【発明の詳細な説明】
マルチチャンネル高温計のチャンネル信号を評価する方法
本発明は、熱放射の法則L=Ec1λ-5[exp(c2/λT)−1]-1(ここ
で、Lをスペクトル放射輝度、Eを温度Tを測定すべき面のスペクトル放射率、
c1及びc2を熱力学的定数、λをチャンネル波長とし、スペクトル放射率Eを関
数1nE=a+b・f(λ)に従い波長に因るものと考え、a及びbを調整因数
とし、f(λ)を波長の適宜の関数とする)に従って分析したすべてのチャンネ
ルの出力信号のディジタル処理と、異なるチャンネル信号の偏差分析から真の温
度を評価するための誤差補償処理手順とを包含する、マルチチャンネル高温計の
チャンネル信号を評価する方法に関する。
このような方法は文献EP−0 420 108 A1から知られている。マ
ルチチャンネル高温計は異なる研究及び産業サークルからの測定専門家及び使用
者の両方から多くの注目を受けている。原則的に、マルチチャンネル高温計は、
媒体の光吸収がどうあろうとも、温度及び有効スペクトル放射率の両方を同時に
求めることを可能にしているため、この技術の潜在的な有利さは、非接触温度測
定の革命がこの方法により予
見し得る点で重要である。
しかも、検出した熱放射スペクトルの類推−数値調整を基にした技術は、多く
の適用上の問題を呈する。これらの問題の幾つかは、一般に完全に推定的な関数
モデル(放射率スプライン関数)によって、スペクトル放射率の実際の傾向を予
測することの困難さに因る。他の問題は、従来の高温計(このケースでは有効放
射率データを利用できるとき)に比べ、遥かに高い実験精度が必要とされること
から起こる。
複雑なオンライン分析に用いることができる高性能のコンピュータによっても
たらされる進歩は、これらの問題を解決することを可能にし、マルチチャンネル
高温計を理路整然とした動作方法へと進化させることができ、この動作方法によ
り、測定条件及び又は校正処理手順のような外的要因が次第に重要ではなくなる
。
基本的には、実験で検出した熱放射スペクトルから温度を評価するため、放射
率は、急速に収斂するテイラー級数によって表される波長λの平滑な関数で十分
であると考えられ、このテイラー級数はλの適切な範囲において次のように省略
できる。
ここで、akは、選択した間隔の任意の波長λ=λ0でのf(λ)の導関数の関数
である。この放射率の式
はプランクの放射法則に変換して方程式の体系
を得、ここでP(λ,T)はプランクの黒体放射関数、Aiは校正因数、yiは高
温計の信号である。方程式(2)は未知数(T及び係数ak)をもつMに関する
Nの超越方程式の体系を構成する。M=Nでは、方程式の体系は解けるが、実根
の存在は保証されない。さらに、これらの評価のため正確な代数アルゴリズムは
ない。N>Mでは、方程式の体系は限定し過ぎであり、おおよその解法は、例え
ば最小二乗(LSQ)機能の最小点を見い出すこと、すなわち、
によって求められ、ここでWjは、単位yjの実験誤差に基いて限定される重み係
数である。方程式(3)の数値解法は繰返し得ることができる(有力な方法は主
にNewton-Raphson、Steepest Descent、Marquardt及びこれらの組合せのような
二乗の合計を最小にするのに利用できる。)
この点に関して2つの考察をしなければならない。第1に、非線形LSQ調整
は、解決するには程遠い代数的問題であり、この問題に対するフールプルーフア
ルゴリズム又は探索戦略はない。従って、最終残差の重要さ及び誤差の影響を判
断することはしばしば困難である。我々のケースでは、このことは、放射率が1
よりも大きい次数の多項式で表される場合には特に本当である。第2に、調整の
最適化は重み係数Wjの適切な選択により有意味となるにすぎない。しかし、或
るケースでは、行われている実験条件(信号対雑音比、オフセット等)によって
他の基準が提案されてよい。
方程式(1)は、dλ=(λ−λ0)が十分に小さい場合には根本的には正し
い。しかしながら、この間隔が縮む場合には、結果の感度は大幅に増すことが容
易にわかる。換言すると、dλが狭くなればなるほど、同じ精密さの結果を得る
ために信号の精度をより高めなければならない。例えば、N=6を方程式に入れ
ることにより、方程式(1)の右側の合計はλの4次数まで延び得る。第1に、
Mをできるだけ大きくとることにより、λに対するEの真の依存関係が最適に近
似されることが期待できる。実際に、実験誤差の存在においては、放射率関数の
過剰調整が結果の大幅な悪化を生じさせている。換言すると、実験の信号の数理
処理の限界がこれらの信号の質によって設定されるのである。
T及びak(T)の演繹は非線形調整処理手順に基いており、誤差の評価は最
終的なものである。本質的に、関係する誤差は4つの原因から由来している。す
なわ
ち、
1.信号の雑音及びオフセット補正の正確さ。
2.その誤差が校正の正確さと精度及び利用できるフォトダイオードの直線性に
基いている因数Aj。
3.有限波長ウィンドウ幅に因る誤差。これは計算することができ、dλの10
%よりも小さいウィンドウ幅については、上記誤差に比べ通常無視し得る程度の
ものである。
4.放射面積の温度均一性及び存在し得る摂動(例えば、色吸収、媒体及び高温
計での屈折等)。
5.選択された波長での真の放射率を示すように方程式(1)によって与えられ
る近似値の妥当性。
6.LSQ調整の質、すなわち最終局部残差δyi 2の値。
一般に、これらの誤差は実験条件に起因するので、これらのうちのどれが主要
であるか言うことはできない。しかしながら、1〜3に起因する誤差は、標準の
校正が実施され且つλウィンドウ寸法が十分に小さいときには、100以上の信
号対雑音(S/N)比に関し0.5%以下まで減少し得る。
項目5及び6に起因する誤差は非常に重大である。これらは主に標準偏差
に関係しており、ここでMは変数、すなわち温度及び放射率関数の係数akの数
である(N−Mはδyiの有効に独立した定量の数であることに注目すべきであ
る。スプライン多項式の次数Mが大きくなると、残差δyi 2は減少し又は最悪で
も一定のままであるが、これは一般的にはSyに関するケースではない。事実、
方程式(2)の本来の性質又はLSQアルゴリズムの限界のため、SyはMの限
定値に関し最小値に至ることとなり得る。
さらに、調整処理手順の得られた質を表すSyとは無関係に、誤差原因1〜4
から生じる標準偏差Sexpは、実験データに帰することができる。SyをSexpの
ずっと下に減少させる試みは、信号yiの予想される誤差に関し低い限界を示す
べきであることは明らかである。従って、温度及び放射率係数の最終的不確かさ
は
及び
として表すことができる。
ところで、調整係数の数Mを増やした場合、数量
δT/δyi及びδak/δyiは大幅に増える。これらの偏差の増加がSyの比例
した増加により(すなわち調整精度の向上により)補償されていない場合、温度
及び放射率の不確かさが大きくなることを見越しておかなければならない。事実
、SyがSexp以下に減少すると、後者は方程式(5)及び(6)の乗数となり、
より大きいMを用いることによって精度をより良くしようとする場合には、ST
及びSakが増える。
最後に、温度評価の結果を最適化するために、データの局部的分析が実施され
なければならず、放射率方程式の選択は2つの同時に存在する条件によって指令
される。すなわち、(1)調整のMSQR残差Syは信号Sexpの実験標準偏差以
下に減少されなければならない。(2)一度条件(1)が満たされると、評価さ
れた温度の不確かさを最小にすべきである(MSQR=平均平方根)。
異なる高温計チャンネル信号からの温度の評価は、高温測定において断然に最
も時間のかかる段階である。信号処理時間を実行可能限界内に保つためにマイク
ロコンピュータを用いる場合には、数理処理手順の本質的な簡略化が導入されな
ければならない。これは、基本方程式を線形化することにより、すなわち
の型式の対数線形放射率方程式を仮定することにより
得ることができる。
さらに、ウィーンの法則を仮定した場合、信号の対数をとり、方程式(2)に
対応する方程式は
となる。
a,b,Tでの方程式のこの限定し過ぎの体系の解法は、方程式(8)を2つ
ずつ減らすことにより線形回帰問題に容易に変換され、
となる。
1/(λiλk)に対してプロットしたN・(N−1)(Nのみが独立)値fi, k
が回帰線によって調整され、この回帰線の勾配は温度の逆数であり、縦座標切
片がbである。これらの因数は測定した対(yi,λi)から容易に算出される。
一度T及びbが決定されると、放射率因数aがその結果として得られる。
この温度演算方法は明らかに一般のLSQよりも遥かにに速いが、放射率方程
式(プランクの法則が不可欠ではない代りに、ウィーンの法則を仮定)での制限
条件が生じる。
しかしながら、放射率スプライン関数の形状を選択
することに大きな自由度がいまだにある。事実、方程式(7)において、λはあ
らゆる任意の関数f(λ)に置き換えることができる(例えば、適切な曲率及び
漸近挙動そして必要とされるならば最小値又は最大値を表示する)。
一般に、因数で表した関数f(λ,m,n・・・)を仮定することにより、因数m
,n・・・は、(前節である程度説明した)因数の異なる値に関する関数(7)の
実績と確認した簡略なアルゴリズム(例えばlog(E)の線形方程式)の実績
とを比較することによって、特殊の校正処理手順で決定される。
高温計の校正は、(a)チャンネルの相対回収率及び(b)信号の絶対強さに
関する。温度校正については(a)だけが関係するのに対し、真のスペクトル放
射率が要求される場合に(b)が必要となる。
実際には、絶対校正は、周知の温度源及びスペクトル放射率Eを用いて各チャ
ンネルの校正因数Aj,j=1,・・・6を減らすことによって、標準の方法でもって
行える。最後に、高温計信号yj,は方程式
を満たしており、ここでPはプランクの黒体放射関数である。
校正条件の安定は主として、検出器光子/電流変換比及び又はその指標jの対
応する波長に関するチャン
ネルiの光仕切因数の起こり得る変動によって影響される(これらの積は以後“
チャンネル回収率Yj,j”と称する)。
実際には、測定中にチャンネル回収率が再び評価される場合、機器校正は急速
な処理手順でもって調整できる。非常に高い正確さを得るために、分別光仕切は
高温計動作波長の各々に関して測定されなければならない。これは、単色放射に
よりλ=λj,j=1,・・・Nで発生される(任意の基準チャンネルに対する)分別
信号Fj,j=1,・・・Nを連続的に測定することによって行われる。それから、信
号は方程式
に従って再び標準化される。
この再校正処理手順は極めて正確であり、高温計光学素子の色不安定から起こ
る各種の系統誤差を補償することを可能にしている。しかしながら、相対強さが
調整できるだけであるため、絶対強さy′jの偏りは排除することができず、測
定した放射率のスケーリングに導かれる。しかしながら、これは計算した温度及
び温度誤差の両方には全く影響しない。
遂行される再標準化を容易にできるように装置が実行されてよい。
高温計には干渉フィルタが回転ディスク上に装架さ
れていて、各フィルタがすべての検出器の前に連続して位置できる。ディスクの
完全な回転でもって、チャンネルiの相対回収率Yi,kの値はすべての動作波長
(指標k)に関して測定できる。この装置でもって、この動作が数秒以内で遂行
されるが、より速い回転を得ることができるので、検査処理手順がルーチン測定
と大きく干渉することはない。測定したNxN強さは、マトリックスYi,k内に
直接記憶され、その後マトリックスのダイアゴナルがオンライン温度評価のため
に方程式(11)で用いられる。最後に、注目に値することは、指示していない
温度でさえも十分な強さの熱源が再校正のために使用できることであり、必要な
ことは、検査時間中光の強さが変らないことだけである。
マルチチャンネル高温計により与えられる情報は、線形高温計の情報よりもも
っと理解力あるものであり、しかもこの情報は温度評価のための上記処理手順に
よって利用される一部分に過ぎない。この背景を考慮して、本発明は、マルチチ
ャンネル高温計の温度誤差を減少させる方法を提案している。これは添付の請求
の範囲において限定した方法によって達成される。以下、本発明を図面を参照し
て詳細に説明する。
図1は、bの異なる値に関し方程式(9)から得た1/λに対するfの図表で
ある。
図2は、系統誤差の場合における同様の図表である。
図3及び4は、本発明に従い灰色体(図3)及び可
変スペクトル放射率の物体(図4)からの普通の測定の最適化を示す。これらの
図表において、“+”記号は、K(方程式5)の温度にわたってプロットした温
度不確かさ値STを示し、丸(図3)又は四角(図4)は、Kの温度にわたって
プロットした方程式(12)からのbの値[以後1/(10/μm)]を示して
いる。
実際に、(相互関係していない)実験誤差内で変動する信号が、これらの信号
が十分有効な放射率の法則によって予測される相互関係を良好に満たしている時
の真実性に従っていると仮定することは正しい。例えば、λ独立放射率の源(“
灰色体”)を測定する場合、6つの信号の組をそれぞれの不確かさ帯域内で見つ
けることができ、これらの帯域から6つの一定の放射率をLSQ分析中に完全に
ゼロの残差をもって計算し、それで対応して計算した温度が正しいものであると
予想する。
起こり得る誤差帯域内での正しい値の探索は、本発明による“動揺”方法でも
って、十分に速いコンピュータを用いながら実施することができる。乱数発生器
を介して、各測定した信号ykが、ゼロから予測誤差までの間の増分δykを付加
することによって摂動を起こす。それから、新たな温度がそれぞれの不確かさと
で評価される。実験誤差がわからない場合には、動揺振幅が計算した回帰線から
の標準偏差に等しく受け
取られる。動揺振幅をこれらの実際的な限界内に保つことが重要であり、さもな
いと、正しい解法の選択を紛らわしくさせるような異質の解法が捜し出され得る
。一連の論理IFゲートを介して、コンピュータプログラムが変動した信号及び
新たな結果の信頼性の度合いから温度を評価し、そして動揺サイクルの最後には
、Tの修正値が提出される。
起こり得る誤差を補償するための動揺処理手順の適用は、後述するようにこれ
らの誤差の性質についての幾らかの質的情報を必要とする。
簡易化のため、対数線形放射率方程式
を仮定すると、放射率は変数exp(bλ)を掛けた倍率exp(a)の積とし
て表される。前記からわかるように、Tの計算は倍率aとは独立して遂行できる
。従って、bとTとの間の関係に注意を集中する。
もしウィーンの法則が一組の完全に正しい測定値Yk,k=1,・・・Nに適用され
た場合、方程式の体系
が識別b=b0に関して満たされ、1/λkに対してプロットした点f(λk)は
直線上に整合し、この直線の勾配は1/Tである。
さて、図1の図表を考察する。“正しい”解法に対
応する因数bが摂動を起こした場合、結果f(λk)は一般には整合しておらず
、LSQ処理手順が線形調整を得るために適用されなければならない。Tの応答
すなわち調整線の勾配の逆数が一般に予測できる。b>b0の値に関し、Tは正
しい値よりも大きくなり(線II)、又はその逆も同じである(線III)。さらに
、b>b0の値に関し、摂動を起こす点は、それぞれ逆の曲率の線(図1で破線
の曲線)上にある。
さて、系統誤差が1つ又はそれ以上の信号の検出で生じたと仮定する。例えば
、A,B,C,D,E,F(図2)を一組の仮想の正しい測定とし、そしてA及
びBがそれぞれAerr及びBerrに変移されたとする。
b0が一定に保たれている場合、A及びBの変移の後、摂動を起こした組の点
Aerr,Berr,C,D,E,FのLSQ分析は(図2で線0から線1への)予測
温度の増加を示す。しかも、2つの因数のLSQ分析において、bは変数と考え
られ、従って大きい値b=berrが見い出され、これらに関する点は、より良好
な線形調整であるが遥かに悪化した過大温度を伴ってA′,B′,C′,D′,
E′,F′(線2)へ変移される。1/T=0での回帰線の縦座標切片はaであ
る。従って、分析は摂動を起こした信号を、低過ぎるスペクトル放射率及び強過
ぎるλ依存関係をもつ源によって放射されたものとして解釈する。この型式の誤
差増幅機構は比率式高温計では非常に一般的である。
これに対し、摂動を起こしたデータの線形調整から正しい温度を得るために、
bはberrに対して減少すべき、すなわち2つの因数のLSQ予測とは逆にAerr,
Berr,C,D,E,FからA″,B″,C″,D″,E″,F″(線3)へ変
化すべきである。しかしながら、後者の組の線形回帰係数は前者の組のものより
も悪化するため、最良の線形調整に基づいただけの動揺試験は、正しい温度を個
別化する機会を有しておらず、この場合には、予測されるTは明らかに過大値に
向けて偏倚されている。
bにおける偏りの兆候が(上述した例のように)予測できる場合、十分良い方
法をとることができる。
この場合、組Aerr,Berr,C,D,E,Fから始め、我々は変化した組のた
めの受入れ条件として、
線形回帰係数がAerr,Berr,C,D,E,Fのものよりも良いこと、及び
因数bが最小であること
を課している。
この選択基準でもって、動揺処理手順の統計的試運転は、“正しい”線0(A
,B,C,D,E,F)の因数に向かって収斂するb及びTの“最良値”を提供
している。
一般に、最小調整誤差とbの最小又は最大との2つの基準(表1参照)を動揺
サイクルに適用することにより、λと共にそれぞれ減少及び増加する系統信号偏
差を補償する2つの温度が得られる。
b(又はa)の変化の或る限界が利用できる場合、又は測定した物体が灰色で
ある(b=0)場合でさえも、分析が明らかに容易となる。事実、測定条件及び
物体の放射特性の両方に関係する各種の質的情報は、温度評価プログラム内で利
用できる。
図3及び4は動揺最適化の2つの適用を示している。
第1のケース(図3)では、“灰色”体(λとは無関係の放射率をもつ)の温
度は低い正確さの信号から
計算される。真の温度は2000Kであるのに対し、単一の測定は1947Kを
与えている。振幅2%で動揺を行った後、多数のなし得る修正が調査される。組
の因数(Tj,STj,bj)が図3にプロットされている。信号の不規則な変化か
ら、因数|b|はTの関数として十分良好に限定された傾向を有するのに対し、
誤差STjは明確な傾向を示していないことがわかる。放射率が一定であることは
事前に知られているため、Tの推定値はb及びSTの両方の条件付最小に一致す
べきである。これは2002Kでの(図に水平矢印で示した)1つの点で見い出
され、すなわち真の値を2ケルビン超えただけである。
第2のケース(図4)では、2000Kの源は可変の放射率(b≠0)を有す
る。測定した温度と真の温度との相違はここでは27Kである。
再び、動揺はbとTとの間で良好な相互関係を示す。しかしながら、この場合
では、この因数の真の値について情報が得られていないので、修正はSTだけに
関して求められるべきである。500サイクル後、STの最小は1998Kで見
い出され、著しい改善を呈している。
第1に、この修正処理手順はむしろ疑問に見える。実際には、限られた数の可
能性が分析プログラム内に予め確立されており、選択される基準が通常実際の測
定の前後関係から容易に推測される。事実、注目に値
することは、因数aが完全に自由な変数として処理されるのに対し、測定(例え
ばウィンドウ吸収、媒体の屈折等)中におそらく実行できる収色的な摂動が考慮
されているため、b=b(T)は物質の特性であって、従って放射源がその状態
を変えない限りは変動を受けることはない。高温計光学素子の性能に固有のb(
T)での不安定は、上述したように、オンライン校正処理手順で補償され得る。
測定した放射スペクトルの他の色の摂動は大きい温度不確かさから起こる。この
ような場合、分析が有効なスペクトル放射率Eeff≠Eを示す。正常でない因数
が放射率と同じ方程式で十分に表されるという条件では、温度はまだ正しいとし
てよい。しかしながら、これは一般的ではなく、摂動が小さい場合にだけ補償を
勧められる。
ここで述べた基準機器は、物質に赤外線波長範囲まで働く6波長高温計である
。光学素子は、異なるチャンネルに対応する6つの小さい束に統計的に分割され
た繊維束に対し測定される物質を集中させる標準の色消し対物レンズから成る。
各チャンネルで伝えられる光は、それぞれの動作波長に心合せされるウィンドウ
をもつ干渉フィルタを介して濾過される。