JPH09504560A - ポリアミノ酸の製造方法 - Google Patents
ポリアミノ酸の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、少なくとも一つの強塩基タイプの開始剤を用いて、液体媒質中で少なくとも一つのアミノ酸のN-カルボキシアンハイドライド(NCA類)を重合することよる、分子量が制御されたポリアミノ酸の製造方法であって、前記液体反応媒質中に所定量の水および/またはアルコールを含ませることを特徴とする方法に関する。応用分野は、生体材料としての用途に用いられる機械的特性および流動特性を有するポリアミノ酸の合成である。
Description
【発明の詳細な説明】
ポリアミノ酸の製造方法
〔発明の技術分野〕
本発明は、アミノ酸N-カルボキシアンハイドライド(以下NCA類という)
からポリアミノ酸を合成する技術分野に属する。
より正確に言えば、本発明は強塩基タイプの重合開始剤による、液体媒質中で
のNCA類の重合に関する。
〔従来の技術〕
ポリアミノ酸は、生体材料の分野での用途をもった、生体適合性で且つ生物的
に分解可能なポリマーである。特に、これらは、例えば補綴物および移植物を製
造するための出発材料として、或いは活性成分を放出させる基体として使用する
ための有用な生体材料を構成する。合理的な縫合糸として、一時的な皮膚代替物
として、または織物繊維としてのポリアミノ酸の応用が既に記述されていいる。
これら種々の用途に使用可能であるためには、フィルム形成、紡糸、成型等の
ような、最終製品を形成するための操作で取り扱うことができるように、当該ポ
リアミノ酸が液状または半液状の形態であり得ることが重要である。これは、合
成されるポリアミノ酸の固有粘度および/または重量平均分子量Mwを制御する
ことを意味する。
加えて、これとは逆に、これらポリアミノ酸は、それ未満では予想される用途
で期待される構造的および機械的性質を
満足しないような閾値(例えば、Mw=50,000に設定され得る)よりも大きい分
子量Mwを有するのが望ましい。
H.K.Kricheldorfの著書「αアミノ酸-N-カルボキシアンハイドライトおよび
関連ヘテロ環」,Spring-Verlag(1987)には、NCA類の重合は一般には液体媒
質中において、プロティック救核剤(例えば水、一級アミン及び二級アミン)、
強塩基(例えばアルコキシド若しくは三級アミン)またはホスフィンのような重
合開始剤を用いて行われることが教示されている。これらの強塩基の外に、英国
特許第GB-996,760号には、NCA重合開始剤として、トリアルキルリチウムまた
はトリアルキルアルミニウムのような有機金属試薬が提案されている。
Kricheldorfは、Dpnが200よりも大きいポリマーを与える強塩基タイプの開
始剤とは対照的に、プロティック救核剤によって開始されるNCA類の重合は高
分子量を生じない(200未満のDpn)と述べている(第92頁)。これらのポ
リマーは、正にポリアミノ酸の応用に適することが立証されたものであるので、
当業者は、合成経路として強塩基によるNCA類の重合開始を採用してきた。
しかしながら、このタイプの重合開始剤の欠点は、正に、それらが反応をあま
りに良好に促進するため、重合度や分子量Mwを制御できないことである。その
結果、これはポリアミノ酸に極めて高い還元粘度(reduced viscosities)をもた
らす。このことは、これらポリマーを成型加工品に変換するための操作の点で、
明らかに不利である。
結局のところ、本発明の一つの本質的な目的は、液体媒質
中において強塩基タイプの開始剤の存在下に、NCAからポリアミノ酸を合成す
る方法であって:
・制御可能な重量平均分子量Mw(特に限定されるものではないが、有利には
高分子量、即ち、好ましくは5,000以上、より好ましくは8,000以上)の最終生成
物を得ることが可能であり、
・これら最終生成物の還元粘度(reduced viscosity)の制御が可能で、且つ好
ましくは予め所定の還元粘度を設定することが可能であり、
・しかも、実施が単純で且つ経済的である方法を提供することである。
そこで、鋭意調査および実験を行った結果、名誉なことに、出願人はこの目的
を達成するために、特にNCA類の重合が予想に反して液体反応媒質中で行われ
得べきこと、特に水および/またはアルコールからなる液体媒質中で行えること
を立証することができた。
得られるポリアミノ酸の分子量の制御に関しては、こうして得られた結果は極
めて驚くべきことである。その理由は、有意な量の水およびアルコールのような
反応物が存在する限り、これはNCA類の加水分解または加アルコール分解を誘
導し、結局のところオリゴマーまたは低分子量のポリマー(例えば、200未満の
DPR)になってしまうということが、当該技術においては承認されていたから
である:Kricheldolfp.60 and Becker et al.,J.A.C.S.,5 January 1953,pp.7
37 to 744を参照のこと。
加えて、英国特許第996,760号は、溶媒に対して10-2重
量%の微量の水が最終ポリマーの還元粘度を増大させること(3.5から4.2)を教
示している(実施例1−2)。
〔発明の開示〕
上記事情に鑑み、本発明は、少なくとも一つの強塩基タイプの開始剤を用いて
、液体媒質中で少なくとも一つのアミノ酸のN-カルボキシアンハイドライドを重
合することよる、分子量が制御されたポリアミノ酸の製造方法であって、
前記液体反応媒質中に所定量の水および/またはアルコールを含ませることを
特徴とする方法に関する。
これによって、前記ポリマーの還元粘度を制御し、結局はその重量平均分子量
(Mw)を制御することが可能である。
アルコールに関していえば、好ましくは線状もしくは環状のC1-24のモノアル
コールおよび/またはジアルコール、または芳香族アルコールから選択される。
より好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサ
ノール、フェノール、グリコルから選択され、これらは単独で用いてもよく、ま
た相互の混合物として用いてもよい。
最終ポリマーの還元粘度および分子量を調節する手段として用いられるアルコ
ールは、NCA類に対して0〜300モル%、好ましくは10〜1000モル%、より好
ましくは10〜500モル%の比率で、また水に関しては、残余の液体媒質に対して0
.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%の比率
で用いることができる。
水および/またはアルコールを使用することに伴う副次的な利点は、重合速度
が促進されることである。
本発明の有利な形態に従えば、前記の液体媒質は有機共溶媒である。
こうして、本発明に従えば、異なったアミノ酸に対応する1以上のNCAモノ
マーについて、反応媒質中の水および/またはアルコールの濃度の関数として、
ポリマーまたはコポリマーの還元粘度の変化曲線を確立することが可能である。
有利なことに、この曲線は、所定の粘度のポリマーまたはコポリマーを得るため
に反応媒質中に導入すべき水および/またはアルコールの量を決定するために使
用することができる。これによって、ポリアミノ酸を構成する出発材料の物理的
特性を、所定の最終用途(糸、フィルム、マトリックス等)に適した種々の成型
および加工操作に適合させることが可能になる。
更に、水および/またはアルコールのような共反応体の使用は、経済性および
使用の便宜と同義であることが指摘されるべきである。
本発明による方法のための出発材料は、L,Dアミノ酸またはラセミ体(L+
D)のアミノ酸のN−カルボキシアンハイドライドである。このような出発材料
は、種々のエナンショマーおよび/またはラセミ体の混合物であってよい。所定
のアミノ酸のNCAからなる唯一のタイプのモノマーを用いることも可能であり
、或いはコポリマーを形成するために異なったアミノ酸のNCA類を構成する異
なったモノマー類を用いることも可能である。
アミノ酸ANC類は、公知かつ適切な技術、例えば、W.H.Daly et al.,Tetra
hedron Letters,Vol.29,No.6,
p5859(1988)に記載の技術によって製造し得る。
これらNCA類の前駆体は、以下のアミノ酸単独またはこれらの混合物から選
択される:グリシン、アラニン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、
バリン、α−アミノイソ酪酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、α−アミノアジ
ピン酸、オルニチン、リジン、アルギニン、システイン、メチオニン、スレオニ
ン、セリン、チロシン。
反応媒質中のNCAモノマーの濃度は、有利には、有機溶媒に対して1〜40重
量%、好ましくは2〜20重量%、より好ましくは4〜15重量%である。
本発明の有利な態様に従えば、開始剤は三級アミン類および/またはホスフィ
ン類から選択される。
本発明に特徴的な重合開始剤としては、例えばトリエチルアミン、トリメチル
アミン、tris-N-プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン
、トリシクロヘキシルアミン、4,4',4"-tris(ジメチルアミノ)トリフェニルメ
タン及び次の三級ホスフィン類が挙げられる:トリフェニルホスフィン、トリメ
チルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリイ
ソプロピルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン及びジフェニルメチルホ
スフィン。
本発明の好ましい態様に従えば、トリエチルアミンが開始剤として用いられる
。
重量については、開始剤はNCAに対して0.001〜1モル、好ましくは0.005〜
0.1モルである。
本発明に従えば重合は液体媒質中で行われ、これは、換言
すれば溶液または懸濁液中で行われることを意味する。溶液重合の場合は、使用
される有機共溶媒は次の化学物質から選択される:環状もしくは線状のエーテル
、ニトリル、ハロゲン化脂肪族、芳香族、ハロゲン化芳香族、ニトロ誘導体、エ
ステル、ケトン、アミン、スルホン、スルホキシドまたはこれらの混合物。
懸濁重合の場合、有機共溶媒はアルカン:例えばペンタン、ヘキサン、オクタ
ン、デカン、フッ化アルカンまたはこれらの混合物から選択される。
ハロゲン化脂肪族炭化水素としては、例えばクロロホルム、ジクロロメタン、
1,2-ジクロロメタン、1,1-ジクロロエタン、1,2-ジクロロエチレン、1,1,1-トリ
クロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエ
チレン、1,1,2,2-テトラクロロエタン、1,1,1,2-テトラクロロエタン、ペンタク
ロロエタン、1,2-ジクロロプロパン、2,2-ジクロロプロパン、1,3-ジクロロプロ
パン、1,2,3-ジクロロプロパン、ジクロロメタン、1-ブロモ-3-クロロプロパン
、臭化イソブチレンおよびブロモホルムが挙げられる。
環状エーテルは、例えばジオキサンまたはテトラヒドロフランであり得る。
ニトリルの一例はアセトニトリルであり、芳香族の例はトルエンおよびキシレ
ンであり、ニトロ誘導体の一例はニトロメタンであり、エステルの一例は酢酸メ
チルである。
ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO)は
、それぞれ使用し得るアミドおよびスルホキシドの例である。スルホンの一例と
しては、スルホラン
が挙げられる。
なお、ジオキサンは特に好ましい有機溶媒の一つである。
実際には、この重合反応は常圧および周囲雰囲気において、-20℃〜+150℃、
好ましくは+10℃〜+90℃の反応媒質温度で行われる。
この方法は、分子量および還元粘度が制御され得るポリアミノ酸(ポリマー、
コポリマー)に至る方法を与える。この制御は、使用の容易さまたは当該方法の
経済性を妨げることなく達成される。
〔産業上の利用可能性〕
機械的特性および流動特性を有するポリアミノ酸の合成は、生体材料としての
応用に用いられる。
本発明は、グルタミン酸メチルおよび/またはロイシンから誘導されたNCA
類の重合を示す以下の実施例の記載から、より良く理解され、またその利点およ
び実施上の変形が明瞭になるであろう。
添付の図面は、実施例の理解を容易にするであろう。
〔図面の簡単な説明〕
図1は、重合媒質に添加する水の関数としてポリマーの還元粘度を示している
。
図2は、実施例1の重合における重合反応速度定数kの変化を、反応媒質中の
水野量の関数として示している。
図3は、反応媒質に添加する水野量の関数として、コポリマーの粘度の減少を
示している。
図4は、実施例4の重合において、赤外線によってモニターされたNCA類の
消失速度プロファイルを示している。
〔発明を実施するための最良の形態〕
実施例
還元粘度(ポリアミノ酸を特徴づけする標準法)は、濃度Cが0.5g/リット
ルの酸フッ化酢酸(TFA)中の溶液で測定される。Ubbelohde管(ref.510 03/
0c)を用い、サーモスタットで25℃に調節した浴中に配置した。t0が純粋なT
FAの流出時間であり、tがポリマー溶液の流出時間であるとすれば、還元粘度
は以下のように表される。
ηred=(t−t0)/(t×C)
この還元粘度は、以下の実施例4に示すように、ポリアミノ酸の重量平均分子
量Mwを反映する。
実施例1
1.1 Glu(OMe)-NCA=グルタミン酸メチル・N-カルボキ
シアンハイドライドの製造
32.5gのグルタミン酸メチルおよび250mlのテトラヒドロフラン(THF)を、
冷却器、滴下漏斗およびマグネティクスターラを付設した0.5リットルの反応容
器中に加える。38mlのTHF中のbis-トリクロロメチルカーボネート(25g)を
滴下漏斗に導入する。この反応容器を52℃の油浴中に置き、また窒素気流下に置
く。反応マスが50℃に達したら直ぐに、トリホスゲン溶液の添加を開始する。こ
の溶液を20分に亘って滴下する。反応媒質を更に25分に亘って攪拌し、次いで不
溶性物質を除去するために濾過する。この濾液を濃縮
し、次いで300mlのシクロヘキサンを添加した後、該混合物を-28℃に15時間冷却
する。白色の沈殿を濾別し、30.7gの粗グルタミン酸メチルNCAを得る。この
生成物をジクロロエタン/シクロヘキサンから再結晶させて、28gの純粋なグル
タミン酸メチルNCAを得る。
融点=96.7℃; 融解熱=138.9j/g;
塩素含量=0.16%
1.2 Glu(OMe)−NCAの重合
5gのGlu(OMe)-NCAおよびナトリウム上で新たに蒸留されたジオキサン(75ml
)を、予め窒素でフラッシュした250mlの反応容器内に導入する。この重合反応
容器を40℃に維持した油浴中に置き、反応媒質を65回転/分(反応媒質の温度は
38℃)で攪拌する。10分後、0.029gのトリエチルアミンを添加する。24時間反
応させた後、粘性の混合物を75mlのジオキサンで希釈する。このポリGlu(O
Me)を、2リットルの脱イオン水中において室温で析出させることにより単離
し、500mlの水で2回洗浄し、水真空(water vacuum)下で五酸化燐の存在下に一
定重量になるまで乾燥する。3.65gのLeu-Glu(OMe)コポリマーが得られる(収率
95%)。このコポリマーの還元粘度(酸フッ化酢酸中で測定)は3.54 dl/gであ
る。
1.3 ポリグルタミン酸メチルの粘度に対する水の影響
反応媒質中に存在する水の量を、ジオキサンに対する2%〜10%(重量比)の
範囲で研究した。表1には、反応媒質に添加する水の量を増大させて得られたポ
リマーの特性を纏めてある。
添付の図1は、重合媒質に添加された水の関数として、ポリマーの還元粘度の
変化を示している。
添付の図2は、重合媒質中の水の量の関数として、重合反応の速度定数kの変
化を示している。
実施例2
2.1 Leu−NCAの製造
26.5gのロイシンおよび250mlのテトラヒドロフラン(THF)を、冷却器、滴
下漏斗およびマグネティクスターラを付設した0.5リットルの反応容器中に加え
る。38mlのTHF中のbis-トリクロロメチルカーボネート(トリホスゲン;25g
)を滴下漏斗に導入する。この反応容器を52℃の油浴中に置き、また窒素気流下
に置く。反応マスが50℃に達したら直ぐに、トリホスゲン溶液の添加を開始する
。この溶液を15分に亘って滴下する。反応媒質を更に30分に亘って攪拌し、次い
で不溶性材料を除去するために濾過する。この濾液を濃縮し、次いで300mlのシ
クロヘキサンを添加した後、該混合物を-28℃に15時間冷却する。白色の沈殿を
濾別し、24.5gの粗ロイシンNCAを得る。この生成物をクロロホルム/シク
ロヘキサンから再結晶させて、20gの純粋なLeu−NCAを得る。
融点=76.9℃; 融解熱=99.8j/g;
塩素含量=0.12%
2.2 Glu(OMe)−NCA/Leu−NCA
混合物の重合
Glu(OMe)-NCAおよLeu-NCAの混合物(5gの45モル%Leu-NCA)および蒸留ジオ
キサン(75ml)を、予め窒素でフラッシュした250mlの反応容器内に導入する。
この重合反応容器を40℃に維持した油浴中に置き、反応媒質を65rev/min(反応
媒質の温度は38℃)で攪拌する。10分後、トリエチルアミン(0.029g)を迅速
に添加する。5時間反応させた後、粘性の混合物を75mlのジオキサンで希釈し、
攪拌を150回転/分に増大させてポリマーを速やかに溶解させる。このLeu/G
lu(OMe)コポリマーを、2リットルの脱イオン水中において室温で析出さ
せることにより単離し、500mlの水で2回洗浄し、真空下で五酸化燐の存在下に
一定重量になるまで乾燥する。3.53gのLeu-Glu(OMe)コポリマーが得られる(収
率95%)。このコポリマーの還元粘度(三フッ化酢酸中で測定)は3.7 dl/gであ
る。
2.3 Leu/Glu(OMe)コポリマー
の粘度に対する水の影響
反応媒質中に存在する水の量を、ジオキサンに対する2%〜10%(重量比)で
研究した。表2には、反応媒質に添加する水の量を増大させて得られたコポリマ
ーの特性を纏めてある。
添付の図3は、重合媒質に添加された水の量の関数として、コポリマーの粘度
が減少することを示している。
2.4 Leu/Glu(OMe)コポリマーの
還元粘度(分子量)に対するアルコールの影響
4つの生成物からなるこのコポリマーシリーズの目的は、コポリマーの還元粘
度を変化させ、またその組成を一定に維持することである。採用されたモノマー
比率は、GluOMeが53%、ロイシンが47%である。
使用した極性溶媒は、アブソリュートエタノールである。
アブソリュートエタノールの量は、NCAsに対して21〜458モル%(即ち、0
.5〜8.5重量%/ジオキサン)の範囲で変化させた;導入したモノマー類の比率
は一定のままであった。
その結果を下記の表3に示す。
実験条件
・Leu/Glu(OMe)モル%=47/53
・[Leu/Glu(OMe)]NCA=20g(0.1123モル)
・ジオキサン+アブソリュートEtOH=300ml
・Et3N=0.125g(1モル%/NCA)
・T=40℃
・攪拌=80回転/分
実施例3:開始剤の影響
3.1 Leu−NCA/Glu(OMe)−NCA
混合物の水を用いた重合
トリエチルアミンを除外し、ジオキサンの10重量%に等しい量の水を添加して
、実施例2を繰り返した。赤外線でモニターしたNCA類の消失速度プロファイ
ルは、重合が8時間で完了することを示している(添付の図4を参照されたい)
。次いで、反応媒質を標準的な重合の場合と同じ方法で処理する。白色の固体が
回収され(重量収率=97%)、その1H−
NMRスペクトルはLEU−Glu(OMe)コポリマーのものと同一である。
この生成物の三フッ化酢酸中での還元粘度は非常に低く、ηred=0.48 dl/gであ
る。この比較試験は、開始剤なしで水を単独で用いると、低分子量のコポリマー
の形成が導かれることを示している。
実施例4:重量平均分子量Mwおよび還元粘度ηred
の間の対応
異なったロイシン/グルタミン酸メチルコポリマー(Leu/Glu(Ome)⇔47/53モ
ル)のサンプル(1〜3)を、実施例2の手順に従って製造した。それらの重量
平均分子量Mwを、光拡散(light diffusion)によって測定した。それらの還元
粘度自体は、上記のようにして測定した。表4に示したこれらの結果は、Mwお
よびηredが同じ方向に変化することを明瞭に示している。従って、これら二つ
の値の間には直接の相関が存在する。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1995年10月20日
【補正内容】
量%の微量の水が最終ポリマーの還元粘度を増大させること(3.5から4.2)を教
示している(実施例1−2)。
〔発明の開示〕
上記事情に鑑み、本発明は、液体媒質中で少なくとも一つのアルカリ性開始剤
を用いて、少なくとも一つのアミノ酸のN-カルボキシアンハイドライド(NCA
類)を重合することよる、分子量が制御されたポリアミノ酸の製造方法であって
、
三級ホスフィンおよび/またはアミン〜選択される開始剤を用いることと、
反応媒質中に、
・残余の液体媒質に対して0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、よ
り好ましくは1〜5重量%の水、
・および/またはNCA類に対して300モル%以下、好ましくは10〜1000
モル%、より好ましくは10〜500モル%のアルコール
を導入することと、
最終ポリマーの分子量を制御するために、水および/またはアルコールの量を
変化させることとを特徴とする方法に関する。
これによって、前記ポリマーの還元粘度を制御し、結局はその重量平均分子量
(Mw)を制御することが可能である。
アルコールに関していえば、好ましくは線状もしくは環状のC1-24のモノアル
コールおよび/またはジアルコール、または芳香族アルコールから選択される。
より好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキ
サノール、フェノール、グリコルから選択され、これらは単独で用いてもよく、
また相互の混合物として用いてもよい。
最終ポリマーの還元粘度および分子量を調節する手段として用いられるアルコ
ールは、NCA類に対して0〜300モル%、好ましくは10〜1000モル%、より好
ましくは10〜500モル%の比率で、また水に関しては、残余の液体媒質に対して0
.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%の比率
で用いることができる。
水および/またはアルコールを使用することに伴う副次的な利点は、重合速度
が促進されることである。
請求の範囲
1.液体媒質中で少なくとも一つのアルカリ性開始剤を用いて、少なくとも一
つのアミノ酸のN-カルボキシアンハイドライド(NCA類)を重合することよる
、分子量が制御されたポリアミノ酸の製造方法であって、
三級ホスフィンおよび/またはアミン〜選択される開始剤を用いることと、
反応媒質中に、
・残余の液体媒質に対して0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、よ
り好ましくは1〜5重量%の水、
・および/またはNCA類に対して300モル%以下、好ましくは10〜1000
モル%、より好ましくは10〜500モル%のアルコール
を導入することと、
最終ポリマーの分子量を制御するために、水および/またはアルコールの量を
変化させることとを特徴とする方法。
2.請求項1項に記載の方法であって、
・1以上の所定のポリアミノ酸について、得られるポリマーの還元粘度を、
反応媒質中の水および/またはアルコールの濃度の関数として与える曲線を確立
することと、
・目的のポリアミノ酸について所定の還元粘度を選択することと、
・前記目的のポリアミノ酸を得るように、この量での重合を行うこととから
なることを特徴とする方法。
3.請求項1または2に記載の方法であって、前記アルコ
ールは、線状もしくは環状のC1-24のモノアルコールおよび/またはジアルコー
ル、または芳香族アルコールから選択され、より好ましくは、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、フェノール、グリコール(
これらは単独で用いてもよく、また相互の混合物として用いてもよい)から選択
されることとを特徴とする方法。
4.請求項1〜3の何れか1項に記載の方法であって、前記液体媒質が有機共
溶媒を含むことを特徴とする方法。
5.請求項1〜3の何れか1項に記載の方法であって、前記NCA(類)は、
グリシン、アラニン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、α
−アミノイソ酪酸、ペンタメチレンスピロアミノ酢酸、アスパラギン酸、グルタ
ミン酸、α−アミノアジピン酸、オルニチン、リジン、アルギニン、システイン
、メチオニン、スレオニン、セリン、およびチロシンからなる群から選択される
少なくとも一つのアミノ酸から得られたものであることを特徴とする方法。
6.請求項1〜3の何れか1項に記載の方法であって、前記有機共溶媒が、
・環状もしくは線状のエーテル、
・ニトリル、
・ハロゲン化脂肪族、
・芳香族、
・ハロゲン化芳香族、
・ニトロ誘導体、
・エステル、
・ケトン、
・アミド、
・スルホン、
・スルホキシド
・上記の混合物
からなる群から選択され、
好ましくは、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、クロロホル
ム、1,2-ジクロロエタン、トルエン、キシレン、ニトロメタン、酢酸メチル、D
MFおよびDMSOからなる群から選択され、
特に好ましくはジオキサンであることを特徴とする方法。
7.少なくとも一つの強塩基タイプの開始時を用い、任意に少なくとも一つの
有機共溶媒が添加される液体媒質中において、少なくとも一つのアミノ酸のN-カ
ルボキシアンハイドライド類(NCA類)の重合によって製造されるポリアミノ
酸の分子量を制御するための、水および/またはアルコールの使用。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ジョルダ、ラファエル
フランス国、69110 ステ・フォイ・レ・
リヨン、アブニュ・ドゥ・マレシャル・フ
ォシュ 73
(72)発明者 カスタン、カテリネ
フランス国、69530 ブリグネ、リュ・
デ・コクリコ 18
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.少なくとも一つの強塩基タイプの開始剤を用いて、液体媒質中で少なくと も一つのアミノ酸のN-カルボキシアンハイドライド(NCA類)を重合すること よる、分子量が制御されたポリアミノ酸の製造方法であって、 前記液体反応媒質中に所定量の水および/またはアルコールを含ませることを 特徴とする方法。 2.請求項1に記載の方法であって、 ・前記アルコールは、線状もしくは環状のC1-24のモノアルコールおよび/ またはジアルコール、または芳香族アルコールから選択され、より好ましくは、 メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、フェノー ル、グリコール(これらは単独で用いてもよく、また相互の混合物として用いて もよい)から選択されることと、 ・前記アルコールは、NCA類に対して0〜300モル%、好ましくは10〜100 0モル%、より好ましくは10〜500モル%の比率で存在することを特徴とする方法 。 3.請求項1または2に記載の方法であって、前記水は、残余の液体媒質に対 して0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%の 比率で存在することを特徴とする方法。 4.請求項1〜3の何れか1項に記載の方法であって、前記液体媒質が有機共 溶媒を含むことを特徴とする方法。 5.請求項1〜4の何れか1項に記載の方法であって、前記NCA(類)は、 グリシン、アラニン、フェニルアラニン、 ロイシン、イソロイシン、バリン、α−アミノイソ酪酸、ペンタメチレンスピロ アミノ酢酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、α−アミノアジピン酸、オルニチ ン、リジン、アルギニン、システイン、メチオニン、スレオニン、セリン、およ びチロシンからなる群から選択される少なくとも一つのアミノ酸から得られたも のであることを特徴とする方法。 7.請求項1〜6の何れか1項に記載の方法であって、前記有機共溶媒が、 ・環状もしくは線状のエーテル、 ・ニトリル、 ・ハロゲン化脂肪族、 ・芳香族、 ・ハロゲン化芳香族、 ・ニトロ誘導体、 ・エステル、 ・ケトン、 ・アミド、 ・スルホン、 ・スルホキシド ・上記の混合物 からなる群から選択され、 好ましくは、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、クロロホル ム、1,2-ジクロロエタン、トルエン、キシレン、ニトロメタン、酢酸メチル、D MFおよびDMSOからなる群から選択され、 特に好ましくはジオキサンであることを特徴とする方法。 8.請求項1〜7の何れか1項に記載の方法であって、 ・1以上の所定のポリアミノ酸について、得られるポリマーの還元粘度を、 反応媒質中の水および/またはアルコールの濃度の関数として与える曲線を確立 することと、 ・目的のポリアミノ酸について所定の還元粘度を選択することと、 ・前記目的のポリアミノ酸を得るように、この量での重合を行うこととから なることを特徴とする方法。 9.少なくとも一つの強塩基タイプの開始時を用い、任意に少なくとも一つの 有機共溶媒が添加される液体媒質中において、少なくとも一つのアミノ酸のN-カ ルボキシアンハイドライド類(NCA類)の重合によって製造されるポリアミノ 酸の分子量を制御するための、水および/またはアルコールの使用。
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