをコードするcDNAである。
本発明は更に、Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチドをコ
ードする核酸を含み、少くとも一つの調節配列に実施可能に連結する発現ベクタ
ーを提供する。実施可能に連結するとは、ヌクレオチド配列が調節配列に対して
、ヌクレオチド配列が発現するように連結されるという意味である。調節配列は
人工的に識別され、Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチドを
直接的発現するものが選択される。従って、調節配列という言葉はプロモーター
、エンハンサー及び
他のコントロール分子を含む。このような調節配列は Goeddel:Gene Expression
Technology: Methods in Enzymology 185)に詳述されている。発現ベクターの
目的は形質転換する宿主の選択及び/又は発現させようとする蛋白質の種類とい
った要因に左右されうる、ということを理解する必要がある。一具体例として、
発現ベクターはDer p VII又はDer f VII活性を有するペプチドをコー
ドするDNAを含む。このような発現ベクターは細胞をトタンスフェクトし、そ
れにより蛋白質又はペプチドを産生する。これらはここで述べられている核酸に
コードされる融合蛋白質又はペプチドを含む。
本発明は更に、Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチドを発
現する為にトランスフェクトされた宿主細胞を含む。宿主はいかなる原核生物又
は真核生物でありうる。例えば、Der p VII又はDer f VII活性を有す
るペプチドは E.coli といったバクテリアや、昆虫の細胞(バキュロウイルス)
、酵母菌、成体チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)といった哺乳類の細
胞中に発現されうる。他の適した宿主細胞は上記の Goeddel(1990)に見られるか
当業者の知るところである。
哺乳類、酵母菌又は昆虫といった真核細胞内での発現は部分的又は完全糖蛋白
化及び/又は組換え蛋白質の連鎖間又は連鎖内ジスルフィド結合形成を誘発し得
る。発現ベクターの例として、pYepSecl(Balda
ri et al(1987)Embo J.6:229−234)、pMFa
(Kurjan et a l(1982),Cell,30:933−943
),pJRY88(Schultz et al(1987)Gene,54:
113−123)及びpYES2(Invitron Corp.SanDie
go,CA)がある。培養された昆虫細胞(SF9細胞)内で蛋白質発現に用い
られるバキュロウイスルベクターには、pAc系列(Smith et al(
1983)Mol.Cell Biol.3:2156−2165)及びpVL
系列(Lucklow,V.A.他(1989)Virology,170:3
1−39)がある。一般にCOS細胞(Gluzman Y(1981)Cel
l,23:175−182)は哺乳類細胞内での過渡増殖/発現を目的としてp
CDM8(Aruffo,A.oyobiSeed.B,Proc.Natl.
Acad.Sci.USA,84:8573−8577)と言ったベクターと関
連して使用される。これに対してCHO(dhfr−チャイニーズバムスター卵
巣)細胞は哺乳類細胞内での安定増殖/発現を目的としてpMT2PC(Kau
fman et al(1987)EMBO J,6:187−195)と言っ
たベクターとともに使用される。ベクターDNAはリン酸カルシウム又は塩化カ
ルシウム共沈、DEAE−デキソトリン媒介トランスフェクション、或いは電気
穿孔といった従来の
方法により哺乳類細胞に導入される。宿主細胞の形質転換として適当な方法は、
Sambrook et al(Molecular Cloning:A L
aboratory Manual,2nd edition,Cold Sp
ring Harbor Laboratory Press(1989)その
他の実験指導書に記載されている。
原核動物内での発現には通常大腸菌E.coli内で融合又は非融合を誘発す
る発現ベクターを使用する。融合ベクターは発現した標的遺伝子に多量のNH2
末端アミノ酸を付加する。これらNH2末端アミノ酸はしばしば指示グループと
称される。このような指示グループは通常2つの目的に使用される。すなわち、
1)標的となる組換え蛋白質の可溶性を増大させる。2)親和精製において、リ
ガンドとして作用することにより標的とする組換え蛋白質の精製を補助する。融
合発現ベクターにおいてはしばしば蛋白質の分解部位は指示グループと標的とす
る組換え蛋白質の融合点である。これにより標的とする組換え蛋白質は融合蛋白
質の精製に続いて指示グループから分離できる。このような酵素及び同じ性質を
有する識別配列にはXa因子、トロンビン及びエンテロキナーゼがある。典型的
な融合発現ベクターにはpGEX(Amrad Corp.Melbourn,
Australia),pMAL(New England Biolabs,
Beverly,MA)及びpRIT
5(Pharmacia,Pscataway,NJ)があり、これらは、グル
タチオンS−転移酵素、マルトースE結合蛋白質、又はA蛋白質を、標的とする
組換え蛋白質にそれぞれ融合させる。
非融合を誘発する発現ベクターにはpTrc(Amann et al(19
88)Gene,69:301−315)及びpET11d(Studier
et al,Gene Expression Technology,Met
hods in Enzymology,185,Academic Pres
s,San Diego,CA(1990)60−89)がある。pTrcにお
ける標的遺伝子の発現はハイブリッドtrp−lac融合プロモータからの転写
を宿主RNAポリメラーゼに依存しているのに対して、pET11dに挿入され
た標的遺伝子の発現は、共に発現するウイルスRNポリメラーゼ(T7gn1)
を介するT7gn10−lac0融合プロモータからの転写に依存している。こ
のウイルスポリメラーゼはlacUV5プロモータからの転写制御の下でT7g
n1の宿る内在λプロファージから得られる宿主BL21(DE3)又はHMS
174(DE3)より供給される。
E.coli内における組換えDer p VII又はDer f VII発現を最大
にする方法の1つとして、組換え蛋白質を分解する能力に欠陥のある宿主細菌中
で蛋白質を発現することが挙げられる(Gottesman
.S,Gene ExpressionTechnokogy,Methods
in Enzymology,185,Academic Press,Sa
n Diego,CA(1990)119−128)。他の方法としてはDer p
VII又はDer f VII蛋白質をコードする核酸を変性して発現ベクターに
挿入することによって、各アミノ酸に対応する各コドンが、高度に発現したE.
coli蛋白質内で優先的に利用されるコドンとなるようにすることが挙げられ
る(Wada et al(1992),Nuc.Acids Res.,20
:2111−2118)。本発明におけるこのような核酸の変性は標準的なDN
A合成法により行われる。
本発明の核酸は標準的な方法により化学合成することもできる。ポリデオキシ
ヌクレオチドの化学合成法は様々なものが知られている。例えば、ペプチド合成
のよううに市販のDNA合成機で完全に自動化された固相合成ができる(例えば
、Itakura et al,米国特許第4598049号、Caruthe
rs et al,米国特許第4458066号、及びItakura,米国特
許第4401796号及び同第4373071号)。
本発明は更に、Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチド製造
方法に関する。例えば、Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチ
ドをコ
ードするヌクレオチド配列の発現を支配する核酸にトランスフェクトされた宿主
細胞は、適当な条件下で培養されるとペプチドを発現する。ペプチドが分泌され
、細胞とDer p VII又はDer f VII活性を有するペプチドを含む培地の
混合物から分離できる。他の可能性としては、ペプチドが細胞質に保持される場
合、細胞を採取し、溶菌して蛋白質を分離できる。細胞培養には宿主細胞、媒質
及び他の副産物が含まれる。細胞培養に適当な培地は当業界でよく知られている
。Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチドは従来既知の方法で
細胞培養基、宿主又はその両方から分離できる。この方法としては、イオン交換
クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、限外ろ過、電気泳動、De r p
VII又はDer f VII活性を有するペプチドに特異な抗体を用いた免疫
親和精製が挙げられる。
本発明の他の特徴は、Der p VII又はDer f VII活性を有する単離さ
れたペプチドに関する。Der p VII又はDer f VIIを有するペプチドはDer p
VII又はDer f VIIアレルゲンの少なくとも1つの生物学的活性
を有する。例えば、Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチドは
T細胞刺激(T細胞増殖又はサイトカイン分泌)といったDer p VII又はD er f
VIIに特異なT細胞における反応を誘発するか、T細胞無反応を誘発す
ることができる。具体例の1つとして、Der p VII又はDer f VII
活性を有するペプチドがT細胞を刺激したことは、例えばT細胞増殖又はサイト
カイン分泌により証明される。他の具体例としては、Der p VII又はDer f
VII活性を有するペプチドによるT細胞無反応の誘発があり、Der p V
II又はDer f VIIペプチドにさらされたT細胞は2次のさらしに対して無反
応である。更に他の具体例として、Der p VII又はDer f VII活性を有
するペプチドは天然Der p VII又はDer f VII蛋白質を分離したものに
比べ、IgE結合活性が低い。Der p VII又はDer f VII活性を有する
ペプチドは、アミノ酸配列において、図3A、3B(SEQ ID NO:2)
(Der p VII)又は図6A、6B(SEQ ID NO:7)(Der f
VII)に示されるDer p VII又はDer f VII配列とは異なることもある
が、そのような違いは、天然Der p VII又はDer f VII蛋白質と同一又
は類似に機能する変形蛋白質あるいは、天然Der p VII又はDer f VII
蛋白質と同一又は類似の特質を有する変形蛋白質に帰着する。このような及び他
にも機能的に同等なペプチドを産生するDer p VII又はDer f VII蛋白
質の多様な変形物をここに詳述する。ここでいうペプチドとは、完全な長さの蛋
白質及びポリペプチド、又はそれらのペプチド断片のことをいう。
ペプチドは図3A、3B(SEQ ID NO:2)(Der p VII)又は
図6A、6B(SEQ ID
NO:7)(Der f VII)に示されるDer p VII又はDer f VII蛋
白質のアミノ酸配列を変形させることによって産生されるが、これには蛋白質の
機能に直接関与していないアミノ酸残基の置換、付加、欠失などがある。本発明
のペプチドは少くとも約10アミノ酸残基、望ましくは約10〜20アミノ酸残
基、より望ましくは約10〜16アミノ酸残基分の長さでありうる。Der p
VII又はDer f VII活性を有するペプチド及び少くとも長さ30アミノ酸残
基、少くとも40アミノ酸残基、少くとも60アミノ酸残基、少くとも80アミ
ノ酸残基、及び少くとも100アミノ酸残基も本発明の範囲に入る。
本発明の他の具体例としては、Der p VII又はDer f VII活性を有す
るペプチドの実質的に純粋な調整物を供給することがあげられる。このような調
整物では細胞内にせよ細胞外に分泌されるにせよ天然にあるペプチド(すなわち
他のダストダニペプチド)を含む蛋白質やペプチドは実質的に存在しない。
ここでいう単離(分離)とは、組換えDNA法により核酸又はペプチドが産生
された場合、細胞物質又は培養基を実質的に含まない核酸又はペプチドのことを
、あるいは化学的合成の場合、化学前駆体又は他の化学物質を実質的に含まない
ことをいう。このような蛋白質やペプチドは又、他の全てのダストダニ蛋白質を
含んでいない。従って、Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチ
ドで単離されたものは、組換え又は合成により産生され、実質的に細胞物質及び
培養基を含まず、実質的に化学前駆体や他の化学物質を含まず、実質的に他の全
てのダストダニ蛋白質を含まない。単離された核酸も又核酸の由来する生物にお
いて天然では核酸の側部に位置する配列(すなわち、核酸の5’及び3’末端に
位置する配列)を含まない。
Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチドは例えばかかるペプ
チドをコードするDer p VII又はDer f VIIの核酸の対応する断片から
組換え産生したペプチドをふるい分けすることにより得ることができる。それに
加え、断片は従来Merrifield固相f−Moc又はt−Boc化学法な
どの当業界に周知の方法により化学的に合成することができる。例えば、Der p
VII又はDer f VII蛋白質断片では、断片をオーバーラップさせること
なく望まれる長さの断片に任意に、又は望む長さにオーバーラップする断片に任
意に切断することができる。組
換え又は化学合成で産生された断片はDer p VII又はDer f VII活性を
有する(すなわち、T細胞刺激(増殖、サイトカイン分泌)といったT細胞反応
、T細胞無反応を誘発するか、弱いIgE結合活性を有する)ペプチドを識別す
るために分析される。
具体例の一つとして、Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチ
ドはT細胞を刺激する能力又はT細胞無反応を誘発する能力によって識別される
。例えば、T細胞増殖又はサイトカイン分泌によりペプチドがT細胞を刺激する
と判断されたとすると、そのペプチドはここで少なくとも1つのT細胞エピトー
プを含むとみなされる。T細胞エピトープは臨床上のアレルギーを起こす蛋白質
アレルゲンに対する免疫反応を誘発し、永続させる過程に関与すると考えられる
。このようなT細胞エピトープは抗原提示細胞表面にある適当なHLA分子に結
合することによりヘルパーT細胞レベルでの初期の事象を引き起こすと考えられ
る。これによって、そのエピトープに対するT細胞受容体を有するT細胞の副次
集団が刺激される。こうした事象がT細胞増殖リンホカイン分泌、局部炎症反応
、抗原/T細胞相互反応部位への免疫細胞の追加補充、抗体産生につながるB細
胞経路の活性化を誘発する。こうした抗体のアイソタイプの一つであるIgEは
アレルギー症状の成長に基本的に影響を持つものであり、IgEの産生はヘルパ
ーT細胞レベルでの初期の段階で、分泌されるリンホカインの性質によ
って影響される。T細胞エピトープはT細胞受容体(レセプター)に識別される
基本成分または最小単位であり、エピトープは受容体による識別に不可欠なアミ
ノ酸で構成される。これらのT細胞エピトープ中のアミノ酸を模倣した、アミノ
酸配列及び蛋白質アレルゲンに対するアレルギー反応を修正するアミノ酸配列も
本発明の範囲に属する。
ここに述べたDer p VII又はDer f VII活性を有するペプチドを他の
ペプチドからふるい分けるにはいくつかの異なった検定法の1つ以上を使用する
。例えば、Der p VII又はDer f VIIによるT細胞刺激活性は、Der p
VII又はDer f VIIによるT細胞活性を有すると知られている又はその
可能性のあるペプチドを、適当なMHC分子を有する抗原提示細胞とT細胞培養
中で接触させることにより生体外で検定できる。Der p VII又はDer f
VII活性を有するペプチドを適当なMHC分子と一緒に、必要な共刺激と共にT
細胞に対して提示すると、特にインターロイキン2及びインターロイキン4とい
ったサイトカインの産生レベルを増加させる信号をT細胞に伝達する効果が生じ
る。培養上澄みはインターロイキン2その他のサイトカインの検定に用いること
ができる。インターロイキンを検定する従来のどの方法でも使用できるが、Proc
.Natl.Acad.Sc.USA,86:1333(1989)に述べられた検定法の直接関係のある部分を
ここに引用しておく。インターフェロ
ン産生を検定するキットもGenzyme Corp.(Cambridge,
MA)から入手できる。
別の方法として、T細胞増殖の一般的な検定法にトリチウム化チミジン組込み
がある。T細胞増殖は培養中の細胞が複製したDNAに組み込まれるH3標識付
きチミジンの量によって生体外でで測定される。従って、DNA合成の速度と、
次いで細胞分裂の速度が定量化できる。
具体例として、Der p VII又はDer f VIIT細胞刺激活性を有するペ
プチド(すなわちT細胞エピトープを少なくとも1つ有するペプチド)は、Hi
ll他,J.of Immunology,147:189−197(1991
)により述べられたアルゴリズムのような、蛋白質配列にT細胞エピトープが存
在することを予測するアルゴリズムを用いることによって識別される。Hill
他のアルゴリズムは、MHCに結合し易いそれ故T細胞エピトープを含んでいる
であろう配列内の一定のパターンの存在により蛋白質内のT細胞エピトープの位
置を調べるものである。
T細胞エピトープを厳密に、例えば精密なマッピング法で決定するためには、Der p
VII又はDer f VIIT細胞刺激活性を有する、従ってT細胞生物
学的手法によって決定されるようなT細胞エピトープを少なくとも1つ含むペプ
チドをペプチドのアミノ末端またはカルホキシル末端におけるアミノ酸残基の付
加または欠失
より変性し、変性ペプチドに対するT細胞の反応性を調ベる。この方法に続いて
、ペプチドが選ばれ組換えまたは合成により産生される。ペプチドは様々な要因
によって選ばれるが、これにはペプチドに対するT細胞の反応強度(例えば刺激
指数)、ダストダニアレルゲンに過敏な個体群内でのペプチドに対するT細胞の
反応頻度、他のダストダニアレルゲンを有するペプチドへの交差反応力などが挙
げられる。これら選択されたペプチドの物理的または化学的特性(例えば溶解性
、安定性)は治療薬合成にそのペプチドが適しているか、或いはペプチドにここ
で述べられている変性が必要かを決定するために調べられる。そして、ヒトT細
胞を刺激(例えば増殖、リンフォカイン分泌)するるために、選択されたペプチ
ドまたは変性ペプチドの能力はここで述べられたように判断される。
他の具体例としては、Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチ
ドは、T細胞無反応を誘発する能力によりふるい分けられる。T細胞を刺激する
能力(上記の1つ以上の方法により決定される)、天然Der p VII又はDe r f
VII精製物、またはその一部の活性を抑制または完全にブロックし、無反
応状態を誘発する能力は以下のように決定される。すなわち、Der p VII又
はDer f VII活性を有するペプチドに接触させ、次いで天然Der p VII
又はDer f VIIを有する抗原提示細胞、或いはDer p
VII又はDer f VII活性を有するペプチドによってT細胞の順次
刺激を試みる。インターロイキン2合成及び/またはT細胞増殖で判断されるよ
うにT細胞が順次の試みに無反応であった場合、無反応状態が誘発されている。
本発明に従う検定法の基本として使用された検定装置としては、例えばGimm
i他(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:65
86−6590、及びSchwartz(1990)Scinece,248:
1349−1356を参照されたい。
本発明の更に他の具体例としては、Der p VII又はDer f VII活性を
有するペプチドはIgE結合特性により識別される。治療目的として本発明のペ
プチドはむしろダストダニアレルゲンに特異なIgEとは結合しないか、対応す
るダストダニアレルゲンを精製したものに比較して実質的に少量しかIgEと結
合しない(例えば少なくとも100倍、より望ましくは1000倍小さい)。I
gE結合活性が低下したということはIgE結合活性が天然Der p VII又はDer f
VII蛋白質を精製したものの結合活性より劣るということである。D er p
VII又はDer f VII活性を有するペプチドが診断薬として用いられ
た場合、必ずしもペプチドのIgE結合活性が天然Der p VII又はDer f
VIIアレルゲンに比べて劣っている必要はない。ペプチドのIgE結合活性は
例えば以前天然Der p
VII又はDer f VIIアレルゲンに曝されたことのある患者(アレ
ルギー性患者)から得た血清を用いた酵素リンク免疫吸着試験法(ELIZA)
により決定し得る。簡単に述べると、Der p VII又はDer f VII活性を
有すると思われるペプチドはプレート上のウエル内に付着する。ウエルを洗浄し
てブロックした後、Der p VII又はDer f VII活性を有すると思われる
ペプチドに曝された過敏性の患者から得た血漿からなる抗体溶液をウエル内で保
温(インキュベート)する。通常、保温前にIgEを血漿から除去する。標識し
た第2の抗体をウエルに加え、保温する。次いでIgE結合量が定量され、天然Der p
VII又はDer f VII蛋白質の精製物に結合したIgEと比較され
る。別法として、ペプチドのIgE結合活性はウエスタンブロット分析により決
定できる。例えば、Der p VII又はDer f VII活性を有すると思われる
ペプチドをSDS−PAGEを用いてポリアクリルアミドゲル上を泳動させる。
次にペプチドはニトロセルロース上に移され、次いで過敏性の患者から得た血清
と共に保温する。標識を付した第2の抗体と共に保温した後、IgE結合量が測
定され、定量化される。
ペプチドのIgE結合活性を決定する他の方法として競合ELISA分析法が
ある。以下簡単に説明すると、天然Der p VII又はDer f VIIと反応す
るIgEを有すると直接ELISA分析法により判明した
ダストダニに過敏な患者の血漿を集め、IgE抗体プールを用意する。このプー
ルはELISA分析法において天然ルはDer p VII又はDer f VIIへの
IgEの結合度とDer p VII又はDer f VII活性を有すると思われるペ
プチドへのIgEの結合度を比較するのに用いられる。天然Der p VII又はDer f
VII蛋白質へのIgE結合とDer p VII又はDer f VII活性
を有すると思われるペプチドへのIgEの結合が測定され定量化される。
Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチドがIgEに結合し、
それが治療薬に使用される場合には、結合の結果として肥満細胞または好塩基球
から化学伝達物質(例えばヒスタミン)が分泌されないことが望ましい。IgE
に結合するペプチドが化学伝達物質の分泌を誘発するかどうかを調べるには、ヒ
スタミン分泌検定法が標準試薬を使用して行われる。手順書は例えばAmac.
Inc(Westbrook,ME)から入手できる。簡潔に述べると、Der p
VII又はDer f VII活性を有すると思われるペプチドの緩衝溶液を過敏
性の患者から得たヘパリン処理した同体積の全血液と混合する。混合し、保温し
た後、細胞はペレット化され、上澄みが処理され、放射免疫分析法によりヒスタ
ミン放出量が決定される。
治療薬として用いられるDer p VIIまたはDer f VII活性を有するペ
プチドは、Tamura他(
1986)がMicrobiol.Immunol.,30:883−896又
は米特許4939239で発表したネズミモデル、或いはChiba他(199
0)がInt.Arch.Allergy Iummunol.,93:83−
88で発表した霊長類モデルのように、ダストダニアトピーのほ乳類モデルをテ
ストするのが望ましい。Der p VIIまたはDer f VII活性を有するペプ
チドに結合するIgEの最初のふるい分けには、実験動物または志願者への乱切
法、皮内テストが、或いはラスト法(LAST)、抗ラスト法、エリザ検定法(
ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、またはヒスタミン分泌検定法
などの生体外検定が行われることがある。
溶解度を増加させ、治療効果、予防効果を高め、又は安定性(例えば生体外で
の貯蔵寿命や生体内での蛋白質への耐性)を高める目的でDer p VIIまたはDer f
VII活性を有するペプチドの構造を変化させることは可能である。こ
のような変性したペプチドは、ここで定義されるDer p VIIまたはDer f
VII活性を有するペプチドと機能的に同等とみなす。免疫原性の変形及び/又
はアレルゲン性の低下を目的とする、アミノ酸置換、欠失又は付加、といった、
アミノ酸配列の変形、或いは同じ目的での構成要素の付加により、変性ペプチド
が産生される。
例えばDer p VII又はDer f VII活性を有す
るペプチドを変形することによって、T細胞無反応を誘発し、MHC蛋白質と結
合する能力をもたせつつ、且つ強度の増殖反応、おそらくは、免疫源の形で投与
された時に、いかなる増殖反応も誘発させないようにし得る。この例では、T細
胞受容体機能にとって不可欠な結合残基は既知の方法により決定され得る(例え
ば、各残基の置換、T細胞反応の存在/非存在の決定)。T細胞受容体との相互
作用に不可欠だと示されたこうした残基は、必須アミノ酸を他のものに、望まし
くは類似のアミノ酸残基に置き換えること(保存的置換)で改良できる。このよ
うなアミノ酸残基はT細胞反応を増加させるか、減少させるか(除去ではない)
又は影響を与えないようなものである。これに加えて、これらT細胞受容体相互
作用に必須でないアミノ酸残基は、T細胞反応を増加させ、減少させる(除去で
はない)、又は影響を与えないで且つ関連したMHCへの結合を除去しないよう
な他のアミノ酸と置換することによって改良出来る。
加えて、Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチドは、MHC
蛋白質複合体と相互作用するのに不可欠なアミノ酸を、他の、望ましくはT細胞
活性を増加させるか減少させるか(除去ではない)又は影響を与えないような類
似のアミノ酸残基と置換する(保存的置換)ことによって改良できる。更に、M
HC蛋白質複合体との相互作用に必須ではないが、MHC蛋白質複合体に結合す
るアミノ酸残基も、T細胞反応を増加させる
か、影響を与えないか、減少させる(除去ではない)ような他のアミノ酸と置換
することによって改良できる。非必須アミノ酸としてアミノ酸置換に望ましいも
のとしては、アラニン、グルタミン酸、メチルアミノ酸があるが、これらはアミ
ノ酸置換に限られるものではない。
Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチドの他の改良例として
は、ジスルフィド結合を介する二量体化を最小限に抑える為にシステイン残基を
アラニン、セリン、トレオニン、ロイシン又はグルタミン酸残基と置換するもの
がある。これに加え、本発明の蛋白質断片のアミノ酸側鎖は化学的に改良できる
。他の改良にはペプチドの結晶化がある。
安定性及び/又は反応性を増加させる為には、Der p VII又はDer f
VII活性を有するペプチドを、任意の天然の対立遺伝子の変種に由来する蛋白質
アレルゲンのアミノ酸配列に一つ以上の多形性を組み込むように改良できる。加
えて、Dアミノ酸、非天然アミノ酸、又はアミノ酸類似体も本発明の対象とする
蛋白質を改良するのに置換又は付加出来る。更に、Der p VII又はDer f
VII活性を有するペプチドは、ポリエチレングリコール(PEG)と結合した
蛋白質を産生する為に、A.Sehon達(Wie他前出)の方法に従ってPE
Gを用いて変性できる。加えて、PEGは蛋白質の化学合成中に付加できる。C an f
I又はDer f VII活性を有するペプチドの他の改良と
しては、還元/アルキル化(Tarr,Methods of Protein
Microcharacterization,J.E.Silver ed
.,Humana Press,Clifton NJ155−194(198
6));アシル化(Tarr,前出);適当なキャリアーとの化学的結合(Mi
shell andShiigi,eds,Selected Methods
in Cellular Immunology,WHFreeman,Sa
nFrancisco,CA(1980),米特許4939239;或いは温和
なホルマリン処理(Marsh,(1971)INt.Arch.ofAlle
rgy and Appl.Immunol.,41:199−215)がある
。
Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチドの精製促進及び溶解
性増加の為に、アミノ酸融合部分をペプチドの基幹に付加することが可能である
。例えば、精製を目的として、固定化金属イオンアフィニテイ−クロマトグラフ
ィー(Houchuli,E他、(1988)Bio/Technology,
6:1321−1325)によってヘキサヒスチジンが蛋白質に付加できる。加
えて、無関係な配列の無いペプチド分離を促進する為に、融合部分の配列とペプ
チドの配列間に特異的なエンドプロテアーゼ分割部位を導入することができる。
患者のDer p VII又はDer f VII蛋白質或
いは関連したアレルゲンに対する過敏症を減ずる為に、蛋白質に官能基を付加す
るか、蛋白質の疎水性部分を除去することによって蛋白質の溶解性を増加させる
必要がある。荷電したアミノ酸やアミノ酸ペアーといった官能基はペプチドのア
ミノ末端又はカルボキシ末端に付加された場合、溶解性を増す。
Der p VII又はDer f VII内のT細胞エピトープの適正な抗原処理を
補助する為に、標準プロテアーゼ感作部位を、組換え又は合成法によってT細胞
エピトープを少なくとも一つ有する領域同士の間で処理出来る。例えば、KK又
はRRといった荷電したアミノ酸ペアーは組換え中に蛋白質又は断片の領域に導
入できる。その結果生じたペプチドは、T細胞エピトープを少なくとも一つ含む
蛋白質部分を生じさせるようなカテプシン及び/又は他のトリプシン状酵素によ
る分割に対して敏感である。加えて、そのような荷電アミノ酸残基はペプチドの
溶解性を増加させうる。
Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチドをコードする核酸の
部位を特定した突然変異誘発は、当技術分野で知られる方法によりペプチドの構
造を改良するのに用いられる。中でもこのような方法は、一つ以上の突然変異を
生ずるオリゴヌクレオチドプライマーを使用する複製連鎖反応(PCR)(Ho
他(1989)Gene,77:51−59)又は突然変異遺伝子の全合成(H
ostomsky,Z他(1989)
Biochem.Biophys.Res.Comm,161:1056−10
63)を含む。組換え蛋白質の発現を増加させる為に前述の方法が用いられて、
本発明のcDNA配列中のコドンを、組換え蛋白質が発現する宿主内で優先的に
利用されるコドンに変換する(Wada他、上記)。
本発明の他の特色は、Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチ
ドに特異的に反応する抗体に関するものである。本発明の抗体は、アレルゲン抽
出物の標準化、又は天然に起きる又は天然型のDer p VII又はDer f V
IIを分離するのに用いられる。例えば、Der p VII又はDer f VIIのc
DNA配列に基づくDer p VII又はDer f VII活性を有するペプチドを
用いて、標準方法により抗蛋白質/抗ペプチド抗血清又はモノクローナル抗体を
産生できる。ネズミ、ハムスター、ウサギといったほ乳類に、免疫源形のペプチ
ド(例えば、Der p VII又はDer f VII蛋白質や、抗体反応を誘発する
抗原性断片)を免疫処置する。蛋白質又はペプチドに抗原性を与える方法には、
担体への結合や、他の当業界で知られる方法がある。Der p VII又はDer f
VII活性を有するペプチドは助剤と共に投与できる。免疫処置の進展は血漿
又は血清の抗原力価を調べることにより検討できる。抗原のレベルを検出する為
には、免疫原を抗原とした標準エリザや他の免疫検定法が用いられる。
免疫処理に続いて、抗Der p VII又は抗Der f VII抗血清が得られる
。所望により血清からポリクローナル抗Der p VII又は抗Der f VII抗
体を分離することもできる。モノクローナル抗体を得る為には、免疫処理した動
物から得た抗原産生細胞(リンパ球)を標準体細胞融合法により、骨髄腫細胞の
ような不死化細胞と融合させ、ハイブリドーマ細胞を産生する必要がある。この
ような方法は当業界では良く知られている。例えばKohlerとMilste
in((1975)Nature,256:485−497)によって最初に開
発されたハイブリドーマ法や、ヒトB細胞ハイブリドーマ法(Kozbar他(
1983)Immunology Today,4:72)、ヒトモノクローナ
ル抗体を産生するEBV(エプスタイン・バールウイルス)−ハイブリドーマ法
(Cole他(1985)Monoclonal Anribodies an
d Cancer Therapy,AlanR.Liss,Inc.pp77
−96)等がある。ハイブリドーマ細胞は免疫化学的にふるい分けられ、Der p
VII又はDer f VII活性を有するペプチドと特異的に反応する抗体及び
単離されたモノクローナル抗体の産生に使用される。
ここで用いられる抗体という語には、Der p VII又はDer f VII活性
を有するペプチドに特異的に反応する抗体の断片を含むものとする。抗体は従来
の方
法で断片化され、完全な抗体について上に述べたものと同一の方法でふるい分け
て使用できる。例えば、F(ab’)2断片は抗体をペプシンで処理して得られ
る。こうして得たF(ab’)2断片はFab’断片を産生するジュスルフィド
架橋を減じる処理を施される。本発明の抗体は更に抗Der p VII又は抗De r f
VII部位を有する2重特異的な(bispecific)分子及びキメラ
分子を含むものとする。
本発明の他の特徴としては、Der p VII又はDer f VII活性を有する
ペプチドと特異的に反応するT細胞クローン及び溶解性T細胞受容体を提供する
ことにある。モノクローナルT細胞個体群(すなわち、遺伝学上互いに同一であ
り同一のT細胞受容体を発現するT細胞)はDer p VII又はDer f VII
に敏感な細胞から誘導し、続いて、MHC適合抗体提示細胞の存在下でDer p
VII又はDer f VII蛋白質及びDer p VII又はDer f VII活性を
有するペプチドにより生体外で繰り返し刺激する。単一Der p VII又はDe r f
VIIMHC反応細胞を、限界稀釈法によりクローンし、定期的な生体外で
の刺激により永久系統を拡張し保持できる。別法として、Der p VII又はD er f
VIIに特異的なT−TハイブリドーマはB細胞ハイブリドーマ産生に類
似の方法で産生できる。例えば、マウスのようなほ乳類をDer p VII又はD er f
VII活性を有するペプチドで免疫処理し、次
にT細胞を精製し、成長しつつあるT細胞腫瘍系統と自律的に融合させる。こう
して得られたはハイブリドーマからDer p VII又はDer f VII活性を有
するペプチドに反応する細胞が選択されクローンされる。モノクローナルT細胞
増殖後の手順はCellular and Molecular Immunology(Abul,K.Abbas他,W.B.Saund
ers Company,Philadelphia,PA(1991)p139)に記載されている。Der p VII又
はDer f VII活性を有するペプチドに特異的に反応する溶解性T細胞受容体
はImmunology,A synthesis(2nd edition),Edward S.Golub et al,Sinauer Asso
ciates,Inc.Sunderland,MA,p366-269)に述べられているように、T細胞受容体
に対する抗体を使用して免疫沈降により得られる。
Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチドに特異的に反応する
T細胞クローンは対応するT細胞受容体をコードする遺伝子を分離し、分子レベ
ルでクローンするのに使用される。加えて、Der p VII又はDer f VII
活性を有するペプチドに特異的に反応する溶解性T細胞受容体は例えばDer p
又 VIIはDer f VIIに敏感な個体に投与することによって対応するT細胞
副次集団が抗原により活性化されるのを阻害または抑制するのに用いられる。こ
のようなT細胞受容体に特異的に反応する抗体は、ここに述べられる方法に従っ
て産生される。このような抗体はT細胞とMHCにより提示されるペプチドとの
間の相互作用をブロック
または阻害するのに用いられる。
Der p VII又はDer f VII活性とT細胞刺激活性を有するペプチドを
アレルギー性患者に曝すと、適当なT細胞の副次集団はそれぞれに対応する蛋白
質アレルゲンに対して無反応になる(例えば曝された場合でも免疫反応を刺激し
ない)。加えてこのような投与は天然蛋白質アレルゲンまたはアレルゲンの部分
へ曝した場合に比べてリンフォカイン分泌特性を変化させる。更に、Der p
VII又はDer f VII活性を有し且つT細胞刺激活性を有するペプチドは通常
アレルゲンへの反応に関与するT細胞副次集団に影響を与える。これらT細胞は
アレルゲンに曝される正常部位(例えば鼻粘膜、皮膚、肺)から引き離され、蛋
白質またはそれから作られた断片を投与治療されている部位へ移動する。T細胞
副次集団の再配分はアレルゲンへ曝される正常部位において通常の免疫反応を刺
激することで個人の免疫系の能力を改善または減少させて、アレルギー症状を軽
減する。
Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチドはダストダニアレル
ゲンに過敏な患者に投与された場合、アレルゲンに対する患者のB細胞反応、T
細胞反応、またはB細胞とT細胞の両方への反応を改善する。ここで用いられる
、ダストダニアレルゲンに対する患者のアレルギー反応を改善するということは
、標準医療手順書(例えば、Varnary 他(1990)British Medical
Journal,302:265-269)に示されているように、アレルゲンに対して無反応化し或
いは症状を軽減させるということである。これらには、ホコリダニに誘発される
ぜんそく症状の軽減も含まれる。ここで使用する症状の軽減とは本発明のペプチ
ドによる処理養生に続く、アレルゲンへの患者のアレルギー反応の減少を含む。
この症状の軽減は主観的に決められる(例えば軽減とは、患者がアレルゲンに曝
された時により楽に感じられること)。
本発明のペプチドまたは抗体は又Der p VII又はDer f VII過敏性を
検知し、診断するのに用いられる。例えば、これは生体外でDer p VII又はDer f
VII活性を有するペプチドに過敏性であると査定された患者から得た
血液または血液生成物を、Der p VII又はDer f VII活性を有するペプ
チドに混合することで判断するが、この時条件は血中成分(例えば抗体、T細胞
、B細胞)とペプチドの結合に適当なものであり、このような結合が起こる程度
の決定に適当なものであるように定める。本発明のペプチドまたは抗体を使用す
るアレルギー診断法で他に挙げられるものは、放射免疫吸収法(RAST)、ペ
ーパー放射免疫吸収法(PRIST)、酵素結合免疫吸収法(ELISA)、放
射免疫分析法(RIA)、免疫−放射分析法(IRMA)、蛍光免疫分析法(L
IA)、ヒスタミン分泌分析法、及びIgE免疫ブロット法である。
本発明は更にDer p VII又はDer f VIIに対
する患者の過敏性を検知及び治療する方法を提供する。患者内のDer p VII
又はDer f VIIに特異的なIgEの存在及び患者のT細胞のDer p VII
又はDer f VII上のT細胞エピトープに反応する能力は、アレルゲンに対し
て特異的なIgEに結合するようなDer p VII又はDer f VII活性を有
するペプチド、或いはDer p VII又はDer f VII活性を有するペプチド
の改良型を使用した即時型過敏症テスト及び/又は遅延型過敏症テスト(例えば
Immunology(1985)Ritt,I.M.,Brostoff,J
.,Male,D.K.(eds),C.V.Mosby Co.,Gower
Medical Publications,London,NY,pp19
.2−19.18;pp22.1−22.10参照)を患者に施すことにより決
定できる。同一の患者が即時型過敏症テストに先立ち、又はそれと同時に、又は
その後に、遅延型過敏症テストを受ける。勿論、遅延型過敏症テストに先立って
即時型過敏症テストが施された場合、遅延型過敏症テストは即時型過敏症テスト
反応を示した患者に施される。遅延型過敏症テストはT細胞刺激活性を有し且つ
アレルゲンに対し過敏な患者数の実質的な割合(例えば約75%)でアレルゲン
に特異なIgEと結合しない、Der p VII又はDer f VII活性を有する
ペプチドを用いる。特異的な即時型過敏症テスト反応及び特異的な遅延型過敏症
テスト反応の両方を有すると判明した患者は、薬剤投与に適した量の組成物を投
与される。ここに組成物は遅延型過敏症テストで使用されたDer p VII又はDer f
VII活性を有するペプチド及び製薬上許容できる担体または稀釈液か
らなる。
Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチドは、ダストダニアレ
ルゲンまたは交差反応のある蛋白質アレルゲンへの診断、治療、及び予防に使用
される。
従って、本発明はDer p VII又はDer f VII活性を有するペプチドの
少なくとも一方からなる、生体外使用及び薬剤投与に適する組成物を提供する。
薬剤組成物は通常製薬上許容される担体と共に処方される。
本発明による組成物が患者または被験体から過敏症を除くために投与される場
合、公知の手順に従って、ダストアレルゲンに対する患者の過敏症を減じる(す
なわちアレルギー反応を減じる)のに適した投与量及び時間で投与できる。ここ
で患者または被験体とは、例えばほ乳類のような内部で免疫反応を誘起できる生
命体のことを言う。患者等の例としては、ヒト、イヌ、ネコ、ハツカネズミ、ラ
ット、及びそれらのトランスジェニック種が挙げられる。治療効果を上げるため
に必要なDer p VII又はDer f VII活性の少なくとも一つを有するペプ
チドの量は、患者等のダストダニに対する過敏性、年齢、性別、体重、患者内で
の抗原反応を誘発するDer p
VII又はDer f VII活性を有するペプチドの能力等の因子により
変化する。投与量計画(regima)は治療反応が最適となる量に調製し得る
。例えば、幾つかに分割した投与量を毎日投与し得るし、治療状況の緊急性によ
っては比例的に減じて行くこともあり得る。
活性化合物(すなわちDer p VII又はDer f VII活性を有するペプチ
ド)は注射投与(皮下、静脈等)、経口投与、吸引、経皮塗布、直腸投与、など
の都合の良い方法で投与し得る。投与の経路によっては、活性化合物を不活性化
させるような酵素、酸、及び他の自然環境から化合物を保護するために特定の素
材により被覆しても良い。
非経口投与以外のDer p VII又はDer f VII活性を有するペプチドの
投与には、不活性化を防ぐ素材でペプチドを被覆するか、又はこうした素材と同
時に投与することが必要な場合があり得る。たとえば、Der p VII又はDe r f
VII活性を有するペプチドは、酵素阻害剤と共に適当な担体、稀釈液、ま
たは助剤に入れて、又はリポソームのような適当な担体に入れられて患者等に投
与される。製薬上許容される稀釈液には生理食塩水又は水性緩衝液がある。助剤
は広義で使用され、インターフェロンのような任意の免疫刺激化合物も含む。こ
こで企図される助剤はレゾルシノール、ポリオキシエチンオレイルエーテル、及
びn−ヘキサデシル
ポリエチレンエーテル等の非イオン性界面活性剤を含む。酵素阻害剤はすい臓ト
リプシン阻害剤、ジイソプロピルフルオロリン酸塩(DEP)及びトラシロール
を含む。リポソームは水中−油中−水型CGFエマルジョン、並びに通常のリポ
ソームを含む(Strejan他(1984)J.Neuroimmunol.
7:27)。T細胞無反応を誘発するためには、組成物は非免疫発生形、たとえ
ば助剤を含まない形で投与するのが望ましい。活性化合物も非経口又は経腹膜に
より投与し得る。分散液はグリセロール、液体ポリエチレングリコール、及びそ
れらの混合物中、及び油中に用意できる。通常の保存及び使用状態ではこれらの
調製物には微生物の繁殖を防ぐ保存剤が含まれうる。
注射に適した薬剤成分には、殺菌した水溶液(水溶性の場合)、分散液、及び
殺菌した注射溶液又は分散液をその場で調製するための殺菌性粉末が含まれる。
すべての場合に、組成物は殺菌され、且つ注射が容易にできる程度に液体である
必要がある。組成物は製造、保存条件下で安定で、且つバクテリアや菌類などの
微生物による汚染を防ぐものである必要がある。担体はたとえば水、エタノール
、ポリオール(たとえばグリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレ
ングリコール、その他同様なもの)、それらの混合物又は植物油などのような、
溶媒又は分散媒であり得る。例えば、レシチンのような被覆材を用いるか、分散
の場合には必要とされる粒
子の大きさを保持するか、界面活性剤を用いるかして通当な液体性を保持するこ
とができる。微生物の作用は例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、
アスコルビン酸、チメロサール、その他の様々な抗バクテリア及び抗菌剤を用い
ることにより抑制することができる。多くの場合、組成物が例えば砂糖、マンニ
トール、ソルビトール等のポリアルコール、塩化ナトリウム、等の等張力剤を含
んでいることが望ましい。例えばモノエステル酸アルミニウム及びセラチン等の
吸収遅延剤が組成物に含まれていれば、注射可能な組成物の吸収を延長できる。
殺菌された注射可能な溶液は活性化合物(すなわちDer p VII又はDer f
VII活性を有するペプチド)を必要量適当な溶媒中で上に列挙した成分のう
ちの1つ以上を混合し、無菌濾過することにより得られる。一般に、分散液は活
性化合物を基本分散媒体及び上に列挙した成分で必要なものを含む殺菌された媒
体に混合することで得られる。殺菌された注射溶液を得るために用いる殺菌粉末
の場合、真空乾燥又は凍結乾燥が望ましい方法である。これによって、活性成分
(すなわちDer p VII又はDer f VII活性を有するペプチド)の粉末及
びあらかじめ無菌濾過したその溶液からの追加の所望成分を含む粉末を生成する
。
Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチドを上記のようにして
保護すると、例えば不活性稀釈
液又は同化性食用担体等と一緒にペプチドを経口投与することができる。ペプチ
ドと他の成分は固い又は柔らかい殻を形成するゼラチンカプセルに入れるか、錠
剤に固められるか、患者の食事に直接混合され得る。経口治療投与としては、活
性化合物は賦形剤に混合されるか、経口摂取可能な錠剤、含口(buccal)
錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、カシェ剤、その他
同様の形態で使用され得る。勿論、組成物と調整剤の割合は多様であり得る。都
合が良いのは、重量単位で組成物が5〜80%の間であろう。このような治療に
使用できる組成物中の活性化合物の量は適当な投薬量が得られるように定める。
ここで使用される「製薬上許容される担体」とはすベての溶媒、分散媒体、被
覆、抗バクテリア及び抗菌剤、等張力剤、展延剤、その他同種のものが含まれる
。活性物質のためのこのような媒介物や化学剤の使用は当業界に周知である。従
来の媒介物や化学剤が活性化合物と非親和性でない限りこれらは治療組成物中で
使用できる。補助的な活性成分も使用できる。
投与の容易性と投薬量の一様性を確保するには、非経口組成物処方を投薬量単
位で表すのが特に便利である。ここで言う投薬量単位とは、対象となるほ乳類の
被験体に対して統一的な投与に適した物理的に不連続な単位であり、各単位は必
要な製薬担体と組み合わせて所定の治療効果を上げるように計算された所望量の
活性成分を含むものいう。本発明の投与量単位の特定化は(a)活性化合物の特
殊な性質及び達成される特定の治療効果,及び(b)患者の過敏性に対する処置
を目的とした活性化合物の合成に固有の限界に左右され、且つ直接依存する。
本発明は又、各々がT細胞刺激活性を有するDer p VII又はDer f V
II活性を有する少なくとも2つのペプチドからなる混合物(例えば少なくとも2
つのペプチドの物理的混合物)を提供する。例えば、各々Der p VII活性を
有する少なくとも2つのペプチドが結合されるか、又はDer f VII活性を有
する少なくとも2つのペプチドが結合されるか、又は、Der p VII活性を有
する少なくとも1つのペプチドとDer f VII活性とを有する少なくとも1つ
のペプチドが結合され、投与される。或いは、各々がT細胞刺激活性を有する領
域(すなわち各々の領域が少なくとも1つのT細胞エピトープを含む)を少なく
とも2つ有するペプチドがアレルギー性患者に投与される。このようなペプチド
は少なくとも2つの領域がDer p VII又はDer f
VIIの内の同一のアレルゲンからなるか、或いはDer p VII及びDer f
VIIの結合アレルゲンからなる。2つのペプチドの組成物又は少なくとも2
つの領域を有するペプチドは、ここに述べたように製薬上許容し得る担体と共に
配合物の形で患者に投与される。1つ以上のこのようなある量の組成物はダスト
ダニアレルゲンに過敏な患者に対して過敏症の治療を目的として同時に、又は連
続的に投与できる。このような組成物は患者のハウスダストダニに対する過敏症
を治療する薬の製造に便利である。
Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチドをコードするcDN
A(又は逆転写中鋳型として用いられるmRNA)は、任意の種類の動物におけ
る類似の核酸配列を識別するのに用いられ、従って、Der p VII又はDer f
VII活性を有するペプチドをコードするcDNAとハイブリッド形成するの
に充分な相同性のある配列を持つ遺伝子をクローンするのに用いられる。従って
、本発明はDer p VII又はDer f VII活性を有するペプチドを含むだけ
ではなく、本発明のDNAとハイブリッド形成するDNAにコードされるアレル
ゲンとなり得る蛋白質を含む。
これまでに識別されたもの以外の抗体交差反応又はT細胞交差反応等によりD er p
VII又はDer f VIIに免疫的に関係したペプチドを単離したものも
本発明の範囲に属する。このようなペプチドは本発明の蛋白
質又はペプチドに特異的な抗体に結合するか、本発明の蛋白質又はペプチドに特
異的なT細胞を刺激する。
Der p VII又はDer f VII活性を有するペプチド(すなわち、組換え
又は化学合成により産生されたDer p VII又はDer f VII)は、他のす
べてのダストダニ蛋白質を含まず、従ってダストダニ過敏症の診断又は治療の鍵
となる薬剤となるアレルゲン抽出物の標準化に便利である。加えて、このような
ペプチドは調合に際して構成物と生物学的活性が一定か明確であり、治療を目的
として投与することができる(ダニに敏感な患者のアレルギー反応を改善する)
。このようなペプチドはDermatophagoides pteronys
sinus及びDermatophagoides farinaeアレルギー
に対する免疫療法のメカニズムの研究に用いられ、免疫療法において使用し易い
改良型派生物や類似物を設計するのに用いられる。
他の人々の研究により高レベルのアレルゲン抽出物の投与は免疫療法中最も良
い結果を得る(すなわち最も症状を軽減する)ことが分かっている。しかし多く
の患者はアレルゲンや調合剤中の他の成分に誘発される全身反応により、このよ
うな抽出物の大量投与に耐えることができない。本発明によるDer p VII又
はDer f VII活性を有するペプチドには他のダストダニ蛋白質はまったく含
まれておらず、従って治療に安全でより適している。
過敏症の患者内で過敏反応を誘発するダストダニアレルゲンの能力をブロック
または阻害することのできる薬剤が本発明により可能となった。例えば、関連し
た抗Der p VII又は抗Der f VIIIgE分子に結合し、従ってIgE−
アレルゲン結合を阻害し、続く肥満細胞/好塩基球の顆粒消失を阻害するように
このような薬剤を用いることができる。他には、このような薬剤は免疫系の細胞
成分に結合することができ、その結果ダストダニアレルゲンへの過敏反応が抑制
されるか又は軽減される。非限定的な例として、Der p VII又はDer f
VIIのcDNA蛋白質構造に基づき、Der p VII又はDer f VIIeのB
細胞又はT細胞エピトープを含むペプチドまたはその改良型を使用してダストダ
ニアレルゲンへの過敏反応を抑制する。これは、ダストダニに過敏な患者から得
た血液成分について生体外研究におけるB細胞またはT細胞の機能に影響すB細
胞またはT細胞エピトープをコードする断片の構造を決定することで実行し得る
。
本発明は更に以下の実施例により説明されるが、本発明を限定するものとか解
してはならない。本明細書に記載された参照文献と特許公報の内容は引用して本
明細書の内容に組み込まれる。
実施例1
aλgt11cDNAライブラリーからのHD6ク
ローンの分離
Commonwealth Serum Laboratories,Par
kville,Australia(Thomas,W.他,Int Arch
Allergy Appl Immunol(1988)85:127−9)
から購入した生きた成体Dermatophagoides pteronys
sinusからλgt11cDNAライブラリーを用意した。ライブラリーは、
YoungとDavis(Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1
983)80:1194−1198)及びGublerとHoffman(Ge
ne(1983)25:263−299)の方法に基づくChua他(J.Ex
p.Med(1988)167:175−182)に従って用意した。ポリアデ
ニル化mRNAはD.pteronyssinus培養物から分離され、cDN
Aはキット(Amersham International,Bucks)を
用いてリボヌクレアーゼH法により合成した(GulberとHoffman,
前述)。EcoRIリンカーを付加した後、cDNAをλgt11内に連結し、
5X105個の組換え体のライブラリーを得る為にE.coliY1090(r
−)(Promega Biotec,Madison,Wisconsin)
内で培養した。
アレルギー性の血清をλgt11ライブラリーのプローブとして用いた。14
.5cmのペトリ皿上で
20000pfuを用いる標準手順(Chua,K.Y.他Int Arch
Allergy Appl Immunol(1990)91:118−23)
を用いてIgEプラークイムノアッセイを行った。簡潔に述べると、一晩置いた
E.coliY1090(Huynh,T.V.他Constructing
and Screening cDNA Libraries in gt10
and gt11 in:A Practical Approach,Ox
dford IRL Press,1986,pp48−78)培養物をL肉汁
により1/50に薄め、OD6500.6まで37℃で培養した。バクテリアは小
球状に集め肉汁50mlごとに400μlを再培養した。14.5cmペトリ皿
上にY1090の300μlを、104pfuファージと室温で30分間培養し
た。次にLB寒天9ml上に0.7%寒天を敷いたものに移植し、42Cで3時
間培養した(通常プラークが見えるようになるまで)。この時、10mMのイソ
プロピルβ−D−チオガラクトシドで飽和させ乾燥させてあったニトロセルロー
スフィルターを培養地表面に置いた。培養は37Cで一晩続けた。フィルターを
除去し、0.01Mのトリス塩酸塩、0.15Mの塩化ナトリウム、トゥイーン
20v/v0.05%、pH8,(TNT)緩衝液で静かに揺らしながら、20
分間洗浄した。フィルターをダニアレルギーの子供から得た血清と2時間揺らし
ながら室温
で保温し(インキュベート)、30分毎にTNTで3度洗浄した。使用された血
清は当初はE.coli抽出物(Huynh他、上記)50:50に稀釈され、
一晩培養した後、遠心(3000、10分)により清澄化し、脱脂乳5%とアジ
化ナトリウム0.02%を加えた。IgE反応性を発達させるためにフィルター
を125I−標識抗IgE溶液中、室温で2時間揺らした。続いて、30分毎にT
NTで3洗浄した。抗IgEはハツカネズミモノクローナル2.1.5(Sle
nus Laboltories Pty.Ltd,Hawthorn,Vic
toriaより入手した)であり、その30ng/mlを125I105dpm/n
gとTNT中で結合させて使用した(Stewart,G.A.h他、Int
Arch Allery Appl Immunol(1988)86:9−1
8)。それにクロラミンT法により標識を付けた。フィルターは補力されたスク
リーンで通常−70℃で48時間オートラジオグラフ記録した。
D.pteronyssinus cDNAライブラリーから得たλgt11派生クローンH
D6は、ダニアレルギー症血清(Taiwan University Hospital,Taipei,R.O.に
アレルギー診療に参加した子供から得た)と上記のプラークラジオイムノアッセ
イによって高いIgE結合性を示した為、プラーク精製された(Maniat他、Molec
ular Cloning: A Laboratory Manual,(1982)Cold
Spring Harbor)。このクローンに対しIgE結合を有する血清の量を決定する為
に、λgt11−HD6が90cmのペトリ皿上で1000pfuで培養され、
上記の Young and Davis(1983)に概要が記載された(Chua,K.Y.他 Int.Arch
.Allergy April.Immunol,(1990),91:118-123に改良型の詳細あり)ようにし
て、免疫検定用にニトロセルロース上に移した。フィルターは分断され、Royal
Children's Hospital Melbourne(Dr.D.Hill)(図1)から入手した20種の
血清と共にIgEイムノアッセイが行われた。強い反応が6つの血清に見られ、
別のシリーズでも18中8に見られた。1000IU/mlでテストされた超過
IgE血清は結合を示さず、ライ草のみに過敏性のある子供から得た血清も結合
を示さなかった(図1の右手の列の下方にある2つの切片参照)。
ファージによりコードされるIgE結合分子の大きさを定めるために、精製さ
れたクローンから得たDNAをポリエチレングリコール沈殿法(Chua,K.Y.他,
J.Exp.Med.,(1988),167:175-182)により分離し、λgt11−HD6に見られ
る812bpのDNA挿入をEcoRI消化(東洋紡、大阪)により釈放し、グ
ルタチオン−S−転移酵素融合ベクターpGEX−1(Smith,D.B.他,Gene,
(1988),67:31-40)内の同じ部位中にサブクローンし、E.coliT6−1を
形質転換するのに用いた。これにより発現した蛋白質は固定グルタチ
オン上で親和性クロマトグラフ法(Smith,D.B.他 Gene(1988),62:31-40)によ
り、変性を起こさない条件下で粗バクテリア溶解物から分離した。融合蛋白質は
ウエスタンブロット法により調べた。ウエスタンブロット法では蛋白質をBurnet
te(Burnette,W.N.,Alal.Biochem(1981),112:195-203)の手順によってニトロ
セルロース(Bio−Radトランスブロット)上に移し、アレルギー症血清及
び125I−抗IgE或いはウサギ抗体及び125I−蛋白質Aを用いて(Greene,W.
K.他,Int Arch Allergy Appl Immunol(1990)92:30-8)プラークラジオイムノ
アッセイを行った。
pGEX−1内での発現は53−55KのMrで対になって移動する蛋白質及
びウサギ抗ハウスダストダニ血清とウエスタンブロットにより反応する蛋白質を
産生した(図2、列1)。2つのアレルギー症血清がこの対と反応したが(図2
列3、5)、1000IU/mlの超過IgE血清(図2列4)或いは正常ウサ
ギ血清(図2列2)とは反応しなかった。IgE結合蛋白質は27Kグルタチオ
ン転移酵素の影響で約Mr27となるであろう。これは以下に述べるように、リ
ーダー配列の残基と5’末端非翻訳領域の残基からなる。
実施例2
クローンHD6のDNA配列分析
クローンHD6の812塩基対挿入はM13ベクター
mp18及びmp19(Messing,Methods Enzymolog
y(1983)101:20参照)でクローンされ、−40、一般プライマー及
び内在プライマー(Messing前述)を用いて双方向の配列決定が行われた
。ジデオキシヌクレオチド配列決定法(Sambrook,J.他Molecu
lar Cloning.A Laboratory Manual.2nd
Edition.Cold Spring Harbor:Cold Spri
ng Harbor Laboratory Press,1989)が、32P
−dATPおよびBiorad Sequi−gen電気泳動器と共にシーケナ
ーゼ2.0キット(IBI,New Heaven,USA)を用いて行われた
。一般及び内在プライマーを用いた配列分析に続いては、Der p VIIcDN
A配列に基づく三つのプライマーが産生され、配列決定が行われた。プライマー
の配列は以下の通りである。(1)GATCCAATTCACTATGAT(図
3SEQ ID NO:3における塩基119−136);(2)GGTGAA
TTAGACATGCG(図3SEQ ID NO:3における塩基272−2
88);(3)TCAATTTTGGATCCAATTTTCGCT(SEQ
ID NO:5における塩基584−607)。
挿入されたDNAは812塩基からなり、5’末端から始まるオープンリーデ
ィングフレームを有し、λgt
11及びPGEX−1からの融合として発現は一定し、TAG(713−715
)(図3)の停止コドンで終わる。翻訳された蛋白質の配列はヌクレオチド68
−70及び71−73での隣接した開始ATGより始まるようである。これに続
くのが典型的な、ほとんどが疎水性のリーダー配列をコードするヌクレオチド(
Von Hiejne,G.,J.Mol.Biol(1985)184:99
−105)で、約17残基の長さだと思われる。更に、198残基をコードする
配列が続き、ヌクレオチド713−715にてTAGコドンで終了する。このリ
ーディングフレームを確かめるには、PCR((Saiki他Science(
1988)239:487−491参照)を用いてヌクレオチド119−121
によりコードされるN末端Aspから始まると思われるpGEX中の正しいMr
の抗原産生物をコードするDNAをクローンする。この合成物から得た融合蛋白
質は、リーダーペプチド(pGEX−1)を含む融合体よりも非常に高い収率で
産生される。3’末端の翻訳されない領域は、765−770(図3下線部)で
ポリアデニル化信号AATAAAとポリエーテルを含む。N−グリコシレーショ
ン可能部位Asn Ala Thrはヌクレオチド518−526(図3下線部
参照)によりコードされる。Genpept71.0,ENBL30.0及びS
wiss−Prot21データベース中の配列には相同性のある配列は存在しな
い。翻訳されたポリ
ペプチドの予想される分子量は23865ダルトンでリーダー配列を除くと22
177ダルトンである。
実施例3
ダニ抽出物中のDer p VIIアレルゲンの特性
Der p VII天然蛋白質アレルゲンを識別する第一の段階として、前述し
たように得られるアレルギー症血清のプールを同体積のpGEX−1HD6溶解
物またはコントロールベクター溶解物に吸収させる(GreeneとThoma
s,Molec.Immunol.(1992)29:259−262)。ハウ
スダストダニ抽出物をLaemmli(Laemmli,U.K.,Narur
e(1970)227:680−5)に従って8−18%勾配で10−12cm
ゲル装置及び13%ミニプロテアンII装置(Bio−Rad,Richmon
d,VI,USA)中でSDS−PAGEを行うことにより分離し、上記血清と
IgEウェスタンブロットにかける。ダストダニ抽出物の場合、1トラックにつ
き蛋白質0.1mgの割合で装填する。バクテリアの場合、培養物を遠心分離し
、団塊を培養体積の0.01に培養し、電気泳動のために10μlをサンプル緩
衡液に加えた。精製した蛋白質を1トラックにつき2−5μl電気泳動した。対
照標準となるベクターに吸収された血清(図4列2)に比べ、HD6融合蛋白質
を吸収した血清(図4列1)は29、27Mr及び11.5Kバンド
への反応力低下を示している。
これを更に調べるために、HD6蛋白質に対するウサギ抗体を用意した。ウサ
ギ抗体は、λgt11−HD6プラークの広がったプレートから写したニトロセ
ルロース膜を用いて高度免疫血清から親和性精製した。簡単に手順を述べると、
λgt11クローンにより発現したアレルゲンに対し特異性を有する抗体をウサ
ギ抗D.pteronyssinus高度免疫血清(Greene,W.K.他Int Arch Allergy Appl Imm
unol(1990)92:30−8)(ウサギにダニ抽出物をくり返し注射して産
生される)から分離した。分離にはプラークをブロットしたニトロセルロース膜
を用いて親和性精製を行う。(Ozaki,L.S.他J.Immunol Methods(1986)8
9:213−9)。λgt11由来のファージ(クローンHD6)を90cmペ
トリ皿に10000pfuで培養し、ライブラリーをふるいわけたのと同じ条件
下でイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)で飽和したニ
トロセルロースをかぶせた。一晩培養したのち、フィルターを裏返してもう一方
の面をプレート表面にさらし37℃で2時間培養した。次にフィルターをTNT
緩衝液(0.01Mトリス塩酸塩、0.15NaCl、0.05%トゥイーン2
0v/v pH8.0)で洗浄した。λgt11溶原溶解物1ml中で一晩培養
されたウサギ抗血清1mlをTNT20mlで希釈し脱脂乳を5%まで加えた。
フィルターを入れたペトリ皿に5mlに等分し室
温で1時間ゆらした。フィルターをTNTで3度洗浄し、抗体を溶出する為に0
.1Mグリシン、0.15MNaCl pH2.6中で室温で15分間培養した
。溶出5mlごとに100mMトリス650μl、1.5m NaCl、1%ア
ジ化ナトリウム50ml、脱脂乳0.25gを加え中和した。溶液をPBSで透
析した。
親和性精製した抗体を上述のハウスダストダニ抽出物のウェスタンブロットに
用いる為にE.coli溶解物に吸収させたところバンドMr29、27、25
(図5)と反応することがわかった。活性の特異性は蛋白質を発現するpGEX
−HD6溶解物(図5列3)又は対照標準pGEXから構成されるpGEX−D
15(図5列2)と親和性精製した抗体を吸収させることによって更に確認した
。HD6に吸収された血清(列3)は全てのバンドに対する反応性を喪失した。
従ってアレルゲンに対する抗体がMr29、27及び24Kで成分に対し特異性
を有することを親和性精製が示している。上述のCSLダニから得た抽出物との
結合バンドパターンと同じものが、Hollister-Stier Laboratories,Spokane,WA,
USA からの抽出物についても見られた。
HD6溶解物に対する抗体か、ウェスタンブロット上の少くとも3つのバンド
に特異的に反応するということは、ダニに過敏な患者により識別されるアレルゲ
ンの数を決定できることを意味する。複数のバンドが2つの異なる抽出物につい
て調べられ、アレルギー症血清に関す
る吸収の研究により29及び27KバンドがIgE反応を有し、この組換え分子
が各バンドに対する全ての反応を吸収するということが判明した。しかしこの研
究からは全ての患者が各バンドに反応するとは言えない。還元性条件の下でウェ
スタン分析が行われたことと、翻訳された配列から計算されるMrより大きなM
rをバンドが持つことから、異なる形のアレルゲンは異なる糖蛋白質化産生物で
あると解釈しうる。このことは脱糖蛋白質の過程による変性を注意深く制抑する
ことで確認できる。しかしパターンは電気泳動法により示された数よりアレルギ
ー特異性の数が少ないことを示している。これは精製した組換え又はペプチドア
レルゲンを用いた免疫治療に重要な観察結果である。あるいは抗HD6抗体に反
応する異ったMrバンドの存在は、関連した又は交差反応するアレルゲンの存在
を意味する。
実施例4
Der f VIIをコードするcDNAのλgt11cDNAライブラリーから
の分離
λgt11 cDNAライブラリーを、Commonwealth Serum Laboratories,P
arkville Australia(Thomas,W.他 Int Arch Allergy Appl Immunol(1988)85
:127−9)より購入した生きた Dermatophagoides farinae成体を用いて準
備した。ライブラリーは Trudinger他((1991)Chem.Exp.Allergy,21:33−
37)に従っ
て用意した。
Der f VII cDNAをλgt11ライブラリーから分離する為にPCR
増殖法とDNA配列決定法を行った。予想されるDer p VIIN末端配列に基
づくオリゴヌクレオチドプライマー(表1、Df1)を用意した。このプライマ
ーは配列GCGAATTCGATCCAATTCACTATGAT−3’(SE
Q ID NO:8)を有した。始めのGCGAATTCはEcoRI部位(G
AATTC)をコードし、配列GATはDer p VIIの最初の6残基をコード
する。他のプライマーとして、EcoRIクローニング部位に隣接するλgt1
1 GGTGGCGACGACTCCTGGAGCCCG−3’(SEQ ID
NO:9)フォワードプライマー(表1、Df2)を用いた(New England Bi
olabs,Beverly,U.S.A.)。
PCR反応は最終反応体積50μlとなる、20mMトリス HCl、pH8
.2、10mM KCl、6mM(NH4)。SO4、2mM MgCl2、0.
1%トリトンX−100、10ngμヌクレアーゼ非含有BSA、10mM d
NTPs、20pmol各プライマー及び2.5単位Pfu DNAポリメラー
ゼ混合液中で行われた。これはキットとしてStratagene(La Jolla,California,
U.S.A.)から入手した。標的DNA(λgt11 D.farinae cDN
A連結、0.001μg)を加え、試験管内容物を混合しパラフィン油
でふたをした。試験管内容物を95℃で5分間変性させ、55℃で2分間アニー
ルし、72℃で2分間合成させた。次の48周では94℃で1分間の変性、55
℃で1分間のアニール、72℃で2分間の合成を行う。最後(50回目)の周で
は、合成反応を10分間に延長し、全ての増殖産生物を完全な長さにする。
10マイクロリットルの反応物を1%アガロースゲル上で増幅バンドに対して
調べる。反応混合物の残りはエタノール沈澱させ、低融点を有するアガロースゲ
ル(Bio-Rad.,Richmond,U.S.A.)上で増殖させた産生物を精製する。
精製したPCR産生物をEcoRIで切断し、EcoRIで切断したM13ベ
クターmp18(Messing前述参照)に連結させ、E.coli TG1系細胞
へ移植した。単独の白いプラークが抽出されファージストックで1本鎖DNAの
配列決定に用いられた。
実施例5
Der f VII cDNAのDNA配列分析
シーケナーゼ2.0版(USB Corp.,Cleaveland,U.S.A.)を用いてその提供者
の手順に従ってジデオキシヌクレオチドチェインターミネーター法によりDNA
配列決定を行った。配列決定に用いられるプライマーはM13配列決定プライマ
ー(−40)、17−mer GTTTTCCCAGTCACGAC−3’(S
EQ ID
NO:10)(表1、Df3)、例4に述べられたPCR法に用いられたプライ
マーDf1(SEQ ID NO:8)、表1に示されたオリゴヌクレオチドプ
ライマーDf4、Df5がある。プライマーDf4 GGTGAATTAGCC
ATGCG−3’(SEQ ID NO:11)はDer p VII配列決定に用
いられており、プライマーDf5 TCAATCTTGGATCCAATTTT
TGGC−3’(SEQ ID NO:12)はDer f VII配列のヌクレオ
チド559−582に基づいている。
Der f VIIの翻訳されない5’末端領域を含むcDNAを分離する為に、Der f
VIIのC末端配列に基づくオリゴヌクレオチドプライマーが用意され
た。このプライマー(表1、Df6)は配列GGAATTCTTAATTTTT
TTCCAATTCACG−3’(SEQ ID NO:13)を有する。始め
のGGAATTCはEcoRI部位をコードする。この配列とそれに続く配列(
TTA...)はDer f VIIの停止コドンと最後の6残基を逆転した配列に
相補性がある。他のプライマーとしてはEcoRIクローニング部位に隣接する
λgt11 TTGACACCAGACCAACTGGTAATG−3’逆転プ
ライマー(SEQ ID NO:14)(表1、Df7)が用いられた。
PCR法は例4に述べられた条件に従って行われた。PCR産生物は低融点ア
ガロースゲル上で分離され、
EcoRIで切断され、EcoRIで切断されたpUC19に連結され、E.c
oli TGI系細胞に移植された。形質転換E.coliからプラスミドDN
Aが分離され、配列決定に用いられた。
DNA配列決定は上記と同様、シーケナーゼ2.0版を用いたジデオキシヌク
レオチドチェインターミネーター法を用いた。しかし、配列決定前に、2本鎖プ
ラスミドDNA鋳型をNaOHにより変形し、酢酸ナトリウムで中和し、エタノ
ール沈澱させた(シーケナーゼ提供者の手順より)。Der f VII cDNA
の翻訳されない5’末端を得るために、プライマーDf8(表1参照)を用いた
。プライマーは配列ATGACGTTCGAATTTATC−3’(SEQ I
D NO:15)を有するが、これはDer f VIIのヌクレオチド配列208
−225を逆転したものに相補性がある。
同等物
当業者は、日常的にすぎない実験法により、ここで述べられた特定の具体例と
同等の方法及び物が使用できることを認識し又は確認できるであろう。そのよう
な同等物はこの発明の対象とし、以下に続く請求の範囲に含まれるものとする。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
// A61K 39/395 9284−4C A61K 39/395 D
9284−4C N
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,G
B,GE,HU,JP,KG,KP,KR,KZ,LK
,LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL,NO,
NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SI,S
K,TJ,TT,UA,US,UZ,VN
(72)発明者 チュア,コーヤン
中華民国 10018タイペイ,ファーストセ
クション,ジェンアイロード,ナンバー
1,ナショナル タイワンユニバーシテ
イ,カレッジオブメディシン,グラジュエ
イト インスティテュート オブ イミュ
ノロジー(番地なし)