JPH09502981A - 自己免疫疾患におけるt−細胞レセプターと抗原の相互作用 - Google Patents

自己免疫疾患におけるt−細胞レセプターと抗原の相互作用

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ザ ボード オブ トラスティーズ フォー ザ リーランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティ
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Abstract

(57)【要約】 自己免疫変性疾患と、宿主HLA に関連したT細胞受容体の特異的可変領域との、又は新生増殖性疾患の撲滅に関連したT細胞との間の関係の確定方法を提供する。哺乳類における疾患を引き起こす又は疾患が存在する特定のT細胞受容体を同定することにより、原タンパク質又は組織上のT細胞受容体の攻撃を阻止するために種々の予防的及び治療的技法を用いて、防御を増大し得る。さらに、自己免疫疾患又はこのような疾患の発生に対する傾向に関して個体を診断し得る。

Description

【発明の詳細な説明】 自己免疫疾患におけるT−細胞レセプターと抗原の相互作用 受理確認 本発明は米国国立衛生研究所(NIH)からの助成金を数回受けてなされたもので ある。米国政府は本発明に権利を有している。 関連出願の相互参照 本願は、1990年5月1日付けで出願した米国特許願第07/517,245号および1991 年5月1日付けで出願した国際特許願第PCT/US91/02991号の一部継続出願である 1992年4月30日付け出願の米国特許願第07/877,444号の包装継続出願(file wrap per continuation)である1993年5月21日付け出願の米国特許願第08/066,325号 の一部継続出願である。本願は、1987年8月17日付け出願の米国特許願第07/086 ,694号の一部継続出願である1989年7月12日付け出願の米国特許願第07/379,500 号の一部継続出願であり、これら出願の開示事項は本明細書に援用するものであ る。 証言 技術分野 本発明の技術分野は、諸疾患特に自己免疫疾患類の診断と治療の分野である。背景 自己免疫疾患は自己の認識を回避する免疫系の不全が原因で起こる。免疫系に よる宿主細胞に対する攻撃が、原因で多数の障害がも たらされる。これら障害としては、多発性硬化病および関節の重症筋無力症(例 えばリウマチ様関節炎)のごとき神経疾患;全身性エリテマト−デスに見られる ような核酸に対する攻撃;ならびに各種器官に関連する疾患例えば乾せん、若年 発症糖尿病、シェーグレン病および甲状腺疾患がある。これらの疾患の症状とし ては、生命にかかわることがない刺激性のものから生命にかかわるものまで各種 の症状がある。 これら疾患の根源を明らかにするため広範な研究努力がなされているにもかか わらず、これら疾患は大部分が、治療法を開発する場合、その病因を理解するこ とが極めて困難である。これら疾患の多くはリンパ球の罹患が関連していると考 えられ、この罹患によって、タンパク質の攻撃と退化、細胞毒性などが起こると 考えられる。 癌の場合、腫瘍に浸潤するリンパ球(TIL)は、腫瘍を破壊する身体防御機構の 重要な要素と考えられる。腫瘍組織にみられるT細胞を増大し、次いでその培養 で増大させたT細胞を宿主に戻す努力がなされている。 免疫系が複雑なことが、自己免疫疾患および新生物増殖疾患(neoproliferati ve disease)に対する免疫応答を理解するのに重くのしかかって障害になってい る。免疫応答に関与する機構を理解しようとして、免疫系がどのような方式で退 化して自己を攻撃するのかを理解することに関心が集っている。自己と非自己を 識別しているときの免疫系の要素および特定の疾患に関連する免疫系の要素の間 の関連を理解することによって、自己免疫疾患に罹りやすいと考えられる個体を 診断し、そしてこのような罹患しやすい個体を、発症中と進行中に自己免疫疾患 から保護しまたは特異的なT細胞で個体と治療する治療法を提供する方法が開発 できる。関連文献類 多発性硬化症(MS)は、ミエリンの破壊が特徴である中枢神経系の炎症疾患で ある。(McFarlinおよびMcFarland,New Engl.J.Med.,307巻:1183〜1251頁 1982年)。ミエリンが脱落した部位には、希突起グリア細胞の欠失と星状細胞の 増殖が通常みとめられる(Raine およびTraugott着“Immunoregulatory Process es in Experimental Allergic Encephalomyelitis and Mutiple Sclerosis”,E lsevier社、米国、ニューヨーク、 151〜212頁、1984年;Prineas およびWright ,Lab.Invet,38巻: 409〜421 頁 1978年)。脳内の炎症性反応が特徴である 、形態学的に確認しうるマクロファージ、形質細胞およびTリンパ球が蓄積する (Prineas 巻“Handbook of Clinical Neurology”,3,Elsevier社、米国、ニ ューヨーク 1985年、 213〜257 頁)。MHC クラスII陽性抗原提示細胞、および 各種サイトカインを分泌する活性化T細胞が存在している(Woodroofe ら、J.N eurol.Scl.,74巻、 135〜152 頁 1986年;HaflerおよびWeiner,Ann.Neurol. ,22巻、89〜93巻 1987年;HaflerおよびWeiner,Immunol.Rev.,100巻、 307 〜332 頁 1987年;Hoffman,J.Exp.Med.,170巻、 607〜612 頁、1989年)。 いくつかの系統の証拠が、Tリンパ球がCNS のコンパートメントを通じて末梢血 から移行して、脳の損傷を促進していることを示唆している(Hoffman ら、J.I mmunol.,136巻、3239〜3245頁 1986年;Traugott,J.Neuroimmunol.,4巻、 201〜221 頁 1985年)。MSプラーク組織をモノクローナル抗体で試験したとこ ろ、大部分のT細胞がヘルパーインデューサーCD4陽性表現型を有していること が分かった(Sobel ら、J.Exp.Med.,167巻、1313〜1322頁 1988年)。また制 限酵素によるDNA 断片長の多型を分析することによって、T細胞受容体VaとVβ の遺伝子がこの疾患に対する感受性の遺伝制御に関 与していとが分かった(Beallら、J.Neuro;mmunol.,21巻、59〜66頁、1989年 ;Sebounら、Cell,57巻 1095〜1100頁 1989年)。Oksenberk ら、Proc.Natl .Acad.Sci.USA,86巻、 988〜992頁 1989年は腫瘍を治療する場合にTIL 細 胞を用いることを報告している(Barth ら、I.Immunol.,144巻、1531頁、1990 年)。 HLA−DR2DW2はMSに対する感受性の増大に関連がある(Terasakiら、Science , 193巻、1245〜1247頁 1976年)。MSに対する感受性は特定のMHC クラスII遺 伝子に関連している。(Oksenberk およびSteinman,Current Opinion in Immun ology、2巻、 619〜621 頁1990年)。MSの患者の脳脊髄液(CSF)中のT細胞のオ リゴクローン性が細胞レベルで報告されている(Lee ら、Ann.Neurol.,29巻、 33〜40頁、1991年)。Oksenberg ら、Nature, 345巻、 344〜346頁、1990年に はMSの脳損傷部由来の転写物からTCR Va配列を増幅するのにPCR を使用すること が報告されている。Wucherptennig ら、Science,248巻、1016〜1019頁、1990年 およびOta ら、Nature, 346巻、 183頁、1990年は、ミエリンの塩基性タンパク 質を認識するヒトのT細胞クローンの研究を報告している。 発明の要約 ヘルパーT細胞受容体のVaおよび/またはVbサブユニットの特定の配列の関係 を、自己免疫または新生物による病変由来の組織内に侵入性T細胞を確認するこ とによって確証する。特定の可変領域は、生殖系統の転位、mRNAの配列またはT 細胞受容体サブユニットの配列から確認できる。T細胞受容体(“TcR”)のオ リゴクローナル領域またはこのような領域を有する細胞は、上記疾患を治療する 治療用途に用いられる。 疾患を起こすT細胞に対しては、T細胞受容体の配列を有するペ プチドまたはT細胞受容体によって捕捉される抗原の配列を有するペプチド自体 を、標的T細胞に対して特異的な抗体の生成または標的T細胞に対して特異的な 細胞障害性分子の調製を行う代わりに使用して結合を遮断する。これらペプチド のアミノ酸配列は活性を改善するため修飾してもよい。疾患に関連するモチーフ に基づいた配列を診断と治療用に提供する。 TcRの限定レパトア(restricted repertoire)とともにMHC 表現型も、特定の自 己免疫疾患と新生物疾患に対する感受性に関連がある。感受性表現型の存在につ いて選別することによって、カウンセリングと監視を行うとこの疾患の発生およ び/または重症度を最低にすることができる。 具体的な実施態様の説明 自己免疫疾患に関連するT細胞受容体の可変領域を決定する方法と組成物を提 供する。特異的自己免疫疾患に関連する特異的MHC プロフィル(specific MHC p rofile)も確認する。その結果かような患者を監視してこのような疾患の症状の 発生が確認される。 自己免疫疾患の場合、この疾患に関連する特異的T細胞受容体(TcR)の可変領 域を確認することによる治療法を用いて、このような可変領域を有するT細胞の 標的細胞もしくは標的タンパク質に対する攻撃を阻害する。これらの治療法には 、特定の可変領域を保有するT細胞の除去、標的細胞に対するT細胞受容体の阻 害に関連する薬剤の投与、またはT細胞と標的細胞もしくは標的タンパク質の結 合による退行作用の防止が含まれる。これらの薬剤としては、T細胞受容体の配 列もしくは修飾配列を有するペプチドまたはT細胞受容体が捕捉する抗原があり 、これらの薬剤は、標的T細胞に対して特異的な抗体の生成または標的T細胞に 対して特異的な細胞障害性 分子の製造を行う代わりに用いて結合を遮断する。新生物増殖疾患の場合、適当 なT細胞受容体を有するT細胞と濃縮し、増大させて宿主に戻す。 T細胞受容体は、結合に関与する二つのサブユニットaとbまたはgとdを有 している。これらサブユニットに関連する可変領域は免疫グロブリンに類似の機 構をもっており、bとgのサブユニットは、V,DおよびJの領域に関連するエ キソンを含有し、一方aとdのサブユニットはVとJの領域に関連するエキソン を含有している。生殖系統DNA の転位によって、エキソンは定常領域すなわち保 存領域に結合され、そして次に伝令RNAのスプライシングによってサブユニット をコードする読取り枠が得られる。宿主の特定の遺伝特性(genetic inheritance )によって、個体の可変領域の遺伝子座のスペクトルは他の個体と異なっている 。さらに、存在している可変領域のエキソンがすべて転位して機能性T細胞受容 体サブユニットと形成するわけではない。 いくつかの自己免疫疾患の場合、慢性症状または急性症状に関連する病変を区 別することが望ましい。例えば多発性硬化症の場合、マクロファージのレベルが 比較的低くかつT細胞のレベルが比較的高い急性期に比べて、慢性症状ではマク ロファージの数が多くかくT細胞の数が少ないことが一般的である。これらの細 胞は、適当に表面マーカーに対する抗体を用いて、従来の組織球化学法にしたが って確認できる。 転位されて、自己免疫病変に関連する機能可変領域を形成する遺伝子座を決定 することによって、自己免疫疾患の種類を診断し、慢性エピソードの存在を確認 し、次にT細胞の退化作用を阻害してその疾患を治療し予防することができる。 転位されて腫瘍に対抗する有効な機能可変領域を生成する遺伝子座を決定するこ とによって、 これらの細胞を用いて腫瘍と闘うことができる。 T細胞受容体は二つの範疇に分割することができる。すなわちクラスII MHCに 結合するCD4ヘルパーインデューサーT細胞受容体およびクラスII MHCに結合す るCD8サプレッサー細胞障害性T細胞受容体である。多発性硬化症のような疾患 に関連するT細胞は、CD8も役割を演じているが、大部分がCD4陽性表現型であ る。 著しく流行している自己免疫疾患としては、ミエリンとグリア細胞の破壊に関 連する多発性硬化症、関節の病変に関連するリウマチ様関節炎、自己抗体と免疫 複合体の沈着に関連する全身性エリテマトーデス(SLE)、乾せん、尋常性失疱瘡 、ラングルヘンス島のβ細胞の破壊が関連する若年発症糖尿病、シェーグレン病 、甲状腺疾患、橋本甲状腺腫、重症筋無力症があるがその外にも多数の疾患があ る。 可変(V)遺伝子座は、いくつかの異なる方法で、この遺伝子だけでまたは病 変部位に見られるT細胞のT細胞受容体のJ遺伝子座とともに確認することがで きる。特に、標準の方法にしたがって、病変部またはプラークを分離し、次にcD NAを調製できる全RNA またはDNA が調製される。一層正確な結果を得るため、cD NAを、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、またはクローン化などのような便利な方法 で増幅する。ポリメラーゼ連鎖反応を行う場合、cDNAによって確認されると発現 するか、またはJ領域とC領域に結合するよう転位される特定の可変領域を確認 するプライマーが使用される。 プライマーは、T細胞受容体サブユニットの保存領域の公知の配列によって選 択される。病変に関連するT細胞受容体サブユニットの共通可変領域は通常1で あり約7にすぎず、通常多くても約5であり一般に単に約3であることが観察さ れる。したがって神経障害の場合、特定の障害を有する死体または生検試料から 組織を入手で きるとき、病変部にT細胞が存在していることを疾患と関連づけることができ、 さらに病変部に存在するT細胞に関連する特定のV領域とJ領域を、死体のMHC 抗原のタイプに関連ずけることができる。このようにして、上記MHC タイプの疾 患にかかっているヒトのの可変領域を確認できるのでその疾患を治療することが できる。ゲノムのDNA の場合、可変領域の実質的な保存領域およびコーディング 領域もしくは非コーディング領域の定常領域の結合に関連するプライマーを有し ていることによってDNA 中に転位が存在することが確認される。あるいは、クロ ーン化を行うことによって、そのDNA の配列を決定して可変領域を確認してもよ い。対象の組織からのmRNAの単離、cDNAへの逆転写次いで転位されたV−C産物 の増幅と確認を行えば疾患に関連するマーカーが定義される。同様に、新生物増 殖組織の場合、その組織を単離し、次いでその新生物増殖細胞と闘うのに有効な T細胞が確認される。 診断の根拠として、核酸の代わりに、一群のモノクローナル抗体をもっている 場合、各種の方法を用いてその抗体とT細胞の結合を確認できる。したがって血 球計算例えばFACSスキャンを利用することができ、この場合、抗体に蛍光剤で標 識をつけ、次にその抗体が結合するT細胞によって特定の可変領域が確認される 。 100%の相関関係は通常、期待できずまた 100%相関関係を得る必要もない。 疾患に関連する共有可変領域の遺伝子座は、その疾患に対して陽性の宿主の少な くとも60%好ましくは70%において、特に転位された形態で宿主T細胞集団中に 存在していれば通常充分である。同様に、その疾患の症状がない宿主の約50%未 満好ましくは約30%未満には、転位された可変領域は存在しない。これらの割合 は宿主の統計的に有意な数に基づいている。 共有可変領域を有するT細胞は、単一のV領域サブファミリーか らの可変領域遺伝子を発現するであろう。可変領域遺伝子の可変領域の長さにわ たってヌクレオチド配列の75%以上の類似性を示す遺伝子断片は、同じサブファ ミリーのメンバーと考えられる(クルー(Crew)ら、(1981)Cell 25:59-66)。 遺伝子の類似性はV領域エクソン自身について計算され、D断片やJ断片及びN 付加物によりコードされる配列を含まない。 特定の疾患によって、T細胞を同定するために種々の組織を使用し得る。多発 性硬化症のような神経疾患については、脳斑又は脳脊髄液をT細胞の供給源とし て使用することができる。同様に、重症筋無力症については、筋肉、胸腺組織又 はアセチルコリン受容体に応答性のT細胞を使用することができる。リウマチ様 関節炎については、滑膜を使用することができる。甲状腺炎やグレーブズ病のよ うな他の疾患については甲状腺組織を、又全身性エリテマトーデスでは腎組織を T細胞の供給源として使用することができる。 再配列した可変領域がいったん確立すると、次に宿主中のT細胞可変領域の対 立遺伝子又はT細胞受容体を、HLA 又はMHC の制限(疾患へのかかり易さ又は疾 患の存在の指標)又は新増殖性細胞応答性T細胞とともに同定することができる 。疾患がT細胞の単一クローン又はオリゴクローン性集団に関連していると考え られる場合は、疾患に関連する再配列した可変領域を有する1つまたはそれ以上 のT細胞受容体の存在は、その疾患の存在のより大きな可能性又は小さな可能性 を示すであろう。単一クローン性集団は、1つのVa又はVb領域遺伝子及び1つの VDJ 断片を発現する 100%T細胞を有するであろう。クローン性集団は、1つの Va又はVb領域遺伝子及び1つのVDJ 断片を発現する 100%未満のT細胞から、可 変領域遺伝子当たり12以下のVa又はVb領域遺伝子と6以下のVDJ 断片を発現する 50%までのT細胞を有するであろう。 自己免疫疾患の診断には、核酸又は抗原を検出してもよい。核酸検出のために は、細胞中のDNA 又はRNA を便利な方法により単離し、サザンブロット法、ドッ トブロット法などの方法とともに適当なプローブを用いて、再配列した可変領域 を検出する。疾患の性質により、疾患発症の可能性を低下させる予防的介入の機 会もある。 疾患に関連してT細胞受容体を発現する細胞数を測定したい場合は、多くの方 法が実施可能である。メッセンジャーRNA をT細胞から単離し、V遺伝子領域に 対する適当なプローブとプローブ結合させる。ノーザン法を用いることにより、 T細胞受容体をコードするメッセンジャーの存在を検出し、特定のV領域遺伝子 を含有する発現しているT細胞受容体の量の定性的な値を得ることができる。あ るいはメッセンジャーからcDNAを調製し、ポリメラーゼチェイン反応を用いてメ ッセンジャーの量を増幅し、特定の可変領域を発現するT細胞の数を測定するこ とができる。 すでに記載されているV領域及び/又はJ領域の対立遺伝子又はサブユニット に対するV−J組合せに特異的な抗体を使用するとさらに便利かも知れない。こ うしてV領域とJ領域を検出することができる。βサブユニットでは、D領域の 介入のためにVDJ 長谷に特異的な抗体は見つけにくいが、V領域及び/又はJ領 域を個々に検出することはできるであろう。 抗体は、例えば米国特許第 4,690,893号、 4,713,325号、 4,714,681号、 4,7 16,111号及び 4,720,459号に記載のモノクローナル抗体法を使用する従来法によ り調製できる。 特定のモノクローナル抗体又は抗血清に結合するT細胞受容体の存在の同定に は、多くの方法のうち任意のものを使用することができる。検出には、広範囲の 標識物(例えば、粒子、酵素、発色団、発蛍光団、化学発光物質など)が使用さ れている。どの標識物又は どの方法を使用するかは本発明にとって決定的に重要ではなく、任意の便利な方 法が使用できる。方法は競合法でも非競合法でもよい(サンドイッチ法を含む) 。細胞は、膜を含まない蛋白を得るために通常従来法を用いて溶解される。細胞 破片は除去し、蛋白を抽出して集める。あるいは細胞をそのまま使用して、蛍光 活性化細胞ソーターなどにより検出することもできる。 治療用にはヒトの抗体の使用が興味深い。通常目的の配列に特異的なT細胞を 活性化するためにT細胞受容体又はその断片を用いてヒトを免疫することは許さ れない。しかし、その代わりにマウス又は他の下等動物を免疫して、目的のT細 胞領域に特異的な抗体の可変領域をコードする遺伝子を単離し、ヒトの適当な定 常領域に結合させて、随時遺伝子操作により相補性決定部位(CDR)でヒト抗体のC DR を置換する。得られるキメラ作成体(下等哺乳動物の可変領域又はCDR とヒ ト定常領域よりなる)を、次に微生物又は哺乳動物宿主細胞培養物(特にリンパ 球)に形質転換させ、ハイブリッド抗体を発現させる。特に関係のあるものはIg G の定常領域である。例えば、ヨーロッパ特許出願第85.305604.2 号を参照。最 近の方法としては、ヒト以外の細胞宿主(例えは原核生物)で発現させるための ヒト宿主からの免疫グロブリン遺伝子のランダム会合をして、親和性をスクリー ニングする方法がある。 免疫寛容が達成されているか又はある程度の免疫抑制が働いている場合は、あ る例では、マウス抗体を充分使用することができる。免疫抑制は、シクロスポリ ン、放射線照射、抗 Ieu3(抗CD4)(米国特許第 4,681,760号)などにより達 成される。 抗体は種々の方法で使用され、例えばT細胞と標的細胞との結合の阻害、T細 胞を殺すため、又はT細胞の単離に使用される。第1の場合では、全抗体、又は Fab 断片、又はFv領域のみを投与する。 定常領域のすべて又は一部を除去することにより、免疫応答を低下させることが できる。特定のV領域を有するT細胞を選択的に死滅させるには、植物毒素(リ シン、アブリン(abrin)など)又はジフテリア毒素の全体又は一部に、抗体又は その特異的結合断片を結合させることよりなる。適当な抗体のイソタイプ(例え は、IgM 又はIgG3)を用いて、補体カスケードを誘導することもできる。あるい は、宿主細胞へ抗体が結合すると致死的な用量の放射性置換基を使用することも できる。他の選択は、細胞溶解性物質に抗体又はその断片を結合させて、不要な T細胞の特異的排除をすることである。最後にT細胞を血漿交換(ここで血漿が 通過するか又は支持体に結合した抗体の上を流れ、不要なT細胞が選択的に除去 される)のような体外手段により除去する。 治療用には、抗体は投与(注射が便利である)用の薬剤学的又は薬理学的に許 容される担体とともに製剤化される。担体には、脱イオン水、生理食塩水、リン 酸緩衝化生理食塩水、リンゲル液、ブドウ糖液、ハンクス液などがある。他の添 加物には、等張性を与える添加物、緩衝剤、保存剤などがある。抗体又はその誘 導体は、通常生成された型で、約0.05〜10μg/mlの範囲の濃度で製剤化される 。抗体は非経口投与、典型的には局所的、静脈内又は筋肉内へ投与するか、ボー ラスとして間欠的に、又は連続的な方法で投与される。 好ましくは、用量は不要なT細胞を完全に枯渇させるか、又は少なくとも約75 %、好ましくは約90%除去するものである。成人の典型的な用量は、約10〜100m g の範囲である。小児又は他の動物の用量は、体重の比較により成人の用量から 外挿する。 抗体の代わりに、自己免疫疾患の診断薬として同定されているオリゴペプチド 配列と同じであるか又は実質的に同じ配列を有するオ リゴペプチドを使用することもできる。これらの配列は、T細胞受容体サブユニ ット鎖の少なくとも8、通常少なくとも10、通常12、そして好ましくは少なくと も18アミノ酸であり、一般に約60アミノ酸以下、通常約50アミノ酸以下のオリゴ ペプチドである。全サブユニットを使用する場合は、通常アミノ酸の約50%数以 下が使用され、特に保存領域又は定常領域が除かれる。標的蛋白(T細胞受容体 に認識される蛋白)及び/又はMHC 抗原に結合することができる可変領域のすべ て又は少なくとも一部が存在するであろう。MHC 抗原は、疾患に関係のある特定 の遺伝子座を通常含有する断片自身であるか、又はこの断片を結合していてもよ い。 特に興味深いことは、自己免疫疾患の特定の部位に関係のあるT細胞の可変再 配列の範囲は限定されており、従ってaサブユニット及びbサブユニットの比較 的少数のT細胞可変領域が観察されることである。さらに後述するように、MHC 型の限定された範囲は、疾患に関連しており、これらの範囲に関して一般にT細 胞受容体の可変領域の範囲は限定されているであろう。 特に多発性硬化疾患者の場合は、脳特に疾患に関連する斑において、T細胞受 容体を発現する再配列した生殖細胞系列のDNA が単離される。これは、健常人の 場合は、脳に再配列していない生殖細胞系列のDNA が単離されることとは反対で ある。 特にクラスIIハプロタイプ又は分子表現型を同定することにより、自己免疫疾 患に関連した特定のVa又はVb可変領域を同定することができる。自己免疫関連T 細胞受容体又は可変領域がいったん同定されると、次に予防又は治療のために種 々の治療法(本明細書中に記載される)を使用することができる。 前述したように、特に関係のあるものは、T細胞のa及びb鎖の特異的V領域 とJ領域である。ヒト及びマウスv領域については、 コンカノン(Concannon)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:6598-6602(1986) を参照。Vaファミリーの中で多発性硬化症に関係するCD4T細胞に関係のある領域 は、8〜10,12及び16であり、特に10である。関係のある他の領域は、1,5、 及び7である。 J領域のうち特に関係のあるのはJa領域、さらに詳しくはJa領域である GGGTACCGAGATGACGAACCCACCTTTGGGACAGGCACTCAGCTAAAAGTGCAACTC である。 Vb領域の中では、ファミリー5,6,7、及び12であり、特に5と6であり、 Vb5ファミリーのうちでは特に 5.1と 5.2である。 さらにTCR のCDR3領域にはいくつかのアミノ酸配列のモチーフが見られる。こ の配列は予想されるよりも頻繁に現れ、配列LCAS (S)(括弧は、そのアミノ酸の 存在は随時であることを示す)、特にLCASS の後に続く。次のアミノ酸は、長い 中性の、好ましくは炭化水素鎖を有するものである(例えば、L,I及びV又は Qであり、特にLである)。次にアミノ酸は中性の又は陽性に荷電したか又は陰 性に荷電したものであり、短く(炭素原子2〜4個)ても長く(炭素原子5〜6 個)てもよく、G,A,P,L,I、又はV、及びD,E,K、及びRがあり、 特にG,A,V,D、及びR、特にRとGであり、これらはMBP 配列87〜106 に 特異的な配列に関係している。次のアミノ酸はしばしばG,A、又はSであり、 従ってモチーフはL−X−(G,A、又はS)であり、次のアミノ酸はPTである 。 これらのペプチドは隣接するアミノ酸から単離されるか、又は全部で約20以下 の隣接アミノ酸を含有してもよい。あるいは、天然に存在しない配列である隣接 配列が与えられる。ペプチドは修飾され、前述のように使用される。 配列は大部分、Jb1と2、特に 1.2,1.6,2.1,2.3,2.5,2.6、及び2.7 で ある。 同じアプローチを用いて、T細胞受容体サブユニットの再配列と発現を同定す るが、クラスI又はクラスII MHCに関する制限の場合は、病原性に関係のある配 列を同定する。 病原性T細胞の存在は種々のプローブ(例えば、AGC CTA CGC;AGC TTG CGC; AGC CTG CGG;TTG CGC;及びAGC CTA CGC AGC TTG CGC AGC CTG CGG TTG CGC(L RGAに特異的))を用いて検出できる。プローブは少なくて6ヌクレオチドまで で多くて30ヌクレオチドまでであり、通常約31ヌクレオチド以下である。 ペプチドは、免疫応答を得るための病原性T細胞除去用のワクチンとして作用 する。免疫応答は、従来法により達成される。ペプチドは免疫測定系に結合、ウ イルスベクターに導入されてエンベロープ又はキャプシッド蛋白に融合、組換え 技術を用いて蛋白に融合などが行われる。 安定性の増強、免疫寛容化、調製又は精製の簡単化などのために、オリゴペプ チドは、他のペプチド、蛋白、又はポリアルキレンオキシ化合物に結合される。 目的のペプチドは、標的ペプチドへのT細胞受容体の結合を阻害するために使用 することができる。 このペプチドは、抗体について記載した方法と実質的に同じ方法により製剤化 される。投与される活性成分の量は、特定の組成物、宿主、投与の回数と頻度、 投与方法などにより大きく変動する。通常宿主1kg当たり約0.01〜10μg、より 普通は約0.05〜5μgであり、濃度範囲は約10μg/ml〜約1mg/mlである。 投与方法は、製剤及び活性成分の性質により大きく変動する。投与方法は、非 経口投与、血管内、腹腔内、皮下、経口などであり、カテーテル、ポンプ、一定 拡散膜などを使用する。 オリゴペプチドは種々の方法で調製でき、従来の合成法に従って調製すること が便利である。大きい配列(例えば、30アミノ酸又はそれ以上)の場合は、組換 えDNA技術が使用され、この場合、市販のDNA合成機などの従来法により遺伝子を 合成し、ポリメラーゼチェイン反応により増幅し、次に必要な転写及び翻訳開始 及び停止領域を有する適当なベクターに挿入する。得られるベクターを次に宿主 に形質転換し、ここで発現ベクターが複製され、機能的発現が行われる。生成物 は分泌されるためこれを培地から集めるか、又は分泌されずに細胞質内に保持さ れる場合は、細胞を集め、溶解し、目的の蛋白を単離し、従来法により精製する 。 オリゴペプチドの代わりに抗イディオタイプ抗体を使用してもよい。目的のオ リゴペプチドに対する抗体のイディオタイプに対するモノクローナル抗体を調製 することにより、抗イディオタイプはオリゴペプチドの模倣をして、MHC に対し てMHC 抗原に対するT細胞受容体と競合する。抗イディオタイプは投与の際の安 定性を与え、また他の利点もある。 T細胞受容体の1つ又は2つのサブユニットに特異的なリボザイムを用いるこ とにより、T細胞は、病原性を示すMHC 抗原との反応から阻害することができる 。クラスI TcRについては、リボザイムはaサブユニットに向けられ、一方クラ スII TcRではaサブユニット及び/又はbサブユニットが標的となるであろう。 リボザイムは、CDR3をコードする配列に相補性を有する配列を含有するであろう 。安定性を増強するために人工的なヌクレオチドを使用してもよい(例えば、チ オ結合の存在、又はリン酸基の酸素を炭素基などで置換)。あるいは標的サブユ ニットに特異的なアンチセンス配列も使用できる。リボヌクレオチドの投与は、 脳血液関門のリボ核酸の通過に関連して従来法により行われる。 自己免疫疾患に関連したリンパ球もしくは標的蛋白よりなる細胞群に、インビ トロ又はインビボで保護性組成物を使用することもできる。保護性組成物(通常 、適当な可変領域配列を有する抗体又はペプチドのような蛋白)を与えることに より、細胞及び/又は標的蛋白の破壊を防止することができる。組織の破壊によ り細胞が失われるか、又は細胞中に存在する機能が失われる。細胞が関与する場 合は、標的細胞の主要組織適合遺伝子複合体抗原により細胞が制限される(標的 細胞は通常T細胞と遺伝子が共通である)。 自己抗原又はその一部に対する自己免疫応答を誘発し、自己免疫疾患に感受性 のある宿主のMHCに結合できる他のオリゴペプチドが提供される。宿主を免疫寛 容化し、内因性蛋白又は内因性蛋白を産生する細胞に対する免疫攻撃を防止する ことにより防御能を増強するために、組成物を使用することもできる。免疫寛容 化のためには、目的のペプチドを同系統の脾臓細胞に結合させるか、又は以前宿 主が免疫された無害な免疫原(例えば、破傷風トキシン、ウシ血清アルブミンな ど)に結合させる。通常アジュバントの使用は避ける。 免疫寛容のために使用される配列は、自己免疫疾患に関係する宿主に内因性の 蛋白由来の配列であり、これには抹消神経系(PNS)又は中枢神経系(CNS)中の神経 蛋白やアセチルコリン受容体(AChR)のような蛋白がある。これらの蛋白は、PNS やCNS 中に存在するPo、ミエリン塩基性蛋白(ミエリンの主要なCNS 蛋白)中の P1主要なPNS ミエリン蛋白であるP2,PNS 及びCNS ミエリン成分であるPLP(プ ロテオリピド蛋白)、及びアセチルコリン受容体として呼ばれる。P1は免疫後の 脳脊髄炎及び多発性硬化症に関係している。P2は、例えば豚のインフルエンザ予 防接種計画の主要な合併症である免疫後神経炎(ギランバレー(Guillain-Barre )症候群)に関係して おり、アセチルコリン受容体は重症筋無力症に関係しており、免疫後の筋炎の一 因である。他の自己免疫疾患(例えば、リウマチ様関節炎、全身性エリテマトー デス、重症筋無力症、多発性硬化症、免疫後筋炎、免疫後神経炎、及び若年性糖 尿病)も、同じ方法で治療される。 関係のある特定の蛋白をモチーフの存在についてスクリーニングして、モチー フを有する1つまたはそれ以上の配列を選択する。目的の受容者の組織適合遺伝 子型(ハプロタイプ)がわかっている場合は、ある1つの配列が好適である。し かしハプロタイプが不明の場合、又は組成物が多くの異なる宿主に投与される場 合は、同じ組成物中にオリゴペプチドとして多くの配列を組合せることが好まし いことが多い。オリゴペプチドは別個のペプチドとして存在するか、又は介在す るブリッジ有り又は無しで、1つの配列に結合される(この場合、ブリッジは免 疫原の天然に存在する介在配列以外のものである)。好ましくはこのような配列 は約100アミノ酸以下であり、より好ましくは約60アミノ酸以下である。免疫原 中に複数のモチーフが存在する場合は、モチーフを含有する配列のすべて又は一 部が1つの組成物中で使用される。一般的に異なるモチーフを構成するオリゴペ プチドは10以下であり、より一般的には組成物中の異なるオリゴペプチドは約6 個以下である。 目的のモチーフよりなる免疫原中には通常2つ以上の部分配列がある。目的の モチーフを構成するオリゴペプチドは、免疫原配列の任意の部位(N−末端又は C−末端又は中央部分)から得られ、ここでオリゴペプチド配列は通常免疫原配 列の9〜15アミノ酸と実質的に相同であるが、より長い配列を使用することもで きる。一般的に天然の配列と使用されるオリゴペプチドとの相同性の差は、2つ の変化(挿入、欠失又は保存性又は非保存性置換)を越えることは なく、より一般的には1つの変化を越えることはない。組成物は1つまたはそれ 以上の異なるオリゴペプチドよりなり、以下の配列を有する:荷電アミノ酸、2 つの疎水性アミノ酸、及び次の2つのアミノ酸のうち少なくとも1つは極性アミ ノ酸であり、ここで電荷又は極性アミノ酸はグリシンに置換されるが、2つ以上 がグリシンに置換されることはない。荷電アミノ酸は、アスパラギン酸、グルタ ミン酸、リジン、アルギニン、及びヒスチジン(D,E,K,R,H)である。 疎水性アミノ酸は、アラニン、プロリン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メ チオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、及びチロシンであり、すなわち 脂肪族及び芳香族の中性又は実質的に中性であり、側鎖に2つ以上の異種原子( 例えば、造鉱石元素)を含まないアミノ酸である(A,P,V,L,I,M,F ,W、及びY)。極性のアミノ酸は、荷電したアミノ酸、及びセリン、スレオニ ン、アスパラギン及びグルタミンである(S,T,N、及びQ)。 普通オリゴペプチドに存在するモチーフ配列は、オリゴペプチドのC−末端以 外の場所にあり、好ましくはN−末端であり、配列の中心よりC−末端に近くな い所であり、この場合モチーフの2番目、3番目、4番目のアミノ酸は(モチー フ内に4つ又は5つのアミノ酸があるか否かに依存して)中央のアミノ酸である 。N−末端のアミノ酸は誘発性ペプチドと同じであるか、又はオリゴペプチドの N−末端アミノ酸として誘発性ペプチドの内部アミノ酸を有する。 あるいはオリゴペプチド配列は結合測定法により得られ、ここでは疾患誘発性 のT細胞受容体とMHC 分子と3世分複合体を形成することができるオリゴペプチ ドが選択される。オリゴペプチドは普通少なくとも約9個のアミノ酸を有し、約 30個以上を有する必要はなく、普通約20個以上のアミノ酸は有さない。組成物は 従来法に従っ て種々の方法(特に自動合成機)で調製される。目的のオリゴペプチドは、蛋白 性又は非蛋白性の他の分子に共有結合される。 オリゴペプチド配列は、天然の配列から区別できる。ある場合には、アミノ酸 をアラニン又はバリン(特にアラニン)で段階的に置換して類似体が調製される 。次に各ペプチドを、自己免疫疾患に関係するT細胞の制限に関連した宿主のク ラスII MHCへの結合親和性について試験する。MHC 抗原結合親和性を低下又は上 昇させるものとして置換がいったん検出されると、同じ部位を他のアミノ酸でさ らに置換して、さらなる上昇が可能かどうかを調べる。T細胞の認識に関係する アミノ酸も、T細胞刺激を減少させるために置換される。すなわち、T細胞にし に関係するオリゴペプチドのアミノ酸を、MHC 抗原結合に有意に影響しないよう にしながらインビボのT細胞刺激を低下させるように修飾する。こうしてT細胞 の自己免疫作用を誘発することなく、阻止性の強いオリゴペプチドが得られる。 一般的に置換されるアミノ酸の総数は、3を越えることはなく、1〜3であり、 普通1〜2である。結合の低下又は上昇は、普通少なくとも約10倍、さらに普通 には少なくとも約 100倍であり、好ましくは少なくとも約1000倍である。 別のオリゴペプチド類似体はN−末端に官能基を有し、この可能基は一般的に 約1〜6個、普通1〜3個の炭素原子を有し、アルキル又はアシル(例えば、メ チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヘキシル、シクロヘキシル、ホルミル 、アセチル、プロピオニルなど)でもよい。 特定の用途に依存して、目的組成物はそれ自身又は種々の添加物とともに種々 の方法で投与される。生理学的に許容される種々の担体(例えば、水、アルコー ル、生理食塩水、リン酸緩衝化生理食塩水、糖、ミネラル油など)が使用できる 。安定剤、界面活性剤、香 味料、増粘剤などの他の添加物を使用してもよい。投与される活性成分の量は、 具体的な組成物、具体的な宿主、投与の回数と頻度、投与方法などに依存して大 きく変動する。普通、宿主1kg当たり約0.01〜10μg、より普通には約0.05〜5 μgが使用され、その濃度は10μg/ml〜1mg/mlの範囲である。 移植又はMHC 抗原は多型性領域であり、各対立遺伝子が特定の宿主に関係して いる。宿主は大体、2倍体及びヘテロ接合体であり、従って各宿主は2つのハプ ロタイプを有する。すなわち、これは、宿主が特定の遺伝子座でホモ接合体でな い場合は、同じ遺伝子座から特定の移植抗原型の2つの異なるコピーが存在する ことを意味する。従って、1つの特定の宿主又は複数の宿主に関して、普通オリ ゴペプチドの混合物が使用される。目的のオリゴペプチドは、T細胞受容体のオ リゴペプチドと同時又は連続して投与してもよい。 新増殖性疾患に対抗することに関連したT細胞の可変領域の同定により、この ようなT細胞を同定するために、生検、外科的介入などにより組織を得て、組織 試料からmRNA又はDNA 又は単離して、mRNAの場合は従来法に従ってcDNAを調製す る。次に疾患に関連した主要な可変領域を同定するために、種々のVa又はVb領域 に特異的なプライマーを用いてDNA 試料を測定する。多くの患者をスクリーニン グすれば、特定の腫瘍に関連している可能性のある可変領域が同定できるであろ う。次に目的のT細胞を単離するために、親和性分離(例えば、パンニング(pan ning)、親和性クロマトグラフィーなど)を利用する。次に通常の増殖培地を用 いて胎児牛血清、インターロイキン(例えば、IL−2など)を有り又は無しで細 胞を培養して増加させる。次に少なくとも 100倍増加後細胞を集め、ドナーに戻 す。 あるいは、MHC(特にクラスI)に適合した又は適合していない、 適当な可変領域のT細胞を保存していてもよい。次にこれらの細胞を、注射で新 増殖性組織部位、又は血液流中に投与する。生理学的に許容される培地中でヒト 宿主に103〜109細胞を投与するが、利用できる細胞数、投与方法、投与頻度など により量は変動する。 多発性硬化症のような特定の自己免疫疾患に関連したT細胞可変領域を同定す ることに加えて、自己免疫疾患に対する感受性に関連した特定の分子表現型をさ らに同定してもよい。家族の分離解析をしない場合は、これらの遺伝子がすべて cis 配置であるか又は単一の染色体であるか確実ではないため、「分子表現型」 という用語は、「ハプロタイプ」という用語の代わりに使用される。多発性硬化 症に関連した表現型は、DRBI1501,DQA10102及びDQB10602である。この表現型は さらに、DPB10401に関連した1aと1b0402に分解される。この特定の表現型はVβ ファミリー再配列(特にVβ5.1,5.2及び6)に関連している。 自己免疫疾患にかかっている個体のMHC分子表現型を同定することにより、疾 患に対する感受性を与えるいくつかの分子表現型を確立することができる。多発 性硬化症の場合は、T細胞の再配列及び種々の家族及び家族の一員のVb及びVaT 細胞受容体の存在率を調べることができる。これらがいったん同定されれば、こ の情報を用いて疾患に関係したT細胞を除去することができる。すなわち、疾患 組織(例えば、斑)を単離し、再配列を有するT細胞を同定することにより、疾 患に関連したVβ及びVa領域のファミリーを同定することができ、こうして自己 免疫疾患への感受性を与えるとして分子表現型が同定できれば、どのT細胞を除 去又は標的とすべきかもわかる。 病変部の神経細胞に対するMHC 抗原のアップレギュレーションは、種々の物質 を具体的に病変部に指向させる機会を与える。例えば 、病変部を同定するのに、検出可能なシグナルを与える種々の放射性核種、NMR 物質、又は他の物質を使用することができる。シグナルを与える物質を種々の担 体(例えば、MHC 抗原に対して高親和性を有する、MHC に対する抗体、又は抗体 の断片、例えばFab,Fvなど、約10、通常12のアミノ酸又はそれ以上のペプチド である免疫優勢配列)に結合させてもよい。病変部に造血細胞が存在すると、病 変部の物質の存在量が増加する。病変部のシグナルは、脳の他の領域に比較して 大幅に上昇するはずである。 MHC 抗原の選択的存在は診断以外に、治療用に使用することができる。例えば 、治療用物質をMHC抗原特異的マーカーに結合させ、リポソームを含有する治療 用物質を病変部に指向させるためにMHC抗原特異的マーカーを使用することによ り、種々の治療物質を病変部に指向させることができる。これらの物質には、TN Fa,MHC抗原発現のダウンレギュレータ(例えば、β−インターフェロン、 TGF −β、及びα−フェトプロテイン)、MHC 抗原−TcR 相互作用を阻止するペプチ ド、全身性分解性経路のインヒビター(例えば、還元剤及び一重項酸素のスーパ ーオキサイドディスムターゼ)などがある。 疾患により脳血管関門の透過性がある程度上昇するため、関門を越えて薬剤を 導入する機会が増加する。さらに特定の部位に透過性物質を注射するか、又は天 然に存在する輸送手段を使用することができる。 種々の物質はそれらの各性質と目的に従って投与される。不活性な生理学的に 許容される担体(例えば、脱イオン水、生理食塩水など)を使用してもよい。他 の添加物又は成分の濃度及び使用は、同様の試薬の試験に基づき、経験的に決定 される。 以下の実施例は本発明を例示するためであり、本発明を限定する ものではない。 実験 I.多発性硬化症の脳斑(脱髄帯)内のTcR Va発現 慢性の進行性MS(多発性硬化症)を患う3人の患者と3人の対照(非MS)の脳 斑から、試料を採取した。標準的な手順に従って、総RNA 及びcDNA(5μgのRN A から)を調製した。3μg/mlのPHAで刺激された5人の異なる個体からの末 梢血リンパ球のプールから分離した1μgのRNA からも、cDNAを調製した。10μ Ciの〔32P〕dATP(Amersham)の存在下で40サイクルにわたりcDNAを増幅させた 。特異的フラグメントバンドを同定するべく、臭化エチジウムでのゲル電気泳動 により、試料を分析した。分離の後、バンドを切除し、放射能を測定した。結果 は、中央値cpm で表わされている。全てのTcR 5′プライマは、各系統群につい て特異的3′Vaプライマを用いて生殖細胞系DNA からのTCR 配列を増幅する。以 下の表は、利用したプライマと結果を表わしている。 MS患者1の脳の中に存在するT細胞受容体を増幅させ、ゲル電気泳動に付し、 ここで対照の脳cDNA,MS頭頂部脳cDNA,MS後頭部脳cDNA,PGA5、全長TcR α cDN A を比較した。以下のプライマを用いて脳cDNAからはアクチン配列をうまく増幅 できたが、PGA5対照からは増幅できなかった:(5′−ACG-A-A-G-A-C-G-G-G-A- C-C-A-C-C-G-C-C-CTG −3′,5′−CACG-T-T-G-T-G-G-G-T-G-A-C-G-CCGTC−3 ′)。Vα及びCαの写しが、AB 13-14(5′−CAG-A-A-G-G-T-A-A-C-T-G-C-A- G-C-G-C-A-G-ACT −3′,5′−TTG-G-G-G-A-T-C-C-A-G-A-G-C-A-C-A-G-A-A-G- T-A-T-A-C-TGC)。TAC −3′,5′−GTG-T-C-C-A-C-A-G-T-T-T-A-G-G-T-T-C-G -T-A-T-C-TGT −3′。及びAB 41-42(5′−CAG-A-A-C-C-C-T-G-A-C-C-C-T-G-C -C-G-T-G-というプライマを用いてMS脳cDNA及びPGA5鋳型の両方から増幅された が、対照MS脳cDNAからは増幅されなかった。Vα12.1プライマーA13及びCαプ ライマAB42を用いて後頭部から調製されたMS脳のcDNAから、転位されたTcR α配 列を増幅することができた。 MS患者1の脳の中に存在するT細胞受容体を増幅させゲル電気泳動に付し、こ こで対照の脳cDNA,MS頭頂部脳cDNA,MS後頭部脳cDNA,PGA5、全長TcR a cDNA (Sim,et al,Nature 312,771-775(1984))を比較した。100μlの反応体積 中で、1単位のDNA Taq ポリメラーゼ(Perkin Elmer-Cetus),10μlの10×反 応緩衝液、各50μMのdNTP及び1μMの各プライマと2μlのcDNAを組合わせた 。使用したPCR プロフィールは、DNA サーマルサイクラー(Perkin Elmer-Cetus )上で合計35サイクルについて、60秒間96℃での変性、60秒間45℃でのアニーリ ング、及び120秒間72℃での伸展であった。各試料の10分の1を独立して4%のN usievゲル内に足らせ、適切なサイズの分画をゲルからカットした。アガロース 片を凍結させ、3回解凍し、2μlの上清を同じプライマを用いて直接、さらに 25サイクル再増幅させた。アクチン配列は、(5′−ACGAAGACGGACCACCGCCCTG− 3′,5′−CACGTTGTGGGTGACGCCGTC−3′)というプライマを用いて、脳cDNA からうまく増幅できたもののPGA5対照からは増幅できなかった。制限部位 PstI 及びBamHIを内含しVa12.1領域遺伝子の286bp フラグメントを構成するプライマ AB 13-14(5′−CAGAAGGTAACTGCAGCGCAGACT−3′,5′−TTGGGGATCCAGAGGACA GAAGTATACTGC−3′)及びSalI部位を含みCa領域写しの340bp フラグメントを 構成するプライマAB 41-42(5′−CAGAACCCTGACCCTGCCGTGTAC−3′,5′−GT GTCCACAGTTTAGGTTCGTATCTGT−3′)をそれぞれ用いて、Va及びCa写しが、MS脳c DNAとPGA5鋳型の両方から増幅されたが、対照MS脳cDNAからは増幅されなかった 。V12.1プライマAB13及びCaプライマAB42を用いて後頭部から調製されたMS脳の cDNAから、転位されたTcRa配列を増幅することができたということに留意された い。 接合領域の配列を、MS脳の後頭部からのVa12,1−JC増幅から誘導した。 100 μlのPCR 反応を、1/1の体積で2度フェノール/クロロホルム抽出し、1/ 1体積で1度クロロホルム抽出し、5000rpm で30分間2mlのTE緩衝液を用いCent ricon 30(Amicon)を通して透析した。試料を回収し、BamHI及び PstI(又は SalI)を用いて3時間DNA を消化させた。消化の後、試料をフェノール;クロ ロホルム抽出し、上述のものと同じCentricon カラムに通し、20μlの最終体積 にした。3μlの試料を、200ng のBamHI/ PstI又はBamHI/ SalIでカット されたM13mp18 との10μlの連結に入れ、T4 DNAリガーゼ(New England Biolabs )を用いて、16℃で一晩連結させた。標準的手順に従ってE.coli JM101 内への 形質転換を行ない、35P−標識付けされたTcR プローブに対するハイブリダイゼ ーションによって陽性の斑を選択した。35S−dATP及びSequenase (U.S.Biochemicals)を用いてチェインターミネータ法により、30のクローンを 配列決定した。 表2中の結果は、1人の患者及びアクチン対照のcDNAの増幅において、アクチ ンが脳cDNAから増幅され得るものの、Va12.1セグメントを含む全長cDNAクローン であるPGA5からは増幅され得なかったことを示している。同様に明らかなのは、 患者においてはVa12.1遺伝子に対応する小さい方のPCR 産物の量の方が少なかっ たのに対し、対照試料においては、そうでなかったということである。1つのVa 系統群が増幅されたことを確認するため、制限エンドヌクレアーゼを用いてゲノ ミック及び脳V12.1のPCR 産物を分析し、既知の制限地図と比較した。予想され たフラグメントしか観察されず、これは、Va12.1系統群のみが増幅されたという 概念と一貫することであった。クローニングしたVa PCA産物を含むコロニーをVa 12.1領域プローブでスクリーニングした場合、約20%が陽性であった。これらの コロニーのいくつかからのDNA を、配列決定し、公表されたVa12.1配列と同一で あることがわかった(Sim,et al.,Nature 312,771-775(1984))。従って、最 近MS罹病性と関連づけされた制限断片長多型(RFLP)は、TcR Va遺伝子に対する フランキング配列の中にあるにちがいない(Oksenberg, et at.,Proc.Natl.A cad.Sci.USA 86,988-992(1989))。 上述の結果は、PCR が、T細胞のインビトロ膨張の必要性なく5μgの総RNA から出発して、死後脳試料からの受容体写しを増幅できる、ということを立証し た。同様にして、Ca配列がMS脳cDNAから増幅されたが、対照試料からは増幅され なかった。Va及びCa Tc R領域に相補的なプライマを用いたひき続きの増幅は、 鋳型としてMS脳の後頭部からの対照のPGA5及びcDNAを用いた場合に主要なバンド を生成し、試料中に転位されたTcR 写しが存在することを表わして いた。頭頂部の脳のライブラリからのVa及びCa増幅は、T細胞系統からのその他 のcDNAライブラリにおいて見られたように、転位された染色体からの真の写しを 表わしている確率が最も高い(Loh,et al.Science 243,217-220(1989)。 Vb8系統群に対応するプライマが、軟膜抽出されたゲノミックDNA から遺伝子 を増幅することができるとしても、これらのプライマを用いてPCR 産物は全く観 察されなかった。このTcR V領域は、最近MSに対する罹病性と関連するものであ るとして報告されてきた(Beall et al.,J.Neuroimmunol 21 59-66(1989)。 PCR 増幅中に産生されたDNA が、転位されたTCR 遺伝子の真正の増幅産物であ ったことのさらなる証拠を提供するため、Va及びCaプローブでのコロニーの2重 スクリーニングの後、PCR 産物を配列決定した。検査した30の配列の中にはわず か2つの異なるJ領域しか見られず、その両方共がPGA5 Ja配列と異なっていた 。11の配列が、クローンHAP41(Yoshikai,et al.,J.Exp.Med.164,90-103( 1986)の中に見られるJa O系統群を含んでいる。14の配列が、これまで記述され たことのないJa配列GGGTACCGAGATGACGAACCCACCTTTGGGACAGGCACTCAGCTAAAAGTGGAA CTC.を有していた。 MS脳の中でのTcR Vaの利用を完全に分析する目的で、これらの遺伝子系統群に ついての公表された配列に基づき5′PCR プライマーとして使用するための18の 異なるVa特異的オリゴヌクレオチドを調製した(Yoshinkai et al.前出(1986) ;Kline et al.,Proc.Natl.Acad.Scl.USA 84,6884-6888(1987))。各々のTc R Vaグループについて特異的な3′Vaプライマを用いたゲノミックDNA 及びPHA で刺激された末梢血リンパ球から分離された逆転写されたRNA で、各プライマを 用いた増幅についての最適な条件を確認した。5′Vaプライマ及び共通の3′Ca プライマを用いて、脳cDNAの増幅か ら得た結果は、各々の脳の中で数個のTcR V遺伝子系統群だけが優先的に発現さ れ転位されていることを示している。Va10及び12はMS脳1及び2の中で検出され た。MS脳2は同様にVa8及びVa16も発現した。MS脳3においては、Va8,9及び 10の系統群が効果的に増幅された。Va10はかくして3つの試料全てに共通であっ た。 Va遺伝子の使用について分析することを目的として、我々はブドウ膜黒色腫標 本から分離されたmRNAから逆転写されたcDNAを分析した。5′プライマのために は、主要ヒトTCR Va系統群を表わす18の異なるVa特異的オリゴヌクレオチドが用 いられ、3′−プライマについてはCa配列が用いられた(表1)。8つのブドウ 膜黒色腫試料の各々から総RNA を抽出し、これを逆転写した。黒色腫組織からの 総RNA を、RNAzolTM(Cinna/Biotec,TX)を用いた方法においてグアニジニウム チオシアネートの存在下で調製した(Choi et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.US A 86,8941(1989)及びその中に引用されている参考文献)。逆転写酵素を用い た1本鎖cDNAの合成のために、2μgの総RNA を使用した。20μlという最終体 積で、1×PCR 緩衝液(50mMのKCl,20mM のトリス−C1,pH8.4,2.5mMのMgCl) ,1mMのNTP,20単位のRNAsin,100pmoles のランダムヘキサマー(Pharmacia)及 び20単位のERL MoMuLV逆転写酵素を42℃で40分間、RNA(2μg)と共にインキ ュベートした(Kamasaki,et al.,同書中、85,5698(1988))。反応混合物を5 分間95℃で加熱し、次に氷上で急速に冷やした。そのときDNA はPCR のためにい つでも使用できる状態となった。黒色腫の特異的マーカーであるメラノトランス フェリンのためのプライマーを伴う個々のVa−Caプライマーセットを用いて、結 果として得たcDNAを増幅させた。各々のVaプライマは、電気泳動されたPCR 産物 の臭化エチジウム染色の時点で 300〜400bp のバンドを生み出した。 黒色腫標本からのTIL 内のVa発現の分析が、表3に示されている。 ヒトブドウ膜黒色腫の中で発現されたTCR Va系統群。各反応において1μMと いう最終濃度でCaプライマを伴うVa特異的プライマを用いて、一本鎖cDNA試料を 増幅した。この増幅は、Perkin-Elmer DNAサーマルサイクラー(Cetus)上でTaq ポリメラーゼ(ampli TaqTM;Perkin Elmer)を2.5単位用いて実施された。PCR サイクルのプロフィールは、35サイクルについて1分間95℃の変性、1分間55 ℃でのプライマーのアニーリング、1分間72℃でのプライマの伸展 であった。PCR 産物を1%の正規アガロース/3% NuseiveTMアガロースゲル( FMC Corporation)上で分離させ、臭化エチジウム染色で転位バンド(300〜400bp) が視覚化された時点でVa系統群の発現が陽性であるとみなした。1つの試料につ き3回ずつ実験をくり返した。結果は、各試料の異なるアリコートについて同一 であった。 全てのTCR 5′プライマは、各系統群についての特異的3′Vaプライマを用い て生殖細胞系DNA からTCR 配列を増幅させる。我々は、百日咳毒素、Borrelia b ergdorfei 及び同種抗原に対して反応性をもつT細胞クローン内の特異的Vaメン バーの単一の転位ならびにDHA による刺激を受けたプールされたT細胞内の全て のVaメンバーの転位を含め、活性化されたさまざまなT細胞内の全てのTCR 遺伝 子メンバーのVa−Ca転位を検出した。 8つのケースのうち7件の中から、1〜3個のVa遺伝子(Va7,8,9,12及 び14)のみが検出された。8件のうち7件において、Va7が発現され、転位され た。全てのケースにおいてメラノトランスフェリンを増幅させた。cDNA試料無し で、又はゲノミックDNA を用いて、いかなる増幅も観察されなかった対照検査を 実施することにより、汚染性DNA による増幅人工産物を排除した。各患者の腫瘍 の異なるアリコートを用いたさらなる実験の後、同一の結果が得られた。 Va7及びCa特異的オリゴヌクレオチドプローブでのハイブリダイゼーションに より、Va7プライマで得られた増幅産物を同定した。臭化エチジウム染色でアガ ロースゲル電気泳動時点でVa7転位産物が視覚化された全てのケースにおいて、 Va7オリゴヌクレオチドプローブ(5′−CTG GAG CTC CTG TAG AAG GAG −3′ )に対するドットブロット法で陽性ハイブリダイゼーションが観察された。増幅 したメラノトランスフェリンはこのプローブと全くハイブリッド形 成しなかった。さらに、Va7−Ca増幅産物は、Caオリゴヌクレオチドプローブ( 5′−CAG AAC CCT GAC CCT GCC GTG TAC −3′)に対してハイブリッド形成し たが、Va1及びVa4特異的オリゴヌクレオチドプローブとはハイブリッド形成し なかった。 Va7増幅産物の付加的な特徴づけが、エンドヌクレアーゼ DdeI,KpnI及びH infIでの制限地図作製によって得られた。制限パターンは、Va7の既知の地図 と一貫したものであった(Yoshikai et alJ.Exp.Med.,114,90(1968))。 この要領で、異なる新生増殖性組織の各々と結びつけられた可変領域を決定す ることができる。このとき、T細胞の実質的に均質な組成物を、特定の新生増殖 性組織の治療のために投与することが可能である。成熟T細胞を分離する代りに 、前駆T細胞を分離し、腫瘍組織又は適当なタンパク質で活性化させ、適切な可 変領域を有するT細胞を分離し、治療に用いることができる。又T細胞は、化学 療法、照射及び/又は外科手術の後T細胞組成物を投与することによって予防の ために用いることもできる。 16のMS脳及び10の対照脳においてTCR Va及びVb転位について研究した。18のう ち1つのVa特異的オリゴヌクレオチドプライマ又は21のうち1つのVβ特異的オ リゴヌクレオチドプライマでの増幅によって得られたPCR 産物のハイブリダイゼ ーション及びサザンブロット法を用いて、TCR Va−Ja−Ca及びVb−Db−Jb−Cb転 位を確認した。以下の表は、プライマを表わしている。 コロラド州イングルウッドのロッキーマウンテン多発性硬化症センター及びオ ーストラリア、ビクトリアのラ・トローブ大学から、コードされたヒトの脳の試 料を得た。試料には、16のMS脳と10の非MS対照の異なる領域からの急速凍結され た又は低温保存された剖検試料が含まれていた。各試料を均質化し、総RNA をRN Azol方法(Cinna/Biotecx,Friendswood,TX)を用いて抽出した(Chozynski an d Sacchi,Anal.Biochem. 162,156(1987))。約0.25μgの総RNA を、1μl の10×PCR 緩衝液(100mM トリス−HCl,pH8.3,500mM のKCl,15mM のMgCl2,0 .01%(w/v)のゼラチン(Perkin,Elmer,Norwalk,CT),1μlの10mMのジ オキシヌクレオチド三リン酸、0.25Uのランダムヘキサマー(Pharmacia,Piscat away,NJ)及び 100UのSuperscript MuLV−逆転写酵素(BRL,Gaithersburg,MD )を含む10μlの反応の中で、最初のcDNAストランドへと逆転写した。反応混合 物を10分間室温でインキュベートし、その後45分間42℃で、5分間95℃でインキ ュベートした。その後、混合物を氷上で冷やした。cDNAをPCR 方法による酵素増 幅に付した。50μlの反応混合物中で10μlのcDNAを、4μlの10×PCR 緩衝液 、1.25uのTaq ポリメラーゼ、0.5μMのCa又はCbプライマ及び 0.5μMのVa又 はVb特異的オリゴヌクレオチドプライマと組合わせた(表4)。 使用されたPCR プロフィールは、DNA サーマルサイクラー中、35サイクルにつ いて、60秒間95℃での変性、60秒間55℃でのアニーリングそして60秒間72℃での 伸展であった。 DNA 分離及びHLA 型別:標準的手順に従って組織試料から高分子量のDNA を抽 出した。 HLA−DRB1,DQA1,DQB1及びDPB1型別を、PCR 、ドットブロット法及び 対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブでのハイブリダイゼーションによ って実施した(Helmuth et al.,Am.J.Hum.Genet. 47,515(1990);及びBuga wan,et al ., Immuno gcnetics 32,231(1990))。 B.Rergdorfei 、百日咳毒素及びアセチルコリン受容体に対する抗原特異的T 細胞クローンの中で単一の転位を同定することにより、特異性を確認した。結腸 ガン腫の細胞系統では、いかなる増幅も検出されなかった。3つのMS脳及び3つ の対照以外の標本の起源について知らされていない分子生物学者により全ての試 料がコード付けされた。 制限された数のTCR Va遺伝子の配置が16のMS標本のうち15の中で見られた。 1つの標本においては、患者が2つVβ転位を有していたにもかかわらず、調 査された18の系統群のいかなるVa遺伝子も転位を受けなかった。転写されたTCR Va遺伝子の数は、1つの脳につき0〜9で、平均は4.4±2.8(±1SD)であった 。TCR Vβ転位はさらに多様で、一つの脳につき2〜13の範囲で、平均は7.0±3 .4(±1SD)であった。非神経疾患で死亡した個体の10個の脳のいずれにも、TC R Va又はVb写しは検出されなかった。 16MSの患者は全て、PCR 及び配列特異的オリゴヌクレオチドプローブのハイブ リダイゼーションを用いて、クラスIIのHLA 遺伝子座 HLA−DRB1,DQA1,DQB1、 及びDPB1について型別された。16人の患者のうち8名は、DRBI* 1501,DQA1* 01 02,DQBI* 0602及びDPB1* 0401又は0402であった。細胞型 HLA−DR2Dw2に対応す るこの分子 HLA−DR:DQ ハプロタイプは、或る種のコーカソイド個体群におけ るMSに対する罹病性の増大と関連づけされている。上述の分子表現型をもつ患者 は、或る種のVa及びVb転位の頻度の増加を示した。 上述の表により明示されるとおり、表示された表現型をもつ8人の患者のうち 7人がVb 5.2の転位を有し、8人全員がVb 5.1又は5.2 又はその両方を転位させ ていた。Vb6は上述の表現型をもつ8つのMS脳のうちでは6つにおいて転写され 、これに対し、表示された表現型をもたない8つのMS脳のうち4つにおいて又、 表示された表現型をもたない6つの対照脳においても転写された。表示された表 現型をもつ患者において見られるその他の頻繁な転位はVb7,6/8,Vb12,4 /8,Va16,6/8,Va5,Va7,Va12及びVa1が4/8であった。 PCR 増幅されたcDNAのクローニングと配列決定:PCR 増幅を受けたcDNA試料を 、配列分析のためM13へとクローニングした。オリゴヌクレオチドプライマ内で 制限部位をカットするべく、試料を pstI及び SacI又は PstI及びBamHIで消 化した。消化されたPCT 産物を濃縮し脱塩するためには、Centricon の遠心分離 マイクロ濃縮機(Amicon,Danuers MA)を使用した。JM101 コンピーテント細胞 の中での形質転換の後、TCRbインサートを含むクローンをTCRb C領域 HRP−標 識付けされたプローブでのハイブリダイゼーションによって同定した。陽性クロ ーンからの1本鎖DNA を調製し、Ampli Taq 配列決定キット(Perkin-Elmer)で のチェインターミネータ法によりVDJCb 配列を決定した。 フローサイトメトリー:記述されている通りに(Jackson and Warner,1985) 、フィコール−ハイパーク密度勾配遠心法により、末梢血単核細胞(PBMC)を調 製した。簡単に言うと、室温の20mlの血液を等体積の食塩水で希釈し、Histopaq ue-1077-1(Sigma,St.Louls.MO)を下に置き、400gで30分遠心分離した。P BMCを、染色溶液(1%のウシ胎児血清を含む食塩水)で10分間250gの遠心分離 により2回洗浄した。30分間、20μlのFITC接合されたDiversi-T ab TCRスクリ ーニングパネル(T Cell Sciences,Cambridge,MA)モノクローナル抗体、20μ lのフィトエリスリン接合された抗−Leu−3a(CD4)(Becton Dickinson,San Jose,CA)及び20μlのPerCP 抗−Leu−2a(CD8)(Becton Dickinson)をイ ンキュベートすることによって、4℃で96ウエルのプレート(Costar,Cambridge ,MA)内で、20μlの2×107 PBMC懸濁液の3色染色を実施した。染色溶液中で 3回PBMCを洗浄し、1%のホルムアルデヒドで固定した。Becton Dickinson FAC Scan上で螢光分析を行なった。 II.競合性ペプチドでのEAE の予防材料と方法 ミエリン塩基性タンパク質(MBP)の決定因子P5−17はパターンP−S−Q−R −H−G−S−K−Y−L−A−T−Aを含む。T細胞クローンを予測するため の対象モチーフに対するアルゴリズムを用いて、MBP−特異的T細胞であるクロ ーンF1−28のエピトープを分離した(Zamvi)et al., J.Exp.Ned.(1985)16 2:2107)。このクローンは、自己抗原ミエリン塩基性タンパク質を認識する。2 つのパターンGILDB 及びRFFSを含むアミノ酸P35−47に対応するペプチドを合成 し、刺激性をもつことが立証された。試験されたペプチド決定因子は、GILDSIGR FFS GDRGAP であった。刺激性エピトープは、重複するペプチドと共に実際LDSIGR FFSGDRGAP から成るものであることが示された(Zamvil,et al.Nature(1986 )324:258) 。 RFFSモチーフを含むヒトミエリン塩基性タンパク質(MBP)。P35−47は、MHC I E a Ub Uにより制限されたマウスT細胞での刺激性をもつものであることが わかった。モチーフKYLAT を含むヒトミエリン塩基性タンパク質のP5−17は、I −Aa Ub U 又はI−Aa Ub Uにより制限されているマウスT細胞での刺 激性をもつことがわかった;そしてモチーフHFFKを含むヒトミエリン塩基性タン パク質のP89−101は、I−Aa Sb Sにより制限されたマウスT細胞での刺 激性をもつことがわかった。 1つの自己抗原のどの免疫原性部分が病原性と配列相同性を共有するかを規定 するため、アルゴリズムを使用することができる。例えば、パラミクソウイルス 及びインフルエンザと共有されるMBP P35−47及びピコルナウイルスと共有され るMBP 89−101 の場合、T細胞をトリガリングする重要な配列が病原性と共有さ れている。 もう1つの疾病、重症筋無力症においては、アセチルコリン受容体の合成ペプ チドを構築するため対象アルゴリズムを用いることによって、T細胞エピトープ が発見された。ペプチドAChR P215-232 DTPYLDITYHFUMQRLPLは、数多くの筋無力 症において特に刺激性をもっていた。その他の刺激性ペプチドには、対象のアル ゴリズムに従った277-291 及び330-347 が含まれていた。抗原特異的T細胞クロ ーンを、末梢血リンパ球(PBL)から分離し、抗原提示細胞(APL)としての同系の照 射されたPBL と抗原と共にインビボで培養させた(Cunningham,et al.J.Gen Virol.(1985)66:249);Eckles,et al.Nature(1981)301:716)。 合成MBP ペプチド:ラット(R)及びウシ(B)MBP のアミノ酸配列に対応す るペプチド(Martenson,1984,「Experimental Allergic Encephalomyelitis( 実験的アレルギー性脳脊髄炎)」中。「多 発性硬化症のための有用な1つのモデル」Alvard,ed.Alan Liss, N.Y)を、固 相技術を用いて、以前に記述された通りに合成した(Erickson and Merrifield ,1976,「The Proteins(タンパク質)」、第2巻中、Neurath ed.Academic P ress,NY.p255)。ペプチドをさまざまな有機副産物から分離し、高圧液相カラ ム(Merck,Darmstadt、ドイツ)及びアミノ酸分析により、純度を測定した。こ れらのペプチドは、全て90%以上の望ましい産物を含んでいたことから、それ以 上精製されなかった。以下の試験手順では、上述の対象のペプチドを利用した。 自己免疫原性ペプチドを寛容原性にするため、これらのペプチドをリンパ球に接 合させることもできるし(Sriram,et al.,1983、前出)或いは、従来の結合基 を用いて、破傷風トキソイド又はウシ血清アルブミンといった担体にペプチドを カップリングすることによって接合させることもできる(Herzenberg,et al.A nn.Rey. Imm.(1983)1:609-632)。 増殖検定:以前に記述された通りに、増殖性応答を決定した(Zamvil,et al.Nature(1985)317:355)。96ウエルの平底マイクロタイタープレート(Falco n,3072)の中の0.2ml の培地内で、1×104のT細胞を5×105のX線照射され た(3000ラド)PL/J脾臓APC と共に培養した。ペプチドを培養に添加し、表示 された最終濃度を得た。48時間の培養後に、各ウエルを1μCiの3H−チミジン でパルスし、16時間後に収穫した。三回の同一培養について平均c.p.m.チ ミジン取込みを計算した。複製培養からの標準偏差は10%平均値以内であった。 ラットにおけるMBP 特異的T細胞クローンの開発 モルモットミエリンベースのタンパク質で、CFA 中のMBP ペプチド87−99(20 0 μg)で免疫化したラットのLN又はSC(脊髄)から、T細胞株を選択する。Co nA刺激Lcwis ラット脾臓細胞からの上清 をIL−2の供給源として用いて、Ag刺激T細胞を展開させた。希釈又はFACS分類 を限定することにより、T系統細胞をクローン化した。クローニング後、106照 射同系胸腺/ウエルを用いて96ウエル平底プレート中で、抗原によるその後の再 刺激を達成した。刺激の72時間後に、クローンに成長培地を再供給して、その後 24ウエル平底プレート中で展開させた。106個の照射胸腺細胞及び25μgペプチ ドの存在下で約4×106クローン化細胞を用いて、24ウエルプレート中での再刺 激を成し遂げた。 増殖検定:を96ウエルマイクロ滴定プレート中で実施した。要するに、2×104 個のT細胞及び106個の照射胸腺細胞/ウエルを、刺激培地のみ、ConA又は抗原 とともにインキュベートした。培養をガラス繊維フィルター上に採集し、液体シ ンチレーシヨンによりTdR 摂取を査定した。一通りのウエルから平均cpm を算出 した。いくつかの実験において、競争阻害剤ペプチド、あるいは抗I−A(OX− 6)又は抗I−E抗体(OX-17)を用いてT細胞反応を制限するにはどのMHC を 用いるかを評価し、あるいはペプチドが原ペプチドによる刺激を中和するか否か を調べた。 IIa.MBP の合成ペプチドN1−20を用いたEAE の防止 下表に示すように、多数のペプチドを調製した。 抗原呈示細胞(APC)を競争阻害剤としての種々のペプチド(67μM)とともに3 0分間予備インキュベートした後、AcN1−11(0.067〜67μM)をI−A″制限化及 びAcN1−11特異的T細胞クローンPJR25と一緒に付加した。生APC を用いた検定 では、過剰量のN1−20又はAcN5−20の存在下で、AcN1−11に対するPJR25 の増殖 が阻害された。阻害は6:1又は10:1の比(競争阻害剤:刺激剤)で明瞭で、 阻害率はN1−20に関しては10:1では79%(p>0.001 、対照培地と比較。スチ ューデント検定)、6:1では52%(p>0.001)、AcN5−20に関しては10:1で5 0%(p>0.01)であった。阻害作用は、培地中のAcN1−11の濃度を増大するこ とにより逆にできる。ペプチドN1−11及びAcN2−11は反応を阻害出来なかった。 さらに、阻害はペプチドN35−47及びN90−101によっては明瞭でなく、もっぱ らI−E″及びI−A″分子に対して制限されたI−A″制限化 エピトープを含有するペプチドAcN9−20は生APC の存在下で反応を阻害しなかっ た。阻害増殖反応にグルタールアルデヒド固定APC を用いた場合、AcN9−20は10 :1(p>0.01、対照培地と比較)で反応を阻害した(59%)。AcN5−20(92% )(p>0.01)及びN1−20(91%)(p>0.001)も阻害した。N1−11,AcN2−1 1,N35−47又はN90−101では阻害は観察されなかった。 PJR25 の増殖に際してのN1−20の阻害作用は、時間依存性であった。AcN1−11 付加後24時間目にN1−20を培地に加えると、その阻害作用は低減された。67μM のN1−20とともに18時間予備インキュベートしたAPC を次に大々的に洗浄し、グ ルタールアルデヒドで固定すると、単独培地上で対照ペプチドAcN2−11で予備イ ンキュベートした固定APC よりクローン中での増殖反応が低くなった(p>0.05 。対対照培地)。これらのデータは、阻害がAPC による抗原呈示のレベルで生じ 、in vitroでの阻害が非特異的細胞毒性によるものであると言う可能性を排除す るという事実を支持する。阻害は、PJR25 の反応においてだけでなく、そのT細 胞受容体遺伝子がPJR25 とは異なって再配列される別のAcN1−11特異的クローン 、R2.2に関する反応においても、並びにAcN1−11で感作した。次リンパ球の反 応においても観察された。これに対比して、N1−20は、あるクローンの、又はN 90−101 に対するI−A″制限化反応を阻害しなかった。同様のin vitro競合は クローン集団においてだけでなく、AcN1−11プライム化異質集団でも観察されな かった。 上表に示したように、AcN2−11は比が6:1(競争阻害剤AcN1−11)の場合で も疾病を防止できなかったが、一方N1−20の注射は3:1(p>0.001)の比でEAE の臨床的発症を有意に(p>0.01。フィッシャー精密検定)防止した。さらに 、AcN9−20は3:1(p>0.001)及び6:1(p<0.001)の比でEAE に予防的効果 を及ぼした。N1−20の注射は、3:1又は5:1の比でI−A″制限化ペプチド N89−101 SJL/Jマウスで誘発されたEAE を防止できなかった。競争阻害剤( N1−20及びAcN9−20)で処置した、EAE のいかなる臨床的徴候も示さなかった20 匹のマウスの代表的切片の再検討において、髄膜下細胞浸潤物の血管周囲カフは 明白でなかった。 IIb.MBP の合成ペプチド89−99の結合特異性 配列VHFFKNIVTRPTP で一組の置換ペプチド我々は作製したが、これはラット、 マウス及びヒトミエリンベースのタンパク質(MBP)で同一であり、ラットのI− E制限化エピトープ MBP89−99に対応する。ペプチドを表12に示す。Smilek et sl.,1991,Gautam et al.,1992 a & bに記載されたFACS検定におけるMHC 結合 を我々は測定した。 我々の結果をヒトMBP 配列に関するMartin等(1992)の試験を直接比較できる ように番号を選択した。配列は同じであるが、ネズミのミエリンベースタンパク 質分子のN末端近くの欠失により異なる番号がつけられた。 CFA と混合した場合にEAE を引き起こすこれらのペプチドの能力に関して、そ れらを試験した。下表13のカラム2に示すように、ペプチドAla4,Ala5,Ala6, Ala8及びAla10 はEAE を引き起こすことができなかったが、一方Ala9は6匹のラ ット中1匹だけにEAE を誘発した。Ala4,Ala6,Ala7及びAla8はI−Eに対する 弱い結合体あることが観察されたが、このことは、これらの残基4F,6N,7I及び 8VがMHC 結合に不可欠であることを意味する。ペプチドAla6及びAla8は、原ペプ チド(89−101)に対して生じた脳炎誘発性T細胞株を弱く刺激する。MS18に関し て試験した場合、ヒト細胞毒性T細胞株Vβ5 2LRGAは87−106 を認識し、Al a6及びAla8ペプチドはHLADRB1*1501標的による細胞毒性に対する標的として役立 たない。Ala8はMS18の細胞毒性を遮断するために87−106 と競合し得る。Lewis ラットでは、in vitroで原ペプチドと競合的に投与された場合、Ala6及びAla8は ともに89−101 T細胞株の増殖を遮断し得る。それらがI−Eとうまく結合でき ないにもかかわらず、CFAとのモル比が5:1で原ペプチドと混合した場合には 、ペプチドala6及びala8はEAE の発症を遮断する(原ペプチド+ala6に関しては 6匹中0匹、原ペプチド+ala8に関しては6匹中2匹、これに比して原ペプチド 単独では12匹中11匹が発症)。これらの競争阻害剤Ala6及びAla8は、弱I−E結 合剤であるが、原ペプチドと明らかに競合し得るし、T細胞受容体を中和し得る 。 上記のデータは、MBP ペプチド87-99のTCR 認識を相殺するにもかかわらず弱M HC 結合剤であり、5:1のモル比で完全フロイントアジュバント中のMBP と混 合するとEAE を防止するという記述を立証する。さらにAla9及びAla10 は、良好 なMHC 結合剤であり、非脳 炎誘発性であって、生87−99で誘発される脳炎誘発性T細胞株の弱刺激剤である 。 化合物Ala4はI−Eに対する弱結合剤(ICnu>200mM)であり、87−99T細胞株 を刺激せず、EAE を引き起こさない。これらの化合物は同様に原87−99のTCR 認 識を相殺する。 上記のデータは、MBP ペプチド87−99のTCR 認識を相殺するにもかかわらず弱 MHC 結合剤であり、5:1のモル比で完全フロイントアジュバント中のMBP と混 合するとEAE を防止するという記述を立証する。さらにAla9及びAla10 は、良好 なMHC 結合剤であり、非脳炎誘発性であって、生87−99で誘発される脳炎誘発性 T細胞株の弱刺激剤である。 化合物Ala4はI−Eに対する弱結合剤(IC50>200mM)であり、87−99T細胞株 を刺激せず、EAE を引き起こさない。これらの化合物は同様に原87−99のTCR 認 識を相殺する。 IIc.MBP の合成ペプチドN87−99を用いたEAE の防止 以下の実験で、MBP及び87−99反応を遮断する能力を有する弱MHC 結合剤、例 えばAla6又はAla8で同時免疫化することにより、EAE 防止の可能性を我々は立証 する。 EAE の発症率は、臨床的EAE を有するマウス数/免疫化マウス数として表した 。EAE の誘発に関しては、MBP ペプチドをリン酸塩緩衝食塩水(PBS)に溶解して 、PBS 及びCFA の1:1混合液中の完全フロイントアジュバント(CFA)で乳化し た。マウスの尾のつけ根に0.2ml の乳濁液を注射した。同日及び48時間後に、百 日咳毒素(List Chemicals.Campbell,CA)を静注した。EAE の徴候に関してマ ウスを毎日検査した。EAE 防止のために、MBP87−99(0.2mg)又は競争阻害剤ペプ チド(1mg)を含有する混合液中で動物を免疫化した。 上表に示すように、AcN1−20はN87−99によって引き起こされる疾患を防止で きなかった。Ala6を同時注射すると、EAE の臨床的発症は完全に防止された。さ らに、Ala8はEAE に防止作用を及ぼす。これは、多発性硬化症に関与したCDR3領 域LRGAN を遮断し得るTCR拮抗薬の最初の例である。 MHC と結合し、哺乳類細胞、特に同系細胞における自己免疫疾患 又は他の免疫発作に関連したペプチド、特に大型ペプチドの内部ペプチドの修飾 により、免疫発作から宿主を保護し得ることは、上記の結果から明らかである。 したがって、T細胞免疫優性配列が同定されると、アミノ酸配列を修飾すること によりこれらの配列を修飾して、自己免疫疾患に対する拮抗薬を生成し得る。 変性障害に関連したT細胞受容体を同定するために件の方法を用い得ることは 、上記の結果から明らかである。したがって、簡単なスクリーニング技法により 、疾病を引き起こす又は撲滅するT細胞受容体を同定し得るし、種々の手法によ りそれらの活性を阻害又は増強し得る。本発明は、T細胞受容体可変領域に関連 した変性疾患に罹患し易い個体を診断する能力を提供する。T細胞受容体に関し て変性組織をスクリーニングし、その組織に関連した特異的T細胞受容体及び特 定宿主のHLA を同定することにより、T細胞受容体、HLA 及び疾患の関係を確定 し得る。対照的に、T細胞が新生増殖障害の撲滅に関連する場合には、特定のT 細胞を予防又は治療に用い得る。 本明細書中に引用した文献及び特許明細書は、特定的に並びに別々に参照によ り含まれると示された場合と同様、すべて本明細書に含まれるものとする。 理解を助けるために説明及び実施例により多少詳細に本発明を説明してきたが 、添付の請求の範囲の精神又は範囲を逸脱しない限りにおいて変更及び修正が成 され得ることは、本発明の教示にかんがみて、当業者には容易に明らかになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07K 16/28 9051−4C A61K 37/02 ABA (72)発明者 オクセンバーグ,ジョージ アメリカ合衆国,カリフォルニア 94306, パロ アルト,ラモナ サークル 3625 (72)発明者 バーナード,クロード オーストラリア国,ビクトリア 3083,ノ ース バルド ウィン,トレントウッド アベニュ 18 (72)発明者 ザンビル,スコット アメリカ合衆国,カリフォルニア 94002, ベルモント,ベルバーン ドライブ 1900 (72)発明者 ミッチェル,デニス ジェイ. アメリカ合衆国,カリフォルニア 95037, モーガン ヒル,オーク グレン 16880 (72)発明者 カリン,ネイサン アメリカ合衆国,カリフォルニア 94305, スタンフォード,ベックマン センター, デパートメント オブ ヌーロロジー ア ンド ヌーロロジカル サイエンシズ(番 地なし)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.わずか12のVaもしくはVbの領域しか発現しないT細胞集団を少なくとも50 %含んでなるT細胞の限定集団によって天然組織が破壊されることが原因で起こ る脱髄自己免疫疾患に罹っている宿主を治療する方法であって; T細胞の前記限定集団の共有T細胞受容体可変領域および前記共有T細胞受容 体可変領域が認識する抗原とで形成される複合体の数を減らすことができるタン パク質性薬剤の有効量を前記宿主に投与することを含んでなり、 前記複合体の数と天然組織の前記破壊が減少する方法。 2.前記薬剤が、前記共有T細胞受容体可変領域のアミノ酸配列の約30個未満 のアミノ酸を含んでなるオリゴペプチドである請求の範囲1記載の方法。 3.前記脱髄自己免疫疾患が多発性硬化症であり;かつ 前記アミノ酸配列が、T細胞受容体bサブユニット配列以外のタンパク質に結 合したT細胞受容体Vb領域のCDR3領域を含んでなる請求の範囲2記載の方法。 4.前記アミノ酸配列がLCASSLRGA,LCASSLRLAまたはLCASSLGGを含んでなる請 求の範囲3記載の方法。 5.前記薬剤が、哺乳類のミエリン塩基性タンパク質残基89−99のアミノ酸配 列を含んでなるオリゴペプチドであり; 前記配列が一つのアミノ酸をアラニンで置換することによって修飾され、その 結果、前記天然の配列に比べて実質的に、MHC結合アフィニティーが低下し、生 体外でT細胞を刺激する性能が低下しかつ自己免疫疾患を誘発する性質が低下し た配列になる請求の範囲1記載の方法。 6.前記オリゴペプチドが、アミノ酸配列VHFAKNIVTPRTP,VHFFANIVTPRTP,VH FFKAIVTPRTP,VHFFKNIATPRTP,VHFFKNIVAPRTP,VHFFKNIVTARTP、 を含んでなる請求の範囲5記載の方法。 7.T細胞受容体bサブユニット配列以外のタンパク質に結合したT細胞受容 体Vb領域のCDR3領域の約30個未満のアミノ酸のアミノ酸配列を含んでなる免疫原 であって;そのアミノ酸配列がLCASSLRGA,LCASSLRLAまたはLCASSLGGを含んでな る免疫原。 8.アミノ酸配列:VHFAKNIVTPRTP,VHFFANIVTPRTP,VHFFKAIVTPRTP,VHFFKNI ATPRTP,VHFFKNIVAPRTP,VHFFKNIVTARTP、 を含んでなる9〜15個のアミノ酸のオリゴペプチド免疫原。
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